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技術 ワイヤー切断加工機用水性加工液組成物

出願人 コマツNTC株式会社パレス化学株式会社
発明者 神戸孝宮田健章田中和雄井出栄一
出願日 1996年8月12日 (24年6ヶ月経過) 出願番号 1996-212720
公開日 1998年2月24日 (23年0ヶ月経過) 公開番号 1998-053789
状態 拒絶査定
技術分野 洗浄、機械加工 潤滑性組成物 石材または石材類似材料の加工 潤滑剤
主要キーワード 切断巾 ワイヤー切断 水溶性リン化合物 切断くず ワイヤー線 水溶性防錆剤 付着具合 切断加工後
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課題

砥粒を分散させて使用した場合、ワイヤソーによる安定した切断加工性に優れ、しかも切断後の加工物から砥粒、加工物切粉加工液を水で容易に取り去ることができる、ワイヤー切断加工機水性加工液組成物である。

解決手段

下記の成分A、B、C、D及びEを含有することを特徴とする。

A.特定のポリグリコールエーテルを10〜60重量%。

B.有機ベントナイト及び無機ベントナイト中より選択された少なくとも一種を0.1〜5.0重量%。

C.カルボキシメチルセルロースCMC)、MgO、メタノール及びエタノールの中より選択された少なくとも一種を0.01〜5.0重量%。

D.β−ナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物及び石油又は合成スルホン酸のNa、K、Li、アミンの各塩の中より選択された少なくとも一種を0.1〜2.0重量%。

E.水を28〜70重量%。

概要

背景

シリコンインゴットGaAsGaP等の結晶物石英ガラス水晶等の光学材料セラミックス等の硬脆性材料の切断にはワイヤソーが用いられている。ワイヤソーによる切断法は、巻かれたピアノ線等の細線を引き出し加工物押しつけて走らせ、その細線と加工物の間に加工液で分散された緑色炭化ケイ素GC)等の遊離砥粒を介在させることによって切断する方法である。

シリコンウェハーの切断を例にとれば、径が3インチ以下の小片切り出す場合、例えばシリコンウェハーから小片チップを切り出す場合は外周刃による切断が用いられている。しかし3インチ以上の円柱インゴットを切断する場合には切刃ぶれて切断面の形状が悪くなるので、刃が外周部分から抱束れている内周刃が用いられている。内周刃の場合、切断面の平行性を得るために刃の剛性を強くする必要から厚みを0.5mm以上にしなければならず、それだけ切断ロスが出るが、ワイヤソーではワイヤー線径が0.2mmφ以下でも切断が可能であり、それだけ収率が良くなるため、最近は8インチ以上のインゴット切断にワイヤソーが用いられるようになった。しかしワイヤソーでは内周刃や外周刃のように刃そのものが既についているのではなく、先に述べたように遊離砥粒を細線と加工物の間にいかに平均的に介在させるかがポイントとなり、そのための有効な加工液が必要となる。

従来このような切断用加工液には、低粘度鉱油に油脂又は極圧添加剤を配合した非水系のものや、水をベース安息香酸塩等の防錆剤非イオン系界面活性剤グリコールを配合した、いわゆるケミカルタイプと言われる水系加工液が使用されていた。外周刃や内周刃のように刃先砥粒が固定されているものに関してはこのような低粘度加工液でも問題はないが、ワイヤソー切断のように刃物となる物質が遊離砥粒として存在している場合は加工液の粘性構造が重要なポイントとなる。即ち遊離砥粒が加工物にうまく供給されるためには供給タンクでの加工液と砥粒の分散安定性が必要となり、ワイヤソ−の細線への加工液と砥粒のからみ性などは、その加工液が持つ粘性構造と吸着性に依存するからである。近年ワイヤソーにおいても改良がなされ、切断速度高速化、加工物の面粗度の精度アップが画され、より大口径のインゴット、例えば12インチの円柱インゴットの切断が行われるようになり、機械、加工液(油剤)共に一層の性能向上が要求されるようになっている。

ワイヤソー切断に用いる新しい油剤として、特開平4−216897号及び特開平4−218594号にはグリコール類水溶性増粘剤を主体とした水系の油剤が開示されているが、これも現在ではウエハーの厚さむら(TTV)や平坦度LTV)に対する市場の要求が厳しくなってきたため、要求に応えられなくなっている。この原因は、加工油剤を用いて切断時の細線に砥粒をむらなく均一に巻き付けると言う至難の特性と適度な潤滑性欠けるためである。砥粒を均一に細線に巻きつけるためには、加工液の砥粒の分散安定性及び細線への均一付着性(吸着性)が必要であり、また砥粒が最適な切断性をもつためには加工液が適度な潤滑性を持つ必要がある。砥粒の分散安定性は加工液の粘度と界面活性的な性能によるが、粘度は構造粘性を持つ必要がある。潤滑性は、ありすぎると砥粒が加工物に食い込まずに滑り切断性が落ち、ないと砥粒の個々の切断性能が充分発揮されないことになる。

特開平8−57847号には有機及び無機ベントナイトと水とアルカノールアミン高級脂肪酸とを反応させてなる脂肪酸アミンとの均一混合物を主成分とする組成物;特開平8−60176号にはベントナイトの水分散液N−メチル−2−ピロリドンステアリン酸との反応物ベンゾトリアゾールオレイン酸との反応物とエタノールアミンとを溶解してなる主成分からなる組成物;また特開平8−57848には2−メチル−1−ステアロイルイミダゾール及び2−メチル−1−オレイルイミダソール水溶液を主成分とした組成物が、ワイヤソー切断加工液として開示されている。ここでベントナイトは架橋型分散剤であり、砥粒の分散性を向上させるものであるとあり、又イミダゾールも増粘剤として砥粒の分散性に寄与するとある。ベントナイトの増粘による砥粒の分散に関しては特公昭57−45794号に有機ベントナイトとしてベントナイトと有機アミンによる包接化合物に砥粒を分散してなる組成が開示されているので、ベントナイトとアミンによる砥粒分散効果は公知と言えるが、その作用は増粘によるものである。

単に増粘のみに頼る分散の場合は、その増粘に由来する構造粘性の長期安定性と言うものが大きな要因となる。特にワイヤソー切断油剤の場合は、ミクロン単位切断巾、切断面精度が要求される。このためには、常に一定の砥粒分散性が必要となる。

ベントナイトの増粘はある種の極性の強い無機物有機物をベントナイトの層間に入れて層間化合物を作り、それが水や他の溶媒でより膨潤しやすくなり、粘性を増やすわけであるが、その選択を誤ると折角膨潤したベントナイトが再凝集することがあり、層間化合物の選択は重要な要素を持っている。ベントナイトとエタノールアミンの包接による増粘は、一時的には好ましい結果は得られるが、長期安定性で問題がある。イミダゾールの増粘も安定性に難がある。

また最近、加工液に対する新たな要求性能として切断後の洗浄性が問題になってきている。ワイヤソーにおいて切り出されたウェハーは次工程のラップ工程に移すが、切り出された直後のウェハーには当然粉砕された砥粒、加工液、加工物切粉等が付着しており、このままでは厳しい表面精度を要求するラップ工程には移すことができない。そこで従来は新たに洗浄剤を添加して切り出されたウェハーを洗浄しているが、従来洗浄液として使用していた有機溶剤などは発がん性廃棄規制により使用できなくなってきており、ワイヤソー切断後、新たに洗浄剤を添加することなく、水だけで洗浄できないかとの市場の要求が出ている。

概要

砥粒を分散させて使用した場合、ワイヤソーによる安定した切断加工性に優れ、しかも切断後の加工物から砥粒、加工物切粉、加工液を水で容易に取り去ることができる、ワイヤー切断加工機水性加工液組成物である。

下記の成分A、B、C、D及びEを含有することを特徴とする。

A.特定のポリグリコールエーテルを10〜60重量%。

B.有機ベントナイト及び無機ベントナイトの中より選択された少なくとも一種を0.1〜5.0重量%。

C.カルボキシメチルセルロースCMC)、MgO、メタノール及びエタノールの中より選択された少なくとも一種を0.01〜5.0重量%。

D.β−ナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物及び石油又は合成スルホン酸のNa、K、Li、アミンの各塩の中より選択された少なくとも一種を0.1〜2.0重量%。

E.水を28〜70重量%。

目的

本発明は、砥粒を分散させて使用した場合、ワイヤソーによる安定した切断加工性に優れ、しかも切断後の加工物から砥粒、加工物切粉、加工液(油剤)を水で容易に取り去ることができる、ワイヤー切断加工機用水性加工液組成物を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
12件

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請求項1

下記の成分A、B、C、D及びEを含有することを特徴とするワイヤー切断加工機水性加工液組成物。A.次の一般式(1)又は(2)で表されるポリグリコールエーテル中より選択された少なくとも一種を10〜60重量%。

請求項

ID=000002HE=005 WI=059 LX=0305 LY=0700

請求項

ID=000003HE=015 WI=059 LX=0305 LY=0800ここでR1 は水素又は炭素原子数が1〜6のアルキル基、またはフェニル基、R2 は水素又はアセチル基、nは1〜4の整数。B.有機ベントナイト及び無機ベントナイトの中より選択された少なくとも一種を0.1〜5.0重量%。C.カルボキシメチルセルロースCMC)、MgO、メタノール及びエタノールの中より選択された少なくとも一種を0.01〜5.0重量%。D.β−ナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物及び石油又は合成スルホン酸のNa、K、Li、アミンの各塩の中より選択された少なくとも一種を0.1〜2.0重量%。E.水を28〜70重量%。

請求項2

請求項1に記載の組成物に、次の一般式(3)又は(4)で表される水溶性リン化合物アルカリ剤である水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化リチウムモノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンの中の少なくとも一種でPH6〜10に中和されたものが0.5〜10.0重量%添加されたものであるワイヤー切断加工機用水性加工液組成物。

請求項

ID=000004HE=015 WI=059 LX=0305 LY=2050

請求項

ID=000005HE=015 WI=059 LX=0305 LY=2250ここでnは2〜5の整数、Rは炭素数1〜18のアルキル基、またはフェニル基。

請求項3

請求項1に記載の組成物に下記の成分イ、ロ及びハの中の少なくとも一種が添加されたものであるワイヤー切断加工機用水性加工液組成物。(イ)次の一般式(5)又は(6)で表されるアミド化合物の中の少なくとも一種が1.0〜10.0重量%。

請求項

ID=000006HE=015 WI=059 LX=1205 LY=0300

請求項

ID=000007HE=015 WI=059 LX=1205 LY=0500ここでRはC10〜C18の飽和脂肪酸不飽和脂肪酸又はヤシ油脂肪酸、nは2〜6の整数。(ロ)次の一般式(7)で表される脂肪酸塩の中の少なくとも一種が2〜50重量%。

請求項

ID=000008HE=005 WI=059 LX=1205 LY=0900ここでRはC10〜C18の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸又はヤシ油脂肪酸、MはNa、K、Li又はアミン。(ハ)硼酸が0.1〜5.0重量%。

請求項4

ベンゾチアゾールベンゾトリアゾール及びNa−メルカブトベンゾチアゾールの中から選ばれる少なくとも一種の水溶性防食剤を0.01〜1.0重量%、並びにイミダゾール系、クレゾール系トリアジン系、4級アンモニウム塩系及びビクアナイド系の中から選ばれる少なくとも一種の水溶性防腐剤を0.01〜1.0重量%含有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載のワイヤー切断加工機用水性加工液組成物。

--

0001

本発明は、ワイヤー切断加工機において砥粒を分散させて使用する加工液組成物に関するものである。

背景技術

0002

シリコンインゴットGaAsGaP等の結晶物石英ガラス水晶等の光学材料セラミックス等の硬脆性材料の切断にはワイヤソーが用いられている。ワイヤソーによる切断法は、巻かれたピアノ線等の細線を引き出し加工物押しつけて走らせ、その細線と加工物の間に加工液で分散された緑色炭化ケイ素GC)等の遊離砥粒を介在させることによって切断する方法である。

0003

シリコンウェハーの切断を例にとれば、径が3インチ以下の小片切り出す場合、例えばシリコンウェハーから小片チップを切り出す場合は外周刃による切断が用いられている。しかし3インチ以上の円柱インゴットを切断する場合には切刃ぶれて切断面の形状が悪くなるので、刃が外周部分から抱束れている内周刃が用いられている。内周刃の場合、切断面の平行性を得るために刃の剛性を強くする必要から厚みを0.5mm以上にしなければならず、それだけ切断ロスが出るが、ワイヤソーではワイヤー線径が0.2mmφ以下でも切断が可能であり、それだけ収率が良くなるため、最近は8インチ以上のインゴット切断にワイヤソーが用いられるようになった。しかしワイヤソーでは内周刃や外周刃のように刃そのものが既についているのではなく、先に述べたように遊離砥粒を細線と加工物の間にいかに平均的に介在させるかがポイントとなり、そのための有効な加工液が必要となる。

0004

従来このような切断用加工液には、低粘度鉱油に油脂又は極圧添加剤を配合した非水系のものや、水をベース安息香酸塩等の防錆剤非イオン系界面活性剤グリコールを配合した、いわゆるケミカルタイプと言われる水系加工液が使用されていた。外周刃や内周刃のように刃先に砥粒が固定されているものに関してはこのような低粘度加工液でも問題はないが、ワイヤソー切断のように刃物となる物質が遊離砥粒として存在している場合は加工液の粘性構造が重要なポイントとなる。即ち遊離砥粒が加工物にうまく供給されるためには供給タンクでの加工液と砥粒の分散安定性が必要となり、ワイヤソ−の細線への加工液と砥粒のからみ性などは、その加工液が持つ粘性構造と吸着性に依存するからである。近年ワイヤソーにおいても改良がなされ、切断速度高速化、加工物の面粗度の精度アップが画され、より大口径のインゴット、例えば12インチの円柱インゴットの切断が行われるようになり、機械、加工液(油剤)共に一層の性能向上が要求されるようになっている。

0005

ワイヤソー切断に用いる新しい油剤として、特開平4−216897号及び特開平4−218594号にはグリコール類水溶性増粘剤を主体とした水系の油剤が開示されているが、これも現在ではウエハーの厚さむら(TTV)や平坦度LTV)に対する市場の要求が厳しくなってきたため、要求に応えられなくなっている。この原因は、加工油剤を用いて切断時の細線に砥粒をむらなく均一に巻き付けると言う至難の特性と適度な潤滑性欠けるためである。砥粒を均一に細線に巻きつけるためには、加工液の砥粒の分散安定性及び細線への均一付着性(吸着性)が必要であり、また砥粒が最適な切断性をもつためには加工液が適度な潤滑性を持つ必要がある。砥粒の分散安定性は加工液の粘度と界面活性的な性能によるが、粘度は構造粘性を持つ必要がある。潤滑性は、ありすぎると砥粒が加工物に食い込まずに滑り切断性が落ち、ないと砥粒の個々の切断性能が充分発揮されないことになる。

0006

特開平8−57847号には有機及び無機ベントナイトと水とアルカノールアミン高級脂肪酸とを反応させてなる脂肪酸アミンとの均一混合物を主成分とする組成物;特開平8−60176号にはベントナイトの水分散液N−メチル−2−ピロリドンステアリン酸との反応物ベンゾトリアゾールオレイン酸との反応物とエタノールアミンとを溶解してなる主成分からなる組成物;また特開平8−57848には2−メチル−1−ステアロイルイミダゾール及び2−メチル−1−オレイルイミダソール水溶液を主成分とした組成物が、ワイヤソー切断加工液として開示されている。ここでベントナイトは架橋型分散剤であり、砥粒の分散性を向上させるものであるとあり、又イミダゾールも増粘剤として砥粒の分散性に寄与するとある。ベントナイトの増粘による砥粒の分散に関しては特公昭57−45794号に有機ベントナイトとしてベントナイトと有機アミンによる包接化合物に砥粒を分散してなる組成が開示されているので、ベントナイトとアミンによる砥粒分散効果は公知と言えるが、その作用は増粘によるものである。

0007

単に増粘のみに頼る分散の場合は、その増粘に由来する構造粘性の長期安定性と言うものが大きな要因となる。特にワイヤソー切断油剤の場合は、ミクロン単位切断巾、切断面精度が要求される。このためには、常に一定の砥粒分散性が必要となる。

0008

ベントナイトの増粘はある種の極性の強い無機物有機物をベントナイトの層間に入れて層間化合物を作り、それが水や他の溶媒でより膨潤しやすくなり、粘性を増やすわけであるが、その選択を誤ると折角膨潤したベントナイトが再凝集することがあり、層間化合物の選択は重要な要素を持っている。ベントナイトとエタノールアミンの包接による増粘は、一時的には好ましい結果は得られるが、長期安定性で問題がある。イミダゾールの増粘も安定性に難がある。

0009

また最近、加工液に対する新たな要求性能として切断後の洗浄性が問題になってきている。ワイヤソーにおいて切り出されたウェハーは次工程のラップ工程に移すが、切り出された直後のウェハーには当然粉砕された砥粒、加工液、加工物切粉等が付着しており、このままでは厳しい表面精度を要求するラップ工程には移すことができない。そこで従来は新たに洗浄剤を添加して切り出されたウェハーを洗浄しているが、従来洗浄液として使用していた有機溶剤などは発がん性廃棄規制により使用できなくなってきており、ワイヤソー切断後、新たに洗浄剤を添加することなく、水だけで洗浄できないかとの市場の要求が出ている。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、砥粒を分散させて使用した場合、ワイヤソーによる安定した切断加工性に優れ、しかも切断後の加工物から砥粒、加工物切粉、加工液(油剤)を水で容易に取り去ることができる、ワイヤー切断加工機用水性加工液組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明にかかわるワイヤー切断加工機用水性加工液組成物は、下記の成分A、B、C、D及びEを含有することを特徴とする。
A.次の一般式(1)又は(2)で表されるポリグリコールエーテル中より選択された少なくとも一種を10〜60重量%。

0012

上記のA、B、C、D及びEの成分を含有する組成物には、さらに次の一般式(3)又は(4)で表される水溶性リン化合物アルカリ剤である水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化リチウムモノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンの中の少なくとも一種でPH6〜10に中和されたものが0.5〜10.0重量%添加されていても良い。

0013

また上記のA、B、C、D及びEの成分を含有する組成物には、さらに下記の成分イ、ロ及びハの中の少なくとも一種が添加されていても良い。
(イ)次の一般式(5)又は(6)で表されるアミド化合物の中の少なくとも一種が1.0〜10.0重量%。

0014

以下、本発明の水性加工液組成物に使用される構成成分について具体的に説明する。A.ポリグリコールエーテル類は本発明の基材をなすものであり、前記の一般式(1)又は(2)で表される。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピレングリコールモノブチルエーテル等の水溶性グリコールエーテルであり、品質的には市販一般品以上でよく、配合量は組成物全体に対して10〜60重量%である。この配合量は他の配合品によって律されるが、10重量%より少なすぎると砥粒の分散性やワイヤーへの砥粒の巻き込み均一性が悪くなり、60重量%より多くなると他の組成物の配合割合が少なくなり、切断性が阻害される。また上記のグリコールエーテル系化合物の他に、エチレングリコールジエチレングリコールや他のポリエチレングリコールポリオキシエチレングリコールやポリオキシエチレングリコールとポリエキシプロピレングリコールとのコーポリマー等、そのものが水溶性であるグリコール系溶剤も適宜使用することが出来る。

0015

本発明におけるB.無機又は有機ベントナイトは、粘土鉱物モンモリロナイト結晶体そのものである無機ベントナイト、又はモンモリロナイトと有機塩基複合体である有機ベントナイトである。これらの純度は少なくとも90%以上の純度が必要である。純度が悪い無機ベントナイトでは石英泥岩等が混入しており、有機ベントナイトでも材料として無機ベントナイトを使用するため純度の悪いものでは同様な不純物の混入が考えられ、半導体のワイヤソー切断のように精密を必要とするものにあっては所期の性能が得られなくなる。無機又は有機ベントナイトの配合量は全組成物に対し、0.1〜5.0重量%が適当であり、上記の範囲より少なすぎると粘度が出なくなり砥粒の分散安定性に難を来し、多すぎると粘度が出すぎて砥粒との混合がうまく行かず、又切断面への加工油剤の供給性に難をもたらす。

0016

本発明に用いられるC.カルボキシメチルセルロースCMC)、MgO、メタノール等はベントナイト膨潤促進剤として用いられ、その添加量組成物全体量に対し、0.01〜5.0重量%である。0.01重量%より少ないとベントナイト膨潤効果が劣り、5.0重量%より多すぎるとやはりベントナイト膨潤効果が阻害される。

0017

本発明におけるD.β−ナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物、或は石油又は合成スルホン酸塩(Na、K、Li、アミン塩)は、砥粒の分散性を良好ならしめると共にCMC、MgO、メタノール、エタノール等のベントナイトの膨潤剤と共にベントナイトの安定な膨潤に相乗的効果を示し、砥粒を安定に分散せしめワイヤソー細線上への砥粒供給に対し卓越した効果をもたらす。その配合量は組成物全体量に対し0.1〜2.0重量%であり、0.1%より少なすぎると砥粒分散に係わる性能が劣り、多すぎるとベントナイトの膨潤を逆に阻害する等の問題が生じる。

0018

一般式(3)又は(4)で表されるリン化合物は、水溶性になるようにオキシエチレン基が付加されたもので、更にアルカリ剤である水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの中の少なくとも一種でPH6〜10に中和されたものである。これらのリン化合物はワイヤソーにおける切断性を良好にせしめるために添加されており、切断ウェハーのTTV(Total Thickness Valuation)の結果を良好にする。添加量は全組成物に対し0.5〜10.0重量%とするのが良い。添加量が0.5重量%より少なくなるとその効果が出なくなり、10.0重量%より多くなるとワイヤソー機械に対する防食性や砥粒の分散性に悪影響を及ぼす。

0019

一般式(5)又は(6)で表されるアミド化合物は、増粘効果による砥粒の分散性と切断潤滑性を向上させる効果を持ち、次のような化合物が用いられる。ヤシ油脂肪酸等の油脂脂肪酸ジエタノールアミドラウリン酸等の飽和脂肪酸ジエタノールアミド、オレイン酸等の不飽和脂肪酸ジエタノールアミド、ボリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールミド等であり、これらの添加量は組成物中1.0〜10.0重量%が適当である。1重量%より少ない場合は添加効果が明らかでなく、10重量%より多くなると増粘しすぎて切断安定性に支障をもたらす。

0020

一般式(7)で表される脂肪酸塩はワイヤソー切断時に潤滑効果をもたらす。添加量は組成物中2〜50重量%が適当である。2重量%より少ない場合は添加効果が明らかでなく、50重量%より多くなると粘性のバランスがくずれて種々な問題が生じる。

0021

本発明で用いられる硼酸防錆効果を示すと共に組成物のPHを調整し、粘性のバランスを保持する。純度は化学用以上の純度を有するものが好ましい。添加量は組成物中0.1〜5.0重量%が適当である。0.1重量%より少ない場合は添加効果が明らかでなく、5重量%より多すぎるとベントナイトの増粘効果を阻害する。

0022

本発明のワイヤー切断加工機用水性加工液組成物には、ワイヤソー機械及びワイヤーの防錆性を付与させるために、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、Na−ベンゾチアゾール等の水溶性防錆剤を添加することが好ましい。その添加量はそれらの一種又は二種以上の組み合わせで0.01〜1.0重量%とするのが良い。0.01重量%より少なすぎると防錆効果が劣り、1.0重量%より多すぎても効果は飽和状態になり、経済性で意味がなくなる。

0023

また本発明のワイヤー切断加工機用水性加工液組成物には、貯蔵時や稼動時にカビ腐敗菌の発生がないように、チアゾール系、イミダゾール系、クレゾール系トリアジン系、4級アンモニウム塩系、ビクアナイド系等の市販水溶性防腐剤を添加することが好ましい。その添加量は全体に対し0.01〜1.0重量%とするのが良い。0.01重量%より少なくなると防腐効果が劣り、1.0重量%より多くなるとベントナイトの膨潤性に支障をきたす。

0024

本発明のワイヤー切断加工機用加工液組成物は、その効果及び作業性を高めるために、当該技術分野において使用される油性剤極圧剤及び消泡剤を適宜選択して添加することが出来る。例えば油脂類塩素及び硫黄リン等の極圧剤、シリコン系消泡剤等である。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下実施例を比較例と対比して本発明の構成及び効果を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0026

表1及び表2に示す組成の実施例1、2、3、4、5及び6の加工液組成物を調製した。比較のため表2に示す組成(市販品の組成)を有する比較例1、2、3及び4の加工液組成物を準備した。なお実施例及び比較例で使用した原料の詳細を表4に示した。

0027

0028

0029

0030

0031

砥粒(緑色炭化ケイ素#600)と加工液を重量比で1:1の割合で混合した液を1500rpmで撹拌し、その撹拌中の液にφ0.16mm×100mmのワイヤーを浸漬し、ただちに引き上げ垂直に吊して5分間液滴を切った後、ワイヤーへの砥粒の付着具合顕微鏡で観察した結果を表5に示す。

0032

0033

表5から明らかなように、本発明の組成を有する加工液を用いるとワイヤー面の90〜100%に砥粒が均一に付着している。

0034

日平トヤマ製ワイヤーソー444型のワイヤー切断加工機を使用し、表6に示す作業条件でφ300mm×200mmのSi単結晶の切断を行った結果を表7に示す。

0035

0036

0037

表7から明らかなように、本発明の組成を有する加工液を用いると厚さむらが小さい。

0038

表7に示した切断加工後のウェハー水道流水下で裏、表を各2分間万遍なく洗浄し、洗浄後のウェハーの洗浄状態目視で観察した結果を表8に示す。

0039

0040

表8から明らかなように、本発明の加工液を使用した場合には、砥粒、切断くず、加工液が完全に洗浄されていて、目視では汚れは確認できない。

発明の効果

0041

砥粒の分散安定性が良く、且つ細線への均一付着性及び加工物の切断性が良好であると共に、切断後加工物に付着した砥粒、切断くず、加工液混合物を加工物から水で容易に洗浄除去できる。

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