図面 (/)

技術 コンベアの滑り量計測方法並びにロボットのトラッキング動作補正方法

出願人 ファナック株式会社
発明者 渡辺淳原龍一有松太郎十文字隆
出願日 1996年8月8日 (22年11ヶ月経過) 出願番号 1996-225825
公開日 1998年2月24日 (21年5ヶ月経過) 公開番号 1998-053316
状態 未査定
技術分野 光学的手段による測長装置 コンベヤの制御 位置、方向の制御
主要キーワード 換算係数α 出力計数 計数周期 不規則模様 供給ワーク 移動距離δ 性能チェック 最終プレス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年2月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

解決手段

周回するコンベアベルト1の縁部領域32内に設けられたマークMを、短周期間欠的に撮影を繰り返すカメラで検出する。マーク画像の位置は視野内でとびとびの位置をとる。M’,M”は前回及び次回の撮影機会で取得される画像位置である。視野内基準線33から下流方向に測った追越し距離di をコンベアのパルスコーダ計数値換算して補償した上で、コンベア1周当りのパルスコーダ計数値を計測する。計数値の最大値最小値の差を距離に換算してコンベア1周当りの滑り量とする。不規則テクスチュアを利用して、局所的な滑り量を検出してロボットのトラッキング動作を補正することも出来る。

概要

背景

工場における生産ラインにおいては、組立部品等の対象物(以下、「ワーク」と言う。)を搬送するコンベアロボット等の自動機械を組み合わせたシステムが使用されることが通例となっている。特に、視覚センサを援用し、搬送中のワークに対するトラッキング動作をロボットに行なわせるようにしたシステムは、ビジュアルトラッキングシステムと呼ばれ、コンベアを止めずに作業を進めることが出来るため、最近ますます多用される傾向にある。

このようなシステムにおいて作業精度を向上させるには、ワークの動き、即ち、コンベアの動きを正確に把握出来なければならない。コンベアの動きは、通常、コンベアの駆動軸に結合されたパルスコーダの出力を用いて把握される。パルスコーダの精度は一般に極めて高いから、コンベア駆動軸の動きを正確に検出することはさして困難ではない。

しかし、一般にコンベアはその構造上、ベルト等の走行部材滑りが生じ易い性質がある。従って、ビジュアルトラッキングシステム等を構築する際には、コンベアにどの程度の滑りがあるのかを把握する必要がある。従来は、作業者がパルスコーダの出力と走行部材の移動距離とを対照させてコンベアの滑り量を測定していた。

一般に、走行部材のどの部分が駆動部にさしかかった時に滑りが発生するかは未知である。そのため、走行部材が長尺である場合には作業者の負担が非常に大きくなり、また、間欠的に滑りを起すような場合には滑りの検出自体が容易ではない。更に、コンベアが連続走行する実際の作業時と同じ条件で測定を行なうことは実際上困難でもあるから、滑り量の測定値信頼が持てない場合もある。

概要

視覚センサを用いたコンベアの滑り量を簡便な検出法及びロボットのトラッキング動作の補正

周回するコンベアベルト1の縁部領域32内に設けられたマークMを、短周期で間欠的に撮影を繰り返すカメラで検出する。マーク画像の位置は視野内でとびとびの位置をとる。M’,M”は前回及び次回の撮影機会で取得される画像位置である。視野内基準線33から下流方向に測った追越し距離di をコンベアのパルスコーダの計数値換算して補償した上で、コンベア1周当りのパルスコーダ計数値を計測する。計数値の最大値最小値の差を距離に換算してコンベア1周当りの滑り量とする。不規則テクスチュアを利用して、局所的な滑り量を検出してロボットのトラッキング動作を補正することも出来る。

目的

そこで、本発明は上記従来技術の問題点を解決することを基本的な目的としている。即ち、本発明は、視覚センサを用いてコンベアの滑り量を簡便に検出する方法を提供することを企図している。更に本発明は、ビジュアルトラッキングシステムにおけるロボットのトラッキング動作をリアルタイムで補正し得るような形でコンベアの滑り量を検出し、ロボット制御手段へ出力するための方法を提供することを併せて企図するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

位置検出手段を持つコンベア走行体上のマーク視覚センサカメラ手段によって繰り返し検出し、前記マークが前記カメラ手段の視野内のほぼ定位置で検出された時の前記位置検出手段の出力値を多数回の周回周期について解析して前記走行体のコンベア1周当り滑り量を求めるようにした、コンベアの滑り量計測方法

請求項2

前記マークが前記カメラ手段の視野内のほぼ定位置で検出された時の前記位置検出手段の出力値を、前記マーク検出位置の前記定位置からのずれに応じて修正してから解析するようにした、請求項1に記載されたコンベアの滑り量計測方法。

請求項3

前記位置検出手段の出力値の解析が、コンベア1周当りの前記位置検出手段の出力値の最大値最小値の差に基づいて前記走行体のコンベア1周当りの滑り量を求めるようにした、請求項1または請求項2に記載されたコンベアの滑り量計測方法。

請求項4

位置検出手段を持つコンベアの走行体上のパターンを視覚センサのカメラ手段によって短周期で繰り返し検出し、該短周期間の前記位置検出手段の出力値に基づいて計算される移動距離と、前記視覚センサによって検出される前記パターンの移動距離とを比較して、前記走行体の局所的な滑り量を求めるようにした、コンベアの滑り量計測方法。

請求項5

前記パターンが不規則テクスチュアである、請求項4に記載されたコンベアの滑り量計測方法。

請求項6

位置検出手段を持つコンベアの走行体上のパターンを視覚センサのカメラ手段によって短周期で繰り返し検出し、該短周期間の間の前記位置検出手段の出力値に基づいて計算される移動距離と、前記視覚センサによって検出される前記パターンの移動距離とを比較して、前記走行体の局所的な滑り量を求め、該局所的な滑り量のデータを継続的に蓄積し、前記蓄積された局所的な滑り量のデータに基づいて、前記コンベアと協働するロボットトラッキング動作補正するようにしたロボットのトラッキング動作補正方法

請求項7

前記パターンが不規則なテクスチュアである、請求項6に記載されたロボットのトラッキング動作補正方法。

技術分野

0001

本発明は、視覚センサを用いてコンベア滑り量を検知する方法並びに検出されたコンベア滑り量に応じてロボットトラッキング動作補正する方法に関する。本発明の方法は、ビジュアルトラッキングシステムに適用して有利なものである。

背景技術

0002

工場における生産ラインにおいては、組立部品等の対象物(以下、「ワーク」と言う。)を搬送するコンベアとロボット等の自動機械を組み合わせたシステムが使用されることが通例となっている。特に、視覚センサを援用し、搬送中のワークに対するトラッキング動作をロボットに行なわせるようにしたシステムは、ビジュアルトラッキングシステムと呼ばれ、コンベアを止めずに作業を進めることが出来るため、最近ますます多用される傾向にある。

0003

このようなシステムにおいて作業精度を向上させるには、ワークの動き、即ち、コンベアの動きを正確に把握出来なければならない。コンベアの動きは、通常、コンベアの駆動軸に結合されたパルスコーダの出力を用いて把握される。パルスコーダの精度は一般に極めて高いから、コンベア駆動軸の動きを正確に検出することはさして困難ではない。

0004

しかし、一般にコンベアはその構造上、ベルト等の走行部材滑りが生じ易い性質がある。従って、ビジュアルトラッキングシステム等を構築する際には、コンベアにどの程度の滑りがあるのかを把握する必要がある。従来は、作業者がパルスコーダの出力と走行部材の移動距離とを対照させてコンベアの滑り量を測定していた。

0005

一般に、走行部材のどの部分が駆動部にさしかかった時に滑りが発生するかは未知である。そのため、走行部材が長尺である場合には作業者の負担が非常に大きくなり、また、間欠的に滑りを起すような場合には滑りの検出自体が容易ではない。更に、コンベアが連続走行する実際の作業時と同じ条件で測定を行なうことは実際上困難でもあるから、滑り量の測定値信頼が持てない場合もある。

発明が解決しようとする課題

0006

そこで、本発明は上記従来技術の問題点を解決することを基本的な目的としている。即ち、本発明は、視覚センサを用いてコンベアの滑り量を簡便に検出する方法を提供することを企図している。更に本発明は、ビジュアルトラッキングシステムにおけるロボットのトラッキング動作をリアルタイムで補正し得るような形でコンベアの滑り量を検出し、ロボット制御手段へ出力するための方法を提供することを併せて企図するものである。

0007

本発明は基本的に2種の形態で具体化される。第1の形態においては、コンベアの走行体のコンベア1周当りの滑り量が求められる。即ち、位置検出手段(例えばパルスコーダ)を持つコンベアの走行体上のマークを視覚センサのカメラ手段によって繰り返し検出し、マークがカメラ手段の視野内のほぼ定位置で検出された時の位置検出手段の出力値を多数回の周回周期について解析して走行体のコンベア1周当りの滑り量が求められる。

0008

マークがカメラ手段の視野内のほぼ定位置で検出された時の位置検出手段の出力値は、マーク検出位置の定位置からのずれに応じて修正してから解析されることが好ましい。コンベア1周当りの滑り量は、コンベア1周当りの位置検出手段出力値の最大値最小値の差に基づいて推定することが出来る。

0009

本発明の第2の形態においては、コンベアの走行体の局所的な滑り量が求められる。即ち、位置検出手段を持つコンベアの走行体上のパターンを視覚センサのカメラ手段によって短周期で繰り返し検出し、該短周期間の位置検出手段の出力値(変化量)に基づいて計算される移動距離と、視覚センサによって検出されるパターンの移動距離とを比較して、走行体の局所的な滑り量が求められる。

0010

視覚センサで認識されるパターンとしては、不規則テクスチュアを利用することが出来る。局所的な滑り量のデータを継続的に蓄積すれば、それに基づいて、コンベアと協働するロボットのトラッキング動作を補正することが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0011

図1は、本発明の方法をビジュアルトラッキングシステムにおいて実施する際の全体配置の1例を模式的に示したものである。同図において、符号1は例えば最終プレス工程実行部のようなワーク供給源100から1個づつ供給されるワークW,W’を搬送する直線搬送コンベアを表わしている。ワーク供給源100からのワーク供給間隔は、不規則ではあるが、コンベア1の下流位置でトラッキング動作を行なうロボットRBが多少の余裕を以て全供給ワークに対する作業を行える程度の大きさを有しているものとする。コンベア1の駆動軸は駆動部2に内蔵されたコンベア駆動モータによって駆動される。コンベア駆動モータには位置検出手段としてパルスコーダ3が結合されており、モータ(駆動軸)の位置信号パルス列の形で出力する。

0012

コンベア1は上流側の端部1aと下流側の端部1b間で循環走行するエンドレスベルト(あるいはこれに代わる走行体。以下、同じ。)を備えたもので、本実施形態ではこのコンベアベルトが滑り量の検出対象物とされる。また、以下の説明では符号1をこのコンベアベルト自体を指示する符号としても使用する。

0013

符号VSは、画像処理装置20とカメラ30(例えば、CCDカメラ)から構成される視覚センサを表わしている。カメラ30はロボットRBの上流側で、コンベア走行路の上方からコンベアベルト1のほぼ全幅カバーする視野31を持つように設置されている。符号32は、後述する態様で滑り量検出を行なうために使用される縁部領域を表わしており、ワーク供給源100によるワーク供給は、この縁部領域にワークW,W’を載置しないように行なわれる。

0014

図中に破線で示したように、画像処理装置20はロボットコントローラRCに内蔵された形態をとっている。このロボットコントローラRCは、トラッキング動作を行なうロボットRBを制御するロボット制御部10を有している。ロボット制御部10は、内蔵された画像処理装置20からワークWの位置・姿勢を表わすデータを得るとともに、パルスコーダ3の計数出力値Nを利用して、ロボットRBのトラッキング動作の制御に利用する。また、視覚センサVSで滑り量検出を行なう場合には、コンベアベルト1の滑り量を表わすデータを受取り教示操作盤(後述)のディスプレイ上に結果表示を行なったり、ロボットのトラッキング動作の補正に利用する。

0015

ロボットコントローラRCの内部構成の概略は、図2に要部ブロック図で示されている。同図において、ロボットコントローラRCに内蔵された画像処理装置20はマイクロプロセッサからなるCPU(中央演算処理装置)21を有している。CPU21には、カメラインターフェイス22、フレームメモリ画像メモリ)23、プログラムメモリ24、画像処理プロセッサ25、データメモリ26、モニタインターフェイス27がバスBS”を介して各々接続されている。

0016

カメラインターフェイス22にはカメラ30が接続されており、カメラインターフェイス22を介して撮影指令が送られると、カメラ30に設定された電子シャッタ機能シャッタスピードは、例えば1000分の1秒)により撮影が実行され、カメラインターフェイス22を介して映像信号グレイスケール信号に変換され、フレームメモリ23に格納される。

0017

モニタインターフェイス27にはモニタCRT40が接続されており、カメラ30が撮影中の画像、フレームメモリ23に格納された過去の画像、画像処理プロセッサ25による処理を受けた画像等が必要に応じて表示される。

0018

フレームメモリ23に格納されたワークWの映像信号は、プログラムメモリ24に格納された解析プログラムに従って画像処理プロセッサ25を利用して解析される。本実施形態で用意される解析プログラムには、次の3種のものが含まれる。なお、各プログラムに対応した処理内容については後述する。

0019

(1)ワークの特徴点等を抽出してワークの位置・姿勢を算出する解析プログラム。ここでは、ワークWは図1中に示したように4個の特徴点a,b,c,dを有し、これら4点のすべてが検出された場合に、それに基づいてワークの位置・姿勢姿勢を計算するものとする。

0020

(2)コンベアベルト1の性能チェックあるいは状態診断のために、コンベアベルト一周あたりの滑り量を算出する解析プログラム。

0021

(3)ロボットRBのトラッキング動作を補正するために、コンベアベルト1のローカルな滑り量を算出する解析プログラム。

0022

データメモリ26は、視覚センサシステムに関連した各種の設定値を格納する領域と、CPU21が実行する各種処理に必要なデータの一時記憶に利用される領域を含んでいる。なお、滑り量検出に関連した処理でデータ記憶に利用される各レジスタ(後述)は、このデータメモリ26内に設定される。

0023

そして、画像処理装置20のCPU21は、ロボットコントローラRC内部でバスBSを介してロボット制御部10のCPU11にバス結合されている。これにより、視覚センサ20全体は実質的にロボット制御部10と一体の機器(視覚センサ内蔵型のロボットコントローラRC)を構成している。

0024

ロボット制御部10は、バスBSを介して画像処理装置20のCPU21とバス結合されたCPU11を有している。このCPU11には、システム全体を制御する為のプログラムが格納されたROM12、CPU処理の為のデータの一時記憶に使用されるRAM13、動作プログラム座標系設定データ、その他各種設定パラメータ等が格納される不揮発性メモリ14、ハンドを含むロボットRBの機構部にサーボ回路16を介して接続された軸制御器15、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)用データメモリ17、デジタルシグナルプロセッサ(以下、「DSP」と言う。)18並びにインターフェイス(教示操作盤用または汎用)19が、各々バスBS’を介して接続されている。

0025

DSP18は、これに接続されたパルスコーダ3の計数出力信号を処理する為のプロセッサで、DSP用データメモリ17はDSP18による諸処理データや設定パラメータを格納するDSP専用のメモリである。DSP18は、CPU11の命令に従って、任意の時点においてパルスコーダ3の計数出力を検出し、DSP用データメモリ17の所定エリアに書き込む機能を有している。また、画像処理装置20のCPU21からも、CPU11を介してDPS用データメモリ17にアクセス可能となっている。

0026

インターフェイス19には、システム全体の操作盤を兼ねるとともにLCDのディスプレイを装備した教示操作盤TPが接続されている。このディスプレイにはコンベアベルトの滑り量の算出結果も表示することが出来る。

0027

以下、このようなシステム構成と機能を前提に、本発明の方法を2つの実施形態形態1(1周当りの滑り量検出)及び実施形態2(局所的滑り量検出とそれに基づくトラッキング動作補正)に分けて説明する。なお、本実施形態におけるロボットRBのトラッキング動作の概要は次の通りとする。
(1)ワークWがトラッキング開始ライン60に到達した時点から、P0 を初期位置とするトラッキング動作を開始し、(2)教示位置付近の点Q0 でワークWと遭遇し、(3)ワークWがトラッキング終了ライン70(位置Q1 )に到達するまでにワークWに対する作業(例えば、シーリング剤の塗布、樹脂材料流し込みなど)を完了し、(4)コンベア1上から側方に離隔して初期位置P0 に復帰する。

0028

準備作業(実施形態1,2に共通)]
(1)スケールファクタの決定
従来と同様の下記手順により、コンベア1の走行距離lとパルスコーダ3の計数出力(インクリメンタル量ΔN)との関係を表わすスケールファクタα=l/ΔNを求める。但し、ここで求められるスケールファクタαには、不規則に発生し得るコンベア1の滑りに起因した誤差が含まれていることに注意する必要がある。

0029

1.ロボットRBの動作範囲の位置にワークをセットし、その時のパルスコーダ3の計数出力N1 をロボットコントローラRCに記憶させる。
2.ロボットRBを手動操作して、ワークW上の適当な定点タッチし、その時のロボット位置(X1 ,Y1 ,Z1)をロボットコントローラRCに記憶させる。

0030

3.コンベア1を適当な距離だけ走行させ、ロボットRBの動作範囲内の適当な位置でワークを停止させ、その時のパルスコーダ3の計数出力N2 をロボットコントローラRCに記憶させる。
4.ロボットRBを手動操作して、ワークW上の適当な定点にタッチし、その時のロボット位置(X2 ,Y2 ,Z2 )をロボットコントローラRCに記憶させる。
5.ロボットコントローラRCに、α=(X2 −X1 )/(N2 −N1 )の計算を行わせてスケールファクタαを求め、ロボットコントローラRCの不揮発性メモリ14及び画像処理装置20のデータメモリ26に記憶させる。

0031

(2)センサ座標系Σs の設定
適当な手段により、視覚センサVSにセンサ座標系Σs を設定する。例えば、ベース座標系Σb 上の座標値が判っている位置に公知のキャリブレーション用治具を配置し、画像処理装置20のプログラムメモリ24に格納されたキャリブレーション用のプログラムを起動させ、カメラ30の画素値データをセンサ座標系Σs のデータに換算する為のデータを画像処理装置20のデータメモリ26に格納する。また、その結果を利用して、センサ座標系Σs とベース座標系Σb の関係を表わすデータをロボット制御部10の不揮発性メモリ14に格納する。

0032

(3)カメラ30の視野31内のコンベア1上にワークWをセットし、その時点におけるパルスコーダ計数出力値Nvsをロボット制御部10のDSP用データメモリ17と画像処理装置20のデータメモリ26に格納する。また、カメラ30による撮影を実行し、ワークWの画像を基準画像として取り込み、フレームメモリ23に格納する。

0033

(4)コンベア1を走行させ、ロボットRBにトラッキング動作を開始させるに適した位置(ライン60)にワークWが到達したら、コンベア1を停止させる。そして、その時点のパルスコーダ計数出力値Ntr1 と先に記憶したNvsとの差(インクリメンタル量)ΔNtr1 -vs =Ntr1 −Nvsを計算して、DSP用データメモリ17に格納する。

0034

(5)コンベア1を更に走行させ、ロボットRBがワークWに対する作業を開始するに適した位置にワークWをもって来る。そして、その時点のパルスコーダ計数出力値Ntcと先に記憶したNvsからΔNtc-vs =Ntc−Nvsを計算して、DSP用データメモリ17に格納する。

0035

(6)ロボットRBに所期の作業(例えば、樹脂材料の注入、シーリング剤の塗布など)の実行に必要な動作を教示する。ここでは、その詳細は省略する。
(7)コンベア1を再び更に走行させ、ロボットRBのトラッキング動作を終了させるに適した位置(ライン70)にワークWが到達したら、コンベア1を停止させる。そして、その時点のパルスコーダ計数出力値Ntr2 と先に記憶したNvsからΔNtr2 -vs=Ntr2 −Nvsを計算し、結果をDSP用データメモリ17に格納する。

0036

(8)トラッキング座標系の設定
ロボットRBとコンベア1の座標系の共有化を行なう為に、トラッキング座標系Σtrを次の条件で設定する。なお、ここではX軸がコンベアの走行方向と一致したベース座標系Σb が設定済みであるものとする。即ち、トラッキング座標系Σtrはベース座標系Σb と同姿勢で設定され、トラッキング座標系Σtrが移動を開始するまでのトラッキング座標系Σtrの原点位置(X0 ,Y0 ,Z0 )は、
X0 =−L0 ;Y0 =0;Z0 =0 ・・・(1)
であり、ベース座標系Σb 上の座標値(X,Y,Z)とトラッキング座標系標Σtr上の座標値(x,y,z)の関係は、
x=X+L0 ;y=Y;z=Z ・・・(2)
で表わされるものとする。但し、L0 は教示点Q0 の位置とトラッキング開始ライン60との間の距離である。L0 の値を確定するためには、既に求められたスケールファクタα、ΔNtr1 -vs,ΔNtc-vsを用いて、
L0 =α(ΔNtc-vs−ΔNtr1 -vs) ・・・(3)
を計算すれば良い。このL0 のデータは、トラッキング座標系Σtrを既述するパラメータとして、ロボット制御部10の不揮発性メモリ14に格納される。

0037

トラッキング座標系Σtrをこのように設定することで、ロボットを初期位置にあるトラッキング座標系Σtr上で動作させた時、ロボット制御部10は、教示点Q0 の位置をトラッキング開始ライン60上の点Q0'として認識する。

0038

トラッキング座標系Σtrは、トラッキング動作開始指令を受けてコンベア1と等速でx軸方向(=X軸方向)へ移動を開始する。トラッキング座標系Σtrの移動量は、後述するように、パルスコーダ計数出力値Nの変化量とスケールファクタαに基づいてリアルタイムに決定される。

0039

(9)その他、後述する処理でアクセスされるレジスタの設定、視野31の長さ、撮影間隔を調節するパラメータ、基準値フラグ値などの設定を行なう(w,q,Fの初期値、f30,ε1 ,ε2 等)。以上で、トラッキング動作を実行するための基本的な準備は完了する。

0040

[実施形態1]本実施形態は、コンベアの性能のチェック動作状態診断等の目的で、コンベアベルト1の1周当りの滑り量を検出するもので、ワーク供給やロボットRBの動作の開始前、あるいは休止時に実行することが出来る。但し、ワーク供給やロボットRBの動作と並行して実行することで、ベルトに対して実際の作業時の負荷を与えても良い。ここでは、説明の便宜上、ワーク供給やロボットRBの動作には言及しない。

0041

[1]準備
1.準備
コンベアベルト1の、縁部領域32(図1参照)に対応した部分の適宜位置に視覚センサVSに認識可能なマークを設ける。このマークは、1周当りの滑り量検出のための視覚ターゲットを提供するもので、その形状、設け方(シール貼付直接描画、既存マークの利用など)等は視覚センサVSによる認識に支障が無い限り一般には任意である。ここでは図3に示したように、コンベアベルト1の地の色と明度コントラストを持つ●印を採用する。

0042

図3において、マークMはカメラの視野31中の縁部領域32内で基準線33を距離di だけ越えた位置に描かれている。カメラによる撮影をコンベアベルト1の走行中に短周期で間欠的に実行した時、取得されるマーク画像の位置も視野内でとびとびの位置をとる。符号M’,M”は各々マークMの画像を取得した撮影機会に対して前回及び次回の撮影機会で取得されるマーク位置乃至画像位置を例示している。

0043

即ち、マークMは各ベルト周回においてマーク位置が視野内基準線33に到達して以後の最初の撮影機会におけるマーク位置乃至マーク画像位置を表わしている。視野内基準線33から下流方向に測った追越し距離をdi で表わす。添字iはi周目計測された距離であることを表わしている。距離di について、di≧0(i=1,2,3・・)が成立することは言うまでもない。なお、視野内基準線33の位置は、カメラの画素列の一つを予め指定することで設定される。ここでは、中央画素列の位置が視野内基準線33に設定されているものとする。
2.実行
(1)先ず、マークMを設けたコンベアベルト1の走行を開始させる。走行速度は、一般には任意で良い。但し、走行速度によって滑り量が変化する可能性を考慮するならば、負荷条件とともに計測中に種々変化させる(低速低負荷、高速高負荷など)ことも好ましい。次に述べるように、本実施形態では、最小の滑り量が観測された時を滑り量0とみなして滑り量が算出されるからである。

0044

(2)図7に記した処理フロ−(処理1)に従って、ベルト1周当りの滑り量を推定・算出する。各ステップG1〜G11の処理の要点は下記の通りである。処理は、コンベアベルト1の走行の開始後に、ベルト周回指標iの初期値を1とし、飽和値をi0 とする。i0 個のレジスタの初期値をすべて0として開始される。一般に、正確な計測を行なうためには、飽和値i0 の値は大きい程好ましい。しかし、大きな値を設定すると計測に要する時間が延びることを考慮して適当な値を設定する。

0045

〔G1〕カメラ30による撮影を行い、視野31内の画像を取得する。
〔G2〕i番目レジスタ値Ni を、撮影時点のパルスコーダ出力計数値に更新する。
〔G3〕マークMの検出を試みて、検出成功であればステップG4へ進む。検出不成功であればステップG1へ戻り再度撮影を行なう。
〔G4〕検出されたマークMの位置(●中心位置)が、視野基準線33の手前側(上流)にあるか否かを判断し、イエスあればステップG1へ戻り、ノーであればステップG5へ進む。

0046

〔G5〕視野基準線33の追越し距離di を求めて、パルスコーダの計数値に換算する。換算には予め設定されたカメラ30の撮影倍率(1画素当りの距離)と距離/パルスコーダ計数換算係数αが利用される。
〔G6〕i番目のレジスタ値Ni をNi −di に更新する。これにより、マーク検出位置のばらつきが滑り量計測に与える誤差がほぼ補正される。
〔G7〕ベルト周回指標iの値を1アップする。
〔G8〕周回指標iの値が飽和値i0 を越えていないかチェックし、越えていればステップG9へ進み(i0周目のコンベア周回時)、越えていなければステップG1へ戻る(i0 周目未満のコンベア周回時)。
〔G9〕i0 個のレジスタ値Nj (j=1,2,3・・i0 )について、相前後するレジスタ値の差Nj+1 −Nj の最小値、MIN[Nj+1 −Nj ](j=1,2,3・・i0 −1)を求める。

0047

〔G10〕i0 個のレジスタ値Nj (j=1,2,3・・i0 )について、相前後するレジスタ値の差Nj+1 −Nj の最大値、MAX[Nj+1 −Nj ](j=1,2,3・・i0 −1)を求める。

0048

〔G11〕Dround =α(MAX[Nj+1 −Nj ]−MIN[Nj+1 −Nj ])を求める。計算結果Dround を含むデータは、教示操作盤TPのディスプレイ上に表示される。このような計算方法は、MIN[Nj+1 −Nj ]が得られたベルト周回時の滑り量(実距離)を0とみなして、1周当りの最大滑り量を推定することに相当している。

0049

説明のための例示として、15周分の計測を行い下記のレジスタ値N1 〜N15を得たとした場合の結果を記せば次のようになる。なお、換算係数はα=0.01mm/計数値とした。

0050

N1 = 24,511
N2 = 824,628 N2 −N1 =800,117
N3 = 1,624,736 N3 −N2 =800,108
N4 = 2,424,962 N4 −N3 =800,226
N5 = 3,224,747 N5 −N4 =799,785
N6 = 4,024,752 N6 −N5 =800,005
N7 = 4,825,003 N7 −N6 =800,251
N8 = 5,625,111 N8 −N7 =800,108
N9 = 6,425,102 N9 −N8 =799,991
N10= 7,225,396 N10−N9 =800,294
N11= 8,025,685 N11−N10=800,289
N12= 8,825,806 N12−N11=800,121
N13= 9,625,807 N13−N12=800,001
N14=10,425,797 N14−N13=799,990
N15=11,226,272 N15−N14=800,275
MIN[Nj+1 −Nj ]=799,785
MAX[Nj+1 −Nj ]=800,294
MAX[Nj+1 −Nj ]−MIN[Nj+1 −Nj ]=509
Dround =5.09mm
このようにして推定・算出された1周当りの滑り量は、コンベアベルト1の性能チェックあるいは状態診断に利用される。例えば、事前チェックあるは保守点検許容基準(例えば1cm)を越えた1周当りの滑り量が計測されるベルトコンベア1については、部品交換清掃機種交換などの処置がとられる。

0051

また、システム稼働中にロボットRBのトラッキング動作に支障を来たした場合に、本実施形態に従った滑り量計測を行なえば、システム異常の原因を究明し、とるべき処置を決定する上で有用なデータが提供される。なお、次の実施形態2の中で説明する実際の作業(ワーク供給とロボットのトラッキング動作など)中に、上記処理を定期的に並行実施すれば、本実施形態をシステム稼働中のベルト滑りモニタリング手段として用いることも出来る。

0052

[実施形態2]本実施形態では、コンベアベルトにある程度の滑りが発生しても、それがロボットRBのトラッキング動作の精度低下を招かないようにするための技術手段が提供される。即ち、実施形態1とは異なり、滑り量の検出は、ベルト周回周期より十分短い周期で繰り返し実行される。検出結果は、ロボットRBのトラッキング動作をリアルタイムで補正するのに適した形で蓄積される。本明細書では、このように短いベルト走行期間について検出される滑り(量)を「局所的滑り(量)」と呼ぶ。

0053

一般に、局所的滑りを常時検出するための視覚ターゲットは、コンベアベルト1の全長に亙って存在する必要がある。図5及び図6に、局所的滑りを検出するための視覚ターゲットの例を示した。なお、以下の説明においては、ワークの位置・姿勢の検出のために実行される撮影を撮影1と呼び、局所的滑り検出のために実行される撮影を撮影2と呼ぶ。後述するように、前者はほぼ視野長f30のコンベア走行毎に繰り返されるが、後者はそれより十分に短い周期(例えば、数10分の1の周期)で繰り返される。

0054

1.図5のように、コンベアベルト1の縁部全長に亙って規則的なスケールSCが適度の密度で存在する場合;この場合には、パルスコーダ計数出力値N0 の時点を基準としたチャートで記したように、十分短かいパルスコーダ計数周期ΔN毎の撮影2で得られるスケールSCの画像から実移動量Δd1 ,Δd2 ・・・を求める。そして、これらを対応期間中のパルスコーダ計数出力値の増分ΔNが表わす移動量(滑りが無い場合の移動量)を比較し、
ΔDk =αΔN−Δdk (k=1,2・・・) ・・・(4)
を計算することで局所滑り量を求めることが出来る。一般に、パルスコーダ計数値N1 〜N2 で特定されるある期間の滑り量を算出するには、その間のΔDkの積算値Σ(N1-N2) ΔDk を求めれば良い。

0055

2.図6に一部を例示したように、コンベアベルト1の縁部全長に亙ってきず、汚れ不規則模様等、不規則的なテクスチュアTXが存在する場合;この場合には、視野31(図1参照)内の縁部領域32に適度の幅βを持つ定領域として基準領域321を設定しておき、短周期(パルスコーダ計数周期ΔN毎)で撮影2を繰り返す。そして、相前後する撮影2の実行時に取得された画像を比較し、基準領域321部分に含まれるテクチュア画像TXの移動距離を求める。そして、これをパルスコーダ出力から計算される移動距離と比較することで、短周期(撮影2実行間隔)で局所的滑り量を検出することが出来る。

0056

今、第1,2,3回目の撮影2実行時のパルスコーダ計数出力値を各々N0 ,N0 +ΔN,N0 +2ΔNとした時、テクスチュア画像TXはコンベア走行とともにチャートで記したように移動する。即ち、計数値N0 時に基準領域321内にあったテクスチュア画像要素は、計数値N0 +ΔN時には符号322で示した幅βの領域内に移動する。同様に、計数値N0 +ΔN時に基準領域321内にあったテクスチュア画像要素は、計数値N0 +2ΔN時には符号323で示した幅βの領域内に移動する。ここで、領域322と領域323は、不規則な局所的滑りがあれば一致しないことに注意する必要がある。

0057

各撮影2毎のテクスチュア画像要素移動量を実移動量に換算した距離をδ1 ,δ2 ・・・とすれば、上記(4)式に代えて下記(5)式で局所滑り量ΔDk を算出することが出来る。
ΔDk =αΔN−δk (k=1,2・・・) ・・・(5)
パルスコーダ計数値N1 〜N2 で特定されるある期間の累積滑り量を算出するには、その間のΔDk の積算値Σ(N1-N2) ΔDk を求めれば良い。本例のように、不規則的な画像パターンの移動距離を求めるには、グレイスケール正規化相関法を利用することが出来る。グレイスケール正規化相関法を適用して移動距離δk (k=1,2・・・)を求める手順と処理については後述する。

0058

次に、局部滑りの検出結果を利用して、ロボットRBのトラッキング動作を補正しながら実際の作業を実施する場合の処理の概要を図8図12を参照して説明する。処理全体は画像処理装置20側の処理(処理2/処理3)と、ロボット制御部10側の処理(処理4)に大別され、前者は更にワーク位置姿勢検出のための処理(処理2)と局所的滑り量検出のための処理(処理3)に分けることが出来る。これらの処理は、ロボットコントローラRC内で一連タスクとして扱われ、並行的に実行される。また、以下の説明は次の(1)〜(3)の前提の下で行なう。

0059

(1)wはワーク位置・姿勢の検出結果を表わすデータの格納が完了し、且つ、ロボット制御部10によるデータの読み出しが完了していないワークの数を表わす指標値(レジスタ値)であり、その初期値はw=0である。
(2)Fはワーク位置・姿勢検出のための撮影1と、局所的滑り検出のための撮影を処理の上で分離するためのフラグである。後述する処理2の内容から理解されるように、システム稼働中は殆どF=1であり、F=0となるのは撮影1の前後の極く僅かな期間のみである。フラグFの初期値はF=0である。

0060

(3)供給されるワークの姿勢にはある程度のばらつきがあり、ワークの搬送方向最大長さは、図4に示したように、s0 とする。
(4)処理2〜処理4は、ワーク供給源100がコンベア1上へのワーク供給を開始したことを知らせる適当な外部信号出力によって、同時に開始される。
(5)vは撮影1の実行回数を表わす指標である。局所的滑り量のデータは、指標vで特定される期間毎に累積される(詳細は後述)。指標vの初期値はv=0である。

0061

図8フローチャートに記した処理2(ワーク位置・姿勢検出のための処理)の各ステップの要点は次の通りである。
〔S1〕撮影1を実行し、取得した画像をフレームメモリに格納する。
〔S2〕撮影1実行時のパルスコーダ計数出力値NsdをDSP用メモリ17とデータメモリ26に格納する。
〔S3〕フラグFをF=1に反転する。
〔S4〕指標vを1カウントアップする。
〔S5〕v番目の局所的滑り量累積レジスタのqv 値(後述)を1とする。

0062

〔S6〕撮影1で取得した画像を処理・解析し、最下流側からワークの検出を試みる
〔S7〕ワークの検出に成功(a〜d全点検出)した場合には、ステップS11へ進み、成功しなかった場合にはステップS8へ進む。

0063

〔S8〕パルスコーダ計数出力値Nを短周期で繰り返しチェックしながら、最新の撮影1実行時からのパルスコーダ計数値(N−Nsd)を移動量に換算した値α(N−Nsd)がf30−ε1 (視野長f30よりε1 だけ短い距離)を越えるのを待つ。越えたら、ステップS9へ進む。ここでε1 は、相前後する撮影1で取得される2つの画像間に撮影漏れとなる領域が生じないようにするとともに、すべてのワークについていずれかの撮影機会においてa〜dの全点が検出されることを基本的に保証するための調整値で、ε1 >0である。ε1 は上述したワーク最大長s0 を下回らない条件で、ほぼ最小に定められることが好ましい。

0064

例えば、視野長90.0cm、s0 =10.0cmとした時、ε1 =10.5cm〜11.0cmとする。ε1 を必要以上に大きく設定すると、二重撮影領域(相前後する撮影1で取得される画像に重なって含まれる領域)が大きくなり好ましくない。特に、ε1 >2s0 とすると、一つのワークに対して2回の検出が行なわれる可能性も出て来る。

0065

なお、コンベア1の局所的滑りを考慮するならば、α(N−Nsd)は最新の撮影1実行時からのコンベア1の走行量を正確には表わしていない可能性がある。しかし、ここでは局所的滑りはあっても小さく、撮影周期が多少ずれる程度の影響があるだけ(ε1 を多少変動させたのと同等の効果)とし、システム動作上問題はないものとする。

0066

〔S9〕フラグFをF=0に反転する。
〔S10〕処理終了信号が出力されていないことを確認した上で、ステップS1へ戻り、次回の撮影1を実行する。もし、処理終了信号が出力されていたならば処理を終了する。
〔S11〕ワークの位置・姿勢の検出の結果を撮影1実行時のパルスコーダ計数出力値Nsdと対応付けて記憶する。なお、記憶形式については後述する。
〔S12〕レジスタ値wの値を1カウントアップする。
〔S13〕撮影1で取得した画像について、下流側から他のワーク(未検出ワーク)の検出を試みる。
〔S14〕ワークの検出に成功(a,b,c,d全点検出)したらステップS11へ戻り、不成功ならステップS8へ進む。以上説明した処理サイクル(ステップS1〜S14)を処理終了まで繰り返すことで、コンベア1上に供給された全ワークについて、a〜dの位置を表わすデータが順次取得される。図9は、これらデータの記憶形式を説明する図で、各コラムは左から順に、ライン番号、a,b,c,dの検出位置をワーク基準画像についての値との偏差(ずれ量)で表わしたデータ、その位置検出を行なった画像の取得時のパルスコーダ計数出力値Nsdを表わしている。

0067

本例では、3個のワークのデータが書込まれた状態となっており(w=3)、3つのワークについて点a,b,c,dの位置偏差データ(Δxa1,Δya1),(Δxb1,Δyb1)・・・(Δxd3,Δyd3)がNsdの値とともに書き込まれている。

0068

画像取得時のパルスコーダ計数出力値Nsdの数値はあくまで例示的なものであるが、1行目のNsdと2行目のNsdが一致しているのは、同一の撮影1の実行機会で得られた画像中の2つのワーク画像に関して点a,b,c,dの位置検出がなされたことを意味している。なお、データの書込は最上のブランク行に対して行なわれ、ロボット側からのデータアクセスは最上の書込行(最下流のワークのデータ)から行なわれる。そして、データアクセス完了後に消去されるとともに、他行のデータの格納行を一行づつくり上げる処理が実行されるものとする。

0069

次に、局所的滑り検出のための処理(処理3)について、図10及び図11参照図に加えて説明する。図11のフローチャートに示した処理3(局所的滑り量検出のための処理)の各ステップの要点は次の通りである。
〔H1〕フラグFがF=1であるか判断する。システム立ち上げ時には、F=0であるから、第1回目の撮影1直後にF=1になるのを待つ。以後、撮影1の前後の極く僅かな期間のみF=0となり、それ以外の期間はF=1である。
〔H2〕撮影2を実行して画像を取り込む。
〔H3〕撮影2実行時のパルスコーダ計数出力値Nref を記憶する。
〔H4〕前回の撮影2で得た画像があるかチェックする。初回でない限り、判断出力はイエスであるから、ステップH5へ進む。初回の場合、ステップH1へ戻る(ステップH2へ戻っても良い)。
〔H5〕今回の撮影2で取得した画像から、基準領域321をコンベア走行方向に下記hm 相当距離移動させた領域の画像を抽出する。抽出画像数は計2m0+1個となる。
hm =α(今回のNref −前回のNref )+mε2 ・・・(6)
ここで、ε2 は予め適当に設定される微小距離値(例えば、0.1mm)である。

0070

〔H6〕計2m0 +1個の画像の各々と、前回の撮影2時に得られた画像から抽出された基準領域321の画像との間に関してグレイスケール正規化相関法を適用し、m0 +1個の相関値CRm を求める。

0071

一般に、モデル画像入力画像の間の相関値は次式で与えられる。
CRm ={(sign A)×(A×A)/B×C}×100 ・・・(7)
但し、
A=SΣ(I×M)−(ΣI)×(ΣM)
B=SΣ(I×I)−(ΣI)×(ΣI)
C=SΣ(M×M)−(ΣM)×(ΣM)
である。ここで、
S;モデル画像の面積
M;モデル画像の濃度
I;入力画像の濃度
A;入力画像とモデル画像の相互相関
B;入力画像の自己相関
C;モデル画像の自己相関
本事例においては、前回の撮影2時に得られた画像から抽出された基準領域321の画像をモデル画像とみなし、今回の撮影2で取得した画像から、基準領域321をコンベア走行方向にhm 相当距離移動させた領域の画像1個づつを各入力画像とみなして上記(7)式を計算すれば、相関値CRm を求めることが出来る。画像濃度I,Mには画素毎のグレイスケール値を使えば良く、総和Σはモデル画像と入力画像の全画素についてとれば良い。

0072

なお、CRm は必ず−1と+1の間の値をとり、画像同士が重なり合う関係にあれば最大値+1をとる。従って、シフト量hm がベルト走行量にほぼ一致した条件では、相関値CRm が1以下で1に近い値をとる筈である。次のステップH7の処理はこれを根拠としている。

0073

〔H7〕最大の相関値CRm を与えるmの値mcrを求める。

0074

〔H8〕mcrε2 をv番目の局所的滑り量累積レジスタの累積値Σ(Nsd-N)に加算する。但し、局所的滑り量累積レジスタは図10に示したような構成を有しており、「v番目」は図10における行を循環的に解釈したものとする。例えば、4回目の撮影1から始まるサイクルで局所的滑り量0.5mmを検出したならば、第4行目の1.3に0.5を加算して1.8とする。また、例えば26回目の撮影1から始まるサイクルで局所的滑り量1.0mmを検出したならば、第5行目の0.5に1.0を加算して1.5とする。

0075

なお、加算対象とされる行のqv 欄は必ず1となっている(処理2のステップS5参照)。
〔H9〕処理終了信号が出力されていないことを確認した上で、ステップH1へ戻る。

0076

次回の撮影1が実行される直前までF=1のままであるから、撮影2から始まる局所的滑り量の検出/データ蓄積のプロセスは、相前後する撮影1の間に多数回(例えば数10回)繰り返される。F値が0を経て1に戻る毎に、局所的滑り量累積レジスタへのデータ書込位置(ステップH8)が1行進む。このようにして、局所的滑り量の検出データは撮影1の機会毎になって区切りを入れる形で蓄積される。なお、図10において第4,5行目以外がすべて0となっている理由は、処理4の説明の中で述べる。

0077

最後に、ロボット制御部10側で行なわれる処理4の概要を説明する。図12のフローチャートに示した処理4の各ステップの要点は次の通りである。
〔R1〕前述の教示点Q0 (図1参照)の位置データを含む動作プログラムデータを読み込む。
〔R2〕レジスタ値wを短周期で繰り返しチェックする態勢に入る。画像処理装置20側の処理2の撮影1以降の処理によってワークWの位置・姿勢が検出されると、その結果が図9に示した形式で記憶されるとともにレジスタ値wが0でない値となる。w≠0と判断されたらステップR3へ進む。
〔R3〕ワーク1個分のデータを読み込む。図9の例で言えば、第1行目のデータが読み込まれる。
〔R4〕読み込みが完了したら、ワークデータの更新を行なう。図9に示した例で言えば、第1行目のデータを消去し、第2行目以下のデータの書込行を次の手順で第1行づつ繰り上げる。
1.第1行目のデータを消去する。
2.第2行目のデータを第1行目にコピーする。
3.第2行目のデータを消去する。
4.第3行目のデータを第2行目にコピーする。
5.第3行目のデータを消去する。

0078

〔R5〕パルスコーダ計数出力値Nが、N=ΔNtr1 -vs +Nsdに到達するのを待つ態勢に入る。到達したらステップR6へ進む。上記例ではNsd=854,065である。また、ΔNtr1 -vs は前述の準備作業で計測済みである。N=ΔNtr1 -vs +Nsdというパルスコーダ計数出力値は、ワークがトラッキング開始ライン60の位置に到達したことの目安となるものである。

0079

もし、そのワークの撮影1時の位置・姿勢が準備作業で基準画像を得た時のワークの位置・姿勢と一致しており、且つ、コンベア1に滑りが無ければこの値はそのワークがトラッキング開始ライン60の位置に到達したことを正確に表わす筈であるが、ワークの位置・姿勢のばらつきやコンベア1の滑りがあれば、正確さは低下する。しかし、この程度の不正確さは以下に述べるロボットRBのトラッキング動作補正によって吸収される。

0080

〔R6〕トラッキング座標系Σtr上でロボットRBの移動を開始させるとともに、トラッキング座標系Σtrの移動を開始する。トラッキング座標系Σtrの移動は、トラッキングΣtrの原点位置[X0 ,Y0 ,Z0 ]を次式で表わされたものとすることで達成される。
X0 =−L0 +α{N−(ΔNtr1 -vs +Nsd)}−Σ(Nsd-N)Dk
・・・(8)
Y0 =0;Z0 =0 ・・・(9)
トラッキング座標系Σtrが移動中の座標値の変換式は、
X=x−L0 +α{N−(ΔNtr1 -vs +Nsd)}−Σ(Nsd-N)Dk
・・・(10)
Y=y;Z=z ・・・(11)
となる。

0081

(8)式及び(11)式のΣ(Nsd-N)Dk は対象作業ワークの位置・姿勢を検出する撮影1が実行された時点(Nsd計数時)から、現在(N計数時)までの局所的滑り量の累積値である。Σ(N-Nsd)Dk の値は、図10に示したレジスタ構成中、qv =1の行(図10の例では第4,5行)の累積値を足し合わせた値として求めることが出来る。

0082

図10の例では1.8mmである。このような計算が必要なのは、後続周期の撮影1が実行されると、前述したように次行のqv が0から1に書き換えられるとともに、局所的滑り量の検出値の足し込み行もそこへ移動するからである。なお、1回の撮影1で検出されたワーク(1個またはそれ以上)に対するトラッキングが終了したら、古いデータは不要になるので、これをクリアする(ステップR11,12を参照)。

0083

ロボットRBのトラッキング動作が開始されると、ロボットRBはトラッキング座標系Σtr上で教示点を目指して移動を開始する(図1中の曲線軌道90)。その際、補間動作で作成される補間点の位置は、ステップR3で読み込んだデータ(基準位置とのずれ量)に基づいて補正される。

0084

移動開始時点における教示点位置は、トラッキング座標系Σtrの初期位置の設定法から考えて、図3中に符号Q0'で示したようにほぼトラッキング開始ライン60上にある。そして、トラッキング座標系Σtr移動開始後には、この点Q0'をコンベア1の走行と同期移動させた点(より正確に言えば、それを視覚センサのデータで補正した位置)を目指すようにロボットRBは移動する。

0085

〔R7〕ロボットRBがトラッキング座標系Σtr上で教示点に到達したならば、ステップR8へ進む。
〔R8〕教示済みの作業をトラッキング座標系Σtr上で実行する。この間のロボット位置も、ステップR3で読み込んだデータ(基準位置とのずれ量)に基づいて補正される。
〔R9〕パルスコーダ計数出力値NがN=ΔNtr2 -vs +Nsdに到達したならば、ステップR10へ進む。

0086

〔R10〕ロボットRBのトラッキング座標系Σtr上での動作を終了させ、ロボットを初期位置P0 へ戻す。
〔R11〕1回の撮影1で検出されたワークに対するトラッキングが終了したか否かを確認するために、Nsdが同じワークデータがあるいかチェックする。例えば、1回の撮影1で2個のワークが検出されている場合には、下流側のワークに対するトラッキングが完了し、そのワークのワークデータ(図8)が消去されても、Nsdが同じワークデータがもう一つ残る。そのような場合にはそのまま1サイクル分の処理を終了する。

0087

1回の撮影1で1個のワークが検出されている場合には、そのワークに対するトラッキングが完了したら、Nsdが同じワークデータは残っていないので、判断出力はノーとなり、ステップR12へ進む。

0088

また、1回の撮影1で2個以上のワークが検出されている場合でも、最上流側のワーク(その撮影1で検出された最後のワーク)に対するトラッキングが完了した時点で迎えるステップR11では、やはり判断出力はノーとなり、ステップR12へ進む。

0089

〔R12〕局所的滑り量累積レジスタのqv =1の最古行のデータは不要になるので、これをクリアする。

0090

このようにして、一つのワークに対する動作サイクルを終了したら、ステップR1へ戻り、次の検出ワークに対する処理を再度開始する。以上、コンベアベルト1の不規則なテクスチュア画像を利用して算出された局所的滑り量をトラッキング動作補正に用いる例を説明したが、図5に関連して説明したように、局所的滑り量Dk を規則的なスケールから短周期で繰り返し求め、これを上記説明したと同様の手法で蓄積し、トラッキング動作補正に用いることも出来る。

発明の効果

0091

本発明によれば、視覚センサを用いてコンベアの滑り量を簡便に検出することが出来る。また、コンベアの局所的滑り量を継続的に検出し、ビジュアルトラッキングシステムにおけるロボットのトラッキング動作をリアルタイムで補正することが出来る。

図面の簡単な説明

0092

図1本発明の方法をビジュアルトラッキングシステムにおいて実施する際の全体配置の1例を模式的に示したものである。
図2ロボットコントローラRCの内部構成の概略を表わした要部ブロック図である。
図3コンベアベルトに設けられるマークMについて説明する図である。
図4ワークの姿勢のばらつきと、ワークの搬送方向最大長さs0 について説明する図である。
図5コンベアベルトの縁部全長に亙って規則的なスケールSCが存在するケースについて説明する図である。
図6コンベアベルトの縁部全長に亙って不規則的なテクスチュアTXが存在するケースについて説明する図である。
図7処理1の要点を記したフローチャートである。
図8処理2の要点を記したフローチャートである。
図9ワークの位置・姿勢データの記憶形式を説明する図である。
図10局所的滑り量累積レジスタの構成を説明する図である。
図11処理3の要点を記したフローチャートである。
図12処理4の要点を記したフローチャートである。

--

0093

1コンベア
1a,1b コンベアの端部
2 コンベア駆動部
3パルスコーダ
10ロボット制御部
11 CPU(ロボットコントローラ)
12 ROM
13 RAM
14不揮発性メモリ
15軸制御器
16サーボ回路
17デジタルシグナルプロセッサ(DSP)用データメモリ
18 デジタルシグナルプロセッサ(DSP)
19インターフェイス
20画像処理装置
21 CPU(画像処理装置)
22カメラインターフェイス
23フレームメモリ
24プログラムメモリ
25画像処理プロセッサ
26 データメモリ
27モニタインターフェイス
30 カメラ
31視野
32縁部領域
33視野基準線
40 モニタCRT
60トラッキング開始ライン
70 トラッキング終了ライン
90曲線軌道
100 ワーク供給源
321基準画像領域
BS,BS’,BS”バス
Mマーク
P0ロボット初期位置
RB ロボット
RC ロボットコントローラ
TP教示操作盤
TX不規則なテクスチュア
VS視覚センサ
W,W’,W” ワークまたはワーク画像
a,b,c,d ワークの特徴点

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ