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技術 銃剣道及び剣道用防具の形成素材

出願人 宇多川富次
発明者 宇多川清
出願日 1996年8月12日 (23年0ヶ月経過) 出願番号 1996-212880
公開日 1998年2月24日 (21年5ヶ月経過) 公開番号 1998-052520
状態 特許登録済
技術分野 運動付属具
主要キーワード 水分吸収力 落下体 クッション力 編成物 防カビ処理 剣道用 樹脂含浸処理 帽子状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年2月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

外部からの衝撃を効率良く分散吸収する事により、使用者へのダメージを減少させるような剣道用防具を得る事を可能とする。また、速乾性の良好な素材を使用して防具を形成する事により、良好な肌触りとべたつきやヌメり感のない快適な使用を可能とする。

解決手段

起毛した疎水性ポリエステル糸2の外面に、吸水性エステル糸3を配置して、両糸を編組する事によりポリエステル編成物1を形成する。このポリエステル編成物1の、吸水性ポリエステル糸3の外面に、樹脂含浸させた羊毛フェルト板4、毛布5、被覆体6を各々配置して防具形成素材7を形成する。そして、疎水性ポリエステル糸2を肌に接触する側に配置して防具を形成する。

概要

背景

従来、面体及び小手体等の銃剣道及び剣道用防具形成素材には、毛布または綿を木綿布皮革等で被覆したものに、キルティング加工を施して形成したものが存在する。そして、面体や小手体の、木竹刀等による衝撃を特に受け易い部分を、この防具形成素材で形成する事により、装着者の頭部や腕部を衝撃から保護している。

概要

外部からの衝撃を効率良く分散吸収する事により、使用者へのダメージを減少させるような剣道用の防具を得る事を可能とする。また、速乾性の良好な素材を使用して防具を形成する事により、良好な肌触りとべたつきやヌメり感のない快適な使用を可能とする。

起毛した疎水性ポリエステル糸2の外面に、吸水性エステル糸3を配置して、両糸を編組する事によりポリエステル編成物1を形成する。このポリエステル編成物1の、吸水性ポリエステル糸3の外面に、樹脂含浸させた羊毛フェルト板4、毛布5、被覆体6を各々配置して防具形成素材7を形成する。そして、疎水性ポリエステル糸2を肌に接触する側に配置して防具を形成する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

起毛した疎水性ポリエステル糸の外面に、吸水性エステル糸を配置して、両糸を編組する事によりポリエステル編成物を形成し、このポリエステル編成物の、吸水性ポリエステル糸の外面に、樹脂含浸させた羊毛フェルト板を配置するとともに、この外面に毛布を配置し、毛布の外面に被覆体を配置して形成した防具形成素材を、疎水性ポリエステル糸を肌に接触する側に配置して縫製した事を特徴とする銃剣道及び剣道用防具の形成素材。

請求項2

起毛した疎水性ポリエステル糸の外面に、吸水性エステル糸を配置して、両糸を編組する事によりポリエステル編成物を形成し、このポリエステル編成物の、吸水性ポリエステル糸の外面に、毛布を配置するとともに、外面に樹脂を含浸させた羊毛フェルト板を配置し、この外面に被覆体を配置して形成した防具形成素材を、疎水性ポリエステル糸を肌に接触する側に配置して縫製した事を特徴とする銃剣道及び剣道用防具の形成素材。

請求項3

起毛した疎水性ポリエステル糸の外面に、吸水性エステル糸を配置して、両糸を編組する事によりポリエステル編成物を形成し、このポリエステル編成物の、吸水性ポリエステル糸の外面に、毛布を配置するとともに、外面に樹脂を含浸させた羊毛フェルト板を配置し、この外面に更に毛布を配置するとともに、毛布の外面に被覆体を配置して形成した防具形成素材を、疎水性ポリエステル糸を肌に接触する側に配置して縫製した事を特徴とする銃剣道及び剣道用防具の形成素材。

請求項4

羊毛フェルト板への樹脂の含浸は、アクリル系樹脂加熱溶解した溶解液中に、羊毛フェルト板を押圧及び押圧解除を繰返しながら浸漬した後、羊毛フェルト板をロールで挟持して成型する事により形成した事を特徴とする請求項1、2または3の銃剣道及び剣道用防具の形成素材。

技術分野

0001

本発明は、銃剣道及び剣道練習試合の時に身に付ける、面体及び小手体等の銃剣道及び剣道用防具形成素材に係るものである。

背景技術

0002

従来、面体及び小手体等の銃剣道及び剣道用防具の形成素材には、毛布または綿を木綿布皮革等で被覆したものに、キルティング加工を施して形成したものが存在する。そして、面体や小手体の、木竹刀等による衝撃を特に受け易い部分を、この防具形成素材で形成する事により、装着者の頭部や腕部を衝撃から保護している。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、銃剣道及び剣道の練習や試合時は、大量のをかくものであり、従来の防具形成素材で形成した防具は、綿や毛布を素材に使用しているから、汗の吸収は良好であるが、速乾性に劣るものである。よって、通常でも重量のある防具がより重くなり、装着者が動きにくいものとなるし、使用中もべたつきやヌメり等の不快感を覚え、集中力に支障をきたすものとなる。また、このべたつきやヌメり感により、装着者の肌に汗疹を生じたり、体温上昇によるめまい等、装着者の健康を損なう問題が生じる事もあった。また、使用後も、汗がなかなか乾燥せず、細菌やカビによる悪臭等が防具に発生したり、この悪臭やカビ及び湿気により、次回の使用時に、使用者は不快感を持つとともに不健康となる事があった。更に、防具に使用される綿や毛布の弾力性により、衝撃から装着者を保護しているが、防具が湿る事により、形成素材の弾力性が弱まり、防具に期待される衝撃吸収力が減少し、装着者に強い衝撃が加わる場合もあった。

0004

そして、防具形成素材の乾燥しにくさを解消するために、防具形成素材を薄くして防具を形成すると、柔らか過ぎて縫製しにくかったり、型崩れし易くて、防具の耐久性が悪くなったり、衝撃吸収力が劣って、装着者の安全性を欠くものとなる。また、衝撃吸収力を向上させるために、防具形成素材を厚くして防具を形成すると、防具全体の重量が増し、装着者の活動に支障をきたすものとなるし、防具の乾燥も更に困難なものとなる。

0005

本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、速乾性及び耐衝撃性に優れた素材で銃剣道及び剣道用防具を形成する事により、汗の吸収と拡散、乾燥を良好とし、抗菌及び防臭作用を向上させ、快適な使用を可能にするものである。そして、木銃、竹刀等による衝撃から、装着者の身体を確実に保護して安全に活動できるようにするものである。

課題を解決するための手段

0006

本発明は上述の如き課題を解決するため、起毛した疎水性ポリエステル糸の外面に、吸水性エステル糸を配置して、両糸を編組する事によりポリエステル編成物を形成し、このポリエステル編成物の、吸水性ポリエステル糸の外面に、樹脂含浸させた羊毛フェルト板を配置するとともに、この外面に毛布を配置し、毛布の外面に被覆体を配置して形成した防具形成素材を、疎水性ポリエステル糸を肌に接触する側に配置して縫製して成るものである。

0007

また、第2の発明は、起毛した疎水性ポリエステル糸の外面に、吸水性エステル糸を配置して、両糸を編組する事によりポリエステル編成物を形成し、このポリエステル編成物の、吸水性ポリエステル糸の外面に、毛布を配置するとともに、外面に樹脂を含浸させた羊毛フェルト板を配置し、この外面に被覆体を配置して形成した防具形成素材を、疎水性ポリエステル糸を肌に接触する側に配置して縫製して成るものである。

0008

また、第3の発明は、起毛した疎水性ポリエステル糸の外面に、吸水性エステル糸を配置して、両糸を編組する事によりポリエステル編成物を形成し、このポリエステル編成物の、吸水性ポリエステル糸の外面に、毛布を配置するとともに、外面に樹脂を含浸させた羊毛フェルト板を配置し、この外面に更に毛布を配置するとともに、毛布の外面に被覆体を配置して形成した防具形成素材を、疎水性ポリエステル糸を肌に接触する側に配置して縫製して成るものである。

0009

また、羊毛フェルト板への樹脂の含浸は、アクリル系樹脂加熱溶解した溶解液中に、羊毛フェルト板を押圧及び押圧解除を繰返しながら浸漬した後、羊毛フェルト板をロールで挟持して成型する事により形成しても良い。

0010

本発明は上述の如く構成したものであるから、本発明の素材で形成した防具を装着すると、装着者の肌側にポリエステル編成物が配置され、衝撃を受ける外側に樹脂を含浸した羊毛フェルト板及び羊毛が配置される。そして、装着者の肌の発汗部分に疎水性ポリエステル糸が接触する。この疎水性ポリエステル糸は、起毛しているから、スベりが良くて防具を装着し易いし、使用中も肌にまとわり付きにくく、活動し易いものとなる。更に、肌触りもふわふわして心地良いものとなる。

0011

そして、装着者が汗をかくと、毛細管現象により、汗はポリエステル編成物部分に速やかに移動する。このポリエステル編成物は、使用者の肌側に疎水性ポリエステル糸を配置しており、汗はこの疎水性ポリエステル糸には吸収されずに、外側に配置された吸水性エステル糸の表面に広範囲に拡散され、内部に速やかに吸収される。この吸水性エステル糸は、吸水性に優れているとともに、吸収した水分を外部に逃しにくいものであるから、吸水性エステル糸の外部に配置された羊毛フェルト板や毛布には、殆ど汗が浸透しないものとなる。そして、吸水性エステル糸で吸収された汗も、拡散作用で広範囲に拡散されているから、乾燥が迅速なものとなる。よって、大量に汗をかいた場合も、汗が素速く吸水性エステル糸内部に吸収され、肌に接触した疎水性ポリエステル糸には汗が滞留しないから、サラッとした快適な感触持続する。

0012

また、ポリエステル編成物の外面に配置された羊毛フェルト板は、柔らかいもだから裁断や縫製等の作業がしにくく、形状保持性が悪いので、素材のまま使用すると防具が型崩れし易いものとなる。

0013

しかし、本発明の如く羊毛フェルト板に樹脂を含浸させる事により、硬度が増して形状保持性が良好となるから、加工し易く、型崩れも防ぐものとなり、防具の耐久性が向上する。更に、樹脂含浸処理時の加熱処理により、羊毛フェルト板には防虫防カビ処理が同時に行われ、羊毛フェルト板に本来付着している虫卵やカビを排除する事が可能となる。また、樹脂の作用により、羊毛フェルト板の吸水性が低下するから、羊毛フェルト板が湿りにくくなり、べたつきや湿っぽさ等の不快感が減少し、快適な装着や保管が可能となる。そして、樹脂を含浸する事により、羊毛フェルト板に適度な硬度が生じるから、銃剣道及び剣道の練習や試合時に、木銃、竹刀等による衝撃を受けても、この硬度により衝撃が羊毛フェルト板の全面に効率よく分散し、一部に集中しないから、装着者へのダメージを減らす事ができる。

0014

また、羊毛フェルト板にはポリエステル編成物を積層しているが、このポリエステル編成物の疎水性ポリエステル糸の部分は、起毛加工が施してあり、弾力性を持つものである。従って、衝撃を受けた際に、この起毛した疎水性ポリエステル糸が弾性変形する事により、衝撃を吸収する。このように、従来は毛布のみで衝撃を吸収していたが、本発明では更に、衝撃は羊毛フェルト板で全体に拡散されるとともに、ポリエステル編成物により、この拡散された衝撃を効率良く吸収するから、装着者への衝撃は、より小さなものとなる。

0015

上記の如く、防具の装着時に於ける汗を効率よく吸収、拡散、乾燥させるとともに、肌触りも良好であるから、装着者はべたつきやヌメり等の不快感を殆ど感じずに、快適に銃剣道及び剣道の練習や試合に集中できるものとなる。また、外部からの衝撃の分散力吸収力も良好であるから、装着者の安全を確保する事が可能となる。

0016

また、第1の発明では、ポリエステル編成物、羊毛フェルト板、毛布、被覆体を各々肌側から順番に配置して防具形成素材を形成しているが、第2の発明では、ポリエステル編成物、毛布、羊毛フェルト板、被覆体を各々肌側から順番に配置して防具形成素材を形成している。どちらの順番でも、肌側のポリエステル編成物で汗を迅速に吸収、乾燥するとともに、ポリエステル編成物、羊毛フェルト板及び毛布で衝撃を効率良く分散、吸収するから、装着者を保護する効果が良好となる。また、防具形成素材が比較的薄くて軽いものとなる。

0017

また、第3の発明では、ポリエステル編成物、毛布、羊毛フェルト板、毛布、被覆体を各々肌側から順番に配置して防具形成素材を形成している。この場合も、汗の吸収、乾燥を迅速に行うし、防具が厚く夫なものとなり衝撃吸収力も良好となる。また、このような防具形成素材は、第1、第2の発明と比較して、厚く重いものとなるが、毛布を一層追加する事により、衝撃の吸収能力が更に良好となる。よって、頭部等の特にダメージを受け易い部分を、この防具形成素材で形成すれば、衝撃からの装着者の保護効果が向上する。

0018

以下本発明の一実施例を図面に於いて説明すれば、(1)はポリエステル編成物で、水分を吸着しない疎水性ポリエステル糸(2)と水分吸収力に優れた吸水性エステル糸(3)とを編組する事により形成している。そして、疎水性ポリエステル糸(2)部分には、起毛加工を施しており、これを使用者の肌側に配置する事により、柔軟で良好な肌触りを与えるとともに、冬場等は保温性に富んでいる。更に、スベりが良いから身に付け易いものとなるし、使用中も肌にまとわりついたりせず、活動し易いものとなる。

0019

そして、このポリエステル編成物(1)の、吸水性エステル糸(3)の外面に、樹脂を含浸した羊毛フェルト板(4)を配置している。この羊毛フェルト板(4)への樹脂の含浸は、アクリル系樹脂を加熱して溶解した溶解液中に、羊毛フェルト板(4)を浸漬して行う。この浸漬の際に、棒や板等で羊毛フェルト板(4)を叩いてもみほぐしながら行ったり、押圧力を加えたり解除したりして行うと、羊毛フェルト板(4)の内部までアクリル系樹脂を確実に浸透させる事ができる。

0020

そして、樹脂の含浸を充分行った後、羊毛フェルト板(4)を溶解液中から取出すが、この状態では、羊毛フェルト板(4)の表面には凹凸があり、均一な板状を呈してはいない。よって、この羊毛フェルト板(4)をロールで挟持して、このロール間を通過させながら押圧する事により、凹凸のない均一な羊毛フェルト板(4)に成型する事ができる。また、羊毛フェルト板(4)には、その風合いを損なう事の無い程度にアクリル系樹脂を含浸させる。また、柔らかい羊毛フェルト板(4)に、ある程度の弾性を保持しながら、形状保持力を持たせるように行う。

0021

また、この羊毛フェルト板(4)の外面に、毛布(5)を配置して、衝撃の吸収をより良好なものとしている。この毛布(5)の外面に、木綿で形成した被覆体(6)を配置して、木銃、竹刀や床等に擦れた場合の摩擦等から羊毛フェルト板(4)や毛布(5)を保護し、羊毛フェルト板(4)や毛布(5)がけば立ったりすり切れたりするのを防いでいる。また、被覆体(6)は、木綿以外の天然繊維や、皮革、化学繊維等何れの素材を配置しても良いし、何も配置せず、毛布(5)を最外層としても良い。防具形成素材(7)の使用場所や使用目的に応じて適宜選択するのが望ましい。そして、これらの積層物をキルティング加工して防具形成素材(7)を形成する。このように、キルティング加工を施す事により、防具形成素材(7)を、丈夫でよれや型崩れを起こしにくいものとする事が可能となる。

0022

ここで、上述の如き樹脂加工を施した羊毛フェルト板(4)とポリエステル編成物(1)で形成した防具形成素材(7)の衝撃吸収能力立証するために、衝撃減衰試験を行った。この実験方法と結果は以下の通りである。

0023

衝撃減衰試験
試験方法
形成素材の異なる3種類の防具形成素材を、厚さ30cm以上のコンクリートの台の上に各々載置し、防具形成素材の上部20cmの高さから、落下体を落下させて、その衝撃値により、衝撃減衰力を測定した。試験方法や落下体、計測機器等は、JIS S 7021(体操競技着地マット)の試験を行う場合と同様の方法及び器具で行った。本試験で使用する落下体は、直径100mm、質量10kgの円柱状の重錘とし、この重錘に加速度センサー装備したものである。そして、重錘が防具形成素材の上に落下した瞬間から静止するまでの、最大加速度計測した。

0024

試験結果
試験を行った3種類の防具形成素材の構成及び試験結果を表1に示す。

0025

0026

上記表1の衝撃値は、次の公式により導き出された。まず、重錘を防具形成素材の上に落下させると、防具形成素材の受ける力は、下記のような数値で表される。
防具形成素材の受ける力(F) = 重錘の質量(M) ×加速度(g)
ここで、加速度は重錘に装着した加速度センサーで測定した最大加速度である。そして、上記公式の防具形成素材の受ける力が衝撃値であり、この衝撃値が小さいほど、防具形成素材のクッション効果が良好で重錘への衝撃が小さいものとなるから、コンクリートの受ける衝撃力も小さくなる。即ち、衝撃値が小さいほど防具形成素材の衝撃減衰力が増し、使用者の身体を衝撃から守る能力が向上する。

0027

表1の試験結果により、本実施例の樹脂加工を施した羊毛フェルト板と比較例2の樹脂加工を施さない羊毛フェルト板を比較すると、本実施例の樹脂加工を施した羊毛フェルト板の方が、衝撃値が小さく衝撃減衰力に優れている。これは、羊毛フェルト板に樹脂を含浸する事により、羊毛フェルト板に適度な硬度が生じるからである。この硬度により、受けた衝撃が羊毛フェルト板の全面に効率良く分散し、一部に衝撃が集中せず、装着者の感ずる衝撃が弱いものとなる。

0028

また、本実施例と比較例1は、樹脂を含浸した羊毛フェルト板を使用したもので、本実施の防具形成素材は、羊毛フェルト板の裏側にポリエステル編成物を配置して形成したものであり、比較例1の防具形成素材は、ポリエステル編成物を配置せずに形成したものである。両者の試験結果により、ポリエステル編成物を配置した本実施例の防具形成素材が、比較例1よりも遥かに衝撃減衰力に優れている。それは、ポリエステル編成物の疎水性ポリエステル糸部分が、起毛加工されており、適度な弾性力を保持しているからである。従って、衝撃が加わると、この起毛部分が弾性変形する事により、衝撃を効率よく吸収して、外部に衝撃を伝えないものである。

0029

また、比較例1と比較例2の試験結果により、比較例1の如く樹脂を含浸した羊毛フェルト板のみの防具形成素材よりも、比較例2の如く樹脂を含浸していない羊毛フェルト板でも、ポリエステル編成物を積層した防具形成素材の方が、衝撃減衰力が良好である。よって、ポリエステル編成物の衝撃吸収力が優れている事が立証される。

0030

よって、樹脂加工を施した羊毛フェルト板と、ポリエステル編成物とを配して形成した防具形成素材は、衝撃拡散力と衝撃吸収力が良好であるから、衝撃減衰力が最も優れたものであり、この防具形成素材で形成した防具を装着する事により、銃剣道及び剣道の練習や試合中の激しい衝撃から、装着者を従来よりも確実に保護する事が可能となる。

0031

また、上述の如き防具形成素材(7)を使用する際は、図1に示す如く、使用者の肌(8)側に疎水性ポリエステル糸(2)を配置する。すると、疎水性ポリエステル糸(2)には、起毛加工を施してあるから、肌触りが柔らかで使い心地の良いものとなる。また、スベりも良好となるから身に付け易く、使用中にも肌(8)にまとわりついたりせず、活動し易いものとなる。そして、使用者の肌(8)から汗(9)が出ると、この汗(9)はまず、ポリエステル編成物(1)の持つ毛細管現象により、速やかにこのポリエステル編成物(1)側に移動する。そして、肌(8)側の疎水性ポリエステル糸(2)は疎水性であるから、汗(9)はこの疎水性ポリエステル糸(2)を通過し、吸水性エステル糸(3)内部に移動する。この時、汗(9)は疎水性ポリエステル糸(2)により、吸水性エステル糸(3)の表面に広範囲に拡散される。

0032

そして、この拡散された汗(9)は、吸水性エステル糸(3)の内部に迅速に吸収される。この吸水性エステル糸(3)は、水分吸収力に優れているから、大量の汗(9)をかいても、汗(9)は吸水性エステル糸(3)内部に効率よく吸収されるし、広範囲に拡散されるから、乾燥も迅速に行われる。

0033

上述の如く、汗(9)がポリエステル編成物(1)内部で効率よく吸収、拡散、乾燥され、外層の羊毛フェルト板(4)や毛布(5)及び被覆体(6)部分までは、汗(9)が殆ど浸透しないものとなる。更に、羊毛フェルト板(4)は、樹脂を含浸しているから、吸水性が低下し、内部に吸収して閉じこめる汗(9)の量が少ないものとなる。よって、従来の如く防具形成素材(7)全体に汗(9)が浸透して、湿っぽく重苦しくなる事がなく、快適に使用する事が可能となる。また、肌(8)に接触した疎水性ポリエステル糸(2)は、汗(9)を吸着せず乾燥しているから、サラッとした心地良い肌触りが持続する。

0034

このように、防具形成素材(7)による汗(9)の吸収率が向上するとともに速乾性が良好となるから、べたつきやヌメり感等が起こらず肌触りも良好で、使用中も快適であるから、装着者は練習や試合に集中する事ができる。また、使用後も速やかに汗(9)が乾燥するから、細菌やカビが繁殖もにくいものとなり、悪臭等も発生しにくくなるから、清潔に保管でき、次回も快適に使用可能となる。

0035

また、防具形成素材(7)の羊毛フェルト板(4)は、樹脂を含浸させる事により、適度な硬度が生じているから、木銃、竹刀等により衝撃を受けても、この硬度により衝撃が羊毛フェルト板(4)の全面に効率よく分散する。また、先述の衝撃減衰試験の結果により、樹脂を含浸した羊毛フェルト板(4)にポリエステル編成物(1)をを積層して防具形成素材(7)を形成する事により、衝撃を効率良く吸収し、外部に衝撃を伝えないものとなる。よって、羊毛フェルト板(4)の衝撃分散力により、衝撃を受けた身体の一部にのみに衝撃が集中する事がないし、衝撃減衰力も良好であるから、防具装着者は従来に比較して、ダメージを受けにくくなり、怪我脳震盪等の事故を起こしにくいものとなる。

0036

また、第2の発明では、図2に示す如く、ポリエステル編成物(1)の外面に毛布(5)を配置し、この毛布(5)の外面に羊毛フェルト板(4)を配置し、最外層に被覆体(6)を配置して防具形成素材(7)を形成している。この場合でも、ポリエステル形成素材(1)によって、汗(9)が迅速に吸収、拡散、乾燥されて、防具の快適な装着が可能となる。また、ポリエステル編成物(1)と羊毛フェルト板(4)の間隔に毛布(5)を配置しても、衝撃は羊毛フェルト板(4)で拡散された後、毛布(5)で吸収され、更にポリエステル編成物(1)で吸収されるから、衝撃吸収性は良好なものとなる。

0037

また、第3の発明では、図3に示す如く、ポリエステル編成物(1)の外面に毛布(5)を配置し、この毛布(5)の外面に羊毛フェルト板(4)を配置するとともに、この外面に更に毛布(5)を配置した後、最外層に被覆体(6)を配置して防具形成素材(7)を形成している。よって、防具形成素材(7)が厚く丈夫なものとなり、衝撃吸収性がより向上するから、頭部等の衝撃を受け易い部位にこの防具形成素材(7)を配置する事により、装着者への衝撃を少ないものとする事が可能となる。

0038

そして、上述の如く形成した防具形成素材(7)を、面体(11)に使用した例を説明すれば、図4に示す如く、(12)は面金で、面体(11)を装着した時に、装着者の顔面を被覆して保護するものである。この面金(12)の下端には、喉頭部を保護する前垂(13)と内垂(14)を接続している。また、面金(12)の外周には、装着者の頭部と頸部を被覆して保護する面ぶとん(15)を帽子状に配置している。そして、最も汗をかき易く、外部からの衝撃を受け易い部分である、前垂(13)、内垂(14)及び面ぶとん(15)を、上述の防具形成素材(7)を使用して形成する事により、汗や衝撃から、装着者を保護している。また、頭部は特にダメージを受け易いから、面ぶとん(15)を第3の発明の如き防具形成素材(7)で形成すれば、衝撃吸収力が向上して、装着者へのダメージをより減らす事が可能となる。

0039

また、他の異なる実施例では、図5に示す如く、小手体(16)に防具形成素材(7)を使用している。この小手体(16)は、使用者の手のを保護するころも(17)、手のひらを保護する手の内(18)、手首の外周に配置されるけら(19)及び筒(21)、そして腕部を被覆するぶとん(22)等で構成されている。そして、これらの部位の、手や腕部と接触する内側部分に、ポリエステル編成物(1)、羊毛フェルト板(4)及び毛布(5)を適宜配置して小手体(16)を形成している。また、被覆体(6)として、肘ぶとん(22)部分では、木綿又はビニロン生地を配置し、ころも(17)や手の内(18)等の部分は皮革等を配置して、防具形成素材(7)を構成している。

0040

そして、上述の如き面体(11)や小手体(16)を装着すると、使用者の肌(8)側には起毛した疎水性ポリエステル糸(2)を配置しているから、スベりが良く容易に装着する事ができる。更に、肌触りもふわふわと柔軟であり、冬場等は保温性に富んでいる。また、サラッとした肌触りにより装着中も肌(8)にもまとわりつく事もないし、羊毛フェルト板(4)は薄くても樹脂の含浸により、衝撃で破損する事がなく、また衝撃を羊毛フェルト板(4)の全面に分散するから、薄くて軽い防具形成素材(7)で面体(11)や小手体(16)を形成でき、装着者は活動し易いものとなる。更に、木銃、竹刀等により衝撃を受けても、毛布(5)のクッション力及び羊毛フェルト板(4)の衝撃分散力と、羊毛フェルト板(4)とポリエステル編成物(1)とを積層する事による衝撃減衰力により、防具の保護機能が向上するから、装着者は安全に練習や試合を行う事ができる。

発明の効果

0041

本発明は上述の如く構成したものであるから、防具を装着して銃剣道及び剣道の練習や試合をした時に、木銃、竹刀等による衝撃を防具に受けても、樹脂を含浸した羊毛フェルト板は衝撃分散力に優れており、また羊毛フェルト板とポリエステル編成物を積層する事により、衝撃減衰力が向上するから、装着者には強い衝撃が伝わらない。よって、装着者の安全性を確保する事が可能となる。

0042

また、薄い素材でも充分衝撃吸収性が良好であるから、軽量な防具を得る事ができるし、汗の吸収による防具の重量の増加も減少するとともに、肌触りも良好でまとわりつきを防止するから、装着者の動きを妨げず活動し易いものとなる。

0043

また、防具装着時に大量の汗をかいても、肌側に配置されたポリエステル編成物が、汗を素速く吸収、拡散、乾燥させるとともに、肌に接触する部分には汗を滞留させず、良好な肌触りを持続するから、装着者がべたつきやムレ等の不快感を感じる事がない。更に、速乾性により細菌やカビ等の繁殖も抑制されるから、悪臭等の発生を防ぎ、次回も快適に防具を使用する事が可能となる。

図面の簡単な説明

0044

図1第1発明の防具形成素材の断面図。
図2第2発明の防具形成素材の断面図。
図3第3発明の防具形成素材の断面図。
図4防具形成素材を使用して形成した面体の斜視図。
図5防具形成素材を使用して形成した小手体の斜視図。

--

0045

1ポリエステル編成物
2疎水性ポリエステル糸
3吸水性エステル糸
4羊毛フェルト板
5毛布
6被覆体
7防具形成素材
8 肌

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