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技術 緑化護岸マット、緑化護岸体および緑化護岸の施工方法

出願人 日本植生株式会社
発明者 杉山二郎
出願日 1996年8月3日 (24年6ヶ月経過) 出願番号 1996-220554
公開日 1998年2月17日 (23年0ヶ月経過) 公開番号 1998-046546
状態 未査定
技術分野 護岸 根切り,山留め,盛土,斜面の安定 護岸
主要キーワード 環状枠体 取付け治具 透き間 折曲角度 止め釘 耐腐蝕性 緩斜面 自然浄化
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年2月17日)のものです。
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図面 (12)

課題

護岸緑化小動物の保護を可能とする緑化護岸マット、緑化護岸体および緑化護岸の施工方法を提供する。

解決手段

植物3a,3bの通可能な目合いをもつ網状体2の裏面に耐蝕性ヤシ繊維3を集積して形成した緑化護岸マット1と、この緑化護岸マット1に並設して形成されたコンクリート板状体5とからなり、河川4の沿岸4aを凹凸状に形成し、沿岸4aの凸部から上流側にコンクリート板状体5、下流側に緑化護岸マット1を位置させることにより、護岸を形成する。

概要

背景

一般に、河川沿岸改修工事には、河川の底面および沿岸にコンクリートブロックを敷設したり、モルタルコンクリートを吹きつけて、河川の底面および沿岸を覆うことにより、河川を降雨霜柱融雪および波浪による洗掘などから保護している。

概要

護岸緑化小動物の保護を可能とする緑化護岸マット、緑化護岸体および緑化護岸の施工方法を提供する。

植物3a,3bの通可能な目合いをもつ網状体2の裏面に耐蝕性ヤシ繊維3を集積して形成した緑化護岸マット1と、この緑化護岸マット1に並設して形成されたコンクリート板状体5とからなり、河川4の沿岸4aを凹凸状に形成し、沿岸4aの凸部から上流側にコンクリート板状体5、下流側に緑化護岸マット1を位置させることにより、護岸を形成する。

目的

本発明は、このような実情を考慮に入れて成されたものであって、護岸の緑化と小動物の保護を可能とする緑化護岸マット、緑化護岸体および緑化護岸の施工方法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

植物の通可能な目合いをもつ網状体の裏面または表裏両面に耐水性の繊維を集積して形成したことを特徴とする緑化護岸マット

請求項2

前記繊維がヤシの繊維または耐蝕性合成樹脂の繊維からなる請求項1に記載の緑化護岸マット。

請求項3

前記繊維内に、植物の種子および/または根株混入した請求項1または2に記載の緑化護岸マット。

請求項4

前記繊維の裏面に、植物の種子および/または根株を添付した請求項1または2に記載の緑化護岸マット。

請求項5

前記植物の種子として、ヨシ、ガマ、カヤツリグサ類、イタチハギリードキャリートールフェスクバミューダグラスの中から適宜選択し、根株としてヨシ、ガマ、ヤナギ、イタチハギの中から適宜選択する請求項3または4に記載の緑化護岸マット。

請求項6

植物の通芽可能な目合いをもつ網状体の裏面または表裏両面に耐水性の繊維を集積して形成した緑化護岸マットと、この緑化護岸マットに並設して形成されたコンクリート板状体とからなることを特徴とする緑化護岸体。

請求項7

植物の通芽可能な目合いをもつ網状体と、この網状体に並設して形成されたコンクリート板状体とからなることを特徴とする緑化護岸体。

請求項8

前記コンクリート板状体の筋材である鉄筋連設して網状体を形成する請求項6または7に記載の緑化護岸体。

請求項9

河川沿岸凹凸状に形成し、沿岸の凸部から上流側にコンクリート板状体、下流側に植物の通芽可能な目合いをもつ網状体を位置させることにより、護岸を形成することを特徴とする緑化護岸の施工方法

請求項10

前記網状体の裏面または表裏両面に耐水性の繊維を集積してある請求項9に記載の緑化護岸の施工方法。

請求項11

前記繊維の内部および/または裏面に植物の種子および/または根株を配置してある請求項10に記載の緑化護岸の施工方法。

請求項12

前記植物の種子として、ヨシ、ガマ、カヤツリグサ類、イタチハギ、リードキャリー、トールフェスク、バミューダグラスの中から適宜選択し、根株としてヨシ、ガマ、ヤナギ、イタチハギの中から適宜選択する請求項11に記載の緑化護岸の施工方法。

請求項13

河川の流速に応じて、流速が早くなればなるほど沿岸に形成する凹凸部分の折曲角度を大きく設定する請求項9〜12の何れかに記載の緑化護岸の施工方法。

請求項14

前記コンクリート板状体を網状体の上に一部載置して、網状体を位置固定する請求項9〜13の何れかに記載の緑化護岸の施工方法。

請求項15

護岸の勾配が1:1.2〜1:3の緩斜面となるように河川の沿岸を切削する請求項9〜14の何れかに記載の緑化護岸の施工方法。

技術分野

0001

本発明は、河川沿岸緑化護岸マット、緑化護岸体および緑化護岸の施工方法に関するものである。

背景技術

0002

一般に、河川の沿岸の改修工事には、河川の底面および沿岸にコンクリートブロックを敷設したり、モルタルコンクリートを吹きつけて、河川の底面および沿岸を覆うことにより、河川を降雨霜柱融雪および波浪による洗掘などから保護している。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、従来の施工方法は、河川の護岸を速やかに行える利点がある反面、河川の全面をコンクリートやモルタルで覆ってしまうので緑がなくなり、河川の自然浄化作用が全く失われる欠点があった。また、以前に河川で生息していた小動物生態系を破壊するだけでなく、コンクリートやモルタルで覆われた河川は水の流れが早くなると共に河川の沿岸が滑りやすくなり、ひとたび河川に落ち込んだ小動物が脱出できなくなるため、小動物が河川に寄りつかなくなるという問題点があった。

0004

本発明は、このような実情を考慮に入れて成されたものであって、護岸の緑化と小動物の保護を可能とする緑化護岸マット、緑化護岸体および緑化護岸の施工方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0005

上記目的を達成するに至った本発明の緑化護岸マットは、植物の通可能な目合いをもつ網状体の裏面または表裏両面に耐水性の繊維を集積して形成したことを特徴としている。したがって、本発明の緑化護岸マットを用いて河川の護岸を行うことにより、河川の沿岸が降雨、霜柱、融雪、波浪などによる洗掘から保護できるだけでなく、たとえモルタルやコンクリートなどの土壌のない沿岸であっても水際の緑化を図ることができる。

0006

また、前記繊維がヤシの繊維または耐蝕性合成樹脂の繊維とすることにより、繊維の崩壊を抑えることができ、その機能を持続できる。本発明の緑化護岸マットを河川の沿岸に施工すると、緑化護岸マットで被覆されて表面土壌が安定することにより、現地の土壌に含まれる植物の種子とか根株発芽生育したり、また、流水により運ばれてきた種子とか根株がマットの透き間定着し、発芽・生育して緑化護岸を形成する。とくに、前記繊維内および/または繊維の裏面に、植物の種子および/または根株(根株には萌芽しやすい草本木本切断物を含む)を配置した場合には、水際の緑化を積極的に図ることができる。なお、この植物の種子として、ヨシ、ガマ、カヤツリグサ類、イタチハギリードキャリートールフェスクバミューダグラスの中から適宜選択し、根株としてヨシ、ガマ、ヤナギ、イタチハギの中から適宜選択できる。

0007

本発明の緑化護岸体は、植物の通芽可能な目合いをもつ網状体の裏面または表裏両面に耐水性の繊維を集積して形成した緑化護岸マットと、この緑化護岸マットに並設して形成されたコンクリート板状体とからなることを特徴としている。あるいは、植物の通芽可能な目合いをもつ網状体と、この網状体に並設して形成されたコンクリート板状体とからなることを特徴としている。

0008

したがって、河川の沿岸に形成された護岸のコンクリート板状体の部分によって、沿岸の侵食を完全に防止できるとともに、緑化護岸マットあるいは網状体の部分によって河川の沿岸の緑化を図ることができる。また、前記コンクリート板状体の筋材である鉄筋連設して網状体を形成したことにより、コンクリート板状体と連結性を確保し、コンクリート板状体と網状体の透き間をなくして洗掘、吸い出しを防止し、かつ、網状体をより簡素に形成でき、製造コスト引き下げることができる。

0009

次に、本発明の緑化護岸の施工方法は、河川の沿岸を凹凸状に形成し、沿岸の凸部から上流側にコンクリート板状体、下流側に植物の通芽可能な目合いをもつ網状体を位置させることにより、護岸を形成することを特徴としている。したがって、水の流れが直接当たる場所にはコンクリートを用いて、沿岸の護岸を強化すると共に、水の流れが直接当たらない場所の網状体によって河川の緑化を図ることができる。また、水の流れがコンクリートに当たることにより弱められるので、などの小動物が生息できる環境を作りだすことができる。

0010

また、前記網状体の裏面または表裏両面に耐水性の繊維を集積してある場合には、コンクリートに当たって渦を形成した水の流れによって、網状体の下層土砂が河川内に吸い出されることを防止でき、護岸としての機能を強化することができる。なお、前記繊維の内部または裏面に植物の種子および/または根株を配置することにより、水際の緑化を積極的に図ることができる。また、この植物の種子として、ヨシ、ガマ、カヤツリグサ類、イタチハギ、リードキャリー、トールフェスク、バミューダグラスの中から適宜選択し、根株としてヨシ、ガマ、ヤナギ、イタチハギの中から適宜選択することができる。

0011

さらに、河川の流速に応じて、流速が早くなればなるほど護岸に形成する凹凸部分の折曲角度を大きく設定することにより、水の流れを減速する効率を上げるとともに、護岸の確実性を増すことができる。また、前記コンクリート板状体の一部を網状体の上に一部載置して、網状体を位置固定することにより、この緑化護岸の施工方法をより簡素にできる。加えて、護岸の勾配が1:1.2〜1:3の緩斜面となるように河川の沿岸を切削する場合には、この河川に蛙や蛇などの小動物が落ち込んでも、緑化護岸を容易に這い上がることができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

図1は本発明の緑化護岸体の構成を示している。図1において、1は緑化護岸マットであり、この緑化護岸マット1は、植物の通芽可能な目合いをもつ網状体2と、この網状体2の裏面に集積して形成された耐蝕性の繊維3とからなる。この繊維3は耐蝕性の繊維の一例としてのヤシの木から取った繊維3(以下、ヤシ繊維3という)である。また、ヤシ繊維3の内部には、例えば、ヨシ、ガマ、カヤツリグサ類、イタチハギ、リードキャリー、トールフェスク、バミューダグラスおよび現地植物からなる植物の種子3a、およびヨシ、ガマ、ヤナギ、イタチハギおよび現地植物からなる根株3bが混入されている。

0013

本発明の緑化護岸の施工方法について説明すると、まず、河川4の沿岸4aを切削し、現地の土砂を傾斜1:1.2〜1:3の緩斜面になるように埋め戻したのちに、予め形成された前記緑化護岸マット1を敷設し、止め釘またはアンカー等によって固定することにより、沿岸4aを降雨、霜柱、融雪および波浪による侵食から保護する護岸を形成できる。つまり、前記ヤシ繊維3は耐腐蝕性に優れているので、長期間のあいだ沿岸4aを形成する土壌を水による吸い出しから保護できると同時に、緑化護岸マット1で被覆されて表面土壌が安定することにより、現地の土壌に含まれる植物の種子とか根株が発芽生育したり、また、流水により運ばれてきた種子とか根株がマットの透き間に定着し、発芽・生育して緑化護岸を形成する。ヤシ繊維3に混入された種子3aや根株3bからは植物が成育することができるので、水際を効果的に緑化できる。

0014

さらに、緑化護岸マット1による護岸は、緩斜面に形成しているので、この河川4に例えば、蛙や蛇などの小動物が落ち込むことがあったとしても、これらの小動物は容易に護岸を這い上がって河川4の外に出ることができる。すなわち、河川の護岸と共に緑化を行えるだけでなく、小動物の保護も同時に達成できる。

0015

なお、本発明では、網状体2の裏面にヤシ繊維3を集積することにより、河川を流れる水の渦流などによって土砂が吸い出されることを防止しているが、本発明はこれに限られるものではなく、前記繊維3は耐蝕性の合成樹脂の繊維や、その他の耐水性の繊維によって構成されてもよい。また、繊維3は網状体2の裏面に設けるだけでなく、網状体2の表面にも設けてもよい。

0016

図2はこの緑化護岸マット1を用いた護岸の施工について説明する平面断面図である。図2(A)〜(C)において、矢印V1 〜V3 はそれぞれの河川4を流れる水の流速を示しV1 >V2 >V3 である。したがって、図1に示した緑化護岸マット1による護岸は、図2(C)に示す水の流速が一番遅い河川4において用いられるものである。

0017

水の流速がある程度ある河川では、図2(A), (B) および、図3〜5に示すように、河川4の沿岸4aを凸部4bと凹部4cを形成するように切削し、現地の土砂を埋め戻したのちに、沿岸4aの凸部4bから上流側にコンクリートの板状体5を配置し、下流側に植物の通芽可能な目合いをもつ網状体2とヤシ繊維3とからなる緑化護岸マット1を配置する。

0018

すなわち、図2(A), (B) における護岸はコンクリート板状体5と緑化護岸マット1とからなる緑化護岸体6によって形成されている。したがって、水の流れが直接当たる場所にはコンクリート板状体5を用いることにより、沿岸4aの護岸を強化できると共に、水の流れが直接当たらない場所には緑化護岸マット1を配置して河川4の緑化を図ることができる。

0019

また、水の流れがコンクリート板状体5に当たることによって弱められるので、沿岸4aの凹部4cにおいては魚などの小動物が生息し易い環境を作りだすことができる。

0020

さらに、緑化護岸体6はコンクリート板状体5と緑化護岸マット1によって形成されているので、コンクリート板状体5に当たって、図5に示すような渦流Aが生じても沿岸4aの土砂が河川4内に引き込まれることがなくなる。つまり、ヤシ繊維3を設けることにより、水の渦流Aが生じても、ヤシ繊維3の裏面側に位置する沿岸4aの土砂および種子3aおよび根株3bや現地植物の種などの吸い出しを防止できる。

0021

なお、本明細書では以下の各例においても、網状体2の裏面または表裏両面にヤシ繊維3を設けた例を示しているが、本発明の緑化護岸体6はコンクリート板状体5と網状体2によって形成されていてもよい。また、繊維3をヤシ繊維に限定するものでもない。

0022

図2(A), (B) に示されているように、護岸に形成する凹凸部分4b,4cの折曲角度α1,α2 の大きさは、河川4を流れる水の流速が河川の流速に応じて設定されるものであり、水の流速が早くなればなるほど護岸に形成する凹凸部分4b,4cの折曲角度を大きくしている。(つまりα1 >α2 に設定している)
すなわち、流速に応じて凹凸の度合いを設定することにより、コンクリート板状体5によって水の流れを効率的に減速できる。また、緑化護岸マット1の部分にかかる水圧を抑えることにより、護岸の強度を増すことができる。

0023

図4に示す縦断面図および図5に示す平面図からも明らかなように、緑化護岸体6の最下部は、河川4の底面に合わせて斜めに切断、または、一部分が川床に埋め込まれている。このようにすることにより、緑化護岸体6を沿岸に形成された凹凸部分4b,4cに合わせて隙間なく敷設でき、護岸の効果を高く保つことができる。なお、図4に示すように、本例では護岸の勾配X:Yが約1:3の緩斜面となるように河川の沿岸を切削しているので、蛇や蛙などの小動物が自由に護岸を昇降できるようになり、自然環境に与える影響を可及的に抑えるようにしているが、この勾配は1:1.2〜1:3の範囲で適宜選択し、同様の効果を得ることも可能である。

0024

図6,7は前記緑化護岸体6の構成を詳細に示している。図6において、5aはコンクリート板状体5の芯材となる鉄筋である。この鉄筋5aの端部は図5に示す形状に折曲された折曲部5bを形成しており、この折曲部5bに金属製の網状体2が係合されることにより、網状体2が鉄筋5aに回動自在に連設されるように構成されている。また、コンクリート板状体5に係合された網状体2の裏面には植物の種子を混入したヤシ繊維3を集積し、この網状体2とヤシ繊維3によって緑化護岸マット1が形成されている。

0025

この緑化護岸体6は、例えばそれぞれ50cm×200cmの大きさの一対の緑化護岸マット1とコンクリート板状体5とを連結した状態で工場生産される。すなわち、予め形成された緑化護岸体6を河川の沿岸4bに形成された凹凸にあわせて任意に折曲させて載置でき、その後アンカーなどによって固定することにより極めて簡潔にに護岸を形成できる。

0026

また、緑化護岸体6の裏面には、図7に示すように、例えば、ヨシ、ガマ、カヤツリグサ類、イタチハギ、リードキャリー、トールフェスク、バミューダグラスなどの植物の種子3aが付着されている。したがって、緑化護岸マット1を敷設後に、これらの種子3aが発芽できるようにしている。

0027

なお、上述の例では予め工場で一定の大きさに形成された緑化護岸体6について説明したが、本発明の緑化護岸体は工場生産だけでなく河川の改修工事現場において形成するようにしてもよい。また、本例では網状体2を金属によって形成しているが本発明はこれに限られるものでなく、網状体2が樹脂による一体成形であってもよい。

0028

また、本例では、網状体2の裏面にヤシ繊維3を集積する例を示しているが、本発明はこれに限られるものではなく、図8に示すように、ヤシ繊維3を網状体2の両面に集積するようにしてもよい。

0029

図9は別の緑化護岸体7の構成を詳細に示す斜視図である。この図において、コンクリート板状体5の芯材5aはコンクリート板状体5から突出しており、この突出した芯材5cに線材2aを溶接することにより網状体2をコンクリート板状体5に連設している。このようにして形成された緑化護岸体7は、芯材5aを折曲させることにより、河川の沿岸に形成された凹凸にあわせて任意に折曲させて載置でき、簡潔に護岸を形成できる。また、緑化護岸体7の構成をより簡素にできるので、その製造コストを引き下げることができる。

0030

図10はさらに別の緑化護岸体8の構成を示す斜視図である。この図において、網状体2はほぼ四角形環状枠体2bに網体2cを貼着してなり、たとえば、耐蝕性の合成樹脂により形成されている。網状体2の一辺にはこの辺を中心に回動可能な取付け治具2dが設けられており、網状体2はこの取付け治具2dによってコンクリート板状体5に取り付けられている。また、本例のように、網状体2を樹脂にすることにより、緑化護岸体8をより低コストに製造できると共に、網状体2が錆びたり腐蝕することがなく、護岸効果を長期間にわたって保持できる。

0031

図11は本発明の緑化護岸の施工方法のさらに異なる例を示す図である。この図において、河川4の沿岸4aの下流側に植物の通芽可能な目合いの網状体をもつ緑化護岸マット1を位置させると共に、沿岸4aの凸部4bから上流側にコンクリート板状体5を位置させている。また、緑化護岸マット1の網状体2の左右両端にはコンクリート板状体5の両端が載置されており、このコンクリート板状体5によって押さえつけることで網状体2を位置固定している。

0032

すなわち、河川4の沿岸4aを凹凸状に切削し、現地の土砂を埋め戻した後に裏面にヤシ繊維3を集積した網状体2を配置し、この網状体2の両脇を抑えるようにコンクリート板状体5を載置し、このコンクリート板状体5をアンカなどにより固定することにより極めて簡潔に護岸を形成できる。なお、施工後は網状体2の裏面にヤシ繊維3を集積しているので、このヤシ繊維3の裏面に添付させた種子3aおよび根株3bに発芽に必要な水分が供給される。また、河川4の沿岸4aや種子3aはヤシ繊維3によって保護されているので、河川4を流れる水に渦流が生じても種子3aや根株3bおよび沿岸4aの土砂が水に流されることがない。

0033

なお、本例においては、網状体2の裏面にヤシ繊維3を集積すると共に、その左右両端にヤシ繊維3を集積しない部分を設けて、この部分をコンクリート板状体5で抑えているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、網状体2の表裏両面にヤシ繊維3を設けて、このヤシ繊維3の上から抑えるようにしてもよい。逆に、ヤシ繊維3を省略し網状体2のみを配設し、この上からコンクリート板状体5を載置してもよい。さらに、網状体2または緑化護岸マット1を河川4の沿岸4aの全面に配置した後に、沿岸4aの凸部4bから上流側にコンクリート板状体5を位置させて、網状体2または緑化護岸マット1を押さえつけてもよい。

発明の効果

0034

以上説明したように、本発明においては、河川の沿岸が降雨、霜柱、融雪、波浪などによる洗掘から保護できるだけでなく、たとえモルタルやコンクリートなどの土壌のない沿岸であっても水際の緑化を図ることができる。また、網状体に集積する繊維がヤシの繊維または耐蝕性の合成樹脂の繊維とすることにより、繊維による土砂の吸い出し機能を長期間にわたって持続できる。とくに、前記繊維内および/または繊維の裏面に、植物の種子および/または根株を混入または添付した場合には、水際の緑化を積極的に図ることができる。

0035

また、本発明の緑化護岸体は、河川の沿岸に形成された護岸のコンクリート板状体の部分によって、沿岸の侵食を完全に防止できるとともに、緑化護岸マットあるいは網状体の部分によって河川の沿岸の緑化を図ることができる。また、前記コンクリート板状体の筋材である鉄筋に連設して網状体を形成したことにより、網状体をより簡素に形成でき、製造コストを引き下げることができる。

0036

さらに、本発明の緑化護岸の施工方法は、水の流れが直接当たる場所にはコンクリートを用いて、沿岸の護岸を強化すると共に、水の流れが直接当たらない場所の網状体によって河川の緑化を図ることができる。また、水の流れがコンクリートに当たることにより弱められるので、魚などの小動物が生息できる環境を作りだすことができる。加えて、前記網状体の裏面または表裏両面に耐水性の繊維を集積してある場合には、コンクリートに当たって渦を形成した水の流れによって、網状体の下層の土砂が河川内に吸い出されることを防止でき、護岸としての機能を強化することができる。なお、前記繊維の内部および/または裏面に植物の種子および/または根株を配置することにより、水際の緑化を積極的に図ることができる。

0037

さらに、河川の流速に応じて、流速が早くなればなるほど護岸に形成する凹凸部分の折曲角度を大きく設定することにより、水の流れを減速する効率を上げるとともに、護岸の確実性を増すことができる。また、前記コンクリート板状体を網状体の上に一部載置して、網状体を位置固定することにより、この緑化護岸の施工方法をより簡素にできる。加えて、護岸の勾配が1:1.2〜1:3の緩斜面となるように河川の沿岸を切削し、土砂を埋め戻した場合には、この河川に蛙や蛇などの小動物が落ち込んでも、緑化護岸を容易に這い上がることができる。

図面の簡単な説明

0038

図1本発明の緑化護岸マットの施工状態および緑化護岸マットの構成を示す斜視図である。
図2(A)は流速が早い河川における緑化護岸体、(B)は(A)に比べて流速が遅い河川における緑化護岸体、(C)は流速が遅い河川において緑化護岸マットを用いた緑化護岸を施工した状態を示す平面図である。
図3前記緑化護岸体の施工状態を示す斜視図である。
図4前記緑化護岸体の施工状態を示す側面図である。
図5前記緑化護岸体により施工した河川の沿岸を示す平面図である。
図6前記緑化護岸体の構成を示す分解斜視図である。
図7前記緑化護岸体を背面から見た斜視図である。
図8緑化護岸体の変形例を示す斜視図である。
図9異なる緑化護岸体の構成を示す斜視図である。
図10別の緑化護岸体の構成を示す斜視図である。
図11別の緑化護岸体の施工方法を施した河川の沿岸を示す平面図である。

--

0039

1…緑化護岸マット、2…網状体、3…繊維、3a…種子、3b…根株、4…河川、4a…河川の沿岸、4b…凸部、4c…凹部、5…コンクリート板状体、5a…筋材、6,7,8…緑化護岸体、V1 〜V3 …流速、α1,α2 …折曲角度。

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