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技術 ポリオレフィン樹脂組成物製ホイールキャップ及びその製造方法

出願人 東燃化学合同会社株式会社東海理化電機製作所
発明者 平井真岩浪邦夫境沢正夫菊地慎太郎藤田祐二成田康秀
出願日 1996年7月29日 (24年6ヶ月経過) 出願番号 1996-216005
公開日 1998年2月10日 (23年0ヶ月経過) 公開番号 1998-035202
状態 特許登録済
技術分野 車両ホイール プラスチック等の射出成形 高分子組成物
主要キーワード プラスチック金型用鋼 機械的開閉 オープンゲート 角取り エチレン重量比 各段階毎 ベリリウム銅合金 温度制御方式
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年2月10日)のものです。
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課題

十分な強度、耐衝撃性耐熱性及び剛性を有するとともに、ソリヒケフローマーク等の成形不良がなく、優れた塗装性を有するポリオレフィン樹脂組成物製ホイールキャップを提供する。

解決手段

ホイールキャップは、(a) (i) 13C−NMRにより求めたアイソタクチックペンタッド分率が97%以上であるプロピレンホモポリマー部分70〜90重量%と、(ii)プロピレンエチレン重量比が25/75〜75/25であるプロピレン−エチレンランダム共重合部分30〜10重量%とを含有する結晶性プロピレンエチレンブロック共重合体50〜89重量部と、(b) エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム1〜20重量部と、(c)平均粒径が10μm以下のタルク10〜30重量部とからなるポリオレフィン樹脂組成物ホットランナー金型射出成形してなり、ゲート部がホイールキャップ裏面の中央部近傍に位置する。

概要

背景

概要

十分な強度、耐衝撃性耐熱性及び剛性を有するとともに、ソリヒケフローマーク等の成形不良がなく、優れた塗装性を有するポリオレフィン樹脂組成物製ホイールキャップを提供する。

ホイールキャップは、(a) (i) 13C−NMRにより求めたアイソタクチックペンタッド分率が97%以上であるプロピレンホモポリマー部分70〜90重量%と、(ii)プロピレンエチレン重量比が25/75〜75/25であるプロピレン−エチレンランダム共重合部分30〜10重量%とを含有する結晶性プロピレンエチレンブロック共重合体50〜89重量部と、(b) エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム1〜20重量部と、(c)平均粒径が10μm以下のタルク10〜30重量部とからなるポリオレフィン樹脂組成物ホットランナー金型射出成形してなり、ゲート部がホイールキャップ裏面の中央部近傍に位置する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

(a) (i) 13C−NMRにより求めたアイソタクチックペンタッド分率が97%以上であるプロピレンホモポリマー部分70〜90重量%と、(ii)プロピレンエチレン重量比が25/75〜75/25であるプロピレン−エチレンランダム共重合部分30〜10重量%とを含有する結晶性プロピレンエチレンブロック共重合体50〜89重量部と、(b) エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム1〜20重量部と、(c)平均粒径が10μm以下のタルク10〜30重量部とからなるポリオレフィン樹脂組成物射出成形してなることを特徴とするホイールキャップ

請求項2

請求項1に記載のホイールキャップにおいて、ホイールキャップ裏面の中央部近傍ゲート跡が位置することを特徴とするホイールキャップ。

請求項3

請求項1又は2に記載のホイールキャップにおいて、裏面に少なくとも1つのリブを有し、前記リブの厚さtとホイールキャップ本体の厚さTとの比(t/T)が0.4 以下であることを特徴とするホイールキャップ。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載のホイールキャップにおいて、表の意匠面における凹部の深さが2mm以下であり、角取り半径が1mm以上であり、かつ意匠面の法線凹部側面とがなす角が2°以上であることを特徴とするホイールキャップ。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載のホイールキャップの製造方法において、ホットランナー金型を使用し、前記金型キャビティーに開口するゲートをホイールキャップ裏面の中心点から半径70mm以内に位置するように設定し、前記ポリオレフィン樹脂組成物を前記金型キャビティー内注入することにより賦型することを特徴とするホイールキャップの製造方法。

技術分野

0001

本発明はポリオレフィン樹脂組成物からなるホイールキャップ及びその製造方法に関し、特に良好な強度、耐衝撃性耐熱性剛性等の機械的特性を有するとともに、ソリヒケフローマーク等の成形不良がなく、塗装性に優れたホイールキャップ及びその製造方法に関する。

0002

従来自動車のホイールキャップは鉄板プレス成形により形成されていたが、軽量化及び意匠性の改善のために、最近ではプラスチック製のものが使用されるようになってきた。プラスチック製ホイールキャップの材質としては、耐熱性に優れたナイロンポリフェニレンオキサイド(PPO)等が使用されているが、最近低コスト化の観点からポリプロピレン等のポリオレフィン強化樹脂組成物が使用されるようになり、種々の提案がなされている。

0003

例えば実公平5-20561 号は、ポリプロピレン系樹脂と、有機シラン系化合物により表面処理されたガラス繊維とからなるホイールキャップを開示している。ポリプロピレン系樹脂にはタルク等の副成分が含まれていても良く、また無水マレイン酸変性ポリプロピレンが含まれていても良い。

0004

また特公平6-45734 号は、ポリプロピレンと、カルボキシル基を導入したポリプロピレンと、シラン処理したガラス繊維と、硫化亜鉛及びカーボンブラックからなる二成分系顔料と、ポリエチレンワックスとを含有する繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物から射出成形により形成したホイールキャップを開示している。さらに特公平6-74365 号は、ホイールキャップ用樹脂として、 3〜12重量%のエチレン成分を含有するとともに、20〜100 g/10分のメルトフローレートを有する結晶性エチレンプロピレンブロック共重合体重量平均分子量が1,000 〜50,000の低分子量成分は0.3 〜3.5 重量%。)45〜83重量%と、不飽和カルボン酸又はその誘導体変性されたポリプロピレン樹脂2〜20重量%と、ガラス繊維15〜35重量%とを含有することを特徴とするガラス繊維強化樹脂組成物を開示している。

0005

しかしながら、上記ホイールキャップ用ポリプロピレン樹脂組成物の場合、低コスト化の目的は達成されたものの、いずれもポリプロピレン樹脂の結晶化度が十分でないために、得られるホイールキャップ成形体は十分な強度、耐衝撃性、耐熱性及び剛性を有さないという問題がある。またガラス繊維を含有するために、表面に著しいフローマークを有し、塗装により完全に覆うことは困難であるという問題もある。さらに、ホイールキャップ成形の際のゲートの位置や種類、あるいはホイールキャップの意匠面及び裏面の形状に工夫をしなければ、樹脂成分の改善だけでは、ソリ、ヒケ、フローマーク等の成形不良の問題を完全に克服できないことが分かった。

0006

したがって、本発明の目的は、十分な強度、耐衝撃性、耐熱性及び剛性を有するとともに、ソリ、ヒケ、フローマーク等の成形不良がなく、優れた塗装性を有するポリオレフィン樹脂組成物製のホイールキャップ及びその製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、高結晶性プロピレンエチレンブロック共重合体に、エチレンα−オレフィン共重合体ゴム及びタルクを配合してなる樹脂組成物を特殊な射出成形条件で成形することにより、優れた強度、耐衝撃性、耐熱性及び剛性を有するとともに、ソリ、ヒケ、フローマーク等の成形不良がなく、塗装性に優れたポリオレフィン樹脂組成物製のホイールキャップが得られることを発見し、本発明に想到した。

0008

すなわち本発明のホイールキャップは、(a) (i) 13C−NMRにより求めたアイソタクチックペンタッド分率が97%以上であるプロピレンホモポリマー部分70〜90重量%と、(ii)プロピレン/エチレンの重量比が25/75〜75/25であるプロピレン−エチレンランダム共重合部分30〜10重量%とを含有する結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体50〜89重量部と、(b) エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム1〜20重量部と、(c)平均粒径が10μm以下のタルク10〜30重量部とからなるポリオレフィン樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする。

0009

また、上記ホイールキャップを製造する本発明の方法は、ホットランナー金型を使用し、前記金型キャビティーに開口するゲートをホイールキャップ裏面の中心点から半径70mm以内に位置するように設定し、前記ポリオレフィン樹脂組成物を前記金型キャビティー内注入することにより賦型することを特徴とする。開閉機構で分けたゲートの種類としては、温度制御式のゲート、あるいはスプリング式又は機械開閉式のバルブゲートが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下、本発明を詳細に説明する。
[1]ポリオレフィン樹脂組成物の各成分及び配合割合
[A] 成分
本発明で使用するポリオレフィン樹脂組成物は、高結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体と、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムとタルクとを含有する。

0011

(a)結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体
(1) 構造
結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体は、基本的に(i)プロピレンホモポリマー部分70〜90重量%と、(ii)プロピレン−エチレンランダム共重合部分30〜10重量%とからなり、その他にエチレンホモポリマー部分を若干含有しても良い。なお、それぞれの部分は単独のポリマーとして存在していても、あるいはそれぞれが結合した状態にあっても良い。また上記各部分は基本的にはプロピレン及び/又はエチレンとからなるものであるが、他のα−オレフィンやジエン系モノマー等を少量含有していてもよい。

0012

(イ)プロピレンホモポリマー部分
プロピレンホモポリマー部分は、13C−NMRにより求めたアイソタクチックペンタッド分率が97%以上であることを特徴とする。ここでアイソタクチックペンタッド分率は、Macromolecules、6 、925(1973) に記載の方法、すなわち13C−NMRスペクトルを使用して測定される。これにより5個連続したプロピレン単量体連鎖の中心にあるプロピレン単量体に関して、メソ結合の分率が求められ、アイソタクチックペンタッド分率(IPF)が得られる。ただし、ピーク帰属は、Macromolecules、8 、687(1975) に記載の方法により行う。具体的には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの強度分率をもってアイソタクチックペンタッド分率とする。

0013

プロピレンホモポリマー部分のIPFが97%未満になると、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の強度、耐衝撃性、耐熱性及び剛性等の機械的特性が低下し、得られるホイールキャップ成形体の耐熱性、剛性等が低くなる。

0014

プロピレンホモポリマー部分は、ASTMD-1238 (230 ℃、荷重2.16kg)に従って測定したメルトフローレート(MFR)が10〜100g/10 分、好ましくは20〜60g/10分である。MFRが10g/10分未満では成形性が低く、一方100 g/10分を超えると耐衝撃性が低下する。

0015

(ロ)プロピレン−エチレンランダム共重合部分
プロピレン−エチレンランダム共重合部分は、プロピレン/エチレンの重量比が25/75〜75/25であることを特徴とする。プロピレン/エチレンの重量比が25/75未満では結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の延性及び耐衝撃性が低く、一方プロピレン/エチレンの重量比が75/25を超えると結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の弾性率が低下する。好ましいプロピレン/エチレンの重量比は35/65〜65/35である。

0016

またプロピレン−エチレンランダム共重合部分の極限粘度[η]は2〜5dl/g、好ましくは3〜5dl/gである。極限粘度[η]が2dl/g未満の場合には、耐衝撃性の改善効果が十分でなく、一方5dl/gを超えると、ゲル成分の増加により成形性が低下し、成形品外観が不良となる。

0017

(ハ) 割合
上記各部分の割合については、プロピレンホモポリマー部分が70〜90重量%であり、プロピレン−エチレンランダム共重合部分が10〜30重量%である。また結晶性ホモポリエチレン部分を含有するとしても、その含有量は3重量%以下である。プロピレンホモポリマー部分が70重量%未満では(プロピレン−エチレンランダム共重合部分が30重量%を超えると)、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の剛性が低い。一方プロピレンホモポリマー部分が90重量%を超えると(プロピレン−エチレンランダム共重合部分が10重量%未満であると)、耐衝撃性が低下する。

0018

(2) 物性
本発明に用いる結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体のメルトフローレート(MFR、230 ℃、荷重2.16kgで測定) は、成形性及び耐衝撃性、耐熱性の観点から、20g/10分以上が好ましく、20〜50g/10分がより好ましい。

0019

(3)製法
プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法としては、プロピレンホモポリマー部分及びプロピレン−エチレンランダム共重合部分の機械的ブレンド法又はリアクターブレンド法等がある。機械的ブレンド法の場合、プロピレンホモポリマー部分及びプロピレン−エチレンランダム共重合部分を別個に調製した後でスーパーミキサー等により均一にブレンドする。リアクターブレンド法の場合、プロピレンホモポリマー部分を調製後同一のリアクター内で連続的にプロピレン−エチレンランダム共重合部分を調製するので、多段重合法とも呼ばれる。多段重合法ではプロピレンホモポリマー部分及びプロピレン−エチレンランダム共重合部分は実質的に均一にブレンドされた状態になっている。

0020

そこで以下多段重合法について詳細に説明する。
(イ)プロピレンホモポリマー部分の生成
1.予備重合
(i)予備重合触媒
予備重合触媒は、オレフィンを(A)マグネシウムチタンハロゲン及び第一の電子供与性化合物を必須成分とする固体成分、(B)有機アルミニウム化合物、(C)有機ケイ素化合物、及び(D) 必要に応じて第二の電子供与性化合物と接触させることにより調製する。オレフィンとしては、プロピレンの他、エチレン、1-ブテン、1-へキセン、4-メチル-1- ぺンテン等が挙げられる。予備重合触媒の上記各成分の詳細は以下の通りである。

0021

(A)固体成分
固体成分(以下、成分(A) という。)は、マグネシウム、チタン、ハロゲン及び第一の電子供与性化合物を必須成分とし、通常マグネシウム化合物チタン化合物及び第一の電子供与性化合物(前記各化合物がハロゲンを有しない化合物の場合は、さらにハロゲン含有化合物)を接触させることにより調製することができる。

0022

マグネシウム化合物
マグネシウム化合物は、一般式MgR1 R2 で表される。ただしR1 及びR2 は同一又は異なる炭化水素基、OR3 基(R3 は炭化水素基)又はハロゲン原子を示す。具体的には、R1 及びR2 の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基シクロアルキル基アリール基アラルキル基が挙げられ、R3 基としては、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基が挙げられ、ハロゲン原子としては、塩素臭素ヨウ素、フッ素等が挙げられる。

0023

これらの化合物の具体例は、MgMe2 、Mg(i-Pr)2 、MgBu2 、MgOct 2 、MgPh2 、MgcyHe2 、Mg(OEt)2 、Mg(OHe)2 、Mg(OPh)2 、EtMgCl、HeMgCl、i-BuMgCl、PhMgCl、EtOMgCl、PhOMgCl、EtOMgBr、EtOMgI、MgCl2 、MgBr2、MgI2 (ただし、Me:メチル、Et:エチル、Pr:プロピル、Bu:ブチル、He:ヘキシル、Ph:フェニル、cyHe:シクロヘキシル。)等である。

0024

上記マグネシウム化合物は、成分(A) を調製する際に、金属マグネシウム又はその他のマグネシウム化合物から調製することもできる。その一例として、金属マグネシウム、ハロゲン化炭化水素及び一般式:
X1 n M(OR4 )m-n
(ただしX1 は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20個の炭化水素基であり、Mはホウ素、炭素アルミニウムケイ素又はリン原子であり、R4 は炭素数1〜20個の炭化水素基であり、mはMの原子価であり、m>n≧0である。)のアルコキシ基含有化合物を接触させる方法が挙げられる。

0025

アルコキシ基含有化合物の一般式中のX1 及びR4 の炭化水素基としては、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、i-プロピル(i-Pr)、ブチル(Bu)、i-ブチル(i-Bu)、ヘキシル(He)、オクチル(Oct )等のアルキル基、シクロヘキシル(cyHe)、メチルシクロヘキシル等のシクロアルキル基、アリル、プロペニルブテニル等のアルケニル基、フェニル(Ph)、トリルキシリル等のアリール基、フェネチル、3-フェニルプロピル等のアラルキル基等が挙げられる。これらの中で、特に炭素数1〜10個のアルキル基が好ましい。

0026

アルコキシ基含有化合物の具体例としては、Mが炭素の場合には、C(OEt)4 、C(OPr)4 、C(OBu)4 、HC(OMe)3 、HC(OEt)3 、HC(OBu)3 、HC(OPh)3 、MeC(OEt)3 、 PhC(OEt)3 、CH2 ClC(OEt)3 、ClC(OMe)3 、ClC(Oi-Bu)3 、BrC(OEt)3 等が挙げられ、Mがケイ素の場合には、Si(OEt)4 、Si(OHe)4 、HSi(OEt)3 、HSi(OPh)3 、MeSi(OBu)3 、PhSi(OEt)3 、CHCl2 Si(OEt)3 等が挙げられ、Mがホウ素の場合には、B(OEt)3 、B(OBu)3 等が挙げられ、Mがアルミニウムの場合には、Al(OMe)3 、Al(OEt)3 等が挙げられ、Mがリンの場合には、P(OMe)3 、P(OEt)3 等が挙げられる。

0027

また、マグネシウム化合物としては、一般式:
MgR1 R2 ・p(M’R5 q )
で表される周期表II族または第IIIa族金属(M’)の有機化合物との錯体も使用できる。金属M’はアルミニウム、亜鉛カルシウム等であり、R5 は炭素数1〜12個のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基である。またqは金属M’の原子価を示し、pは0.1 〜10の数を示す。M’R5 q で表される化合物の具体例としては、AlMe3 、AlEt3 、Al(i-Bu)3 、AlPh3 、ZnMe2 、ZnEt2、ZnBu2 、ZnPh2 、CaEt2 等が挙げられる。

0028

チタン化合物
チタン化合物としては、2価、3価及び4価のチタン化合物を使用できる。例えば、三塩化チタン四塩化チタン、四臭化チタン、トリクロロエトキシチタン、トリクロロブトキシチタン、ジクロロジエトキシチタン、ジクロロジブトキシチタン、ジクロロジフェノキシチタン等が挙げられる。これらの中で、特に四塩化チタンが好ましい。

0029

第一の電子供与性化合物
第一の電子供与性化合物としては、カルボン酸類カルボン酸無水物類カルボン酸エステル類カルボン酸ハロゲン化物類、アルコール類エーテル類ケトン類アミン類アミド類ニトリル類アルデヒド類アルコレート類、有機基と炭素または酸素を介して結合したリン、ヒ素又はアンチモンの化合物、ホスホアミド類、チオエーテル類、チオエステル類、炭酸エステル類等が挙げられる。これらのうちカルボン酸類、カルボン酸無水物類、カルボン酸エステル類、カルボン酸ハロゲン化物類、アルコール類、エーテル類が好ましい。

0032

カルボン酸ハロゲン化物としては、上記のカルボン酸類の酸ハロゲン化物を使用することができ、その具体例として、酢酸クロライド、酢酸ブロマイド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、酪酸ブロマイド、アクリル酸クロライド、アクリル酸ブロマイド、メタクリル酸クロライドメタクリル酸ブロマイド、クロトン酸クロライド、マロン酸クロライド、マロン酸ブロマイド、コハク酸クロライド、コハク酸ブロマイド、アジピン酸クロライドアジビン酸ブロマイド、マレイン酸クロライド、マレイン酸ブロマイド、酒石酸クロライド、酒石酸ブロマイド等が挙げられる。またアジピン酸モノメチルクロライド、マレイン酸モノエチルクロライドのようなジカルボン酸モノアルキルハロゲン化物も使用できる。

0033

アルコール類は一般式R6 OHで表される。ここでR6 は炭素数1〜12個のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基である。具体例としては、メタノールプロパノールイソブタノールペンタノールヘキサノールシクロヘキサノールフェノール等が挙げられる。

0034

エーテル類は一般式R7 OR8 で表わされる。ここでR7 及びR8 は炭素数1〜12個のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、同じでも異ってもよい。具体例としては、ジエチルエーテルジイソプロピルエーテルジイソアミルエーテル、ジ-2-エチルヘキシルエーテルジアリルエーテル等が挙げられる。

0035

ハロゲン含有化合物
ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン含有アルコール水素ケイ素結合を有するハロゲン化ケイ素化合物、周期表第IIIa族IVa族Va族元素のハロゲン化物(以下、金属ハライドという。)等を挙げることができる。

0036

ハロゲン化炭化水素としては、炭素数1〜12個の飽和又は不飽和の脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素のモノ及びポリハロゲン置換体が挙げられる。それら化合物の具体的な例は、脂肪族化合物では、メチルクロライドメチレンクロライドクロロホルムヨードホルム四塩化炭素テトラクロロエチレンペンタクロロエタン、へキサクロロエタン、へキサクロロプロピレン等が挙げられ、脂環式化合物では、クロロシクロプロパン、へキサクロロシクロペンタジエン等が挙げられ、芳香族化合物では、クロロベンゼンp-ジクロロベンゼン、へキサクロロベンゼン、へキサブロモベンゼン等が挙げられる。これらの化合物は一種又は二種以上用いてもよい。

0037

ハロゲン含有アルコールとしては、一分子中に1個以上の水酸基を有するモノ又は多価アルコール中の、水酸基以外の任意の1個以上の水素がハロゲン原子で置換された化合物である。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素原子が挙げられるが、特に塩素原子が好ましい。これらの化合物を例示すると、2-クロロエタノール、1-クロロ-2-プロパノール、5-クロロ-1-ペンタノール、3-クロロ-1,2-プロパンジオール、2-クロロシクロヘキサノール、2-ブロモエタノール、1-ブロモ-2-ブタノール、2-ブロモ-p-クレゾール、1-ブロモ-2-ナフトール等が挙げられる。

0038

Si−H結合を有するハロゲン化ケイ素化合物としては、HSiCl3 、H2 SiCl2、H3 SiCl、H(C2 H5 )SiCl2 、H(t-C4 H9 )SiCl2 、H(C6 H5 )SiCl2 、H(CH3 )2 SiCl、H(i-C3 H7 )2 SiCl等が挙げられる。

0039

金属ハライドとしては、B、Al、Ga、In、Ti、Si、Ge、Snの塩化物フッ素化物臭化物ヨウ化物が挙げられ、特に、BCl3 、BBr3 、BI3 、AlCl3 、AlBr3 、GaCl3 、GaBr3 、InCl3 、TiCl3 、SiCl4 、SnCl4 等が好適である。

0040

マグネシウム化合物、チタン化合物、第一の電子供与性化合物、更に必要に応じてハロゲン含有化合物を、不活性媒体の存在下又は不存在下で混合攪拌するか、機械的に共粉砕することにより、40〜150 ℃で接触させる。不活性媒体としては、へキサン、へプタンオクタン等の飽和脂肪族炭化水素シクロペンタンシクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンキシレン等の芳香族炭化水素が使用できる。

0041

具体的には、成分(A) は、金属マグネシウム、ハロゲン化炭化水素及び一般式: X1 n M(OR4 )m-n の化合物(前記のアルコキシ基含有化合物と同じでよい。)を接触させることにより得られるマグネシウム含有固体をハロゲン含有アルコールと接触させ、次いで電子供与性化合物及びチタン化合物と接触させる方法(特開昭63-264607 号)、マグネシウムジアルコキシドと水素−ケイ素結合を有するハロゲン化ケイ素化合物を接触させた後、ハロゲン化チタン化合物を接触させ、次いで電子供与性化合物と接触させ(必要に応じて更にハロゲン化チタン化合物と接触させる)る方法(特開昭62-146904 号)、マグネシウムジアルコキシドと水素−ケイ素結合を有するハロゲン化ケイ素化合物を接触させた後、電子供与性化合物と接触させ、次いでチタン化合物と接触させる方法(特開昭58-198503 号)等により調製できるが、特にの方法が好ましい。成分(A) は必要に応じて前記の不活性媒体で洗浄してもよい。

0042

(B)有機アルミニウム化合物
有機アルミニウム化合物としては、一般式:
R9 r AlX2 3-r
(ただし、R9 はアルキル基またはアリール基、X2 はハロゲン原子、アルコキシ基又は水素原子を示し、rは1〜3の任意の数である。)で示されるものが好ましく、炭素数は1〜18個が好ましく、2〜6個がより好ましい。

0043

具体的には、トリメチルアルミニウムトリエチルアルミニウムトリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド等のジアルキルアルミニウムモノハライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド等のモノアルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウムセスキハライドジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキルアルミニウムモノアルコキシド、ジメチルアルミニウムハイドライドジエチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライドが挙げられる。これらの中で、特にトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等が好ましい。

0044

また、酸素原子窒素原子を介して2個以上のアルミニウムが結合した有機アルニウム化合物も使用可能である。このような化合物としては、例えば

0045

(C)有機ケイ素化合物
有機ケイ素化合物は下記一般式:

0046

R10の具体例としては、以下のものが挙げられる(夫々のR10基をRA、RB・・・等で示す。)。

0047

前記一般式におけるR11、R13、R14及びR15の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。アルキル基としては、エチル、i-プロピル、s-ブチル、t-ブチル等が挙げられ、アルケニル基としては、ビニル、アリル、プロペニル、1-へキセニル等が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロペンチル、メチルシクロヘキシル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、シクロペンテニルシクロヘキセニル等が挙げられ、シクロアルカジエニル基としては、シクロペンタジエニルメチルシクロペンタジエニル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル、トリル、キシリル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル、フェネチル基等が挙げられる。

0048

成分(C) の具体例として、[RA]2 Si(OMe)2 、[RB](i-Pr)Si(OMe)2 、[RC](t-Bu)Si(OMe)2 、[RC](Me3 SiO)Si(OMe)2 、[RA](i-Pr)Si(OEt)2 、[RA]Si(OMe)3 、[RD]Si(OMe)3 、[RB]Si(OEt)3 、[RE] MeSi (OMe)2 、[RF](i-PrO)Si(OMe)2 、[RG](i-Pr)Si(OEt)2 、[RH]Si (OMe)3 等が挙げられる(ただし、[RA]、[RB]・・は一般式(II)におけるR10の符号に相当)。

0049

(D) 第二の電子供与性化合物
第二の電子供与性化合物(成分(D) )としては、有機ケイ素化合物(成分(C)と同一のものを除く。)や、窒素イオウ、酸素、リン等のへテロ原子を含む電子供与性化合物が使用可能であるが、有機ケイ素化合物が好ましい。成分(D) は、有機アルミニウム化合物を予備重合触媒と組合せる際に添加しても、あるいは予め有機アルミニウム化合物と接触させた上で添加してもよい。

0050

有機ケイ素化合物としては、合計4個のアルコキシ基(一部がアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)がケイ素原子に結合したものが好ましい。これらのアルキル基及びアルコキシ基は鎖状でも環状でもよい。アルキル基又はアリール基はハロゲン元素で置換されていてもよい。有機ケイ素化合物の具体例としては、テトラメトキシシランテトライソブトキシシラン、テトラフェノキシシランテトラベンジルオキシシランメチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリフェノキシシラン、ビニルトリエトキシシランアリルトリメトキシシランジメチルジイソプロポキシシランジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等が挙げられる。

0051

またヘテロ原子含有電子供与性化合物の具体例としては、窒素原子を含む化合物として、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2,6-ジエチルピペリジン、2,6-ジイソブチル-4-メチルピペリジン、3-メチルピリジン、2,6-ジイソブチルピリジン、2,5-ジメチルピペリジンイミダゾール安息香酸アミドアセトニトリルアニリントルイジントリエチルアミン等が挙げられ、イオウ原子を含む化合物として、チオフェノールチオフェン、2-チオフェンカルボン酸エチルメチルメルカプタン等が挙げられ、酸素原子を含む化合物として、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、2,2,5,5-テトラエチルテトラヒドロフラン等が挙げられ、リン原子を含む化合物として、トリフェニルホスフィントリフェニルホスファイト等が挙げられる。

0052

(ii)予備重合条件
有機アルミニウム化合物(成分(B) )及び有機ケイ素化合物(成分(C) )の存在下で、固体成分(成分(A) )をオレフィンと接触させることにより、オレフィンを予備重合する。その際、成分(B) 及び成分(C) とともに必要に応じて第二の電子供与性化合物(成分(D) )を加えるのが好ましい。予備重合は、不活性媒体(マグネシウム含有固体の調製時に使用するものと同じで良い。)の存在下で、通常100 ℃以下の温度、好ましくは−30℃〜+30℃、更に好ましくは−20℃〜+15℃の温度で行う。重合方式としては、バッチ式連続式のいずれでもよく、また二段以上の多段で行ってもよい。多段で行う場合、重合条件各段階毎に変えてもよい。

0053

成分(B) は、予備重合系での濃度が10〜500ミリモルリットル、好ましくは30〜200 ミリモル/リットルになるように用い、また成分(A) 中のチタン1グラム原子当り1〜50,000モル、好ましくは2〜1,000 モルとなるように用いる。成分(C) は、予備重合系での濃度が5〜1,000 ミリモル/リットル、好ましくは10〜200 ミリモル/リットルになるように用いる。また必要に応じて用いる成分(D) は、予備重合系での濃度が1〜100 ミリモル/リットル、好ましくは5〜50ミリモル/リットルになるように用いる。予備重合により成分(A) 中にオレフィンポリマーが取り込まれるが、そのポリマー量を成分(A) 1g当り0.1 〜200 g、特に0.5 〜50gとするのが好ましい。上記のようにして調製された触媒成分は、触媒成分の保存劣化を防止するために洗浄するのが好ましい。触媒成分はできるだけ低温で保存するのが好ましく、−50℃〜+30℃、特に−20℃〜+5℃の温度範囲が好ましい。

0054

2.本重合
上記のようにして得られた予備重合触媒に、有機金属化合物及び必要に応じて電子供与性化合物を組み合せて本重合用触媒とし、プロピレンの単独重合を行うことにより、プロピレンホモポリマー部分を得る。

0055

有機金属化合物としては、周期表第I族乃至第III族金属の有機化合物が挙げられる。リチウム、マグネシウム、亜鉛又はアルミニウムの有機化合物が好ましく、特に有機アルミニウム化合物が好ましい。有機アルミニウム化合物は予備重合触媒調製時の成分(B) と同じでよい。アルミニウム以外の金属の有機化合物としては、ジエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロライド、ジエチル亜鉛等が挙げられる。また、アルミニウムと他の金属との有機化合物としては、LiAl(C2 H 5)4 等が挙げられる。

0056

予備重合触媒及び有機金属化合物と必要に応じて組合わせる電子供与性化合物は、前記電子供与性化合物又は前記成分(C,D) と同じでよい。電子供与性化合物は、有機金属化合物を予備重合触媒と組合わせる際に添加してもよく、また予め有機金属化合物と接触させた上で添加してもよい。

0057

予備重合触媒に対する有機金属化合物の使用量は、該触媒成分中のチタン1グラム原子当り、通常1〜2,000グラムモル、特に20〜500 グラムモルが好ましい。また電子供与性化合物を用いる場合、電子供与性化合物1モル当たり、有機金属化合物の量(アルミニウムとして)0.1 〜40グラム原子、好ましくは1〜25グラム原子となるように、有機金属化合物と電子供与性化合物の比率を選ぶ。

0058

プロピレン重合反応は、気相、液相のいずれでもよく、液相で重合させる場合は、ノルマルブタンイソブタンノルマルペンタンイソペンタン、へキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素中又は液状モノマー中で行うことができる。重合温度は、通常−80℃〜+150 ℃、特に40℃〜120 ℃の温度範囲である。重合圧力は1〜60気圧でよい。重合体分子量調節は、水素等の分子量調節剤により行う。重合反応は、通常の条件で連続又はバッチ式で行う。

0059

(ロ)プロピレン−エチレンランダム共重合部分の生成
プロピレンホモポリマー部分を生成した後、前記触媒の存在下で、(エチレン+プロピレン)に切替えてプロピレン−エチレンランダム共重合部分を生成する。プロピレン−エチレンランダム共重合反応における重合条件は、エチレン/プロピレン重量比の要件を満たす限り、上述のプロピレンホモポリマー部分の重合条件の範囲から適宜選択することができる。なお、プロピレン−エチレンランダム共重合部分のエチレン含有量は、反応混合物サンプリングし、NMRスペクトルを測定することにより求める。

0060

(b)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム
本発明ではホイールキャップの耐衝撃性及び塗装性の改善のために、ポリオレフィン樹脂組成物中に、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムを配合する。エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムは、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体ゴムであり、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴムEPR)、及びこれにジエン化合物を共重合したエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブテン共重合体ゴムEBR)等が挙げられる。これらのエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムは単独で使用しても、2種以上併用してもよい。

0061

具体的には、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)は、エチレン含有量が50〜90モル%であり、プロピレン含有量が50〜10モル%であるのが好ましい。より好ましくはエチレン含有量が70〜80モル%であり、プロピレン含有量が30〜20モル%である。なおエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)の場合、ジエン化合物としては、エチリデンノルボルネンジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン等が挙げられる。エチレン−プロピレン共重合体ゴム(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを含む)のMFRは0.2 〜30g/10分が好ましく、0.5 〜20g/10分がより好ましい。

0062

またエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)は、エチレンの含有量が50〜90モル%、好ましくは70〜85モル%であり、ブテン-1の含有量が50〜10モル%、好ましくは30〜15モル%である。より好ましくはエチレンの含有量が75〜85モル%であり、ブテン-1の含有量が25〜15モル%である。エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)のMFRは0.2 〜30g/10分が好ましく、1〜20g/10分がより好ましい。このようなEBRにはエチレン及びブテン-1以外にヘキセン-1、オクテン-1等の他のα−オレフィンやエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のジエン化合物等を少量配合していてもよい。

0063

(c)タルク
本発明に用いるタルクは10μm以下の平均粒径を有する。タルクの平均粒径が10μmを超えると、機械的特性の改善効果が乏しく、耐衝撃性等が低下する。好ましいタルクの平均粒径は0.5 〜5μmである。

0064

機械的強度、耐熱性及び耐候性の向上の観点から、オルガノポリシロキサンポリジメチルシロキサン等)のようなシリコーン又はその変性物による表面処理を施したタルクを用いるのが好ましい。変性シリコーンは、オルガノポリシロキサン等にシラザン化合物を付加させたものである。シラザン化合物としては、シラザンジシラザントリシラザンヘキサシクロシラザン等が挙げられる。シリコーン又は変性シリコーンによるタルクの表面処理は、タルク100 重量部に対して、シリコーン又は変性シリコーン0.1 〜5重量部、特に0.2 〜1重量部を配合し、ヘンシェルミキサー等により機械的に混合することによって行うことができる。

0065

[B]配合割合
ポリオレフィン樹脂組成物中の各成分の配合割合は、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体が50〜89重量部、好ましくは50〜75重量部であり、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムが1〜20重量部、好ましくは10〜20重量部であり、タルクが10〜30重量部、好ましくは15〜30重量部である。

0066

結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の配合量が50重量部未満では、ポリオレフィン樹脂組成物の強度、耐衝撃性、耐熱性等の機械的特性が低く、一方89重量部を超えると剛性、耐熱性等が低下する。またエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムの配合量が1重量部未満であると、耐衝撃性の改善効果が不十分であり、20重量部を超えると強度、耐熱性、剛性等の機械的特性が低下する。さらにタルクが10重量部未満であると剛性及び耐熱性が不十分であり、30重量部を超えると耐衝撃性が低下する。

0067

[C] その他の成分
本発明のホイールキャップ用ポリオレフィン樹脂組成物には、改質を目的として、他の添加剤(例えば熱安定剤酸化防止剤光安定剤難燃剤可塑剤帯電防止剤離型剤発泡剤色剤顔料等)を添加することができる。

0068

[2]射出成形
[A]ホットランナー金型
上記組成のポリオレフィン樹脂組成物を使用して、ソリ、ヒケ、フローマーク等の成形不良がないホイールキャップを射出成形するためには、射出成形用金型としてホットランナー金型を使用する必要がある。ホットランナー金型とは、金型のスプルー及びランナーの部分を加熱し、その中にある成形材料を常に溶融状態に保持するようにした射出成形金型であり、成形品だけを冷却して取り出すことができる機構になっている。

0069

ホットランナーゲートシステムには、大別するとゲートシールバルブで行う方式と、熱バランスゲート部分溶融するか半溶融状態としてゲートカットする方式とがある。さらにバルブゲートには、スプリング式のものと機械的開閉式のものとがあり、また熱バランスによるシールを利用したゲートには、ホットエッジシール方式、温度制御方式等がある。本発明のホイールキャップの射出成形に適したゲートシールの方式は、温度制御方式(電磁誘導直接通電等の加熱方式は問わない。)、スプリング式及び機械的開閉式のバルブゲート方式等である。特に機械的開閉式バルブゲート方式が好ましい。

0070

[B]ゲート位置
射出成形用金型のゲート位置は、ホイールキャップ裏面の中央部近傍に位置するように設定する。ここで、ホイールキャップ裏面の中央部近傍とは、図1(a)を参照すると、ホイールキャップ10の中心点Cから半径rが70mm以内の範囲をいう。ゲート11の位置がホイールキャップ10の裏面の中央部近傍にないと、ゲート11の下流及び/又は周囲にフローマークが生じるおそれがある。なお意匠面に別部品マークセンターキャップ等を組付けて、ゲート跡を隠すことが可能な形状の場合には、ホイールキャップ表面側(意匠面側)の同様位置にゲートを設けることにより上記と同じ効果を得ることができる。

0071

[C]射出成形条件
ゲートを経てキャビティー内射出するポリオレフィン樹脂組成物の温度は170 〜 280℃とするのが好ましい。射出温度が170 ℃未満であると樹脂流れの不良のためにフローマーク等が生じやすい。また射出温度が280 ℃を超えるとポリオレフィン樹脂組成物の劣化が生じるおそれがある。好ましい射出温度は190 〜260 ℃である。なお、射出圧力としては400 〜1000kgf/cm2 程度が好ましい。射出成形用金型の材質としては、一般に使用されているプラスチック金型用鋼材で良い。しかし、ホイールキャップ裏面のリブ構造付近ベリリウム銅合金(高伝導度合金BeAll )を使用するのが好ましい。これにより、成形品のヒケの抑制、そり及び歪みの低減等の外観品質を向上や、離型性の向上等とともに、成形時の冷却時間の短縮による生産性の向上及びコストの削減を達成することができる。

0072

[3]ホイールキャップの形状
図1(a) 及び(b) に例示するように、本発明のホイールキャップ10は裏面10bの中央部近傍にゲート跡11を有するとともに、裏面10bに連続的又は断続的なリブ12を有する。リブ12はホイールキャップの係止部(爪部)13の一部として形成されることもあれば、爪部13の補強のために設けられることもある。なおリブ12は円環状等種々の形状でよく、少なくとも1つあれば良い。またリブ12の位置に関しては、外周近くに設けるのが好ましい。

0073

図1(c) に示すように、リブ12の厚さt(リブ根元12aで測定)とホイールキャップ10本体の厚さTとの比(t/T)は0.4 以下であるのが好ましい。t/Tが0.4 を超えるとヒケが発生しやすい。より好ましいt/Tは0.3 以下である。なお、ホイールキャップ本体の厚さTは一般に2〜3mm程度であるのが好ましく、リブ12の抜き勾配は0.5 °以上であるのが好ましい。

0074

ホイールキャップ10の表面(意匠面)10aに凹部14を設ける場合、図1(d) に示すように、その深さDは2mm以下であるのが好ましい。凹部14の深さDが2mmを超えると、やはり樹脂の流れが阻害されて、表面にフローマーク、ヘアライン等が生じる。また外観品質を向上するために、凹部14の角取り半径(角部の曲率半径)Rは1mm以上であるのが好ましい。さらに凹部14の抜き勾配(意匠面の法線凹部側面とがなす角)は2°以上であるのが好ましく、5°以上であるのがより好ましい。

0075

[4]塗装
[A] 前処理
上記ポリオレフィン樹脂組成物からなるホイールキャップは、プライマー処理をしなくても、良好な塗膜密着性を発揮する。そのためホイールキャップの製造コストは低減できる。

0076

塗膜密着性をいっそう改善するためには、キシレン、イソプロピルアルコール等の有機溶剤による前処理、又はプラズマ放電処理コロナ放電処理純水処理等をするのが好ましい。なお、プライマー処理は必須ではないが、プライマー処理をすると塗膜密着性は一層向上する。

0077

[B]塗料
本発明のホイールキャップに塗布する塗料としては、塩素化ポリオレフィンを含有するアクリルウレタン系の二液型塗料を使用するのが好ましい。好ましい例として、 5〜50重量%、さらに好ましくは10〜20重量%の塩素化ポリオレフィンを含むアクリルポリオールを主成分とし、これに硬化剤としてイソシアネート化合物を所定の割合で配合した二液型塗料が挙げられる。塩素化ポリオレフィンを含有することにより、ポリオレフィン樹脂組成物との親和性が向上し、密着性に優れた塗膜を得ることができる。なお、塩素化ポリオレフィンの含有量が上記上限値を超えると、塗膜の光沢が失われる。

0078

本発明を以下の実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。

0079

合成例1
結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(BPP1)の合成
(1)プロピレンホモポリマー部分の生成
成分(A) の調製
還流冷却器具備した1リットルの反応容器に、窒素ガス雰囲気下、チップ状の金属マグネシウム(純度99.5%)8.3 g及びn-ヘキサン250 mlを入れ、68℃で1時間攪拌後金属マグネシウムを取り出し、65℃で減圧乾燥して、予備活性化した金属マグネシウムを得た。

0080

予備活性化した金属マグネシウムに、n-ブチルエーテル140 ml及びn-ブチルマグネシウムクロライドのn-ブチルエーテル溶液(1.75モル/リットル)を0.5 ml加え、得られた懸濁液を55℃に保ち、さらにn-ブチルエーテル50mlにn-ブチルクロライド38.5mlを溶解した溶液を50分間かけて滴下した。撹拌しながら70℃で4時間反応を行った後、反応液を25℃に保持した。

0081

反応液にHC(OC2 H5 )3 55.7mlを1時間かけて滴下し、60℃に15分間保持して反応させた。得られた固体をそれぞれ300 mlのn-ヘキサンで6回洗浄し、室温で1時間減圧乾燥し、マグネシウム19.0%及び塩素28.9%を含むマグネシウム含有固体31.6gを得た。

0082

還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを具備した300 mlの反応容器に、窒素ガス雰囲気下でマグネシウム含有固体6.3 g及びn-ヘプタン50mlを入れて懸濁液とし、室温で攪拌しながら2,2,2-トリクロロエタノール20ml(0.02ミリモル)とn-ヘプタン11mlの混合溶液を滴下ロートから30分間かけて滴下し、さらに80℃で1時間攪拌した。得られた固体をろ別し、室温のn-ヘキサン各100 mlで4回洗浄し、さらにトルエン各100 mlで2回洗浄して固体成分を得た。

0083

上記の固体成分にトルエン40mlを加え、さらに四塩化チタン/トルエンの体積比が3/2になるように四塩化チタンを加えて90℃に昇温した。撹拌しながらフタル酸ジn-ブチル2mlとトルエン5mlの混合溶液を滴下した後、120 ℃で2時間攪拌した。得られた固体状物質を90℃でろ別し、トルエン各100 mlで2回、90℃で洗浄した。さらに新たに四塩化チタン/トルエンの体積比が3/2になるように四塩化チタンを加え、120 ℃で2時間攪拌し、室温でそれぞれ100 mlのn-ヘキサンで7回洗浄して成分(A) 5.5 gを得た。

0084

予備重合
攪拌機を具備した500 mlの反応器に、窒素ガス雰囲気下上記成分(A) 3.5 g及びn-ヘプタン300 mlを入れ、攪拌しながら5℃に冷却した。次にトリエチルアルミニウム(TEAL)のn-ヘプタン溶液(2.0モル/リットル)及び2,3,4-トリメチル-3-アザシクロペンチルトリメトキシシランを、反応系におけるTEAL及び2,3,4-トリメチル-3- アザシクロペンチルトリメトキシシランの濃度がそれぞれ100ミリモル/リットル及び10ミリモル/リットルとなるように添加し、5分間攪拌した。

0085

系内を減圧した後、プロピレンガスを連続的に導入し、プロピレンを2.2時間重合させた。重合終了後、気相のプロピレンを窒素ガスパージし、各100 mlのn-ヘキサンで3回、室温で固相部を洗浄した。さらに固相部を室温で1時間減圧乾燥して、予備重合触媒を調製した。予備重合触媒中のマグネシウム量を測定した結果、予備重合量は成分(A) 1g当たり3.1 gであった。

0086

本重合
窒素ガス雰囲気下でTEALのn-ヘプタン溶液(0.3モル/リットル)4mlとt-ブトキシシクロペンチルジメトキシシランのn-ヘプタン溶液(0.08モル/リットル)3mlを混合し、5分間保持した後で、攪拌機を設けた5リットルのステンレス製オートクレーブに入れた。得られた予備重合触媒22.5mgを反応系に装入した後、分子量制御剤として水素ガス18リットル(常温・常圧)及び液体プロピレン3.0 リットルを圧入した後、反応系を70℃に昇温し、1時間プロピレンの重合を行った。重合終了後、容器内圧力が0.2 kgf/cm2 Gになるまで未反応のプロピレンと水素ガスをパージした。

0087

(2)プロピレン−エチレンランダム共重合部分の生成
容器内に水素ガスを0.2リットル導入した後で、プロピレンとエチレンとのモル比が1.03の混合ガスを供給して、容器内圧力を6.0 kgf/cm2 Gに保ち、1.5 時間プロピレンとエチレンとの共重合を行った。未反応ガスをパージし、白色粉末状のプロピレン−エチレンブロック共重合体(BPP1)840 gを得た。製造条件を表1に示す。

0088

得られた結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(BPP1)を分析した結果、プロピレンホモポリマー部分は87.0重量%であり、プロピレン−エチレンランダム共重合部分は13.0重量%であった。プロピレンホモポリマー部分のアイソタクチックペンタッド分率を13C−NMR法により測定した結果、97.5%であることが分かった。またプロピレンホモポリマー部分のメルトフローレート(MFR、230 ℃、荷重2.16kg)を測定した結果、50g/10分であった。一方、プロピレン−エチレンランダム共重合部分については、プロピレン/エチレンの重量比は60/40であり、極限粘度[η](135 ℃のデカリン中で測定)は3dl/gであった。さらにプロピレン−エチレンブロック共重合体(BPP1)全体のMFRは25g/10分であった。上記測定結果を表2に示す。

0089

合成例2
予備重合せずに直ちに、表1に示す条件以外合成例1と同じ条件で第一段及び第二段の重合を行い、プロピレン−エチレンブロック共重合体(BPP2)を得た。

0090

得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体(BPP2)のMFR、プロピレンホモポリマー部分及びプロピレン−エチレンランダム共重合部分の含有割合、プロピレンホモポリマー部分のIPF及びMFR、並びにプロピレン−エチレンランダム共重合部分のプロピレン/エチレン重量比及び極限粘度[η]を合成例1と同様に測定した。結果を表2に示す。

0091

表1
重合条件BPP1 BPP2
第一段(プロピレンの単独重合)
液体プロピレン(リットル) 3.0 3.0
水素ガス量(リットル) 18 12.5
第二段(プロピレン/エチレンの共重合)
C3 /C2 (1) 1.03 0.84
水素ガス量(リットル) 0.2 0.3
容器内圧力(kgf/cm2 G) 6.0 6.1
重合時間(h) 1.5 1.5
注(1) プロピレンとエチレンとのモル比。

0092

表2
特性 BPP1 BPP2
プロピレンホモポリマー部分
含有量(重量%) 87.0 88.0
IPF(%)(1) 97.5 96.0
MFR(g/10分) 50 47
プロピレン−エチレンランダム共重合部分
含有量(重量%) 13.0 12.0
C3 /C2重量比(2) 60/40 50/50
[η](dl/g) 3.0 3.0
プロピレン−エチレンブロック共重合体全体
MFR(g/10分) 25 20
注:(1)アイソタクチックペンタッド分率。
(2) プロピレン/エチレン重量比。

0093

実施例1、2及び比較例1〜3
1.原料
(a)結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体
BPP1:合成例1で製造
BPP2:合成例2で製造

0094

(b)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム
EPR:エチレン・プロピレン共重合体ゴム(MFR=3.2 g/10分、EP02P日本合成ゴム(株)製)
EBR:エチレン・ブテン共重合体ゴム(MFR=6.0 g/10分、EBM2041P日本合成ゴム(株)製)

0095

(c)タルク
タルク1:平均粒径=4.2 μm(表面処理なし)
タルク2:平均粒径=12.0μm(表面処理なし)

0096

2.混練及び射出成形方法
上記原料を表3に示す割合で配合し、スーパーミキサーを用いてドライブレンドした後、二軸押出機(池(株)製、PCM-45)で200 ℃、200 rpm で溶融混練した。得られたポリオレフィン樹脂組成物のペレット樹脂温度210 ℃、射出圧力900 kgf/cm2 及び金型温度60℃で射出成形して、試験片を得た。

0097

3.物性測定
各試験片について以下の機械的特性を測定した。測定結果をMFR(230 ℃、荷重2.16kg)とともに表3に示す。

0098

曲げ弾性率(kgf/cm2 ):JIS K7203 により110mm ×10mm×4mm の試験片を用いて、23℃で測定した。

0099

アイゾット衝撃強度(kgf ・ cm/cm ):JIS K7110 より80mm×10mm×4mmのノッチ付き試験片を用いて、23℃で測定した。

0100

熱変形温度(HDT):JIS K7207 により120mm ×12.7mm×4mmの試験片を用いて、23℃及び4.6kgf/cm 2荷重下で測定した。

0101

表3
実施例No. 比較例No.
組成(重量%) 1 2 1 2 3
BPP1 64 60 50 − 60
BPP2 − − − 60 −
EPR8 15 25 15 15
EBR8 − − − −
タルク1 20 25 25 25 −
タルク2 − − − − 25
特性
MFR(g/10分) 10 12 10 7 10
曲げ弾性率(kgf/cm2 ) 24000 22000 17000 19000 20000
熱変形温度(℃) 134 120 110 114 115
アイゾット衝撃強度(1) 30 45 55 50 40
備考剛性、 剛性、 剛性、 剛性、 剛性、
耐熱性耐熱性 耐熱性 耐熱性 耐熱性
良好 良好不足不足 不足
注:(1) 単位:kgf ・ cm/cm。

0102

表3から明らかなように、実施例1及び2のポリオレフィン樹脂組成物は、良好な剛性を有するとともに、耐衝撃性、耐熱性等に優れている。

0103

実施例3、4及び比較例4、5
実施例1のポリオレフィン樹脂組成物をホットランナー金型により射出成形して、図1に示すホイールキャップ(半径R196 mm、及び厚さT2mm)を得た。リブ12の種々の厚さt(リブ根元12aで測定)における成形不良の有無を観察した。結果を表4に示す。

0104

表4
実施例No. 比較例No.
項目3 4 4 5
本体(1) の厚さT(mm) 2.0 2.0 2.0 2.0
リブの厚さt(mm) 0.8 0.6 1.0 1.6
リブ/本体比(t/T)(2) 0.4 0.3 0.5 0.8
ヒケ○ ◎ △ ×
評価 ヒケは殆ど ヒケは全く ヒケは若干 ヒケは非常に
目立たない。目立たない。目立ち実用 目立つ。
上問題とな
る。
注:(1)ホイールキャップ本体。
(2) リブの厚さとホイールキャップ本体の厚さとの比。

0105

表4の結果から明らかなように、リブの厚さとホイールキャップ本体の厚さとの比(t/T)が0.4 以下であると、成形されたホイールキャップ表面の外観が良好である。

0106

実施例5及び比較例6〜8
実施例1のポリオレフィン樹脂組成物をホットランナー金型により射出成形して、図1に示すホイールキャップ(半径R196 mm、及び厚さT3mm)を得る際に、意匠面凹部の形状を変えて、成形不良の有無を観察した。結果を表5に示す。

0107

表5
実施例No. 比較例No.
項目5 6 7 8
本体(1) の厚さT(mm) 3.0 3.0 3.0 3.0
凹部(2) の深さD(mm) 1.8 3.0 2.0 2.0
意匠凹部のR(mm)(3) 1.2 1.0 0.2 1.0
凹部(2) の抜き勾配(°) 5.0 5.0 5.0 0.5
外観(4) ◎ × △ △
評価成形不良が 凹状意匠の 凹状意匠の 凹状意匠の
なく、優れ 下流にフロ下流にフロ 周囲にこす
た外観を示 ーマークが ーマークが れ傷が生じ
す。 生成。 若干生成。 た。
注:(1)ホイールキャップ本体。
(2) ホイールキャップの意匠面10aの凹部14。
(3) ホイールキャップの意匠面凹部14の曲率半径。
(4) ホイールキャップの意匠面10aの外観。

0108

表5の結果から明らかなように、凹部14の深さDが2mm以下の場合に、成形不良がないホイールキャップが得られる。また意匠面凹部14の曲率半径が1mm未満であると、凹部14の深さDが2mmでもフローマークが若干生成されることが分かる(比較例7)。さらに凹部14の抜き勾配が2°未満であると、成形不良が生じることが分かる(比較例8)。

0109

実施例6〜8及び比較例9、10
実施例1のポリオレフィン樹脂組成物をホットランナー金型により射出成形して、図1に示すホイールキャップ(半径R196 mm、及び厚さT3mm)を得る際に、ホットランナー金型のゲートの種類及び位置を変えて、成形不良の有無を観察した。結果を表6に示す。

0110

表6
実施例No.
項目6 7 8
ゲートの位置 裏面中心点裏面中心点 裏面中心点から
50mmずれた1点
ゲートの種類機械開閉式スプリング式直接通電加熱
バルブゲートゲート(1) ゲート(2)
外観(3) ◎ ○ ○
備考成形不良がな成形条件の設定 成形条件の設定
く、優れた外 に熟練を要する に熟練を要する
観を示した。 が、ゲートシー が、ゲートシー
成形条件が幅 ル性が良好であ ル性が良好であ
広く、サイク り、成形不良が り、成形不良が
ル時間が短い。 発生しにくい。 発生しにくい。
注:(1) プラゲート。
(2) サモコンゲート。
(3)ホイールキャップの意匠面の外観。

0111

表6(続き
比較例No.
項目9 10
ゲートの位置 外周上の3点 裏面中心点
ゲートの種類オープンゲートコールドゲート
外観(1) △ ×
備考成形条件の設定 ゲート周辺の外
に熟練を要し、 観品質が劣り、
ウェルドライン、 ゲートの後加工
ゲートバランスに手間がかかる。
不備による不
良が発生しやす
い。
注:(1)ホイールキャップの意匠面の外観。

0112

表6の結果から明らかなように、ゲートをホイールキャップ裏面の中央又はその近傍に設けないと、良好な外観を有するホイールキャップが得られない(比較例9)。またコールドゲートの場合には、たとえホイールキャップ裏面の中央又はその近傍にゲートを設けても、成形不良や変形が生じることが分かる(比較例10)。

0113

実施例9、10及び比較例11、12
実施例6のホイールキャップ用金型を用いて、実施例1のポリオレフィン樹脂組成物を射出成形して得た成形品に対して、前処理なしの場合(実施例9)及び前処理としてイソプロピルアルコール(IPA)洗浄を行った場合(実施例10、比較例11及び12)について、それぞれ下記の塗料を使用して塗膜密着性を評価した。結果を表7に示す。
1.アクリルウレタン系二液型塗料の組成
下記A液及びB液からなる自動車外装用二液型塗料。
A液:20重量%の塩素化ポリオレフィンを含有するアクリルポリオールをベースとする。
B液:イソシアネート化合物をベースとする。
官能基の当モル比で表したA液/B液の配合比は、1/1.2 。
2.アクリル/メラミン系塗料
自動車外装用メラミン樹脂硬化型アクリル樹脂
3.ポリエステル/メラミン系塗料。
自動車外装用メラミン樹脂硬化型ポリエステル樹脂

0114

表7
実施例No. 比較例No.
項目9 10 11 12
前処理 なし IPA洗浄IPA洗浄 IPA洗浄
塗料の種類(1) Acr/Ure Acr/Ure Acr/Mel PET/Mel
塗装外観◎ ◎ ○ ○
塗膜密着性100/100 100/100 95/100 20/100
評価塗装品質、密 塗装品質、密 塗膜密着性が 塗膜密着性が
着性ともに良 着性ともに良 僅かに劣った。著しく劣った。
好。 好。
注:(1) Acr/Ure:アクリル/ウレタン系二液型塗料。
Acr/Mel:アクリル/メラミン系塗料。
PET/Mel:ポリエステル/メラミン系塗料。

0115

表7の結果から明らかなように、前処理の有無にかかわらず、アクリル/ウレタン系二液型塗料の場合には、本発明のホイールキャップは良好な塗膜密着性を示す。これに対して、メラミン樹脂含有塗料の場合には、前処理しても良好な塗膜密着性が得られない。

発明の効果

0116

以上に詳述したように、本発明のホイールキャップは、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体と、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムと、タルクとからなるポリオレフィン樹脂組成物をホットランナー金型により特殊な条件で射出成形してなるので、良好な強度、耐衝撃性、耐熱性、剛性等を有するとともに、ソリ、ヒケ、フローマーク等の成形不良がなく、かつ塗膜密着性が良好である。

図面の簡単な説明

0117

図1本発明の一実施例によるホイールキャップを示し、(a) はその縦断面図であり、(b) はその背面図であり、(c) はその要部横断面図であり、(d) はその要部横断面図である。

--

0118

10・・・・ホイールキャップ
10a・・・意匠面(表面)
10b・・・裏面
11・・・・ゲート跡
12・・・・リブ
13・・・・係止部(爪部)
14・・・・凹部

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