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技術 インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤及びこれを用いた脱酸素シート並びにこの脱酸素シートの製造方法

出願人 株式会社元知研究所
発明者 臼井昭男
出願日 1996年6月17日 (23年8ヶ月経過) 出願番号 1996-177405
公開日 1998年1月6日 (22年1ヶ月経過) 公開番号 1998-000353
状態 未査定
技術分野 食品の保存(凍結・冷却・乾燥を除く) 積層体(2) 固体収着剤及びろ過助剤
主要キーワード 気密性袋 気密袋 混合金属粉 ロールシート状 ケイ化カルシウム 投下口 シリコマンガン 反応ムラ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

包材インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤高速で積層することによって、薄型脱酸素シートを簡単に、かつ、安価に製造できるのであり、しかも任意の形状に印刷や塗工によって積層できる上、酸素を全面にわたって均一に効率よく吸収するインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤及びこれを用いた脱酸素シート並びにこの脱酸素シートの製造方法を提供することを目的とする。

解決手段

金属粉を有効成分とし、且つ吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されている脱酸素剤2、更にこれを用いた脱酸素シートとこの脱酸素シートの製造方法を構成とする。

概要

背景

食品を保存する場合、好気性菌による腐敗変質のみならず、空気中の酸化による変質や変色も重大な問題である。

特に油脂の酸化物は、単に食品の風味を損なうのみならず、酸化物の有する毒性のために食中毒を起こすこともある。即ち、油脂の酸化は、酸素、光、金属イオン、熱、水分などにより促進されるが、この場合、この酸化は、最初、徐々に進行し、所定の期間を過ぎると急速に進行する。特に、油脂が不飽和結合を有するとその部位を酸化し、過酸化物アルデヒドケトン、酸などの有害物を生成する。

このため、脱酸素剤を用いた食品の保存方法として、以下のものが提案されている。即ち、金属粉、特に鉄粉に水などを最適条件で配合し、酸素の吸収性が良好になるようにした粉末状の脱酸素剤を多孔質袋体封入し、これを食品と共に非通気性容器や袋内に密封することが提案されている(特開昭62ー54704号公報等)。

この脱酸素剤の製造方法としては、一般に、支持体の所定領域に、水分を含む粉末状の脱酸素剤を投下した後、通気性を有する被覆材を被せ、更にこの後、支持体と被覆材の周縁部とを全周にわたってヒートシールなどによって封着する方法が採用されている。

この粉末状の脱酸素剤を投下する方法としては、支持体を間欠的に移動させ、支持体の停止中に脱酸素剤を投下する方法と、支持体を一定速度で移動させると共に、脱酸素剤を投下する投下口を支持体と同速度で移動させながら支持体上に脱酸素剤を投下する方法とがあるが、製造の高速化を図る上では後者の方が優れている。

そして、このようにして製造された脱酸素シートは使用時までの酸化反応を阻止するために、気密性外袋内に密封され、保存されたり、流通に供される。

又、脱酸素シートとして、その実施例に記載されているように、厚さ0.1mm程度の不織布の上に接着剤を塗布し、その上に粒度100メッシュ程度の脱酸素剤(鉄粉を希塩酸処理したもの)を分散させ、その上に接着剤を塗布した同様の不織布をその接着面を下に向けて重ね、全体を圧着し、次に、このようにして得た脱酸素層の上面にナイロンフィルム(厚さ25μm)とポリエチレンフィルム(厚さ40μm)との複合フィルム及び下面に微細孔穿設したポリエチレンフィルム接着剤を用いて圧着した後、このようにして得た2種の脱酸素シートをその多孔ポリエチレンフィルム面を内面にして重ね、3方を熱シールして袋体を作成し、更に、この中に水分を含ませた脱脂綿を入れ、開口部をヒートシールして密封したものが提案されている(特開昭55−106519号公報)。

更に、粒径1〜50μm程度の酸素吸収剤樹脂に配合して延伸することにより多孔質化することが提案されている(特開平2−229840号公報)。

そして、最近では、酸素吸収シートとして、熱可塑性樹脂15〜70重量%と鉄系酸素吸収剤30〜85重量%からなる樹脂組成物を厚さ30μm〜5mmにシート加工した後、少なくとも一軸方向に1.5〜8倍の倍率で延伸されたシートに、その片面または両面に23℃における酸素透過速度が10000cc/m2・day以上を有する樹脂層が配されてなるものが提案されている(特開平5ー318675号公報)。

概要

包材インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を高速で積層することによって、薄型の脱酸素シートを簡単に、かつ、安価に製造できるのであり、しかも任意の形状に印刷や塗工によって積層できる上、酸素を全面にわたって均一に効率よく吸収するインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤及びこれを用いた脱酸素シート並びにこの脱酸素シートの製造方法を提供することを目的とする。

金属粉を有効成分とし、且つ吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されている脱酸素剤2、更にこれを用いた脱酸素シートとこの脱酸素シートの製造方法を構成とする。

目的

本発明は、前記技術的知見に基づき完成されたものであって、脱酸素剤の製造の際や脱酸素シート製造の際に粉塵飛散し、作業環境が悪化するのを防止し、又、脱酸素剤の酸化反応を抑制して、製造時の酸化反応によるロス、脱酸素剤の品質低下凝固を防止し、脱酸素剤の凝固に伴う種々の弊害を防止するのであり、またスクリーン印刷等の印刷やコーティング等の転写積層法を採用しているから、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の均等な分布を可能にし、しかも積層の精度がさらに向上して製品品質の安定化を図ることができる上、高速で薄型の脱酸素シートを簡便に製造できるのであり、更に、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を、吸水性の支持体や被覆材上に積層することによって、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を袋材に均等に分布、固定させることができる結果、脱酸素剤の移動、片寄りを防止できるのであり、加えて、脱酸素シートにおける脱酸素剤の全面にわたって均一に酸化反応が行われ、優れた脱酸素効果が得られるインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤及びこれを用いた脱酸素シートを提供することを目的とするものである。

本発明は、前記技術的知見に基づき完成されたものであり、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を形成し、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を、フィルム状又はシート状の支持体上面における少なくとも一箇所の所定領域に積層した後、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せても、薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の酸化反応を抑制して、製造時の酸化反応によるロス、脱酸素剤の品質低下及び凝固を防止し、脱酸素剤の凝固に伴う種々の弊害を防止し、薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、しかも脱酸素剤の移動、片寄りを防止し得る上、脱酸素シートにおける脱酸素剤の全面にわたって均一に酸化反応が行われ、優れた脱酸素効果が得られる脱酸素シートの製造方法を提供することを目的とするものである。

本発明は、前記技術的知見に基づき完成されたものであり、支持体或いは被覆材のうち少なくとも一方が吸水性を有するか、或いは吸水加工を施したものであり、フィルム状又はシート状の支持体上にインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を積層し、次いで、その上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の粘性により、前記の支持体と被覆材とを張り合わせ、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜いて脱酸素シートを製造することにより、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の酸化反応を抑制して、製造時の酸化反応によるロス、脱酸素剤の品質低下及び脱酸素剤の凝固に伴う種々の弊害を防止し、薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、しかも脱酸素剤の移動、片寄りを防止し得る上、脱酸素シートにおける脱酸素剤の全面にわたって均一に酸化反応が行われ、優れた脱酸素効果が得られる脱酸素シートの製造方法を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

金属粉を有効成分とし、且つ吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されていることを特徴とするインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤

請求項2

請求項1に記載のインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤には、炭素成分シリカゲルゼオライト活性白土又はケイソウ土或いは金属の塩化物から選ばれた少なくとも1種が配合されており、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されているインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤。

請求項3

請求項1に記載のインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤には、炭素成分、シリカゲル、ゼオライト、活性白土又はケイソウ土から選ばれた少なくとも1種が配合されており、この混合物には金属の塩化物の水溶液或いは金属の塩化物の水分散液を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に粘稠化されているインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤。

請求項4

酸素吸収剤が配合されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤。

請求項5

酸素吸収剤がコンドロイチン硫酸ナトリウムチアミン塩酸塩アスコルビン酸ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、dl−α−トコフェロール還元糖第一鉄塩フェロシリコンシリコマンガン又はケイ化カルシウムが配合されている請求項4に記載のインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤。

請求項6

フィルム状又はシート状の支持体と、この支持体上に積層された、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤と、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を覆うフィルム状又はシート状の被覆材とからなり、前記の支持体と被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有するものであることを特徴とする脱酸素シート

請求項7

インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の外周囲部において、支持体と被覆材とが粘着又は熱接着若しくは熱融着によって封着されている請求項6に記載の脱酸素シート。

請求項8

支持体及び/又は被覆材が吸水性を有するものである請求項6又は7項に記載の脱酸素シート。

請求項9

支持体及び/又は被覆材における少なくともインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤との接触箇所には吸水層が形成されている請求項6ないし8のいずれか1項に記載の脱酸素シート。

請求項10

支持体及び/又は被覆材が、非通気性或いは通気性のフィルム又はシートの内面或いは両面に、吸水性を有する吸水材を積層している請求項6ないし9のいずれか1項に記載の脱酸素シート。

請求項11

吸水材が、吸水性を有する発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートである請求項10に記載の脱酸素シート。

請求項12

吸水材が、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸練り込み、積層、転写又は担持させて吸水性が付与或いは増大されたものである請求項10又は11に記載の脱酸素シート。

請求項13

包材において、その側方、或いは支持体と被覆材のうち少なくとも一方又は一部が通気性を有するものである請求項6ないし12のいずれか1項に記載の脱酸素シート。

請求項14

支持体又は被覆材において、そのいずれか一方の露出面の少なくとも一部に粘着剤層が積層されている請求項6ないし13のいずれか1項に記載の脱酸素シート。

請求項15

請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を形成し、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を、フィルム状又はシート状の支持体上面における少なくとも一箇所の所定領域に積層した後、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せ、しかも前記の支持体と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする脱酸素シートの製造方法。

請求項16

フィルム状又はシート状の支持体上に、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を積層し、次いで、その上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の粘性により、前記の支持体と被覆材とを張り合わせ、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜き、しかも前記の支持体又は被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有するものであることを特徴とする脱酸素シートの製造方法。

請求項17

請求項15又は16に記載の支持体が、請求項8ないし12のいずれか1項に記載の支持体である脱酸素シートの製造方法。

請求項18

請求項15又は16に記載の被覆材が、請求項8ないし12のいずれか1項に記載の被覆材である脱酸素シートの製造方法。

請求項19

脱酸素シートを2枚のフィルム又はシートの間に介在させ、これを前記脱酸素シート以上の大形に打ち抜き、その周縁部を粘着又は熱接着或いは熱融着によって封着する請求項16ないし18のいずれか1項に記載の脱酸素シートの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、包材インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤高速で積層することによって、薄型脱酸素シートを簡単に、かつ、安価に製造できるのであり、しかも任意の形状に印刷や塗工によって積層できる上、酸素を全面にわたって均一に効率よく吸収するインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤及びこれを用いた脱酸素シート並びにこの脱酸素シートの製造方法に関する。

背景技術

0002

食品を保存する場合、好気性菌による腐敗変質のみならず、空気中の酸化による変質や変色も重大な問題である。

0003

特に油脂の酸化物は、単に食品の風味を損なうのみならず、酸化物の有する毒性のために食中毒を起こすこともある。即ち、油脂の酸化は、酸素、光、金属イオン、熱、水分などにより促進されるが、この場合、この酸化は、最初、徐々に進行し、所定の期間を過ぎると急速に進行する。特に、油脂が不飽和結合を有するとその部位を酸化し、過酸化物アルデヒドケトン、酸などの有害物を生成する。

0004

このため、脱酸素剤を用いた食品の保存方法として、以下のものが提案されている。即ち、金属粉、特に鉄粉に水などを最適条件で配合し、酸素の吸収性が良好になるようにした粉末状の脱酸素剤を多孔質袋体封入し、これを食品と共に非通気性容器や袋内に密封することが提案されている(特開昭62ー54704号公報等)。

0005

この脱酸素剤の製造方法としては、一般に、支持体の所定領域に、水分を含む粉末状の脱酸素剤を投下した後、通気性を有する被覆材を被せ、更にこの後、支持体と被覆材の周縁部とを全周にわたってヒートシールなどによって封着する方法が採用されている。

0006

この粉末状の脱酸素剤を投下する方法としては、支持体を間欠的に移動させ、支持体の停止中に脱酸素剤を投下する方法と、支持体を一定速度で移動させると共に、脱酸素剤を投下する投下口を支持体と同速度で移動させながら支持体上に脱酸素剤を投下する方法とがあるが、製造の高速化を図る上では後者の方が優れている。

0007

そして、このようにして製造された脱酸素シートは使用時までの酸化反応を阻止するために、気密性外袋内に密封され、保存されたり、流通に供される。

0008

又、脱酸素シートとして、その実施例に記載されているように、厚さ0.1mm程度の不織布の上に接着剤を塗布し、その上に粒度100メッシュ程度の脱酸素剤(鉄粉を希塩酸処理したもの)を分散させ、その上に接着剤を塗布した同様の不織布をその接着面を下に向けて重ね、全体を圧着し、次に、このようにして得た脱酸素層の上面にナイロンフィルム(厚さ25μm)とポリエチレンフィルム(厚さ40μm)との複合フィルム及び下面に微細孔穿設したポリエチレンフィルム接着剤を用いて圧着した後、このようにして得た2種の脱酸素シートをその多孔ポリエチレンフィルム面を内面にして重ね、3方を熱シールして袋体を作成し、更に、この中に水分を含ませた脱脂綿を入れ、開口部をヒートシールして密封したものが提案されている(特開昭55−106519号公報)。

0009

更に、粒径1〜50μm程度の酸素吸収剤樹脂に配合して延伸することにより多孔質化することが提案されている(特開平2−229840号公報)。

0010

そして、最近では、酸素吸収シートとして、熱可塑性樹脂15〜70重量%と鉄系酸素吸収剤30〜85重量%からなる樹脂組成物を厚さ30μm〜5mmにシート加工した後、少なくとも一軸方向に1.5〜8倍の倍率で延伸されたシートに、その片面または両面に23℃における酸素透過速度が10000cc/m2・day以上を有する樹脂層が配されてなるものが提案されている(特開平5ー318675号公報)。

発明が解決しようとする課題

0011

前記のように、脱酸素剤が粉末状である場合、その製造の際や脱酸素シートの製造の際に粉塵飛散し、作業環境が悪化するのであり、又、粉末状の脱酸素剤は多孔体で、表面積が広く、空気との接触が至極良好であり、従って、脱酸素剤の配合中、及び脱酸素剤を製造し、これを支持体上に投下して脱酸素シートを形成するまでの間に空気との酸化反応が発生し、脱酸素剤の反応ロスが生じると共に脱酸素剤の品質が低下する上、酸化反応によって生成した生成物凝固して種々の弊害、例えば、支持体への脱酸素剤の投下量のバラツキの発生、歩留りの低下、取り扱いの困難性、製造装置メンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者就業時間に対する制約凝固物処理の困難性などの弊害を招来する。

0012

又、脱酸素剤が粉末状であると、前述のように、脱酸素シートを製造し、得られた脱酸素シートを気密性の外袋内に密封するまでの間に空気との酸化反応が発生し、脱酸素シートの品質が低下し、その信頼性が低くなるなどの問題がある。

0013

このような脱酸素剤の酸化反応を防ぐために、混合装置を気密性とし、しかも混合装置内の空気を窒素置換してから脱酸素剤の成分が均一に混合されるが、これでは混合装置が複雑で高価になるだけでなく、脱酸素剤や脱酸素シートが高価になるなどの問題がある。

0014

更に、脱酸素シートを製造するにあたり、支持体を間欠的に移動させ、支持体の停止中に脱酸素剤を投下する方法では、支持体の停止、起動を頻繁に繰り返すので、製造速度が遅くなるという問題がある。

0015

一方、支持体を一定速度で移動させると共に、脱酸素剤を投下する投下口を支持体と同速度で移動させながら支持体上に脱酸素剤を投下する方法では、支持体の停止、起動がほとんど繰り返えされないので、製造速度を高めることができる。

0016

しかしながら、この場合、脱酸素剤を投下する投下口を支持体と同速度で移動させるために複雑な機構が必要になる上、脱酸素剤には水分によって湿潤性が与えられており、しかも粉末状で流動性に乏しいものであるから、その機構を移動させる速度に大きな限界が生じ、粉末状の脱酸素剤の充填性欠ける上、充填量にばらつきが生じたり、脱酸素剤に偏りが生じ、信頼性に欠けるなどの問題がある。

0017

このため、被覆材を被せてシールをする際に、ローラなどによって脱酸素剤の分布をある程度、均等化させているが、この方法では袋材送り元方向に脱酸素剤の分布が一層偏る傾向があり、脱酸素剤と空気との接触が不均一になり、脱酸素効率が低下するなどの問題が有る。

0018

前記のものは、シート状に脱酸素剤を分布させているという点では優れているが、以下に述べる問題がある。

0019

即ち、この場合も粉末状の脱酸素剤を用いている結果、前記の場合と同様の問題がある。

0020

又、粉末状の脱酸素剤を接着剤で固定しているため、この接着剤によって空気との接触が著しく悪くなる結果、所望の脱酸素効果が得難くなり、信頼性に欠けるうえ、製品間のバラツキの原因となり、実用性に欠けるという、致命的な欠陥がある。

0021

即ち、接着剤の表面に粉末状の脱酸素剤を均一に分布させ、その露出状態を均一にすることは指南の技であり、又、これを実現しようとすると、製造工程が繁雑で、生産性が悪く、極めて高価なものとなる。

0022

前記のものは、粒径1〜50μm程度の酸素吸収剤を樹脂に配合して延伸することにより多孔質化したものであるが、延伸により多孔質化される箇所が必ずしも酸素吸収剤の部位とはいえず、酸素吸収剤が樹脂中に完全に或いは一部が埋設され、その結果、空気との接触が極めて悪く、前記の場合と同様に、所望の脱酸素効果が得難くなり、信頼性に欠けるうえ、製品間のバラツキの原因となり、実用性に欠けるという、致命的な欠陥がある。

0023

前記のものは、熱可塑性樹脂15〜70重量%と鉄系酸素吸収剤30〜85重量%からなる樹脂組成物を厚さ30μm〜5mmにシート加工した後、少なくとも一軸方向に1.5〜8倍の倍率で延伸されたシート(以下、Aシートという。)に、その片面または両面に23℃における酸素透過速度が10000cc/m2・day以上を有する樹脂層(以下、B層という。)が配されてなるものであり、前記の場合と同様に、延伸により多孔質化される箇所が必ずしも酸素吸収剤の部位とはいえず、酸素吸収剤が樹脂中に完全に或いは一部が埋設され、その結果、空気との接触が極めて悪く、前記の場合と同様に、所望の脱酸素効果が得難くなり、信頼性に欠けるうえ、製品間のバラツキの原因となり、実用性に欠けるという、致命的な欠陥がある。

0024

又、B層をAシートに配する方法としては、AシートにB層を熱接着、または接着層を介して貼合する方法や延伸前に共押出ラミネートなどの方法で多層化しておいて同時に延伸する方法が記載されているが、このようにAシートにB層をラミネートすることによって、Aシートの孔が塞がれ、この結果、空気と酸素吸収剤との接触が一層悪くなるなる恐れがある。

0025

そこで、本発明者は、前記技術的課題を解決するために、脱酸素剤の酸化反応を抑制して、製造時の酸化反応によるロス、脱酸素剤の品質低下及び脱酸素剤の凝固を防止して脱酸素剤の凝固に伴う種々の弊害を防止し、高速で薄型の脱酸素シートを製造できる上、脱酸素剤を袋体内に均等に分布、固定させることによって当該脱酸素剤の移動、片寄りを防止し、これによって、脱酸素剤による脱酸素反応(酸化反応)が均一に行われる脱酸素剤及び脱酸素シートなどにつき鋭意検討を重ねて来た。

0026

その結果、この種、脱酸素剤による脱酸素の原理は、金属粉が空気中の酸素と酸化反応を生じることを利用するものであり、この脱酸素反応(酸化反応)は、特に水分量が、その反応速度に大きく影響することが判明した。

0027

即ち、この酸化反応を促進するためには、水分が多すぎても少なすぎても反応は著しく遅く、適度な湿り気が有ることが重要である。この適度の湿り気がある状態が、金属粉への空気(酸素)の供給のバランスがとれ酸化反応が円滑に行われる。

0028

水分が少な過ぎると、空気は十分であるが反応に必要な水分が不足し、一方、水分が多過ぎると、この水分がバリヤー層となって金属粉への空気の供給量が減少するため酸化反応は著しく遅くなる。

0029

そこで、本発明者は、空気中において、比較的安定な脱酸素剤について鋭意検討を重ねてきた。その結果、金属粉を有効成分とし、且つ吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成すると、金属粉が水や水を吸収したゲルによって被覆されると共に、脱酸素剤が、粉末状ではなく、インキ状ないしクリーム状に形成されているため、脱酸素剤の表面積が著しく少なくなって空気の供給量が減少し、これによって、脱酸素剤と空気との酸化反応が著しく抑制され、空気中において、安定になるとの知見を得た。

0030

又、脱酸素剤をインキ状ないしクリーム状に粘稠化させると、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による転写が至極容易で、且つ高速で薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、しかも前述のように、空気の供給量が減少して酸化反応を実質的に停止する結果、製造時の酸化反応によるロス、脱酸素剤の品質低下及び脱酸素剤の凝固に伴う種々の弊害が防止されるのであり、又、脱酸素シートにおける脱酸素剤の全面にわたって均一に酸化反応が行われるとの知見も得た。

0031

又、本発明者は、脱酸素剤として、粉末状のものではなく、インキ状ないしクリーム状のものを用いると、前述のように、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による転写、積層が至極容易で、しかも脱酸素剤を袋材に均等に分布、固定させることができるのであり、又、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を、吸水性発泡フィルム・シート、テッシュペーパータオル用紙等の家庭用薄葉紙等の紙、ダンボール紙ダンボール中芯等の厚紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートの上、或いはこれらの上に形成された吸水層上に、それぞれ転写、積層すると、当該インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の全部或いは一部がこの発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート、或いはこれらの上に形成された吸水層に固定され、その移動が防止されるとの知見も得た。

0032

加えて、本発明者は、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤において、水分が過剰に配合されていると、つまりインキ状の脱酸素剤のように水分が過剰に配合されていると、この過剰水分がバリヤー層としての機能を発現し、一層、空気との脱酸素反応(酸化反応)が抑制され、一層安定性が向上するのである。

0033

即ち、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤は必ずしも水分が過剰に配合されている必要はなく、クリーム状の脱酸素剤のように比較的水分が少なくても良いのである。

0034

そして、インキ状の脱酸素剤のように、過剰の水分が配合されている場合には、その水分の一部を支持体及び/又は被覆材などの包材に吸収させると、バリヤー層が喪失し、水分過剰に伴う弊害が解消され、脱酸素反応が円滑に行われるのであり、又、クリーム状の脱酸素剤においても遊離水ないし水分を含有しているゲルが金属粉のバリヤー層となってその脱酸素反応を著しく抑制するが、前記水分の一部を支持体及び/又は被覆材などの包材に吸収させると、脱酸素反応が円滑に行われるとの知見も得た。

0035

又、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤は、支持体と被覆材を接着したり、支持体と被覆材の粗面に食い込み、アンカー効果投錨効果によって脱酸素シート内で脱酸素剤の片寄りを防止できるとの知見も得た。

0036

ところで、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を転写してなる脱酸素シートにおいては、脱酸素剤をインキ状ないしクリーム状に形成することによって転写しているため、金属粉のバリヤー層中の水分が包材に吸収され、多孔質になって酸化反応が徐々に進行することにより水分が失われるに従って一層通気性を発現し、しかも空気が表面から徐々に供給されるため、安定した酸化反応が得られ、良好な脱酸素効果が長期間に亙って得られるとの知見も得た。

0037

本発明は、前記技術的知見に基づき完成されたものであって、脱酸素剤の製造の際や脱酸素シート製造の際に粉塵が飛散し、作業環境が悪化するのを防止し、又、脱酸素剤の酸化反応を抑制して、製造時の酸化反応によるロス、脱酸素剤の品質低下や凝固を防止し、脱酸素剤の凝固に伴う種々の弊害を防止するのであり、またスクリーン印刷等の印刷やコーティング等の転写・積層法を採用しているから、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の均等な分布を可能にし、しかも積層の精度がさらに向上して製品の品質の安定化を図ることができる上、高速で薄型の脱酸素シートを簡便に製造できるのであり、更に、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を、吸水性の支持体や被覆材上に積層することによって、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を袋材に均等に分布、固定させることができる結果、脱酸素剤の移動、片寄りを防止できるのであり、加えて、脱酸素シートにおける脱酸素剤の全面にわたって均一に酸化反応が行われ、優れた脱酸素効果が得られるインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤及びこれを用いた脱酸素シートを提供することを目的とするものである。

0038

ところで、本発明者は、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を形成し、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を、フィルム状又はシート状の支持体上面における少なくとも一箇所の所定領域に積層した後、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せても、薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、しかもインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を袋体内に均等に分布、固定させることによって当該インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の移動、片寄りを防止し、且つ脱酸素シートにおける脱酸素剤の全面にわたって均一に酸化反応が行われ、優れた脱酸素効果が得られるとの知見も得た。

0039

本発明は、前記技術的知見に基づき完成されたものであり、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を形成し、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を、フィルム状又はシート状の支持体上面における少なくとも一箇所の所定領域に積層した後、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せても、薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の酸化反応を抑制して、製造時の酸化反応によるロス、脱酸素剤の品質低下及び凝固を防止し、脱酸素剤の凝固に伴う種々の弊害を防止し、薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、しかも脱酸素剤の移動、片寄りを防止し得る上、脱酸素シートにおける脱酸素剤の全面にわたって均一に酸化反応が行われ、優れた脱酸素効果が得られる脱酸素シートの製造方法を提供することを目的とするものである。

0040

又、フィルム状又はシート状の支持体上にインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を積層し、次いで、その上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の粘性により、前記の支持体と被覆材とを張り合わせ、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜いて形成しても、薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、しかもインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を袋体内に均等に分布、固定させることによって当該インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の移動、片寄りを防止し、且つ脱酸素シートにおける脱酸素剤の全面にわたって均一に酸化反応が行われ、優れた脱酸素効果が得られるとの知見も得た。

0041

本発明は、前記技術的知見に基づき完成されたものであり、支持体或いは被覆材のうち少なくとも一方が吸水性を有するか、或いは吸水加工を施したものであり、フィルム状又はシート状の支持体上にインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を積層し、次いで、その上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の粘性により、前記の支持体と被覆材とを張り合わせ、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜いて脱酸素シートを製造することにより、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の酸化反応を抑制して、製造時の酸化反応によるロス、脱酸素剤の品質低下及び脱酸素剤の凝固に伴う種々の弊害を防止し、薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、しかも脱酸素剤の移動、片寄りを防止し得る上、脱酸素シートにおける脱酸素剤の全面にわたって均一に酸化反応が行われ、優れた脱酸素効果が得られる脱酸素シートの製造方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0042

本発明に係るインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤(以下、本発明物という。)は、前記の目的を達成するため、金属粉を有効成分とし、且つ吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されていることを特徴とする。

0043

つまり、従来の粉末状の脱酸素剤においては、粉末状の脱酸素剤は多孔体で、表面積が広く、空気との接触が至極良好であり、従って、脱酸素剤の配合中、及び脱酸素剤を製造し、これを支持体上に投下して脱酸素シートを形成するまでの間に空気と円滑に、且つ継続して酸化反応が進行し、その結果、脱酸素剤の反応ロスが生じると共に脱酸素剤の品質が低下する。

0044

又、従来の粉末状脱酸素剤では、空気との接触によって、直ちに酸化反応が円滑に、且つ継続して進行し、この酸化反応によって生成した生成物が凝固する結果、例えば、支持体への投下量がばらついたり、ホッパー等の容器に固着して歩留りが低下したり、容器内の投入口近傍でブリッジが発生し、円滑な粉末状脱酸素剤の投下ができなくなる等、取り扱いの困難性が発生したり、製造装置のメンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性などの弊害を招来する。

0045

又、脱酸素剤が粉末状であると、前述のように、脱酸素シートを製造し、得られた脱酸素シートを気密性の外袋内に密封するまでの間に空気との酸化反応が発生し、脱酸素シートの品質が低下し、その信頼性が低くなるなどの問題がある。

0046

一方、本発明物においては、特に、脱酸素剤として、インキ状ないしクリーム状に粘稠化されたものを用いているから、以下に述べる種々のメリットが発生するのである。

0047

即ち、このように、本発明物のように、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を用いると、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による積層、転写が至極容易で、且つ高速で薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、しかも脱酸素剤を袋材に均等に分布させることができる上、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を、発泡フィルム・シート、各種紙、レーヨン不織布等の不織布、織布又は多孔質フィルム・シートなどの支持体上に積層すると、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤は浸透投錨性が高く、これらの支持体の細孔に食い込み、その移動、偏りが阻止される。

0048

この場合、特に、これらの支持体が吸水性を有し、この支持体上にインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を積層するか、或いはこの支持体上に更に吸水層を積層し、この吸水層上に、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を積層すると、当該脱酸素剤の全部或いは一部がこれらの支持体上、或いはこの支持体上に形成された吸水層に一層固定され易くなる結果、その移動、偏りが防止される。

0049

又、スクリーン印刷等の印刷やコーティングなどによる積層法によると、この脱酸素シートを至極薄くすることができるのであり、又、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤は、従来の粉末状の脱酸素剤と比較して、インキ状ないしクリーム状に形成することによって、空気との接触面積が制限され、単位時間当たりの酸化量が著しく制限される結果、その上にフイルム状或いはシート状の被覆材で積層され、脱酸素シートが得られるまでの間の酸化反応が殆ど阻止されるのである。

0050

本発明物においては、特に、脱酸素剤をインキ状ないしクリーム状に形成するすると、金属粉への空気の供給量が減少して酸化反応を実質的に停止する結果、製造時の酸化反応によるロス、脱酸素剤の品質低下や凝固を防止し、脱酸素剤の凝固に伴う種々の弊害が防止される結果、品質の安定した信頼性の高い脱酸素シートが得られる。

0051

本発明に係る脱酸素シート(以下、本発明シートという。)は、前記の目的を達成するため、フィルム状又はシート状の支持体と、この支持体上に積層された本発明物と、この本発明物を覆うフィルム状又はシート状の被覆材とからなり、前記の支持体と被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有するものであることを特徴とする。

0052

従来の脱酸素剤は、水分によって湿潤性が与えられ、粉末状であるから、流動性が極めて乏しく、これを単に投下することにより、支持体上の所定範囲内に均等に分布させることが著しく困難である。

0053

ところが、本発明物は、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤であるから、例えば厚塗印刷、グラビア印刷オフセット印刷、スクリーン印刷、吹き付けなどの公知の印刷技術を用いて印刷したり、ヘッドコーターローラーアプリケーター等により塗工やコーティングしたり、転写したりすることができる上、高速で薄型の脱酸素シートを製造できるのであり、しかもインキ状ないしクリーム状に形成されているので、空気との接触面積が著しく小さく、空気の供給量が減少して酸化反応が殆ど生じないのである。

0054

ところで、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤において、水分が過剰で、その過剰水分がバリヤー層となって空気中で一層安定になっている場合には、その過剰水分を支持体及び/又は被覆材などの袋材或いは支持体及び/又は被覆材の上に形成された吸水層に吸収させると、バリヤー層が喪失し、水分過剰に伴う弊害が解消されるのである。

0055

本発明に係る脱酸素シートの製造方法(以下、本発明第1方法という。)は、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を形成し、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を、フィルム状又はシート状の支持体上面における少なくとも一箇所の所定領域に積層した後、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せ、しかも前記の支持体と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする。

0056

又、本発明に係る脱酸素シートの製造方法(以下、本発明第2方法という。)は、前記の目的を達成するため、フィルム状又はシート状の支持体上に、本発明物を積層し、次いで、その上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記本発明物の粘性により、前記の支持体と被覆材とを張り合わせ、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜き、しかも前記の支持体又は被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有するものであることを特徴とする。

0057

以下、まず本発明物について詳細に説明する。本発明物においては、脱酸素剤として、従来のように粉末状のものではなく、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤である点に特徴を有するものである。

0058

即ち、本発明物は、金属粉を有効成分とし、且つ吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されていることを特徴とする。

0059

そして、この本発明物としては、空気中の酸素と反応して脱酸素反応(酸化反応)を起こす成分からなり、しかも外力を加えると流動する性質を有するものであれば特に限定されるものではなく、つまりスクリーン印刷等の印刷やコーティング等によって転写、積層できるものであれば特に限定されるものではない。

0060

本発明物としては、金属粉を有効成分とし、それに吸水性ポリマーと増粘剤のうち少なくとも一方と水を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されたものであるが、その配合割合としては、用いられる吸水性ポリマーや増粘剤の種類更に金属粉等によって酸素の吸収性が異なり、特に限定されるものではないが、一般に、金属粉100重量部に対し、吸水性ポリマー0.1〜10重量部及び/又は増粘剤0.1〜10重量部の範囲、好ましくは吸水性ポリマー0.15〜7.5重量部及び/又は増粘剤0.15〜7.5重量部の範囲、特に好ましくは吸水性ポリマー0.25〜5重量部及び/又は増粘剤0.25〜5重量部の範囲とし、本発明物においては、特に、これらの成分には水を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されている。

0061

この場合、脱酸素剤を構成する固形成分を均一に混合し、これに水を加えても良く、或いは脱酸素剤の全成分を一緒に混合しても良いのである。これらの成分の混合装置としては、水分が過剰な場合、特にインキ状の脱酸素剤の場合には均一に混合できる装置であれば特に限定されるものではないが、水分が比較的少ないクリーム状の脱酸素剤の場合には、ニーダーミキサー等の混練装置が脱酸素剤をクリーム状に形成し易いので望ましい。このクリーム状の脱酸素剤の場合、絞り出された遊離水や水分を含有するゲルが金属粉の周囲に付着し、バリヤー層としての機能を発現する。

0062

そして、本発明物においては、脱酸素剤がインキ状ないしクリーム状に形成され、これによって、印刷やコーティングによる転写が容易になされるが、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤は、その粘度(温度20℃)が、以下の方法で、一般に、300〜8,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。

0063

本発明物の粘度が300cps未満と低すぎると、脱酸素剤の印刷やコーティングなどによる転写性が悪くなったり、又、水分が至極過剰になり過ぎて他の成分の転写量が不足し、酸素の吸収量に限界が生じる上、粘度が低く金属粉が分離して成分の均一性の維持が困難になったり、更に、本発明物が支持体上の所定の領域外に滲み出たり、転写後に水分を多量に支持体及び/又は被覆材に吸収させる必要があり、特殊な構造の支持体及び/又は被覆材を用いたり、本発明シート(脱酸素シート)の構造を複雑にする必要があるので好ましくなく、一方、8,500,000cpsを超えると転写性が悪くなって転写量にバラツキが生じたり、表面で酸化反応が生じる恐れがあるから好ましくない。従って、これらの理由から、1,000〜7,500,000cpsの範囲、特に好ましくは10,000〜7,000,000cpsの範囲とするのが望ましい。

0064

この粘度とは、東機産業(株)社製(R110型粘度計、RE110Uシステム検出ヘッドRE100U、コントローラRC100A)で、しかもSPPローターを用い、回転数0.2rpm(D=0.4(1/S))とし、測定温度20℃で測定した値である。尚、この粘度は転写、積層の際の値である。

0065

又、本発明物においては、金属粉を有効成分とし、この金属粉に更に吸水性ポリマーと増粘剤のうち少なくとも一方と、炭素成分シリカゲルゼオライト活性白土又はケイソウ土から選ばれた少なくとも1種(以下、反応助剤という。)及び/又は金属の塩化物が配合されており、これらの成分には水を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されているものが、酸化反応が円滑に行われるので好ましい。

0066

この場合、その配合割合としては、用いられる金属粉、吸水性ポリマーや増粘剤の種類によって酸素の吸収性が異なり、特に限定されものではないが、一般に、金属粉100重量部に対し、吸水性ポリマー0.1〜10重量部及び/又は増粘剤0.1〜10重量部の範囲、反応助剤0.1〜15重量部及び/又は金属の塩化物0.5〜15重量部の範囲、好ましくは吸水性ポリマー0.15〜7.5重量部及び/又は増粘剤0.15〜7.5重量部の範囲、反応助剤0.5〜12.5重量部及び/又は金属の塩化物1〜12.5重量部の範囲、特に好ましくは吸水性ポリマー0.25〜5重量部及び/又は増粘剤0.5〜25重量部の範囲、反応助剤1〜10重量部及び/又は金属の塩化物1.5〜10重量部とを必須成分とし、且つ水が配合されて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されている。

0067

この場合においても、脱酸素剤がインキ状ないしクリーム状に形成されるが、その混合方法などは前述の場合と同様であり、又、この本発明物は、前述のように、その粘度(温度20℃)が、上述の方法で、一般に、300〜8,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。

0068

更に、本発明物においては、金属粉を有効成分とし、それに吸水性ポリマーと増粘剤のうち少なくとも一方と、反応助剤が配合されており、この混合物には金属の塩化物の水溶液或いは金属の塩化物の分散液を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されたものが、酸化反応が円滑に行われるので好ましい。

0069

この配合割合としては、用いられる吸水性ポリマーや増粘剤の種類更に金属粉等によっても異なるが、一般に、金属粉100重量部に対し、吸水性ポリマー0.1〜10重量部及び/又は増粘剤0.1〜10重量部の範囲、反応助剤0.5〜15重量部の範囲、好ましくは吸水性ポリマー0.15〜7.5重量部及び/又は増粘剤0.15〜7.5重量部の範囲、反応助剤1〜12.5重量部の範囲、特に好ましくは吸水性ポリマー0.25〜5重量部及び/又は増粘剤0.25〜5重量部の範囲、反応助剤1.5〜10重量部の範囲とし、本発明物においては、特に、この混合物には金属の塩化物の水溶液或いは金属の塩化物の分散液を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成される。

0070

この金属の塩化物の水溶液或いは金属の塩化物の水分散液としては、特に限定されるものではないが、0.1〜20重量%の範囲、好ましくは0.5〜15重量%の範囲、特に好ましくは1〜10重量%の範囲の金属の塩化物の水溶液或いは金属の塩化物の水分散液が用いられる。

0071

この場合においても、脱酸素剤がインキ状ないしクリーム状に形成されるが、その混合方法などは前述の場合と同様であり、又、このインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤は、前述のように、その粘度(温度20℃)が、上述の方法で、一般に、300〜8,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。

0072

更に、本発明物としては、水分や吸水性ポリマー更に増粘剤と、他の成分、つまり酸化反応に必須である金属粉の他に、酸化反応を促進するための反応助剤、金属粉の表面の酸化皮膜破壊し、酸化反応を連続的に発生させる金属の塩化物、更に、所望により、無機系或いは有機系の保水剤pH調整剤分散性を高める界面活性剤消泡剤などが配合され、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されたものが、金属粉の脱酸素効率が一層良好なので望ましい。

0073

その配合割合としては、用いられる吸水性ポリマーや増粘剤の種類、金属粉更に反応助剤の種類、金属の塩化物の種類等によって異なり、特に限定されるものではないが、一般に、金属粉100重量部に対し、吸水性ポリマー0.1〜10重量部、増粘剤0.1〜10重量部、反応助剤0.5〜20重量部及び金属の塩化物1〜10重量部の範囲とするのが好ましく、この本発明物においては、これらの成分に水を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成される。

0074

この場合、水に代えて、予め、金属の塩化物を水に溶解ないし分散させた、金属の塩化物の水溶液或いは金属の塩化物の水分散液を添加しても良く、この金属の塩化物の水溶液或いは金属の塩化物の水分散液としては、特に限定されるものではないが、0.1〜20重量%の範囲、好ましくは0.5〜15重量%の範囲、特に好ましくは1〜10重量%の範囲の金属の塩化物の水溶液或いは金属の塩化物の水分散液が挙げられる。

0075

そして、この場合においても、脱酸素剤がインキ状ないしクリーム状に形成されるが、その混合方法などは前述の場合と同様であり、この本発明物は、前述のように、その粘度(温度20℃)が、上述の方法で、一般に、300〜8,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。

0076

又、本発明物においては、前述のように、水分や吸水性ポリマー更に増粘剤と、他の成分、つまり金属粉や反応助剤更に金属の塩化物からなるものに、無機系或いは有機系の保水剤、pH調整剤、分散性を高める界面活性剤、消泡剤などが配合され、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されたものが最も有益である。

0077

即ち、本発明物においては、金属粉100重量部に対し、吸水性ポリマー0.1〜7.5重量部及び/又は増粘剤0.1〜10重量部、反応助剤0.5〜20重量部及び/又は金属の塩化物0.5〜10重量部を必須成分とし、更に無機系或いは有機系の保水剤0.1〜10重量部、pH調整剤0.1〜5重量部、分散性を高める界面活性剤0.1〜5重量部又は消泡剤0.1〜5重量部から選ばれた少なくとも1種を配合するのが望ましく、これらの成分には水を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成される。この場合において、前記割合の金属の塩化物を水に溶解ないし分散し、これを添加して、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成しても良いのである。

0078

そして、この場合においても、前記の場合と同様に、この本発明物が形成されるが、その粘度(温度20℃)は、前記の方法で、一般に、300〜8,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。

0079

本発明物においては、前述のインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤(本発明物)に、更に、酸素吸収剤を配合しても良く、この酸素吸収剤の配合割合としては、金属粉100重量部に対し、0.5〜50重量部の範囲とするのが望ましく、0.5重量部未満では配合する意味が無く、一方、50重量部を超えると脱酸素効果に限界が生じ、意味が無いだけでなく、経済的にも不利になるので好ましくない。従って、これらの観点から、金属粉100重量部に対し、酸素吸収剤が、1〜30重量部の範囲、特に、2〜25重量部の範囲とするのが望ましい。

0080

前記酸素吸収剤としては、酸素を吸収する能力があるものであれば特に限定されるものではないが、特に、例えばコンドロイチン硫酸ナトリウムチアミン塩酸塩アスコルビン酸ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、dl−α−トコフェロール還元糖第一鉄塩フェロシリコンシリコマンガン又はケイ化カルシウムが、酸素の吸収能力が高いので望ましい。

0081

本発明物において、前記吸水性ポリマーとしては、主として、水や金属の塩化物水溶液を円滑、且つ大量に吸収する高分子材料が挙げられるのであり、具体的には、例えば特公昭49−43395号公報に開示されている澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、特公昭51−39672号公報に開示されている架橋ポリアルキレンオキシド、特公昭53−13495号公報に開示されているビニルエステルエチレン系不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、特公昭54−30710号公報に開示されている逆相懸濁重合法によって得られる自己架橋ポリアクリル酸塩、特開昭54−20093号公報に開示されているポリビニルアルコール系重合体環状無水物との反応生成物、特開昭59−84305号公報に開示されているポリアクリル酸塩架橋物、N−ビニルアセトアミド架橋体吸水剤)(昭和電工株式会社製商品名NA−010)等から選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、これらを界面活性剤で処理したり、これらにと界面活性剤を組み合せて親水性を向上しても良いのである。これらの吸水性ポリマーの中には水や金属の塩化物水溶液を吸収して増粘性を付与するものがあるが、主として、水や金属の塩化物水溶液を円滑、且つ大量に吸収する機能を有するものである。

0082

この吸水性ポリマーとしては、市販のものを用いればよく、例えば三洋化成社製のサンフレッシュ STシリーズであるST−100、ST−500S、ST−100MPS、ST−500D、ST−500MPS、製鉄化学社製のアクアキープ4Sやアクアキープ4SH、住友化学社製のスミカゲルNP−1020、スミカゲルNP−1040、スミカゲルSP−520、スミカゲルN−1040、クラレ社製KIゲルであるKIゲル201K−F2、日本触媒社製アクアクリックシリーズであるアクアクリックCS−6、アクアクリックCS−7、荒川化学社製のアラソープ800、アラソープ800Fなどがその例として挙げられる。

0083

これら市販の吸水性ポリマーの中では、水や金属の塩化物水溶液を迅速に吸収し、しかもそれらの吸収量が高い、三洋化成社製のサンフレッシュ ST−100MPS、サンフレッシュ ST−500D、サンフレッシュ ST−500MPS、住友化学社製のスミカゲルNP−1020、スミカゲルNP−1040、クラレ社製のKIゲルシリーズである、KIゲル201−F2、荒川化学社製のアラソープ800Fなどが特に好ましい。

0084

本発明物において、前記増粘剤としては、主として、水や金属の塩化物水溶液を吸収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する物質が挙げられるのであり、ベントナイトステアリン酸塩ポリアクリル酸ソーダ等のポリアクリル酸塩、ゼラチンポリエチレンオキサイドポリビニルアルコールポリビニルピロリドンアラビアゴムトラガカントゴムローカストビーンガムグアーガムアラビアガムアルギン酸ソーダ等のアルギン酸塩ペクチンカルボキシビニルボリマー、デキストリン、α化澱粉、加工用澱粉などの澱粉系吸水剤、カラギーナン寒天などの多糖類系増粘剤、CMC酢酸エチルセルロースヒドロキシエチルセルロースメチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体系増粘剤、アクリルスルホン酸系高分子物質(例えば、日本触媒株式会社製、商品名:CS−6HS)、水溶性セルロースエーテル又はポリーN−ビニルアセトアミド等から選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、これらを界面活性剤で処理したり、これらにと界面活性剤を組み合せて親水性を向上しても良いのである。これらの増粘剤は、主として、水や金属の塩化物水溶液を吸収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する機能を有するものである。

0085

前記水溶性セルロースエーテルとしては、具体的には、例えばセルローズメトキシル基エーテル化したメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズSM15、メトローズSM25、メトローズSM400、メトローズSM4000など)、セルローズをヒドロキシプロポキシル基でエーテル化したヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ60SH−50、メトローズ60SH−4000、メトローズ90SH−4000、メトローズ90SH−30000、メトローズ90SH−100000など)、セルローズをヒドロキシエトキシル基でエーテル化したヒドロキシエチルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ60SH−50、メトローズ60SH−4000、メトローズ90SH−4000、メトローズ90SH−30000、メトローズ90SH−100000など)などの水溶性セルロースエーテルが挙げられる。

0086

前記ポリーN−ビニルアセトアミドとしては、N−ビニルアセトアミドをラジカル重合させて得られるものであり、水に可溶性直鎖構造のものと、水に不溶性架橋構造を有するものとがあり、この不溶性のポリーN−ビニルアセトアミドには、その架橋密度の差により、ゲル化剤として作用するミクロゲルが挙げられるのであり、具体的には、例えばN−ビニルアセトアミドーアクリル酸ナトリウム共重合体(昭和電工株式会社製商品名GE−167)、N−ビニルアセトアミドホモポリマー(昭和電工株式会社製 商品名GE−191)、N−ビニルアセトアミド(昭和電工株式会社製 商品名NA−010)又はN−ビニルアセトアミド架橋体(ミクロゲル)(昭和電工株式会社製 商品名GX−205)などから選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、これらを界面活性剤で処理したり、これらにと界面活性剤を組み合せて親水性を向上しても良いのである。これらの増粘剤は、主として、水や金属の塩化物水溶液を吸収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する機能を有するものである。

0087

本発明物において、金属粉としては、空気中の酸素と反応するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば鉄粉、亜鉛粉アルミニウム粉又はマグネシウム粉或いはこれらの2種以上の金属からなる合金の粉末、更に、これらのうちの2種以上を混合した混合金属粉などが用いられるが、特に、これらの金属粉の中では、安全性、取扱性、コスト、保存性及び安定性などの観点を総合して最も優れている鉄粉を用いることが望ましい。

0088

炭素成分としてはカーボンブラック黒鉛又は活性炭などがその例として挙げられるのであり、金属の塩化物としては塩化ナトリウム塩化カリウムなどのアルカリ金属の塩化物、塩化カルシウム塩化マグネシウムなどのアルカリ土金属の塩化物などをその例として挙げることができる。

0089

前記無機系或いは有機系の保水剤としては、水を保水し、脱酸素剤中の水分が不足し、酸化反応が鈍化すると水を放出するだけでなく、脱酸素剤中の空隙率を向上させて空気と脱酸素剤との接触を良好にするものである。

0090

具体的には、例えばパーライトクリストバライトバーミキュライトシリカ多孔質物質ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩ケイ石、ケイソウ土、アルミナ等の礬土マイカ粉クレー等の礬土ケイ酸質タルク等の苦土ケイ酸質、シリカ粉又は木粉パルプ粉等が挙げられる。

0091

又、前記pH調整剤や界面活性剤更に消泡剤としてはポリリン酸ナトリウム等の通常のpH調整剤の他、この分野で用いられるものが用いられる。

0092

次に、本発明シートについて詳細に説明する。本発明シートは、フィルム状又はシート状の支持体と、この支持体上に積層された前記本発明物と、この本発明物を覆うフィルム状又はシート状の被覆材とからなり、前記の支持体と被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有するものであることを特徴とする。

0093

即ち、本発明シートにおいては、前記本発明物、つまり前記インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を用いる点に特徴を有する。

0094

この場合において、本発明物が粘着剤と同様の役割を果し、支持体と被覆材を接合するから、必ずしも、本発明物の周囲を封着する必要がないが、本発明シートの品質及び信頼性を一層向上するために、支持体と被覆材とを、本発明物の外周囲部において、熱接着、粘着又は熱融着によって封着するのが望ましい。

0095

この封着が、本発明物の外周囲全体にわたって、部分的に行われていると、この非封着部が通気性を有する結果、支持体及び被覆材の両方が通気性を有さなくても良いのであり、このように構成すると、穏やな酸化反応ではあるが、一層長期間にわたり脱酸素効果が得られるのである。

0096

従って、本発明シートにおいて、支持体及び被覆材は非通気性の素材で形成しても良いが、空気との接触を良好にし、迅速に且つ確実に脱酸素効果を発現させるために、支持体と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものが望ましい。

0097

又、本発明シートにおいては、本発明物、つまり前記各インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤の水分はその一部が支持体及び/又は被覆材に吸収され、これによって、空気中の酸素の除去を円滑且つ迅速に行い、食品の酸化を一層確実に防止するのが望ましい。

0098

即ち、支持体及び/又は被覆材としては吸水性を有するものが望ましいが、この吸水性の素材としては吸水性を有するフィルム状ないしシート状のものであれば特に限定されるものではない。

0099

ところで、本発明シートにおいて、支持体と被覆材は基本的に同様のものが挙げられる。

0100

本発明シートにおいては、支持体及び/又は被覆材に本発明物の全部又は一部を固定させてその移動、片寄りを防ぐのが好ましい。

0101

具体的には、例えば支持体及び/又は被覆材における少なくとも本発明物との接触箇所において、支持体及び/又は被覆材の表面が平滑な場合、その表面に物理的に凹凸を形成したり、または、非通気性或いは通気性の支持体及び/又は被覆材の片面或いは両面に、吸水性を有する吸水材を積層し、これによって、支持体及び/又は被覆材における本発明物との接触箇所に凹凸を形成することにより、本発明物からの吸水に伴う密着性とこれらの凹凸と本発明物との結合性を高めてその移動、片寄りを防止したり、支持体及び/又は被覆材が不織布等の多孔質体で形成されている場合には、特に本発明物との結合性と投錨効果によって、その移動、片寄りを一層確実に防止できるので望ましい。

0102

前記吸水材としては、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有するものであれば特に限定されるものではない。

0103

具体的には、例えば吸水性を有する発泡フィルム・シート、吸取紙トイレットペーパーやタオル用紙などの家庭用薄葉紙等の紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、吸水性を有する繊維で形成したレーヨン不織布等の不織布や織布の他、吸水性の多孔質フィルム・シート等の吸水性素材で形成されたものが挙げられる。

0104

又、素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、発泡フィルム・シート、紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、吸水性を有する繊維で形成したレーヨン不織布等の不織布や織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与ないし向上させたり、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、本発明物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィルム・シート、各種紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートを本発明物の片面又は両面に当てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。

0105

本発明シートにおいては、特に、支持体及び/又は被覆材における少なくとも本発明物との接触箇所には、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水層が形成されていることにより、この凹凸及び/又は吸水層に本発明物の全部又は一部を埋設ないし接合し、これによって、本発明物の移動、片寄りを一層防止するのが望ましい。

0106

又、本発明シートにおいて、本発明物の移動、片寄りを一層確実に防止するには、支持体及び被覆材の両方における本発明物との接触箇所において、前述のように、凹凸及び/又は吸水層が形成されているのが望ましいのであり、この凹凸及び/又は吸水層によって本発明物の水分の一部を支持体及び/又は被覆材に吸収させても良いのである。

0107

このように本発明物が袋体内で移動することが防止されるので、本発明物が偏って酸化反応がばらついたり、酸化反応のムラを阻止できる結果、本発明物が有効に生かされるのである。

0108

支持体及び/又は被覆材の表面が平滑である場合、その表面を粗荒化(凹凸化)する方法は特に限定されるものではないが、具体的には、例えばコロナ処理等の物理的処理によって粗荒化(凹凸化)し、これによって、表面が少なくとも38ダイン以上、好ましくは40ダイン以上の濡れ指数を発現することが好ましい。

0109

更に、本発明シートにおいて、支持体及び/又は被覆材における少なくとも本発明物との接触箇所に、粗荒面ないし凹凸面及び/又は吸水層が形成されている場合において、特に支持体及び/又は被覆材が吸水性を有するもので構成すると、この粗荒面ないし凹凸面の形成によって、本発明物の移動、偏りを防止できる作用と、吸水層によって本発明物の移動、偏りを防止できる作用とが相乗的に作用し、一層確実に本発明物の移動、偏りを防止できる上、本発明物の水分の一部余剰水分を支持体及び/又は被覆材に吸収させる事ができるので更に一層好ましいのである。

0110

特に、支持体及び/又は被覆材における少なくとも本発明物の接触箇所が吸水性を有する場合には、本発明物の水分の吸収力によって、本発明物中における水分以外の他の成分が支持体及び/又は被覆材に引き寄せられ、その一部分が吸水層に浸潤して強力なアンカー効果を生じるので、特別に表面を粗荒化する処理は不要である。

0111

ところで、前記吸水剤としては、前述の吸水性ポリマーや増粘剤等が挙げられるのであり、従って、吸水層としては前述の吸水性ポリマーや増粘剤等で形成された層が挙げられる。

0112

前述のように、本発明シートで用いられる支持体及び/又は被覆材としては、単一層のものと、厚み方向に複数層を積層したものとが含まれる。

0113

この場合において、積層とはヒートセット、接着、粘着、熱融着、ラミネーションなどによって層どうしが全面的に或いは部分的に接合されているものの他、各層が単に重ね合わされ、例えば周縁部や中央部などの局部で層どうしがヒートセット、接着、粘着、熱融着、ラミネーションなどで接合されていることをいう。

0114

支持体及び/又は被覆材が、単一層(単一のフィルム又はシート)の場合には、前述のように、脱酸素剤の移動、片寄りを防ぐために、表面平滑性のフィルム・シートではその表面を粗面(凹凸面)にしたり、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートを用いるのが好ましく、これらが吸水性を有する素材、例えば吸水性の繊維で形成されているときにはそのまま用いたり、これらが吸水性を有しない素材で形成されているときには、これらに吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写、積層又は担持させて吸水性を発現させても良いのである。

0115

この場合において、スポンジ等の発泡フィルム・シート、不織布又は織布などを用いると、後述する粘着剤層との密着性が良好になる。又、支持体が複数層、つまり2種以上のフィルム又はシートを積層したものとしては前述のものが挙げられる。

0116

前記の支持体及び被覆材の厚さは、用途によって大きく異なり、特に限定されるものではない。具体的には、一般に、10〜2500μmの範囲程度、好ましくは12〜1000μmの範囲程度、特に15〜500μmの範囲程度とすることが更に好ましく、一般には、10〜1000μmの範囲程度とするのが望ましい。

0117

支持体及び被覆材の厚さが10μm未満と薄い場合には、必要な機械的強度が得難くなる上、厚さを均一にすることが困難になる虞れがあるので好ましくない。

0118

又、支持体及び被覆材の厚さが2500μmを超える場合には、その意味がない上、取扱性が著しく低下するので好ましくなく、又、本発明シート全体の厚さが厚くなり過ぎるので好ましいない。

0119

従って、特に支持体及び被覆材の厚さを12〜1000μmの範囲程度とすれば、所要の機械的強度が得られると共に、優れた取扱性が得られるので望ましい。

0120

支持体及び被覆材としては、合成或いは天然の高分子材料で形成されたものが挙げられる。

0121

合成の高分子材料としては、具体的には、例えばポリエチレンポリプロピレンポリアミドポリエステルポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンポリウレタンポリスチレンエチレン酢酸ビニル重合けん化物又はエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。

0122

上記非発泡の高分子材料からなるフィルム又はシートに通気性を与える方法としては、フィルム又はシートを形成する時に延伸させて通気孔を形成する方法、更にこの延伸したフィルム又はシートから特定成分を抽出して通気孔を形成する方法の他に、非発泡のフィルム又はシートフィルムを形成した後、これにパンチングニードリングなどの機械穿孔により通気孔を形成する方法等が挙げられるのであり、これによって、多孔質のフィルム又はシートが得られる。

0123

又、高分子材料からなる発泡させたフィルム又はシートは、発泡により表裏両面に開かれた独立気泡又は連続気泡が形成され、又、発泡後にフィルム又はシートを圧迫してその内部に形成された独立気泡又は連続気泡を破裂させて表裏両面に連通させることにより通気性が与えられたものと、発泡によっても、通気性を有しない気密性のものとが挙げられる。

0124

紙或いは織布、編布、不織布などの布は組織上、表裏両面に連通する通気孔ないし通気路が形成されているので、通気性を有する。布を構成する繊維としては天然繊維ビスコース繊維などの天然素材を用いた再生繊維半合成繊維合成繊維及びこれらのうちの2種以上の混合物などを用いることができる。

0125

天然繊維としては、綿、などの植物性繊維獣毛などの動物性繊維が挙げられるのであり、又、合成繊維を構成する高分子材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合けん化物又はエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。

0126

本発明シートの食品の容器への適用にあたり、食品の容器の形状によっては、湾曲部や屈伸部に適用されることが多々有るのであり、このような場合にも一層好適に適用され易くするために、支持体及び被覆材が、つまり本発明シートの包材が、柔軟で伸長性のフィルム或いはシート、特に、伸縮性のフィルム或いはシートで形成されたものが望ましい。

0127

この伸長性の支持体及び被覆材としては、例えば伸長性の高いポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂で形成されたものが挙げられる。

0128

又、伸縮性の支持体及び被覆材、つまり伸縮性のフィルム或いはシートとしては、伸縮性の素材で形成されたものであれば特に限定されるものではないが、特に、伸縮性であって、且つ本発明物との結合性が高い、伸縮性の発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等が挙げられるのであり、これら自体が吸水性を有するか否かを問わず、これら自体に、吸水剤を含有、含浸、付着、練り込み、転写、積層又は担持させて吸水性を付与ないし向上させたものが、本発明物中の余剰の水分を吸収してバリヤー層の除去、つまり本発明物を好適な状態にするので望ましい。

0129

伸縮性のフィルム或いはシートの素材としては、例えば天然ゴム合成ゴムまたは熱可塑性エラストマーが挙げられるが、伸縮性が大で取り扱い易く、しかも熱可塑性エラストマーは熱融着性を有するので、本発明シートの製造がしごく容易なので望ましい。

0130

前記合成ゴムとしては、具体的には、例えばブタジエンゴムイソプレンゴムスチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムクロロプレンゴムイソブチレン−イソプレンゴム、ポリアルキレンスルフィドシリコーンゴム、ポリ(クロルトリフルオロエチレン)、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンコポリマーウレタンゴムプロピレンオキシドゴムエピクロルヒトリゴムアクリル酸エステルアクリロニトリル・コポリマー又はアクリル酸エステル−2−クロルエチルビニルエーテル・コポリマー等が挙げられる。

0131

又、前記熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、例えばオレフィン系エラストマーポリウレタン系エラストマー又はポリエステル系エラストマー等が挙げられる。

0132

前記オレフィン系エラストマーとしては、具体的には、例えばエチレン−プロピレン・コポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマークロロスルホン化ポリエチレン塩素化ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル・コポリマー等が挙げられる。

0133

ところで、本発明シートにおいては、食品容器内の空気中の酸素を長期間にわたって除去するものであり、支持体と被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有することが必要である。

0134

本発明シートに用いられている包材において、その側方、或いは支持体と被覆材のうち少なくとも一方又は一部が通気性を有するものであることを要する。この場合、側方とは厚み箇所、つまり支持体と被覆材との周縁部における非封着箇所の隙間をいい、この場合には、支持体と被覆材の両方が非通気性の素材で形成されていても良いのである。

0135

尚、支持体又は被覆材の一部が通気性を有するように構成する方法としては特に限定されるものではないが、例えば支持体又は被覆材が一層の場合には、通気性の支持体又は被覆材においてその全面にわたって部分的に接着剤で目止めを行ったり、積層型の支持体又は被覆材の場合には、通気性のフィルムないしシートに、通気孔を全面にわたって部分的に設けたフィルムないしシートを積層すれば良いのである。

0136

本発明シートにおいては、本発明物を用いているので、ロールフィルム状又はロールシート状の支持体を一定速度、例えば毎分160〜200m/分程度の高速で送りながら、その支持体の少なくとも1箇所の所定領域上に本発明物を、例えば転写、印刷、吹き付け又はコーティング等により積層することによって、例えば0.02〜1.5mm程度の薄い膜厚に、好ましくは0.1〜1.0mm程度に薄く積層させることができる上、厚みを均一にして積層させることが可能になり、その結果、処理の高速化、付着領域制御の高精度化薄肉化及び膜厚の均一化を図ることができる。

0137

本発明シートにおいて、本発明物を積層する所定領域の形状は特に限定されるものではなく、食品の容器に応じて任意に決定できる。

0138

勿論、支持体及び被覆材の形状及び大きさは、支持体上に積層される本発明物の形状及び大きさ以上であれば特に限定されないが、特に、積層された本発明物の形状と相似型或いはほぼ相似型であって、その形状より数mm〜10mm幅程度全周囲にわたって延出された大形に形成することが好ましい。

0139

ところで、支持体上の複数箇所に本発明物を積層している場合には、この本発明物で支持体と被覆材とを接着しても良い。勿論、本発明シートの品質及び信頼性を一層向上するために、支持体と被覆材とを、本発明物の外周囲部において、熱接着、粘着又は熱融着によって封着するのが望ましい。

0140

この封着する方法は、特に限定されないが、支持体と本発明物と被覆材を積層する時、又はこれ以後に例えば打ち抜き、溶断などにより行うことができる。

0141

これらの方法としては、工程数及び工程時間を削減してコストダウンを図るという観点から、支持体及び被覆材の周縁部をヒートセットやヒートシールによって接合することを前提とし、この接合と同時にヒートセット用ローラ或いはヒートシール用ローラで打ち抜いたり、溶断したりすることが好ましい。

0142

加えて、本発明シートにおいては、気密性の外袋材に封入するまでの任意の時点で、支持体又は被覆材において、そのいずれか一方の露出面の少なくとも一部に粘着剤層が積層されているものが、本発明シートを食品の袋等の容器の内面に至極簡単に貼着、固定できるので望ましい。

0143

この粘着剤層としては食品の袋等の内面に貼着可能なものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、粘着剤で形成された層が挙げられる。

0144

この粘着剤層を形成する粘着剤としては、溶剤型粘着剤エマルジョン型粘着剤又はホットメルト型粘着剤がその例として挙げられ、これらのいずれのものを用いてもよい。

0145

又、これらの粘着剤としては、例えばゴム系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、エチレンー酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、ポリサルファイド粘着剤又はホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤などが挙げられる。

0146

このホットメルト型高分子物質としては、具体的には、例えばA−B−A型ブロック共重合体飽和ポリエステル系高分子物質、ポリアミド系高分子物質、アクリル系高分子物質ウレタン系高分子物質、ポリオレフィン系高分子物質又はポリオレフィン系共重合体或いはこれらの変性体、若しくはこれらの1種或いは2種以上の混合物が挙げられる。

0147

この変性体とは、ホットメルト型高分子物質の成分の一部を他の成分に置き換えてホットメルト型高分子物質の性質、例えばホットメルト型高分子物質の粘着性の改善や安定性等を変えたものをいう。

0148

前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエンイソプレン等の共役ジエン弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられるのであり、また、これらを混合して用いても良いのである。

0149

A−B−A型ブロック共重合体の市販品の例としては、具体的にはカリフレックスTR−1101、カリフレックスTR−1107、カリフレックスTR−1111(シェル化学製)、或いはフィリップトロリアム製のソルプレン418等が挙げられる。

0150

これらのうち、食品の袋等の容器への粘着力が良好で、しかも粘着力の経時的低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤で形成された層が望ましい。

0151

この粘着剤層の厚さとしては特に限定されるものではないが、5〜1000μm、特に、10〜500μm、更に好ましくは15〜250μmとするのが好ましく、粘着剤層の厚さが、5μm未満になると所要の粘着力を得難いのであり、一方、1000μmを超えると意味がないだけでなく、本発明シートの厚みが厚くなり過ぎたり、経済性が悪くなるので好ましくない。

0152

又、本発明シートにおいて、包材の露出面に粘着剤層を形成する場合には、粘着剤層の支持体又は被覆材への結合力を高めるために、支持体又は被覆材の露出面を粗荒化したり、支持体又は被覆材の露出面を紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、織布、レーヨン不織布等の不織布、発泡フィルムなどの表面が粗荒なフィルム又はシートで構成することが好ましい。

0153

本発明シートにおいて、前記粘着剤層には、所望により、他の成分、例えば他の粘着剤、粘着賦与剤、老化防止剤充填剤、粘着調整剤、粘着改良剤着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤防黴剤抗菌剤殺菌剤消臭剤脱臭剤などを適宜配合してもよいのである。

0154

次に、本発明第1方法について詳細に説明するが、この方法は、本発明シートの製造例を示すものであり、従って、両者に共通する用語は同一の意味である。

0155

次に、本発明第1方法について詳細に説明する。本発明第1方法においては、まず、インキ状ないしクリーム状に粘稠化させた脱酸素剤、つまり本発明物を製造する工程(A)を実施する。

0156

本発明物としては前述のものと同様のものが挙げられる。ところで、本発明物を製造するにあたり、前記各固形成分を、混合機に投入し、次いで、この混合機で均一に混合した後、これに水、或いは金属の塩化物の水溶液又は分散液を投入して混合し、これによって、前述の本発明物を製造したり、本発明物を構成する全成分を混合機に投入し、次いで、この混合機で均一に混合しても良いのである。

0157

この場合、前記各固形成分を、混合機に投入し、次いで、これを均一に混合した後、これに水を投入、混合して、得られた本発明物の品質が安定するので望ましい。

0158

本発明第1方法で用いられる混合機としては本発明物を構成する成分を均一に混合するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えばリボンミキサースパルタンミキサー、スクリューブレンダーロールミキサー、バンバリーミキサー又はニーダー等が挙げられる。

0159

この場合、インキ状の脱酸素剤のように水分が過剰にある場合には混合装置としては特に限定されるものではないが、クリーム状の脱酸素剤のように水分が比較的少ない場合にはミキサーやニーダー等の混練装置を用い、練り込むように混合するのが脱酸素剤のクリーム化が容易に行えるので望ましい。

0160

本発明においては、工程(A)で得られた本発明物を、フィルム状又はシート状の支持体上面における少なくとも一箇所の所定領域に積層する工程(B)を実施する。

0161

ここで用いられる支持体としては本発明シートで説明したものと同様であるから、重複説明を避けるために省略する。

0162

又、この工程(B)においては、支持体上面に本発明物が積層されるが、この本発明物は、支持体上面における幅方向において一箇所或いは二箇所以上積層したり、支持体の長手方向において千鳥足状に積層しても良いのである。

0163

本発明第1方法において、支持体上に本発明物を積層する方法としては特に限定されるものではないが、具体的には、例えばグラビヤロールやスクリーン印刷等の印刷、ヘッドコーター等のコーター、ローラー、アプリケーター等による塗工やコーティング等が挙げられる。

0164

本発明においては、本発明物を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せる工程(C)を実施する。

0165

ここで用いられる被覆材としては本発明シートで説明したものと同様であるから、重複説明を避けるために省略する。

0166

この場合、支持体と被覆材とを本発明物を介して接着する。つまり本発明物がインキ状ないしクリーム状に形成され、接着剤としての役割を果すから、必ずしも支持体と被覆材とを、本発明物の周囲部において、封着する必要はないが、品質や信頼性を一層向上するために、支持体と被覆材とを、本発明物の周囲部において、粘着、熱接着又は熱融着によって封着するのが望ましい。

0167

そして、本発明第1方法においては、空気との接触によって脱酸素反応を生じる本発明シートを得るものであるから、前記の支持体と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するのである。

0168

本発明第1方法においては、脱酸素剤がインキ状ないしクリーム状に形成されているから、以下に述べる種々のメリットが発生するのである。

0169

即ち、このように、本発明第1方法においては、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤、つまり本発明物を用いると、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による積層が至極容易で、且つ高速で薄型の本発明シート、つまり脱酸素シートを製造できるのであり、しかも本発明物を袋材に均等に分布させることができる上、本発明物を、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートで形成された支持体や被覆材で挟着すると、この本発明物は侵入・投錨性が高く、これらの支持体や被覆材の細孔に食い込み、その移動、偏りが阻止される。

0170

この場合、特に支持体及び/又は被覆材が吸水性を有し、この支持体上に本発明物を積層するか、或いは前記支持体上に更に吸水層を積層し、この吸水層上に、本発明物を積層し、被覆材で被覆すると、当該本発明物中の過剰水分或いは遊離水ないし水分を含有するゲル中の水分の一部が吸水性の支持体及び/又は被覆材、或いはこれらの上に形成された吸水層に一層固定され易くなる結果、その移動、偏りが防止される。

0171

又、本発明第1方法で用いられる本発明物は、インキ状ないしクリーム状に形成されているから、前述のような種々のメリットがあるが、特に、本発明物を製造するにあたり、その水分含有率を過剰にすると、印刷やコーティングなどによる転写、積層が至極容易で、且つ高速で薄形の本発明シートを製造できるだけでなく、余剰水分がバリヤー層となるので、空気の供給量が減少して脱酸素反応を一層確実に停止する結果、製造時の発熱ロス、本発明物の品質低下及び本発明物の凝固が一層確実に防止されるので一層望ましい。

0172

ところで、本発明第1方法において、水分の配合率が高く、余剰水分がバリヤー層となっている場合には、本発明物の水分の一部を支持体及び/又は被覆材などの袋材に吸収させると、バリヤー層が喪失し、水分過剰に伴う弊害が解消されるのである。

0173

次に、本発明第2方法について詳細に説明する。本発明第2方法は、まず、フィルム状又はシート状の支持体上に、前記各本発明物を積層し、次いで、その上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記各本発明物の粘性により、前記の支持体と被覆材とを張り合わせて積層体を得る。

0174

本発明第2方法においても、本発明シートの場合と同様に、本発明物中の過剰水分或いは遊離水ないし水分を含有するゲル中の水分の一部が吸水性の支持体及び/又は被覆材に吸収されるまでは、空気と接触しても本発明物の酸化反応が極力抑制されるため、製造時の酸化反応によるロス、本発明物の品質低下及び本発明物の凝固が確実に防止され、凝固に伴う種々の弊害が確実に防止される上、本発明物がインキ状ないしクリーム状であるから、均一な厚さに積層でき、しかも包材との接着性によって本発明物の移動、片寄りを防止し、且つ本発明物の過剰な酸化反応を極力避けることができる。

0175

本発明第2方法において、支持体上に本発明物を積層する方法としては特に限定されるものではないが、具体的には、上述の方法が挙げられる。

0176

本発明第2方法において、支持体及び被覆材としては、本発明シートで用いられるものと同様のものが挙げられるので、ここでは重複説明を避けるために省略する。

0177

本発明第2方法においては、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜き、しかも前記の支持体又は被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有するものである。

0178

前記積層体を所定の形状に打ち抜く工程は、当該積層体を静止させて行ってもよく、この場合には同時に積層体の送り方向及びこれに直角の幅方向に並ぶ複数の積層体を同時に打ち抜くことにより一度に多量の本発明シートを形成することができる結果、コストダウンを図ることができる。

0179

しかしながら、この方法では、前述のように、例えばロールフィルム状又はロールシート状の支持体を例えば毎分160〜200m/分で送りながら、その上に本発明物を積層させた後、ロールフィルム状又はロールシート状の被覆材をロールでその上に案内するという方法で被覆材を本発明物に被せ、これによって、積層体を得る場合には、打ち抜き工程において積層体を静止させるために、一旦、積層体をロール状に巻取り、このロールを間欠的に繰り出しながら打ち抜く必要があり、製造工程が複雑になると共に、製造時間が長くなる上、打ち抜き作業が間欠的に行われるため、作業効率を高める上での限界が生じる。

0180

従って、本発明方法においては、製造工程を簡単にすると共に、製造時間を短縮するために、積層体をその製造時の送り速度、例えば毎分160〜200m/分で送りながら、ロールプレスを用いて任意の形状に打ち抜き、これによって、本発明シートを得るのが好ましい。

0181

このように、ロールプレスを用いる場合には、連続して積層体の打ち抜きができる上、積層体の製造と打ち抜きとを一貫して連続操業できるので、短時間に多量の本発明シートを完成させることができる結果、積層体を静止させて打ち抜く方法に比べると非常に大幅なコストダウンを図ることができる。

0182

又、この場合において、積層体の送り方向に直角な幅方向に並べて、或いは送り方向及び幅方向に対して千鳥状に複数、同時に連続して打ち抜くことにより、短時間に一層多量の本発明シートを完成させて、一層大幅なコストダウンを図ることができる。

0183

この積層材打ち抜き形状については、食品の袋等の容器に対応させて、任意の形状に打ち抜かれる。

0184

ところで、本発明第2方法においては、本発明物の粘性によって、支持体と被覆材が粘着され、この粘着後、過剰の水分が支持体と被覆材に吸収され、しかもこの本発明シートは非通気性の外包材に封入されて流通に供される結果、このままでも商品として販売されても良い。

0185

しかしながら、この打ち抜かれた本発明シートを2枚のフィルム又はシートの間に介在させ、この介在と同時に、又は、この介在後に、2枚のフィルム又はシートを当該本発明シート以上の大形に打ち抜き、打ち抜きと同時に、若しくは打ち抜き後に、前記本発明シートの周縁部において、前記2枚のフィルム又はシートを粘着又は熱接着或いは熱融着によって封着するのが望ましい。

0186

この場合、本発明シートの包材において、その側方或いは支持体及び被覆材のうち少なくとも一方又は一部が通気性を有するように構成されており、かくして一層信頼性の高い本発明シートが得られる。

0187

即ち、この工程によって任意形状の本発明シートが得られるが、その内部の本発明物に空気が供給されるようにするために、本発明シートにおける少なくとも一部が通気性を有する。

0188

前記2枚のフィルム又はシートは非通気性のものと通気性のものが挙げられるのであり、しかも、これは、粘着性を有するもののほか、熱接着性ないし熱融着性のものが挙げられる。

0189

前記粘着性を有するフィルム又はシートとしては、ベースフィルム又はベースシートにおいて、その全面にホットメルト系の粘着剤で通気性の粘着層を形成したものの他、その全面にわたって部分的に通気性或いは非通気性の粘着層を形成したものが挙げられるのであり、このベースフィルム又はベースシートとしてはそれ自体が熱接着性ないし熱融着性を有するか否かは問うものではない。

0190

本発明第2方法においては、これら2枚のフィルム又はシートの間に本発明シートを介在させ、この介在と同時に、又は、この介在後に、2枚のフィルム又はシートを当該本発明シート以上の大形に打ち抜き、この打ち抜き前に、又は打ち抜きと同時に、若しくは打ち抜き後に、前記本発明シートの周縁部において、前記2枚のフィルム又はシートを封着される。この封着は、前記本発明シートの場合と同様に部分的に行っても良いのである。

0191

ここにおいて、本発明シート以上の大形に打ち抜くとは、当該本発明シートの大きさ以上であれば特に限定されるものではないが、特に、本発明シートの形状と相似型或いはほぼ相似型であって、その形状より数mm幅程度全周囲にわたって延出された大形に形成することが好ましい。

0192

又、本発明第2方法においては、この延出部分を封着、つまり本発明シートの周縁部において、前記2枚のフィルム又はシートを、粘着、熱接着又は熱融着によって封着されるのである。

0193

本発明第2方法においては、積層体、つまり支持体又は被覆材において、そのいずれか一方の露出面の全面又は一部に粘着剤層が形成されているものが、本発明シートの場合と同様に望ましい。

発明を実施するための最良の形態

0194

以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。

0195

本発明の実施例は、食品の容器内に装着される脱酸素シート(以下、本発明シートという。)を製造する方法と、この方法により製造された本発明シートを示す。

0196

図1に示す平面図及び図2に示す断面図において、この本発明シートは、吸水性を有する支持体1を繰り出しながら、この支持体1上にインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤(以下、本発明物という。)2を、厚さ600μmで、且つ直径50mmの円形状にスクリーン印刷し、次いで、この本発明物2の外周囲に接着剤を塗布し、この上に被覆材3をローラで案内、積層し、これによって、支持体1と被覆材3とで前記本発明物2をサンドして接着し、かくして得られた長尺状の本発明シートを、プレスで本発明物2から5mm程度の大きさだけ拡げ、つまり直径60mmの円形状に打ち抜くという手順で製造されたものである。

0197

図2断面模式図に示すように前記支持体1としては、ダンボールKライナー(日本紙業製、銘柄:NSライナー、目付量180g/m2、吸水量54g/m2)1bと非通気性を有する厚さ30μm程度のポリエチレンフィルム1aとをラミネートし、この支持体1において、そのダンボールKライナー1b上に本発明物2が直接接触するように印刷されている。

0198

又、この実施例において、前記被覆材3は、外層としてポリエチレンテレフタレート製不織布(シンワ社製、銘柄:7830、目付量30g/m2)3aと、多孔質フィルム(トクソー社製、銘柄ポーラム、透湿度500g/m2・hr、厚さ50μm)3bと、内層としてのレーヨン不織布(シンワ社製、銘柄:7180、目付量80g/m2、吸水量60g/m2 )3cとを、それぞれメルトブローによって形成した接着剤(NSC製、銘柄:5Q543)を介して積層し、形成されたものであり、この接着剤の目付量は不織布3a・多孔質フィルム3b間では5g/m2 、多孔質フィルム3b・レーヨン不織布3c間では5g/m2としている。

0199

前記本発明物2は、以下の方法で製造したものである。即ち、有効成分である鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、吸水性ポリマーとして(三洋化成社製商品名サンフレッシュ ST−500MPS)0.21重量部、増粘剤として(第一工業製薬社製 商品名セロゲンEP)1.4重量部、活性炭(ノリット社製 SAーSUPER)4.21重量部、金属の塩化物として塩化ナトリウム4.87重量部及びpH調整剤としてトリポリリン酸ナトリウム0.25重量部を混合し、この配合物に過剰の水を加えて、温度20℃での粘度が3,000,000cps程度になるように調製している。

0200

つまり、活性炭、増粘剤、吸水ポリマー、PH調整剤、食塩及び鉄粉の順で、しかも前記配合割合で混合機(特殊機化工業株式会社製 T.K.ハイビスミックス2P−100型 容量 100リットル)に投入、3分間撹拌した後、更に撹拌しながら水を投入し、10分間混練を行う。

0201

その後、ブレード、容器内の付着物清掃し、再度、10分間混練を行い、粘度測定及び比重測定を行う。粘度が下記方法で300万cps前後になるように水分調整を行う。水分量は鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、29.79重量部であった。得られた本発明物は粘度が303万cpsであり、しかも比重が2.90g/ccであった。尚、ブレードの回転数はスタートから終了まで10rpmで行った。この本発明物を10℃で1時間保存すると粘度が上昇するが、再度、これを回転数10rpmで10分間撹拌すると305万cpsに回復した。

0202

この粘度は、東機産業(株)社製(R110型粘度計、RE110Uシステム、検出ヘッドRE100U、コントローラRC100A)で、しかもSPPローターを用い、回転数0.2rpm(D=0.4(1/S))とし、測定温度20℃で測定した値である。ところで、本発明物2としては粘度が300〜8,500,000cpsの範囲のものが好ましいが、この粘度は積層、転写の際の値をいう。

0203

従って、この本発明物2はインキ状ないしクリーム状で表面積が小さく、空気との接触面積が制限される上、余剰水分或いは遊離水ないし水分を含有するゲルゲルが鉄粉と空気との接触を抑制することによって、単位時間当たりの酸化量が著しく制限される結果、その上にフイルム状或いはシート状の被覆材で積層され、脱酸素シートが得られるまでの間の酸化反応が殆ど阻止されるのである。

0204

本発明物においては、特に、脱酸素剤中の水分の配合率を高くしてインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を製造すると、余剰水分がバリヤー層となるので、金属粉への空気の供給量が一層減少して酸化反応を一層確実に停止する結果、製造時の酸化反応によるロス、脱酸素剤の品質低下及び脱酸素剤の凝固に伴う種々の弊害が一層防止される結果、一層品質が安定し、信頼性が至極高いのである。

0205

支持体1上に前記本発明物2を、厚さ600μmになるように、スクリーン印刷すると、この本発明物中の水分の一部が、支持体1における吸水性のダンボールKライナー1bに吸収されはじめ、又、被覆材3を被せた後には、この被覆材3におけるレーヨン不織布3cに吸収され、やがて、脱酸素剤2が多孔質となって空気との接触が良くなり、空気に接触すると優れた脱酸素反応を生じるのである。

0206

しかしながら、前記本発明物中の水分の一部が、支持体1及び被覆材3に吸収されて、空気との接触が良好になるまでにはそれ相当の時間がかかるのに対し、支持体1上に本発明物2をスクリーン印刷してから非通気性袋に封入するまでの時間は極めて短いのである。

0207

従って、この本発明シートを非通気性袋に封入するまでに本発明物2が殆ど反応することはなく、反応の生成物が凝固して種々の弊害、例えば歩留りの低下、取扱いの困難性、製造装置のメンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性などの弊害が生じるおそれもない。

0208

ところで、この本発明シートが非通気性袋に封入され、流通を経てユーザーの手に届くまでには、本発明物2中の水分の一部が支持体1における吸水性のダンボールKライナー1bと被覆材3におけるレーヨン不織布3cに吸収されて、所定の脱酸素反応を得るに適した状態になっているので、非通気性袋が破られて空気に触れるまでに脱酸素剤2の品質が低下することがなく、脱酸素剤2の品質を高品質に保持できる上、非通気性袋を破ってこの本発明シートを取り出すと直ちに脱酸素反応が開始される。

0209

しかも、本発明物2は、流動性が高いから、印刷やコーティングという技術によって支持体1上に積層できる結果、流動性がない従来の粉末状の脱酸素剤を単に支持体1上に投下する場合に比べて、正確に且つ高速で所定の範囲に、しかも均一な厚さに積層することができる。

0210

前記本発明シートを非通気性袋に封入し、これを10日間放置後、非通気性袋を破ってこの本発明シートを取り出し、次いで、これを1000mlのデシケーターに封入し、以下の方法で脱酸素試験を行った。

0211

酸素分析計サンプリング装置として東レエンジニアリング株式会社製サンプリング装置PC−110(測定ガス吸引流量制御フィルタリング機能付)、酸素計LC−750H(高濃度ジルコニア固定電池式酸素計)をそれぞれ用い、デシケーター内の空気を200ml/分で循環させつつ、温度22±1℃、湿度60〜72%で測定した。

0212

前記方法でデシケーター内の酸素濃度を24時間後に測定した結果、0.05%以下であることが認められ、優れた脱酸素効果があることが認められた。

0213

又、比較例として、有効成分である鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、活性炭(ノリット社製 SAーSUPER)20重量部、塩化ナトリウム4.87重量部、pH調整剤としてトリポリリン酸ナトリウム0.25重量部及び水25重量部を混合した粉末状の脱酸素剤を用いた。

0214

この粉末状の脱酸素剤10gを、片面が厚さ30μmm程度のポリエチレンフィルム(非通気性)と、他面が多孔質フィルム(トクソー社製、銘柄ポーラム、透湿度500g/m2・hr、厚さ50μm)とを張り合わせて形成した袋内に封入し、得られた脱酸素剤を非通気性袋に封入し、これを10日間放置後、非通気性袋を破ってこの脱酸素剤を取り出し、次いで、これを1000mlのデシケーターに封入し、前記と同様の方法で脱酸素試験を行った。

0215

前記方法でデシケーター内の酸素濃度を24時間後に測定した結果、0.1〜0.085%であることが認められた。

0216

又、本発明物を温度25℃、湿度85%の条件下、30分間空気中に暴露してもても表面に変化が認められなかったが、比較例のものは、同条件下で、15分間経過すると表面が僅かに色になるのが認められ、しかも30分間経過すると部分的に凝集が認められるようになった。

0217

以上の結果より、本発明のインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤は、比較例のものと比較して、空気中で安定していることが認められる。

発明の効果

0218

以上に説明したように、本発明物は、インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤であり、本発明物はこのようにインキ状ないしクリ状の脱酸素剤であるので、従来の湿潤性で、且つ粉末状の本発明物に比べて、流動性が著しく高く、超高速で送られる支持体上に印刷あるいはコーティングによって連続して正確に所定の範囲に、均一に、かつ、非常に薄く積層することができる。

0219

従って、まず、支持体上に本発明物を非常に薄く積層できるので、薄形の本発明シート、つまり脱酸素シートを得ることができるのであり、このように、本発明シートを薄形にできることから、柔軟でどのような食品の容器にも使用できる本発明シートを得ることができる、という格別顕著な効果が得られる。

0220

又、本発明物は、支持体上における所定の範囲に正確に且つ均一に分布されて積層できるから、本発明物の分布の偏りによる酸化反応の偏りや反応ムラが防止され、効率の良い脱酸素効果が得られる。

0221

即ち、本発明物においては、本発明物を支持体上面における少なくとも1箇所の所定領域に、印刷或いはコーティングによって、高速で、しかも任意の形状に積層した後、この本発明物を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材が被せられるが、例えば高速で送られる支持体及び本発明物上に被覆材をローラで案内することにより、高速で送られる支持体及びインキ状ないしクリ状の本発明物を停止させることなく、それらの上に被覆材を被せることができる。又、本発明物では、従来と同様に被覆材を被せた後に、本発明シートが所定の形状に形成され、更に形成された本発明シートを気密性袋に封入されるが、この本発明シートの形成及び気密袋への封入は被覆材を被せることに同調させて行える。

0222

従って、本発明物によれば、支持体の送り出しに同調して、本発明物を積層する本発明物積層装置、被覆材を被せる被覆材積層装置、本発明シートを形成する本発明シート形成装置、及び本発明シートを気密性袋に封入する包装装置を作動させることにより、例えば支持体を従来の数倍も速い高速で連続して送り出しながら、本発明シートを製造し、包装することができ、多量生産により安価に本発明シートを製造できる、という効果が得られる。

0223

又、本発明物はインキ状ないしクリ状であり、粉末状の脱酸素剤と比較して、表面積が著しく低く、空気との接触が著しく減少して酸化反応を実質的に停止する。

0224

この結果、製造工程における酸化反応が原因となる酸化ロス、本発明物の品質低下、凝固などを完全に防止できる結果、歩留りの低下、取り扱いの困難性、製造装置のメンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性などの種々の弊害を無くすることができる結果、高品質で、しかも、この高品質に対する信頼性の高い本発明シートを一層安価に得られる、という効果が得られる。

0225

本発明シートは、フィルム状又はシート状の支持体と、この支持体上に積層された前記本発明物と、この本発明物を覆うフィルム状又はシート状の被覆材とからなり、前記の支持体と被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有するものである。

0226

そして、本発明シートは薄形であるから、柔軟でどのような食品の容器にも使用できる、という格別顕著な効果が得られる。

0227

又、本発明シートは、本発明物が支持体上における所定の範囲に正確に且つ均一に分布されて積層されているから、本発明物の分布の偏りによる酸化反応の偏りや反応ムラが防止され、効率の良い脱酸素効果が得られる。

0228

本発明シートは、包材内部の本発明物の品質が安定しており、しかも前述のように優れた脱酸素効果が得られるうえ、安価である。

0229

又、本発明シートにおいて、支持体及び/又は被覆材が吸水性を有するものである場合には、食品の容器内に密封するまでに、本発明物中の余剰水分或いは遊離水ないし含水ゲル中の水分の一部を支持体及び/又は被覆材に吸収させて、本発明物中の水分配合率が酸化反応に適した配合率に調整することができる結果、食品の容器内に密封と同時に所要の脱酸素効果が得られると共に、酸化反応の進行に伴い化学的吸着された水分を支持体及び/又は被覆材からの水分放出により補充でき、長時間にわたって所要の脱酸素効果を保持できるのである。

0230

本発明シートにおいて、支持体及び/又は被覆材が吸水性を有するものである場合には、本発明物中の余剰水分或いは遊離水ないし含水ゲル中の水分の一部を吸収することに伴って当該本発明物が支持体及び/又は被覆材に引き寄せられ、本発明物の一部が支持体及び/又は被覆材に食い込んでアンカー効果を生じ、このアンカー効果により本発明物を支持体及び/又は被覆材に固定できる効果が得られる。

0231

従って、本発明物が包材内で移動したり、偏ったりすることを、一層確実に防止できる。この結果、本発明物の偏在による酸化反応のばらつきや酸化反応ムラが生じることが確実に防止され、本発明物の全面にわたって、一層均一に且つ効率良く脱酸素効果が得られる。

0232

本発明シートにおいては、支持体又は被覆材において、そのいずれか一方の露出面の少なくとも一部に粘着剤層が積層されていると、本発明シートを食品の袋等の容器の内面に至極簡単に貼着、固定できる効果を有するのである。

0233

本発明第1方法においては、本発明物、つまりインキ状ないしクリーム状の脱酸素剤を形成し、この本発明物を、フィルム状又はシート状の支持体上面における少なくとも一箇所の所定領域に積層した後、この本発明物を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せ、しかも前記の支持体と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする。

0234

本発明第1方法においては、脱酸素剤がインキ状ないしクリーム状に形成されているから、以下に述べる種々のメリットが発生するのである。

0235

即ち、このように、本発明第1方法においては、本発明物を用いているから、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による積層が至極容易で、且つ高速で薄型の本発明シート、つまり脱酸素シートを製造できるのであり、しかも本発明物を袋材に均等に分布させることができる上、本発明物を、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートで形成された支持体や被覆材で挟着すると、この本発明物は侵入・投錨性が高く、これらの支持体や被覆材の細孔に食い込み、その移動、偏りが阻止される。

0236

この場合、特に支持体及び/又は被覆材などが吸水性を有し、この支持体上に本発明物を積層するか、或いは前記支持体上に更に吸水層を積層し、この吸水層上に、本発明物を積層し、被覆材で被覆すると、当該本発明物の全部或いは一部が吸水性の支持体及び/又は被覆材、或いはこれらの上に形成された吸水層に一層固定され易くなる結果、その移動、偏りが防止される。

0237

又、本発明第1方法で用いられる本発明物は、インキ状ないしクリーム状に形成されているから、前述のような種々のメリットがあるが、特に、本発明物を製造するにあたり、その水分含有率を過剰にすると、印刷やコーティングなどによる転写、積層が至極容易で、且つ高速で薄形の本発明シートを製造できるだけでなく、余剰水分がバリヤー層となるので、空気の供給量が減少して脱酸素反応を一層確実に停止する結果、製造時の発熱ロス、本発明物の品質低下及び本発明物の凝固が一層確実に防止されるので一層望ましい。

0238

ところで、本発明第1方法において、水分の配合率が高く、余剰水分がバリヤー層となっている場合には、本発明物の水分の一部を支持体及び/又は被覆材などの袋材に吸収させると、バリヤー層が喪失し、水分過剰に伴う弊害が解消されるのである。

0239

本発明第2方法においては、フィルム状又はシート状の支持体上に本発明物を積層し、次いで、その上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記本発明物の粘性により、前記の支持体と被覆材とを張り合わせ、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜き、しかも前記の支持体又は被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有するものである。

0240

従って、薄形の本発明シートを製造できるのであり、しかも本発明物を用いているので、余剰水分によるバリヤー層の形成により、酸化反応を抑制して、製造時の酸化ロス、本発明物の品質低下及び本発明物の凝固に伴う種々の弊害を防止し得る上、本発明物を袋体内に均等に分布、固定させることによって本発明物の移動、片寄りを防止し、この結果、本発明物の分布の偏りによる酸化反応の偏りや反応ムラが防止され、効率の良い脱酸素効果が得られる本発明シートを廉価に量産できる効果を奏するのである。

図面の簡単な説明

0241

図1図1は本発明シート(脱酸素シート)の平面図である。
図2図2図1の要部断面図である。

--

0242

1支持体
2本発明物(インキ状ないしクリーム状の脱酸素剤)
3 被覆材

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