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技術 架空電線

出願人 日立電線株式会社中部電力株式会社
発明者 下嶋清志三本杉潔佐藤恵二菅伸明伊藤宏明岩間成美
出願日 1996年6月6日 (24年6ヶ月経過) 出願番号 1996-165146
公開日 1997年12月22日 (23年0ヶ月経過) 公開番号 1997-330617
状態 特許登録済
技術分野 非絶縁導体
主要キーワード 面取り構造 オーディブル 水滴形状 アルミ被覆 断面非円形 公称断面積 抗力係数 断面楕円形状
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この項目の情報は公開日時点(1997年12月22日)のものです。
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図面 (11)

課題

架空送電線に使用される電線では風音風荷重と共にコロナ騒音が問題となる。風荷重を小さくしようとして成形素線を使用し縮径すると、コロナ騒音が大きくなり、双方共に低減することは困難であった。

解決手段

鋼心1の周囲にアルミ又はアルミ合金円形素線4を撚り合わせ、同心円状に層を形成した断面円形内層と、内層と接し径の異なるアルミ又はアルミ合金の円形素線6を撚り合わせて形成した最外層からなる電線は、断面形状が楕円であり、特に最外層の素線が長軸対称に配置され、且つ対をなす最大径の素線が長軸の両側、図で上下に配置される。最外層の素線のこのような配置によってコロナ騒音を低減することができ、また従来の断面円形の電線と等価な導体断面積でありながら投影面積を小さくかつ流線形状とすることができるので風荷重を低減することもできる。断面形状から風音、着雪対策にも有効である。

概要

背景

架空送電線に使用される電線の代表的な構成を図7及び図8に示す。図7は、鋼心1の周囲に円形素線2を撚り合わせて断面円形(正確には包絡外形が円形であるが、以下円形という)としたACSR公称断面積810mm2 、外径38.4mmである。ACSRは、中心にテンションメンバーとして鋼線を撚り合わせた鋼心を配置し、その周囲にアルミまたはアルミ合金線を撚り合わせて同心円状に層を形成したもので、用途に応じて鋼線に亜鉛メッキアルミ被覆した鋼心あるいはインバー鋼線を撚り合わせた鋼心が用いられる。図8は、非円形成形素線を用いて占積率を向上させた例で、鋼心1の周囲をアルミまたはアルミ合金の非円形成形素線3によって同心円状に層を形成し断面円形としたACSRである。この場合は、導体断面積は図7の電線と同じ810mm2 であるが、外径は35.3mmと縮径されている。なお、公称断面積は鋼心を含まない導体(アルミまたはアルミ合金)の断面積によって表される。

概要

架空送電線に使用される電線では風音風荷重と共にコロナ騒音が問題となる。風荷重を小さくしようとして成形素線を使用し縮径すると、コロナ騒音が大きくなり、双方共に低減することは困難であった。

鋼心1の周囲にアルミ又はアルミ合金の円形素線4を撚り合わせ、同心円状に層を形成した断面円形の内層と、内層と接し径の異なるアルミ又はアルミ合金の円形素線6を撚り合わせて形成した最外層からなる電線は、断面形状が楕円であり、特に最外層の素線が長軸対称に配置され、且つ対をなす最大径の素線が長軸の両側、図で上下に配置される。最外層の素線のこのような配置によってコロナ騒音を低減することができ、また従来の断面円形の電線と等価な導体断面積でありながら投影面積を小さくかつ流線形状とすることができるので風荷重を低減することもできる。断面形状から風音、着雪対策にも有効である。

目的

図7、図8に示した電線は、断面が円形のため風音が発生し、騒音となる。また風加重は、図8の電線では、縮径によって図7のものに比べ軽減されるが、反面、コロナ騒音が問題となる。コロナ騒音は、降雨時に発生するコロナ放電によるAN(オーディブルノイズ)で、電線表面の電位傾度が大きくなると、より発生しやすく、大きくなる。したがって、図8の電線の場合には縮径によって電位傾度が増加するためANは増大する。これらの問題を解決するには、
1.風荷重の低減には電線の投影面積を小さくすると共に断面形状を流線形状に近づける方がよい。
2.一方、ANを減少させるには電線の外径が大きい方がよい。
3.風音及び振動を低減するには断面円形は望ましくない。
4.また、電線への着雪に対処するには断面非円形が着雪の低減に有効である。
以上の要件を充たすものとして、図4に示すような断面形状が楕円(正確には包絡外形が楕円であるが、以下楕円という)の電線が考えられる。しかし、断面形状が楕円であるだけでは、充分な効果が達成されないことが判明した。本発明は架空送電線、架空地線等に使用され、ANが小さく、且つ風音、風荷重を低減することができ、着雪しにくい架空電線を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

鋼心の周囲に素線撚り合わせて同心円状に形成した断面円形内層と、内層に接し大きさの異なる素線を撚り合わせて形成した最外層からなり断面形状が楕円または略楕円架空電線において、最外層の素線が、長軸に対して対称に配置され、且つ対をなす最大素線の間を長軸が通るように配置されていることを特徴とする架空電線。

請求項2

素線がアルミまたはアルミ合金からなり、素線の一部または全部が円形素線であることを特徴とする請求項1記載の架空電線。

請求項3

素線がアルミまたはアルミ合金からなり、素線の一部または全部が非円形成形素線であることを特徴とする請求項1記載の架空電線。

請求項4

断面形状における長径(a)と短径(b)との比(b/a)が、1/1.2 〜 1/1.8 の範囲であるように構成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1記載の架空電線。

請求項5

断面積を断面円形の電線とほぼ同一とした場合において、長径が断面円形の電線の外径よりも大きく、且つ、長手方向の等価平均径が前記断面円形の電線の外径とほぼ同一あるいは小さくなるように構成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1記載の架空電線。

請求項6

長手方向の等価平均径を、非円形成形素線からなり断面円形の電線の外径とほぼ同一あるいは小さくなるように構成することを特徴とする請求項3または4記載の架空電線。

請求項7

長径が、円形素線からなり断面円形の電線の外径とほぼ同一で、且つ、導体断面積が前記断面円形の電線と同等あるいは小さくなるように構成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1記載の架空電線。

技術分野

0001

本発明は架空送電線架空地線等に使用される架空電線に関するものである。

背景技術

0002

架空送電線に使用される電線の代表的な構成を図7及び図8に示す。図7は、鋼心1の周囲に円形素線2を撚り合わせて断面円形(正確には包絡外形が円形であるが、以下円形という)としたACSR公称断面積810mm2 、外径38.4mmである。ACSRは、中心にテンションメンバーとして鋼線を撚り合わせた鋼心を配置し、その周囲にアルミまたはアルミ合金線を撚り合わせて同心円状に層を形成したもので、用途に応じて鋼線に亜鉛メッキアルミ被覆した鋼心あるいはインバー鋼線を撚り合わせた鋼心が用いられる。図8は、非円形成形素線を用いて占積率を向上させた例で、鋼心1の周囲をアルミまたはアルミ合金の非円形成形素線3によって同心円状に層を形成し断面円形としたACSRである。この場合は、導体断面積図7の電線と同じ810mm2 であるが、外径は35.3mmと縮径されている。なお、公称断面積は鋼心を含まない導体(アルミまたはアルミ合金)の断面積によって表される。

発明が解決しようとする課題

0003

図7図8に示した電線は、断面が円形のため風音が発生し、騒音となる。また風加重は、図8の電線では、縮径によって図7のものに比べ軽減されるが、反面、コロナ騒音が問題となる。コロナ騒音は、降雨時に発生するコロナ放電によるAN(オーディブルノイズ)で、電線表面の電位傾度が大きくなると、より発生しやすく、大きくなる。したがって、図8の電線の場合には縮径によって電位傾度が増加するためANは増大する。これらの問題を解決するには、
1.風荷重の低減には電線の投影面積を小さくすると共に断面形状を流線形状に近づける方がよい。
2.一方、ANを減少させるには電線の外径が大きい方がよい。
3.風音及び振動を低減するには断面円形は望ましくない。
4.また、電線への着雪対処するには断面非円形が着雪の低減に有効である。
以上の要件を充たすものとして、図4に示すような断面形状が楕円(正確には包絡外形が楕円であるが、以下楕円という)の電線が考えられる。しかし、断面形状が楕円であるだけでは、充分な効果が達成されないことが判明した。本発明は架空送電線、架空地線等に使用され、ANが小さく、且つ風音、風荷重を低減することができ、着雪しにくい架空電線を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0004

本発明は、鋼心の周囲に素線を撚り合わせて同心円状に層を形成し断面円形の内層を構成し、その外側に内層と接する最外層を形成することにより電線の断面形状を下記要件を備えた楕円または楕円に近い長円(これを略楕円とする)に構成するものである。最外層は異なる大きさの素線、すなわち、円形素線であれば径の異なるもの、また非円形素線であれば断面の大きさが大小異なるものを用い、これら素線を次のように配置する。最外層の素線は断面形状が楕円または略楕円の長軸に対して対称に配置され、且つ、長軸は最大素線を貫く形ではなく対をなす最大素線の間を通るように、したがって最大素線は長軸を挟んで対称に配置される。素線の材料にはアルミまたはアルミ合金が適している。また、断面形状において長径(a)と短径(b)の比(b/a)が、 1/1.2〜 1/1.8 の範囲となるように電線を構成することにより最適の効果を達成することができる。この比の実用的な範囲は後述する設計上の理由等から1/1.2 〜1/1.7 の範囲であり、特性上最も好ましい範囲は1/1.2 〜1/1.5 の範囲である。このように最外層の素線を配置することにより、AN(オーディブル・ノイズ)を改善すると共に、風音、振動、風荷重をも改善することができる。

発明を実施するための最良の形態

0005

本発明の1つの構成例を図1により説明する。鋼心1の周囲にアルミまたはアルミ合金の円形素線4を撚り合わせて同心円状に層を形成し断面円形の内層を構成する。内層と接する最外層は、径の異なるアルミまたはアルミ合金の円形素線6を撚り合わせて形成し、電線の断面形状が楕円となるように構成する。しかしこの例では、図4の例と異なり最外層の素線は、長軸の両側(図では上下)に対となる最大径の素線が並び、すなわち素線の中を長軸が通らない形で、長軸を中心として上下対称に配置される。図4の例では、最外層の素線のうち最大径の素線の1つを長軸が通る形で上下対称に配置されている。図1の例は長径38.4mm、短径30.3mmで、ACSR610mm2 と等価の断面積を有している。因に円形素線を撚り合わせて形成した断面円形の電線のACSR610mm2 の外径は34.2mmである。なお、電線は長手方向に素線が撚り合わされているので、断面形状は長手方向に旋回してゆき、したがって、内層から断面形状を楕円に構成するのは形状の確保が難しく、製造技術も高度となり製造コストが高くなる。そのため、断面円形の内層を構成してからその上に、径の異なる素線を撚り合わせて断面楕円形状に構成する。

0006

図2に示す第2の構成例は非円形成形素線を用いた例である。鋼心1の周囲にアルミまたはアルミ合金の非円形成形素線5を撚り合わせて同心円状に層を形成し断面円形の内層を構成する。内層と接する最外層は、大きさの異なるアルミまたはアルミ合金の非円形成形素線7を用いて撚り合わせ、電線の断面形状が楕円となるように構成する。この場合も図1の例と同様に最外層の素線については、最大素線と最大素線の間を長軸が通り、素線は長軸を中心として上下対称に配置される。図2に示した電線は長径38.4mm、短径32.0mmで、導体の断面積は810mm2 であるが、等価径が35.5mmと、図8に示した縮径された従来の円形電線の外径とほぼ同じであり、図8のものと同等の投影面積を達成することができる。等価径とは断面積が同一の断面円形の電線に換算した場合における直径をいう。

0007

図3に示す第3の構成例は非円形成形素線と円形素線を組み合わせた例である。鋼心1の周囲にアルミまたはアルミ合金の非円形成形素線5を撚り合わせて同心円状に層を形成し、断面円形の内層を構成する。内層と接する最外層は、径の異なるアルミまたはアルミ合金の円形素線6を用いて撚り合わせ、電線の断面形状が楕円となるように構成する。この場合にも最外層の素線は図1図2の場合と同様な配置によって長軸に対して対称形となる。図3は長径38.4mm、短径30.0mm、ACSR680mm2 と等価の断面積を有している。

0008

図4の構成の電線と本発明の構成の電線におけるANと風音の低減効果について、従来の電線と比較実験した結果を以下の表に示す。従来の電線にはACSR810mm2 (図7)を使用し、断面積がこれと等価となる楕円(長径をa、短径をbとする)の、図4の構成の電線及び本発明の構成の電線を使用した。表1は従来の電線に対する図4の構成の電線のANについての評価結果を示したものである。

0009

表2は従来の電線(図7)に対する図1に示す本発明の構成の電線のANについての評価結果を示したものである。

0010

表3は風音低減効果について従来の電線に対する評価結果を示したもので、この結果に関しては図4の構成の電線と本発明の構成の電線とで差は見られなかった。

0011

従来の電線に比べ、ANレベルで同等もしくはそれ以上、表1、表2の評価でAまたはB、風音低減効果で3〜5dB以上、表3の評価でA、Bを目標とすると、図4に示した構成の電線では、表1、表3より、b/a= 1/1.1 でも達成することができない。なお、Bを評価に入れたのは3dBが音のエネルギとして2倍の値を示すものであって、これをクリアすることが騒音対策の基本となるからである。本発明の構成によれば、特性的には表2、表3より、b/a= 1/1.2 〜 1/1.8 で目標を達成することができる。その理由について以下説明する。図4の構成では図5(a)に示すように降雨時に大きな水滴が付着するために水切れ性も悪くAN特性が改善されないが、本発明の図1または図3の構成によれば、図5(b)に示すように水滴が小さくなるためAN特性が改善される。図2に示す本発明の構成でも、同様に素線間毛細管作用により水滴形状図5(b)のようになるが、長軸の両側に配置された最大径の素線について図6に示すように成形素線に元々あるrよりも大きなR、R>rの窪みをつければ更に特性が改善される。種々検討の結果、窪み部分の幅w及び深さhについて、w、hが共に範囲1〜5mm内にあれば曲率RでもC面取り構造でもよいことが分かった。

0012

以上のようにANレベルを低減できる一方で、電線の投影面積を小さくかつ断面形状を流線形状にすることができるので風荷重を少なくすることができる。風荷重については、従来のACSR610、1160mm2 と図1の構成のACSR610、1160mm2 相当の電線とを、抗力係数風速の関係で比較測定した結果を図9に示す。抗力係数は電線の空力特性設計上の指標となるものであり、図9より本発明と従来電線との効果の差を明確に読み取ることができる。投影面積を問題にする場合は、長手方向に旋回して行く断面から等価平均径を求めて比較することができる。また、着雪特性についても、b/a≦ 1/1.2 で優れた難着雪特性を示した。一方、本発明の構成によれば楕円を形成する最外層の素線はあまり太くても細くても撚り構造が不安定となるほか、材料の強度面でも問題があり試作試験の結果、b/a≧ 1/1.7 であれば実用的な設計が可能であることが明らかとなった。この意味で現在の技術におけるb/aの実用的な範囲は1/1.2 〜1/1.7 の範囲であるということができる。なお、以上の説明では本発明の電線の断面形状を楕円として説明してきたが、楕円に近い長円(略楕円とする)であってもよい。また、本発明については、架空送電線を主体に説明してきたが、架空送電線と同様に鉄塔間に架線される架空地線に対しても有効である。特にUHV送電線路においては、本線の影響を受けることによって本線以外にも架空地線の低AN化が望まれており、架空地線への適用例としては図10に示す光ファイバ複合架空地線(OPGW)の構造が考えられる。

発明の効果

0013

本発明の電線を架空送電線、架空地線に使用することにより、コロナ放電に伴う騒音を低減することができ、しかも風音、風荷重も低減することができ、更にはも着きにくいという効果を達成することができる。

図面の簡単な説明

0014

図1本発明の電線の第1の例を示す断面図。
図2本発明の電線の第2の例を示す断面図。
図3本発明の電線の第3の例を示す断面図。
図4楕円電線の例を示す断面図。
図5水滴の付着状況を示す、(a)は図4の構成の電線の断面図、(b)は図1の構成の電線の断面図。
図6図2の構成の電線の改良例を示す断面図。
図7従来の電線の第1の例を示す断面図。
図8従来の電線の第2の例を示す断面図。
図9本発明と従来の電線について、抗力係数と風速の関係を示す図。
図10架空地線に適用した本発明の電線の例を示す断面図。

--

0015

1鋼心
2円形素線
3 非円形素線
4内層を形成する円形素線
5 内層を形成する非円形素線
6最外層を形成する円形素線
7 最外層を形成する非円形素線
8水滴
光ファイバユニット
10鋼線
11 アルミ被覆

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