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技術 ルータが2重化されたネットワークシステムおよびルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 山谷昇吾濱田卓志溝河貞生丹治雅行丸山久幸井上博文
出願日 1996年5月30日 (24年5ヶ月経過) 出願番号 1996-136854
公開日 1997年12月12日 (22年11ヶ月経過) 公開番号 1997-321789
状態 未査定
技術分野 広域データ交換 小規模ネットワーク(3)ループ,バス以外 デジタル伝送の保守管理
主要キーワード モデルケース 書き込み許可状態 共通伝送路 イーサネットアダプタ 具体的データ 解除待ち 自分あて 一般的動作
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年12月12日)のものです。
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図面 (20)

課題

ルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、現用のルータから予備用のルータに経路切り替えるときには、その切替時間RIP使用時より短縮し、ネットワーク可用性を向上させる。かつ、そのときに、計算機のCPUの負荷を増加させない。

解決手段

2重化されたルータの一方を現用ルータ、他の一方を予備用ルータとして、各々同一の論理アドレスIPアドレス)と異なった物理アドレスMACアドレス)とを割り当て、ネットワーク上の計算機の通信制御装置は、この論理アドレスと物理アドレスとを保持する。そして、この通信制御装置が、ルータを介して他の計算機と通信するときには、現用ルータの物理アドレスを用いて通信する。一方、現用ルータから、ARPレスポンスメッセージを求めて、送信されてこないときには、障害が発生したものとして、予備用ルータに切り替えて通信する。

概要

背景

近年、異なるネットワークに接続する計算機間通信する場合に、ネットワーク間でデータを中継し、経路選択する機器として、ルータを用いるケースが増えてきている。

一般に、ルータが経路を選択するプロトコル(「ルーティングプロトコル」といわれる)としては、静的な情報としてルーティング情報を保持するスタティックルーティングと、動的に情報を交換して、それに基づいてルーティングをおこなうダイナミックルーティングと言われる二種類の方法がある。

ところで、このようなルータで2つのネットワークを接続する際に、1台のルータでネットワーク間を接続している場合には、そのルータに障害が発生すると、ネットワーク間での通信ができなくなる。

このようなルータの障害に対し、ネットワーク間の通信の信頼性を上げるためには、ネットワーク間を2台のルータで接続し、通常は、一方のルータを介して、ネットワーク間の通信をおこない、このルータに障害が発生してメッセージの中継ができなくなった場合には、他方のルータに経路を切り替えるという方法を取る場合がある。

このように、ルータを2重化しておいて障害があるときに予備のルータを使おうとするときには、ルーティングプロトコルとして、必然的にダイナミックルーティングを採用することになる。

このダイナミックルーティングの中で、代表的なものとしては、RIP(Routing Information Protocol)がある。RIPは、ネットワークシステムに接続する各計算機とルータが互いに経路情報を交換し、交換した経路情報から最短経路となる経路情報のみ取り出し、保有するという経路制御方法を規定したプロトコルであり、各計算機およびルータは、自分の持つ経路情報より経路を選択してメッセージ通信をおこなう。なお、RIPの規格は、インターネット関連組織の一つである米国NIC(Network Information Center)が発行しているRFC(Request For Comments)1058に規定されている。

RIPでは、ルータは、一周期(30秒)ごとにネットワークに接続された他のルータに、RIPメッセージと言う経路情報を配布している。そして、各ルータは、最適な経路を選択し、ルーティングをおこなっている。

ところが、ルータに障害が発生した場合であっても、RIPメッセージを受信してから、6周期(180秒)は、その情報を保持して、正常時と変わりのない動作をおこなう。したがって、予備のルータがあり、それと障害時に切り替えるようにしていても、最低6周期(180秒)は、切り替えがおこなわれず、その間、通信がおこなえなくなる。

概要

ルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、現用のルータから予備用のルータに経路を切り替えるときには、その切替時間をRIP使用時より短縮し、ネットワークの可用性を向上させる。かつ、そのときに、計算機のCPUの負荷を増加させない。

2重化されたルータの一方を現用ルータ、他の一方を予備用ルータとして、各々同一の論理アドレスIPアドレス)と異なった物理アドレスMACアドレス)とを割り当て、ネットワーク上の計算機の通信制御装置は、この論理アドレスと物理アドレスとを保持する。そして、この通信制御装置が、ルータを介して他の計算機と通信するときには、現用ルータの物理アドレスを用いて通信する。一方、現用ルータから、ARPレスポンスメッセージを求めて、送信されてこないときには、障害が発生したものとして、予備用ルータに切り替えて通信する。

目的

本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、現用のルータから予備用のルータに経路を切り替えるときには、その切替時間をRIP使用時より短縮し、ネットワークの可用性を向上させ、かつ、計算機のCPUの負荷を増加させることのないルータが2重化されたネットワークシステムおよびルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
6件

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請求項1

一つ以上のネットワークルータを介して接続し、しかも、そのルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、前記ネットワークに接続された計算機は、通信制御装置を有し、この計算機は、各々有する通信制御装置によって通信し、また、前記2重化されたルータは、一方を現用ルータ、他の一方を予備用ルータとして、各々同一の論理アドレスと、異なった物理アドレスとが割り当てられ、前記通信制御装置は、前記2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段を有し、この通信制御装置が、ルータを介して他の計算機と通信するときには、前記現用ルータの物理アドレスを用いて通信し、2重化されたルータに対して、周期的に論理アドレスから物理アドレスを求めるリクエストメッセージを送信し、その送信したリクエストメッセージの返答となるレスポンスメッセージが、ルータから送信されてくるか否かを、2重化された各々のルータに対して監視し、ルータからレスポンスメッセージが送信されてこないときには、そのルータに障害が発生したものとして、もし、前記現用ルータに障害が発生したとされたときには、ルータを介して他の計算機と通信するときに、前記予備用ルータの物理アドレスを用いて通信するように切り替えることを特徴とするルータが2重化されたネットワークシステム。

請求項2

前記通信制御装置が、前記2重化されたルータに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、計算機より受け取って、それらを2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に設定することを特徴とする請求項1記載のルータが2重化されたネットワークシステム。

請求項3

前記通信制御装置が、前記2重化されたルータに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、2重化されたルータ各々に対して送信される前記論理アドレスから物理アドレスを求めるリクエストメッセージの返答となるレスポンスメッセージから得て、それらを2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に設定することを特徴とする請求項1記載のルータが2重化されたネットワークシステム。

請求項4

前記現用ルータに障害が発生されたときには、前記予備用ルータを新たな現用ルータとし、現用ルータを取換えて、新たな予備用ルータとして、前記通信制御装置が、2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に、前記新たな現用ルータと前記新たな予備用ルータとに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、それぞれ設定することを特徴とする請求項1ないし請求項3記載のいずれかのルータが2重化されたネットワークシステム。

請求項5

前記物理アドレスが、MAC(Media Access Control)アドレスであり、前記論理アドレスが、IP(Internet Protocol)アドレスであり、前記論理アドレスから、物理アドレスを求めるリクエストメッセージが、ARP(Address Resolution Protocol)リクエストメッセージで、その返答となるレスポンスメッセージが、ARPレスポンスメッセージであることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載のいずれかのルータが2重化されたネットワークシステム。

請求項6

一つ以上のネットワークをルータを介して接続し、しかも、そのルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法において、前記ネットワークに接続された計算機は、通信制御装置を有し、この計算機は、各々有する通信制御装置によって通信し、また、前記2重化されたルータは、一方を現用ルータ、他の一方を予備用ルータとして、各々同一の論理アドレスと、異なった物理アドレスとが割り当てられ、前記通信制御装置は、前記2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段を有し、この通信制御装置が、ルータを介して他の計算機と通信するときには、前記現用ルータの物理アドレスを用いて通信し、2重化されたルータに対して、周期的に論理アドレスから物理アドレスを求めるリクエストメッセージを送信し、その送信したリクエストメッセージの返答となるレスポンスメッセージが、ルータから送信されてくるか否かを、2重化された各々のルータに対して監視し、ルータからレスポンスメッセージが送信されてこないときには、そのルータに障害が発生したものとして、もし、前記現用ルータに障害が発生したとされたときには、ルータを介して他の計算機と通信するときに、前記予備用ルータの物理アドレスを用いて通信するように切り替えることを特徴とするルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法。

請求項7

前記通信制御装置が、前記2重化されたルータに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、計算機より受け取って、それらを2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に設定することを特徴とする請求項6記載のルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法。

請求項8

前記通信制御装置が、前記2重化されたルータに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、2重化されたルータ各々に対して送信される前記論理アドレスから物理アドレスを求めるリクエストメッセージの返答となるレスポンスメッセージから得て、それらを2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に設定することを特徴とする請求項6記載のルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法。

請求項9

前記現用ルータに障害が発生されたときには、前記予備用ルータを新たな現用ルータとし、現用ルータを取換えて、新たな予備用ルータとして、前記通信制御装置が、2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に、前記新たな現用ルータと前記新たな予備用ルータとに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、それぞれ設定することを特徴とする請求項6ないし請求項8記載のいずれかのルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法。

請求項10

前記物理アドレスが、MAC(Media Access Control)アドレスであり、前記論理アドレスが、IP(Internet Protocol)アドレスであり、前記論理アドレスから、物理アドレスを求めるリクエストメッセージが、ARP(Address Resolution Protocol)リクエストメッセージで、その返答となるレスポンスメッセージが、ARPレスポンスメッセージであることを特徴とする請求項6ないし請求項9記載のいずれかのルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法。

技術分野

0001

本発明は、ルータが2重化されたネットワークシステムおよびルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法係り、ルータを2重化して信頼性を高めるシステムであって、しかも、無停止で運用する必要性のあるネットワークシステムに用いて好適なネットワークシステムに関する。

背景技術

0002

近年、異なるネットワークに接続する計算機間通信する場合に、ネットワーク間でデータを中継し、経路選択する機器として、ルータを用いるケースが増えてきている。

0003

一般に、ルータが経路を選択するプロトコル(「ルーティングプロトコル」といわれる)としては、静的な情報としてルーティング情報を保持するスタティックルーティングと、動的に情報を交換して、それに基づいてルーティングをおこなうダイナミックルーティングと言われる二種類の方法がある。

0004

ところで、このようなルータで2つのネットワークを接続する際に、1台のルータでネットワーク間を接続している場合には、そのルータに障害が発生すると、ネットワーク間での通信ができなくなる。

0005

このようなルータの障害に対し、ネットワーク間の通信の信頼性を上げるためには、ネットワーク間を2台のルータで接続し、通常は、一方のルータを介して、ネットワーク間の通信をおこない、このルータに障害が発生してメッセージの中継ができなくなった場合には、他方のルータに経路を切り替えるという方法を取る場合がある。

0006

このように、ルータを2重化しておいて障害があるときに予備のルータを使おうとするときには、ルーティングプロトコルとして、必然的にダイナミックルーティングを採用することになる。

0007

このダイナミックルーティングの中で、代表的なものとしては、RIP(Routing Information Protocol)がある。RIPは、ネットワークシステムに接続する各計算機とルータが互いに経路情報を交換し、交換した経路情報から最短経路となる経路情報のみ取り出し、保有するという経路制御方法を規定したプロトコルであり、各計算機およびルータは、自分の持つ経路情報より経路を選択してメッセージ通信をおこなう。なお、RIPの規格は、インターネット関連組織の一つである米国NIC(Network Information Center)が発行しているRFC(Request For Comments)1058に規定されている。

0008

RIPでは、ルータは、一周期(30秒)ごとにネットワークに接続された他のルータに、RIPメッセージと言う経路情報を配布している。そして、各ルータは、最適な経路を選択し、ルーティングをおこなっている。

0009

ところが、ルータに障害が発生した場合であっても、RIPメッセージを受信してから、6周期(180秒)は、その情報を保持して、正常時と変わりのない動作をおこなう。したがって、予備のルータがあり、それと障害時に切り替えるようにしていても、最低6周期(180秒)は、切り替えがおこなわれず、その間、通信がおこなえなくなる。

発明が解決しようとする課題

0010

上記従来技術で述べたRIPは、TCP/IPのダイナミックルーティングとしては、現在まで、最も広く用いられてきたルーティングプロトコルである。しかしながら、ルータを2重化していても、ルータに障害が発生してから経路を切り替るまでには、少なくとも180秒間かかり、その間は、通信が途絶するという問題点があった。

0011

このように、ルータに障害が発生してから経路を切替をするまでの時間を、短縮し、通信が途絶する時間を短縮する方法としては、例えば、以下の方法が考えられている。

0012

先ず、ネットワーク上にある全てのルータの論理アドレスと、そのルータを経由してたどり着くあて先ネットワークアドレス(ネットワーク全体で、一つのアドレスを対応させたもの)とを対応付けして、予め計算機メモリ登録しておく。1つのあて先ネットワークに対しては、登録して有るルータの中から特定の1台のルータを使用してメッセージを中継し、同時に、計算機から、このルータあてに、RFC792で標準化されているICMPエコーリクエストメッセージ(TCP/IPでは、Pingというコマンドで定義されている)を周期的に送信する。

0013

そして、そのルータより、ICMPエコーリクエストメッセージに対するICMPエコーリプライメッセージが送信されてくるかを一定時間待ち、ICMPエコーリプライメッセージを受信しない場合、そのルータに障害が発生したと判断して、予めメモリに登録しておいた他のルータに中継ルータを切り替え、メッセージの通信を継続する。

0014

この方法によれば、例えば、15秒おきにICMPエコーリクエストメッセージを送信し、送信後、10秒間ICMPエコーリプライメッセージを待つ。そして、10秒待ってもICMPエコーリプライメッセージを受信しない場合には、ICMPエコーリクエストメッセージを送ったルータに障害が発生したと判断して、他のルータに中継ルータを切り替える。このようにすると、経路切替時間は、ルータ障害発生から、25秒で終了することができる。

0015

しかしながら、この方法は、計算機のメモリ上に実装された通信プログラムをCPUが解釈実行する形態をとるために、計算機のCPUの負荷を増加させるという問題点があった。

0016

本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、現用のルータから予備用のルータに経路を切り替えるときには、その切替時間をRIP使用時より短縮し、ネットワークの可用性を向上させ、かつ、計算機のCPUの負荷を増加させることのないルータが2重化されたネットワークシステムおよびルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0017

上記目的を達成するために、本発明のルータが2重化されたネットワークシステムに係る発明の構成は、一つ以上のネットワークをルータを介して接続し、しかも、そのルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、前記ネットワークに接続された計算機は、通信制御装置を有し、この計算機は、各々有する通信制御装置によって通信し、また、前記2重化されたルータは、一方を現用ルータ、他の一方を予備用ルータとして、各々同一の論理アドレスと、異なった物理アドレスとが割り当てられ、前記通信制御装置は、前記2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段を有し、この通信制御装置が、ルータを介して他の計算機と通信するときには、前記現用ルータの物理アドレスを用いて通信し、2重化されたルータに対して、周期的に論理アドレスから物理アドレスを求めるリクエストメッセージを送信し、その送信したリクエストメッセージの返答となるレスポンスメッセージが、ルータから送信されてくるか否かを、2重化された各々のルータに対して監視し、ルータからレスポンスメッセージが送信されてこないときには、そのルータに障害が発生したものとして、もし、前記現用ルータに障害が発生したとされたときには、ルータを介して他の計算機と通信するときに、前記予備用ルータの物理アドレスを用いて通信するように切り替えるようにしたものである。

0018

より詳しくは、上記ルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、前記通信制御装置が、前記2重化されたルータに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、計算機より受け取って、それらを2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に設定するようにしたものである。

0019

また別に詳しくは、ルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、前記通信制御装置が、前記2重化されたルータに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、2重化されたルータ各々に対して送信される前記論理アドレスから物理アドレスを求めるリクエストメッセージの返答となるレスポンスメッセージから得て、それらを2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に設定するようにしたものである。

0020

さらに詳しくは、上記ルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、前記現用ルータに障害が発生されたときには、前記予備用ルータを新たな現用ルータとし、現用ルータを取換えて、新たな予備用ルータとして、前記通信制御装置が、2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に、前記新たな現用ルータと前記新たな予備用ルータとに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、それぞれ設定するようにしたものである。

0021

またより具体的に詳しくは、上記ルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、前記物理アドレスが、MAC(Media Access Control)アドレスであり、前記論理アドレスが、IP(Internet Protocol)アドレスであり、前記論理アドレスから、物理アドレスを求めるリクエストメッセージが、ARP(Address Resolution Protocol)リクエストメッセージで、その返答となるレスポンスメッセージが、ARPレスポンスメッセージであるようにしたものである。

0022

上記目的を達成するために、本発明のルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法に係る発明の構成は、一つ以上のネットワークをルータを介して接続し、しかも、そのルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法において、前記ネットワークに接続された計算機は、通信制御装置を有し、この計算機は、各々有する通信制御装置によって通信し、また、前記2重化されたルータは、一方を現用ルータ、他の一方を予備用ルータとして、各々同一の論理アドレスと、異なった物理アドレスとが割り当てられ、前記通信制御装置は、前記2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段を有し、この通信制御装置が、ルータを介して他の計算機と通信するときには、前記現用ルータの物理アドレスを用いて通信し、2重化されたルータに対して、周期的に論理アドレスから物理アドレスを求めるリクエストメッセージを送信し、その送信したリクエストメッセージの返答となるレスポンスメッセージが、ルータから送信されてくるか否かを、2重化された各々のルータに対して監視し、ルータからレスポンスメッセージが送信されてこないときには、そのルータに障害が発生したものとして、もし、前記現用ルータに障害が発生したとされたときには、ルータを介して他の計算機と通信するときに、前記予備用ルータの物理アドレスを用いて通信するように切り替えるようにしたものである。

0023

より詳しくは、上記ルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法において、前記通信制御装置が、前記2重化されたルータに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、計算機より受け取って、それらを2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に設定するようにしたものである。

0024

また別に詳しくは、ルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法において、前記通信制御装置が、前記2重化されたルータに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、2重化されたルータ各々に対して送信される前記論理アドレスから物理アドレスを求めるリクエストメッセージの返答となるレスポンスメッセージから得て、それらを2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に設定するようにしたものである。

0025

さらに詳しくは、ルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法において、前記現用ルータに障害が発生されたときには、前記予備用ルータを新たな現用ルータとし、現用ルータを取換えて、新たな予備用ルータとして、前記通信制御装置が、2重化されたルータの論理アドレスと物理アドレスとを保持する手段に、前記新たな現用ルータと前記新たな予備用ルータとに割り当てられる論理アドレスと物理アドレスとを、それぞれ設定するようにしたものである。

0026

より具体的に詳しくは、ルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法において、前記物理アドレスが、MAC(Media Access Control)アドレスであり、前記論理アドレスが、IP(Internet Protocol)アドレスであり、前記論理アドレスから、物理アドレスを求めるリクエストメッセージが、ARP(Address Resolution Protocol)リクエストメッセージで、その返答となるレスポンスメッセージが、ARPレスポンスメッセージであるようにしたものである。

発明を実施するための最良の形態

0027

以下、本発明に係る各実施形態を、図1ないし図19を用いて説明する。

0028

〔TCP/IPに関する一般的事項〕先ず、本発明の実施形態の理解を容易にするために、図2ないし図4を用いてTCP/IPの一般的事項について簡単に説明する。最初に、図2を用いてIPアドレス概念から説明する。図2は、IPアドレスの各クラスの形態を模式的に示した図である。

0029

IPアドレスとは、TCP/IPの通信規約において、通信に参加する計算機(TCP/IPの用語では、「ホスト」という)などのエンティ(「ノード」ともいう)に割り当てられるネットワーク上で一意的なアドレスである。

0030

IPアドレスは、32ビット整数表現され、図2(a)に示されているように、ネットワークIDとホストIDで構成されている。ネットワークIDは、ネットワークを識別するIDであり、ホストIDは、そのネットワーク上でホストを識別するIDである。

0031

このIPアドレスには、利用するネットワークの形態によってクラスが設けられていて、図1にはその内でAクラスからCクラスまでが図示されている。IPアドレスがどのクラスに属するかは、ネットワークIDの先頭ビットのパターンで識別するようになっている。

0032

図からわかるように、AクラスほどホストIDのビット数が大きくなっており、従って、大規模なネットワークで用いることになる。反対に、Cクラスは、ホストIDは、8ビットしか持っていないため、小規模なネットワーク向きであるといえる。

0033

上記の様に、IPアドレスは、32ビットのビット列であったが、これを表記するために、8ビット単位で区切ってそれを10進数で表わす、いわゆるオクテット表示が用いられるのが、一般的になっている。例えば、2進数のビット列で、(10000010 00000001 00000100 00001000)と表わされるIPアドレスは、「130.1.4.8」と表記される。本明細書でも、以下このオクテット表示を用いることにする。

0034

また、一つのネットワークをIPアドレスで識別したいときには、これをネットワークアドレスて呼び、IPアドレスの内のホストIDを0として表記することにする。例えば、上記の例の「130.1.4.8」は、Bクラスに属するので、下位16ビットがホストIDとなり、ネットワークアドレスは、「130.1.0.0」となる。

0035

次に、MACアドレスについて説明する。

0036

上記のIPアドレスは、各ノードに割り振られるアドレスであったが、このIPアドレスよりも、より低位立場から、割り振られる48ビットのアドレスが、MAC(Media Access Control)アドレスである。したがって、比較して、IPアドレスは、論理的アドレスであり、MACアドレスは、物理的アドレスであるということができる。

0037

さて、通信プロトコルを説明するための著名なモデルとして、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルがある。ここでは、図3を用いて、このOSI参照モデルによるTCP/IPでの通信規約と上記のIPアドレスとMACアドレスの関係について概説することにしよう。図3は、OSI参照モデルとTCP/IPの通信プロトコルの関係を示す模式図である。

0038

OSI参照モデルは、図3(a)に示される様に通信機能を階層的にモデルとして表わしたものであり、下位になるほどより物理的な機能を担う層であり、上位は、より論理的な機能を担う層である。このモデルの各層は、特定のサービスを上位層に提供し、特定のサービスを下位層より受け取る。

0039

このOSI参照モデルを、TCP/IPの通信規約にあてはめると、図3(b)に示されるようになる。OSI参照モデルで、第5層から第7層に該当するのが、上位層に属するTelnet(仮想端末機能)、FTPファイル転送)などの通信サービスである。

0040

その下が、第4層のトランスポート層のプロトコルで、TCP(TransmitionControl Protocol)とUDP(User Datagram Protocol)という通信プロトコルである。また、その下は、第3層のネットワーク層のプロトコルは、IPプロトコルである。(この層をTCP/IPの用語で、インターネット層ということがある。)
最下層は、電気的な規格や物理的な通信路確立に関するものであり、代表的な規格としては、イーサネット(Erthenet)がある。(この層をTCP/IPの用語で、ネットワーク・インターフェース層ということがある。)本明細書の説明でも、イーサネットで通信をおこなうものとして説明する。

0041

さて、実際に通信が行われる場合の仕組みについて説明すると、図3(c)に示されるように、送信のときに、下位層にデータを渡して、下位層では、その層のヘッダ情報を付け、逆に、受信のときには、その層のヘッダ解析して、上位層に渡すようになっている。

0042

具体的にいうと、最下層では、通信の対象は、イーサネットフレームを受け取る。先頭には、イーサネットヘッダがあり、あて先のMACアドレスと送信元のMACアドレスとそのフレームのタイプを示すフレームタイプが含まれている。その後は、この層からみたときのイーサネットデータとなる。一つ上の層のIPプロトコルでは、下の層のイーサネットデータを、この層では、IPデータグラムといい、IPヘッダIPデータとからなる。そして、IPヘッダには、あて先のIPアドレスと送信元のIPアドレスとプロトコルのタイプを示すプロトコルタイプとが含まれている。

0043

同様に、その上の層のTCPプロトコルでは、IPデータは、TCPヘッダTCPデータとからなる。

0044

この様に、各層ではその層のヘッダの処理をおこなうようように、仕様が定められていて、通信の一貫性と各層での処理のモジュール化が図られている。

0045

次に、図4を用いてARP(Address Resolution Protocol)プロトコルについて説明しよう。図4は、ARPの仕組みを説明する模式図である。

0046

既に述べたように、TCP/IPの下位のネットワーク・インターフェース層では、通信のノードのアドレスをMACアドレスとして、その上位にあたるインターネット層では、IPアドレスとして認識する。そして、IPアドレスによって相手を指定して通信をおこなう際にも、イーサネットフレームを組み立てるので、MACアドレスとIPアドレスの両者が必要である。ところが、通常、通信に参加するホストは、相手のIPアドレスを認識していても、MACアドレスを認識していない。そのために、IPアドレスからMACアドレスを知るためのプロトコルが、ARPである。このARPに使われるメッセージには、ARPリクエストメッセージとARPレスポンスメッセージの二種類が有る。

0047

ここで、図4に示されるネットワーク構成のシステムがあったとする。

0048

(1)ノードAがノードCと通信をおこないたいとする。CのIPアドレスは、160.160.0.3なので、あて先のIPアドレスは、160.160.0.3である。

0049

(2)ノードAは、先ず、ノードBのMACアドレスを入手するために、ARPリクエストメッセージをネットワーク上にブロードキャストする。このメッセージの中には、ターゲットとなるIPアドレスである160.160.0.3が含まれている。

0050

(3)同一セグメント(ここでは、ルータを越えない上の部分)上のノードであるノードB、ノードC、ルータは、ブロードキャストされたメッセージを受け取り、その内容を解析する。

0051

(4)ノードBは、ターゲットとなるIPアドレスである160.160.0.3と自分のアドレスは、一致しないのでなにもしない。ルータも同様である。

0052

ノードCは、ターゲットとなるIPアドレスである160.160.0.3と自分のアドレスが一致するので、ARPレスポンスメッセージをノードAに返送する。このARPレスポンスメッセージには、ノードBのMACアドレス0900.0420.1111が含まれている。

0053

(5)ノードAは、返送されたARPレスポンスメッセージによって、あて先のノードBのMACアドレスを知ることができる。

0054

上記の説明では、ルータもARPリクエストメッセージを受け取る対象になっている。ルータも、両端にIPアドレスとMACアドレスを一対づつ持ち、該当するときには、ARPレスポンスメッセージを返すことがあるのに注意しておこう。これは、ルータを越えた通信をおこなう場合には、ルータのMACアドレスを知る必要があるからである。

0055

〔実施形態1〕以下、本発明に係る第一の実施形態を図1図5ないし図11を用いて説明する。

0056

(I)ネットワーク構成とIPアドレスおよびMACアドレスの割当
先ず、図5を用いて本発明の第一の実施形態に係るネットワーク構成とIPアドレスおよびMACアドレスの割当てについて説明する。図5は、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムの構成を表わす模式図である。

0057

本実施形態では、ネットワーク・インターフェース層の通信規格としては、イーサネットを使用した場合を考え、その上位層のプロトコルとして、各ホストは、TCP/IPでメッセージ通信をおこなうものとする。

0058

このネットワークシステムは、図5に示されるように伝送路Aと伝送路Bが、ルータαとルータβを介して接続されている。そして、伝送路Aには、計算機a1、計算機a2、…、計算機amが接続されている。一方の伝送路Bには、計算機b1、計算機b2、…、計算機bnが接続されている。またここで、伝送路A側のネットワークをセグメントA、伝送路B側のネットワークをセグメントBともいうことにする。

0059

各計算機は、CPU12、メモリ13、通信制御装置11で構成されていて、これらの各要素がシステムバス14で接続されている。

0060

さてここで、セグメントA側のネットワークアドレスを、160.160.0.0とし、セグメントB側のネットワークアドレスを、160.161.0.0としよう。

0061

そして、各計算機には、以下の表1のようにIPアドレスとMACアドレスを割り当てるものとする。

0062

0063

また、ルータは、接続されたネットワークの端子(これを、「インタフェース」という)ごとにIPアドレスとMACアドレスを有している。IPアドレスを割り当てるときには、セグメントA側のインタフェースには、セグメントAのネットワークアドレスを有するIPアドレスを、セグメントB側のインターフェースには、セグメントB側のネットワークアドレスを有するIPアドレスをそれぞれ割り当てる。

0064

ルータα,βのIPアドレスとMACアドレスは、それぞれ以下の表2のようになる。

0065

0066

ここで、上の表2に示されるように、ルータαとルータβの各インターフェースのIPアドレスの割当てを同じものにしていることに注意しておく。

0067

(II)本実施形態におけるARPの動作
次に、図5ないし図9を用いて本実施形態におけるARPの動作について説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムで、計算機a1からARPリクエストメッセージが発せられたときの模式図である。図7は、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムで、計算機a2からARPレスポンスメッセージが発せられたときの模式図である。図8は、ルーティングテーブルの一例を示す模式図である。図9は、ARPテーブルの一例を示す模式図である。

0068

ARPプロトコルの一般的な仕組みについては、既に説明したが、本発明の実施形態を理解するために、より詳細に説明することにする。

0069

各計算機a1〜am,b1〜bnは、メモリ13上にルーティングテーブルRTTとARPテーブルARPTを有している。

0070

本実施形態の係るネットワークは、図5に示されるネットワーク構成で、表1および表2に示したようにIPアドレスとMACアドレスが割り当てられているものとする。

0071

図8に示されるように、ルーティングテーブルRTTは、あて先ネットワークアドレスRTT1と中継ルータのIPアドレスRTT2で構成されている。

0072

このルーティングテーブルの意味は、あて先ネットワークアドレスRTT1を持つIPアドレスへのメッセージは、中継ルータのIPアドレスRTT2に示されるIPアドレスを持つルータに送信するということである。

0073

例えば、計算機a1が、ルーティングテーブルRTTに、図8に示される値を持っているとすると、計算機a1は、ネットワークアドレスとして、160.161.0.0を持つIPアドレスあてへのメッセージは、IPアドレス160.また、図9に示されるように、ARPテーブルARPTは、IPアドレスとMACアドレスとを対にして構成したものであり、IPアドレスとMACアドレスの変換表であるといえる。

0074

例えば、図9に示される値でいうと、IPアドレスARPT11は、160.160.0.3で、MACアドレスARPT12は、3なので、IPアドレス160.160.0.3を有するホスト(実際には、計算機の通信制御装置11が、MACアドレスを保持している)のMACアドレスは、3であるということがわかる。

0075

このARPTテーブルを用いて、計算機a1が、IPアドレス160.160.0.3のホストへメッセージを送信することにしよう。

0076

このとき、先ず、計算機a1は、送信元IPアドレスが160.160.0.3のIPデータグラムを作成する。そして、ARPテーブルを参照して、IPアドレス160.160.0.3に対応するMACアドレス3を取り出す。次に、このあてMACアドレス3と送信するIPデータグラムとをメモリ13に格納して、通信制御装置11に送信起動をかける。送信起動を受けた通信制御装置11は、メモリ13から、あて先MACアドレスと送信IPデータグラムとを取り込み、イーサネットフレームを作成し、伝送路Aを介して作成したそのイーサネットフレームを計算機a3に送信する。

0077

このように例えば、計算機a1からIPアドレスにより他のホストに送信する場合に、ARPテーブルに該当するMACアドレスがあるときは良いが、該当するMACアドレスが存在しないときには、既に述べたようにARPプロトコルによってMACアドレスを求めることになる。

0078

例えば、計算機a1が計算機a2と通信したいとしよう。計算機a2のIPアドレスは、160.160.0.2であり、このIPアドレスが計算機a1のARPテーブルから検索できなかったとする。このときに、図6に示されるように計算機a1の通信制御装置11は、ARPリクエストメッセージをネットワーク上(ただし、セグメントAのみ)にブロードキャストし、IPアドレス160.160.0.2に対応するMACアドレスを、各ホストに問い合わせる。

0079

各ホストは、このARPリクエストメッセージを受け取って解析し、自らのIPアドレスと異なるときには、なにもおこなわない。計算機a2は、ARPリクエストメッセージのターゲットとなるIPアドレス160.160.0.2を持つので、図7に示されるように、自らのMACアドレスである2を書き込んだARPレスポンスメッセージを返信する。ARPレスポンスメッセージのあて先のIPアドレスは、ARPリクエストメッセージの送信元IPアドレスになるので、当然、ARPレスポンスメッセージのあて先は、計算機a1である。

0080

計算機a1は、ARPレスポンスメッセージを受信すると、受信したARPレスポンスメッセージに書き込まれたさがしていたMACアドレス(計算機a2の通信制御装置のMACアドレスである2)を読み込んで、自分のARPテーブルにIPアドレス160.160.0.2に対応付けして登録し、その後、必要ならば、そのMACアドレスを用いてイーサネットフレームを組み立てて通信をおこなう。

0081

(III)本実施形態におけるネットワークシステムの動作
次に、上記の前提事項を基にして、図1および図10を用いて本実施形態に係るネットワークシステムの動作について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムの要部拡大図である。

0082

本発明の特徴は、ルータが二重化されているところに起因する。ルータを二重化しておき、一方を現用とし他方を予備用として、障害がおこったときに切り替えようとするものである。

0083

既に、図5により本発明に係るネットワークシステムの構成を示したが、このうちでルータαを現用ルータ、ルータβを予備用ルータとする。また、誤解の恐れのないときは、現用ルータα、予備用ルータβとも表記することにする。

0084

したがって、通常、セグメントAとセグメントBの中継ルータとしては、現用ルータαが使われ、このルータになんらかの障害がおこったときには、予備用ルータβが使われることになる。

0085

(III-1)通信制御装置内に保持されるテーブル
図1に示されるように、通信制御装置11は、内部メモリ118有していて、その中には、2重化ルータ管理テーブルDRTT、IPアドレス格納テーブルIPAT、MACアドレス格納テーブルACATを保持している。また、通常、MACアドレス格納テーブルMACATは、ROM(Read Only Memory)114に保持される。

0086

これらのIPアドレス格納テーブルIPATは、計算機a1の自らのIPアドレス160.160.0.1を格納している。一方、MACアドレス格納テーブルMACATは、計算機a1の通信制御装置のMACアドレスである1を格納している。

0087

ここで、図10を用いて2重化ルータ管理テーブルDRTTの構成について説明する。図10は、2重化ルータ管理テーブルDRTTの構成を示す模式図である。

0088

2重化ルータ管理テーブルDRTTは、2重化されたルータを取扱うためのもので、その構成の主要なものとしては、IPアドレス格納エリアDRTT1とそれに対応する現用ルータに関する情報を格納する現用ルータ管理エリアDRTT2と予備用ルータに関する情報を格納する予備用ルータ管理エリアDRTT3がある。

0089

ここで、現用ルータ管理エリアDRTT2を例に採り説明しよう。予備用ルータ管理エリアDRTT3は、以下の説明で「現用ルータ」というところを「予備用ルータ」と読み変えれば良い。

0090

現用ルータMACアドレスDRTT21は、このホストからのあて先となる現用ルータに割り当てられているMACアドレスが格納される。

0091

現用ルータアドレス登録ビットDRTT23は、現用ルータMACアドレスDRTT21に現用ルータのMACアドレスが登録されているか否かを示すビットであり、このエリアに現用ルータMACアドレスが登録済のときは1であり、未登録の場合は0である。

0092

現用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT24は、現用ルータからARPレスポンスメッセージの受信を管理するためのビットであり、現用ルータからの受信待ち状態の場合は1であり、現用ルータからのARPレスポンスメッセージを受信済の場合は0である。現用ルータ障害表示ビットDRTT25は、現用ルータに障害が検知されたか否かをしめすためのビットであり、現用ルータの障害を検知すると1とし、検知してないときは0とする。

0093

さて、この計算機a1は、セグメントAに属しているので、ルータαとルータβのセグメントA側のインターフェースを通じてルーティングされる。したがって、2重化ルータ管理テーブルDRTTのIPアドレスを登録するエリアであるIPアドレスDRTT1には、160.160.1.1が格納され、現用ルータのMACアドレスを登録するエリアである現用MACアドレスDRTT21には、m+n+1、また、予備用ルータのMACアドレスを登録するエリアである予備用MACアドレスDRTT31には、m+n+3をそれぞれ格納する。

0094

なお、一般に、現用ルータα、予備用ルータβのIPアドレスとMACアドレスおよび計算機a1のIPアドレスは、システム管理者が予めシステムの稼働前に、システム情報として設定しておく。

0095

そして、計算機a1は、その立ち上げの処理時に、それらを取りだして、通信制御装置11の内部メモリ118にある2重化ルータ管理テーブルDRTTとIPアドレス格納テーブルIPATに登録する。

0096

(III-2)通常のデータ送信のルーティング
通信制御装置11は、CPU12から通信起動を受けると、ルーティングのために現用ルータαを用いる。例えば、ルータを越えて、セグメントBのネットワークに属する計算機b1に対して通信をおこないたいとする。計算機b1のIPアドレスは、160.161.0.1であった。このとき、図4に示したように、イーサネットフレームの先頭のあて先MACアドレスには、2重化ルータ管理テーブルDRTTに格納された現用ルータαのMACアドレスm+n+1を用いる。また、データとなるIPデータグラムのあて先IPアドレスには、計算機b1のIPアドレス160.161.0.1をセットする。

0097

現用ルータαは、送信されたイーサネットフレームのあて先を見て、自分あてのイーサネットフレームであることを知り、そのIPデータグラムを解析する。IPデータグラムに属するあて先IPアドレスを見て、セグメントBにデータを流せば良いことが分かるので、このデータをセグメントBに流すことになる。

0098

(III-3)ARPリクエストメッセージの送信
通信制御装置11は、内部にタイマを持ち、一定周期Tq毎に、現用ルータαと予備用ルータβにARPリクエストメッセージを送信する。

0099

ARPメッセージフォーマットは、主要なエリアとして、送信元MACアドレス、送信元IPアドレス、あて先MACアドレス、あて先IPアドレスを格納するエリアがある。

0100

ARPリクエストメッセージは、あて先MACアドレスのエリアに、求めたいIPアドレスを有するノードのMACアドレスが格納される。ここでは、現用ルータαに対しては、通信制御装置11の内部メモリ118に格納されたDRTTのMACアドレスm+n+1を用いて、また、予備用ルータβには、MACアドレスm+n+3を用いて、それぞれにARPリクエストメッセージが発せられることになる。

0101

(III-4)ARPレスポンスメッセージの受信と障害対策
通信制御装置11は、現用ルータαと予備用ルータβとにARPリクエストメッセージを送信後、送信したARPリクエストメッセージの返答となる現用ルータαと予備用ルータβからのARPレスポンスメッセージの受信をタイマ監視する。

0102

監視タイマタイムアウトする前に、周期Tqおきに送信されるARPリクエストメッセージに対し、現用ルータαからARPレスポンスメッセージを受信し続けてる間は、計算機b1〜計算機bnあてにデータを送信するときには、現用ルータαのMACアドレスを用いて現用ルータαに(III-2)に示したようにしてデータを送信する。

0103

周期Tqおきに送信されるARPリクエストメッセージに対し、現用ルータαからARPレスポンスメッセージの返信がなく、ARPレスポンスメッセージ受信を監視するタイマがタイムアウトしたとする。

0104

そのときには、現用ルータαに何らかの障害が起こったものと判断し、セグメントBの計算機b1〜計算機bn2にデータを送信するときには、予備用ルータβのMACアドレスであるm+n+3を用いて、これをあて先MACアドレスとしてイーサネットフレームを作成して、伝送路Aに流すようにする。すなわち、この操作は、現用ルータαから予備用ルータβへの通信経路を切り替えたことに該当する。

0105

このようにして、予備用ルータβに通信経路を切替えた後も、通信制御装置11は、現用ルータαと予備用ルータβあてのARPリクエストメッセージの周期的な送信は継続する。

0106

その後に出されたARPリクエストメッセージに対して、監視タイマがタイムアウトする前に、現用ルータαからARPレスポンスメッセージの返信を受信したときには、現用ルータαの障害は、一時的であったかまたは、回復したと判断して、再びメッセージの中継ルータを予備用ルータ54から現用ルータ53へ切り替える。すなわち、現用ルータαあてのMACアドレスをあて先アドレスとして、イーサネットフレームを作ってセグメントBの計算機b1〜bnと交信する。それ以降は、再び障害が起こらない限り、通信制御装置11は、再び現用ルータαを中継ルータとしてデータを送信することになる。

0107

一定回数のARPリクエストメッセージを送っても、ARPレスポンスメッセージが返ってこないときには、そのルータは、回復不可能であると判断して、ネットワークの管理サーバコンソールなどに表示して、システム管理者に連絡して、障害のあったルータを取り換えるなどの対策をおこなうようにする。

0108

(IV)本実施形態に係る通信制御装置の構成と動作
本発明のネットワークシステムとしての動作は、以上に説明した通りであるが、以下では、図11を用いて上記動作を実現するための通信制御装置の構成と動作をより詳細に説明していこう。図11は、本発明の一実施形態に係る通信制御装置の構成を表すブロック図である。

0109

(IV-1)通信制御装置11の構成と一般的動作
ネットワークに接続される計算機は、通信制御装置を用いて接続するのが一般的である。通常良く用いられるのは、計算機の拡張スロット増設するタイプで、LANアダプタイーサネットアダプタLANボードネットワークインターフェースカード(NIC)などと呼ばれる。また、CPUと同じボードに実装されることもある。

0110

本実施形態に係る通信制御装置11は、インテリジェント型を想定としており、それ自身MPU(Micro processing Unit)111を有している。このMPUは、ROM114に格納されたプログラムに従って動作する。また、ROM114には、通信制御装置11の動作プログラムの外に、この通信制御装置に割りあてられたMACアドレスを格納するMACアドレス格納テーブルMATを保持している。

0111

伝送回路115は、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)方式によりトランシーバ15を介して共通伝送路Aにイーネットフレーム伝送する。

0112

内部メモリ118には、2重化ルータ管理テーブルDRTTと自計算機割り付けられたIPアドレスを格納するIPアドレス格納テーブルIPATがあり、この通信制御装置11が起動されるときに、CPU12は、信号線S1よりバススケジューラ116へ内部バス119の使用を要求して、バススケジューラ116から信号線S2より内部バス119の使用許可を受ける。内部バスの使用許可を受けると、CPU12は、信号線S11によってメモリ118を書き込み許可状態にする。そして、システムバス14とインタフェース117と内部バス119を介して、2重化ルータのIPアドレスおよび現用ルータと予備用ルータのMACアドレスを2重化ルータ管理テーブルDRTT内のIPアドレス登録エリアとMACアドレス登録エリアにそれぞれ書き込む。また、IPアドレス格納テーブルIPATに自計算機に割りあてられたIPアドレスを書き込む。

0113

(IV-2)通信制御装置11のデータ送信動作
次に、本実施形態の通信制御装置11のデータの送信動作について説明しよう。

0114

最初に、セグメントBに属する計算機b1〜計算機bnにメッセージを送信する場合を説明する。CPU12は、共通伝送路Bに接続される計算機b2〜計算機bnに送信するメッセージが有ると、IPデータグラムを作成する。IPデータグラムは、IPヘッダとそれ以外のデータ部分で構成されている。IPヘッダには、あて先IPアドレス、送信元IPアドレスおよびその他の管理情報が含まれている。

0115

すなわち、CPU12は、送信したいメッセージをデータ部713に書き込み、IPヘッダには、あて先のIPアドレス、自らのIPアドレスである送信元IPアドレスおよびその他の必要な管理情報をセットする。

0116

CPU12は、IPデータグラムを送信をするときは、送信するIPデータグラムと送信先のMACアドレスをメモリ13に書き込み、信号線S9によって、通信制御装置内のMPU111に送信要求をする。ここで、送信元のMACアドレスは、R8に示したIPアドレスからARPテーブルARPTを検索することによって得ることができる。

0117

信号線S9によって送信要求を受けたMPU111は、信号線S4によりバススケジューラ116にシステムバス114の使用権を要求する。MPU111は、信号線S3によってバススケジューラ116からシステムバス14の使用許可を受ける。そして、内部バス119とインタフェース117とシステムバス14を介して、メモリ13より送信するIPデータグラムと送信先MACアドレスを内部メモリ118に取り込み、イーサネットフレームを作成する。IPデータグラムとイーサネットフレームの関係は、既に図3により示した通りである。

0118

MPU111はイーサネットフレームを作成すると、内部メモリ118に作成したイーサネットフレームを格納し、信号線S5によって伝送回路115に送信要求をする。伝送回路115は、信号線S5により送信要求を受けると、内部メモリ118から送信するイーサネットフレームを取り出しトランシーバ15を介して、共通伝送路Bにイーサネットフレームを送信する。

0119

さて、上記の処理は、イーサネットフレームを伝送路に送信する場合の一般的な処理であったが、次に、セグメントAの計算機a1からセグメントBの計算機b1に対してデータを送信する場合のようなルータを越えてデータ送信を行う場合についての特有の処理について説明しよう。

0120

このようなときは、CPU12は、送信したいメッセージをIPデータグラムのデータ部に書き込み、あて先IPアドレスにメッセージを送信するあて先計算機のIPアドレスを書き込んだIPデータグラムを作成し、信号線S10によってMPU111に送信要求をする。それとともに、そのIPデータグラムの送信先は、セグメントBに属するホストであることをMPU111に通知する。MPU111は、セグメントBに属するホストへの送信要求を受けると、メモリ13より送信するIPデータグラムをインタフェース117を介して、メモリ13より取り出す。そして、図1に示される2重化ルータ管理テーブルDRTTを参照して、現用ルータの通信障害を検知していない場合は、現用ルータのMACアドレスを取り出して、イーサネットフレームのあて先アドレスに書き込む。

0121

これに反して、現用ルータの障害を検知していて、かつ予備用ルータの通信障害を検知していない場合は、予備用ルータのMACアドレスを取りだして、イーサネットフレームのあて先アドレスに書き込む。

0122

そして、メモリ13から取れ出したIPデータグラムをイーサネットフレームのデータ部25に書き込む。MPU111は、このようにしてイーサネットフレームを作成した後に、信号線S5によって伝送回路115に送信起動する。送信起動を受けた伝送回路115は、そのイーサネットフレームをトランシーバ15を介して共通伝送路Aに送信する。送信されたイーサネットフレームのあて先は、中継ルータのMACアドレスが書き込まれているので、指定された中継ルータが、それを受信して、共通伝送路B介して、セグメントBに属するあて先計算機まで送信される。

0123

(IV-3)通信制御装置11の2重化したルータの障害検出動作
次に、本実施形態に係る通信制御装置11が、周期TqおきにARPリクエストフレームを伝送路上に送信して、2重化したルータの障害を検出する動作について説明しよう。

0124

(IV-3-1)ARPリクエストメッセージの送信
ARPリクエスト送信タイマ1121は、周期Tq毎にMPU111に信号線S7−1より割り込みをいれる。S7−1より割り込みを受けたMPU111は、ARPリクエストメッセージを作成する。

0125

そのときに、送信元MACアドレスには、ROM114内のMACアドレス格納テーブルMACTを参照して、自らの通信制御装置に割り当てられたMACアドレス1を格納する。また、送信元IPアドレスには、内部メモリ118内のIPアドレス格納エリアIPAを参照して、自らに割り当てられたIPアドレス160.160.0.1を格納する。

0126

一方、現用ルータαに対するARPリクエストメッセージのときも、予備用ルータに対するARPリクエストメッセージのときも、あて先IPアドレスには、内部メモリ118内の2重化ルータ管理テーブルDRTTのIPアドレス登録エリアを参照して、2重化ルータに割り当てられたIPアドレス160.160.1.1を、それぞれ書き込んだARPリクエストメッセージを作成する。

0127

そして、イーサネットフレームを作るために、ARPリクエストメッセージをイーサネットフレームのデータ部に格納する。イーサネットフレームのヘッダ部には、送信元MACアドレス、あて先MACアドレスその他の管理情報を格納する。送信元MACアドレスは、ROM114に保持されたMACアドレス格納テーブルMATに格納されたMACアドレス1である。あて先MACアドレスは、2重化ルータ管理テーブルDRTTに格納されている値を用いる。本実施形態では、現用ルータαに対するイーサネットフレームのあて先MACアドレスとして、m+n+1、予備用ルータβに対するイーサネットフレームのあて先MACアドレスとして、m+n+3が用いられる。

0128

そして、組み立てたイーサネットフレームを、伝送回路115とトランシーバ15と共通伝送路Aを介して、現用ルータαと予備用ルータβにそれぞれ送信する。それと同時に、ARPレスポンス受信監視タイマ1122を信号線S7−4によって起動する。これによって、ARPレスポンス受信監視タイマ1122は、現用ルータαと予備用ルータβから送信されるARPレスポンスメッセージの受信を待つことになる。

0129

(IV-3-2)ARPレスポンスメッセージの受信
次に、この通信制御装置11がイーサネットフレームを受信するときの動作について説明しよう。

0130

伝送回路115は、共通伝送路51とトランシーバ15を介してイーサネットフレームを受信すると、信号線S6より受信割り込みをMPU111に入れ、受信したイーサネットフレームを内部メモリ118に格納する。

0131

さて、イーサネットフレームのヘッダ部の管理情報の中には、フレームタイプを格納するエリアがあり、そのフレームのタイプを判別することができる。したがって、このフレームタイプを読み取ることによって、受信したイーサネットフレームのデータ部がARPメッセージであるか否かの判断をすることができる。

0132

受信割り込みを受けたMPU111が、内部メモリ118に格納されたイーサネットフレームのフレームタイプを読み取って、これがARPメッセージでないと判断したとき、受信したイーサネットフレームのデータ部をインタフェース117を介してメモリ13に書き込んで、信号線S10によってCPU12にメッセージを受信したことを通知する。

0133

受信割り込みを受けたMPU111が、内部メモリ118に格納されたイーサネットフレームのフレームタイプを読み取って、これをARPメッセージと判断したとき、先ず、MPU111は、データ部に書き込まれたARPメッセージの送信元IPアドレスを参照して、そのARPメッセージがどこから送られてきたかを判断する。

0134

送信元IPアドレスが、2重化ルータに割り当てられているIPアドレス160.160.1.1であるときは、それは、現用ルータαから来たものか予備用ルータβからきたものかのいずれかである。

0135

そのときには、イーサネットフレームのヘッダ部の送信元MACアドレスによって現用ルータαからのARPレスポンスメッセージであるか予備用ルータβからのARPレスポンスメッセージであるかを判断することができる。

0136

それが、現用ルータαからのARPレスポンスメッセージであったときは、図10で説明した2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRT24を1にする。

0137

しかる後に、予備用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRT34を参照して、予備用ルータからのARPレスポンスメッセージを受信済と判断したときには、信号線S7−3によってARPレスポンス受信監視タイマ1122を停止させる。予備用ルータからのARPレスポンスを受信していないと判断されたときには、ARPレスポンス受信監視監視タイマ1122を停止せずに、受信処理を終了する。

0138

一方、それが予備用ルータβからのARPレスポンスメッセージであったときは、図10で説明した2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRT34を1にする。

0139

しかる後に、現用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRT24を参照して、現用ルータからのARPレスポンスメッセージを受信済と判断したときには、信号線S7−3によってARPレスポンス受信監視タイマ1122を停止させる。現用ルータからのARPレスポンスを受信していないと判断されたときには、ARPレスポンス受信監視タイマ1122を停止せずに、受信処理を終了する。

0140

すなわち、現用ルータ、予備用ルータの両方からのARPレスポンスメッセージが来たときにのみ、ARPレスポンス受信監視タイマ1122がはじめて停止されるわけである。

0141

受信したARPレスポンスメッセージの送信元IPアドレスが2重化ルータに割り当てられているIPアドレス以外のときは、2重化ルータに関する処理とは無関係である。このときには、受信したARPメッセージをインターフェース117を介して、メモリ13に書き込み、その後に信号線S10によってCPU12に受信割り込みをいれて、ARPレスポンスメッセージを受信したことを知らせることになる。

0142

(IV-3-3)ARPレスポンス受信監視タイマ1122のタイムアウト時の処理
上記の様に、通信制御装置11は、ARPリクエストメッセージを送信後、ARPレスポンス受信監視タイマ1122によって、ARPレスポンスメッセージを監視しているが、決められた時間内に、現用ルータまたは予備用ルータのいずれか一方でも、ARPレスポンスメッセージが受信されなかったときには、ARPレスポンス受信監視タイマ1122は、タイムアウト処理をおこすことになる。すなわち、その受信しなかった方に該当するルータに何らかの障害がおこったものと判断するわけである。

0143

ARPレスポンス受信監視タイマ1122がタイムアウトすると、このARPレスポンス受信監視タイマ1122は、信号線S7−2よりMPU111に割り込みをいれる。割り込みを受けたMPU111は、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT24と予備用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT34の値を調べる。

0144

このビットのいずれかが未受信であることを示す0であるときには、そのルータに障害がおこったわけであるから、現用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT24が0であるときには、現用ルータ障害表示ビットDRTT25を1にし、予備用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT34が0であるときには、予備用ルータ障害表示ビットDRTT35を1とする。そして、いずれかのルータに障害が発生したことをCPU12に通知する。

0145

そして、既に(III)で述べたように、CPU12は、現用ルータに障害がおこっていて、予備用ルータに障害がおこっていないときには、ルータの切替処理をおこない、それ以降は、予備用ルータで通信をおこなうことになる。

0146

MPU111は、このようにルータに障害が発生したことを検知した後も、タイマ1122より割り込みが発生する度に、現用系ルータと予備用ルータにARPレスポンスメッセージの送信を続ける。

0147

そして、ARPレスポンス受信監視タイマがタイムアウトする前に、障害発生中のルータからARPレスポンスメッセージを受信すると、障害が回復したと認識して、当該ルータの障害表示ビットをクリアする。

0148

(V)本実施形態の2重化ルータを用いる利点
本実施形態に係る2重化ルータを用いたネットワークシステムで、例えばTqを10秒、ARPリクエスト受信タイマのタイムアウト時間を5秒と設定すると、現用ルータ53に障害が発生してから、予備用ルータ54に切り替えの時間が15秒程度できることになる。

0149

これは、通常のRIPルーティングを用いるシステムに比べて、ネットワーク上で通信がおこなえなくなる時間を大幅に短縮することができる。

0150

なおかつ、ルータへ周期TqでARPレスポンスメッセージを送信すること、および、ルータからのARPリクエストメッセージの受信監視は通信制御装置11がおこなうので、CPU12に処理負荷をかけずにルータの切り替え制御をおこなうことができる。

0151

〔実施形態2〕以下、本発明に係る第二の実施形態を、図12ないし図19を用いて説明する。

0152

第一の実施形態で、ARPメッセージを用いてルータの障害を検出して、ルータを切り替えてネットワークシステムの安全性を図る技術について説明した。ルータに障害があり、復旧が不可能なときには、第一の実施形態でも述べたようにその障害のあったルータを交換する。このときには、ルータのMACアドレスが変わるので、ホスト側にある2重化ルータ管理テーブルDRTTの内容も書き変えなければならない。したがって、通常、システム管理者が各ホストの持つ2重化ルータ管理テーブルDRTTの内容を再設定することになる。これは、ネットワークに接続されているホストの数が多いと、システム管理者にとって過大な負担となる。また、場合によっては、計算機上でしていた作業を一時中断しなければならないかも知れない。

0153

本実施形態は、実施形態1をベースとしながらも、システムを稼働状態のままで、このような作業をできるだけ自動化しようとするものである。すなわち、実施形態1のネットワークシステムの構成において、ホスト側からARPリクエストメッセージを送信し、ルータ側からのARPレスポンスメッセージによって、ルータが交換されたのを認識したときには、自らの2重化ルータ管理テーブルDRTTに、返答されてきた新しく交換されたルータのMACアドレスを登録しようとするものである。

0154

(I)本実施形態に係るネットワークシステムの動作
本実施形態の説明では、フローチャートによってネットワークシステムの動作を追っていくことにしよう。

0155

先ず、図12を用いて本実施形態に係る通信制御装置11の動作の概略を説明する。図12は、本発明の一実施形態に係る通信制御装置11の動作の概略を示した模式図である。

0156

図11に示した通信制御装置の動作は、大別してイーサネットフレーム送信処理S0とイーサネットフレーム受信処理S1がある。

0157

イーサネットフレーム送信処理(S0)では、ARPリクエストメッセージを送信するとき(S01)と、その他のイーサネットフレームを送信するとき(S02)がある。このイーサネットフレームを送信するとき(S0)の処理は、(I-1)で詳細に説明する。

0158

ARPリクエストメッセージを送信したときには、図10に示したARPレスポンス受信監視タイマ1122が、ARPレスポンスメッセージを待ち受ける。そして、一定時間内に通信制御装置がARPレスポンス受信タイマ送信されなかったときには、タイムアウト処理を実行することになる。このタイムアウト時の処理については、(I-3)で詳細に説明する。

0159

イーサネットフレーム受信処理(S1)では、ARPレスポンスメッセージを受信するとき(S11)と、その他のイーサネットフレームを受信するとき(S12)がある。このイーサネットフレームを受信するとき(S1)の処理は、(I-2)で詳細に説明する。

0160

(I-1)イーサネットフレーム送信処理
先ず、図13および図14の順を追ってイーサネットフレームを送信するときの通信制御装置11の動作について説明しよう。図13は、通信制御装置11内のMPU111がイーサネットフレームを送信するときの動作を示すフローチャートである。図14は、2重化ルータへARPリクエストメッセージを送信するときの処理を示すフローチャートである。

0161

既に説明したように、イーサネットフレームのヘッド部には、フレームタイプのエリアがあり、その値を設定することにより、ARPメッセージか、それ以外のイーサネットフレームかを識別するようになっている。

0162

CPU12は、送信するメッセージがある場合は、送信するメッセージとあて先MACアドレスと上記送信したいイーサネットフレームのフレームタイプに従ったの値とをメモリ13に用意して、信号線S11によってMPU111に送信起動をかける。

0163

ここで、CPU12が、メモリ13に用意するメッセージは、ARPメッセージかそれ以外のIPデータグラムのどちらかである。

0164

送信起動を受けたMPU111は、メモリ13より送信メッセージとあて先MACアドレスとフレームタイプ値を取り込み、以下のようにイーサネットフレーム送信処理をおこなう。

0165

先ず、MPU111は、メモリ13から取り込んだフレームタイプの値を参照して、送信データがARPメッセージかそれ以外かを判定する(S21−1)。

0166

ARPメッセージ以外の場合は、メモリ13より取り込んだメッセージとあて先MACアドレスとフレームタイプよりイーサネットフレームを作成して(S21−7)、伝送回路115に信号線S5により送信要求をする(S21−8)。

0167

そして、送信要求を受けた伝送回路は、トランシーバ15と共通伝送路51を介してイーサネットフレームを送信することになる。

0168

一方、フレームタイプからARPメッセージであると判定されたときには(S21−2)、さらに、ARPメッセージの中の情報を見て、ARPリクエストメッセージであるか否かを調べる(S21−3)。

0169

そのメッセージがARPリクエストメッセージであるときは、次に、ARPメッセージの中のあて先IPアドレスを見て、それと2重化ルータ管理テーブルDRTTに格納されているIPアドレスと比較して、あて先が2重化ルータ(実施形態1で説明した現用ルータまたは予備用ルータのいずれか)と判ったときは(S21−3)、S21−4に行く。

0170

ARPメッセージが、ARPリクエストではないか、そのあて先が、2重化ルータではないときは、通常通りに、イーサネットフレームを作成し(S21−7)、それを送信する(S21−8)。

0171

あて先が、2重化ルータであると判定されたときには、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用アドレス登録ビットDRTT23を調べて、現用ルータアドレスが登録されているか否かを調べる(S21−4)。

0172

現用ルータアドレスが登録されていないときは、現用ルータのMACアドレスを知るためにARPリクエストメッセージを送信する必要があるので、やはり、イーサネットフレームを組立て(S21−7)、送信する(S21−8)。

0173

現用ルータアドレスが登録されているときには、現用ルータのMACアドレスを知るためには、ARPリクエストメッセージを出す必要がなく、この通信制御装置11内で、現用ルータMACアドレスの値を用いてARPレスポンスメッセージを作成し(S21−5)、作成したARPメッセージをCPU12に伝える。

0174

本実施形態の通信制御装置11も、実施形態1と同様に、2重化ルータに対して、一定の周期Tqで、ARPリクエストメッセージを送信している。次に、この処理を図14によって説明しよう。

0175

図11に示されるARPリクエスト送信タイマ113は、タイムカウントして、一定時間ごとに信号線S8−1によって、MPU111に割り込みを入れる。この処理は、この割込み受けておこなわれるものである。この割込みが来ると、MPU111は、2重化ルータ管理テーブルDRTTのIPアドレスが格納されたエリアであるIPアドレスDRTT1の値を、あて先IPアドレスとしたARPリクエストメッセージを作成する(S18−1)。

0176

そして、2重化ルータ管理テーブル13の現用ルータMACアドレス登録ビットDRTT12と予備用ルータMACアドレス登録ビットを調べて(S18−2,S18−3)、両者の内いずれかでも登録されていないときには、ARPリクエストメッセージをブロードキャストする(S18−9)。

0177

ARPリクエストメッセージのIPアドレスは、2重化ルータ管理テーブルDRTTに格納されたIPアドレスであるため、このメッセージに関してレスポンスを返すと予想されるのは、2重化ルータ(現用ルータと予備用ルータの両方)である。したがって、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT24を受信待ちを意味する1にし(S18−10)、同様に、予備用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT34を受信待ちを意味する1にする(S18−10)。

0178

そして、そのイーサネットフレームを伝送路に送信後に、2重化ルータARPレスポンス受信監視タイマ1122を起動して(S18−8)、ARPレスポンスメッセージが、現用ルータと予備用ルータの両方から来るまでタイマをカウントさせる。

0179

2重化ルータ管理テーブルDRTTに現用ルータのMACアドレスと予備用ルータのMACアドレスが共に登録されているときにも、現用ルータと予備用ルータに対して、ARPリクエストメッセージを送信する。これは、MACアドレスは、分かっているので、IPアドレスからMACアドレスを知るという意味ではなく、ARPレスポンスメッセージを返すか否かによってそのルータに障害があるか否かを判定しようとするものである。

0180

したがって、このときにも現用ルータあてには、現用ルータMACアドレスをセットしたイーサネットフレームを作成し、送信する(S18−4)。そして、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT24を受信待ちを意味する1にする(S18−5)。

0181

同様に、予備用ルータあてに、予備用ルータMACアドレスをセットしたイーサネットフレームを作成し、送信する(S18−4)。そして、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT34を受信待ちを意味する1にする(S18−5)。

0182

このときにも、2重化ルータARPレスポンス受信監視タイマ122を起動する(S18−8)。そして、現用ルータと予備用ルータからARPレスポンスメッセージが返ってくるタイムをカウントする。

0183

(I-2)イーサネットフレーム受信処理
次に、図15の順を追ってイーサネットフレームを受信するときの通信制御装置11の動作について説明しよう。図15は、通信制御装置11内のMPU111がイーサネットフレームを受信するときの動作を示すフローチャートである。

0184

伝送回路115は、トランシーバ15からイーサネットフレームを受信すると、受信したフレームを内部メモリ118に格納して、信号線S6によってMPU111に受信割り込みをいれる。

0185

受信割り込みを受けたMPU111は、受信処理をスタートして、以下のような処理をおこなっていく。

0186

先ず、MPU111は、内部メモリ118に格納された受信フレームのフレームタイプを参照して、それがARPメッセージのイーサネットフレームか否かを判定する(S19−1)。それがARPメッセージのイーサネットフレームでなかった場合には、受信したイーサネットフレームのデータ部25をインタフェース117を介してメモリ13に書き込み、信号線S10によってCPU12にメッセージ受信割り込みをいれて処理を終了する(S19−16)。

0187

受信したイーサネットフレームがARPメッセージのフレームの場合は、さらに、ARPメッセージの中の情報を見て、それがARPレスポンスメッセージであるか否かを調べる(S19−2)。

0188

そのメッセージがARPレスポンスメッセージであるときは、次に、ARPメッセージの中の送信元IPアドレスを見て、それと二重化ルータ管理テーブルDRTTに格納されているIPアドレスと比較して、送信元が2重化ルータ(実施形態1で説明した現用ルータまたは予備用ルータのいずれか)と判ったときは(S19−3)、S19−4に行く。

0189

ARPメッセージが、ARPレスポンスではないか、その送信元が、2重化ルータではないときは、通常通りに、CPU12にイーサネットフレームを受信したことを通知する(S19−16)。

0190

送信元が、2重化ルータであると判定されたときには、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用アドレス登録ビットDRTT23を調べて、現用ルータアドレスが登録されているか否かを調べる(S19−4)。

0191

現用ルータアドレスが登録されていないときは、現用ルータのMACアドレスを登録する必要があるので、送信されてきたARPレスポンスメッセージの送信元の現用ルータのMACアドレスを、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータMACアドレスDRTT21に登録する(S19−5)。

0192

そして、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用アドレス登録ビットDRTT23を登録済みであることを意味する1にする(S19−6)。

0193

その後に、通信制御装置11は、CPU12にARPレスポンスメッセージを受信したことを通知する(S19−20)。

0194

次に、MPU1111は、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータ受信管理ビットDRTT34を見て、予備用ルータのARPレスポンスメッセージの受信待ち状態になっているか否かを調べる(S19−7)。

0195

予備用ルータのARPレスポンスメッセージを既に受信しているときには、これで、現用ルータと予備用ルータのARPレスポンスメッセージを共に受信したことになるので、2重化ルータARPレスポンス受信監視タイマ1122を停止する(S19−8)。予備用ルータのARPレスポンスメッセージを受信していないときには、なにもおこなわずに、次に、予備用ルータからのARPレスポンスメッセージを待つことになる。

0196

さて少し戻って、S19−4で、送信元が、2重化ルータであると判定されたときに、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用アドレス登録ビットDRTT23を調べて、現用ルータのMACアドレスが登録されていたとしよう。

0197

このとき、受信したARPレスポンスメッセージの送信元のMACアドレスが、現用ルータのものであるときには、現用ルータのちMACアドレスを登録する必要はなく、現用ルータからARPレスポンスメッセージが返ってきたことを示すために、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータ受信管理ビットを、受信済みであることを示す1にする(S19−10)。

0198

一方、受信したARPレスポンスメッセージの送信元のMACアドレスが、現用ルータのものでないときは、送信元は、予備用ルータである。このときには、先ず、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用アドレス登録ビットDRTT33を調べて、予備用ルータのMACアドレスが登録されているかを調べる(S19−11)。

0199

予備用ルータのMACアドレスが登録されているときに、受信したARPレスポンスメッセージの送信元MACアドレスが、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータMACアドレスDRTT31と一致するか否かを調べる(S19−12)。

0200

一致したときには、これ以外なにもすることがないので、予備用ルータからARPレスポンスメッセージが返ってきたことを示すために、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータ受信管理ビットDRTT34を、受信済みであることを示す1にする(S19−13)。

0201

また、このときには、予備用ルータからARPレスポンスメッセージが返ってきたので、予備用ルータには、障害がおこっていないか、過去におこっても回復したことを示している。したがって、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータ障害表示ビットDRTT35を調べ(S19−14)、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータ障害表示ビットDRTT35が、1になっているときには、これを0にする(S19−19)。

0202

次に、MPU1111は、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータ受信管理ビットDRTT24を見て、現用ルータのARPレスポンスの受信待ち状態か否かを調べる(S19−15)。

0203

現用ルータのARPレスポンスメッセージを既に受信しているときには、これで、現用ルータと予備用ルータのARPレスポンスメッセージを共に受信したことになるので、2重化ルータARPレスポンス受信監視タイマ1122を停止する(S19−8)。

0204

S19−12で、ARPレスポンスメッセージのMACアドレスと2重化ルータのMACアドレスが一致しないとする。このときは、予備用ルータが更新され、MACアドレスが新しくなったことを示している。したがって、ARPレスポンスに含まれる送信元MACアドレスを新しい予備用ルータMACアドレスとして、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータMACアドレスDRTT31に登録し(S19−18)、予備用ルータからARPレスポンスメッセージが返ってきたことを示すために、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータ受信管理ビットDRTT34を、受信済みであることを示す1にする(S19−13)。

0205

これ以降の予備用ルータの障害に関する2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータ障害表示ビットDRTT35に対する処理(S19−14,S19−19)と、2重化ルータARPレスポンス受信監視タイマ1122に関する処理(S19−15,S19−8)は、上記と同様である。

0206

(I-3)ARPレスポンス受信監視タイマのタイムアウト時の処理
次に、図16の順を追ってARPレスポンス受信監視タイマのタイムアウト時の処理について説明しよう。

0207

図16は、通信制御装置11内のARPレスポンス受信監視タイマ1122のタイムアウト時の処理を示すフローチャートである。

0208

上述のように、通信制御装置11内から、一定周期ごとに現用ルータと予備用ルータそれぞれに対して、ARPリクエストメッセージ送信されるわけであるが、この返答となるARPレスポンスメッセージが、いずれかのルータから返ってこないときがある。このときには、ARPレスポンス受信監視タイマは、タイムアウトして、以下の処理をおこなうことになる。

0209

2重化ルータARPレスポンス受信監視タイマ1122がタイムアウトすると、信号線S7−2によってMPU111に割り込みをいれる。MPU111は、信号線S7−2により割り込みを受けると、2重化ルータに対するARPレスポンス受信監視タイマのタイムアウト処理を開始することになる。

0210

先ず、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータアドレス登録ビットDRTT23を参照し、現用ルータのMACアドレスが登録されているかを調べる(S20−1)。

0211

現用ルータのMACアドレスが登録されていない場合には、最初から、システムには、ルータは、存在していないと考えられる。したがって、このときには、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT34を0にし、予備用ルータのARPレスポンス受信待ちを解除し(S20−5)、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT24を0にし、のARPレスポンス受信待ちを解除して(S20−6)、この処理を終了する。

0212

一方、現用ルータのMACアドレスが登録されている場合には、次に、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT24を参照し、現用ルータのARPレスポンス受信待ちの状態になっているか否かを調べる(S20−2)。

0213

現用ルータのARPレスポンスが受信待ちのときには、S20−9に行く。

0214

現用ルータのARPレスポンスが受信待ちでないときには、次に、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータアドレス登録ビットDRTT33を参照し、予備用ルータのMACアドレスが登録されているか否かを調べる(S20−3)。

0215

予備用ルータのMACアドレスが登録されていないときは、予備用ルータがシステムに存在していないと考えられるので、このときには、予備用ルータARPレスポンス受信待ちの状態を解除し(S20−5)、現用ルータARPレスポンス受信待ちの状態も解除して(S20−6)、処理を終了する。

0216

予備用ルータのMACアドレスが登録されているときには、次は、予備用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT34を参照して、予備用ルータARPレスポンスの受信待ち状態であるか否かを調べる(S20−4)。

0217

予備用ルータから、ARPレスポンスメッセージを受け取っているときには、ARPレスポンス受信待ち状態でないので処理は終了する。

0218

ARPレスポンス受信待ち状態のときには、ARPレスポンスメッセージが来ていないということなので、予備用ルータに障害が起こっていることになる。そのときには、予備ルータ障害表示ビットDRTT35を参照し、現在、その値が予備用ルータの障害をあらわす1になっているか否かを調べ(S20−7)、1になっていないときには、障害をあらわす1に書き変える(S20−8)。

0219

その後、予備用ルータと現用ルータの受信待ちを共に解除して、処理を終了する(S20−5,S20−6)。

0220

フローチャートには示していないが、このときには、通信制御装置から、予備用ルータに障害がおこったことをCPU12に連絡して、CPU12に制御が戻ったときにネットワークの管理プログラムによって、予備用ルータに障害が発生したことを表示装置に表示することも可能である。

0221

少し戻って、S20−2で、現用ルータが、ARPレスポンスの受信待ちになっていたとしよう。

0222

そのときには、次に、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータアドレス登録ビットDRTT33を参照して、予備用ルータMACアドレスが登録されているか否かを調べる(S20−9)。

0223

予備用ルータ登録アドレスが登録されていないときには、現用ルータに障害があり、代わりになる予備用ルータも使える状態でないことを意味している。したがって、このときには、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータ障害表示ビットDRTT25を障害が発生したことを示す1にして、現用ルータに障害が発生したことをCPU12に通知する(S20−17)。通知を受けたCPU12は、表示装置に障害が発生したことを表示する、あるいは、ネットワークの履歴にこのことを書き出すなどの対策を取ることになる。

0224

またこのあと、予備用ルータと現用ルータのARPレスポンスの受信解除待ちにする(S20−5,S20−6)のは、上記と同様である。

0225

一方、予備用ルータ登録アドレスが登録されているときには、次に、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータARPレスポンス受信管理ビットDRTT34を参照して、予備用ルータが受信待ち状態であるか否かを調べる(S20−11)。

0226

予備用ルータが受信待ちのときは、現用ルータと予備用ルータともに障害がおこったことを意味するので、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータ障害表示ビットDRTT25と予備用ルータ障害表示ビットDRTT35を、共に障害がおこったことを示す1にする(S20−17)。

0227

そして、2重化ルータの共に障害が起こったことをCPU12に通知する(S20−17)。CPU12は、上述の如く、表示装置への表示、通信履歴採取などの適切な障害対策を取るようにしておかなければならない。

0228

そして、このあとも予備用ルータと現用ルータのARPレスポンスの受信解除待ちにする(S20−5,S20−6)のは、上記と同様である。

0229

予備用ルータARPレスポンスが受信待ちでないときには、予備用ルータからはARPレスポンスが返ってきているので、現在の状況は、現用ルータに障害が起こり、予備用ルータは、使用可能であることを意味している。

0230

このときには、予備用ルータを現用ルータとするために、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータの管理エリアと予備用ルータの管理エリアの値を、そっくり交換する(S20−11)。

0231

そうすれば、障害がおこっているのは、予備用ルータということになるので、2重化ルータ管理テーブルDRTTの予備用ルータ障害表示ビットDRTT35を障害がおこってことを意味する1にする(S20−12)。

0232

また、現用ルータと予備用ルータを入れ替えたので、そのことをCPU12に通知して、CPU12側の管理情報を書き変える必要が有る。

0233

そのために、2重化ルータのIPアドレスと新しく現用ルータとなったルータのMACアドレスから、ARPレスポンスメッセージを組み立てて(S20−13)、ARPレスポンスメッセージをCPU12に割込みによって伝える(S20−14)。

0234

これによって、CPU12は、2重化ルータに関する管理情報を書き換え、また、必要ならば、ネットワーク管理プログラムに従い必要な処置をとることができる。

0235

そして、最後に、このあとも予備用ルータと現用ルータのARPレスポンスの受信解除待ちにする(S20−5,S20−6)のは、上記と同様である。

0236

(II)本実施形態のネットワークシステムの動作に対する評価
本実施形態は、ルータを2重化して、ネットワークシステムの安全性を高めようとするものである。本実施形態によれば、現用ルータがダウンしても、予備用ルータに切り替えることにより、ネットワークシステム全体としては、通常の稼働が可能である。結局、ネットワークシステム全体として、稼働しなくなるのは、現用ルータと予備用ルータともにダウンした場合であり、そのような場合は、極めて稀であろう。

0237

また、障害のあったルータをシステムを稼働させながら交換する、いわゆるホットスワップも可能であり、現用ルータと予備用ルータの管理情報の切り替えも、自動的におこなっているので、システムを停止する必要もなく、コンソールからの新たな設定も不要である。

0238

このように、本実施形態に係るルータが2重化されたネットワークシステムでは、ネットワークシステムの可用性、信頼性共に向上させることが可能になる。

0239

(III)本実施形態の具体的な構成とデータに基づいたネットワークシステムの動作
上述の(I)においては、本実施形態に係るネットワークシステムの動作についてフローチャートに基づいて説明した。ここでは、具体的なネットワークシステムの構成とデータに基づいて、図5図17ないし図19を用いて説明する。図5は、既に説明したように、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムの構成図であったが、本実施形態でも、第一の実施形態と同様の構成とし、同じIPアドレスとMACアドレスを用いるので、これを適宜参照することにしよう。図17は、2重化ルータ管理テーブルDRTTに具体的データを設定したときの模式図である(その一)。図18は、2重化ルータ管理テーブルDRTTに具体的データを設定したときの模式図であり(その二)、特に、現用ルータと予備用ルータの管理情報を入れ替えて設定する場合を示している。図19は、2重化ルータ管理テーブルDRTTに具体的データを設定したときの模式図である(その三)。

0240

以下の説明としては、図5に示される現用ルータαに障害が発生して、ルータと交換して、新しく交換したルータを、新たに予備用ルータとするときをモデルケースとして採り上げることにしよう。この新しいルータのMACアドレスは、当然、障害を発生させたルータとは異なるMACアドレスを持っている。

0241

また、第一の実施形態の表1と表2に示したように、ネットワークシステムに接続された各計算機とルータには、IPアドレスとMACアドレスが割り当てられている。

0242

いま、計算機a2〜am,b1〜bnとルータα,βが既に起動済の状態であったとし、計算機a1を立ちあげようとしたとする。

0243

先ず、計算機a1が起動されると、図11に示されるCPU12は、立ち上げ処理で、図11に示されたメモリ13に有るルーティングテーブルRTTに、計算機のユーザが、予め設定しておくシステム情報から、「ネットワークアドレスが、160.161.0.0あてのメッセージは、IPアドレス160.160.1.1へ送信する」という情報を読み出し、それをルーティングテーブルRTTに設定する。CPU12は、立ち上げ処理では、ARPテーブルのIPアドレスとMACアドレスは未設定のままとしておく。

0244

次に、CPU12は、通信制御装置11を起動する。通信制御装置11の起動時に、CPU12は、システム管理者が予め設定しておくシステム情報から読み出して、通信制御装置11の内部メモリ118に有る二重化ルータ管理テーブルの2重化ルータ管理テーブルDRTTのIPアドレス登録エリアであるIPアドレスDRTT1に設定する。この値は、具体的には、図17に示されるようにルータα、ルータβの共通伝送路A側のインタフェースに割り当てられたIPアドレス160.160.1.1である。

0245

2重化ルータ管理テーブルDRTT内の現用ルータMACアドレスDRTT21と予備用ルータMACアドレスDRTT31は、未登録であり、現用ルータアドレス登録ビットDRTT23と予備用MACルータアドレス登録ビットDRTT33は、それぞれのMACアドレスが未登録であることを示す0になっている。

0246

また、現用ルータARPレスポンス受信待ちビットDRTT24と予備用ルータARPレスポンス受信待ちビットDRTT34は、受信待ち解除状態を示す0であり、現用ルータ障害表示ビットDRTT25と予備用ルータ障害表示ビットDRTT35は障害を検知していない状態を示す0である。

0247

通信制御装置11が立ち上がると、図11に示される水晶発振器113は、信号線S8−1とS8−2よりカウントアップ信号を出力する。そして、このカウントアップ信号を受けたARPリクエスト送信タイマ1121はカウントアップを続け、ARPリクエスト送信周期として定められたTqまでカウントすると、信号線S7−1よりMPU111に割り込みを入れる。割込みを入れた後は、カウント値を0にリセットして、再度Tqまでカウントを始める。

0248

このARPリクエスト送信周期Tqは、ネットワークシステム全体が要求する信頼性や性能などのファクターを考慮して定めることができる。本実施形態では、例えば、Tqは10秒としたとする。

0249

さて、S8−1より割り込みを受けたMPU111は、既に説明した図14のフローチャートに従い、2重化ルータのIPアドレス160.160.1.1に対応するMACアドレスを問い合わせるARPリクエストメッセージを、ネットワーク上に送信する。

0250

通信制御装置11が起動した直後の図17に示した値の2重化ルータ管理テーブルでは、現用ルータ、予備用ルータともMACアドレスが未登録なので、最初のARPリクエストメッセージは、イーサネットブロードキャストで送信されることになる。

0251

ブロードキャストで送信されたARPリクエストメッセージは、共通伝送路Aに接続する計算機a2〜amとルータαとルータβが受信する。そして、既に説明したようなARPプロトコルの原理に従って、問いあわせたIPアドレス160.160.1.1を持つルータαとルータβのみがそれぞれのMACアドレスm+n+1とm+n+3を返答とするARPレスポンスメッセージのイーサネットフレームを作成して、計算機a1に送信する。

0252

通信制御装置11が、そのARPレスポンスメッセージを受信すると、MPU111は、既に説明した図15のフローチャートに従うと、先に受信したARPレスポンスメッセージの送信元ルータを現用ルータとして、MACアドレスが登録され、後から受信したARPレスポンスメッセージの送信元ルータは、予備用ルータとされる(図15のS19−4,S19−5,S19−9,S19−11,S19−18等参照)。

0253

本実施形態では、ルータαから送信されたARPレスポンスメッセージを先に受信し、後からルータβのARPレスポンスメッセージを受信したとしよう。

0254

ARPレスポンスメッセージのイーサネットフレームを、ルータαから共通伝送路Aを介して伝送回路115が受信すると、伝送回路115は、受信フレームを内部メモリ118に書き込み後、MPU111にフレーム受信割り込みを信号線S6によって入れることになる。

0255

信号線S6より割り込みを受けたMPU111は、内部メモリ118より受信フレームを取り込み、既に説明したように図15のフローチャートに従って、ARPレスポンスメッセージに書かれたルータαのMACアドレスm+n+1を、2重化ルータ管理テーブルDRTTの現用ルータMACアドレスDRTT21に書き込み、現用ルータMACアドレス登録ビットDRTT23を登録済を示す1にする。

0256

同様に、ルータβからのARPレスポンスメッセージを受信した場合は、図15のフローチャートに従い、予備用ルータMACアドレス登録エリアDRTT31に、ARPレスポンスメッセージに書かれたルータβのMACアドレスm+n+3を書き込み、予備用ルータMACアドレス登録ビットDRTT33を登録済を示す1にする。

0257

このようにして、2重化ルータ管理テーブルは、図18(a)に示すように値が設定される。

0258

これ以降は、MPU111は、ARPリクエスト送信タイマがタイムアウトする度毎に、図14のフローチャートに従い、2重化ルータ管理テーブルに登録された現用MACアドレスm+n+1と予備用MACアドレスm+n+3をあて先MACアドレスとしたARPリクエストメッセージを、それぞれ現用ルータαと予備用ルータβに送信する。このようにして、各々のルータからARPレスポンスメッセージが返ってくるかをみることにより、各々のルータが正常に動作していか否かを確認することができる。

0259

さてここで、計算機a1が現用ルータαを介して共通伝送路Bに接続する計算機、例えば、IPアドレスが160.161.0.1である計算機b1にメッセージを送信する時の通信制御装置の動作について説明しよう。

0260

CPU12は、立ち上げ処理終了後、ユーザーからメッセージ通信の要求があると、あて先計算機の有するIPアドレスをあて先としたIPデータグラムを作成する。

0261

そして、CPU12は、計算機a1の属するセグメントAのネットワークアドレス160.160.0.0と異なるネットワークIDを有するIPアドレスが、あて先のIPアドレスであった場合には、ルーティングテーブルRTTを参照して、中継先IPアドレスを取り込む必要がある。

0262

この場合、計算機a1は、あて先IPアドレスが160.161.0.1であるIPデータグラムを作成する。また、あて先IPアドレス160.161.0.1が、計算機a1のセグメントのネットワークアドレス160.160.0.0とは異なっているため、ルーティングテーブルRTTを参照して、中継先ルータのIPアドレス160.160.1.1を獲得する。

0263

次に、CPU512は、ARPテーブルARPTを参照して、IPアドレス160.160.1.1に対応するMACアドレスを獲得しようとする。ところが、計算機a1が立ち上げ処理終了直後では、ARPテーブルARPTには、未登録状態なので、計算機b1のMACアドレスも当然登録されていない。

0264

したがって、CPU12は、IPアドレス160.160.1.1に対応するMACアドレスを問い合わせるARPリクエストメッセージを作成して、信号線S11によってMPU111に送信割り込みをいれて、送信させることになる。

0265

2重化ルータのIPアドレス160.160.1.1へのARPメッセージは、図13に示されるように2重化ルータ管理テーブルDRTTに現用MACアドレスが登録済の場合は、MPU111は、2重化ルータ管理テーブルのエリア現用MACアドレスDRTT21に格納されたMACアドレスを返答とするARPレスポンスメッセージを作成して、それを信号線S10によってCPU12に通知する(S21−5,S21−6)。このARPレスポンスメッセージの、送信元IPアドレスを2重化ルータのIPアドレス160.160.0.0である。

0266

ARPレスポンスメッセージを受け取ったCPU112は、そのメッセージに書き込まれた、IPアドレスとMACアドレスをARPテーブルARPTに登録する。

0267

ここで、送信待ちになっているIPデータグラムのMACアドレスを、再度ARPテーブルを参照して、中継先IPアドレス160.160.1.1に対応するMACアドレスを獲得することができる。

0268

そして、CPU12は、IPデータグラムと上記のようにして得られたあて先MACアドレスをメモリ14に用意して、MPU111に送信割り込みを入れる。

0269

送信割り込みを受けたMPU111は、MACアドレスが現用ルータαであり、IPデータグラムをデータ部に書き込んだイーサネットフレームを現用ルータαに送信する。

0270

次に、現用ルータαに障害が発生したとしよう。

0271

現用ルータαに障害が発生すると、通信制御装置11から現用ルータおよび予備用ルータあてに周期Tq(10秒)毎に送信されるARPリクエストメッセージに対し、現用ルータαからARPレスポンスメッセージが送信されなくなる。

0272

それによって、ARPレスポンスメッセージ受信監視タイマ1122がタイムアウトし、MPU111は、信号線S7−2によって割り込みを受けて、図16のフローチャートに従ってタイムアウト処理を開始することになる。

0273

図16に示されるように現用ルータαに障害が発生したときには、予備用ルータβに障害がない限り、予備用ルータβを新たな現用ルータとして、2重化ルータ管理テーブルDRTTに登録しようとするものである(S20−11)。

0274

図18(b)に示すされるように、予備用ルータを現用ルータとしてしたときには、MACアドレスm+n+3を有するルータβが新たな現用ルータとして登録されることになる。

0275

また、図16のフローチャートに示されるように、予備用ルータMACアドレス登録エリアDRTT31に旧現用ルータαのMACアドレスm+n+1が書き込まれ、かつ、予備用ルータ障害表示ビットDRTT33に障害発生を示す1が登録されることになる。

0276

予備用ルータと現用ルータのMACアドレスを入れ替えると、MPU111は、新たな現用ルータβのMACアドレスを、送信元アドレスm+n+3に、2重化ルータのIPアドレス160.160.1.1を送信元アドレスにそれぞれ書き込んだARPレスポンスメッセージを作成し、信号線S10よりCPU12に受信割り込みを入れる。受信割り込みを受けたCPU12は、MPU111より受け取ったARPレスポンスメッセージより送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを取り出し、ARPテーブルARPTに登録済のIPアドレス160.160.1.1に対応するMACアドレスをm+n+1をm+n+3に書き替える。 このようにすれば、以降は、IPアドレス160.160.1.1あてに送信されるIPデータグラムは、MACアドレスm+n+3を有するルータβへ送信されることになる。

0277

また、予備用ルータ回障害表示ビットが、障害が発生したことを示す1になっているとする。

0278

ここで、ARPリクエストメッセージ送信タイマ1122がタイムアウトし、MPU111が、予備用ルータαに対し、図14のフローチャートに従いARPリクエストメッセージを送信するものとする(S18−6等)。

0279

そして、このARPリクエストメッセージに対して、障害が発生して現用ルータから予備用ルータになったルータαから、ARPレスポンスメッセージを再び受信すると、MPU111は、図15のフローチャートに示される受信処理に従い、予備用ルータ障害表示ビットの障害発生状態を解除(S19−19)して、0にする。かくしてこれ以降は、ルータαは予備用ルータとしてネットワーク上で待機することになる。

0280

さて、上記のようにルータαを現用ルータ、ルータβを予備用ルータとして2重化管理テーブルDRTTに登録し、現用ルータαに障害が発生して、予備用ルータβが新たな現用ルータとなり、旧現用ルータαを新たなルータγと交換したものとしよう。

0281

ルータγの、共通伝送路A側のインタフェースのMACアドレスは、m+n+5、共通伝送路B側のインタフェースのMACアドレスは、m+n+6であったとする。

0282

また、ルータγに割り当てられるIPアドレスは、ルータαに割り当てられていたIPアドレスと同一に設定し、共通伝送路A側のインタフェースのIPアドレスは160.160.1.1、共通伝送路B側のインタフェースのIPアドレスは160.161.1.1とする。

0283

ルータαに障害が発生した直後の通信制御装置11の有する2重化ルータ管理テーブルDRTTは図18(b)の様になっている。

0284

ルータαを取り外し、ルータγを新たに共通伝送路Aと共通伝送路Bに接続すると、通信制御装置11が送信するARPリクエストメッセージに対して、ルータβとルータγがARPレスポンスメッセージを伝送制御装置11に送信する。通信制御装置11がルータγからのARPレスポンスメッセージを受信すると、MPU111は、図15のフローチャートに従って受信処理をおこない、ルータγのMACアドレスを予備用ルータMACアドレス登録エリアDRTT31に登録する(S19−12,S19−18)。この結果2重化ルータ管理テーブルDRTTの有する値は、図19に示されるようになる。

0285

これ以降は、ルータγは、予備用ルータとして使用可能になり、現用ルータ障害時までネットワーク上で待機することになる。

0286

以上のように、本実施形の通信制御装置を用いれば、ルータの一方に障害があっても、ネットワークシステムの稼働をとめることなく運用することができ、システムの情報も再設定する必要もない。

発明の効果

0287

本発明によれば、ルータが2重化されたネットワークシステムにおいて、現用のルータから予備用のルータに経路を切り替えるときには、その切替時間をRIP使用時より短縮し、ネットワークの可用性を向上させ、かつ、計算機のCPUの負荷を増加させることのないルータが2重化されたネットワークシステムおよびルータが2重化されたネットワークシステムの障害対策方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0288

図1本発明の一実施形態に係るネットワークシステムの要部拡大図である。
図2IPアドレスの各クラスの形態を模式的に示した図である。
図3OSI参照モデルとTCP/IPの通信プロトコルの関係を示す模式図である。
図4ARPの仕組みを説明する模式図である。
図5本発明の一実施形態に係るネットワークシステムの構成を表わす模式図である。
図6本発明の一実施形態に係るネットワークシステムで、計算機a1からARPリクエストメッセージが発せられたときの模式図である。
図7本発明の一実施形態に係るネットワークシステムで、計算機a2からARPレスポンスメッセージが発せられたときの模式図である。
図8ルーティングテーブルの一例を示す模式図である。
図9ARPテーブルの一例を示す模式図である。
図102重化ルータ管理テーブルDRTTの構成を示す模式図である。
図11本発明の一実施形態に係る通信制御装置の構成を表すブロック図である。
図12本発明の一実施形態に係る通信制御装置11の動作の概略を示した模式図である。
図13通信制御装置11内のMPU111がイーサネットフレームを送信するときの動作を示すフローチャートである。
図142重化ルータへARPリクエストメッセージを送信するときの処理を示すフローチャートである。
図15通信制御装置11内のMPU111がイーサネットフレームを受信するときの動作を示すフローチャートである。
図16通信制御装置11内のARPレスポンス受信監視タイマ1122のタイムアウト時の処理を示すフローチャートである。
図172重化ルータ管理テーブルDRTTに具体的データを設定したときの模式図である(その一)。
図182重化ルータ管理テーブルDRTTに具体的データを設定したときの模式図であり(その二)、特に、現用ルータと予備用ルータの管理情報を入れ替えて設定する場合を示している。
図192重化ルータ管理テーブルDRTTに具体的データを設定したときの模式図である(その三)。

--

0289

a1〜am,b1〜bn…計算機、A,B…共通伝送路、α,β,γ…ルータ、11…通信制御装置、12…CPU、13…メモリ、14…システムバス、DRTT…2重化ルータ管理テーブル、IPAT…IPアドレス格納テーブル、11MAT…MACアドレス管理テーブル、111…MPU、1121…ARPリクエストメッセージ送信タイマ、1122…ARPレスポンスメッセージ受信タイマ、113…水晶発振器、114…ROM、115…伝送回路、116…バススケジューラ、117…バスインタフェース、118…内部メモリ、15…トランシーバ、DRTT2…現用ルータ管理エリア、DRTT3…予備用ルータ管理エリア、DRTT21…現用ルータMACアドレス、DRTT23…現用ルータMACアドレス登録ビット、DRTT24…現用ルータ受信待ちビット、DRTT25…現用ルータ障害表示ビット、DRTT31…予備用ルータMACアドレス登録エリア、DRTT33…予備用ルータMACアドレス登録ビット、DRTT34…予備用ルータ受信待ちビット、DRTT35…予備用ルータ障害表示ビット、RTT…ルーティングテーブル、RT1…あて先ネットワークアドレス、RT2…中継先IPアドレス、ARPT…ARPテーブル、ARPT1〜ARPTk…ARPテーブルの各エントリ、ARPT11〜ARPTk1…IPアドレス、ARPT12〜ARPTk2…MACアドレス。

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