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技術 蛍光顕微鏡

出願人 株式会社分子バイオホトニクス研究所
発明者 中野義太郎
出願日 1996年5月24日 (24年7ヶ月経過) 出願番号 1996-130250
公開日 1997年12月12日 (23年0ヶ月経過) 公開番号 1997-318881
状態 未査定
技術分野 蛍光または発光による材料の調査,分析 顕微鏡、コンデンサー
主要キーワード 所定時間差 ゲート駆動装置 パルス励起光 透過光像 パルス照明光 色素レーザ 取得タイミング 集光照射
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年12月12日)のものです。
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図面 (6)

課題

対物レンズ等の光学系の設計が容易で、自家蛍光の発生が少なく、蛍光像透過光像とを実質的に同時に取得することができる蛍光顕微鏡を提供する。

解決手段

励起光源10から出力されビームスプリッタ11および12を透過したパルス励起光A1は試料30に照射され、その試料30から蛍光Bが発生する。一方、ビームスプリッタ11で反射したパルス励起光A2は蛍光色素20に照射され蛍光を発生させ、その蛍光はパルス照明光Cとして試料30に照射され透過光Dを発生させる。ここで、パルス照明光Cすなわち透過光Dは、蛍光Bの波長と略同一の波長であり、また、透過光Dは、蛍光Bが発生する時刻とは異なる時刻に発生する。ゲート駆動装置55からのタイミング信号に基づいて、蛍光Bの光像カメラ50により撮像され、透過光Dの光像はカメラ51により撮像される。

概要

背景

従来より、光学顕微鏡を用いて或る特定の同一の試料について蛍光像および透過光像の双方を取得することが望まれている。例えば、透過光像に基づいて試料の外観を捉え、蛍光像に基づいて、その試料のどの部位から蛍光が発生しているかを観察するような場合である。このような蛍光像および透過光像の双方を取得する光学顕微鏡として幾つかのタイプのものが知られている。

図3は、第1の従来技術による光学顕微鏡の構成図である。この光学顕微鏡では、シャッタ111が開いているときに、励起光源110から出力された励起光Aは、ダイクロイックミラー112および対物レンズ113を経て試料130に照射され、試料130で発生した蛍光Bは、対物レンズ113およびダイクロイックミラー112を経てカメラ150により撮像される。また、シャッタ121が開いているときには、照明光源120から出力された照明光Cは、反射鏡122およびコンデンサレンズ123を経て試料130に照射され、その照明光Cが試料130を透過して形成された透過光Dは、対物レンズ113およびダイクロイックミラー112を経てカメラ150により撮像される。そして、シャッタ111および121それぞれの開閉動作は、蛍光Bと透過光Dとが同時に発生しないようにするとともに、画像処理装置160によって、カメラ150により撮像された蛍光像および透過光像は、その開閉動作のタイミングに基づいて互いに分離される。

図4は、第2の従来技術による光学顕微鏡の構成図である。この光学顕微鏡では、励起光源210から出力された励起光Aは、ダイクロイックミラー211および対物レンズ212を経て試料230に照射され、試料230で発生した蛍光Bは、対物レンズ212、ダイクロイックミラー211、ダイクロイックミラー240および反射鏡241を経て、カメラ250により撮像される。また、照明光源220から出力された照明光Cは、反射鏡221およびコンデンサレンズ222を経て試料230に照射され、その照明光Cが試料230を透過して形成された透過光Dは、対物レンズ212、ダイクロイックミラー211、ダイクロイックミラー240、反射鏡242および反射鏡243を経て、カメラ251により撮像される。すなわち、蛍光像はカメラ250により取得され、透過光像はカメラ251により取得される。なお、この光学顕微鏡の場合には、ダイクロイックミラー240により蛍光Bと透過光Dとを分離する必要があることから、照明光Cは、蛍光Bの波長とは異なる波長であることが必要である。

図5は、第3の従来技術による光学顕微鏡の構成図である。この光学顕微鏡では、励起光源310から出力された励起光Aは、ダイクロイックミラー311および対物レンズ312を経て試料330に照射され、試料330で発生した蛍光Bは、対物レンズ312およびダイクロイックミラー311を経てカメラ350により撮像される。また、励起光Aが試料330を透過して形成された透過光Dは、対物レンズ340を経てカメラ351により撮像される。すなわち、蛍光像はカメラ350により取得され、透過光像はカメラ351により取得される。

概要

対物レンズ等の光学系の設計が容易で、自家蛍光の発生が少なく、蛍光像と透過光像とを実質的に同時に取得することができる蛍光顕微鏡を提供する。

励起光源10から出力されビームスプリッタ11および12を透過したパルス励起光A1は試料30に照射され、その試料30から蛍光Bが発生する。一方、ビームスプリッタ11で反射したパルス励起光A2は蛍光色素20に照射され蛍光を発生させ、その蛍光はパルス照明光Cとして試料30に照射され透過光Dを発生させる。ここで、パルス照明光Cすなわち透過光Dは、蛍光Bの波長と略同一の波長であり、また、透過光Dは、蛍光Bが発生する時刻とは異なる時刻に発生する。ゲート駆動装置55からのタイミング信号に基づいて、蛍光Bの光像はカメラ50により撮像され、透過光Dの光像はカメラ51により撮像される。

目的

本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、対物レンズ等の光学系の設計が容易で、自家蛍光の発生が少なく、蛍光像と透過光像とを実質的に同時に取得することができる蛍光顕微鏡を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
3件

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請求項1

パルス励起光を出力する励起光源と、前記励起光源から出力された前記パルス励起光を導いて試料の所定領域に照射する励起光学系と、前記パルス励起光が前記試料に照射されたときに発生する蛍光波長と略同一の波長のパルス照明光を、前記パルス励起光の出力タイミングに同期して出力する照明光源と、前記照明光源から出力された前記パルス照明光を導いて、前記パルス励起光が前記試料に照射されて蛍光が発生する時刻とは異なる時刻に、前記パルス照明光を前記試料の前記所定領域の裏面に照射する照明光学系と、前記パルス励起光が前記試料に照射されて発生する蛍光と、前記パルス照明光が前記試料に照射されて透過する透過光とを入力し、前記蛍光および前記透過光それぞれの光像結像する結像光学系と、前記パルス励起光の出力タイミングに基づいて、前記蛍光の光像の取得タイミングを指示する蛍光像取得タイミング信号と、前記透過光の光像の取得タイミングを指示する透過光像取得タイミング信号とを出力するタイミング制御手段と、前記蛍光像取得タイミング信号および前記透過光像取得タイミング信号それぞれに基づいて、前記蛍光および前記透過光それぞれの光像を取得する光像取得手段と、を備えることを特徴とする蛍光顕微鏡

請求項2

前記結像光学系は、前記蛍光および前記透過光の双方を分岐する結像分岐手段を備え、前記蛍光および前記透過光の双方の光像を互いに異なる第1および第2の位置それぞれに結像し、前記光像取得手段は、前記第1の位置に結像された前記蛍光の光像を前記蛍光像取得タイミング信号に基づいて撮像する蛍光像撮像手段と、前記第2の位置に結像された前記透過光の光像を前記透過光像取得タイミング信号に基づいて撮像する透過光像撮像手段と、を備える、ことを特徴とする請求項1記載の蛍光顕微鏡。

請求項3

前記結像光学系は、前記蛍光および前記透過光の双方の光像を略同一の位置に結像し、前記光像取得手段は、前記蛍光および前記透過光の双方の光像を撮像する撮像手段と、撮像された前記蛍光および前記透過光それぞれの光像を前記蛍光像取得タイミング信号および前記透過光像取得タイミング信号に基づいて互いに時間分離する光像分離手段と、を備える、ことを特徴とする請求項1記載の蛍光顕微鏡。

請求項4

前記励起光学系は、前記励起光源から出力された前記パルス励起光の一部を分岐する励起光分岐手段を備え、前記照明光源は、前記励起光分岐手段から分岐された前記パルス励起光の照射により発生する蛍光を前記パルス照明光として出力する蛍光色素を備える、ことを特徴とする請求項1記載の蛍光顕微鏡。

技術分野

0001

本発明は、試料蛍光像および透過光像の双方を取得することができる蛍光顕微鏡に関するものである。

背景技術

0002

従来より、光学顕微鏡を用いて或る特定の同一の試料について蛍光像および透過光像の双方を取得することが望まれている。例えば、透過光像に基づいて試料の外観を捉え、蛍光像に基づいて、その試料のどの部位から蛍光が発生しているかを観察するような場合である。このような蛍光像および透過光像の双方を取得する光学顕微鏡として幾つかのタイプのものが知られている。

0003

図3は、第1の従来技術による光学顕微鏡の構成図である。この光学顕微鏡では、シャッタ111が開いているときに、励起光源110から出力された励起光Aは、ダイクロイックミラー112および対物レンズ113を経て試料130に照射され、試料130で発生した蛍光Bは、対物レンズ113およびダイクロイックミラー112を経てカメラ150により撮像される。また、シャッタ121が開いているときには、照明光源120から出力された照明光Cは、反射鏡122およびコンデンサレンズ123を経て試料130に照射され、その照明光Cが試料130を透過して形成された透過光Dは、対物レンズ113およびダイクロイックミラー112を経てカメラ150により撮像される。そして、シャッタ111および121それぞれの開閉動作は、蛍光Bと透過光Dとが同時に発生しないようにするとともに、画像処理装置160によって、カメラ150により撮像された蛍光像および透過光像は、その開閉動作のタイミングに基づいて互いに分離される。

0004

図4は、第2の従来技術による光学顕微鏡の構成図である。この光学顕微鏡では、励起光源210から出力された励起光Aは、ダイクロイックミラー211および対物レンズ212を経て試料230に照射され、試料230で発生した蛍光Bは、対物レンズ212、ダイクロイックミラー211、ダイクロイックミラー240および反射鏡241を経て、カメラ250により撮像される。また、照明光源220から出力された照明光Cは、反射鏡221およびコンデンサレンズ222を経て試料230に照射され、その照明光Cが試料230を透過して形成された透過光Dは、対物レンズ212、ダイクロイックミラー211、ダイクロイックミラー240、反射鏡242および反射鏡243を経て、カメラ251により撮像される。すなわち、蛍光像はカメラ250により取得され、透過光像はカメラ251により取得される。なお、この光学顕微鏡の場合には、ダイクロイックミラー240により蛍光Bと透過光Dとを分離する必要があることから、照明光Cは、蛍光Bの波長とは異なる波長であることが必要である。

0005

図5は、第3の従来技術による光学顕微鏡の構成図である。この光学顕微鏡では、励起光源310から出力された励起光Aは、ダイクロイックミラー311および対物レンズ312を経て試料330に照射され、試料330で発生した蛍光Bは、対物レンズ312およびダイクロイックミラー311を経てカメラ350により撮像される。また、励起光Aが試料330を透過して形成された透過光Dは、対物レンズ340を経てカメラ351により撮像される。すなわち、蛍光像はカメラ350により取得され、透過光像はカメラ351により取得される。

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記従来技術には以下のような問題点がある。すなわち、第1の従来技術(図3)では、蛍光像を取得するためにはシャッタ121を閉じてシャッタ111を開き、透過光像を取得するためにはシャッタ111を閉じてシャッタ121を開く必要がある。しかし、このシャッタ111および121それぞれの開閉操作人手で行うことから、蛍光像の取得時刻と透過光像の取得時刻とは一致せず、同一時刻同一状態における試料130の蛍光像および透過光像を取得することはできない。特に、試料130が生体試料のように動く場合には、この問題は大きい。また、蛍光Bの波長と透過光Dの波長(すなわち照明光Cの波長)とは一般には異なることから、対物レンズ113の結像特性を損なうことなく設計することが困難であるという問題点もある。

0007

第2の従来技術(図4)では、同一時刻・同一状態における試料230の蛍光像および透過光像を取得することはできる。しかし、蛍光像と透過光像とを同時に取得するために、蛍光Bの波長と透過光Dの波長とを第1の従来技術の場合よりも更に大きく異なるものにする必要がある。このことから、対物レンズ212の結像特性を損なうことなく設計することは更に困難になり、特に自家蛍光の小さいな光学レンズを使用して設計することは不可能であり、対物レンズ212から発生する自家蛍光量が大きくなるという問題点がある。

0008

第3の従来技術(図5)は、共焦点顕微鏡としては一応の成功が見られている。しかし、共焦点顕微鏡であるが故に、第1の従来技術の場合と同様に、対物レンズ312の設計上の問題点がある。また、蛍光像および透過光像を取得するには試料330と光軸とを相対的に走査する必要があるため、蛍光像および透過光像を高速に取得することができないという問題点もある。もし、共焦点顕微鏡方式を採用しないとすれば、蛍光像を取得するための対物レンズ312と透過光像を取得するための対物レンズ340とは別個のものであるために、対物レンズ312および340それぞれの結像特性を同一のものとして蛍光像と透過光像とを合致させる必要がある。また、試料330が立体的なものである場合には、蛍光像と透過光像とは、試料330の同一箇所に関するものではないという問題点もある。

0009

本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、対物レンズ等の光学系の設計が容易で、自家蛍光の発生が少なく、蛍光像と透過光像とを実質的に同時に取得することができる蛍光顕微鏡を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る蛍光顕微鏡は、(1)パルス励起光を出力する励起光源と、(2) 励起光源から出力されたパルス励起光を導いて試料の所定領域に照射する励起光学系と、(3) パルス励起光が試料に照射されたときに発生する蛍光の波長と略同一の波長のパルス照明光を、パルス励起光の出力タイミングに同期して出力する照明光源と、(4) 照明光源から出力されたパルス照明光を導いて、パルス励起光が試料に照射されて蛍光が発生する時刻とは異なる時刻に、パルス照明光を試料の所定領域の裏面に照射する照明光学系と、(5) パルス励起光が試料に照射されて発生する蛍光と、パルス照明光が試料に照射されて透過する透過光とを入力し、蛍光および透過光それぞれの光像結像する結像光学系と、(6) パルス励起光の出力タイミングに基づいて、蛍光の光像の取得タイミングを指示する蛍光像取得タイミング信号と、透過光の光像の取得タイミングを指示する透過光像取得タイミング信号とを出力するタイミング制御手段と、(7) 蛍光像取得タイミング信号および透過光像取得タイミング信号それぞれに基づいて、蛍光および透過光それぞれの光像を取得する光像取得手段と、を備えることを特徴とする。

0011

この蛍光顕微鏡によれば、励起光源から出力されたパルス励起光は、励起光学系を経て試料の所定領域に照射され、その試料から蛍光が発生する。一方、照明光源から出力されたパルス照明光は、照明光学系を経て試料の所定領域の裏面に照射されて試料を透過し、透過光が発生する。ここで、パルス照明光すなわち透過光は、蛍光の波長と略同一の波長であり、また、透過光は、蛍光が発生する時刻とは異なる時刻に発生する。この蛍光および透過光は、結像光学系により結像され、タイミング制御手段から出力される蛍光像取得タイミング信号および透過光像取得タイミング信号それぞれに基づいて、それぞれの光像が光像取得手段により取得される。

0012

結像光学系は、蛍光および透過光の双方を分岐する結像分岐手段を備え、蛍光および透過光の双方の光像を互いに異なる第1および第2の位置それぞれに結像し、光像取得手段は、第1の位置に結像された蛍光の光像を蛍光像取得タイミング信号に基づいて撮像する蛍光像撮像手段と、第2の位置に結像された透過光の光像を透過光像取得タイミング信号に基づいて撮像する透過光像撮像手段と、を備えることとしてもよい。この場合、蛍光および透過光の双方は、結像分岐手段により分岐されて、蛍光および透過光の双方の光像は、互いに異なる第1および第2の位置それぞれに結像され、そして、第1の位置に結像された蛍光の光像は、蛍光像取得タイミング信号に基づいて蛍光像撮像手段により撮像され、第2の位置に結像された透過光の光像は、透過光像取得タイミング信号に基づいて透過光像撮像手段により撮像される。

0013

結像光学系は、蛍光および透過光の双方の光像を略同一の位置に結像し、光像取得手段は、蛍光および透過光の双方の光像を撮像する撮像手段と、撮像された蛍光および透過光それぞれの光像を蛍光像取得タイミング信号および透過光像取得タイミング信号に基づいて互いに時間分離する光像分離手段と、を備えることとしてもよい。この場合、蛍光および透過光の双方の光像は撮像手段により撮像され、撮像された蛍光および透過光それぞれの光像は、蛍光像取得タイミング信号および透過光像取得タイミング信号に基づいて光像分離手段により互いに時間分離される。

0014

励起光学系は、励起光源から出力されたパルス励起光の一部を分岐する励起光分岐手段を備え、照明光源は、励起光分岐手段から分岐されたパルス励起光の照射により発生する蛍光をパルス照明光として出力する蛍光色素を備えることとしてもよい。この場合、励起光分岐手段から分岐されたパルス励起光の照射に基づいて、パルス照明光は蛍光色素から出力されるので、パルス励起光とパルス照明光とは、それぞれの光路長差に応じた時間差で試料に到達する。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図1は、本発明に係る蛍光顕微鏡の構成図である。

0016

励起光源10は、試料30に照射すべきパルス励起光を出力するものであり、例えば、パルスレーザ光源が好適に用いられる。この励起光源10から出力されたパルス励起光は、ビームスプリッタ(励起光分岐手段)11、ビームスプリッタ12、ダイクロイックミラー13および対物レンズ14からなる励起光学系を経て、試料30の表面の所定領域に照射される。すなわち、ビームスプリッタ11は、励起光源10から出力されたパルス励起光の一部を透過させ残部を反射させて2分岐し、ビームスプリッタ12は、このビームスプリッタ11を透過したパルス励起光を更に2分岐する。ダイクロイックミラー13は、このビームスプリッタ12を透過したパルス励起光A1を反射させ、対物レンズ14は、そのパルス励起光A1を集光して、試料30の所定領域に照射する。なお、このダイクロイックミラー13は、パルス励起光A1を反射させ、試料30から発生する蛍光Bを透過させるものである。

0017

パルス励起光A1が試料30に照射されると、試料30に含まれる蛍光物質から蛍光Bが発生する。この蛍光Bは、対物レンズ14、ダイクロイックミラー13、ビームスプリッタ(結像分岐手段)40および反射鏡41〜43からなる結像光学系を経て、カメラ50(蛍光像撮像手段)およびカメラ(透過光像撮像手段)51それぞれの撮像面上に結像される。すなわち、対物レンズ14は、試料30の所定領域で発生した蛍光Bを入力して通過させ、ダイクロイックミラー13は、対物レンズ14から出力された蛍光Bを透過させ、ビームスプリッタ40は、蛍光Bの一部を反射させ残部を透過させる。そして、反射鏡41は、ビームスプリッタ40で反射した蛍光Bを反射させ、カメラ50の撮像面上に蛍光Bの光像を結像する。また、反射鏡42および43それぞれは、ビームスプリッタ40を透過した蛍光Bを順次反射させ、カメラ51の撮像面上に蛍光Bの光像を結像する。

0018

一方、ビームスプリッタ11で反射されたパルス励起光A2は、所定の長さの光ファイバ15を経て、蛍光色素20に照射される。この光ファイバ15は、試料30で蛍光Bが発生する時刻と、後述する透過光Dが発生する時刻とが重ならないように、パルス励起光A2に適当な遅延を与える遅延光学系として用いられている。

0019

蛍光色素20は、パルス励起光A2が照射されると蛍光を発生し、その蛍光を試料30に照射されるべきパルス照明光Cとして出力する照明光源として用いられるものである。このパルス照明光Cの波長は、パルス励起光A1が試料30に照射されて発生する蛍光Bの波長と略同一である。なお、蛍光色素20として、試料30に含まれている蛍光色素と同一のものが用いられると、パルス照明光Cの波長と蛍光Bの波長とが一致するので最も好適である。

0020

蛍光色素20から出力されたパルス照明光Cは、反射鏡21およびコンデンサレンズ22からなる照明光学系を経て、試料30の裏面の所定領域に照射される。このコンデンサレンズ22の光軸は、対物レンズ14の光軸と略一致している。したがって、パルス照明光Cが照射される試料30の所定領域は、パルス励起光A1が照射される試料30の所定領域と略同一であり、また、パルス照明光Cが試料30を透過して出てくる透過光Dは、蛍光Bと同様に結像光学系に入射し、この結像光学系を経て、その光像がカメラ50およびカメラ51それぞれの撮像面上に結像される。なお、図1では、説明の便宜のため、試料30とビームスプリッタ40との間におけるパルス励起光A1、蛍光Bおよび透過光Dそれぞれの光軸は、互いにずれて記されているが、実際には一致する。

0021

カメラ50および51それぞれの撮像面位置にはゲート52および53それぞれが設けられている。ゲート52は、カメラ50の撮像面上に透過光Dの光像が結像されているときに閉じ、カメラ50の撮像面上に蛍光Bの光像が結像されているときに開く。一方、ゲート53は、カメラ51の撮像面上に蛍光Bの光像が結像されているときに閉じ、カメラ51の撮像面上に透過光Dの光像が結像されているときに開く。したがって、カメラ50は蛍光Bの光像のみを撮像し、カメラ51は透過光Dの光像のみを撮像する。

0022

このゲート52および53それぞれの開閉動作は、ゲート駆動装置(タイミング制御手段)55から出力される蛍光像取得タイミング信号および透過光像取得タイミング信号それぞれにより制御され、ゲート駆動装置55は、光検出器54からの出力信号に同期して蛍光像取得タイミング信号および透過光像取得タイミング信号を出力し、光検出器54は、ビームスプリッタ12により反射されたパルス励起光の一部を受光して、その受光量に応じた出力信号を出力する。すなわち、ゲート52および53それぞれの開閉動作は、パルス励起光の出力タイミングに同期して制御される。

0023

そして、画像処理装置60は、このようにしてカメラ50および51それぞれにより撮像された蛍光Bおよび透過光Dそれぞれの光像を入力して、所定の画像処理を行う。

0024

次に、この蛍光顕微鏡の作用について図2を用いて説明する。図2は、本発明に係る蛍光顕微鏡における蛍光像および透過光像それぞれの結像タイミングと撮像タイミングの説明図である。なお、図2(a)〜(g)それぞれの横軸は、同一の時間軸で記してある。

0025

励起光源10から出力されたパルス励起光のうち、ビームスプリッタ11を透過しビームスプリッタ12で反射されたパルス励起光は、光検出器54により検出される。この光検出器54が受光するパルス励起光の光量、すなわち、光検出器54からの出力信号は、図2(a)に示すように一定周期Tで変化する。

0026

また、励起光源10から出力されたパルス励起光のうち、ビームスプリッタ11および12を透過したパルス励起光A1は、ダイクロイックミラー13で反射され、対物レンズ14により集光されて、試料30の所定領域に照射される。試料30の所定領域にパルス励起光A1が照射されて発生した蛍光Bは、対物レンズ14、ダイクロイックミラー13、ビームスプリッタ40および反射鏡41〜43を経て、カメラ50および51それぞれの撮像面に結像される。

0027

一方、励起光源10から出力されたパルス励起光のうち、ビームスプリッタ11で反射されたパルス励起光A2は、光ファイバ15を経て蛍光色素20に入射して蛍光を発生させる。その蛍光色素20から発生した蛍光である照明光Cは、反射鏡21で反射され、コンデンサレンズ22により集光されて、試料30の所定領域に裏面から照射される。そして、試料30の所定領域に照明光Cが照射されて発生した透過光Dは、対物レンズ14、ダイクロイックミラー13、ビームスプリッタ40および反射鏡41〜43を経て、カメラ50および51それぞれの撮像面に結像される。

0028

このようにしてカメラ50および51それぞれの撮像面に到達する光(蛍光Bおよび透過光D)の光量の変化は、図2(b)および(c)それぞれに示すようになる。これらの図に示すように、カメラ50および51それぞれの撮像面に蛍光Bおよび透過光Dそれぞれが到達するタイミングは、光検出器54がパルス励起光を受光するタイミング(図2(a))に対して、同一ではなく一定の遅延時間がある。この遅延は、ビームスプリッタ11から光検出器54に至るまでの光路長と、ビームスプリッタ11から試料30までの光路長および試料30からカメラ50の撮像面までの光路長の和と、ビームスプリッタ11から蛍光色素20を経てカメラ51の撮像面に至るまでの光路長との間の相互間の差に因るものである。

0029

また、光ファイバ15によりパルス励起光A2に適当な遅延が与えられているので、試料30において蛍光Bおよび透過光Dそれぞれが発生する時刻は互いに重なることはなく、したがって、カメラ50および51それぞれの撮像面には、蛍光Bの光像および透過光Dの光像が、互いに異なる時刻に結像されることになる。

0030

そして、ゲート52は、ゲート駆動装置55から出力される蛍光像取得タイミング信号により開閉制御されて、図2(d)に示すように、カメラ50の撮像面に蛍光Bの光像が結像しているときには開き、透過光Dの光像が結像しているときには閉じるので、蛍光Bの光像のみが、カメラ50により撮像される(図2(f))。一方、ゲート53は、ゲート駆動装置55から出力される透過光像取得タイミング信号により開閉制御されて、図2(e)に示すように、カメラ51の撮像面に透過光Dの光像が結像しているときには開き、蛍光Bの光像が結像しているときには閉じるので、透過光Dの光像のみが、カメラ51により撮像される(図2(g))。

0031

この蛍光顕微鏡によれば、励起光源10から出力されるパルス励起光の周期Tが短いほど、カメラ50により撮像される蛍光Bの光像とカメラ51により撮像される透過光Dの光像とは、実質的に同時に取得されたものと言うことができる。特に、試料30が生体試料であってその動きが速い場合には、周期Tは短いほど好ましい。ただし、カメラ50および51それぞれの撮像面に結像される蛍光Bおよび透過光Dとが時間的に分離可能であることが必要であるので、周期Tは、蛍光Bが発生している時間と透過光D(すなわち照明光C)が発生している時間との和より大きい必要がある。

0032

また、蛍光Bおよび透過光D(すなわち照明光C)それぞれの波長は略同一であり、特に、試料30に含まれる蛍光色素と同一のものを蛍光色素20として用いる場合には両波長は全く同一であるので、対物レンズ14は、この波長に関してのみ結像特性を最適に設計するだけで十分であり、光学系の設計が容易となる。

0033

さらに、対物レンズ14から発生する自家蛍光を最小限に抑えることができるので、ノイズの少ない蛍光像を撮像することができる。特に、対物レンズ14として、パルス励起光A1を試料30に集光照射するためのレンズと、試料30から発生した蛍光を入射するためのレンズとが、互いに分離されて同心円状に配されている暗視野対物レンズを用いれば、パルス励起光A1と蛍光Bとの光路は分離されるので、カメラ50および51に到達する自家蛍光は極めて少なくなる。

0034

本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、励起光源10として、連続発振光源高速チョッパとを用いて、パルス励起光を出力してもよい。この場合には、光検出器54は不要であり、ゲート駆動装置55は、この高速チョッパによるパルス励起光発生タイミングに同期して、蛍光像取得タイミング信号および透過光像取得タイミング信号を出力すればよい。

0035

また、遅延光学系として、上記実施形態では光ファイバ15が用いられたが、組み合わせられた複数の反射鏡で構成されてもよい。この場合、その複数の反射鏡の間で光が反射されることにより光路長が長くなり、その光路長に応じた遅延が設定されることになる。

0036

また、遅延光学系は、上記実施形態ではパルス励起光A2の光路上に設けられたが、パルス励起光A1の光路上に設けられてパルス励起光A1に遅延を与えてもよいし、パルス照明光Cの光路上に設けられてパルス照明光Cに遅延を与えてもよい。要は、試料30で発生する蛍光Bおよび透過光Dそれぞれが互いに異なる時刻に発生するように、パルス励起光A1およびパルス照明光Cそれぞれを所定時間差で試料30に照射することである。

0037

また、蛍光色素20に替えてパルス照明光Cを出力する照明光源と、励起光源10およびその照明光源それぞれの出力を制御する制御装置とを備えて、励起光源からのパルス励起光A1と照明光源からのパルス照明光Cとを所定時間差で同期して出力するようにしてもよい。なお、ここでも照明光源から出力されるパルス照明光Cの波長は、試料30にパルス励起光A1が照射されて発生する蛍光Bの波長と略同一である必要がある。この照明光源として色素レーザを用いるのが好適である。

0038

また、上記実施形態においては、蛍光像および透過光像それぞれを撮像するために2台のカメラ50および51を備えたが、1台のカメラでもよい。この場合には、その1台のカメラが蛍光像および透過光像を撮像し、画像処理装置60は、ゲート駆動装置55から出力される蛍光像取得タイミング信号および透過光像取得タイミング信号それぞれに基づいて、カメラが撮像した光像を蛍光像と透過光像とに分離する。

0039

さらに、ゲート駆動装置55によるゲート52の開閉タイミングをずらしながらカメラ50により蛍光Bの光像を撮像してもよい。この場合には、時間分解蛍光画像を取得することができる。

発明の効果

0040

以上、詳細に説明したとおり本発明によれば、励起光源から出力されたパルス励起光は、励起光学系を経て試料の所定領域に照射され、その試料から蛍光が発生する。一方、照明光源から出力されたパルス照明光は、照明光学系を経て試料の所定領域に裏面から照射されて試料を透過し、透過光が発生する。ここで、パルス照明光すなわち透過光は、蛍光の波長と略同一の波長であり、また、透過光は、蛍光が発生する時刻とは異なる時刻に発生する。この蛍光および透過光は、結像光学系により結像され、タイミング制御手段から出力される蛍光像取得タイミング信号および透過光像取得タイミング信号それぞれに基づいて、それぞれの光像が光像取得手段により取得される。

0041

このように、パルス励起光およびパルス照明光それぞれにより蛍光像および透過光像それぞれを互いに異なる時刻に生成する構成としたので、蛍光像および透過光像を実質的に同時に取得することができる。試料が生体試料であってその動きが速い場合であっても、その試料の蛍光像および透過光像を実質的に同時に取得することができる。また、試料から発生する蛍光および透過光の波長は略同一であるので、結像光学系、特に対物レンズは、その波長に関してのみ結像特性を最適に設計するだけで十分であり設計が容易となる。さらに、自家蛍光を最小限に抑えることができるので、ノイズの少ない蛍光像を取得することができる。

図面の簡単な説明

0042

図1本発明に係る蛍光顕微鏡の構成図である。
図2本発明に係る蛍光顕微鏡における蛍光像および透過光像それぞれの結像タイミングと撮像タイミングの説明図である。
図3第1の従来技術による光学顕微鏡の構成図である。
図4第2の従来技術による光学顕微鏡の構成図である。
図5第3の従来技術による光学顕微鏡の構成図である。

--

0043

10…励起光源、11,12…ビームスプリッタ、13…ダイクロイックミラー、14…対物レンズ、15…光ファイバ、20…蛍光色素、21…反射鏡、22…コンデンサレンズ、30…試料、40…ビームスプリッタ、41,42,43…反射鏡、50,51…カメラ、52,53…ゲート、54…光検出器、55…ゲート駆動装置、60…画像処理装置。

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