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技術 帯鋸刃

出願人 株式会社アマダホールディングス
発明者 辻本晋上山巌
出願日 1997年3月11日 (23年9ヶ月経過) 出願番号 1997-056545
公開日 1997年11月25日 (23年1ヶ月経過) 公開番号 1997-300131
状態 特許登録済
技術分野 鋸引き
主要キーワード 切断計画 仮想曲線 ウェーブ形状 切断管 切断面積 加工硬化層 切削断面積 振動切削
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年11月25日)のものです。
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図面 (14)

課題

難削材の切断において、切断できる切断面積を、小径材と大径材で差異を少なくすると共に、切削抵抗を低減して、切曲りおよび騒音の抑制を図る。

解決手段

帯鋸刃1は胴部3の背面に周期的あるいは不規則に変化する波状鋸刃背面5を備え、鋸刃背面5の反対側に鋸刃背面5に形成した波のうねり並行する複数の仮想曲線L1,L2を形成し、この仮想曲線L1,L2に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯2S,4R,6L,8R,10Lを備えてなるものである。而して、難削材の切断において、切断できる切断面積を、小径材と大径材で差異を少なくすると共に、切削抵抗を低減して、切曲りおよび騒音の抑制を図ることができる。

概要

背景

従来、帯鋸刃において、典型的なものとしては、帯幅一定で、左右の各アサリ歯における左右のアサリ振出量一定の帯鋸刃がある。このような一般的な帯鋸刃においては、例えば加工硬化を生じ易い難削材の切断時には、切削が困難になることが多い。そこで、難削材に対応すべく、また材料の切削時における騒音を抑制すべく、帯鋸刃における鋸歯高低差、アサリ振出量およびピッチを変えるなど、種々の帯鋸刃が開発されている。

例えば、米国特許4195543号に示されているように、帯幅一定で帯幅方向波形状を備えた帯鋸刃や、他の例として、米国特許4557172号(対応特公昭61−50735号)に示されているように歯高に高低差を設けた帯鋸刃や、米国特許4727788号(対応特公平7−24973号)および米国特許4813324号(対応特公平7−41467号)に示されているように、歯高に高低差を設けて、歯高の低い歯ほどアサリ幅を大きく設けてなる帯鋸刃が知られている。更に、米国特許5094135号(対応特開平2−279209)に示されているように、鋸刃背面が直線的で鋸刃の歯先仮想曲線上に一致するようなウェーブ形状を備えた帯鋸刃等も開発されている。

概要

難削材の切断において、切断できる切断面積を、小径材と大径材で差異を少なくすると共に、切削抵抗を低減して、切曲りおよび騒音の抑制を図る。

帯鋸刃1は胴部3の背面に周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面5を備え、鋸刃背面5の反対側に鋸刃背面5に形成した波のうねり並行する複数の仮想曲線L1,L2を形成し、この仮想曲線L1,L2に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯2S,4R,6L,8R,10Lを備えてなるものである。而して、難削材の切断において、切断できる切断面積を、小径材と大径材で差異を少なくすると共に、切削抵抗を低減して、切曲りおよび騒音の抑制を図ることができる。

目的

この発明の目的は、難削材の切断において、切断できる切断面積を、小径材と大径材で差異を少なくすると共に、切削抵抗を低減して、切曲りおよび騒音の抑制を図った帯鋸刃を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

周期的あるいは不規則に変化する波状鋸刃背面を備え、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなることを特徴とする帯鋸刃

請求項2

請求項1に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に近い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅が大きいことを特徴とする帯鋸刃。

請求項3

請求項1又は2に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数の左右アサリ歯、または複数の直歯と複数の左右アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の左右アサリ歯で構成されていることを特徴とする帯鋸刃。

請求項4

請求項1又は2に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数のバチアサリ歯、または複数の直歯と複数のバチ型アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数のバチ型アサリ歯で構成されていることを特徴とする帯鋸刃。

請求項5

周期的あるいは不規則に変化する複数の波が重なった形状の鋸刃背面を備え、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなることを特徴とする帯鋸刃。

請求項6

請求項5に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に近い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅が大きいことを特徴とする帯鋸刃。

請求項7

請求項5又は6に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数の左右アサリ歯、または複数の直歯と複数の左右アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の左右アサリ歯で構成されていることを特徴とする帯鋸刃。

請求項8

請求項5又は6に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数のバチ型アサリ歯、または複数の直歯と複数のバチ型アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数のバチ型アサリ歯で構成されていることを特徴とする帯鋸刃。

請求項9

周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面を備え、鋸刃背面の反対側に、鋸刃背面とは相関性または同期性を持たずに互に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなることを特徴とする帯鋸刃。

請求項10

請求項9に記載の発明において、鋸刃背面の反対側に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に近い仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅が大きいことを特徴とする帯鋸刃。

請求項11

請求項9又は10に記載の発明において、鋸刃背面の反対側に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数の左右アサリ歯、または複数の直歯と複数の左右アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の左右アサリ歯で構成されていることを特徴とする帯鋸刃。

請求項12

請求項9又は10に記載の発明において、鋸刃背面の反対側に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数のバチ型アサリ歯、または複数の直歯と複数のバチ型アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数のバチ型アサリ歯で構成されていることを特徴とする帯鋸刃。

技術分野

0001

この発明は、帯鋸刃係り、更に詳細には、被切断材の切断時における切曲り、および騒音を抑制し得る帯鋸刃に関する。

背景技術

0002

従来、帯鋸刃において、典型的なものとしては、帯幅一定で、左右の各アサリ歯における左右のアサリ振出量一定の帯鋸刃がある。このような一般的な帯鋸刃においては、例えば加工硬化を生じ易い難削材の切断時には、切削が困難になることが多い。そこで、難削材に対応すべく、また材料の切削時における騒音を抑制すべく、帯鋸刃における鋸歯高低差、アサリ振出量およびピッチを変えるなど、種々の帯鋸刃が開発されている。

0003

例えば、米国特許4195543号に示されているように、帯幅一定で帯幅方向波形状を備えた帯鋸刃や、他の例として、米国特許4557172号(対応特公昭61−50735号)に示されているように歯高に高低差を設けた帯鋸刃や、米国特許4727788号(対応特公平7−24973号)および米国特許4813324号(対応特公平7−41467号)に示されているように、歯高に高低差を設けて、歯高の低い歯ほどアサリ幅を大きく設けてなる帯鋸刃が知られている。更に、米国特許5094135号(対応特開平2−279209)に示されているように、鋸刃背面が直線的で鋸刃の歯先仮想曲線上に一致するようなウェーブ形状を備えた帯鋸刃等も開発されている。

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、上述した従来の帯鋸刃では、例えば、難削材である小径材の切断においては、帯鋸刃の歯先に用いられている歯材が同一とすると、前述した米国特許4195543号、4813324号、5094135号の帯鋸刃であっても切断できる累計切断面積に大きな差は見られない。しかし、大径材の切断においては、それぞれの帯鋸刃で顕著な差が現れてくるのが一般的である。

0005

その難削材である大径材に関して、従来の改良を加えた帯鋸刃で切断を行った場合に切断できる切断面積と、小径材を切断できる切断面積と比較すると、大径材を切断できる切断面積が著しく少ないというのが現状である。

0006

また、前記米国特許4195543号に記載の帯鋸刃では、鋸刃背面と歯先は波形状ではあるが、切屑細分化されない。前記米国特許4813324号に記載の帯鋸刃では、切屑は細分化されるが、波形状でないため切削長は短くならない。更に、前記米国特許5094135号に記載の帯鋸刃では、切屑の細分化が行われ得るが、歯先側にのみ仮想曲線に一致する波形状を備えた構成であるから、切削長を短くする効果は小さく、不十分であるという問題があった。

0007

この発明の目的は、難削材の切断において、切断できる切断面積を、小径材と大径材で差異を少なくすると共に、切削抵抗を低減して、切曲りおよび騒音の抑制を図った帯鋸刃を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために請求項1に係る発明は、周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面を備え、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなるものである。

0009

更に、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に近い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅が大きい構成である。

0010

請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数の左右アサリ歯、または複数の直歯と複数の左右アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の左右アサリ歯で構成されているものである。

0011

上述した請求項1乃至3に係る発明の帯鋸刃とすることにより、この帯鋸刃によって被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面が鋸刃のバックアップガイドに沿って揺動するために、大径材であっても切削長が短くなる。更に、鋸刃背面に近い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅が大きくなるように構成してあるので、切り屑の細分化が行なわれる。

0012

すなわち、難削材である大径材であっても、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減され、騒音が抑制されると共に切曲りを生じ難く切削することができるものである。

0013

請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数のバチ型アサリ歯、または複数の直歯と複数のバチ型アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数のバチ型アサリ歯で構成されているものである。

0014

この請求項4に係る発明の帯鋸刃は、前述した請求項3にて採用された左右アサリ歯をバチ型アサリ歯に変えたものであるため、その基本的な作用効果は前述したものと全く同一であるが、バチ型アサリ歯としたことにより、切断面のユーレイ模様が非常に小さくなり、切断面が綺麗であるという更なる効果がある。

0015

請求項5に係る発明は、周期的あるいは不規則に変化する複数の波が重なった形状の鋸刃背面を備え、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなるものである。

0016

請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に近い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅が大きい構成としてなるものである。

0017

請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数の左右アサリ歯、または複数の直歯と複数の左右アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の左右アサリ歯で構成されているものである。

0018

上述した請求項5乃至7に係る発明の帯鋸刃とすることにより、この帯鋸刃によって被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規則に変化する複数の波が重なった形状の鋸刃背面が鋸刃のバックアップガイドに沿って揺動するために、大径材であっても切削長が短くなる。更に、鋸刃背面に近い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅が大きくなるよう構成してあるので、切り屑の細分化が行なわれる。

0019

すなわち、難削材である大径材であっても、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減され、騒音が抑制されると共に切曲りを生じ難く切削することができるものである。

0020

請求項8に係る発明は、請求項5又は6に記載の発明において、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数のバチ型アサリ歯、または複数の直歯と複数のバチ型アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数のバチ型アサリ歯で構成されているものである。

0021

この請求項8に係る発明の帯鋸刃は、前述した請求項7にて採用された左右アサリ歯をバチ型アサリ歯に変えたものであるため、その作用効果は前述したものと全く同一であるが、バチ型アサリ歯としたことにより、切断面のユーレイ模様が非常に小さくなり、切断面が綺麗であるという更なる効果がある。

0022

請求項9に係る発明は、周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面を備え、鋸刃背面の反対側に、鋸刃背面とは相関性または同期性を持たずに互に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなるものである。

0023

請求項10に係る発明は、請求項9に記載の発明において、鋸刃背面の反対側に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に近い仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅が大きい帯鋸刃である。

0024

請求項11に係る発明は、請求項9又は10に記載の発明において、鋸刃背面の反対側に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数の左右アサリ歯、または複数の直歯と複数の左右アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の左右アサリ歯で構成されている帯鋸刃である。

0025

請求項12に係る発明は、請求項9又は10に記載の発明において、鋸刃背面の反対側に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群で、鋸刃背面に最も遠い仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の直歯、または複数のバチ型アサリ歯、または複数の直歯と複数のバチ型アサリ歯で構成され、その他の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数のバチ型アサリ歯で構成されている帯鋸刃である。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下、この発明の実施の形態の例を図面に基づいて詳細に説明する。

0027

図1を参照するに、図1には第1の実施の形態の例が示されていて、帯鋸刃1は胴部3の鋸刃背面5の反対側に多数の鋸歯を備えてなるものである。より詳細には、帯鋸刃1は周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面5を備え、鋸刃背面5の反対側に鋸刃背面5に形成した波状のうねりに並行する第1の仮想曲線L1に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯2S,6L,8Rの群を備えてなると共に、第1の仮想曲線L1に並行する第2の仮想曲線L2に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯4R,10Lの群を備えている。

0028

換言すれば、前記各鋸歯2S,6L,8Rの歯先端を滑らかな曲線で結ぶと、波状の鋸刃背面5の反対側に並行する第1の仮想曲線L1が得られるものであり、また、各鋸歯4R,10Lの歯先端を滑らかな曲線で結ぶと、第1の仮想曲線L1に並行する第2の仮想曲線L2が得られるものである。

0029

前記第1の仮想曲線L1は外側に位置し、第2の仮想曲線L2は鋸刃背面5に近い内側に位置するので、第1の仮想曲線L1に歯先端が一致する複数の鋸歯群2S,6L,8Rは歯高の高い鋸歯群であり、第2の仮想曲線L2に歯先端が一致する複数の鋸歯群4R,10Lは歯高の低い鋸歯群である。

0030

なお、仮想曲線はL1,L2の2本を採用したが、例えば、図示を省略したが歯高の高さが中間の鋸歯を設けた場合には、仮想曲線は3本となる。すなわち、歯高の高さが種々異なる鋸歯群を複数具備する場合には、仮想曲線の本数は種々の高さの鋸歯群の数に応じた複数本となるものである。

0031

前記帯鋸刃1において、鋸歯2Sは左右のアサリ振出しを行なわない直歯であり、鋸刃4R,8Rは右アサリ振出しを行なった右アサリ歯、鋸歯6L,10Lは左アサリ振出しを行なった左アサリ歯である。図1より明らかなように、第1の仮想曲線L1に歯先端が一致する左右のアサリ歯6L,8Rの左右のアサリ幅A1よりも、第2の仮想曲線L2に歯先端が一致する左右のアサリ歯4R,10Lの左右のアサリ幅A2の方が大きく設けてある。

0032

すなわち、歯高の異なる複数の鋸歯群において、歯高の高い鋸歯群のアサリ幅A1よりも、歯高の低い鋸歯群のアサリ幅A2の方を大きく設けてある。言い換えれば、鋸刃背面5に近い仮想曲線L2に歯先端が一致する歯群ほどアサリ幅を大きく設けてあるものである。

0033

具体的には、鋸刃背面5の波または複数の仮想曲線L1,L2の振幅が0.1〜3.0mmで、仮想曲線L1と仮想曲線L2との間の距離は0.05mm以上であることが好ましい。なお、図1においては、仮想曲線L1,L2と複数の鋸歯群との間に規則的な関連性を設けていないが、例えば、仮想曲線の頂部に直歯2Sが一致するような規則的な関連性を設けても良いものである。また、前述したごとくアサリの振出しを左右に行なった左右アサリ歯4R,6L,8R,10Lとしたが、この左右アサリ歯の代りにバチ型アサリ歯としても良いものである。

0034

上記構成により、帯鋸刃1によって大径材である被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面5が帯鋸刃1のバックアップガイドに沿って揺動するために、大径材であっても切削長が短くなる。更に、鋸刃背面5に近い仮想曲線L2に歯先端がほぼ一致する歯群4R,10Lほどアサリ幅A2が広くなるように構成してあるので、切り屑の細分化が行なわれることになるものである。

0035

すなわち、難削材である大径材であっても、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減され、騒音が抑制されると共に、切曲りを生じ難く切削することができるものである。

0036

次に、上述した帯鋸刃1にて切削した試験結果の一例を下記に示す。

0037

図2を参照するに、難削材であるSUS304の直径100mmの中実材を被切断材として試験を行なった。なお、この試験に用いられた帯鋸刃は、帯鋸刃Aは、帯幅一定で波形状なし、また鋸歯の先端の高低差がなく、かつ左右のアサリ幅が一定の一般的な従来の帯鋸刃、帯鋸刃Bは米国特許4195543号に示されている帯鋸刃と同構成の帯鋸刃、帯鋸刃Cは米国特許4813324号に示されている帯鋸刃と同構成の帯鋸刃、帯鋸刃Dは米国特許5094135号に示されている帯鋸刃と同構成の帯鋸刃、帯鋸刃Eは本発明の図1に示された構成と同一構成の帯鋸刃である。また、この試験においては、帯鋸盤、鋸歯の歯材、鋸歯の歯材硬度切断速度切削率切削油等の試験環境および試験条件は出来る限り統一して行なった。

0038

その結果は、図2に示されているように、5種類の帯鋸刃A,B,C,D,Eによって切断できた被切断材の切削断面積棒グラフで示すごとく、5種類の帯鋸刃のいずれにも大差がないことが言える。この理由としては、被切断材が直径100mmの比較的小径材であったために、切削抵抗が比較的小さく、切削抵抗を小さくする目的で作られた帯鋸刃B,C,D,Eの特徴が現れ難かったものと考えられる。

0039

次に、図3を参照するに、この実験結果は、難削材であるSUS304の直径400mmの中実材を被切断材として試験を行なった。この試験に用いられた帯鋸刃、試験環境および試験条件等は図2に示した試験のときと同様である。結果は図3に示されているように、5種類の帯鋸刃A,B,C,D,Eによって切断できた被切断材の断面積を棒グラフで示す。この結果から判るように5種類の帯鋸刃A,B,C,D,Eで顕著な差が見られる。特に本発明の帯鋸刃Eは従来の帯鋸刃Aに比べて4倍以上も良好であり、予測を超えたものとも云える結果が得られた。

0040

次に、図4には前述した図2図3の結果を一覧表にして、5種類の帯鋸刃A,B,C,D,Eに関して、比較的大径材である直径400mmと比較的小径材である直径100mmの被切断材を切断できた断面積の割合を表したものである。図4から判るように本発明の帯鋸刃Eは小径材を切断できた断面積の74.2%に達しており、従来の帯鋸刃Aの場合の17.2%に比べて飛躍的に向上しており、2番目に良好であった帯鋸刃Dの場合の56.5%に比べてもかなり改善されていることが判る。

0041

上記効果を考察するに、鋸刃Eの構成は、鋸刃背面5に波状のうねりを備えた構成であるから、被切断材の切削時に、帯鋸盤における左右の鋸刃ガイドのバックアップガイドに鋸刃背面5が案内されるとき帯鋸刃1に左右の鋸刃ガイドと鋸刃背面の波状のうねりとの関係で決定される揺動が生じることになり、被切断材が大径材であっても切削長が短くなる効果がある。また鋸歯側にも波状のうねりを備えた構成であるから、被切断材に切込みを行うとき、振動切削的効果を生じているものと考えられる。さらに、歯高の低い鋸歯のアサリ幅を大きく形成してあるので、切り屑の細分化が行われて、各鋸歯に生じる負荷が軽減される。以上のような効果が同時に生じる相乗効果によって、直径の大きな被切断材に対しても比較的大きな切込みが行われることとなり、加工硬化層を擦ることなく、加工硬化層以上の深い切込みが行われて切削が行われるものと推考される。

0042

すなわち、帯鋸刃1の鋸刃背面5及び鋸歯側の両方に波状のうねりを形成すると共に歯高の低い鋸刃のアサリ幅を大きくしたことによる3要素の相乗効果によって、前述のごとき良好な切削が行われ、特異の効果を奏するものである。

0043

ところで、帯鋸刃1の鋸刃背面5に波状のうねりを形成したことにより帯鋸刃1の揺動を効果的に行うには、左右の鋸刃ガイドのバックアップガイドの間隔をWとし、鋸刃背面5の波状のうねりの周期をPとすると、W=np/2(nは正の奇数)の関係にすると、より効果的である。

0044

次に、図5を参照するに、この発明の実施の形態の例として第2の実施例を示す。

0045

帯鋸刃1は、胴部3の鋸刃背面5の反対側に多数の鋸歯を備えてなるものである。より詳細には、帯鋸刃1は周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面5を備え、鋸刃背面5の反対側に並行する第1の仮想直線L3に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯2S,6L,8Rの群を備えてなると共に、第1の仮想直線L3に並行する第2の仮想直線L4に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯4R,10Lの群を備えている。換言すれば、前記各鋸歯2S,6L,8Rの歯先端を直線で結ぶと、第1の仮想直線L3が得られるものであり、また、各鋸歯4R,10Lの歯先端を直線で結ぶと、第1の仮想直線L3に並行する第2の仮想直線L4が得られるものである。

0046

前記第1の仮想直線L3は外側に位置し、第2の仮想直線L4は内側に位置するので、第1の仮想直線L3に歯先端が一致する複数の鋸歯群2S,6L,8Rは歯高の高い鋸歯群であり、第2の仮想直線L4に歯先端が一致する複数の鋸歯群4R,10Lは歯高の低い鋸歯群である。なお、本実施の形態の例では、仮想直線L3,L4は2本であるが、例えば歯高の高さが中間の鋸歯を設けた場合には、仮想直線は3本になるものである。すなわち、歯高の高さが種々異なる鋸歯群を複数具備する場合には、仮想直線の本数は種々の高さの鋸歯群の数に応じた複数本となるものである。

0047

前記帯鋸刃1において、鋸歯2Sは左右のアサリ振出しを行なわない直歯であり、鋸歯4R,8Rは右アサリ振出しを行なった右アサリ歯、鋸歯6L,10Lは左アサリ振出しを行なった左アサリ歯である。図5より明らかなように、第1の仮想直線L3に歯先端が一致する左右のアサリ歯6L,8Rの左右のアサリ幅A1よりも、第2の仮想直線L4に歯先端が一致する左右のアサリ歯4R,10Lの左右のアサリ幅A2の方が大きく設けてある。

0048

すなわち、歯高の異なる複数の鋸歯群において、歯高の高い鋸歯群のアサリ幅A1よりも、歯高の低い鋸歯群のアサリ幅A2の方を大きく設けてある。言い換えれば、鋸刃背面5に近い仮想直線L4に歯先端が一致する歯群ほどアサリ幅を大きく設けてあるものである。具体的には、鋸刃背面5の波の振幅が0.1〜3.0mmで、仮想直線L3と仮想直線L4間の距離は0.05mm以上であることが好ましい。

0049

また、前述したアサリの振出しを左右に行なった左右アサリ歯4R,6L,8R,10Lとしたが、この左右アサリ歯の代りにバチ型アサリ歯としても良いものである。

0050

上記構成により、帯鋸刃1によって大径材である被切断材の切削を行なうと、前述した第1の実施の形態の例とほぼ同様に、帯鋸刃1の周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面5が帯鋸刃1のバックアップガイドに沿って揺動する。このため、大径材であっても切削長が短くなり、更に、鋸刃背面5に近い仮想直線L4に歯先端がほぼ一致する歯群4R,10Lほどアサリ幅A2が広くなるよう構成してあるので切り屑の細分化が行なわれることになるものである。

0051

すなわち、難削材である大径材であっても、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減され、騒音が抑制されると共に切曲りを生じ難く切削することができるものである。

0052

次に、図6を参照するに、図6には第3の実施の形態の例が示されていて、帯鋸刃1は胴部3の鋸刃背面5の反対側に多数の鋸歯を備えてなるものである。より詳細には、帯鋸刃1は周期的あるいは不規則に変化する複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃背面5を備え、波5Aは小波であり、波5Bは大波となっていて、波5Bのうねりに波5Aは沿って形成されている。この波5Aに並行する第1の仮想曲線L5に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯2S,6L,8Rの群を備えてなると共に、第1の仮想曲線L5に並行する第2の仮想曲線L6に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯4R,10Lの群を備えている。

0053

換言すれば、前記各鋸歯2S,6L,8Rの歯先端を滑らかな曲線で結ぶと、波5Aの鋸刃背面5の反対側に並行する第1の仮想曲線L5が得られるものであり、また、各鋸歯4R,10Lの歯先端を滑らかな曲線で結ぶと、第1の仮想曲線L5に並行する第2の仮想曲線L6が得られるものである。

0054

前記第1の仮想曲線L5は外側に位置し、第2の仮想曲線L6は内側に位置するので、第1の仮想曲線L5に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群2S,6L,8Rは歯高の高い鋸歯群であり、第2の仮想曲線L6に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群4R,10Lは歯高の低い鋸歯群である。

0055

なお、仮想曲線はL5,L6の2本を採用したが、例えば、図示を省略したが歯高の高さが中間の鋸歯を設けた場合には、仮想曲線は3本となる。すなわち、歯高の高さが種々異なる鋸歯群を複数具備する場合には、仮想曲線の本数は種々の高さの鋸歯群の数に応じた複数本となるものである。

0056

前記帯鋸刃1において、鋸歯2Sは左右のアサリ振出しを行なわない直歯であり、鋸歯4R,8Rは右アサリ振出しを行なった右アサリ歯、鋸歯6L,10Lは左アサリ振出しを行なった左アサリ歯である。図6により明らかなように、第1の仮想曲線L5に歯先端が一致する左右のアサリ歯6L,8Rの左右のアサリ幅A1よりも、第2の仮想曲線L6に歯先端が一致する左右のアサリ歯4R,10Lの左右のアサリ幅A2の方が大きく設けてある。

0057

すなわち、歯高の異なる複数の鋸歯群において、歯高の高い鋸歯群のアサリ幅A1よりも、歯高の低い鋸歯群のアサリ幅A2の方を大きく設けてある。言い換えれば、鋸刃背面5に近い仮想曲線L6に歯先端が一致する歯群ほどアサリ幅を大きく設けてあるものである。

0058

具体的には、鋸刃背面5の波5A,5Bまたは複数の仮想曲線L5,L6の振幅が0.1〜3.0mmで、仮想曲線L5と仮想曲線L6との間の距離は0.05mm以上であることが好ましい。なお、図6においては、仮想曲線L5,L6と複数の鋸歯群との間に規則的な関連性を設けてないが、例えば、仮想曲線L5の頂部に直歯2Sがほぼ一致するような規則的な関連性を設けても良いものである。また、前述したごとくアサリの振出しを左右に行なった左右アサリ歯4R,6L,8R,10Lとしたが、この左右アサリ歯の代りにバチ型アサリ歯としても良いものである。

0059

上記構成により、帯鋸刃1によって大径材である被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規則に変化する複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃背面5が帯鋸刃1のバックアップガイドに沿って揺動するために、大径材であっても切削長が短くなる。更に、鋸刃背面5に近い仮想曲線L6に歯先端がほぼ一致する歯群4R,10Lほどアサリ幅A2が大きくなるように構成してあるので、切り屑の細分化が行なわれることになるものである。

0060

すなわち、難削材である大径材であっても、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減され、帯鋸刃1の共振による騒音の増大をより効果的に抑制されると共に、切曲りを生じ難く切削することができる。

0061

次に、図7を参照するに、この発明の実施の形態の例として第4の実施の形態の例が示されていて、帯鋸刃1は胴部3の鋸刃背面5の反対側に多数の鋸歯を備えてなるものである。より詳細には、帯鋸刃1は周期的あるいは不規則に変化する複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃背面5を備え、波5Aは小波であり、波5Bは大波となっていて、波5Bのうねりに波5Aは沿って形成されている。この波5Bに並行する第1の仮想曲線L1に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯2S,6L,8Rの群を備えてなると共に、第1の仮想曲線L1に並行する第2の仮想曲線L2に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯4R,10Lの群を備えている。

0062

換言すれば、前記各鋸歯2S,6L,8Rの歯先端を滑らかな曲線で結ぶと、波5Bの鋸刃背面5の反対側に並行する第1の仮想曲線L1が得られるものであり、また、各鋸歯4R,10Lの歯先端を滑らかな曲線で結ぶと、第1の仮想曲線L1に並行する第2の仮想曲線L2が得られるものである。

0063

前記第1の仮想曲線L1は外側に位置し、第2の仮想曲線L2は内側に位置するので、第1の仮想曲線L1に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群2S,6L,8Rは歯高の高い鋸歯群で、第2の仮想曲線L2に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群4R,10Lは歯高の低い鋸歯群である。

0064

なお、仮想曲線はL1,L2の2本を採用したが、例えば、図示を省略したが歯高の高さが中間の鋸歯を設けた場合には、仮想曲線は3本となる。すなわち、歯高の高さが種々異なる鋸歯群を複数具備する場合には、仮想曲線の本数は種々の高さの鋸歯群の数に応じた複数本となるものである。

0065

前記帯鋸刃1において、鋸歯2Sは左右のアサリ振出しを行なわない直歯であり、鋸歯4R,8Rは右アサリ振出しを行なった右アサリ歯、鋸歯6L,10Lは左アサリ振出しを行なった左アサリ歯である。図7より明らかなように、第1の仮想曲線L1に歯先端がほぼ一致する左右のアサリ歯6L,8Rの左右のアサリ幅A1よりも、第2の仮想曲線L2の歯先端がほぼ一致する左右のアサリ歯4R,10Lの左右のアサリ幅A2の方が大きく設けてある。

0066

すなわち、歯高の異なる複数の鋸歯群において、歯高の高い鋸歯群のアサリ幅A1よりも、歯高の低い鋸歯群のアサリ幅A2の方を大きく設けてある。言い換えれば、鋸刃背面5に近い仮想曲線L2に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅を大きく設けてあるものである。

0067

具体的には、鋸刃背面5の波5A,5Bまたは複数の仮想曲線L1,L2の振幅が0.1〜3.0mmで、仮想曲線L1と仮想曲線L2との間の距離は0.05mm以上であることが好ましい。なお、図7においては、仮想曲線L1,L2と複数の鋸歯群との間に規則的な関連性を設けてないが、例えば、仮想曲線L1の頂部に直歯2Sがほぼ一致するような規則的な関連性を設けても良いものである。また、前述したごとくアサリ振出しを左右に行なった左右アサリ歯4R,6L,8R,10Lとしたが、この左右アサリ歯の代りにバチ型アサリ歯としても良いものである。

0068

上記構成により、帯鋸刃1によって大径材である被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規則に変化する複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃背面5が帯鋸刃1のバックアップガイドに沿って揺動するために、大径材であっても切削長が短くなる。更に、鋸刃背面5に近い仮想曲線L2に歯先端がほぼ一致する歯群4R,10Lほどアサリ幅A2が大きくなるように構成してあるので、切り屑の細分化が行なわれることになるものである。

0069

すなわち、難削材である大径材であっても、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減され、帯鋸刃1の共振による騒音の増大をより効果的に抑制されると共に、切曲りを生じ難く切削することができる。

0070

次に、図8を参照するに、この発明の実施の形態の例として第5の実施の形態の例が示されていて、帯鋸刃1は胴部3の鋸刃背面5の反対側に多数の鋸歯を備えてなるものである。より詳細には、帯鋸刃1は周期的あるいは不規則に変化する複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃背面5を備え、波5Aは小波であり、波5Bは大波となっていて、波5Bのうねりに波5Aは沿って形成されている。

0071

前記鋸刃背面5の反対側に並行する第1の仮想直線L3に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯2S,6L,8Rの群を備えてなると共に、第1の仮想直線L3に並行する第2の仮想直線L4に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯4R,10Lの群を備えている。換言すれば、前記各鋸歯2S,6L,8Rの歯先端を直線で結ぶと、第1の仮想直線L3が得られるものであり、また、各鋸歯4R,10Lの歯先端を直線で結ぶと、第1の仮想直線L3に並行する第2の仮想直線L4が得られるものである。

0072

前記第1の仮想直線L3は外側に位置し、第2の仮想直線L4は内側に位置するので、第1の仮想直線L3に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群2S,6L,8Rは歯高の高い鋸歯群であり、第2の仮想直線L4に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群4R,10Lは歯高の低い鋸歯群である。なお、本実施の形態の例では、仮想直線L3,L4は2本であるが、例えば歯高の高さが中間の鋸歯を設けた場合には、仮想直線は3本になるものである。すなわち、歯高の高さが種々異なる鋸歯群を複数具備する場合には、仮想直線の本数は種々の高さと鋸歯群の数に応じた複数本となるものである。

0073

前記帯鋸刃1において、鋸歯2Sは左右のアサリ振出しを行なわない直歯であり、鋸歯4R,8Rは右アサリ振出しを行なった右アサリ歯、鋸歯6L,10Lは左アサリ振出しを行なった左アサリ歯である。図8より明らかなように、第1の仮想直線L3に歯先端がほぼ一致する左右のアサリ歯6L,8Rの左右のアサリ幅A1よりも、第2の仮想直線L4に歯先端がほぼ一致する左右のアサリ歯4R,10Lの左右のアサリ幅A2の方が大きく設けてある。

0074

すなわち、歯高の異なる複数の鋸歯群において、歯高の高い鋸歯群のアサリ幅A1よりも、歯高の低い鋸歯群のアサリ幅A2の方をより大きく設けてある。言い換えれば、鋸刃背面5に近い仮想直線L4に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅を大きく設けてあるものである。具体的には、鋸刃背面5の波5A,5Bの振幅が0.1〜3.0mmで、仮想直線L3と仮想直線L4間の距離は0.05mm以上であることが好ましい。

0075

また、前述したアサリの振出しを左右に行なった左右アサリ歯4R,6L,8R,10Lとしたが、この左右アサリ歯の代りにバチ型アサリ歯としても良いものである。

0076

上記構成により、帯鋸刃1によって大径材である被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規則に変化する複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃背面5が帯鋸刃1のバックアップガイドに沿って揺動するために、大径材であっても切削長が短くなる。更に鋸刃背面5に近い仮想直線L4に歯先端がほぼ一致する歯群4R,10Lほどアサリ幅A2が大きくなるように構成してあるので、切り屑の細分化が行なわれることになるものである。

0077

すなわち、難削材である大径材であっても、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減され、帯鋸刃1の共振による騒音の増大をより効果的に抑制されると共に、切曲りを生じ難く切削することができる。

0078

なお、この発明は前述した発明の実施の形態の例に限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。すなわち、例えば鋸刃背面5の波形状と鋸歯側の波形状との位相を適宜にずらしても良く、また、上記両方の波形状の周期、振幅等を異にしても良いものである。

0079

すなわち、図9に示すように、帯鋸刃1において、周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面5の反対側に、上記鋸刃背面5とは相関性または同期性を持たずに、互いに並行して設けた複数の仮想曲線L1,L2に歯先端がほぼ一致する複数の歯群2S,4R,6L,8R,10Lを設けた構成としても良いものである。

0080

図9に示した帯鋸刃1の構成は、波状の鋸刃背面5と複数の仮想曲線L1,L2とが相関性または同期性を持たないだけで、その他の構成は前述した帯鋸刃の構成と同一であるから、より詳細な説明は省略する。なお、上記においても前述した帯鋸刃と同様の効果を奏し得るものである。

0081

図10は、図5に示した帯鋸刃1の変形例を示し、帯鋸刃1における鋸刃背面5を台形状の凹凸が繰り返す構成となし、かつ図5に示した左右のアサリ歯4R,6L,8R,10Lの高低を逆にしたものであり、その他の構成は前述した帯鋸刃と同様である。

0082

すなわち、図10においては、帯鋸刃1における鋸刃背面5の波形状は種々の形状が可能であることを例示するものである。既に理解されるように、鋸刃背面5は波状すなわち凹部と凸部とが交互に繰り返される構成であれば良く、例えば、直線状の部分に三ケ月状などのごとき凸部又は凹部を適宜間隔に設ける構成とすることも可能なものであり、このように構成することによっても前述とほぼ同様の効果を奏し得るものである。

0083

図11は、図5に示した帯鋸刃1のさらに別の変形例を示すものである。この図11の構成においては、歯高寸法の大きな直歯4Sの前後に歯高寸法の大きな左右のアサリ歯2L,6Rを配置し、その他の左右のアサリ歯8L,12Rの歯高寸法を小さくし、その間に歯高寸法の小さな直歯10Sを配置した構成である。

0084

すなわち図11の構成は、歯高寸法の大きな直歯4S,歯高寸法の小さい直歯10Sの前後にそれぞれ同一歯高寸法の左右のアサリ歯2L,6R,8L,12Rを配置し、かつ左右の各アサリ歯の左右方向のアサリ幅をほぼ等しく設けたものである。

0085

この図11に示す構成においては、歯高寸法の大きな鋸歯群2L,4S,6Rと歯高寸法の小さな鋸歯群8L,10S,12Rとが交互に繰り返して配置してあることにより、鋸歯側において全体として凹凸を繰り返す態様となり、歯高寸法の大きな鋸歯群2L,4S,6Rがワークの切削に比較的強く作用し、難削材の切削においては加工硬化層の下を削り取ることとなり切削性能向上が図られる。

0086

この場合、鋸歯側が全体として凹凸を繰り返すことと、背面が波状であることとが相俟って、加工硬化層の下を削り取る効果と切削長を短くする効果とを奏し、ワークが大径材の場合であっても小径材の切削時とほぼ同様に切削し得るものであり、前述した帯鋸刃と同様の効果を奏し得るものである。

0087

なお、本例において鋸刃側を適宜の波状に形成しても良いことは言うまでもないことである。この場合には、前述した効果を奏することは勿論のこと振動切削的効果をも奏し得るものである。

0088

図12は歯高寸法の大きな直歯2Sと歯高寸法の小さなバチ型アサリ歯4Bとを交互に配置し、かつ仮想曲線L1,L2に沿う構成として帯鋸刃1の背面5側および鋸歯側とを共に波状にした構成の帯鋸刃を示すものである。この構成においても前述した帯鋸刃とほぼ同様の効果を奏し得るものである。

0089

また、上記構成においては、バチ型アサリ歯としたことにより、切断面のユーレイ模様が非常に小さくなり、切断面が綺麗であるという更なる効果がある。

0090

図13は、直歯2Sのみを歯高寸法の大きな鋸歯となし、左右のアサリ歯4R,6Lを歯高寸法の小さな鋸歯とし、かつ仮想曲線L1,L2に沿う構成として帯鋸刃1の背面5および鋸歯側を共に波状に構成した帯鋸刃を示すものである。この構成においても前述した帯鋸刃と同様の効果を奏し得るものである。

0091

以上のごとき説明より理解されるように、本発明の帯鋸刃は、波状の鋸刃背面を備えてなり、かつ、鋸歯の歯高が異なる態様であれば、基本的な効果としてはほぼ同様であるものである。具体的に波状の鋸刃背面とは、周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面としてもよく、周期的あるいは不規則に変化する複数の波が重なった形状の鋸刃背面としてもよく、あるいは、凹部と凸部とが交互に繰り返される形状の鋸刃背面等としてもよく、更にはこれらを組み合わせた形状の鋸刃背面としてもよいものである。また、具体的に鋸歯の歯高が異なる態様とは、鋸刃背面に並行する複数の仮想曲線または複数の仮想直線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなるものでもよく、鋸刃背面の反対側に鋸刃背面とは相関性または同期性を持たずに、互に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなるものでもよく、鋸歯に関しては、直歯、アサリ歯、バチ型アサリ歯等を様々に組み合わせて実施可能なものであり、その他適宜変更、組合わせて実施可能なものである。

発明の効果

0092

以上のごとき実施の形態の例より理解されるように、請求項1乃至4によるこの発明によれば、帯鋸刃によって被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面がバックアップガイドに沿って揺動するために、大径材であっても切削長が短くなる。更に、鋸刃背面に近い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅が大きくなるように構成してあるので、切り屑の細分化が行なわれるものである。

0093

更に鋸刃背面と鋸歯側の両方にうねりを形成した態様に関しては被切断材に切込みを行うとき、振動切削的効果を生じているものと考えられ、3要素の相乗効果により、更なる効果が得られるものである。

0094

すなわち、難削材である大径材であっても、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減され、騒音が抑制されると共に、切曲りを生じ難く切削することができるものである。言い換えれば大径材であっても、小径材であっても、同程度の帯鋸刃寿命となるので、切断面積より帯鋸刃寿命予測が容易になり、従来の帯鋸刃に比べて切断管理および切断計画が容易に実施できるものである。また、大径材の切断に関しては、従来の帯鋸刃より飛躍的に帯鋸刃寿命が向上しているので、従来よりも更に経済的な効果が得られるものである。

0095

また、左右アサリ歯をバチ型アサリ歯とした構成においては、切断面のユーレイ模様が非常に小さくなり、切断面が綺麗であるという更なる効果がある。

0096

また、請求項5乃至8によるこの発明によれば、帯鋸刃によって被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規則に変化する複数の波が重なった形状の鋸刃背面がバックアップガイドに沿って揺動するために、大径材であっても切削長が短くなる。更に、鋸刃背面に近い仮想曲線または仮想直線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅が大きくなるように構成してあるので、切り屑の細分化が行なわれるものである。

0097

すなわち、難削材である大径材であっても、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切り屑に細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減され、複数の波が重なった形状の鋸刃背面としたことにより、帯鋸刃の共振による騒音の増大をより効果的に抑制することができる。なお更に、切曲りを生じ難く切削することができるものである。

0098

言い換えれば、大径材であっても、小径材であっても、同程度の鋸刃寿命となるので、切断面積より鋸刃寿命予測が容易になり、従来の帯鋸刃に比べて切断管理および切断計画が容易に実施できるものである。また、大径材の切断に関しては、従来の帯鋸刃より飛躍的に帯鋸刃寿命が向上しているので、従来よりも更に経済的な効果が得られるものである。

0099

請求項9乃至12に係る発明は、周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面を備え、鋸刃背面の反対側に、鋸刃背面とは相関性または同期性を持たずに互に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなるものであるから、鋸刃背面の波と歯先側の波との同期性がなくなり、帯鋸刃の共振による騒音の増大をより効果的に抑制することができる。なお更に、切曲りを生じ難く切削することができるものである。

0100

言い換えれば、大径材であっても、小径材であっても、同程度の鋸刃寿命となるので、切断面積より鋸刃寿命予測が容易になり、従来の帯鋸刃に比べて切断管理および切断計画が容易に実施できるものである。また、大径材の切断に関しては、従来の帯鋸刃より飛躍的に帯鋸刃寿命が向上しているので、従来よりも更に経済的な効果が得られるものである。

図面の簡単な説明

0101

図1この発明の主要部である帯鋸刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
図2実験結果を示し、各種帯鋸刃を用いて小径材を切削時の切削断面積を表した棒グラフである。
図3実験結果を示し、各種帯鋸刃を用いて大径材を切削時の切削断面積を表した棒グラフである。
図4実験結果を示し、各種帯鋸刃を用いて小径材と大径材を切削時の切削断面積の割合を表した一覧表である。
図5この発明の第2の実施の形態の例である帯鋸刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
図6この発明の第3の実施の形態の例である帯鋸刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
図7この発明の第4の実施の形態の例である帯鋸刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
図8この発明の第5の実施の形態の例である帯鋸刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
図9この発明の第6の実施の形態の例である帯鋸刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
図10この発明の第7の実施の形態の例である帯鋸刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
図11この発明の第8の実施の形態の例である帯鋸刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
図12この発明の第9の実施の形態の例である帯鋸刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
図13この発明の第10の実施の形態の例である帯鋸刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。

--

0102

1帯鋸刃
3胴部
5鋸刃背面
5A,5B 波
L1 第1の仮想曲線
L2 第2の仮想曲線
L3 第1の仮想直線
L4 第2の仮想直線
L5 第1の仮想曲線
L6 第2の仮想曲線
2S,4R,6L,8R,10L,2L,4S,6R,8L,10S,12R,4B鋸歯
A1,A2アサリ幅

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