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技術 表面被覆超硬合金製スローアウェイインサート

出願人 三菱日立ツール株式会社オーツェーエルリコンバルツェルスアクチェンゲゼルシャフト
発明者 久保田和幸島順彦
出願日 1996年5月21日 (24年2ヶ月経過) 出願番号 1996-150099
公開日 1997年11月25日 (22年8ヶ月経過) 公開番号 1997-300105
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着 バイト、中ぐり工具、ホルダ及びタレット
主要キーワード インサート先端 拡散エネルギー 高温物性 フライス切削 高硬度鋼 切削温度 特定元素 切削距離
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この項目の情報は公開日時点(1997年11月25日)のものです。
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目的

高硬度鋼材を十分な工具寿命切削加工を行うため、皮膜耐酸化性耐剥離性に着目し優れた工具寿命を有するスローアウェイインサートを提供することを目的とする。

構成

Ti、Al及びAlの一部をAlに対して0.03原子%以上30.0原子%以下の範囲でCr、Ce、Mo、Ndのうち1種もしくは、2種以上に置き換え、その皮膜のX線回折における(111)面の回折強度をIa(111)、(220)面の回折強度をIb(220)とした時にIb(220)/Ia(111)の値が1.0<Ib/Ia≦5.0の範囲で構成する。

概要

背景

Ti及びAlを主成分とした硬質皮膜超硬合金の表面に被覆させることに関しては、特公平4ー53642号など、従来のTiの窒化物炭窒化物、及び炭化物に対して、Alを添加することにより、その効果を確認した事例は数多くある。しかしながら、これらの確認事例は、従来の皮膜組成にAlを添加することによる耐酸化性が向上するといった硬質皮膜そのものの改善が行われたにすぎない。従って、表面被覆超硬合金製スローアウェイインサートにおいて、十分に皮膜密着性が得られていないのが現状である。特に最近においては、熱処理後の高硬度鋼材を加工する傾向にあり、この様な鋼材を従来のTi及びAlを主成分とした表面被覆超硬合金製スローアウェイインサートを用いて加工した場合、耐酸化性が不十分になること、また、切削応力が高く容易に皮膜剥離が生じてしまい、十分な工具寿命が得られない。

概要

高硬度鋼材を十分な工具寿命で切削加工を行うため、皮膜の耐酸化性、耐剥離性に着目し優れた工具寿命を有するスローアウェイインサートを提供することを目的とする。

Ti、Al及びAlの一部をAlに対して0.03原子%以上30.0原子%以下の範囲でCr、Ce、Mo、Ndのうち1種もしくは、2種以上に置き換え、その皮膜のX線回折における(111)面の回折強度をIa(111)、(220)面の回折強度をIb(220)とした時にIb(220)/Ia(111)の値が1.0<Ib/Ia≦5.0の範囲で構成する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

TiとAlの複合窒化物炭窒化物炭化物被覆したスローアウェイインサートにおいて、Alの一部をAlに対して0.03原子%以上30.0原子%以下の範囲でCr、Ce、Mo、Ndのうち1種もしくは、2種以上に置き換え、その皮膜X線回折における(111)面の回折強度をIa(111)、(220)面の回折強度をIb(220)とした時にIb(220)/Ia(111)の値が1.0<Ib/Ia≦5.0の範囲としたことを特徴とする表面被覆超硬合金製スローアウェイインサート。

請求項2

請求項1記載の表面被覆超硬合金製スローアウェイインサートにおいて、その皮膜のX線回折における(111)面の回折強度をIa(111)、(200)面の回折強度をIc(200)とした時にIc(200)/Ia(111)の値が2.0≦Ic/Ia≦40.0、且つ、Ib/Ia<Ic/Iaの範囲としたことを特徴とする表面被覆超硬合金製スローアウェイインサート。

技術分野

0001

本発明は、耐欠損性耐剥離性の極めて優れる表面被覆超硬合金スローアウェイインサートに関するものである。

背景技術

0002

Ti及びAlを主成分とした硬質皮膜を超硬合金の表面に被覆させることに関しては、特公平4ー53642号など、従来のTiの窒化物炭窒化物、及び炭化物に対して、Alを添加することにより、その効果を確認した事例は数多くある。しかしながら、これらの確認事例は、従来の皮膜組成にAlを添加することによる耐酸化性が向上するといった硬質皮膜そのものの改善が行われたにすぎない。従って、表面被覆超硬合金製スローアウェイインサートにおいて、十分に皮膜密着性が得られていないのが現状である。特に最近においては、熱処理後の高硬度鋼材を加工する傾向にあり、この様な鋼材を従来のTi及びAlを主成分とした表面被覆超硬合金製スローアウェイインサートを用いて加工した場合、耐酸化性が不十分になること、また、切削応力が高く容易に皮膜剥離が生じてしまい、十分な工具寿命が得られない。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明者らは、表面被覆超硬合金製スローアウェイインサートにおける耐酸化性、及び耐剥離性を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、次の知見を得た。最近の高硬度鋼材をスローアウェイインサートを用いて切削加工をした場合、インサート先端部分は、700℃〜800℃の高温にさらされる。従来のTi及びAlを主成分とした超硬合金製スローアウェイインサートに被覆した場合、鋼と皮膜との摩擦抵抗が大きく、切削加工中におけるインサート先端部分は、更に高温にさらされ、850℃〜900℃にまで達する。よって、この様な表面被覆超硬合金製スローアウェイインサートにおいては、皮膜自身の耐酸性限界を超えてしまい、例えば、TiO2等といった非常にポーラス酸化膜が形成される。また、この様な切削温度の場合、皮膜の酸化だけでは免れず、超硬合金基体にまで酸化が及んでしまう。その結果、皮膜、基体ともに脆弱なものとなり、欠損や剥離を生じ不十分な工具寿命となるのである。また、切削加工中、表面被覆スローアウェイインサートに付与される切削応力は、非常に高いために皮膜が剥離し、やはり不十分な工具寿命となるのである。上記のように、高硬度鋼材を十分な工具寿命で切削加工を行うためには、皮膜の耐酸化性、及び密着性を向上させることが工具寿命を著しく改善させるのである。

課題を解決するための手段

0004

そのため、本発明者らは、TiとAlの複合窒化物、炭窒化物、炭化物を被覆したスローアウェイインサートにおいて、Alの一部をAlに対して0.03原子%以上30.0原子%以下の範囲でCr、Ce、Mo、Ndのうち1種もしくは、2種以上に置き換え、その皮膜のX線回折における(111)面の回折強度をIa(111)、(220)面の回折強度をIb(220)とした時にIb(220)/Ia(111)の値が1.0<Ib/Ia≦5.0の範囲とすることにより、更にその皮膜のX線回折における(111)面の回折強度をIa(111)、(200)面の回折強度をIc(200)とした時にIc(200)/Ia(111)の値が2.0≦Ic/Ia≦40.0、且つ、Ib/Ia<Ic/Iaの範囲とすることにより耐酸化性及び超硬合金基体との密着性が向上することを見い出した。

0005

第1に、これらの成分の添加により粒界破壊は、著しく減少する。例えば、添加成分をXとした場合、皮膜が大気中の高温にさらされると従来のTiとAlを主成分とした皮膜の場合、TiO2と言ったような非常にポーラスな酸化膜が形成されてしまったが、添加成分Xを加えることにより、(Ti,X)O2といった緻密な酸化膜が形成され、外部の酸化が皮膜中拡散する量が著しく減少することを見い出した。この添加成分の添加量を限定した理由について述べる。添加成分Xがいずれのものであっても、Alに対し0.03原子%未満である場合、粒界破壊を減少させる効果は認められなかった。また、切削加工中に形成される酸化膜もTiO2及びXO2が主体の非常にポーラスな酸化膜を形成し、本発明者らが目的とする効果が認められなかった。また、添加成分XがAlに対し、30.0原子%より多く添加されると皮膜の残留圧縮応力が、−8.0〜−10.0GPaと非常に大きくなり、超硬合金基体との密着性が著しく劣化することを確認した。更に、本発明者らが発明した、TiとAl及びAlの一部をAlに対して、0.03原子%以上30.0原子%以上の範囲でCr、Ce、Mo、Ndのうち、1種もしくは2種以上に置き換えた。窒化物、炭窒化物及び炭化物の皮膜と比較して熱膨張率が、1.5倍以上になることが認められ、皮膜の高温物性を低下させるため、この範囲に限定したのである。

0006

本発明者らは、更に皮膜中に特定元素を分散させるとともに、皮膜のX線回折において皮膜の(111)、(200)、(220)面の回折強度Iが、I(111)<I(220)≦I(200)となることで、皮膜の耐酸化性及び皮膜と超硬合金基体との密着性が大幅に改善できることを見い出したのである。Ti、Al及びAlの一部を他元素にて置換した複合窒化物、炭窒化物、炭化物のうち、(111)面に強い配向を示す皮膜は、非常に微細柱状晶の構造をとる。また、皮膜内部の残留応力も非常に大きいため、粒界破壊を生じる。この様に微細な柱状晶を持つ皮膜は、その粒界に生じた微細なクラックに沿って酸素侵入する。切削加工中では工具自身が、850℃〜900℃もの高温にさらされるため皮膜内に浸入してきた酸素の拡散エネルギーが更に大きくなり、皮膜中の成分との酸化反応が促進され、ついには、超硬合金基体にまで酸化が及んでしまうのである。また、この様な皮膜は、被加工物との衝撃により皮膜中にクラックが伝播し易く、用意に欠損や剥離に至ってしまう。

0007

本発明者らは、第2に皮膜のX線回折における(111)面と(220)面の回折強度をそれぞれIa(111)、Ib(220)とした場合、Ib(220)/Ia(111)の値が、1.0<Ib(220)/Ia(111)≦5.0の範囲で皮膜の結晶粒径が大きくなることを見い出したのである。また、皮膜の結晶粒径が大きくなることで、粒界破壊が減少し、この現象が密着性及び耐酸化性に大きく影響を及ぼすことを見い出した。この数値を限定したのは、Ib/Ia≦1.0、Ib/Ia>5.0であると微細な粒界破壊を多く持つ(111)面に強く配向する皮膜となり、結晶状態に変化が見られず、残留応力が−6.0GPa〜−8.0GPaと非常に大きくなり、切削加工を行っても効果が見られなかったため上記範囲に限定した。

0008

第3に皮膜のX線回折における(111)面と(200)面の回折強度をそれぞれ、Ia(111)、Ic(200)とした場合、Ic(200)/Ia(111)の値が2.0≦Ic/Ia≦40.0の範囲で皮膜の粒界破壊の減少が認められ、前述同様大きな影響を及ぼすことを見い出した。この数値に限定したのは、前述同様Ic/Ia>2.0、Ic/Ia>40.0となる皮膜は、結晶に変化が見られないためである。更に、皮膜のX線強度について、Ib/Ia<Ic/Iaと限定した理由について述べる。Ia(111)、Ib(220)、Ic(200)とした場合、Ib/Ia>Ic/Iaとなると皮膜中の粒界破壊が増加し、微細な柱状晶となってしまい、目的とする効果が得られなくなるため、Ib/Ia>Ic/Iaとしたわけである。以下、実施例に基づいて詳細に説明する。

0009

実施例1
イオンプレーティング装置を用い、Ti、Al及び添加元素を表1に示すようにCr、Ce、Mo、Ndのうち1種もしくは2種以上添加して添加した複合窒化物、炭窒化物、及び炭化物を所定の試験片に3μmの厚さになるように被覆し、その試料を用いて大気中800℃で1時間保持し、形成された酸化層の厚さを測定した。その結果も表1に併記する。

0010

0011

表1より、Ti、Al及びAlの一部をAlに対して0.03原子%以上30.0原子%以下の範囲で、Cr、Ce、Mo、Ndのうち1種もしくは2種以上に置き換えた複合窒化物、炭窒化物、及び炭化物のうち、皮膜で、1.0<Ib/Ia≦5.0、2.0≦Ic/Ia≦40.0、及びIb/Ia<Ic/Iaとしたとき、酸化の進行状態は表面より1ミクロン未満しか進まなかったのに対し、比較品では1.5〜2.5ミクロン前後まで進行し耐酸化性に優れることが確認できた。

0012

実施例2
実施例1で使用した皮膜をSEE42TN(G9)型スローアウェイインサートに3μmの厚さになるよう被覆した。また、この時の比較のため本発明品を作成した装置を用いて、比較材も作成した。これらの試料を用いて正面フライス盤を用いてフライス切削を切削速度100m/min、1刃当たりの送り量0.1mm/刃、切り込み深さ2mm、被削材SKD61(HRC45)材、125mm巾、250mm長さを用い乾式で行い、作成した表面被覆超硬合金製スローアウェイインサートに剥離が発生するまでの切削可能距離を表1に併記する。

0013

表1より、本発明品の皮膜では、剥離が発生するまでの切削距離を従来品の5倍以上の距離にのばすことができたため、正常な摩耗で切削できるため膜本来の耐摩耗性が発揮されるため長寿命化を計ることができる。また、切削後のチップを実施例1と同様に観察したところ、初期に剥離を生じた従来品は酸化の進行も剥離部分はより深く進んでいるのに対し、本発明品は一様に進み安定した切削を行っていることが確認された。

発明の効果

0014

上記のごとく、本発明のスローアウェイインサートは、切削温度の上昇する高硬度鋼材の切削に用いても皮膜の酸化が小さく、また高硬度鋼ゆえに生じる喰い付き時の衝撃による皮膜の剥離に対しても十分な密着性を有しているため、著しく優れた工具寿命が得られる。

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