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技術 圧延機及び圧延方法並びに圧延機の制御方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 安田健一平間幸夫高倉芳生安成晋一藤井基維黒羽雅治梶原利幸西英俊
出願日 1996年4月25日 (24年7ヶ月経過) 出願番号 1996-104924
公開日 1997年11月4日 (23年1ヶ月経過) 公開番号 1997-285804
状態 特許登録済
技術分野 圧延機 圧延の制御
主要キーワード 形状修正装置 非対称制御 制御ピッチ ベアリング寿命 材料表 油圧発生器 力演算装置 水平方向のたわみ
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この項目の情報は公開日時点(1997年11月4日)のものです。
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図面 (10)

課題

誤った制御を行うことなく、水平たわみ制御の応答性を向上して、形状の優れた高品質板材を安定して圧延できる圧延機及び圧延方法並びに圧延機の制御方法を提供することにある。

解決手段

上下一対作業ロールを有する圧延機において、該上下作業ロール水平方向のたわみを検出するたわみ検出装置と、該たわみが目標値になるように該作業ロールの水平方向の曲げ力を制御する曲げ力制御装置と、該水平方向曲げ力が目標値になるように前記作業ロールの前後方オフセット位置を制御するオフセット制御装置を有する。

効果

誤った制御を行うことなく、水平たわみ制御の応答性を向上して、形状の優れた高品質板材を安定して圧延できる圧延機及び圧延方法並びに圧延機の制御方法を提供することができるという効果を奏する。

概要

背景

従来より、ステンレス鋼などの硬質材極薄材の圧延には、小径作業ロールが用いられてきた。作業ロール径が小さくなると当然曲げ剛性が小さくなり、特に水平面内でのたわみが問題となってくる。該水平たわみが大きくなると、板の形状(平坦度)が乱れ、従来の作業ロールベンダーなどの形状修正装置修正能力を超えてしまう。また、上下で逆方向にたわむと、上下の作業ロール中央部がお互いに離反する方向の力を受け、この力は加速度的に上下逆たわみを助長する。荷重を大きくした場合ロール折損する恐れもあるため、大きな荷重がかけられないという問題もあった。

このため、センジマーミルを初めとするクラスタータイプ多段圧延機や、特開昭60−18206 号に見られるような、作業ロール胴部を水平方向から支持ロールによりサポートする水平たわみ防止機構を有する圧延機が開発されてきた。しかし、これらの圧延機においては、ロール胴長方向に分割された支持ロールを用いているため、分割ロールによるマーク転写により材料表面性状が悪化するという問題点があった。

そして、材料表面性状悪化防止を図り、かつ小径の作業ロールが使用可能な圧延機としては、特開平5−50109 号に記載の次のような圧延機があげられる。

図2にその正面図を示す。2,2aは圧延材1を圧延する作業ロール、3,3aは中間ロール、4,4aは補強ロールである。作業ロール2,2aは最大板幅が通過する外側において、入出側に設置された水平支持ロール5,5a,6,6aにより支持されている。該水平支持ロールはそれぞれ7,7a,8,8aという支持ビームに取り付けられている。9,9aは作業ロールに加わる水平方向の力を測定する検出器、10,10aは作業ロール中心のミル中心に対する水平方向位置オフセット量)を調節するための位置調整装置、11,11aは押し付け用の油圧式の押し付けシリンダである。

図3に上作業ロール部を上から見た図を示す。作業ロールの水平たわみは検出器12により検出され、これが目標値(通常は0)となるよう、油圧シリンダである水平曲げシリンダ16,16b,17,17bにより作業ロールチョック13,13bに加えられる水平曲げ力が制御される。すなわち、水平たわみ検出器12から水平たわみ量δが計算機18に出力され、水平曲げ力Bが次式により計算される。

概要

誤った制御を行うことなく、水平たわみ制御の応答性を向上して、形状の優れた高品質板材を安定して圧延できる圧延機及び圧延方法並びに圧延機の制御方法を提供することにある。

上下一対の作業ロールを有する圧延機において、該上下作業ロール水平方向のたわみを検出するたわみ検出装置と、該たわみが目標値になるように該作業ロールの水平方向の曲げ力を制御する曲げ力制御装置と、該水平方向曲げ力が目標値になるように前記作業ロールの前後方オフセット位置を制御するオフセット制御装置を有する。

誤った制御を行うことなく、水平たわみ制御の応答性を向上して、形状の優れた高品質板材を安定して圧延できる圧延機及び圧延方法並びに圧延機の制御方法を提供することができるという効果を奏する。

目的

本発明の目的は、誤った制御を行うことなく、水平たわみ制御の応答性を向上して、形状の優れた高品質板材を安定して圧延できる圧延機及び圧延方法並びに圧延機の制御方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

上下一対作業ロールを有する圧延機において、該上下作業ロール水平方向のたわみを検出するたわみ検出装置と、該たわみが目標値になるように該作業ロールの水平方向の曲げ力を制御する曲げ力制御装置と、該水平方向曲げ力が目標値になるように前記作業ロールの前後方オフセット位置を制御するオフセット制御装置を有することを特徴とする圧延機。

請求項2

請求項1に記載の圧延機において、前記曲げ力制御装置が、該作業ロールの水平方向の曲げ力を検出する曲げ力検出装置と、該たわみが目標値になるような曲げ力を演算する曲げ力演算装置と、演算された目標となる曲げ力と検出された曲げ力とを比較する曲げ力比較装置と、比較された結果に基づき曲げ力を目標値になるように曲げ力を調整する曲げ力調整装置とを備えていることを特徴とする圧延機。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の圧延機において、該圧延機の少なくとも操作側駆動側の2箇所に前記たわみ検出装置を設け、且つ該たわみ検出器により検出される各々のたわみ検出値に基づいてそれぞれ個別に水平方向の曲げ力を制御する曲げ力制御装置を有することを特徴とする圧延機。

請求項4

請求項1又は請求項2に記載の圧延機において、該圧延機の少なくとも操作側と駆動側の2箇所に前記たわみ検出装置を設け、且つ該たわみ検出器により検出される各々のたわみ検出値の合計から総曲げ力を演算する総曲げ力演算装置と、総曲げ力が目標値になるように前記オフセット位置を制御するオフセット位置制御装置を有することを特徴とする圧延機。

請求項5

請求項1又は請求項2に記載の圧延機において、前記たわみ検出装置をロール軸方向に移動させるトラバース装置を設けることを特徴とする圧延機。

請求項6

上下一対の作業ロールを有する圧延機において、圧延中に上下作業ロールの水平方向のたわみを中央と操作側と駆動側との少なくとも3箇所で検出するたわみ検出装置と、該中央のたわみが目標値となるように該作業ロールの水平方向曲げ力を演算する曲げ力演算装置と、該水平曲げ力が目標値となるよう作業ロールの前後方向オフセット位置を制御する装置と、操作側と駆動側の検出器により検出されたたわみの差を演算するたわみ差演算装置と、該たわみ差から操作側と駆動側の曲げ力差を演算する曲げ力差演算装置と、該中央のたわみが目標値となるような水平曲げ力と該曲げ力差から、操作側と駆動側それぞれの曲げ力を演算して曲げ力を制御する曲げ力制御装置を有する圧延機。

請求項7

上下一対の作業ロールを有する圧延機の圧延方法において、該上下作業ロールの水平方向のたわみを検出する工程と、該たわみが目標値になるように該作業ロールの水平方向の曲げ力を制御する工程と、該水平方向曲げ力が目標値になるように前記作業ロールの前後方向オフセット位置を制御する工程とを有することを特徴とする圧延方法。

請求項8

請求項7に記載の圧延方法において、前記曲げ力を制御する工程は、該作業ロールの水平方向の曲げ力を検出する工程と、該たわみが目標値になるような曲げ力を演算する工程と、演算された目標となる曲げ力と検出された曲げ力とを比較する工程と、比較された結果に基づき曲げ力を目標値になるように曲げ力を調整する工程とを含むことを特徴とする圧延方法。

請求項9

請求項7又は請求項8に記載の圧延方法において、該圧延機の少なくとも操作側と駆動側の2箇所でたわみを検出し、且つ検出される各々のたわみ検出値に基づいてそれぞれ個別に水平方向の曲げ力を制御して圧延することを特徴とする圧延方法。

請求項10

請求項7又は請求項8に記載の圧延方法において、該圧延機の少なくとも操作側と駆動側の2箇所でたわみを検出し、且つ検出される各々のたわみ検出値の合計から総曲げ力を演算して、総曲げ力が目標値になるように前記オフセット位置を制御して圧延することを特徴とする圧延方法。

請求項11

上下一対の作業ロールを有する圧延機の圧延方法において、圧延中に上下作業ロールの水平方向のたわみを中央と操作側と駆動側との少なくとも3箇所で検出し、該中央のたわみが目標値となるように該作業ロールの水平方向曲げ力を演算して、該水平曲げ力が目標値となるよう作業ロールの前後方向オフセット位置を制御し、且つ操作側と駆動側との検出されたたわみの差を演算して、該たわみ差から操作側と駆動側の曲げ力差を演算し、該中央のたわみが目標値となるような水平曲げ力と該曲げ力差から操作側と駆動側それぞれの曲げ力を演算して曲げ力を制御して圧延することを特徴とする圧延方法。

請求項12

上下一対の作業ロールを有する圧延機の制御方法において、該上下作業ロールの水平方向のたわみを検出して、該たわみが目標値になるように該作業ロールの水平方向の曲げ力を制御すると共に、該水平方向曲げ力が目標値になるように前記作業ロールの前後方向オフセット位置を制御することを特徴とする圧延機の制御方法。

請求項13

請求項12に記載の圧延機の制御方法において、前記曲げ力を制御する際に、該作業ロールの水平方向の曲げ力を検出し、該たわみが目標値になるような曲げ力を演算して、演算された目標となる曲げ力と検出された曲げ力とを比較して、比較された結果に基づき曲げ力を目標値になるように曲げ力を調整することを特徴とする圧延機の制御方法。

請求項14

請求項12又は請求項13に記載の圧延機の制御方法において、該圧延機の少なくとも操作側と駆動側の2箇所でたわみを検出し、且つ検出される各々のたわみ検出値に基づいてそれぞれ個別に水平方向の曲げ力を制御することを特徴とする圧延機の制御方法。

請求項15

請求項12又は請求項13に記載の圧延機の制御方法において、該圧延機の少なくとも操作側と駆動側の2箇所でたわみを検出し、且つ検出される各々のたわみ検出値の合計から総曲げ力を演算して、総曲げ力が目標値になるように前記オフセット位置を制御して圧延することを特徴とする圧延機の制御方法。

請求項16

上下一対の作業ロールを有する圧延機の制御方法において、圧延中に上下作業ロールの水平方向のたわみを中央と操作側と駆動側との少なくとも3箇所で検出し、該中央のたわみが目標値となるように該作業ロールの水平方向曲げ力を演算して、該水平曲げ力が目標値となるよう作業ロールの前後方向オフセット位置を制御し、且つ操作側と駆動側との検出されたたわみの差を演算して、該たわみ差から操作側と駆動側の曲げ力差を演算し、該中央のたわみが目標値となるような水平曲げ力と該曲げ力差から操作側と駆動側それぞれの曲げ力を演算して曲げ力を制御することを特徴とする圧延機の制御方法。

請求項17

請求項16に記載の圧延機の制御方法において、前記オフセット位置の制御ピッチを、前記操作側と駆動側それぞれの曲げ力を演算して曲げ力を制御する制御ピッチより短くすることを特徴とする圧延機の制御方法。

技術分野

0001

本発明は、板用圧延機及び圧延方法並びに圧延機の制御方法係り、特に、硬質極薄材の圧延に好適な小径作業ロールを有する圧延機及び圧延方法並びに圧延機の制御方法に関する。

背景技術

0002

従来より、ステンレス鋼などの硬質材や極薄材の圧延には、小径の作業ロールが用いられてきた。作業ロール径が小さくなると当然曲げ剛性が小さくなり、特に水平面内でのたわみが問題となってくる。該水平たわみが大きくなると、板の形状(平坦度)が乱れ、従来の作業ロールベンダーなどの形状修正装置修正能力を超えてしまう。また、上下で逆方向にたわむと、上下の作業ロール中央部がお互いに離反する方向の力を受け、この力は加速度的に上下逆たわみを助長する。荷重を大きくした場合ロール折損する恐れもあるため、大きな荷重がかけられないという問題もあった。

0003

このため、センジマーミルを初めとするクラスタータイプ多段圧延機や、特開昭60−18206 号に見られるような、作業ロール胴部を水平方向から支持ロールによりサポートする水平たわみ防止機構を有する圧延機が開発されてきた。しかし、これらの圧延機においては、ロール胴長方向に分割された支持ロールを用いているため、分割ロールによるマーク転写により材料表面性状が悪化するという問題点があった。

0004

そして、材料表面性状悪化防止を図り、かつ小径の作業ロールが使用可能な圧延機としては、特開平5−50109 号に記載の次のような圧延機があげられる。

0005

図2にその正面図を示す。2,2aは圧延材1を圧延する作業ロール、3,3aは中間ロール、4,4aは補強ロールである。作業ロール2,2aは最大板幅が通過する外側において、入出側に設置された水平支持ロール5,5a,6,6aにより支持されている。該水平支持ロールはそれぞれ7,7a,8,8aという支持ビームに取り付けられている。9,9aは作業ロールに加わる水平方向の力を測定する検出器、10,10aは作業ロール中心のミル中心に対する水平方向位置オフセット量)を調節するための位置調整装置、11,11aは押し付け用の油圧式の押し付けシリンダである。

0006

図3上作業ロール部を上から見た図を示す。作業ロールの水平たわみは検出器12により検出され、これが目標値(通常は0)となるよう、油圧シリンダである水平曲げシリンダ16,16b,17,17bにより作業ロールチョック13,13bに加えられる水平曲げ力が制御される。すなわち、水平たわみ検出器12から水平たわみ量δが計算機18に出力され、水平曲げ力Bが次式により計算される。

0007

B=α・δ …(式1)
ここで、αは制御ゲインである。Bは油圧発生器19に指令値として与えられ、油圧シリンダである水平曲げシリンダ16,16b,17,17bの油圧が制御される。この場合、Bが正の時は水平曲げシリンダ16,16bに油圧を送り、Bが負の逆方向の場合は水平曲げシリンダ17,17bに油圧が送られる。一方、水平たわみの原因となるのは作業ロールに加わる水平力であるから、これが0となるようなオフセット位置に作業ロールが移動させられる。水平力Hは図4に示すように、圧延荷重Pの水平分力Qと、駆動ロールである中間ロール3から受ける接線力F、および前後張力Tb,Tfの合計である。すなわち、
H=F−Q+(Tb−Tf)/2 …(式2)
となる。また、Qは次式で表される。

0008

Q=P・y/(RW+RI) …(式3)
ここで、yはオフセット位置、RW,RIはそれぞれ作業ロール,中間ロールの半径である。水平力は水平力検出器9,9bで検出されるが、ここには水平曲げ力Bおよび油圧シリンダ11,11aによる押し付け力Sも加わっている。ちなみに、Sは通常は一定値で、設定器(図示せず)より油圧発生器22に出力される。そこで、計算機20では水平力検出器9,9bで検出された力Hw,Hdの合計から上記B,Sを引くことにより、真の水平力Hを計算する。すなわち次式となる。

0009

H=Hw+Hd−S−B …(式4)
Hはオフセット位置制御装置21に出力され、オフセット位置変更量Δyを次式で計算する。

0010

Δy=β・H …(式5)
ここで、βは制御ゲインである。オフセット位置移動用モータ14はΔyという指令を受け、それに応じて回転し、ねじ式のオフセット位置調整装置10,10bを駆動する。なお、15は操作側駆動側つなぐクラッチで、必要があれば操作側と駆動側をそれぞれ単独に動かすことも可能である。以後この形式のミルをUC−1Fミルと称する。

0011

また、特開昭61−189809号には、水平たわみを検出し、これが0となるよう作業ロールのオフセット位置を調整する方法が示されている。

発明が解決しようとする課題

0012

特開平5−50109号に記載されるUC−1Fミルのような圧延機により材料表面性状の良好な硬質,薄板の圧延が可能になったが、一方で次のような問題点があった。

0013

すなわち、水平力を検出し、これが0となるよう作業ロールのオフセット位置を制御するにあたり、該水平力の検出に誤差が生じやすいことである。

0014

この点を再度図4により説明する。今、仮に(式2)の水平力Hが大きくなったとすると、この増加分を打ち消すよう水平分力Qを大きくすることにより、水平力を0に保つ。Qを大きくするには(式3)より、オフセット位置yを大きくすればよい。

0015

すなわち、図4において作業ロール2を右方向に移動させればよい。ところが、作業ロール2は中間ロール3と圧延材1により荷重Pで挟まれており、これを移動させるためにはかなり大きな力が必要となる。言い替えると、移動抵抗が大きい。そこで、オフセット位置調整装置10,10bにより支持ロール5,5bを介して作業ロール2を動かした瞬間、この移動抵抗が水平力検出器9,9bにより検出され、一見水平力が増加したように認識される。

0016

この様子を図8に示す。

0017

検出された水平力を0とすべく、オフセットの移動が行われると、本来点線のように水平力が減少するはずのところ、移動抵抗により一度水平力検出値は増加し、移動が停止すると所定の水平力へと変化する。

0018

つまり、水平力を減らそうとしたのに、逆に検出値が増加するため、さらに右方向への移動信号が出力され、結果的に誤った制御を行うことになる。さらに、(式4)で用いる水平曲げ力Bおよび押し付け力Sについても、支持ビームを移動させるためのガイドレール(図示せず)の摺動抵抗が上記の誤差に加わる可能性もある。UC−1Fミルには水平曲げ力制御機構が備わっており、水平力が完全に0でなくとも、水平たわみを0とすることはできる。

0019

しかし、誤った制御により水平力が曲げ力による制御能力を超えて大きくなっていった場合、もはや水平たわみは増加する一方になる。

0020

これら移動抵抗による検出値増加はある程度時間が経過すればなくなり、本来意図した検出値に落ち着く。

0021

したがって、作業ロールを移動させた後、しばらく時間が経った時点での検出値を正として次回のフィードバック制御に使用すれば、上記のような誤動作は防げる。しかし、落ち着くまでの時間は圧延荷重や圧延速度にもよるが、数秒程度と長く、高速な制御は不可能であった。さらに、水平力Hを求めるためには(式4)による計算が必要であり、これに要する時間も無視できない。先にも述べたように、特に作業ロールが上下で逆方向にたわむと、このたわみはロール同士を離反させる方向の力となり、加速度的に上下逆たわみを助長する。したがって、たわみ制御の応答性を高める必要があり、制御周期を短くできないと、大きな圧延荷重をかけられないという問題があった。

0022

上記問題点を解決するためには水平力が正確に認識できればよい。特開昭61−189809号には、水平たわみを検出し、これが目標値となるよう作業ロールのオフセット位置を調整する方法が示されている。しかし、オフセット位置調整は一般にねじ機構により行われているため応答性が不十分で、水平たわみが修正されるまでに時間がかかる。応答性を上げるには極めて強力な移動機構が必要で、装置が大がかりとなり費用も多大なものとなる。

0023

このように、オフセット位置制御のみでは十分な効果は期待できない。

0024

本発明の目的は、誤った制御を行うことなく、水平たわみ制御の応答性を向上して、形状の優れた高品質板材を安定して圧延できる圧延機及び圧延方法並びに圧延機の制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0025

本発明の圧延機は、上下一対の作業ロールを有する圧延機において、該上下作業ロール水平方向のたわみを検出するたわみ検出装置と、該たわみが目標値になるように該作業ロールの水平方向の曲げ力を制御する曲げ力制御装置と、該水平方向曲げ力が目標値になるように前記作業ロールの前後方向オフセット位置を制御するオフセット制御装置を有することを特徴とする。

0026

本発明の圧延方法は、上下一対の作業ロールを有する圧延機の圧延方法において、該上下作業ロールの水平方向のたわみを検出する工程と、該たわみが目標値になるように該作業ロールの水平方向の曲げ力を制御する工程と、該水平方向曲げ力が目標値になるように前記作業ロールの前後方向オフセット位置を制御する工程とを有することを特徴とする。

0027

本発明の圧延機の制御方法は、上下一対の作業ロールを有する圧延機の制御方法において、該上下作業ロールの水平方向のたわみを検出して、該たわみが目標値になるように該作業ロールの水平方向の曲げ力を制御すると共に、該水平方向曲げ力が目標値になるように前記作業ロールの前後方向オフセット位置を制御することを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0028

圧延中に作業ロールの水平方向のたわみを測定する装置と、該たわみが目標値となるよう該作業ロールの水平方向曲げ力を制御する装置と、作業ロールの前後方向オフセット位置を制御する装置を有する圧延機で、該水平曲げ力を検出し、これが目標値(一般には0)となるようオフセット位置を制御する。すなわち、水平力を検出器で検出する代わりに、水平曲げ力をオフセット位置制御に用いる。

0029

仮に、水平たわみが0とすると、水平曲げ力を与える必要がないのでこれも0である。水平たわみが0でない場合は何らかの水平力がロールに働いているためで、この時これを修正するために水平曲げ力がある値に制御される。

0030

このように、水平力と水平曲げ力とは一対一に対応しており、水平曲げ力を0にすることは水平力を0にすることに相当する。

0031

このように水平力の検出ではなく、たわみ及び曲げ力により制御するので、誤った制御を行うことなく、水平たわみ制御の応答性を向上することができる。

0032

つまり、上下一対の作業ロールを有する圧延機において、該上下作業ロールの水平方向のたわみを検出するたわみ検出装置と、該たわみが目標値になるように該作業ロールの水平方向の曲げ力を制御する曲げ力制御装置と、該水平方向曲げ力が目標値になるように前記作業ロールの前後方向オフセット位置を制御するオフセット制御装置を有することにより、誤った制御を行うことなく、水平たわみ制御の応答性を向上することができる。

0033

そして、曲げ力制御装置が、該作業ロールの水平方向の曲げ力を検出する曲げ力検出装置と、該たわみが目標値になるような曲げ力を演算する曲げ力演算装置と、演算された目標となる曲げ力と検出された曲げ力とを比較する曲げ力比較装置と、比較された結果に基づき曲げ力を目標値になるように曲げ力を調整する曲げ力調整装置とを備えていることにより、精度の良い曲げ調整を可能とする。

0034

また、圧延機の少なくとも操作側と駆動側の2箇所に前記たわみ検出装置を設け、且つ該たわみ検出器により検出される各々のたわみ検出値に基づいてそれぞれ個別に水平方向の曲げ力を制御する曲げ力制御装置を有することにより、操作側と駆動側の夫々において良好な精度の良い曲げ調整を可能とする。

0035

また、圧延機の少なくとも操作側と駆動側の2箇所に前記たわみ検出装置を設け、且つ該たわみ検出器により検出される各々のたわみ検出値の合計から総曲げ力を演算する総曲げ力演算装置と、総曲げ力が目標値になるように前記オフセット位置を制御するオフセット位置制御装置を有することによっても操作側と駆動側との曲げ制御を一括して行うことができ、簡易な制御で、良好な精度の良い曲げ調整を可能とする。

0036

また、たわみ検出装置をロール軸方向に移動させるトラバース装置を設けることにより、少数のたわみ検出器を使用して複数箇所を測定することができる。

0037

次に、上下一対の作業ロールを有する圧延機において、圧延中に上下作業ロールの水平方向のたわみを中央と操作側と駆動側との少なくとも3箇所で検出するたわみ検出装置と、該中央のたわみが目標値となるように該作業ロールの水平方向曲げ力を演算する曲げ力演算装置と、該水平曲げ力が目標値となるよう作業ロールの前後方向オフセット位置を制御する装置と、操作側と駆動側の検出器により検出されたたわみの差を演算するたわみ差演算装置と、該たわみ差から操作側と駆動側の曲げ力差を演算する曲げ力差演算装置と、該中央のたわみが目標値となるような水平曲げ力と該曲げ力差から、操作側と駆動側それぞれの曲げ力を演算して曲げ力を制御する曲げ力制御装置を有することにより、ロール軸方向で、中央と両端とをそれぞれ別々に制御して、より良好な精度の良い曲げ調整を可能とする。

0038

さらに、オフセット位置の制御ピッチを、前記操作側と駆動側それぞれの曲げ力を演算して曲げ力を制御する制御ピッチより短くすることにより、ロール軸方向の両側で非対称な水平たわみの修正も可能になる。

0039

以下、実施例に基づき具体的に発明を説明する。

0040

(実施例1)図1に本発明の一実施例を示す。

0041

前述したように、作業ロール2は最大板幅が通過する外側において、入出側に設置された水平方向の支持ロール5,5b,6,6bにより支持されている。該支持ロール5,5b,6,6bはそれぞれ7,8というビームに取り付けられている。10,10bは作業ロール中心のミル中心に対する水平方向位置(オフセット量)を調節するためのオフセット位置調整装置、11,11bは押し付け用の油圧式の押し付けシリンダである。

0042

作業ロール2の水平たわみ量δは検出器12により検出され、計算機18において水平たわみを0(たわみの目標値)とするような水平曲げ力Bが次式により計算される。

0043

B=α・δ …(式1)
ここで、αは制御ゲインである。

0044

そして、目標となる水平曲げ力Bは、油圧発生器19に指令値として与えられ、油圧シリンダである水平曲げシリンダ16,16b,17,17bの油圧が制御される。

0045

そして、作業ロール2の曲げが制御される。

0046

同時に、目標となる水平曲げ力Bは、オフセット位置制御装置21に出力され、オフセット位置変更量Δyを次式で計算する。

0047

Δy=γ・B …(式6)
ここで、γは制御ゲインである。

0048

オフセット位置移動用モータ14は、Δyという指令を受け、それに応じて回転し、ねじ式のオフセット位置調整装置10,10bを駆動する。このようにして、作業ロール2のオフセット位置を制御する。

0049

本実施例によれば、従来の問題点を解決でき、次のような効果が期待できる。まず、最大の効果は、誤った制御をすることがなくなり、かつ水平たわみ制御の応答性が高くなったことである。

0050

図9に示すように、従来方法では必要であった信号が落ち着くまでの待ち時間が不要となり、水平力の修正時間は、大幅に減少した。

0051

これにより、特に上下作業ロールの逆たわみ状態が加速度的に増幅されることがなくなり、これまで以上の作業ロールの小径化が図れる。

0052

実験によれば、本発明を用いない場合に比べ、約20%作業ロール径を小さくできた。

0053

また、同時に、圧延荷重を大きくとれるようになり、これも実験によれば、本発明を用いない場合の2.5 倍程度の荷重にも耐えられるようになった。

0054

さらに、このような作業ロールの小径化,圧延荷重の高荷重化により、1回の圧延における圧下率を大きくとれるようになり、生産性の著しい向上につながった。

0055

また、水平たわみが過大になって複雑な形状が発生することがなく、安定した圧延が行えることで、歩留まりの向上も図れるなど、本発明の効果は多大なものがある。

0056

さらに、水平力検出器が不要で、且つ水平力Hを求めるための(式4)による計算も不要なため、制御装置がシンプルになり、設備費が低減できる。

0057

また、常に水平曲げ力を目標値の0とすることができるため、作業ロールチョック内のベアリングに横方向からの余分な負荷を与えることがなくなり、ベアリング寿命が増大するという別の効果もある。

0058

このベアリング寿命が増大するという効果は、特に水平たわみ目標値が0でない場合に顕著である。

0059

つまり、クロスバックル防止の意味などで水平たわみを0でない目標値にする時、従来の水平力をオフセット位置制御で0にする方法では、該目標値を水平曲げ力によって作り出すことになる。

0060

すなわち、水平曲げ力は常に0でない値となる。

0061

一方本発明によれば、該目標値は水平力が0でない値となることによって達成され、水平曲げ力は常に0にできる。

0062

(実施例2)図5に他の実施例を示す。

0063

作業ロール2の水平たわみは、ビーム7上の操作側と駆動側の2箇所に設置された水平たわみ検出器12a,12bにより検出され、それぞれたわみ量δw,δdを出力している。

0064

δwは操作側の水平曲げシリンダ16,17により、δdは駆動側の水平曲げシリンダ16b,17bにより、それぞれ目標値0とするように制御される。

0065

すなわち、計算機23は操作側のたわみδwから操作側曲げ力Bwを、計算機23bは駆動側のたわみδdから駆動側曲げ力Bdを次式により計算する。

0066

Bw=αw・δw …(式7)
Bd=αd・δd …(式8)
ここで、αw,αdは制御ゲインである。

0067

Bw,Bdは油圧発生器24,24bに指令値として与えられ、油圧シリンダである水平曲げシリンダ16,16b,17,17bの油圧が制御される。

0068

このように、ロール軸方向の両側、すなわち、操作側と駆動側とで個別に曲げ制御を行うことができる。

0069

一方、計算機25はBwとBdを加え、合計値から平均の曲げ力Bを計算する。

0070

B=(Bw+Bd)/2 …(式9)
ここで、Bはオフセット位置制御装置21に出力され、オフセット位置変更量Δyを(式6)で計算する。

0071

このように、BwとBdを加えた合計値から総曲げ力を演算して、その総曲げ力に基づいて作業ロールのオフセットの位置を制御することにより、操作側と駆動側とで一括して曲げ制御を行うことができる。

0072

以後は、実施例1と同様である。本方式によれば、たわみの検出端と曲げ力を与える点の距離が短くなり、より応答性の高い制御が可能となる。

0073

(実施例3)図6に別の実施例を示す。

0074

ここでは作業ロール2の水平たわみを3箇所で検出する。

0075

中央の水平たわみ検出器12によりロール全体のたわみ量δが検出され、計算機18において水平たわみを0とするような水平曲げ力Bが(式1)により計算される。

0076

同時に水平曲げ力Bはオフセット位置制御装置21に出力され、オフセット位置変更量Δyを(式2)で計算する。

0077

操作側と駆動側の2箇所に設置された水平たわみ検出器12a,12bからはそれぞれたわみ量δw,δdが検出されている。

0078

計算機27ではこれらを取り込み、その差Δδを次式で計算する。

0079

Δδ=δw−δd …(式10)
もし、Δδが0であればたわみは左右対称であり、操作側と駆動側の曲げ力に差を付ける必要はない。

0080

その場合には、計算機18において計算された曲げ力Bがそのまま油圧発生器24,24bに指令値として与えられ、油圧シリンダである水平曲げシリンダ16,16b,17,17bの油圧が制御される。

0081

一方、Δδが0でない場合はたわみが左右非対称なことを意味し、この非対称性を操作側と駆動側の曲げ力に差を付けることにより修正する。最も単純な方法を以下に示す。

0082

まず、曲げ力差ΔBを次式により計算する。

0083

ΔB=αs・Δδ …(式11)
次に、ΔBを操作側と駆動側に均等に振り分ける。Δδが正ということは操作側のたわみδwの方が大きいということであるから、操作側の曲げ力Bwを、
Bw=B+ΔB/2 …(式12)
とし、駆動側については、
Bd=B−ΔB/2 …(式13)
とする。

0084

中央のたわみを曲げ力Bで制御するループ高速応答性が要求されるため、サンプリング周期を短くし制御ピッチを短くする必要があるが、該非対称制御は実用上それほど高速応答性を必要としない場合が多い。

0085

したがって、制御ピッチは若干長めでもよく、例えば中央たわみ制御の制御ピッチ5回に対して1回程度でもかまわない。かかる非対称性を修正する方法は特公平5−86289 号にも述べられており、上記以外にも種々の方法が考えられる。本方式によれば、左右非対称な水平たわみの修正も可能になる。

0086

以上、本発明の実施例について説明してきたが、この他にも趣旨を逸脱することなく種々の変形が可能である。

0087

例えば、6段圧延機以外の4段圧延機にも適用でき、水平たわみの測定方法についても、一つの検出器をトラバースさせることも考えられる。

0088

また、曲げ力を与える方法もここで述べた以外に、作業ロールチョックを片側当たり2台とし、偶力をかける方法などが考えられる。曲げ力をチョックに与えるのでなく、図7のように、ビーム7,8上の支持ロール5,5b,6,6bの外側に水平曲げシリンダ16,16b,17,17bおよび水平曲げ用ロール29,29b,30,30bを配置し、作業ロール端部に曲げ力を加える構造としてもよい。

発明の効果

0089

誤った制御を行うことなく、水平たわみ制御の応答性を向上して、形状の優れた高品質板材を安定して圧延できる圧延機及び圧延方法並びに圧延機の制御方法を提供することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0090

図1本発明の一実施例を示す圧延機の制御図
図2従来の圧延機の正面図。
図3従来の圧延機の上から見た図。
図4作業ロールの水平たわみの原因となる水平力を説明する図。
図5本発明の一実施例を示す圧延機の制御図。
図6本発明の一実施例を示す圧延機の制御図。
図7本発明の一実施例を示す圧延機の制御図。
図8オフセット量変更が水平力検出値に及ぼす影響を示す図。
図9水平力修正時間に関する本発明と従来方法との比較を表す図。

--

0091

1…圧延材、2,2a…作業ロール、3,3a…中間ロール、4,4a…補強ロール、5,5a,5b,6,6a,6b…支持ロール、7,7a,8,8a…ビーム、9,9a,9b…水平力検出器、10,10a,10b…オフセット位置調整装置、11,11a,11b…押し付けシリンダ、12,12a,12b…水平たわみ検出器、13,13b…作業ロールチョック、14…オフセット位置移動用モータ、15…クラッチ、16,16b,17,17b…水平曲げシリンダ、18,20,23,23b,25,26,26b,27,28…計算機、19,22,24,24b…油圧発生器、21…オフセット位置制御装置、29,29b,30,30b…水平曲げ用ロール。

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