図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
一般に、小球体を利用した装置には、この小球体の通過を検知するため、小球体検出装置が設けられたものがある。例えば、小球体であるパチンコ球を利用して遊技を行うパチンコ機では、その入賞口にパチンコ球が入賞したことを検知して、賞球の払い出しを行うため、入賞口のパチンコ球通路上に小球体検出装置が装着されている。
従来、上述のように用いられる小球体検出装置には、図10〜図12に例示するような構成の装置がある。図10に示す如く、この小球体検出装置では、矩形箱状の装置本体10における一方の端部に、パチンコ球を通過させるための開口である通過口12が設けられている。
装置本体10には、バー状の作動体14がその軸線方向に移動可能に装着されている。この作動体14は、その頭部14Aが通過口12の一部に穿設された開口部から所定長さ突き出た前進位置まで突出するように付勢されている。図11にも示す如く、この作動体14の基端部14Bは、発光素子と受光素子とで構成されたホトスイッチ16に臨まされており、作動体14の頭部14Aが通過口12から所定長さ押し込まれ、その基端部14Bがホトスイッチ16の被検出位置であるホトスイッチ閉位置Aまで後退しているときに、この基端部14Bがホトスイッチ16で検出されるようになっている。
すなわち、通過口12を通過中のパチンコ球20が作動体14を押して、その基端部14Bをホトスイッチ閉位置Aまで後退させている間のシャッタ時間(作動体により遮光されている時間)だけ図示しないホトスイッチが閉となり、ホトスイッチからシャッタ時間に対応した幅のパルス信号が発生する。
このパルス信号は、遅延回路等を含む電気回路でパルス幅が拡大され、検出信号として発生される。
このホトスイッチ16で発生した検出信号は、装置本体10の光センサ用プリント基板に設けられた端子部18に接続された、図示しないパチンコ機のマイクロコンピュータを備えた制御部へ送られる。
この制御部では、ホトスイッチ16から送られた検出信号に基づいて、パチンコ球20が入賞口に装着した小球体検出装置を通過した入賞状態か否かを判定する。そして入賞と判定した場合には、賞球を払い出す等の入賞動作を実行する。
上述のような小球体の検出装置では、その作動体頭部14Aが、図10及び図11に示す如く、断面矩形の板材の自由端部をパチンコ球20の表面との接触を滑らかとするよう半円形の外周面を有する柱状に形成されている。このため、図11に示すように、パチンコ球20が小球体検出装置の通過口12を矢印B方向に通過する際に、パチンコ球20は、図に実線で示す如く通過口12に入り始め、作動体14の頭部14Aに当る。
次に、パチンコ球20は2点鎖線で示すように、作動体14と反対側の内側面部12Aに当接しながら、作動体14を、その基端部14Bがホトスイッチ閉位置Aに至るまで後退させる。そして、パチンコ球20は、作動体14を、その基端部14Bがホトスイッチ閉位置Aまで後退した状態を保持しながら、この作動体14の頭部14Aと内側面部12Aとの間を図11に3点鎖線で示す位置まで進む。
次に、パチンコ球20が図の3点鎖線の位置から、図の矢印B方向へ移動すると、パチンコ球20は作動体頭部14Aから解離され、作動体14は前進位置に自動的に復帰する。
以上より、パチンコ球20が通過口12を通過する際、作動体14の基端部14Bをホトスイッチ閉位置Aまで後退させ得るのは、パチンコ球20が図11に2点鎖線で示す位置から3点鎖線で示す位置までの距離Mの間を移動中だけの極めて短い時間であることが解る。
ここで、試験としてパチンコ球20を玉通過速度0.179ミリメートル/セカントで通過口12を通過させ、ホトスイッチ16におけるシャッタ時間を計測したところ、図12に示す如く、シャッタ時間は27.3セカントとなり、0.179ミリメートル/セカント(玉通過速度)×27.3セカント(シャッタ時間)≒4.89ミリメートル(シャッタ作動距離)の関係から、パチンコ球20がシャッタを作動させている距離となる。
この試験から解るように、ホトスイッチ16から極めて短い時間に対応して発生するパルス信号は、遅延回路等を含む電気回路で処理を行っても、十分な長さのパルス幅が得られないために、パチンコ遊戯機が誤作動することがあるという問題があった。
概要
小球体検出装置の通過口を小球体が通過中に検出状態となる時間を長くし、確実に検出できるようにする。
装置本体30の通過口32内に突出され、小球体の通過時に通過口32から進退動作されるよう作動体42を装着し、装置本体30に作動体42の進退動作を検出する検出素子を配置し、この作動体頭部68を、通過口32を通過中の小球体と接触している時間を延長できるよう、その下辺先端が上辺先端よりも作動体頭部68自由端側に位置するように形成し、さらに、その上辺先端から下辺先端にかけて外方に向けて凸となる側面形状に形成し、小球体が通過口32内を通過する際、小球体が作動体頭部68を通過口32から後退させている時間を延長し、検出素子で確実に検出できるようにする。
目的
本発明は上記事実を考慮し、小球体が通過中に検出状態となる時間を長くし、この小球体の通過により確実に検出信号が発生するようにした小球体検出装置を新たに提供することを目的とする。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
小球体を通過させる通過口を穿設した装置本体と、前記通過口内に突出しかつ、前記小球体の通過時に前記通過口から進退動作されるよう付勢された作動体と、前記作動体の進退動作を検出する検出素子とを備えた小球体検出装置であって、前記作動体の頭部を、その下辺先端が前記通過口を通過中の前記小球体と接触している時間を延長できるよう、前記下辺先端が上辺先端よりも前記作動体頭部自由端側に位置するように形成し、前記作動体頭部を、その側面投影形状を前記上辺先端から下辺先端にかけて外方に向けて凸となる形状に形成したことを特徴とする小球体検出装置。
請求項2
前記作動体頭部の先端部に、前記小球体が通過口を通過する方向に沿った横側面部を、前記作動体頭部の先端に向けて先窄まりとなるようにし、前記小球体と接する鋭角な角部である頭部角部を形成したことを特徴とする請求項1記載の小球体検出装置。
請求項3
技術分野
背景技術
0002
一般に、小球体を利用した装置には、この小球体の通過を検知するため、小球体検出装置が設けられたものがある。例えば、小球体であるパチンコ球を利用して遊技を行うパチンコ機では、その入賞口にパチンコ球が入賞したことを検知して、賞球の払い出しを行うため、入賞口のパチンコ球通路上に小球体検出装置が装着されている。
0003
従来、上述のように用いられる小球体検出装置には、図10〜図12に例示するような構成の装置がある。図10に示す如く、この小球体検出装置では、矩形箱状の装置本体10における一方の端部に、パチンコ球を通過させるための開口である通過口12が設けられている。
0004
装置本体10には、バー状の作動体14がその軸線方向に移動可能に装着されている。この作動体14は、その頭部14Aが通過口12の一部に穿設された開口部から所定長さ突き出た前進位置まで突出するように付勢されている。図11にも示す如く、この作動体14の基端部14Bは、発光素子と受光素子とで構成されたホトスイッチ16に臨まされており、作動体14の頭部14Aが通過口12から所定長さ押し込まれ、その基端部14Bがホトスイッチ16の被検出位置であるホトスイッチ閉位置Aまで後退しているときに、この基端部14Bがホトスイッチ16で検出されるようになっている。
0005
すなわち、通過口12を通過中のパチンコ球20が作動体14を押して、その基端部14Bをホトスイッチ閉位置Aまで後退させている間のシャッタ時間(作動体により遮光されている時間)だけ図示しないホトスイッチが閉となり、ホトスイッチからシャッタ時間に対応した幅のパルス信号が発生する。
0007
このホトスイッチ16で発生した検出信号は、装置本体10の光センサ用プリント基板に設けられた端子部18に接続された、図示しないパチンコ機のマイクロコンピュータを備えた制御部へ送られる。
0008
この制御部では、ホトスイッチ16から送られた検出信号に基づいて、パチンコ球20が入賞口に装着した小球体検出装置を通過した入賞状態か否かを判定する。そして入賞と判定した場合には、賞球を払い出す等の入賞動作を実行する。
0009
上述のような小球体の検出装置では、その作動体頭部14Aが、図10及び図11に示す如く、断面矩形の板材の自由端部をパチンコ球20の表面との接触を滑らかとするよう半円形の外周面を有する柱状に形成されている。このため、図11に示すように、パチンコ球20が小球体検出装置の通過口12を矢印B方向に通過する際に、パチンコ球20は、図に実線で示す如く通過口12に入り始め、作動体14の頭部14Aに当る。
0010
次に、パチンコ球20は2点鎖線で示すように、作動体14と反対側の内側面部12Aに当接しながら、作動体14を、その基端部14Bがホトスイッチ閉位置Aに至るまで後退させる。そして、パチンコ球20は、作動体14を、その基端部14Bがホトスイッチ閉位置Aまで後退した状態を保持しながら、この作動体14の頭部14Aと内側面部12Aとの間を図11に3点鎖線で示す位置まで進む。
0012
以上より、パチンコ球20が通過口12を通過する際、作動体14の基端部14Bをホトスイッチ閉位置Aまで後退させ得るのは、パチンコ球20が図11に2点鎖線で示す位置から3点鎖線で示す位置までの距離Mの間を移動中だけの極めて短い時間であることが解る。
0013
ここで、試験としてパチンコ球20を玉通過速度0.179ミリメートル/セカントで通過口12を通過させ、ホトスイッチ16におけるシャッタ時間を計測したところ、図12に示す如く、シャッタ時間は27.3セカントとなり、0.179ミリメートル/セカント(玉通過速度)×27.3セカント(シャッタ時間)≒4.89ミリメートル(シャッタ作動距離)の関係から、パチンコ球20がシャッタを作動させている距離となる。
0014
この試験から解るように、ホトスイッチ16から極めて短い時間に対応して発生するパルス信号は、遅延回路等を含む電気回路で処理を行っても、十分な長さのパルス幅が得られないために、パチンコ遊戯機が誤作動することがあるという問題があった。
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0016
本発明の請求項1記載の小球体検出装置は、小球体を通過させる通過口を穿設した装置本体と、通過口内に突出しかつ、小球体の通過時に通過口から進退動作されるよう付勢された作動体と、作動体の進退動作を検出する検出素子とを備えた小球体検出装置であって、作動体の頭部を、その下辺先端が通過口を通過中の小球体と接触している時間を延長できるよう、下辺先端が上辺先端よりも作動体頭部自由端側に位置するように形成し、作動体頭部を、その側面投影形状を上辺先端から下辺先端にかけて外方に向けて凸となる形状に形成したことを特徴とする。
0017
上述のように構成することにより、小球体が通過口内を通過する際、小球体が作動体頭部の上辺先端から下辺先端にかけて外方に向けて凸となる側面投影形状に沿って摺接し作動体を通過口から没するように後退させている時間を、下辺先端が作動体頭部自由端側に位置する分に対応して延長できる。よって、作動体の後退動作を装置本体の検出素子で確実に検出できるようにし、検出漏れ等の誤作動を防止できる。
0018
請求項2記載の発明は、請求項1記載の小球体検出装置において、作動体頭部の先端部に、小球体が通過口を通過する方向に沿った横側面部を、作動体頭部の先端に向けて先窄まりとなるようにし、小球体と接する鋭角な角部である頭部角部を形成したことを特徴とする。
0019
上述のように構成することにより、この頭部角部と通過口を通過中の小球体とが接することとなり、小球体が通過口を偏心して通過しても、作動体を小球体が一律に押して動作させ、しかも頭部角部と小球体との摩擦が低減される。
0020
本発明の請求項3記載の小球体検出装置は、小球体を通過させる通過口を穿設した装置本体と、通過口内に突出しかつ、小球体の通過時に通過口から進退動作されるよう付勢された作動体と、作動体の進退動作を検出する検出素子とを備えた小球体検出装置であって、作動体頭部を、その下辺先端が作動体頭部の最先端に位置するように形成し、作動体頭部を、その側面投影形状を作動体頭部の進退方向中間位置にある上辺先端から下辺先端にかけて短軸と長軸との第4象限に位置する4分の1楕円形に沿って湾曲した形状に形成したことを特徴とする。
0021
上述のように構成することにより、通過口を通過する小球体が作動体頭部の4分の1楕円形の曲面に摺接して、作動体を滑らかに通過口から没する方向へ後退動作させるとともに、作動体頭部の最先端に位置する下辺先端が最後まで小球体に摺接して作動体を後退位置に止め、作動体を通過口から没するように後退させている時間を延長し、作動体の後退動作を装置本体の検出素子で確実に検出できるようにし、検出漏れ等の誤作動を防止できる。
発明を実施するための最良の形態
0022
図1には、本発明の実施の形態に係る小球体検出装置の全体が示されている。この小球体検出装置本体30は、略直方体状に形成され、その一方の端部近くには、小球体を通過させる透孔である通過口32が設けられ、他方の端部からプリント基板の接続端子34が突設され、その長手方向両側面部には、それぞれ取付用の凹部36が形成されている。
0023
この装置本体30に設けられた通過口32は、小球体が通過口32の縁に沿って回転しないようにするため、装置本体30の幅方向に長い楕円形で、その長径D1は例えば11.8ミリメートル、矩径D2は例えば11.3ミリメートルとなるように形成されている。
0024
この小球体検出装置本体30は、図2及び図3にも示すように、下カバー38と上カバー40とで構成された略矩形状で通過口32を設けたハウジングの内部に、作動体42と、板ばね44と、回路基板46とが配設されて構成されている。
0025
この装置本体30のハウジングを構成する上カバー40は、箱体の一方の底面と、1つの側面とを取り除いた形状に形成され、その他方の底面の所定部所に通過口32用の筒部48が一体に形成されている。この通過口32用の筒部48には、その上カバー40の取り除かれた側面側の所定位置に、U字溝状の挿通口50が穿設されている。
0026
また、上カバー40における筒部48の挿通口50に対し両横に当る部分には、それぞれ、板ばね44用の湾曲した取付溝52が穿設されている。
0027
これらの取付溝52には、長板状の板ばね44が、その両端部を、それぞれ取付溝52に嵌め込んで取り付けられている。この板ばね44は、その中間部を側面に直交する方向に移動するよう弾性変形可能に構成されており、板ばね44の両端部は、それぞれ折曲され、板ばね44の折曲部が取付溝52の側面に滑らかに圧接して、板ばね44の動作が滑らかとなるようにされている。
0028
さらに、上カバー40の底面部40A上には、回路基板46が配置されている。この回路基板46上には、検出素子であるホトスイッチ62、検出信号発生回路66、及び接続端子34が設けられている。上カバー40の底面部40A上に配置された回路基板46のホトスイッチ62には、挿通口50に対向して開口し、挿通口50の幅方向中心と通過口32の中心とを結ぶ線に沿って形成された平面U字状のスリット64が形成されている。このホトスイッチ62には、そのスリット64を挟んで対向するように配置された図示しない発光素子と受光素子とで構成されている。なお、この検出素子であるホトスイッチ62は、上述した構成ばかりでなく、その他種々の構成の検出手段を用いることができることは勿論である。
0029
上カバー40の筒部48の挿通口50と、ホトスイッチ62のスリット64との間の位置には、作動体42が通過口32の短径方向に沿って移動可能に装着されている。
0030
作動体42は、ポリアセタールデルリン黒(Dupont商品名)等の合成樹脂製で図4〜図7にも示すように、全体が小矩形板状で、その中間から一方の端部にかけて頭部68が形成され、その中間から他方の端部にかけて遮光板部70が形成されている。この頭部68は、その自由端部が図6に側面投影形状を示すように、上辺72から下辺74にかけて凸となるように湾曲した案内部76に形成されている。この案内部76は、頭部68の長さ方向中間位置の上辺72の先端から、頭部68の長さ方向最先端位置の下辺74の先端にかけて、上方に凸となる形状とされている。すなわち、本実施の形態では、短軸と長軸との第4象限に位置する4分の1楕円形に沿って湾曲した形状とされている。この楕円は式
X2/(2.2)2+ Y2/( 1.65)2 =1 で表される。
0032
これより、楕円の1/4の周長を算出すると、
長軸a=4.4/2=2.2、
短軸b=3.3/2=1.65、
楕円係数K=(a−b)/(a+b)=(2.2−1.65)/(2.2+1.65)=0.14
ここで、θ=50°として図示しない楕円係数算出グラフより算出すると、K≒1.0063である。
0033
よって、s/4=π×(2.2+1.65)/4×1.0063≒3.041となる。
0034
また、頭部68の平面投影形状は、図4、及び図5に示す如く、先端の幅方向中心に向けて両側から先窄りとなる平面状の各側面78が形成されている。これによりエッヂ長E=1.4ミリメートルのエッヂ部78Aが形成されている。
0035
さらに、頭部68の自由端部上面側には、案内部76と、側面78とで切り取られることにより形成された、図4に示す如き略三角形状の上案内面部80が形成されている。この頭部68には、上辺72の所定位置に開口する側面U字状の小溝である係合溝82が設けられている。
0037
上述のようにして軽量化するよう構成された作動体42は、その頭部68が挿通口50を通して通過口32内へ所定長さ突出され、遮光板部70をホトスイッチ62のスリット64へ臨ませ、係合溝82に板ばね44の中間部を通した状態に装着される。
0038
この上カバー40に組み合わされる下カバー38は、上カバー40の開放した平面部及び側面部を覆うよう側面略鉤形状に形成されている。この下カバー38の平面部には、通過口32を構成する楕円開口84が穿設され、その平面部内側面各所定位置には、押え突部86が突設されている。この下カバー38は、上カバー40の開放した平面部と側面部とを覆うように被せられ、その押え突部86が筒部48の挿通口50上部に形成された凹部50Aに嵌り、作動体42の下辺74を摺動自在に支持した状態で一体に組み付けられる。
0039
このように下カバー38と上カバー40との内部に装着された作動体42は、その頭部68の一部を挿通口50から通過口32内へ所定長さ突出した前進位置に位置するよう板ばね44に付勢されるとともに、この板ばね44の付勢力に抗して、頭部68が挿通口50に没せられ、頭部68と遮光板部70との境の段部がスリット64の開口端部に当って制止される後退位置まで移動可能に支持されている。
0040
次に、上述のように構成された本実施の形態に係る小球体検出装置の作用、及び動作について説明する。この小球体検出装置は、例えば図示しないパチンコ機の入賞口における、パチンコ球の通路上に配置されて用いられる。この小球体検出装置で小球体であるパチンコ球90を検出する動作は、図8に示される通りであり、小球体であるパチンコ球90が小球体検出装置の通過口32を矢印B方向に通過する際に、パチンコ球90は、図に実線で示す如く通過口32に入り始め、作動体42の頭部68に当る。
0041
次に、パチンコ球90は2点鎖線で示すように、作動体42と反対側の内側面部32Aに当接しながら、軽量化された作動体42を、その遮光板部70の後端70Aがホトスイッチ62のスリット64の間に入って遮光状態としたホトスイッチ閉位置Aに至るまで後退させる。すなわち、パチンコ球90の球面と、作動体42の湾曲した上案内面部80とが滑らかに摺接しながら、パチンコ球90が図8に実線で示す位置から2点鎖線で示す位置まで矢印B方向に進む動作に対応して、作動体42がホトスイッチ閉位置A側へ滑らかに移動させる。
0042
パチンコ球90は、作動体42を、その後端70Aがホトスイッチ閉位置Aまで後退した状態を保持しながら、この作動体42の頭部68の上案内面部80から先端角稜にかけての部分と内側面部32Aとの間を図8に3点鎖線で示す位置まで進む。
0043
このとき、作動体42の下辺74の先端部が、頭部68の最先端に位置する形状とされ、従来の図11に示したもののように、丸められていないので、この下辺74の先端がパチンコ球90に接し、作動体42をホトスイッチ閉位置Aに後退させている時間を長くできる。すなわち、パチンコ球90が、作動体42をホトスイッチ閉位置Aに後退させたまま移動する距離は、図8に示す距離Lとなり、従来の図11に示す距離Mと比べて、距離を長くできる。
0044
次に、パチンコ球90が図の3点鎖線の位置から、図の矢印B方向へ移動すると、パチンコ球90は作動体頭部68から解離され、作動体42は前進位置に自動的に復帰する。
0045
上述のように動作する小球体検出装置における、パチンコ球90が通過口32を通過する際にホトスイッチ62が閉状態とされている時間であるシャッタ時間を、前述した図12の計測試験と同一条件で計測したところ図9に示す結果が得られた。すなわち、パチンコ球を0.179ミリメートル/セカントで通過口32を通過させたところ、シャッター時間は、28.8セカントとなって、従来の図12に示した試験より1.5セカント延長される。よって、シャッタ作動距離は、0.179ミリメートル/セカント(玉通過速度)×28.8セカント(シャッタ時間)≒5.16ミリメートルとなる。
0046
これより、図12によって説明した従来のシャッタ作動距離4.89ミリメートルに比較すると、本実施の形態の如く、作動体42の案内部76を側面から見て楕円形状にすることにより、5.16ミリメートル−4.89ミリメートル=0.27ミリメートル分シャッタ作動距離を延長することができる。
0047
このようにシャッター時間が延長されると、この延長されたシャッター時間分のホトスイッチから出力されたパルス信号が検出信号発生回路66で遅延され増幅されることにより、パチンコ球90の通過を検出するのに十分な検出信号として出力され、接続端子34を介して図示しないマイクロコンピュータを備えたパチンコ機の制御部へ確実に伝達され、賞球払い出し等の動作が確実に実行され、誤作動を生ずることもない。特に、パチンコ機の盤面上をパチンコ球が転動することに起因して発生する等のノイズ信号のパルス幅より、小球体検出装置の出力信号のパルス幅を十分長くし、マイクロコンピュータが両者の信号を明確に識別し誤動作を生じないようにできる。
0048
また、作動体42の頭部68先端は、2つの側面78が交わる角部となっているので、パチンコ球90が楕円形の通過口32内をどのように偏心して通過しても、みな一様にこの頭部68の先端角部が摺接するので、作動体42を一律に動作させ、シャッタ時間を一律にし、安定した検出パルスを発生可能とするとともに、パチンコ球90との摩擦を減少し、滑らかに動作させる。
発明の効果
0049
以上詳述したように、本発明の小球体検出装置によれば、通過口に進退可能に装着された作動体頭部における下辺先端が、通過口を通過中の小球体と接触している時間を延長できるよう上辺先端よりも頭部自由端側に位置するように形成されているので、この通過口を小球体が通過時に、下辺先端が最後まで小球体に摺接する。このため、下辺先端角部が丸く切除されて下辺の平面先端が上辺先端と同じ位置にあるものに比べ、作動体が通過口から没するよう後退する時間を長くすることができる。これにより、作動体が通過口から没するよう後退する時間に対応して発生するパルス幅を延長し、小球体の通過検出動作を確実にできるという効果がある。
0050
また、作動体頭部における、小球体の通過方向に沿った横側面部を、先端に向けて先窄りとなるよう形成し、この頭部先端が鋭角な角部となるようにした場合には、この頭部角部と小球体とが接することとなり、小球体が通過口を偏心して通過しても、作動体を小球体が一律に押して動作させることができ、しかも頭部角部と小球体との摩擦を削減できるという効果がある。
0051
さらに、作動体頭部を、その下辺先端が作動体頭部の最先端に位置するように形成し、この作動体頭部を、その作動体頭部の進退方向中間位置にある上辺先端から下辺先端にかけて外方に向けて凸となる4分の1楕円形の側面形状に形成しすることにより、通過口を通過する小球体が作動体頭部の4分の1楕円形の曲面に摺接して、作動体を滑らかに通過口から没する方向へ後退動作させるとともに、作動体頭部の最先端に位置する下辺先端が最後まで小球体に摺接して作動体を後退位置に止め作動体を通過口から没するように後退させている時間を延長し、作動体の後退動作を装置本体の検出素子で確実に検出できるようにし、検出漏れ等の誤作動を防止できるという効果がある。
図面の簡単な説明
0052
図1本発明の実施の形態に係る小球体検出装置の全体を示す斜視図である。
図2本発明の実施の形態に係る小球体検出装置の下カバーを外した状態を示す底面図である。
図3本発明の実施の形態に係る小球体検出装置の底面側から見た分解斜視図である。
図4本発明の実施の形態に係る小球体検出装置における作動体を取り出して示す拡大平面図である。
図5本発明の実施の形態に係る小球体検出装置における作動体を取り出して示す拡大底面図である。
図6本発明の実施の形態に係る小球体検出装置における作動体を取り出して示す拡大側面図である。
図7本発明の実施の形態に係る小球体検出装置における作動体を取り出して示す拡大正面図である。
図8本発明の実施の形態に係る小球体検出装置における小球体が作動体を移動させる状態を示す概略断面説明図である。
図9本発明の実施の形態に係る小球体検出装置における小球体が作動体を移動させることにより、ホトスイッチを閉じるシャッター時間の測定結果を示す説明図である。
図10従来の小球体検出装置の全体を示す斜視図である。
図11従来の小球体検出装置における小球体が作動体を移動させる状態を示す概略断面説明図である。
図12従来の小球体検出装置における小球体が作動体を移動させることにより、ホトスイッチを閉じるシャッター時間の測定結果を示す説明図である。
--
0053
30 装置本体
32 通過口
38 下カバー
40 上カバー
42作動体
46回路基板
48 筒部
50挿通口
52取り付け溝
62ホトスイッチ
64スリット
66検出信号発生回路
68 頭部
70遮光板部
72上辺
74下辺
76 案内部
78 側面形状
80上案内面部
90 パチンコ球