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技術 イミノオキサジアジンジオン基を含むイソシアネート三量体、その製造及び使用

出願人 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
発明者 フランク・リヒターヨーゼフ・ペダインハラルド・メルテスカール-ゲルド・デイーリス
出願日 1997年3月24日 (23年11ヶ月経過) 出願番号 1997-087234
公開日 1997年10月14日 (23年4ヶ月経過) 公開番号 1997-268212
状態 特許登録済
技術分野 ポリウレタン,ポリ尿素 N,O含有複素環式化合物 トリアジン系化合物 1,2―ジアゾール系化合物
主要キーワード 反応性シンナー 計量分配装置 特性レベル 樹脂収率 流れ促進剤 スロッタ ブロック状態 生成物成分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年10月14日)のものです。
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図面 (1)

課題

イソシアネート三量体を含むポリイソシアネート混合物、前記イソシアネート三量体の製造方法、前記イソシアネート三量体と別のポリイソシアネートとの混合物、及びイソシアネート基が任意にブロッキング剤ブロックされていてもよい前記イソシアネート三量体とイソシアネート反応基を2個以上有する化合物とを含む組成物を提供する。

解決手段

このポリイソシアネート混合物は、i)三量体の30〜100モル%がイミノオキサジアジンジオン

であり、ii)三量体の0〜70モル%がイソシアヌレートAであり、iii)ポリイソシアネート混合物の10モル%未満がウレトンイミン構造Gを有し、iv)ウレトジオンFのモル%に対する三量体A及びBのモル%の合計の比が4:1より大きい。

概要

背景

イソシアネートを三量化によってイソシアヌレート(1,3,5−置換ヘキサヒドロ−s−トリアジン−2,4,6−トリオン;一般的には環内に単結合を有する種が言及されるヘキサヒドロのような複素環の水素化度に関するデータは示さない)に変換する方法は公知である。例えば、フェニルイソシアネート酢酸カリウムの存在下で三量化することによって製造し得る1,3,5−トリフェニル誘導体は1885年に初めて合成された(A.W.ホフマン、Chem.Ber.1885、18号、765頁以下)。イソシアヌレートの合成には別の方法を使用することも可能であるが(H.F.ピーペンブリンク、“ホウベン/ヴエイル、有機化学法”第4版、Vol.VIII、酸素化合物III、G.チーメ出版社、シュトゥットゥガルト、1952、E.ミューラー編、p.244以降参照)、最も簡単な方法はやはりイソシアネートの三量化である。

特に、市販のジイソシアネート、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、ビスイソシアナトフェニルメタンアニリンホルムアルデヒド縮合及びホスゲン化を順次行うことによって製造したようなポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン(H12MDI)の三量化によって得られるイソシアヌレートポリイソシアネートは、特にポリウレタンプラスチック材料及びポリウレタンコーティングを製造するための高品質原料であることが判明した。また、三量化は、特に芳香族ポリイソシアネートの場合には、発泡状であってもよい高分子量プラスチックを製造するための一般的な架橋反応である。これらの先行技術の系は幾つかの欠点を有する。例えば、特にラッカー及びコーティング部門で実用的なイソシアヌレートポリイソシアネートを製造するためにジイソシアネートを三量化すると、得られるポリイソシアネートの(溶融)粘度が著しく高くなることがある。これは特に、高変換率又は高樹脂収率で操作を行う場合に見られる現象であり、これらの生成物を操作又は使用する時に問題を生じ得る。

しかしながら、高変換率は多くの理由で望ましいものである。例えば、環境保護見地から、三量化反応後に時間とエネルギ−を費やして単量体を分離する必要があるため、経済面で考慮すべき重要な事柄が存在する。また、1個以上のイソシアヌレート環を含む生成物成分の形成の結果としての出発ジイソシアネートの変換率の増加に関連して、三量体NC官能価(f)が増加する。これも極めて望ましいことである。なぜなら、その結果、架橋密度が高く、物理的及び化学的定性も高い生成物が得られるからである。便宜上、以下の説明ではこれらの物質を、含まれているジイソシアネート分子の数nで特徴付ける(n=3、5、7...)。n=3であればf=3であり、n=5であればf=4であるといった具合である。しかしながら、nの値が増加するとポリイソシアネート三量体の(溶融)粘度も増加する。

従って、粘度の低い三量体を製造するためには、混合物中の「n=3」三量体の割合をできるだけ大きくすべく反応を極めて低い変換率で終了させるか、又はその後「n=3」の三量体を、任意にやはり大量に、オリゴマー混合物から分離しなければならない(ドイツ特許出願公開明細書第3,810,908号、国際特許出願公開明細書第93/07 183号参照)。これら二つの方法のいずれも経済的観点からは有利ではない。変換率が低いと樹脂収率が大幅に低下し、前述のように経済効率が悪くなり、分離方法の種類に関係なく、操作コストが増大すると共に粘度のより大きいフラクションからなる副産物が生じる。また、極めて短い時間の後でもそれ以上の反応を中断しなければならない場合には、工業的三量化の実施時に再現可能な均質生成物を得ることが困難になり得る(均質化の問題、しばしば併用される助触媒の間の不完全副反応及び二次反応等々)。そこで、ラッカーポリイソシアネートの粘度を低下させるために多くの物質及び方法が提案された。その一つは、反応性シンナー、即ち通常は23℃で300mPa.s未満の低い固有粘度を示し、ポリイソシアネートの反応相手、例えばポリヒドロキシル化合物と反応することができる基を有する物質を使用することからなる。そのためには、脂肪族ジイソシアネート(特にHDI)をベースとし、ウレトジオン基二量体)及び/又はアロファネート構造を有するポリイソシアネートが使用されてきた(H.J.ラースら,J.Prakt.Chem.1994,336.196−198)。

混合物を高粘度イソシアヌレート及び低粘度アロファネートの同時形成によって製造するか、又は別個に製造した生成物を後で混合するかは、ポリイソシアネート混合物の最終粘度の見地からは通常重要ではない。ウレトジオン基含有ポリイソシアネート及びアロファネートポリイソシアネート(アロファネートがジイソシアネート及びモノアルコールから製造したものである場合)は、どちらも主として二官能性である。より大きい官能価のアルコールをベースとするアロファネートは、ビウレット又はイソシアヌレートポリイソシアネートと比べて改善された粘度を示すことはない(ドイツ特許出願公開明細書第2,729,990号)。どのような低粘度反応性希釈剤を使用しても、ポリイソシアネート混合物の官能価は低下する。HDIポリイソシアネートの粘度を大幅に減少させるためには、結果として得られる混合物の官能価が3を大きく下回るように、高濃度二官能価性反応シンナーが必要である(ドイツ特許出願公開明細書第19,603,736号)。また、ウレトジオン四員環が熱的に不安定であり、高温で出発ジイソシアネートへの解離生起するという問題もある。例えばドイツ特許出願公開明細書第1,670,720号に従いホスフィン触媒とするHDIの二量化によって製造される先行技術の低粘度ウレトジオン反応性シンナーの場合には、HDI単量体を再形成するこのような漸進的開裂は、60℃以上の乾燥室内で始まり得る。この熱安定性の問題は、程度はより低いが、特に150℃以上の温度でアロファネートにも見られ、この場合はより安定なウレタン及びイソシアネート基への解離が生じる。

最適官能価を有する低粘度脂肪族ポリイソシアネートは、別の反応、例えばシリル化アルコールとイソシアナト−アルカン酸塩化物との反応によって製造することもできる(Ch.ツヴィーナー、L.シュマルスティーク、M.ゾンターク、K.ナハトカンプ及びJ.ペダイン塗料とラッカー1991、1052−1057及び参考文献)。この場合の欠点は、イソシアナトアルカン酸塩化物が工業的に入手できず、取り扱い上の問題も有し得るという点にある。この方法は、生成物の所期の利点、特にポリイソシアネートの低粘度の達成には見合わないほどコストが高い。イソシアヌレートポリイソシアネートの別の欠点は、極性が十分ではない特定のポリオールに対して相容性を示すことである(ドイツ特許出願公開明細書第3,810,908号)。その結果、例えばラッカー及びコーティング部門での使用が制限され得る。ドイツ特許出願公開明細書第3,810,908号の教示によれば、この欠点は、変換率が低いうちに三量化を停止させて60重量%以上の1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)イソシアヌレートを含むイソシアヌレートポリイソシアネートを得ることにより解消し得る。しかしながらこの方法は、前述のように、経済的理由で有利とは言えない。

概要

イソシアネート三量体を含むポリイソシアネート混合物、前記イソシアネート三量体の製造方法、前記イソシアネート三量体と別のポリイソシアネートとの混合物、及びイソシアネート基が任意にブロッキング剤ブロックされていてもよい前記イソシアネート三量体とイソシアネート反応基を2個以上有する化合物とを含む組成物を提供する。

このポリイソシアネート混合物は、i)三量体の30〜100モル%がイミノオキサジアジンジオン

であり、ii)三量体の0〜70モル%がイソシアヌレートAであり、iii)ポリイソシアネート混合物の10モル%未満がウレトンイミン構造Gを有し、iv)ウレトジオンFのモル%に対する三量体A及びBのモル%の合計の比が4:1より大きい。

目的

本発明の目的は、質的にはイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート生成物と少なくとも同等であり、且つ先行技術の生成物の欠点がないか又は軽減されたポリイソシアネートを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
8件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

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請求項1

請求項

ID=000005HE=020 WI=043 LX=0385 LY=0550であり、ii)三量体の0〜70モル%がイソシアヌレート

請求項

ID=000006HE=025 WI=033 LX=0435 LY=0900であり、iii)ポリイソシアネート混合物の10モル%未満がウレトンイミン構造G

請求項

ID=000007HE=025 WI=039 LX=0405 LY=1300を有し、iv)ウレトジオン

請求項

ID=000008HE=025 WI=033 LX=0435 LY=1650のモル%に対する三量体A及びBのモル%の合計の比が4:1より大きく、前記式中、R1 、R2 及びR3 が互いに同じか又は異なり、NCO含量70%未満の脂肪族、脂環式芳香族及び/又は芳香脂肪族イソシアネート及び/又はこれらのオリゴマーからイソシアネート基を除去することによって得られた基を表す前記イソシアネート三量体を含むポリイソシアネート混合物。

請求項2

請求項1に記載のポリイソシアネート混合物の製造方法であって、NCO含量75%未満の脂肪族、脂環式、芳香族及び/又は芳香脂肪族イソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部を、式M[nF- (HF)m][式中、Mはn原子価カチオン又はn原子価ラジカルであり、m/n>0である]で示される(ポリフッ化水素触媒の存在下で三量化し、必要な三量化度で反応を停止させ、任意に未反応イソシアネートを除去することからなる前記製造方法。

請求項3

請求項1に記載のポリイソシアネート混合物を、ウレタンアロファネート尿素ビウレット、ウレトジオン及び/又はオキサジアジントリオン基を含む1種類以上のポリイソシアネートと混合した状態で含む組成物

技術分野

0001

本発明は、イミノオキサジアジンジオン基を含むイソシアネート三量体、その製造方法、並びにコーティング接着剤及びプラスチックの製造における使用に関する。

背景技術

0002

イソシアネートを三量化によってイソシアヌレート(1,3,5−置換ヘキサヒドロ−s−トリアジン−2,4,6−トリオン;一般的には環内に単結合を有する種が言及されるヘキサヒドロのような複素環の水素化度に関するデータは示さない)に変換する方法は公知である。例えば、フェニルイソシアネート酢酸カリウムの存在下で三量化することによって製造し得る1,3,5−トリフェニル誘導体は1885年に初めて合成された(A.W.ホフマン、Chem.Ber.1885、18号、765頁以下)。イソシアヌレートの合成には別の方法を使用することも可能であるが(H.F.ピーペンブリンク、“ホウベン/ヴエイル、有機化学法”第4版、Vol.VIII、酸素化合物III、G.チーメ出版社、シュトゥットゥガルト、1952、E.ミューラー編、p.244以降参照)、最も簡単な方法はやはりイソシアネートの三量化である。

0003

特に、市販のジイソシアネート、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、ビスイソシアナトフェニルメタンアニリンホルムアルデヒド縮合及びホスゲン化を順次行うことによって製造したようなポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン(H12MDI)の三量化によって得られるイソシアヌレートポリイソシアネートは、特にポリウレタンプラスチック材料及びポリウレタンコーティングを製造するための高品質原料であることが判明した。また、三量化は、特に芳香族ポリイソシアネートの場合には、発泡状であってもよい高分子量プラスチックを製造するための一般的な架橋反応である。これらの先行技術の系は幾つかの欠点を有する。例えば、特にラッカー及びコーティング部門で実用的なイソシアヌレートポリイソシアネートを製造するためにジイソシアネートを三量化すると、得られるポリイソシアネートの(溶融)粘度が著しく高くなることがある。これは特に、高変換率又は高樹脂収率で操作を行う場合に見られる現象であり、これらの生成物を操作又は使用する時に問題を生じ得る。

0004

しかしながら、高変換率は多くの理由で望ましいものである。例えば、環境保護見地から、三量化反応後に時間とエネルギ−を費やして単量体を分離する必要があるため、経済面で考慮すべき重要な事柄が存在する。また、1個以上のイソシアヌレート環を含む生成物成分の形成の結果としての出発ジイソシアネートの変換率の増加に関連して、三量体のNC官能価(f)が増加する。これも極めて望ましいことである。なぜなら、その結果、架橋密度が高く、物理的及び化学的定性も高い生成物が得られるからである。便宜上、以下の説明ではこれらの物質を、含まれているジイソシアネート分子の数nで特徴付ける(n=3、5、7...)。n=3であればf=3であり、n=5であればf=4であるといった具合である。しかしながら、nの値が増加するとポリイソシアネート三量体の(溶融)粘度も増加する。

0005

従って、粘度の低い三量体を製造するためには、混合物中の「n=3」三量体の割合をできるだけ大きくすべく反応を極めて低い変換率で終了させるか、又はその後「n=3」の三量体を、任意にやはり大量に、オリゴマー混合物から分離しなければならない(ドイツ特許出願公開明細書第3,810,908号、国際特許出願公開明細書第93/07 183号参照)。これら二つの方法のいずれも経済的観点からは有利ではない。変換率が低いと樹脂収率が大幅に低下し、前述のように経済効率が悪くなり、分離方法の種類に関係なく、操作コストが増大すると共に粘度のより大きいフラクションからなる副産物が生じる。また、極めて短い時間の後でもそれ以上の反応を中断しなければならない場合には、工業的三量化の実施時に再現可能な均質生成物を得ることが困難になり得る(均質化の問題、しばしば併用される助触媒の間の不完全副反応及び二次反応等々)。そこで、ラッカーポリイソシアネートの粘度を低下させるために多くの物質及び方法が提案された。その一つは、反応性シンナー、即ち通常は23℃で300mPa.s未満の低い固有粘度を示し、ポリイソシアネートの反応相手、例えばポリヒドロキシル化合物と反応することができる基を有する物質を使用することからなる。そのためには、脂肪族ジイソシアネート(特にHDI)をベースとし、ウレトジオン基二量体)及び/又はアロファネート構造を有するポリイソシアネートが使用されてきた(H.J.ラースら,J.Prakt.Chem.1994,336.196−198)。

0006

混合物を高粘度イソシアヌレート及び低粘度アロファネートの同時形成によって製造するか、又は別個に製造した生成物を後で混合するかは、ポリイソシアネート混合物の最終粘度の見地からは通常重要ではない。ウレトジオン基含有ポリイソシアネート及びアロファネートポリイソシアネート(アロファネートがジイソシアネート及びモノアルコールから製造したものである場合)は、どちらも主として二官能性である。より大きい官能価のアルコールをベースとするアロファネートは、ビウレット又はイソシアヌレートポリイソシアネートと比べて改善された粘度を示すことはない(ドイツ特許出願公開明細書第2,729,990号)。どのような低粘度反応性希釈剤を使用しても、ポリイソシアネート混合物の官能価は低下する。HDIポリイソシアネートの粘度を大幅に減少させるためには、結果として得られる混合物の官能価が3を大きく下回るように、高濃度二官能価性反応シンナーが必要である(ドイツ特許出願公開明細書第19,603,736号)。また、ウレトジオン四員環が熱的に不安定であり、高温で出発ジイソシアネートへの解離生起するという問題もある。例えばドイツ特許出願公開明細書第1,670,720号に従いホスフィン触媒とするHDIの二量化によって製造される先行技術の低粘度ウレトジオン反応性シンナーの場合には、HDI単量体を再形成するこのような漸進的開裂は、60℃以上の乾燥室内で始まり得る。この熱安定性の問題は、程度はより低いが、特に150℃以上の温度でアロファネートにも見られ、この場合はより安定なウレタン及びイソシアネート基への解離が生じる。

0007

最適官能価を有する低粘度脂肪族ポリイソシアネートは、別の反応、例えばシリル化アルコールとイソシアナト−アルカン酸塩化物との反応によって製造することもできる(Ch.ツヴィーナー、L.シュマルスティーク、M.ゾンターク、K.ナハトカンプ及びJ.ペダイン塗料とラッカー1991、1052−1057及び参考文献)。この場合の欠点は、イソシアナトアルカン酸塩化物が工業的に入手できず、取り扱い上の問題も有し得るという点にある。この方法は、生成物の所期の利点、特にポリイソシアネートの低粘度の達成には見合わないほどコストが高い。イソシアヌレートポリイソシアネートの別の欠点は、極性が十分ではない特定のポリオールに対して相容性を示すことである(ドイツ特許出願公開明細書第3,810,908号)。その結果、例えばラッカー及びコーティング部門での使用が制限され得る。ドイツ特許出願公開明細書第3,810,908号の教示によれば、この欠点は、変換率が低いうちに三量化を停止させて60重量%以上の1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)イソシアヌレートを含むイソシアヌレートポリイソシアネートを得ることにより解消し得る。しかしながらこの方法は、前述のように、経済的理由で有利とは言えない。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、質的にはイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート生成物と少なくとも同等であり、且つ先行技術の生成物の欠点がないか又は軽減されたポリイソシアネートを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

前記目的は本発明のイソシアネート三量体によって達成され得る。
発明の概要
本発明は、イソシアネート三量体を含むポリイソシアネート混合物であって、i)三量体の30〜100モル%がイミノオキサジアジンジオン

0010

本発明は、NCO含量75%未満の脂肪族、脂環式芳香族及び/又は芳香脂肪族イソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部を、式M[nF- (HF)m ][式中、Mはn原子価カチオン又はn原子価ラジカルであり、m/n>0である]で示される(ポリフッ化水素触媒の存在下で三量化し、必要な三量化度で反応を停止させ、任意に未反応イソシアネートを除去することにより前記イソシアネート三量体を製造する方法にも関する。本発明は、前記イソシアネート三量体と、ウレタン、アロファネート、尿素、ビウレット、ウレトジオン及び/又はオキサジアジントリオン基を含むポリイソシアネートとの混合物にも関する。本発明は、イソシアネート基が任意にブロッキング剤ブロックされていてもよい前述のイソシアネート三量体と、イソシアネート反応基を2個以上有する化合物とを含む組成物にも関する。

0011

本発明では、イソシアネートという用語はモノイソシアネート、ポリイソシアネート、及びこれらのイソシアネート類のいずれか一方又は両方の混合物を意味する。三量体という用語は、単一種類の三量体、例えば三量体B、及び種々の三量体の混合物、例えばAとBとの混合物を意味し、脂肪族(脂環式)イソシアネートという用語は、脂肪族的及び/又は脂環式的に結合したイソシアネート基を有するイソシアネートを意味する。本発明は、C=N二重結合のみを開環するだけでなくC=O二重結合も開環することによって、イソシアネートを六員環複素環式系に変換できるという極めて驚くべき観察に基づくものである。この観察事項が極めて驚異的である理由は、C=N二重結合を開環して例えばイソシアヌレート及びウレトジオンを形成することにより得られるイソシアネート二次生成物に関する文献が多く存在するのに対して、異性体イミノオキサジアジンジオンBへの言及は殆ど見られないからである。有機的に置換したジイミノジオキサジンオンC及びトリイミノトリオキサンDは、時に式D[R1 〜R3 =H]で示されるシアヌル酸を除いて全く知られていない。

0012

0013

B類を代表する物質は2種類だけ純粋な形態で単離されている。即ち、トリメチル誘導体(3,5−ジメチル−2−メチルイミノ−4,6−ジケト−1,3,5−オキサジアジン)、B[R1 〜R3 =Me](Chem.Ber.1927,69,295)及び5−メチル−2−メチルイミノ−3−フェニル−4,6−ジケト−1,3,5−オキサジアジン(Chem.Ber.1987,120,339)である。また、Bの形成は、触媒を介する脂肪族ジイソシアネートのオリゴマー化における稀な副反応として知られている。例えば、高い温度、長い反応時間及び低い触媒濃度でホスフィンを触媒として脂肪族ジイソシアネートからウレトジオンを形成する操作(二量化)では、イソシアヌレートの量の増加に加えて、アルキルイミノ−ジアルキルオキサジアジンジオン、カルボジイミド及びウレトンイミンのような別の副産物も形成される(ドイツ特許出願公開明細書第1,670,720号)。ホスフィン触媒作用下での5:1未満の三量体(A及びBの合計)対ウレトジオンのモル比は、ウレトンイミンGの発生を回避すべきであれば、三量体の割合を大きくする方向に超過することはできない。一方、生成物中のイミノオキサジアジンジオンBのモル比率、特にイソシアヌレートA対イミノオキサジアジンBの比は、反応条件に関係なく実質的に一定している(実施例1参照)。

0014

ウレトンイミンGはポリウレタンの製造にはある程度しか使用できない。なぜなら、ウレトジオンより低い温度でも解離(開裂)してジイソシアネート単量体及びカルボジイミドを形成するからである。ウレトンイミンは室温でカルボジイミドと動的に均衡した状態で存在する。ジイソシアネート単量体がカルボジイミドからのGの生成に必要なNGO基を供給すると、対応するウレトンイミンは単量体の再形成に関する問題を生じる。これは、結果として得られる生成物の安全な使用が健康及び安全上の理由から可能ではないことを意味する。そのため、文献には必ず、ホスフィンを触媒とする単量体ジイソシアネートのオリゴマー化をできる限り低い温度で実施するように記述されている(H.J.ラースら,J.Prakt.Chem.1994,336,196)。

0015

ドイツ特許出願公開明細書第3,902,078号は、二酸化炭素の存在下で脂肪族(脂環式)ジイソシアネートを三量化する方法を開示している。このドイツ特許明細書の第4ページ、第51〜52行に記載のように、オキサジアジントリオンE及びイソシアネートAに加えて、イミノオキサジアジンジオンBも程度はより低いが形成される。このドイツ特許出願公開明細書第3,902,078号の実施例から明らかなように、後者の比率は、三量体の比率(A及びBの合計、但しR1 〜R3 =(CH2)6 R4 であり、R4 は構造A及び/又はBのNCO及び/又は複素環を表し、R1 、R2 及び/又はR3 と異なりヘキサメチレン鎖への直接的リンクを形成する)に基づいて計算して25%以下である。同じ触媒系及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートの製造における該触媒系の使用が、欧州特許出願公開明細書第0,355,479号に記述されている。この触媒系を用いてHDIを三量化すると、製造条件(助触媒、温度、カチオン等)が変化しても、三量体混合物(A及びBの合計)中のBの割合は決して25%を超えず、通常は20%未満である(実施例2参照)。

0016

欧州特許出願公開明細書第0,355,479号には、それぞれ20又は60%の樹脂収率でHDIを三量化するために記載の触媒系を使用すると、23℃で測定した動的粘度(以後η23で表示)がそれぞれ1,700又は35,000mPa.s以下になることが開示されている。例えばドイツ特許出願公開明細書第3,806,276号の教示に従い第四アンモニウム水酸化物触媒作用によって製造し得るイソシアヌレートポリイソシアネートは、対応するHDI三量体収率で約1,500又は10,000mPa.sのη23値を示す(ドイツ特許出願公開明細書第3,806,276号、実施例6〜12参照)。従って、欧州特許出願公開明細書第0,355,479号の教示に従いフッ化物触媒作用によって製造したHDI三量体は、粘度の観点では改善されていないことになる。従って、三量体混合物中のBの割合が大幅に増加するか又はBのみが存在している場合に、これらの生成物の粘度が著しく低下し得るというのは驚くべきことである。

0017

一般的には、ある化合物又は化合物類の粘度に関する結論を、別の化合物又は化合物類の類推によって到達した結論から導くことは事実上不可能である。例えば、1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)イソシアネートA[R1〜R3 =(CH2)6 −NCO]は23℃で約700mPa.sの動的粘度を示すが、これは、構造的には同類であるがNCO官能価が2であり、η23値が約1,200mPa.sである3,5−ビス−(6−イソシアナトヘキシル)−1−オキサジアジントリオンE[R1 〜R2 =(CH2)6 −NCO]よりかなり低い(実施例3参照)。本発明の三量体及び三量体混合物の製造に適した触媒系の代表例は、一般式M[nF- (HF)m ]で示される(ポリ)フッ化水素である。前記式中、m/n>0であり、Mはn荷電カチオン(混合物)又は合計でn原子価の1個以上のラジカルを表す。これらの化合物の一部は市販されており、又は対応するフッ化物を所望量のHFとブレンドすることにより任意の化学量論量で簡単に製造できる。

0018

多くの参考文献が、三量化反応を終了させるための添加剤としての酸及び酸誘導体を記述している(J.Prakt.Chem.1994,336,185以下)。従って、例えば無機酸HFをフッ化第四アンモニウムに加えることによって、触媒の触媒活性が損なわれず、逆に選択性が明確に増加するということは極めて驚くべきことである。フッ化水素は例えば、プロトン性又は非プロトン性有機溶媒中の溶液として添加し得る。例えばピリジン又はメラミンとのHFアミン複合体も市販されている。生理学的に不快な遊離フッ化水素と異なり、フッ化水素は問題がない。生成物中の遊離フッ化水素の存在はまた、フッ化カルバモイルの形成を伴うイソシアネートへのHF添加という公知の方法によって排除される(J.Chem.Soc.,1945,864−865)。記載の触媒系の「HF成分」は広い範囲で変化させ得る。即ち、該成分が、例えば対応する化学量論量のカリウム塩の形態で知られている所定の二フッ化一水素、三フッ化二水素等々によって構成されているのか(ホレマン−ヴィベルグ、無機化学教本、第91−100版、W.デグリュイター出版社、ベルリンニューヨーク、1985、p.408、脚注50)、又はフッ化物もしくはHFを過剰に含む後者の化合物の任意の混合物によって構成されているのかは重要ではない。

0019

本発明の三量体又は三量体混合物の製造に関しては、触媒が三量化すべきモノ及び/又はポリイソシアネートに溶解する(均一系触媒作用)か又は溶解しない(不均一系触媒作用)かは重要ではない。触媒作用には別の物質又は物質混合物、例えばアミン、アルコール、フェノール触媒用及び/又はイソシアネート用の溶媒酸化防止剤並びに触媒の吸着結合又は共有結合マトリックスも加え得る。水素(ポリ)フッ化物を形成するのに必要なフッ化水素は、任意に溶解状態で、三量化の前又は最中に、三量化すべきイソシアネート(混合物)に別個に加えることもできる。また、触媒条件下でフッ化水素を給送する任意の物質を使用して本発明の生成物(混合物)を製造することもできる。例えば、フッ化カルバモイルはいずれも本発明の三量体又は三量体混合物を製造するための「HF源」として適当である。

0020

触媒作用は、例えば出発(ポリ)イソシアネート(混合物)の関与するイソシアネート基の定量的変換によって、縮合相もしくは気相中で−80℃〜550℃の温度範囲で生起し得、又は任意の変換度で中断し得る。後者の場合は、反応を終了させるために、開示されている総ての先行技術の方法を使用し得る。具体例としては、(超)化学量論量の酸又は酸誘導体(例えば塩化ベンゾイルリン酸エステルリン酸及びHF以外の酸)、触媒の吸着結合及びその後の濾過による分離、熱的失活等が挙げられる。本発明の三量体(三量体混合物)の製造には、出発イソシアネートの数ppm〜5%の触媒濃度で十分である。任意に連続的であってもよい本発明の方法の特定具体例では、本発明の三量体(三量体混合物)を管状反応器で製造し得る。その場合は、本発明の三量化の発熱性が一般的なイソシアヌレート生成より低いために、更に別の利点が得られる。本発明の三量化は任意に、ウレタン化及び/又はアロファン化を同時に行いながら実施し得る。本発明の三量体は、任意に発泡状であってもよいポリウレタンプラスチック材料の製造(架橋反応)時に生成することもできる。

0021

本発明の三量体は、NCO含量が70%未満の任意の公知の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び芳香族モノ及びポリイソシアネートから製造し得る。これらのイソシアネート中に存在する有機ラジカルは、別の置換基、例えばカルボニル又はカルボキシル基及びヘテロ原子(例えばハロゲン、O、S、N、P、Si、Sn及びB)も含み得る。適当なイソシアネートの具体例としては、エチルイソシアネート、並びに下記のモノ及びポリイソシアネート、即ちプロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネートオクチルイソシアネート、アルコキシアルキルイソシアネート、例えばメトキシプロピルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、(メチル)シクロヘキサンジイソシアネート、エチルシヘクロヘキサンジイソシアネート、プロピルシヘクロヘキサンジイソシアネート、メチルジエチルシヘクロヘキサンジイソシアネート、フェニルイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリルイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)メタン、例えばアニリン−ホルムアルデヒド縮合及びホスゲン化を順次行うことによって製造したポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(MDI)、プロパンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート(HDI)、ヘプタンジイソシアネート、オクタンジイソシアネート、ノナンジイソシアネート及びトリイソシアネートデカンジイソシアネート及びトリイソシアネート、ウンデカンジイソシアネート及びトリイソシアネート、ドデカンジイソシアネート及びトリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン(H12MDI)並びにイソシアナトメチルシクロヘキサン(例えば4(3)−イソシアナトメチルシクロヘキシルイソシアネート、IMCI)の総ての位置異性体(regioisomer)及び立体異性体が挙げられる。これらの(ポリ)イソシアネートを製造する方法、即ちホスゲンを使用するか又は使用しないかは重要ではない。

0022

本発明の三量化反応では、例えばそれぞれの生成物又は生成物混合物の特性プロフィルに最適に調和する特定のイソシアネートの混合物を使用すると有利であり得る。例えば、任意に分枝鎖状であってもよい線状脂肪族ジイソシアネート(例えばHDI)及び脂環式ジイソシアネート(例えばIPDI、H12MDI)をベースとするイソシアヌレートポリイソシアネート混合物は多くの用途で使用される。これらの混合物は通常、別個に製造したイソシアヌレートポリイソシアネートをブレンドすることによって調製する。これらの混合物は真の混合三量化によって調製すると有利であり得る(欧州特許出願公開明細書第0,047,452号)。しかしながら、脂環式ジイソシアネートをベースとする先行技術のイソシアヌレートポリイソシアネートは樹脂収率20%未満で固体であり、時には蒸留によって単量体を分離することが極めて難しいような高い溶融粘度を示すため、これらの物質を処理する蒸留中に溶媒を使用する必要があり、場合によっては流れ改善剤(flow improver)も使用する必要がある。脂環式ジイソシアネートをベースとするイソシアヌレートポリイソシアネートが1000〜10,000mPa.sのη23値を得るための溶液濃度は通常約70%である。

0023

線状脂肪族ジイソシアネート(例えばHDI)と脂環式ジイソシアネート(例えばIPDI)との混合物を三量化してイミノオキサジアジンジオンを形成すると、室温でも自由に流動する生成物が得られる(η23≦100,000mPa.s)。これらの生成物は更に、溶液状態で、溶媒濃度の増加に伴い、対応する組成、即ち官能価、ジイソシアネート出発材料及び平均分子量の公知のイソシアヌレート生成物より遥かに速い粘度低下速度を示す(実施例4参照)。任意に分枝鎖状であってよい純粋脂肪族ジイソシアネート、例えばHDIをベースとする本発明の三量体の一部の粘度も、対応する公知の生成物(欧州特許出願公開明細書第0,047,452号、実施例5以下参照)よりかなり低い。本発明の三量体は、薄膜蒸留、抽出、結晶化又は分子蒸留といった一般的な先行技術の方法で分離することができるウレタン(プレポリマー)、アロファネート、尿素、ビウレット、ウレトジオン(二量体)及び/又はオキサジアジントリオン構造を含む別のイソシアネート二次生成物との混合状態で生成し得る。結果として得られる生成物は、使用するイソシアネートに応じて約30〜180℃の融点範囲を有する無色の又は薄く着色した液体又は固体である。

0024

本発明のイミノオキサジアジンジオンの別の利点は、複素環系反応性にある。トリメチル誘導体B[R1 〜R3 =Me]の具体例を使用したスロッタ及びチェシェの文献及びChem.Ber.、1927 60,295に記載の研究は、この点で大きな貢献を果たした。即ち、化合物が水と反応すると開環が生起し、脱カルボキシル化によって、容易に生分解する化合物である1,3,5−トリメチルビウレットが形成される。これまでの文献には開示されていないアルコール分解又はアミノ分解の結果、それぞれ尿素−3−(カルボン酸アミド)−1−(カルボン酸エステル)又はトリウレットが得られる。これらの化合物類は、別のルートで得るのは難しい(A.ボッタ、“ホウベン/ヴェイル、有機化学法”第4版の追補及び更に別の巻、Vol.E4、炭酸誘導体、G.チーメ出版社、シュトゥットゥガルト、ニューヨーク、1983、H.ハーゲマン編、pp.1325−1334参照)。また、これらの化合物は活性成分及びポリウレタン部門の両方で有用であり得る。

0025

ポリウレタン部門では、例えば、後で架橋結合により高分子量プラスチック又はコーティングを形成するために、三量化反応で最初に消費された有用なNCO基回収することが可能である。これらの反応を、例えば、置換基R1 〜R3 中に依然としてNCO基を含んでいるイミノオキサジアジンジオンB、及び(ポリ)ヒドロキシ官能性生成物、例えばポリエーテル又はポリエステルを用いて実施すると、トリカルボニル化合物開環反応及び任意にその次の解離反応を標的式に使用して、生分解性に関する厳しい要件を満たすイソシアヌレート無含有プラスチック材料、コーティング剤又は添加物を得ることができる。この種の生成物は例えば紙に湿潤強度を付与する上で特に有利である。また、一般式A又はB(R1 〜R3 =R’−NCO、但しR’はNCO基を含まない有機ラジカルである)で示される理想的ジイソシアネート三量体のNCO官能価は、Aの場合の3からBの場合の5まで増加する。

0026

本発明のイミノオキサジアジンジオンの別の利点は、Aへの異性化にある。即ち、室温、そして時には室温より遥かに低い温度で、イミノオキサジアジンジオン構造を異性体イソシアヌレート構造に簡単に転位することができる。これは、任意に触媒の存在下で、NCO基をツェレビチノ活性水素含有化合物と同時に反応させて、先行技術のイソシアヌレートポリイソシアネートと同じように高い特性レベルを有するが、適用の前及び最中に前述の粘度利点も示すプラスチック材料及びコーティングを得ることにより達成し得る。従って本発明の化合物及び混合物は、活性成分及び任意に発泡状であってよいプラスチック材料の製造、並びにラッカー、コーティング組成物、接着剤及び添加剤の製造に使用できる万能出発材料を表す。これらの物質は特に、任意にNCOブロック状態で、一成分及び二成分ポリウレタンコーティング組成物の製造に適している。なぜならこれらの物質は、(主に)イソシアヌレートポリイソシアネートをベースとする生成物と比べて溶媒粘度及び溶融粘度が小さく、別の点では同等以上の特性プロフィルを示すからである。このような用途では、単独で、又は別の先行技術のイソシアネート誘導体、例えば任意に遊離NCO基をブロッキング剤で失活させたウレトジオン、ビウレット、アロファネート、イソシアヌレート、ウレタン及びカルボジイミドポリイソシアネートと結合した状態で使用し得る。

0027

本発明の三量体の別の利点は、長期間の熱負荷の下でも、これらの三量体のベースとなる単量体(ポリ)イソシアネートに解離する傾向を示さないという点にある。即ち、沸点がトリス(6−イソシアナトヘキシル)イミノオキサジアジンジオンB[R1 〜R3 =(CH2)6NCO]と同じくらい高い化合物でさえも、異性体イソシアヌレートA[R1 〜R3 =(CH2)6 ]に分解又は転位せずに、本発明のHDI三量体混合物からの蒸留及び抽出の両方によって分離することができる。その結果、1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)イソシアヌレートA[R1 〜R3 =(CH2)6 NCO]の文献に記載の粘度700mPa.sより実質的に低い粘度を有する生成物が得られる(実施例6参照)。従ってトリス(6−イソシアナトヘキシル)イミノオキサジアジンジオンB[R1 〜R3 =(CH2)6 NCO]は、ヘキサメチレンジイソシアネートのNCO三官能性オリゴマーの中で最も低い粘度を有する。

0028

本発明のポリイソシアネート三量体は、二重架橋メカニズムを有する用途にも適している。例えば、通常はイソシアネート基である遊離反応性基を最初の反応ステップでポリオール成分又はポリアミン成分と反応させ、独立した第二のステップで別の架橋がを実施してイミノオキサジアジンジオン構造を分解させるメカニズムである。これは、前述のように、イミノオキサジアジンジオン単位1当量当たり2個までのイソシアネート反応基を反応させ得ることを意味する。結果として得られるプラスチック及びコーティングは構造的に、ビウレット又はアロファネート基含有原料から製造したもの、及びイソシアヌレート基含有原料から製造したものにかなり対応する。これらの物質は、先行技術の系に典型的な特性プロフィルを有し、しかも前述の欠点はもたない極めて高品質な生成物である。

0029

本発明のポリイソシアネート三量体は、コーティング組成物の結合剤として使用するのに適している。これらの三量体は、任意に別のポリイソシアネートとブレンドし、任意にブロック化形態で、任意に水性であってよい一成分又は二成分コーティング組成物中の架橋成分として使用するのが好ましい。本発明のポリイソシアネートは、二成分コーティング組成物の架橋成分として使用する場合には通常、公知のOH成分及びNH成分、例えばヒドロキシ官能性ポリエステルポリアクリレートポリカーボネート、ポリエーテル及びポリウレタン、並びに多官能性アミンと組み合わせる。本発明のポリイソシアネートはまた、湿分硬化プラスチック及びコーティングを製造するために一成分コーティング組成物中でも使用し得る。コーティング組成物は、湿潤剤流れ促進剤皮張り防止剤消泡剤艶消剤、粘度調節剤、顔料染料UV吸収剤、触媒並びに熱及び酸化安定剤のような添加剤も含み得る。これらの組成物はまた、溶媒又は溶媒混合物、例えばトルエンキシレン、シクロヘキサン、クロロベンゼン酢酸ブチル酢酸エチル、酢酸エチルグリコール酢酸メトキシプロピルアセトンホワイトスピリット及び高級置換芳香族(例えば、ソルベントナフサ、ソルベッソ、シェールゾール、イソパール、ナパール及びジアゾール溶媒)も含み得る。本発明の三量体をベースとするポリイソシアネートはコーティングの製造に使用し得、又は木材、プラスチック、金属、皮革、紙、コンクリート組積造セラミック及び布のような種々の材料を仕上げるための添加剤として使用し得る。

発明を実施するための最良の形態

0030

以下の実施例では、部及び%は特に指摘がない限り総て重量部及び重量%である。動的粘度は、Haake社のVT550プレートコーン(plate−cone)粘度計測定装置PK100を用いて23℃で測定した。測定は、本発明のポリイソシアネート混合物の流動特性及び比較生成物の流動特性が理想ニュートン流体のそれに対応するように、種々の重力速度で実施した。従って、重力速度の表示は不要である。

0031

実施例1 −ホスフィン触媒作用を使用する比較実施例
新しく蒸留したHDIの各200g(1.19mol)の試料3個(1a、1b及び1c)をまず真空(0.1mbar)下で1時間、60℃で撹拌して溶解ガスを除去し、次いで乾燥窒素を通した後、それぞれa)60℃(1a)、b)120℃(1b)及びc)180℃(1c)の温度で3g(14.8mmol)のトリ−n−ブチルホスフィン(例えばジャンセン社のアクロース)を各試料に加え、得られた混合物を窒素雰囲気下で、粗溶液屈折率が表1の値に到達するまで反応させた。次いで、混合物の屈折率(表1参照)が変化しなくなるまで80℃で約1時間撹拌し続けながら、各試料に4g(26mmol)のp−トルエンスルホン酸メチルエステルを加えることにより反応を停止させた。次いで、ショートパス(short−path)蒸発器で120℃/0.1mbarで薄膜蒸留にかけることにより、粗生成物から非反応単量体を除去した。その後、生成物の組成をNMR分光分析法によって調べ、残留単量体含量をガスクロマトグラフィーで測定した。残留単量体含量は、室温(20〜25℃)で3週間貯蔵した後、及び乾燥室内50℃で更に2週間貯蔵した後に再度測定した。分析結果は総て表1に示す。

0032

0033

表1
種々の温度でトリブチルホスフィンを触媒として実施したHDIのオリゴマー化の結果。
1)蒸留後/室温で3週間貯蔵した後/50℃で更に2週間貯蔵した後の残留単量体含量。
2)n.d.=検出不能。
3)不均質な濁った生成物。

0034

実施例2 −フッ化物触媒作用を使用する比較実施例
新しく蒸留したHDIの各200g(1.19mol)の試料(2a、2b、2c及び2d)を真空(0.1mbar)下で1時間、60℃で撹拌して溶解ガスを除去し、乾燥窒素を通し、次いで下記のように処理した:
2a) ドイツ特許出願公開明細書第3,902,078号(米国特許発明明細書第5,013,838号、本明細書に参考として包含)の実施例1に記載のように調製した2−エチル−1,3−ヘキサンジオール中のC8-10アルキル基含有N−メチル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムクロリドフルカ社から入手し得るアリクエート336)の約8%の触媒溶液を、触媒及びHDIの重量の約900ppmの量で、80℃で加えた。温度を105℃に上げ、混合物をNCO含量が41.2%になるまで撹拌した。60℃で更に1時間撹拌しながら0.9gのリン酸ジn−ブチルエステルを加えることにより反応を停止させた。次いで、ショートパス蒸発器で120℃/0.1mbarで薄膜蒸留にかけることにより非反応単量体を除去した。生成物の組成及び残留単量体含量を実施例1と同様に測定した。

0035

2b) 手順は2a)と同じであるが、n−ブタノール中のテトラメチルアンモニウムフルオリド四水和物アルドリッチ社)の5%触媒溶液110ppmを触媒として使用し、三量化反応を60〜70℃の温度で実施し、反応を0.132gのリン酸ジ−n−ブチルエステルの添加によりNCO含量39.1%で停止させた。
2c) 手順は2a)と同じであるが、n−ブタノール中のテトラメチルアンモニウムフルオリド水和物(アルドリッチ社)の8.3%溶液190ppmを触媒として使用し、三量化反応を70〜150℃の温度で実施し、反応を0.312gのリン酸ジ−n−ブチルエステルの添加によりNCO含量39.9%で停止させた。
2d) 手順は2a)と同じであるが、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(ジャンセン社)中のベンジルテトラメチルアンモニウムフルオリド水和物(アルドリッチ社)の5%溶液160ppmを触媒として使用し、三量化反応を0.03gのリン酸ジ−n−ブチルエステルの添加によりNCO含量35.1%で停止させた。

0036

0037

表2
フッ化物を触媒としたHDI三量化の結果
生成物はしばしば粗成生物又は単量体無含有樹脂のいずれかで濁りを示したため、薄膜蒸留の前又は後に濾過処理が必要であった。樹脂放置貯蔵後は、薄膜蒸留の前又は後に濾過を実施した場合でも、しばしば濁りが再発した。表2に示すように、三量体混合物(A及びBの合計)中のBのモル比率は常に30%を大きく下回っていた。

0038

実施例3(比較実施例)
a)ドイツ特許出願公開明細書第3,806,276号に従って調製したNCO含量23.5%、粘度1380mPa.sのHDI−イソシアヌレートポリイソシアネート、及びb)ドイツ特許出願公開明細書第1,670,666号に従って調製したNCO含量22.5%、粘度2560mPa.sのHDI−オキサジアジントリオンポリイソシアネートをそれぞれ1500gずつ、圧力0.05mbar、温度220℃で、ショートパス蒸発器での薄膜蒸留にかけた。a)では364gが回収され、b)では1092gが回収された。次いで、120℃で薄膜蒸留により各回収生成物からHDIを除去した。得られた生成物は下記の粘度を示した:ヘキサメチレンジイソシアネートの理想イソシアヌレート三量体(1,3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)イソシアヌレートA[R1 〜R3 =(CH2)6 −NCO]である生成物a)は23℃で700±10mPa.sの粘度を有していた。3,5−ビス(6−イソシアナトヘキシル)−1−オキサジアジントリオンE[R1 及びR2 =(CH2)6 −NCO]である生成物b)は23℃で1200±20mPa.sの粘度を有していた。種々の分析方法(IR、NMR、GPC、MS)を組み合わせて実施した測定では、純度が98%以上であった。Aに関する測定値は、文献に記載のデータと完全に一致していた(国際特許出願公開明細書第93/07,183号参照、この先行特許明細書の実施例に記載の粘度は純度がより低い「理想イソシアヌレート」フラクションについて25℃で測定したものである)。Eと比較するためのデータは文献に開示されていない。

0039

実施例4(本発明)
内部温度計撹拌器還流冷却器ガス導入管及び触媒溶液計量分配装置を備えた250ml四つ口フラスコ内で、84g(0.5mol)のHDIと111g(0.5mol)のイソホロンジイソシアネート(IPDI)との混合物から、室温で、約0.1mbarの圧力で、1時間かけて、ジイソシアネート混合物中に溶解しているガスをまず除去した。次いで、窒素を通しながら、混合物を60℃の内部温度に加熱した。この温度で、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール5.6g中0.5gのテトラエチルアンモニウムフルオリド水和物(アルドリッチ社)及び0.2gのフッ化水素の溶液を合計1.614g(920ppm)で、内部温度が70℃を超えないように約20分かけて滴下した。該混合物をNCO含量が約34.2%になるまで60〜70℃で三量化し、次いで混合物を60℃で更に1時間撹拌しながら0.181gのジ−n−ブチルホスフェートを加えることにより反応を停止させた。次いで、ショートパス蒸発器で、圧力0.1mbar及び温度170℃で薄膜蒸留にかけることにより、非反応単量体ジイソシアネートを分離した。蒸留したジイソシアネート混合物の組成は、IPDIが65モル%、HDIが35モル%であった。透明でほぼ無色の樹脂が得られた(32%の収率に対応する62.4g)。該樹脂の粘度は26,500mPa.s、NCO含量は18.8%、残留単量体含量は0.13%HDI及び0.27%IPDIであった。イソシアヌレートA対イミノオキサジアジンジオンBのモル比は1:1であった。但し、R1 〜R3 はHDI及び/又はIPDIからイソシアネート基を除去することによって得られた二官能性アルキルラジカルを表し、該アルキルラジカルは末端位置にNCO、イソシアヌレート、イミノオキサジアジンジオン、ウレトジオン、ウレタン及び/又はアロファネート基を含む。

0040

実施例5(本発明)
まず2000gのHDIを実施例4と同様に予備処理し、次いで1:5のモル比でHFと混合した状態で存在する実施例2a)に記載の触媒の2−エチル−1,3−ヘキサンジオール中6%触媒溶液を合計17.23g(触媒及びHDIの重量に基づいて520ppm)加えた。触媒は、ドイツ特許出願公開明細書第3,902,078号の実施例1(米国特許発明明細書第5,013,838号)に記載の手順で、但し対応する量のHFを後で2−エチル−1,3−ヘキサンジオール中で別個に調製した溶液として加えることにより製造した。触媒は、内部温度が65℃を越えないように、初期内部温度50℃で90分かけて滴下した。混合物のNCO含量が40%になった時点で0.22gのリン酸ジブチルを加え、混合物を50℃で更に1時間撹拌し、次いで実施例4に記載のように処理した。無色透明の三量体混合物が720g(36%の樹脂収率に対応)得られた。該混合物は下記の特性を有する:NCO含量22.8%、粘度1490mPa.s、残留単量体含量0.17%HDI、A:Bモル比1:1。

0041

実施例6(本発明)
実施例5の方法で製造した生成物570gを実施例3に記載の条件下で蒸留し精製してHDIを除去した。純度98%以上の三量体混合物(A及びBの合計、R1 〜R3 =(CH2)6 −NCO)が125g得られた。A:Bの比は出発オリゴマー混合物から変化していなかった。この混合物の粘度は380mPa.sであった。これは、実施例3の単独三量体Aについて報告されている粘度700mPa.sより実質的に低い。

0042

以下、本発明の実施態様を要約すれば次の通りである:
1.イソシアネート三量体を含むポリイソシアネート混合物であって、i)三量体の30〜100モル%がイミノオキサジアジンジオンB

0043

2. R1 、R2 及びR3 が、脂肪族(脂環式)ジイソシアネート及び/又はそのオリゴマーからイソシアネート基を除去することによって得られた基を表す請求項1に記載のポリイソシアネート混合物。
3. R1 、R2 及びR3 が、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネート及び/又はこれらのオリゴマーからイソシアネート基を除去することによって得られた基を表す請求項1に記載のポリイソシアネート混合物。
4. 請求項1に記載のポリイソシアネート混合物の製造方法であって、NCO含量75%未満の脂肪族、脂環式、芳香族及び/又は芳香脂肪族イソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部を、式M[nF- (HF)m ][式中、Mはn原子価カチオン又はn原子価ラジカルであり、m/n>0である]で示される(ポリ)フッ化水素触媒の存在下で三量化し、必要な三量化度で反応を停止させ、任意に未反応イソシアネートを除去することからなる前記製造方法。
5. 請求項1に記載のポリイソシアネート混合物を、ウレタン、アロファネート、尿素、ビウレット、ウレトジオン及び/又はオキサジアジントリオン基を含む1種類以上のポリイソシアネートと混合した状態で含む組成物。
6. イソシアネート基が任意にブロッキング剤でブロックされていてもよい請求項1に記載のポリイソシアネート混合物と、イソシアネート反応性基を2個以上有する化合物とを含む組成物。

0044

以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、この詳細は単に例示の目的にすぎず、特許請求の範囲によって限定され得る以外は本発明の思想及び範囲を逸脱することなく各種の改変が当業者によってなされ得る。

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