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技術 内燃機関用点火装置

出願人 マーレエレクトリックドライブズジャパン株式会社
発明者 湯川秀樹
出願日 1996年3月28日 (23年7ヶ月経過) 出願番号 1996-073459
公開日 1997年10月7日 (22年1ヶ月経過) 公開番号 1997-264242
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関の点火装置
主要キーワード 回転角度区間 瞬時充電 バイアス用コンデンサ 用放電回路 導通信号 直流コンバータ回路 消滅位置 阻止回路
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図面 (8)

課題

信号発電機エアギャップの影響を受けずに機関回転数制限値を一定にすることができる過回転防止機能付きの内燃機関用点火装置を提供する。

解決手段

積分コンデンサCi2´を第1の時定数充電する充電回路401と、パルサコイル1が出力する第1の信号Vs1の発生位置から第2の信号Vs2の発生位置まで積分コンデンサの充電を阻止する充電阻止回路402と、第2の信号が発生している間積分コンデンサCi2´を第1の時定数よりも小さい第2の時定数で放電させる放電回路403とを備えた積分回路4Cと、基準電圧Vr を発生する基準電圧発生回路4Bとを設け、積分回路から得られる積分電圧V2'が基準電圧Vr 以下になったときに比較回路4Dの出力により点火信号側路用スイッチ4Aを導通させて点火信号Vf が点火回路3に与えられるのを阻止する。

概要

背景

一般に内燃機関用点火装置は、点火信号が与えられた時に点火用の高電圧を発生させる点火回路と、点火回路に点火信号を与える回転角度位置を制御する点火位置制御回路とを備えている。

点火位置制御回路は、機関に取り付けられた信号発生器から与えられる信号から機関の回転情報回転角度情報回転速度情報)を得て、各回転数における点火位置を演算し、演算した点火位置で点火回路に点火信号を与える。

点火回路は点火コイルと、点火信号が与えられた時に動作する半導体スイッチとを有し、該半導体スイッチの動作により点火コイルの一次電流に急激な変化を生じさせて、該点火コイルの二次コイルに高電圧を発生させる。この高電圧は機関の気筒に取り付けられた点火プラグ印加されるため、該点火プラグで火花が生じて機関が点火される。

上記の信号発生器は、例えば、機関の回転軸クランク軸カム軸)に取り付けられた回転子と、機関のケースカバー等に固定された信号発電子とにより構成される。信号発電子は回転子に対向する磁極部を有する鉄心と、該鉄心に巻回されたパルサコイルと、該鉄心に磁気結合された磁石とを備えていて、鉄心の磁極部が回転子に所定のギャップを介して対向させられる。回転子は所定の極弧角を有するリラクタ誘導子)を備えていて、該リラクタが信号発電子の鉄心の磁極部に対向し始める際及び該対向を終了する際にそれぞれ鉄心に磁束の変化を生じさせて、パルサコイルに極性が異なるパルス波形の第1の信号及び第2の信号を発生させる。

一般には、上記第1の信号が機関の上死点よりも充分に進んだ第1の回転角度位置(最大進角位置)で発生し、第2の信号が機関の上死点よりも僅かに進み、第1の回転角度位置よりは遅れた第2の回転角度位置(最小進角位置)で発生するように、回転子と信号発電子との間の位置関係が設定され、これら第1及び第2の信号が点火位置制御回路に入力される。

点火位置制御回路は、上記第1の信号の発生位置(第1の回転角度位置)と第2の信号の発生位置(第2の回転角度位置)との間の区間を点火が許容される区間として各回転数における点火位置を演算し、演算した点火位置で点火信号を発生させる。

なお、本明細書において、信号の発生位置とは、信号のレベル回路により認識し得るレベル(しきい値レベル)に達する位置を意味する。

上記のような点火装置に機関の過回転を防止する機能を持たせる場合には、機関の回転数制限値を超えたことが検出されたときに点火回路が点火動作を行うのを阻止することにより機関を失火させて機関の回転数を制限値以下に低下させる過回転防止回路が設けられる。

従来広く用いられていた過回転防止回路は、点火回路の電源として用いられるエキサイタコイルに対して並列に接続された過回転防止用スイッチと、パルサコイルの出力信号のレベルから機関の回転数を検出して該回転数が制限値を超えたことが検出されたときに過回転防止用イッチを導通させる回路とからなっていて、機関の過回転が検出されたときにエキサイタコイルを短絡することにより点火動作を停止させて機関の回転数を低下させるように構成されていた。

ところが、上記のように、パルサコイルの出力信号のレベルから回転数を検出した場合には、信号発電子と回転子との間のギャップのばらつきにより、過回転防止動作が開始される回転数の制限値が変動するという問題があった。

そこで、本発明者は先に、特願平5−242418号において、パルサコイルの出力信号の発生間隔から機関の回転数が制限値を超えたことを検出することにより、信号発電機のギャップのばらつきの影響を受けることなく、過回転防止動作を行わせることができるようにした内燃機関用点火装置を提案した。

概要

信号発電機のエアギャップの影響を受けずに機関の回転数の制限値を一定にすることができる過回転防止機能付きの内燃機関用点火装置を提供する。

積分コンデンサCi2´を第1の時定数充電する充電回路401と、パルサコイル1が出力する第1の信号Vs1の発生位置から第2の信号Vs2の発生位置まで積分コンデンサの充電を阻止する充電阻止回路402と、第2の信号が発生している間積分コンデンサCi2´を第1の時定数よりも小さい第2の時定数で放電させる放電回路403とを備えた積分回路4Cと、基準電圧Vr を発生する基準電圧発生回路4Bとを設け、積分回路から得られる積分電圧V2'が基準電圧Vr 以下になったときに比較回路4Dの出力により点火信号側路用スイッチ4Aを導通させて点火信号Vf が点火回路3に与えられるのを阻止する。

目的

本発明の目的は、パルサコイルの出力信号の発生間隔から内燃機関の回転数が制限値を超えたことを検出することにより、過回転防止動作開始回転数がばらつくのを防止するとともに、過回転防止動作時に不正な点火信号が発生するのを防止することができるようにした内燃機関用点火装置を提供することにある。

本発明の他の目的は、点火位置制御回路と過回転防止回路とで回路の一部を共用して回路構成の簡素化を図った内燃機関用点火装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
1件

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請求項1

内燃機関上死点よりも進んだ位置に設定された第1の回転角度位置及び該第1の回転角度位置よりも遅れた位置に設定された第2の回転角度位置でそれぞれ所定の信号幅を有する第1及び第2の信号を発生するパルサコイルと、前記パルサコイルの出力により制御されて第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との間で発生位置が変化する点火信号を出力する点火位置制御回路と、前記点火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生する点火回路と、内燃機関の回転数制限値を超えたときに前記点火用の高電圧の発生を阻止することにより機関の回転数を制限値以下に制限する過回転防止回路とを備えた内燃機関用点火装置において、前記過回転防止回路は、導通信号が与えられている間導通して前記点火信号を点火回路から側路するように設けられた点火信号側路用スイッチと、前記第1の回転角度位置から第2の回転角度位置までの間第1の基準レベルを保持し、第2の回転角度位置から次の第2の回転角度位置までの間前記第1の基準レベルよりも低い第2の基準レベルを保持する基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、積分コンデンサを第1の時定数充電する充電回路と、前記第1の信号が発生してから第2の信号が発生するまでの間前記積分コンデンサの充電を阻止する充電阻止回路と、前記第2の信号が発生している間駆動信号が与えられて導通するように設けられた放電用スイッチを有して該放電用スイッチが導通している間前記積分コンデンサを前記第1の時定数よりも充分に小さい第2の時定数で放電させる放電回路とを備えて前記積分コンデンサの両端に積分電圧を発生する積分回路と、前記積分電圧を前記基準電圧と比較して、前記積分電圧が第1の基準レベルよりも低いとき及び第2の基準レベルよりも低いときに前記点火信号側路用スイッチに導通信号を与える比較回路と、前記比較回路が前記導通信号を発生したときに一定時間の間前記放電用スイッチに駆動信号を与える帰還回路とを具備し、機関の回転数が制限値を超えたときに前記第1の回転角度位置で前記積分電圧が第1の基準レベルよりも低くなるように前記第1の時定数が設定されていることを特徴とする内燃機関用点火装置。

請求項2

内燃機関の上死点よりも進んだ位置に設定された第1の回転角度位置及び該第1の回転角度位置よりも遅れた位置に設定された第2の回転角度位置でそれぞれ所定の信号幅を有する第1及び第2の信号を発生するパルサコイルと、前記パルサコイルの出力により制御されて第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との間で発生位置が変化する点火信号を出力する点火位置制御回路と、前記点火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生する点火回路と、内燃機関の回転数が制限値を超えたときに前記点火用の高電圧の発生を阻止することにより機関の回転数を制限値以下に制限する過回転防止回路とを備えた内燃機関用点火装置において、前記点火位置制御回路は、前記第1の信号が発生したときに第1の積分コンデンサを一定の初期レベルまで充電した後該第1の積分コンデンサを一定の時定数で追加充電する第1の積分コンデンサ充電回路と、前記第2の信号が発生したときに該第1の積分コンデンサを放電させるリセット回路とを備えて前記第1の積分コンデンサの両端に第1の積分電圧を発生させる第1の積分回路と、第2の積分コンデンサを第1の時定数で充電する充電回路と、前記第1の信号が発生してから第2の信号が発生するまでの間前記第2の積分コンデンサの充電を阻止する充電阻止回路と、前記第2の信号が発生している間駆動信号が与えられて導通するように設けられた放電用スイッチを有して該放電用スイッチが導通している間前記第2の積分コンデンサを前記第1の時定数よりも充分に小さい第2の時定数で放電させる放電回路とを備えて前記第2の積分コンデンサの両端に第2の積分電圧を発生する第2の積分回路と、前記第1の積分電圧と第2の積分電圧とを比較して、第2の積分電圧が第1の積分電圧よりも低くなった時に点火位置信号を発生する点火位置信号発生用比較回路と、前記第2の信号が発生したときまたは前記点火位置信号が発生したときに前記点火信号を出力する点火信号出力回路とを備えてなり、前記過回転防止回路は、導通信号が与えられている間導通して前記点火信号を点火回路から側路するように設けられた点火信号側路用スイッチと、前記第1の回転角度位置から第2の回転角度位置までの間第1の基準レベルを保持し、第2の回転角度位置から次の第2の回転角度位置までの間前記第1の基準レベルよりも低い第2の基準レベルを保持する基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、前記第2の積分電圧を前記基準電圧と比較して、前記第2の積分電圧が第1の基準レベルよりも低いとき及び第2の基準レベルよりも低いときに前記点火信号側路用スイッチに導通信号を与える導通信号発生用比較回路と、前記導通信号発生用比較回路が前記導通信号を発生したときに一定時間の間前記放電用スイッチに駆動信号を与える帰還回路とを備えてなり、機関の回転数が制限値を超えたときに前記第1の回転角度位置で前記第2の積分電圧が第1の基準レベルよりも低くなるように前記第1の時定数が設定されていることを特徴とする内燃機関用点火装置。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関過回転を防止する機能を備えた内燃機関用点火装置に関するものである。

背景技術

0002

一般に内燃機関用点火装置は、点火信号が与えられた時に点火用の高電圧を発生させる点火回路と、点火回路に点火信号を与える回転角度位置を制御する点火位置制御回路とを備えている。

0003

点火位置制御回路は、機関に取り付けられた信号発生器から与えられる信号から機関の回転情報回転角度情報回転速度情報)を得て、各回転数における点火位置を演算し、演算した点火位置で点火回路に点火信号を与える。

0004

点火回路は点火コイルと、点火信号が与えられた時に動作する半導体スイッチとを有し、該半導体スイッチの動作により点火コイルの一次電流に急激な変化を生じさせて、該点火コイルの二次コイルに高電圧を発生させる。この高電圧は機関の気筒に取り付けられた点火プラグ印加されるため、該点火プラグで火花が生じて機関が点火される。

0005

上記の信号発生器は、例えば、機関の回転軸クランク軸カム軸)に取り付けられた回転子と、機関のケースカバー等に固定された信号発電子とにより構成される。信号発電子は回転子に対向する磁極部を有する鉄心と、該鉄心に巻回されたパルサコイルと、該鉄心に磁気結合された磁石とを備えていて、鉄心の磁極部が回転子に所定のギャップを介して対向させられる。回転子は所定の極弧角を有するリラクタ誘導子)を備えていて、該リラクタが信号発電子の鉄心の磁極部に対向し始める際及び該対向を終了する際にそれぞれ鉄心に磁束の変化を生じさせて、パルサコイルに極性が異なるパルス波形の第1の信号及び第2の信号を発生させる。

0006

一般には、上記第1の信号が機関の上死点よりも充分に進んだ第1の回転角度位置(最大進角位置)で発生し、第2の信号が機関の上死点よりも僅かに進み、第1の回転角度位置よりは遅れた第2の回転角度位置(最小進角位置)で発生するように、回転子と信号発電子との間の位置関係が設定され、これら第1及び第2の信号が点火位置制御回路に入力される。

0007

点火位置制御回路は、上記第1の信号の発生位置(第1の回転角度位置)と第2の信号の発生位置(第2の回転角度位置)との間の区間を点火が許容される区間として各回転数における点火位置を演算し、演算した点火位置で点火信号を発生させる。

0008

なお、本明細書において、信号の発生位置とは、信号のレベル回路により認識し得るレベル(しきい値レベル)に達する位置を意味する。

0009

上記のような点火装置に機関の過回転を防止する機能を持たせる場合には、機関の回転数制限値を超えたことが検出されたときに点火回路が点火動作を行うのを阻止することにより機関を失火させて機関の回転数を制限値以下に低下させる過回転防止回路が設けられる。

0010

従来広く用いられていた過回転防止回路は、点火回路の電源として用いられるエキサイタコイルに対して並列に接続された過回転防止用スイッチと、パルサコイルの出力信号のレベルから機関の回転数を検出して該回転数が制限値を超えたことが検出されたときに過回転防止用イッチを導通させる回路とからなっていて、機関の過回転が検出されたときにエキサイタコイルを短絡することにより点火動作を停止させて機関の回転数を低下させるように構成されていた。

0011

ところが、上記のように、パルサコイルの出力信号のレベルから回転数を検出した場合には、信号発電子と回転子との間のギャップのばらつきにより、過回転防止動作が開始される回転数の制限値が変動するという問題があった。

0012

そこで、本発明者は先に、特願平5−242418号において、パルサコイルの出力信号の発生間隔から機関の回転数が制限値を超えたことを検出することにより、信号発電機のギャップのばらつきの影響を受けることなく、過回転防止動作を行わせることができるようにした内燃機関用点火装置を提案した。

発明が解決しようとする課題

0013

本発明者が先に提案した点火装置のように、パルサコイルの出力信号の発生間隔から機関の回転数が制限値を超えたことを検出するようにすれば、信号発電機のギャップのばらつきの影響を受けることなく、過回転防止動作開始回転数を常に一定として、過回転防止動作を行わせることができる。

0014

ところが、先に提案した装置では、点火位置の進角幅を広く設定したり、過回転防止動作開始回転数を低く設定したりすると、過回転防止動作時に不正な点火信号が発生して機関が点火されることがあるため、用途が制限されるという問題があることが明らかになった。

0015

また従来の過回転防止機能を有する内燃機関用点火装置においては、過回転防止回路を点火位置制御回路とは別個に設けていたため、点火装置全体の回路構成が複雑になり、コストが高くなるという問題があった。

0016

本発明の目的は、パルサコイルの出力信号の発生間隔から内燃機関の回転数が制限値を超えたことを検出することにより、過回転防止動作開始回転数がばらつくのを防止するとともに、過回転防止動作時に不正な点火信号が発生するのを防止することができるようにした内燃機関用点火装置を提供することにある。

0017

本発明の他の目的は、点火位置制御回路と過回転防止回路とで回路の一部を共用して回路構成の簡素化を図った内燃機関用点火装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0018

本発明は、図1に示したように、内燃機関の上死点よりも進んだ位置に設定された第1の回転角度位置及び該第1の回転角度位置よりも遅れた位置に設定された第2の回転角度位置でそれぞれ所定の信号幅を有する第1及び第2の信号を発生するパルサコイル1と、パルサコイル1の出力により制御されて第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との間で発生位置が変化する点火信号を出力する点火位置制御回路2と、点火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生する点火回路3と、内燃機関の回転数が制限値を超えたときに点火用の高電圧の発生を阻止することにより機関の回転数を制限値以下に制限する過回転防止回路4とを備えた内燃機関用点火装置に係わるものである。

0019

図1に示した例では、パルサコイル1が発生する第1の信号Vs1及び第2の信号Vs2が制御信号発生回路5に与えられて、点火位置制御回路2の演算動作を制御するために都合が良い波形の信号に変換される。図示の例では、制御信号発生回路5が、第1の回転角度位置から第2の回転角度位置まで高レベルの状態を保持する矩形波状の制御信号Vq と、第2の信号Vs2の信号幅に相応した信号幅を有するパルス状の最小進角位置信号Vs2´とを出力する。ここで、制御信号Vqの信号幅は、点火動作が許容される回転角度区間に相当している。また最小進角位置信号Vs2´の発生位置(制御信号Vq の消滅位置)は、機関の点火位置の最小進角位置(低速時の点火位置)に相当している。

0020

点火位置制御回路2は、上記制御信号Vq 及び最小進角位置信号Vs2´を入力として点火位置を演算し、演算した点火位置、または最小進角位置信号Vs2´の発生位置で点火信号Vf を出力する。

0021

なお制御信号発生回路5は、点火位置制御回路2の演算動作を制御するために都合が良い波形の信号を発生する回路で、制御信号発生回路5が発生する信号の波形は必ずしも上記の例に限らない。

0022

一般に点火回路3は、点火コイルIGの一次側に半導体スイッチを備えていて、点火信号Vf が与えられた時に該半導体スイッチ(図示の例ではサイリスタTh1)を動作させて、点火コイルIGの一次電流を急激に変化させるように制御することにより、点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるようになっている。点火回路から得られる高電圧は機関の気筒に取り付けられた点火プラグPに供給され、該高電圧が発生したときに点火プラグPに火花が生じて機関が点火される。

0023

図1に示した例では、点火回路3がコンデンサ放電式の回路からなっているが、本発明においては、他の形式の点火回路を用いてもよい。

0024

図1に示された電源回路6は、点火回路3及び他の回路に電源電圧を与える回路で、この電源回路の電源としては、機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられたエキサイタコイルやバッテリが用いられる。

0025

本発明においては、過回転防止回路4が、点火信号側路用スイッチ4Aと、基準電圧発生回路4Bと、積分回路4Cと、比較回路4Dと、帰還回路4Eとにより構成される。

0026

点火信号側路用スイッチ4Aは、導通信号が与えられている間導通するスイッチで、導通した際に点火信号を点火回路から側路するように設けられている。

0027

基準電圧発生回路4Bは、第1の回転角度位置から第2の回転角度位置までの間第1の基準レベルを保ち、第2の回転角度位置から次の第2の回転角度位置までの間第1の基準レベルよりも低い第2の基準レベルを保つ基準電圧Vr を発生する。

0028

積分回路4Cは、積分コンデンサCi2´を第1の時定数充電する充電回路401と、第1の信号Vs1が発生してから第2の信号Vs2が発生するまでの間積分コンデンサCi2´の充電を阻止する充電阻止回路402と、第2の信号Vs2が発生している間駆動信号が与えられて導通するように設けられた放電用スイッチ403aを有して該放電用スイッチが導通している間積分コンデンサCi2´を第1の時定数よりも充分に小さい第2の時定数で放電させる放電回路403とを備えて、積分コンデンサCi2´の両端に速度検出用積分電圧V2'を発生する。

0029

比較回路4Dは、速度検出用積分電圧V2'を基準電圧Vr と比較して、積分電圧が第1の基準レベルよりも低いとき及び第2の基準レベルよりも低いときに点火信号側路用スイッチに導通信号を与える。

0030

帰還回路4Eは、比較回路4Dが導通信号を発生したときに一定時間の間放電用スイッチ403aに駆動信号を与えて該放電用スイッチを導通させる。

0031

そして、本発明においては、機関の回転数が制限値を超えたときに第1の回転角度位置で積分電圧V2'が第1の基準レベルよりも低くなるように第1の時定数が設定される。

0032

上記のように構成すると、機関の回転数が制限値以下の場合には、点火信号が発生する区間において積分電圧が第1の基準レベル以下になることがないため、比較回路が点火信号側路用スイッチに導通信号を与えることはなく、点火信号側路用スイッチが導通することがない。そのため、機関の回転数が制限値以下の場合には、点火回路に点火信号が与えられ、点火動作は支障なく行われる。

0033

機関の回転数の上昇に伴って積分コンデンサを充電する時間(第2の信号が消滅する時刻から第1の信号が発生する時刻までの時間)が短くなるため、積分電圧は機関の回転数の上昇に伴って低くなっていく。機関の回転数が制限値を超えると、第1の回転角度位置で積分電圧が第1の基準レベル以下になるため、第1の回転角度位置で比較回路が点火信号側路用スイッチに導通信号を与え、該点火信号側路用スイッチを導通させる。比較回路が導通信号を発生すると、帰還回路を通して放電用スイッチに駆動信号が与えられて該放電用スイッチが導通するため、積分コンデンサが放電させられる。また第1の回転角度位置から第2の回転角度位置の間(点火動作が許容される区間の間)は充電阻止回路により積分コンデンサの充電が阻止される。従って、機関の回転数が制限値を超えている状態では、点火動作が許容される全区間の間、積分電圧が確実に第2の基準レベルよりも低い状態に保たれ、比較回路から点火信号側路用スイッチに導通信号が継続的に供給される。点火信号側路用スイッチが導通すると、点火信号が該スイッチを通して点火回路から側路されるため、点火回路は点火動作を行なうことができなくなる。これにより機関が失火してその回転数が低下する。機関の回転数が制限値以下になると、第1の回転角度位置で積分電圧が第1の基準レベルを超えている状態になるため、比較回路が導通信号の発生を停止し、点火信号側路用スイッチは導通することができなくなる。これにより再び点火回路に点火信号が与えられるようになり、点火動作が再開される。

0034

上記のように、第1の信号が発生してから第2の信号が発生するまでの期間積分コンデンサを充電する積分動作を行う積分回路を設けて、該積分回路から得られる積分電圧を基準電圧と比較することにより機関の回転数が制限値を超えたことを検出するようにすると、第1の信号及び第2の信号の発生間隔から機関の回転数が制限値を超えたことを検出することになる。第1の信号及び第2の信号の発生位置は、信号発電機の回転子と信号発電子との間のギャップの影響を受けないため、上記のように構成すると、信号発電機の組み立て精度の影響を受けることなく、回転数の制限値を常に一定にすることができる。

0035

上記のように、過回転防止回路に、第1の信号Vs1が発生してから第2の信号Vs2が発生するまでの間積分コンデンサCi2´の充電を阻止する充電阻止回路402を設けておくと、機関の回転数が制限値を超えたときに、点火動作が許容される区間(第1の回転角度位置から第2の回転角度位置までの区間)の全体に亘って、積分電圧を確実に第2の基準レベルよりも低い状態に保持することができるため、点火動作が許容される区間の途中で導通信号がとぎれて、点火回路に不正な点火信号が与えられるのを防ぐことができ、過回転防止動作を確実に行わせることができる。

0036

上記点火位置制御回路として、積分演算により点火位置を演算する回路を用いる場合には、過回転防止回路で用いる積分回路を点火位置制御回路で利用するようにすることもできる。

0037

この場合、点火位置制御回路は、第1の信号が発生したときに第1の積分コンデンサを一定の初期レベルまで充電した後該第1の積分コンデンサを一定の時定数で追加充電する第1の積分コンデンサ充電回路と、第2の信号が発生したときに該第1の積分コンデンサを放電させるリセット回路とを備えて第1の積分コンデンサの両端に第1の積分電圧を発生させる第1の積分回路と、第2の積分コンデンサを第1の時定数で充電する充電回路と、第1の信号が発生してから第2の信号が発生するまでの間第2の積分コンデンサの充電を阻止する充電阻止回路と、第2の信号が発生している間駆動信号が与えられて導通するように設けられた放電用スイッチを有して該放電用用スイッチが導通している間第2の積分コンデンサを第1の時定数よりも充分に小さい第2の時定数で放電させる放電回路とを備えて第2の積分コンデンサの両端に第2の積分電圧を発生する第2の積分回路と、第1の積分電圧と第2の積分電圧とを比較して、第2の積分電圧が第1の積分電圧よりも低くなった時に点火位置信号を発生する点火位置信号発生用比較回路と、第2の信号が発生したときまたは点火位置信号が発生したときに点火回路に点火信号を与える点火信号供給回路とにより構成する。

0038

また過回転防止回路は、導通信号が与えられている間導通して点火信号を点火回路から側路するように設けられた点火信号側路用スイッチと、第1の回転角度位置から第2の回転角度位置までの間第1の基準レベルを保持し、第2の回転角度位置から次の第2の回転角度位置までの間第1の基準レベルよりも低い第2の基準レベルを保持する基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、第2の積分電圧を第1及び第2の基準電圧と比較して、第2の積分電圧が第1の基準電圧よりも低いとき及び第2の基準電圧よりも低いときに点火信号側路用スイッチに導通信号を与える導通信号発生用比較回路と、導通信号発生用比較回路が導通信号を発生したときに一定時間の間放電用スイッチに駆動信号を与える帰還回路とにより構成できる。この場合、機関の回転数が制限値を超えたときに第1の回転角度位置で第2の積分電圧が第1の基準レベルよりも低くなるように第1の時定数を設定する。

0039

このように、点火位置制御回路と過回転防止回路とで積分回路を共用するようにすると、点火装置の回路構成を複雑にすることなく、過回転防止機能を持たせることができる。

発明を実施するための最良の形態

0040

本発明に係わる点火装置は、図1に示すように、パルサコイル1と、パルサコイル1の出力信号を入力として制御信号Vq 及びVs2´を出力する制御信号発生回路5と、電源回路6と、制御信号Vq 及びVs2´を入力として、点火信号Vfを出力する点火位置制御回路2と、点火回路3と、過回転防止回路4とにより構成される。

0041

パルサコイル1は機関に取り付けられた図示しない信号発電機に設けられていて、図4(A)及び図5(A)に示したように、機関の上死点よりも充分に進角した位置に設定された第1の回転角度位置θ1 でパルス波形の第1の信号Vs1を発生し、第1の回転角度位置よりも遅角し、機関の上死点よりは僅かに進角した第2の回転角度位置θ2 で第1の信号と極性が異なるパルス波形の第2の信号Vs2を発生する。図示の例では、第1の信号Vs1が負極性の信号からなり、第2の信号Vs2が正極性の信号からなっている。

0042

制御信号発生回路5は、第1の信号Vs1の発生位置(第1の信号Vs1がしきい値レベルVt に達する位置)でレベルVq1まで立ち上がり、第2の信号Vs2の発生位置(第2の信号Vs2がしきい値レベルに達する位置)θ2 でレベルVq2(<Vq1)まで立ち下がる矩形波状の制御信号Vq (図4B及び図5B)を出力端子5aから出力するとともに、第2の信号Vs2が発生している間高レベルの状態を保持する最小進角位置信号Vs2´(図5D)を出力端子5bから出力する。

0043

電源回路6は、例えば機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられたエキサイタコイルを電源として、点火回路3に点火エネルギを与えるとともに、エキサイタコイルの出力を整流して得た一定の直流電圧Eo を直流出力端子6aと接地間から出力する。

0044

点火位置制御回路2は、例えば、制御信号Vq 及び最小進角位置信号Vs2´により制御されて積分動作を行う複数の積分回路を備えて該複数の積分回路から得た積分電圧を比較する積分演算を行うことにより、各回転数における点火位置を演算して、演算した点火位置で点火位置信号を発生する点火位置演算回路と、該点火位置信号が発生したとき、または最小進角位置信号Vs2´が発生したときに点火信号Vf ´(図4G)を出力する点火信号出力回路とにより構成される。

0045

図示の点火回路3は、周知のコンデンサ放電式の回路で、点火コイルIGと、点火コイルIGの一次側に設けられて電源回路6内のエキサイタコイルが発生する正の半サイクル電圧によりダイオードD1 を通して図示の極性の充電される点火エネルギ蓄積用コンデンサC1 と、導通した際にコンデンサC1 の電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられた放電用スイッチとしてのサイリスタTh1と、点火コイルIGの一次コイルに並列に接続されたダイオードD2 と、機関の気筒に取り付けられて点火コイルIGの二次コイルに接続された点火プラグPとを備えており、サイリスタTh のゲートが点火位置制御回路2の出力端子に接続されている。

0046

図示の例では、点火コイルIGの一次コイル及び二次コイルの一端が接地され、一次コイルの非接地側端子にコンデンサC1 の一端が接続されている。サイリスタTh1はそのカソードを接地側に向けてコンデンサC1 の他端と接地間に接続され、ダイオードD2 はそのカソードを接地側に向けて点火コイルの一次コイルの両端に接続されている。

0047

この点火回路においては、電源回路6内のエキサイタコイルが正の半サイクルの電圧を発生したときにダイオードD1 と点火コイルの一次コイル及びダイオードD2 とを通してコンデンサC1 が図示の極性に充電される。サイリスタTh1に点火信号が与えられると、該サイリスタが導通するため、コンデンサC1 の電荷がサイリスタTh1と点火コイルIGの一次コイルとを通して放電する。この放電により点火コイルの一次コイルに高い電圧が誘起し、該電圧が更に昇圧されて点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧が誘起する。この高電圧は点火プラグPに印加されるため、該点火プラグに火花が生じ、機関が点火される。

0048

過回転防止回路4は、点火信号側路用スイッチ4Aと、基準電圧発生回路4Bと、積分回路4Cと、比較回路4Dと、帰還回路4Eとにより構成される。

0049

点火信号側路用スイッチ4Aはエミッタが接地され、コレクタが点火位置制御回路2の出力端子に接続されたNPNトランジスタTR1 と、該トランジスタベースに一端が接続された抵抗R1 とからなっている。トランジスタTR1 のコレクタと点火位置制御回路2の出力端子との接続部によりアンド回路7が構成され、トランジスタTR1 がオフ状態にあってそのコレクタの電位が高レベルの状態で点火信号Vf が発生したときに該点火信号がサイリスタTh1のゲートに与えられるようになっている。

0050

基準電圧発生回路4Bは、制御信号発生回路5から得られる制御信号Vq が印加された抵抗R3 及びR4 の直列回路からなっていて、制御信号Vq を抵抗R3とR4 とにより分圧した基準電圧Vr を抵抗R4 の両端に出力する。基準電圧Vr は、図4(C)に示したように、第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位置θ2 までの間第1の基準レベルVr1を保持し、第2の回転角度位置から次の第2の回転角度位置までの間第1の基準レベルVr1よりも低い第2の基準レベルVr2を保持する矩形波状の電圧となる。

0051

積分回路4Cは、一端が接地された積分コンデンサCi2´と、積分コンデンサCi2´を第1の時定数で充電する充電回路401と、第1の信号Vs1が発生してから第2の信号Vs2が発生するまでの間積分コンデンサCi2´の充電を阻止する充電阻止回路402と、第2の信号Vs2が発生している間駆動信号が与えられて導通するように設けられた放電用スイッチ403aを有して該放電用スイッチが導通している間積分コンデンサCi2´を前記第1の時定数よりも充分に小さい第2の時定数で放電させる放電回路403とにより構成される。

0052

積分コンデンサCi2´は一端が接地され、充電回路401は、積分コンデンサCi2´の他端に一端が接続された抵抗R3 と、抵抗R3 の他端にカソードが接続されたダイオードD3 と、ダイオードD3 のアノードと電源回路6の直流出力端子6aとの間に接続された抵抗R4 とからなっている。

0053

充電阻止回路402は、エミッタが接地され、コレクタが充電回路のダイオードD3 のアノードに接続されたNPNトランジスタTR2 と、トランジスタTR2 のベースと制御信号発生回路5の出力端子5aとの間に接続された抵抗R5 とからなっている。

0054

放電回路403は、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR3 と、トランジスタTR3 のコレクタと積分コンデンサCi2´の非接地側の端子との間に接続された抵抗R6 と、トランジスタTR3 のベースと制御信号発生回路5の出力端子5bとの間に接続された抵抗R7 とからなっており、トランジスタTR3 により放電用スイッチ403aが構成されている。

0055

比較回路4Dは、比較器CP1 と、該比較器の出力端子と電源回路6の直流出力端子6aとの間に接続された抵抗R8 とにより構成されている。比較器CP1の出力端子は抵抗R1 を通してトランジスタTR1 のベースに接続されている。比較器CP1 の反転入力端子に積分コンデンサCi2´の両端に得られる積分電圧V2'が入力され、非反転入力端子に基準電圧Vr が入力されている。比較器CP1 の出力端子はまた、帰還回路4Eを構成するコンデンサC2 を通してトランジスタTR3 のベースに接続されている。

0056

上記の過回転防止回路において、積分コンデンサCi2´は直流電源回路6から出力される一定の直流電圧Eo により抵抗R4 とダイオードD3 と抵抗R3 とを通して第1の時定数で充電される。第1の回転角度位置θ1 で制御信号発生回路5が制御信号Vq を発生すると、トランジスタTR2 が導通して積分コンデンサCi2´の充電電流が該コンデンサから側路されるため、積分コンデンサCi2´の充電が阻止される。第2の回転角度位置で制御信号発生回路5が最小進角位置信号Vs2´を発生すると、トランジスタTR3 が導通するため、積分コンデンサCi2´の電荷が抵抗R6 とトランジスタTR3 のコレクタエミッタ間とを通して第1の時定数よりも充分に小さい第2の時定数で放電する。第2の信号Vs2が消滅して最小進角位置信号Vs2´が消滅すると、トランジスタTR3 が遮断状態になるため、積分コンデンサCi2´は再び第1の時定数で充電される。

0057

以上の動作により、機関の回転数が制限値以下のときに積分コンデンサCi2´の両端に得られる積分電圧V2'の波形は、図4(C)の左側に見られるように、第2の信号Vs2が消滅した位置から第1の傾きで上昇した後、第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位置θ2 まで一定のレベルを保持し、第2の回転角度位置で第1の傾きよりも大きい第2の傾きで下降してになる波形になる。

0058

比較器CP1 は、積分電圧V2'と基準電圧Vr とを比較して、積分電圧V2'が基準電圧Vr を超えているときにその出力端子の電位を低レベル(ほぼ接地電位)にし、積分電圧V2'が基準電圧Vr 以下になったときにその出力端子の電位を高レベルにする。

0059

機関の回転数が制限値以下のときには、積分電圧V2'が第1の回転角度位置θ1 で基準電圧Vr の第1の基準レベルVr1を超えているように設定されているため、比較回路4Dはその出力端子の電位を低レベルの状態に保持している。比較器CP1 の出力端子の電位が低レベルの状態にあるときには、比較回路4Dから導通信号が出力されず、トランジスタTR1 にベース電流が与えられないため、該トランジスタTR1 (点火信号側路用スイッチ)は遮断状態を保持している。この状態で、図4(G)に示したように点火位置制御回路が点火信号Vf ´を発生すると、点火回路3に点火信号Vf が供給されるため、点火動作は支障なく行われる。

0060

第2の回転角度位置θ2 でパルサコイル1から第2の信号Vs2が発生すると、積分コンデンサCi2´が放電させられるため、積分電圧V2'が第2の基準レベルVr2より低くなる。このとき比較器CP1 の出力端子の電位が高レベルになるため、図4(D)の左半分に示すように電源回路6から抵抗R8 を通して導通信号Vb が出力される。この導通信号Vb により点火信号側路用スイッチ4Aを構成するトランジスタTR1 が導通して、同トランジスタのコレクタの電位Va が図4(F)に示すように低下するが、点火動作は既に完了しているので、このトランジスタTR1 の導通は点火動作に影響を与えない。導通信号Vb が発生すると、帰還回路4Eを通して図4(E)に示すような電流ib がトランジスタTR3にベース電流として流れる。第2の信号Vs2が消滅すると、トランジスタTR3が遮断状態になるため、積分コンデンサCi2´は充電されていく。

0061

機関の回転数が上昇していくと、積分コンデンサCi2´を充電する時間が短くなっていくため、該積分コンデンサの両端の電圧が低くなっていく。機関の回転数が制限値を超えると、第1の回転角度位置で積分電圧V2'が基準電圧Vr の第1の基準レベルVr1を下回るようになるため、該第1の回転角度位置θ1 で比較器CP1 の出力端子の電位が高レベルの状態になる。このとき帰還回路4Eを通してトランジスタTR3 にベース電流が与えられるため、トランジスタTR3 が導通し、積分コンデンサCi2´の電荷が抵抗R6 とトランジスタTR3 とを通して放電する。また第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位置θ2 までの間、制御信号Vq がトランジスタTR2 により与えられて、該トランジスタTR2が導通し、積分コンデンサCi2´の充電を阻止するため、積分コンデンサCi2´の充電は行われない。従って、機関の回転数が制限値を超えたときの積分電圧V2'の波形は、図4(C)の右半分に見られるように、第2の信号Vs2の消滅位置から第1の傾きで上昇した後、第1の回転角度位置θ1 から第2の傾きで下降して零になり、第2の信号Vs2が消滅するまでの間零レベルの状態(第2の基準レベルよりも低い状態)を保持する波形になる。そのため、機関の回転数が制限値を超えたときには、制御信号Vq が発生している全区間(点火動作が許容される区間)の間比較器CP1 の出力端子の電位が高レベルの状態に保持されて、図4(D)の右半分に示したように、第1の信号Vs1の発生位置から、積分電圧V2'が基準電圧Vr の第2の基準レベルを超える位置までの間高レベルの状態を保持する矩形波状の導通信号Vb が発生する。これによりトランジスタTR1 が導通するため、点火位置制御回路2から出力される点火信号Vf ´(図4G)がトランジスタTR1 を通して点火回路3から側路される。このとき点火回路3は点火動作を行わないため、機関が失火し、その回転数が低下する。導通信号Vb が発生すると、帰還回路4Eを通してトランジスタTR3 にベース電流ib が与えられるため、該トランジスタTR3 が導通して積分コンデンサCi2´を放電させる。従って、機関の回転数が制限値を超えたときの積分電圧V2'の波形は、図4(C)の右半分に示されているように、第2の信号Vs2が消滅する位置から第1の傾きで上昇した後、第1の回転角度位置θ1 から第2の傾きで下降する波形になる。第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位置θ2 までの区間はトランジスタTR2 が導通して積分コンデンサCi2´の充電を阻止するため、積分コンデンサCi2´の両端の積分電圧V2'は、第2の信号Vs2が消滅する位置まで零の状態を保つ。

0062

機関の回転数が制限値以下になると、第1の回転角度位置θ1 で積分電圧V2'が図4(C)の左半分に示されているように第1の基準レベルVr1を超えるようになるため、比較回路4Dは導通信号を発生せず、点火信号側路用スイッチ4Aは導通しないため、点火動作は支障なく行われるようになる。

0063

本発明者が先に提案した点火装置は、図1の回路から充電阻止回路402を省略したものに相当する。図1の点火装置において充電阻止回路402が設けられていない場合の各部の信号波形図7(A)ないし(H)に示した。図7(A)ないし(H)はそれぞれ図4(A)ないし(H)に対応している。充電阻止回路402が設けられていない場合には、図7(C)の右半分に示すように、機関の回転数が制限値を超えたときに比較回路4Dから帰還回路4Eを通して与えられる電流ib により放電回路のトランジスタTR3 が導通して積分コンデンサCi2´の電荷が放電した後、該積分コンデンサCi2´が再充電されるため、第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2 との間の角度幅(進角幅)が広い場合には、第2の回転角度位置θ2 で積分電圧V2'が基準電圧Vr を超えて図7(H)に示すように不正な点火信号Vfaが発生することがあった。このような点火信号Vfaが発生すると機関が点火されてしまうため、機関の回転数を制限値以下に制限する過回転防止動作を正常に行わせることができなくなる。

0064

これに対し、本発明のように、充電阻止回路402を設けておくと、機関の回転数が制限値を超えているときに第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位置θ2 までの区間積分電圧V2'を基準電圧Vr よりも低い状態に保つことができるため、第2の回転角度位置θ2 で不正な点火信号が発生するのを防ぐことができる。

0065

図1ブロックで示した制御信号発生回路5、電源回路6、及び点火位置制御回路2の具体的構成例を図2に示した。

0066

図2に示した例では、機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられたエキサイタコイルEXと、一端が接地されてエキサイタコイルEXの負の半サイクルの出力電圧によりダイオードD4 とD5 とを通して図示の極性に充電される電源コンデンサC3 と、導通した際にコンデンサC3 の充電電流を該コンデンサC3 から側路するように設けられたサイリスタTh2と、コンデンサC3 の両端の電圧が設定値を超えたときに導通してサイリスタTh2にトリガ信号を与えるように、コンデンサC3 の非接地側端子とサイリスタTh2のゲートとの間に接続されたツェナーダイオードZD1 とを備えている。エキサイタコイルEXの一端はアノードを接地したダイオードD6 のカソードに接続され、エキサイタコイルの他端は点火回路3のダイオードD1 のアノードに接続されている。この例では、サイリスタTh1とツェナーダイオードZD1 とによりコンデンサC3 の端子電圧(電源回路の出力電圧)を一定値以下に制限する定電圧回路が構成されている。

0067

この電源回路においては、エキサイタコイルEXが正の半サイクルの電圧を発生したときにエキサイタコイルEX→ダイオードD1 →コンデンサC1 →ダイオードD2 →ダイオードD6 →エキサイタコイルEXの経路で点火エネルギ蓄積用コンデンサC1 を充電する。またエキサイタコイルEXが負の半サイクルの電圧を出力したときにエキサイタコイルEX→ダイオードD4 →コンデンサC3 →ダイオードD5 →エキサイタコイルEXの経路で、電源コンデンサC3 を充電する。コンデンサC3 の端子電圧が設定値を超えるとツェナーダイオードZD1 が導通して該コンデンサC3 の充電を阻止するため、コンデンサC3 の端子電圧は設定値以下に保たれる。機関の回転数がある程度上昇してエキサイタコイルが十分に高い電圧を出力する定常状態では、コンデンサC3 の端子電圧(電源回路の出力電圧)Eo が一定に保たれる。

0068

制御信号発生回路5は、第1の信号Vs1及び第2の信号Vs2を入力として、第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位置θ2 までの間第1のレベルVq1を保持し、第2の回転角度位置θ2 から次の第1の回転角度位置θ1 までの間第1のレベルよりも低い第2のレベルVq2を保持する制御信号Vq を発生する回路で、トランジスタTR4 ないしTR7 と、抵抗R10ないしR13と、コンデンサC4ないしC6 と、ダイオードD7 ないしD9 とにより構成されている。

0069

この制御信号発生回路5においては、負極性の第1の信号Vs1が抵抗R11及びコンデンサC5 の両端の電圧によりほぼ決まるしきい値レベルを超えたときにトランジスタTR5 にベース電流が流れて該トランジスタTR5 が導通し、これによりトランジスタTR4 にベース電流が流れて該トランジスタTR4 が導通する。従って電源回路6の出力でトランジスタTR4 のエミッタコレクタ間を通してコンデンサC4 が図示の極性に瞬時に充電される。正極性の第2の信号Vs2がコンデンサC6 の両端の電圧によりほぼ決まるしきい値を超えると、ダイオードD8 と抵抗R12及びコンデンサC6 からなるバイアス回路とを通してトランジスタTR6 にベース電流が流れる。これによりトランジスタTR6 が導通するため、コンデンサC4 の電荷がダイオードD9 とトランジスタTR6 のコレクタエミッタ間とを通して瞬時に放電する。コンデンサC4 の電荷がダイオードD9 とトランジスタTR6 とを通して放電する際には、ダイオードD9 の順方向電圧降下とトランジスタTR6 のコレクタエミッタ間電圧との和の電圧がコンデンサC4 に残留するため、コンデンサC4 の両端に得られる制御信号Vq は零になることはなく、一定の電圧が残留する。従って、図4(B)または図5(B)に示すように、コンデンサC4 の両端に、第1の信号Vs1の発生位置から第2の信号Vs2の発生位置までの間第1のレベルVq1を保持し、第2の信号Vs2の発生位置から次の第1の信号の発生位置までの間第1のレベルVq1よりも低い第2のレベルVq2を保持する矩形波状の制御信号Vq が得られる。この制御信号Vq を分圧して得た基準電圧Vr は、第1の基準レベルVr1と第2の基準レベルVr2との間を変化する矩形波状の電圧となる。

0070

また第2の信号Vs2が発生してトランジスタTR6 が導通したときにトランジスタTR7 が導通するため、該トランジスタTR7 を通して最小進角位置信号Vs2´が発生する。この最小進角位置信号Vs2´は第2の信号Vs2がしきい値を超えている間高レベルの状態を保持するパルス信号である。

0071

図2に示した制御信号発生回路5では、トランジスタTR4 及びTR5 と抵抗R10及びR11とバイアス用コンデンサC5 とダイオードD7 とにより、第1の信号Vs1が発生した時に制御信号発生用コンデンサC4 を瞬時充電する制御信号発生用充電回路が構成され、ダイオードD8 及びD9 とトランジスタTR6 と抵抗R12及びバイアス用コンデンサC6 とにより、第2の信号Vs2が発生した時に制御信号発生用コンデンサC4 を瞬時放電させる制御信号発生用放電回路が構成されている。またトランジスタTR7 と抵抗R13とにより、第2の信号Vs2が発生している間最小進角位置信号Vs2´を発生させる最小進角位置信号発生回路が構成されている。

0072

点火位置制御回路2は、第1の積分コンデンサCi1、トランジスタTR8 、抵抗R14ないしR16及びダイオードD10からなる第1の積分回路2Aと、第2の積分コンデンサCi2、抵抗R17及びダイオードD11からなる第2の積分回路2Bと、積分コンデンサCi1及びCi2の両端にそれぞれ得られる第1の積分電圧V1 及び第2の積分電圧V2 が非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ入力された比較器CP2 と、抵抗R18,R19及びダイオードD12,D13からなる点火信号出力回路2Cとにより構成されている。

0073

第1の積分回路2Aにおいては、制御信号Vq が第1のレベルVq1に立上ったときにトランジスタTR8 を通して積分コンデンサCi1が瞬時充電される。積分コンデンサCi1の両端の電圧が、制御信号Vq の第1のレベルVq1を抵抗R14及びR15からなる分圧回路により分圧した電圧に相当する初期レベルに達すると、トランジスタTR8 が遮断状態になるため、以後は積分コンデンサCi1が抵抗R16を通して一定の時定数で追加充電される。第2の信号Vs2が発生して制御信号発生回路のトランジスタTR6 が導通すると積分コンデンサCi1の電荷がダイオードD10とトランジスタTR6 のコレクタエミッタ間とを通してほぼ瞬時に放電する。従って、第1の積分コンデンサCi1の両端には、図5(C)に示したように、第1の回転角度位置θ1 で初期レベルV1oまで立上った後第2の回転角度位置θ2 まで一定の傾きで上昇して該第2の回転角度位置で立ち下がる波形の第1の積分電圧V1 が得られる。

0074

図示の第1の積分回路においては、トランジスタTR8 と抵抗R14ないしR16とにより、第1の信号Vs1が発生したときに第1の積分コンデンサCi1を一定の初期レベルまで充電した後該第1の積分コンデンサを一定の時定数で追加充電する第1の積分コンデンサ充電回路が構成されている。またダイオードD10と制御信号発生回路のトランジスタTR6 とにより、第2の信号Vs2が発生したときに第1の積分コンデンサCi1を放電させるリセット回路が構成されている。即ち、この例では、制御信号発生回路5のリセット用スイッチ(トランジスタTR6 )が第1の積分回路のリセット用スイッチを兼ねている。

0075

第2の積分回路2Bにおいては、第2の積分コンデンサCi2が電源電圧Eo により抵抗R17を通して一定の時定数で充電される。第2の信号Vs2が発生してトランジスタTR6 が導通すると、コンデンサCi2の電荷がダイオードD11とトランジスタTR6 とを通してほぼ瞬時に放電する。従って積分コンデンサCi2の両端には、図5(C)に示したように、第2の回転角度位置θ2 から一定の傾きで上昇して、1回転後の第2の回転角度位置θ2 で立ち下がる波形の第2の積分電圧V2 が得られる。

0076

図示の第2の積分回路2Bにおいては、電源回路の出力電圧Eo を抵抗R17を通して第2の積分コンデンサCi2に印加する回路により第2の積分コンデンサを一定の時定数で充電する第2の積分コンデンサ充電回路が構成され、ダイオードD11と制御信号発生回路のトランジスタTR6 とにより第2の信号が発生したときに第2の積分コンデンサを放電させるリセット回路が構成されている。即ち、制御信号発生回路のトランジスタTR6 は第2の積分回路のリセット用スイッチをも兼ねている。

0077

第1及び第2の積分電圧V1 及びV2 の波高値は機関の回転数の上昇に伴って低くなっていくが、積分区間が長い積分電圧V2 の低下割合の方が積分区間が短い積分電圧V1 の低下割合よりもはるかに大きいため、機関の回転数が上昇して進角開始回転数を超えると、第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2との間で積分電圧V2 が積分電圧V1 を下回るようになる。図5(C)は、便宜上積分電圧V1 の波形が回転数により変化しないものとして、回転数の変化に伴う積分電圧V1 及びV2 の相対的な変化を示している。同図においては、機関の回転数が進角開始回転数よりも低いときの積分電圧V2 の波形を実線で示し、機関の回転数が進角開始回転数を超えた後の積分電圧V2 の波形、及び回転数が更に上昇したときの積分電圧V2 の波形をそれぞれ鎖線及び破線で示している。

0078

比較器CP2 は、第1及び第2の積分電圧V1 及びV2 を比較して、第2の積分電圧V2 が第1の積分電圧V1 以下になったときにその出力端子の電位を高レベルにする(点火位置信号を出力する)。

0079

機関の回転数が進角開始回転数よりも低い領域では、第2の積分電圧V2 が第1の積分電圧V1 を下回ることができないように、第1の積分電圧V1 の大きさが設定されている。第2の積分電圧V2 が第1の積分電圧V1 を下回ることができない状態では、比較器CP2 の出力端子の電位が低レベルになっているため、制御信号発生回路5が最小進角位置信号Vs2´(図5D)を発生したときに抵抗R19とダイオードD13とを通して点火信号Vf ´が出力される。

0080

機関の回転数が上昇して進角開始回転数を超えると、積分電圧V2 が積分電圧V1 を下回るようになり、積分電圧V2 が積分電圧V1 を下回ったときに比較器CP2 の出力端子の電位が高レベルになるため、両積分電圧が交差する位置で電源回路6から抵抗R18とダイオードD12とを通して定常時点火位置信号V3 が出力されるようになる。この定常時点火位置信号V3 の発生位置は、図5(E)及び(F)に示すように回転数の上昇に伴って進角していく。

0081

図2において、点火回路3、及び過回転防止回路4の構成及び動作は、図1に示した例と全く同様である。

0082

図2に示した例では、過回転防止回路4を点火位置制御回路2と別個に設けているが、点火位置制御回路2として、積分演算により点火位置を演算する形式の回路を用いる場合には、該点火位置制御回路2と過回転防止回路4とで積分回路を共用するようにすることができる。

0083

図3は点火位置制御回路と過回転防止回路とで積分回路を共用するようにした例を示したもので、同図において、制御信号発生回路5は、トランジスタTR6のベースと抵抗R12及びコンデンサC6 の並列回路との間に抵抗R20が挿入されている点を除き図2に示したものと同様である。制御信号発生回路5は、図6(B)に示すように、第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位置θ2 までの間高レベルの状態を保持する矩形波状の制御信号Vq と、第2の信号Vs2が発生している間高レベルの状態を保つ最小進角位置信号Vs2´(図6D)とを発生する。

0084

図3において2Aは第1の積分回路で、この積分回路は、図2に示した装置に設けられた第1の積分回路2Aと全く同様に構成され、第1の積分コンデンサCi1の両端に第1の積分電圧V1 を発生する。

0085

また図1及び図2に示した過回転防止回路に設けられていたものと同様の点火信号側路用スイッチ4Aと、基準電圧発生回路4Bと、積分コンデンサCi2´、充電回路401、充電阻止回路402及び放電回路403からなる積分回路4Cと、比較回路4Dと、帰還回路4Eとが設けられ、制御信号発生回路5のダイオードD8 と抵抗R12及びコンデンサC6 の並列回路とを通して与えられる最小進角位置信号Vs2´が抵抗R21とダイオードD20とを通して放電回路のトランジスタTR3 のベースに与えられている。この例では、積分コンデンサCi2´を第2の積分コンデンサと呼ぶことにする。

0086

図3に示した例では、過回転防止回路の積分回路4Cが点火位置制御回路の第2の積分回路2Bを兼ねており、第2の積分コンデンサCi2´の両端に得られる積分電圧V2'が、過回転防止回路の比較器CP1 の反転入力端子に速度検出用積分電圧として入力されると同時に、点火位置制御回路の比較器CP2 の反転入力端子に第2の積分電圧として入力されている。その他の構成は図2に示した点火装置と同様である。

0087

即ち、図3に示した点火装置においては、点火位置制御回路が、第1の信号Vs1が発生したときに第1の積分コンデンサCi1を一定の初期レベルまで充電した後該第1の積分コンデンサを一定の時定数で追加充電する第1の積分コンデンサ充電回路と、第2の信号Vs2が発生したときに該第1の積分コンデンサを放電させるリセット回路とを備えて第1の積分コンデンサの両端に第1の積分電圧V1を発生させる第1の積分回路と、第2の積分コンデンサCi2´を第1の時定数で充電する充電回路401と、第1の信号Vs1が発生してから第2の信号Vs2が発生するまでの間第2の積分コンデンサCi2´の充電を阻止する充電阻止回路402と、第2の信号Vs2が発生している間駆動信号が与えられて導通するように設けられた放電用スイッチを有して該放電用スイッチが導通している間第2の積分コンデンサを第1の時定数よりも充分に小さい第2の時定数で放電させる放電回路403とを備えて第2の積分コンデンサCi2´の両端に第2の積分電圧V2'を発生する第2の積分回路と、第1の積分電圧V1 と第2の積分電圧V2'とを比較して、第2の積分電圧V2'が第1の積分電圧V1 よりも低くなった時に点火位置信号V3 を発生する点火位置信号発生用比較器CP2 と、第2の信号Vs2が発生したときまたは点火位置信号V3 が発生したときに点火信号Vf'を出力する点火信号出力回路2Cとにより構成されている。

0088

また過回転防止回路は、導通信号が与えられている間導通して点火信号Vf'を点火回路3から側路するように設けられた点火信号側路用スイッチ4Aと、第1の信号Vs1及び第2の信号Vs2により制御されて第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位置θ2 までの間第1の基準レベルVr1を保持し、第2の回転角度位置θ1 から次の第2の回転角度位置θ2 までの間第1の基準レベルよりも低い第2の基準レベルVr2を保持する基準電圧Vr を発生する基準電圧発生回路4Bと、第2の積分電圧V2'を基準電圧Vr と比較して、第2の積分電圧が第1の基準レベルよりも低いとき及び第2の基準レベルよりも低いときに点火信号側路用スイッチに導通信号を与える導通信号発生用比較回路4Dと、導通信号発生用比較回路が導通信号を発生したときに一定時間の間放電用スイッチ403に駆動信号を与える帰還回路4Eとにより構成されている。この例においても、機関の回転数が制限値を超えたときに第1の回転角度位置θ1 で第2の積分電圧V2'が第1の基準レベルVr1よりも低くなるように第1の時定数が設定される。

0089

図3に示した点火装置においては、比較器CP2 が、図6(C)に示したように、過回転防止回路で用いる積分電圧と同じ波形の積分電圧V2'を第1の積分電圧V1 と比較して同図(D)に示すように点火位置信号V3 を発生する。積分電圧V2'の波高値は回転数の上昇に伴って低くなっていくため、点火位置信号V3の発生位置は回転数の上昇に伴って進角していく。過回転防止回路の動作は図1に示した装置と同様である。

0090

図3に示したように、点火位置制御回路と過回転防止回路とで積分回路を共用するように構成すると、点火装置の回路構成の簡素化を図ることができる。

0091

上記の説明では、パルサコイルが発生する第1の信号Vs1を負極性の信号とし、第2の信号Vs2を正極性の信号としたが、これらの信号の極性は上記の例に限られるものではなく、第1の信号を正極性とし、第2の信号を負極性としてもよいのはもちろんである。

0092

図2に示した例では、電源回路6がエキサイタコイルEXを電源としているが、バッテリの電圧を昇圧する直流コンバータ回路を設けて、該コンバータ回路の出力で点火回路3のコンデンサC1 を充電する場合にも本発明を適用することができる。

発明の効果

0093

以上のように、本発明によれば、積分コンデンサを第1の時定数で充電する充電回路と、パルサコイルが第1の回転角度位置で第1の信号を発生してから第2の回転角度位置で第2の信号を発生するまでの間積分コンデンサの充電を阻止する充電阻止回路と、第2の信号が発生している間駆動信号が与えられて導通する放電用スイッチを通して積分コンデンサを第1の時定数よりも充分に小さい第2の時定数で放電させる放電回路とを備えた積分回路を設けて、該積分回路から得られる積分電圧を基準電圧と比較することにより、機関の回転数が制限値を超えたことを検出して過回転防止動作を行わせるようにしたので、信号発電機の回転子と信号発電子との間のギャップの影響を受けることなく、回転数の制限値を常に一定にすることができる。

0094

また本発明によれば、第1の信号が発生してから第2の信号が発生するまでの間積分コンデンサの充電を阻止する充電阻止回路を設けたことにより、機関の回転数が制限値を超えたときに、点火動作が許容される区間の全体に亘って、積分電圧を確実に第2の基準レベルよりも低い状態に保持することができるため、点火動作が許容される区間の途中で点火信号側路用スイッチを導通させる導通信号がとぎれて、点火回路に不正な点火信号が与えられるのを防ぐことができ、過回転防止動作を確実に行わせることができる。

0095

従って本発明によれば、信号発電機の組み立て精度の影響を受けることなく、過回転防止動作時の回転数の制限値を一定にすることができ、しかも過回転防止動作時に不正な点火信号が発生するおそれがない内燃機関用点火装置を得ることができる利点がある。

0096

また本発明において、点火位置制御回路と過回転防止回路とで積分回路を共用する構成をとった場合には、点火装置の回路構成の簡素化を図り、コストの低減を図ることができる利点がある。

図面の簡単な説明

0097

図1本発明に係わる点火装置の一構成例を示した回路図である。
図2図1の各部を更に具体的にした構成例を示した回路図である。
図3本発明に係わる点火装置の他の構成例を示した回路図である。
図4図1及び図2の点火装置の各部の信号波形を示した波形図である。
図5図2の点火装置の点火位置制御回路の動作を説明するための信号波形図である。
図6図3の点火装置の動作を説明するための信号波形図である。
図7既提案の点火装置の動作を説明する信号波形図である。

--

0098

1パルサコイル
2点火位置制御回路
3点火回路
4過回転防止回路
Ci2´積分コンデンサ
4A点火信号側路用スイッチ
4B基準電圧発生回路
4C積分回路
401充電回路
402充電阻止回路
403放電回路
4D比較回路
4E帰還回路
5 制御信号発生回路

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