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技術 廃棄物処理材および廃棄物処理方法

出願人 株式会社カネカ
発明者 舟橋孝原和宏上北正和
出願日 1996年3月6日 (24年11ヶ月経過) 出願番号 1996-048862
公開日 1997年9月16日 (23年5ヶ月経過) 公開番号 1997-239339
状態 未査定
技術分野 固体廃棄物の処理 汚泥処理
主要キーワード 多孔質二酸化珪素 ショットブラスタ 急冷凝固粉 被覆粉 アルカリ灰 廃棄業者 多孔質アルミニウム 電解粉
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課題

都市ごみ焼却灰をはじめとして、鉱さい土壌汚泥シュレッダーダストなどに含まれる有害重金属が長期間にわたって再溶出しないように安定化できる廃棄物処理材処理方法を提供する。

解決手段

鉄粉非晶質水酸化アルミニウム二酸化珪素珪酸塩燐酸塩の少なくとも1種、好ましくは、鉄粉と、非晶質水酸化アルミニウム、二酸化珪素、珪酸塩、もしくは燐酸塩の少なくとも1種、より好ましくは、鉄粉に、非晶質水酸化アルミニウムと燐酸塩を加えた処理材を、鉛、カドミウム、水銀、クロム、銅、ニッケルなどの有害物質を含む廃棄物と混合し、必要なら水を加えて混練し、養生固化させる廃棄物処理方法で、二酸化珪素や珪酸塩はBET比表面積が 150m2 /g以上、1000m2 /g未満の多孔質二酸化珪素アルミニウムシリケートが、燐酸塩はマグネシウム塩アルミニウム塩カルシウム塩鉄塩の少なくとも1種が好ましい。

概要

背景

都市ごみは、悪臭のするもので、従来は、焼却して減容化し、焼却灰最終処分場廃棄すれば、処理は終了すると考えられてきた。しかし、ごみ中味の変化にともなって、都市ごみ処理の様相も変化してきた。例えば、プラスチックカラー印刷紙類乾電池は、カドミニウム(Cd)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、水銀(Hg)、銅(Cu)などの重金属を含んでいる。そこで、これらを焼却すると、焼却灰の中に重金属が残存することになった。また、大気汚染防止の観点から、ごみの焼却に伴って発生する塩素を除くための脱塩素化が必要となり、煙道から消石灰投入されるようになった。消石灰は水に溶解するとアルカリを示すが、脱塩素化のためには、大量の消石灰の投入が必要なために、飛灰高アルカリ性になった。重金属の中でも鉛は、高アルカリ性では溶出しやすくなり、消石灰を投入しない低アルカリ灰でのカドミウムの溶出と同様に問題化している。

重金属類は、発癌性変異原性臓器障害性など、生体毒性を有するものがある。例えば、鉛は、カドミニウム、水銀、クロムなどとともに腎臓破壊的に作用する。また、鉛は、血液成分のヘム合成阻害作用や、水銀とともに神経系の影響が知られている。カドミニウムは、高血圧の可能性、精子形成能力の低下が指摘されている。従って、都市ごみ焼却灰は、有害廃棄物と考えるられるようになった。日本では、1995年4月から、都市ごみは、特別管理一般廃棄物として、十分な重金属の溶出量の抑制が求められている。そのために、セメント類粉体薬剤液体薬剤溶融処理などによる様々な処理が行なわれている。

上記のような各種処理法の中で、有害金属の溶出を防ぐ目的で近年多用されるのは、ポリエチレンイミンジチオカルボキシル基の結合したポリマーや、ジブチルジチオカルバミン酸塩などの低分子液体有機薬剤である。この液体有機薬剤は、鉛の安定化に優れているものの、セメントと比較して価格が20倍以上であり処理費用が高く、また長期安定性が十分に証明されておらず、しかも使用にあたって異臭が発生するという問題がある。また、この有機液体薬剤は、中性灰を処理する場合には鉛やカドミウムの安定化能力が低く、危険な硫化水素ガスが発生する。このように、有機薬剤には多くの問題が指摘されている。

更に、廃棄物の処理材には、廃棄物最終処分場周辺住民運動環境保全意識の高まりから、長期安定性、つまり有害な重金属が長期間にわたって再溶出しないことが求められている。これは、廃棄物を処理した当初は重金属が処理物中で安定化されていても、長期の保管で処理物中の廃棄物処理材劣化すると、重金属が洩れだし、万一、防水シート破れると、地下に重金属類が洩れだし、地下水を通して人体に影響を与える危険が考えられることによる。従って、有害重金属の溶出を長期間にわたって可能な限り低下させることが重要になっている。しかし、長期安定性については、廃棄物の種類が多様であるために、定説がない。このような中で、評価法の1つとしてアベイラビリティ試験法が注目されている。

アベイラビリティー試験法は100年〜1000年の長期にわたって処理物放置した場合の処理物の安定性を見積もる方法としてオランダで採用されている。本試験は、第3回廃棄物学会研究発表会講演論文集603−606頁(1992年)やComparison of different regulatory leaching test procedures forwaste materials and construction material , H.A. Van der Sloot, D. Hoede, P. Bonouvrie ; ECN-C-91-082, NetherlandsEnergy Research FoundationECN, 1991 )にあるように、きびしい試験法とされている。本法の実験手順は、NEN7341(1992)に記載されているので詳細は略すが、本試験の特徴は、固液比を大きくし、粒径を小さくし、pHを低く設定している点がきびしい溶出試験といわれる理由である。

また、TCLP(Toxic Characteristic Leaching Procesure )法は、米国で採用されている試験法である。本試験では、産業廃棄物を安価に処分するために、廃棄業者生ごみなど有機物を含んだ都市廃棄物と産業廃棄物とを95:5の比で故意に処分した最悪の状況を想定している。本試験法は、このような不適切な処分が行なわれた埋立地での浸出水再現するのに適した溶出試験方法であるとされている。従って、この試験法は、長期保管時に、万一、防水シートが破れた場合の地下水の汚染の有無を推定する方法と考えることもできる。

アベイラビリティー試験法、TCLP法ともに共通している点は、抽出液酸性にする点である。アベイラビリティー試験法では硝酸、TCLP法では酢酸が用いられる。酸性条件では、重金属が溶解しやすい。従って、このような試験法を尺度として重金属を安定に処理できる場合、その時の処理材は、試験法の限定を受けるものの長期安定性が高いと考えることができる。例えば、セメント処理では、セメントのアルカリが酸によって中和されると、水酸化物として不溶化していた重金属が可溶化する。有機液体薬剤処理では、その薬剤のpHがアルカリ性であるために、硫黄で結合しなかった重金属が水酸化物から再溶解する。また、酸によって薬剤自体の分解が促進される。このように、セメントや有機液体薬剤による現状の処理方法には長期安定性の問題があるようである。

以上のように、廃棄物中の重金属安定化処理に関して、重金属安定化性能に優れ、臭いもなく、安価で、なおかつ廃棄物中の有害な重金属が長期間にわたって再溶出しないよう強力に安定化しうる処理材および処理方法が望まれている。

概要

都市ごみ焼却灰をはじめとして、鉱さい土壌汚泥シュレッダーダストなどに含まれる有害重金属が長期間にわたって再溶出しないように安定化できる廃棄物処理材と処理方法を提供する。

鉄粉非晶質水酸化アルミニウム二酸化珪素珪酸塩燐酸塩の少なくとも1種、好ましくは、鉄粉と、非晶質水酸化アルミニウム、二酸化珪素、珪酸塩、もしくは燐酸塩の少なくとも1種、より好ましくは、鉄粉に、非晶質水酸化アルミニウムと燐酸塩を加えた処理材を、鉛、カドミウム、水銀、クロム、銅、ニッケルなどの有害物質を含む廃棄物と混合し、必要なら水を加えて混練し、養生固化させる廃棄物処理方法で、二酸化珪素や珪酸塩はBET比表面積が 150m2 /g以上、1000m2 /g未満の多孔質二酸化珪素アルミニウムシリケートが、燐酸塩はマグネシウム塩アルミニウム塩カルシウム塩鉄塩の少なくとも1種が好ましい。

目的

本発明の目的は、このような、重金属などを含有する廃棄物を安定化処理するのに有効な廃棄物処理材を提供することである。特に本発明は、上記のような都市ごみ焼却灰をはじめとして、鉱さい、土壌、汚泥、シュレッダーダストに含まれる有害な重金属などが長期間にわたって再溶出しないように安定化することが可能な廃棄物処理材および処理方法を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
6件

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請求項1

鉄粉非晶質水酸化アルミニウム二酸化珪素珪酸塩燐酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする廃棄物処理材

請求項2

鉄粉に、非晶質水酸化アルミニウム、二酸化珪素、珪酸塩、燐酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を加えてなることを特徴とする廃棄物処理材。

請求項3

鉄粉に、非晶質水酸化アルミニウムと燐酸塩を加えてなることを特徴とする廃棄物処理材。

請求項4

前記二酸化珪素もしくは珪酸塩が、BET比表面積が150m2 /g以上、1000m2 /g未満である多孔質二酸化珪素もしくはアルミニウムシリケートである請求項1記載の廃棄物処理材。

請求項5

前記燐酸塩が、マグネシウム塩アルミニウム塩カルシウム塩、および鉄塩からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の廃棄物処理材。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の廃棄物処理材を、鉛、カドミウム、水銀、クロム、銅、ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つの有害物質を含有する廃棄物とともに混合し、必要に応じて水を添加したものを混練し、養生固化させることを特徴とする廃棄物処理方法

請求項7

前記廃棄物が、都市ごみ焼却灰鉱さい土壌汚泥、またはシュレッダーダストである請求項6記載の廃棄物処理方法。

技術分野

0001

本発明は、有害な重金属などを含有する廃棄物を、安定化処理するのに有効な廃棄物の処理材および処理方法に関するものである。

背景技術

0002

都市ごみは、悪臭のするもので、従来は、焼却して減容化し、焼却灰最終処分場に廃棄すれば、処理は終了すると考えられてきた。しかし、ごみ中味の変化にともなって、都市ごみ処理の様相も変化してきた。例えば、プラスチックカラー印刷紙類乾電池は、カドミニウム(Cd)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、水銀(Hg)、銅(Cu)などの重金属を含んでいる。そこで、これらを焼却すると、焼却灰の中に重金属が残存することになった。また、大気汚染防止の観点から、ごみの焼却に伴って発生する塩素を除くための脱塩素化が必要となり、煙道から消石灰投入されるようになった。消石灰は水に溶解するとアルカリを示すが、脱塩素化のためには、大量の消石灰の投入が必要なために、飛灰高アルカリ性になった。重金属の中でも鉛は、高アルカリ性では溶出しやすくなり、消石灰を投入しない低アルカリ灰でのカドミウムの溶出と同様に問題化している。

0003

重金属類は、発癌性変異原性臓器障害性など、生体毒性を有するものがある。例えば、鉛は、カドミニウム、水銀、クロムなどとともに腎臓破壊的に作用する。また、鉛は、血液成分のヘム合成阻害作用や、水銀とともに神経系の影響が知られている。カドミニウムは、高血圧の可能性、精子形成能力の低下が指摘されている。従って、都市ごみ焼却灰は、有害廃棄物と考えるられるようになった。日本では、1995年4月から、都市ごみは、特別管理一般廃棄物として、十分な重金属の溶出量の抑制が求められている。そのために、セメント類粉体薬剤液体薬剤溶融処理などによる様々な処理が行なわれている。

0004

上記のような各種処理法の中で、有害金属の溶出を防ぐ目的で近年多用されるのは、ポリエチレンイミンジチオカルボキシル基の結合したポリマーや、ジブチルジチオカルバミン酸塩などの低分子液体有機薬剤である。この液体有機薬剤は、鉛の安定化に優れているものの、セメントと比較して価格が20倍以上であり処理費用が高く、また長期安定性が十分に証明されておらず、しかも使用にあたって異臭が発生するという問題がある。また、この有機液体薬剤は、中性灰を処理する場合には鉛やカドミウムの安定化能力が低く、危険な硫化水素ガスが発生する。このように、有機薬剤には多くの問題が指摘されている。

0005

更に、廃棄物の処理材には、廃棄物最終処分場周辺住民運動環境保全意識の高まりから、長期安定性、つまり有害な重金属が長期間にわたって再溶出しないことが求められている。これは、廃棄物を処理した当初は重金属が処理物中で安定化されていても、長期の保管で処理物中の廃棄物処理材劣化すると、重金属が洩れだし、万一、防水シート破れると、地下に重金属類が洩れだし、地下水を通して人体に影響を与える危険が考えられることによる。従って、有害重金属の溶出を長期間にわたって可能な限り低下させることが重要になっている。しかし、長期安定性については、廃棄物の種類が多様であるために、定説がない。このような中で、評価法の1つとしてアベイラビリティ試験法が注目されている。

0006

アベイラビリティー試験法は100年〜1000年の長期にわたって処理物放置した場合の処理物の安定性を見積もる方法としてオランダで採用されている。本試験は、第3回廃棄物学会研究発表会講演論文集603−606頁(1992年)やComparison of different regulatory leaching test procedures forwaste materials and construction material , H.A. Van der Sloot, D. Hoede, P. Bonouvrie ; ECN-C-91-082, NetherlandsEnergy Research FoundationECN, 1991 )にあるように、きびしい試験法とされている。本法の実験手順は、NEN7341(1992)に記載されているので詳細は略すが、本試験の特徴は、固液比を大きくし、粒径を小さくし、pHを低く設定している点がきびしい溶出試験といわれる理由である。

0007

また、TCLP(Toxic Characteristic Leaching Procesure )法は、米国で採用されている試験法である。本試験では、産業廃棄物を安価に処分するために、廃棄業者生ごみなど有機物を含んだ都市廃棄物と産業廃棄物とを95:5の比で故意に処分した最悪の状況を想定している。本試験法は、このような不適切な処分が行なわれた埋立地での浸出水再現するのに適した溶出試験方法であるとされている。従って、この試験法は、長期保管時に、万一、防水シートが破れた場合の地下水の汚染の有無を推定する方法と考えることもできる。

0008

アベイラビリティー試験法、TCLP法ともに共通している点は、抽出液酸性にする点である。アベイラビリティー試験法では硝酸、TCLP法では酢酸が用いられる。酸性条件では、重金属が溶解しやすい。従って、このような試験法を尺度として重金属を安定に処理できる場合、その時の処理材は、試験法の限定を受けるものの長期安定性が高いと考えることができる。例えば、セメント処理では、セメントのアルカリが酸によって中和されると、水酸化物として不溶化していた重金属が可溶化する。有機液体薬剤処理では、その薬剤のpHがアルカリ性であるために、硫黄で結合しなかった重金属が水酸化物から再溶解する。また、酸によって薬剤自体の分解が促進される。このように、セメントや有機液体薬剤による現状の処理方法には長期安定性の問題があるようである。

0009

以上のように、廃棄物中の重金属安定化処理に関して、重金属安定化性能に優れ、臭いもなく、安価で、なおかつ廃棄物中の有害な重金属が長期間にわたって再溶出しないよう強力に安定化しうる処理材および処理方法が望まれている。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の目的は、このような、重金属などを含有する廃棄物を安定化処理するのに有効な廃棄物処理材を提供することである。特に本発明は、上記のような都市ごみ焼却灰をはじめとして、鉱さい土壌汚泥シュレッダーダストに含まれる有害な重金属などが長期間にわたって再溶出しないように安定化することが可能な廃棄物処理材および処理方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記のような廃棄物処理の現状における問題点を解決する目的で鋭意検討した結果、この目的を達成しうる廃棄物処理材と処理方法を得るに至った。即ち、本発明の処理材は、鉄粉非晶質水酸化アルミニウム二酸化珪素珪酸塩燐酸塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む廃棄物処理材が好ましいことを見いだした。本処理材の好ましい配合例としては、鉄粉に、非晶質水酸化アルミニウム、二酸化珪素、珪酸塩、燐酸塩からなる群より選択される少なくとも1種を加えたもの(請求項2)、より好ましくは、鉄粉に、非晶質水酸化アルミニウムと燐酸塩を加えたもの(請求項3)である。また、前記二酸化珪素もしくは珪酸塩としては、BET比表面積が150m2 /g以上、1000m2 /g未満である多孔質二酸化珪素もしくはアルミニウムシリケートが好ましい。また、前記燐酸塩としては、マグネシウム塩アルミニウム塩カルシウム塩、および鉄塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。本発明の処理方法は、上記のような廃棄物処理材を、鉛、カドミウム、水銀、クロム、銅、ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つの有害物質を含有する廃棄物とともに混合し、必要に応じて水を添加したものを混練し、養生固化させるものである。本発明方法を適用しうる廃棄物としては、都市ごみ焼却灰、鉱さい、土壌、汚泥、シュレッダーダストがある。

0012

本発明の処理材において、鉄粉は、それより卑なものを還元するので、廃棄物中の鉛の安定化に優れ、またカドミウムの安定化にも若干の効果を示し、中性灰中の鉛やカドミウムの安定化が可能である。また、非晶質水酸化アルミニウムは、中和作用によって重金属の安定化が可能であり、高アルカリ性灰のpHを低下させることで、高アルカリで可溶化する鉛を不溶化できる。二酸化珪素や珪酸塩は、高アルカリ性灰中の鉛の安定化に特に効果がある。更に、燐酸塩は酸性条件での鉛の安定化に優れている。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明に利用される鉄は、粉末状、粒子状であることが好ましい。これは、粉末や粒子の大きさが小さい程活性は大きくなるので、還元作用の点で好ましい。例えば、還元粉噴霧粉電解粉粉砕粉急冷凝固粉合金粉複合粉被覆粉などがある。また、金属の精練工程や金属の加工工程で得られる副産物(例えば、鉄の精練工程や加工工程で得られる製鋼くずについては、吹練中に発生するスラグ発散流出つまりスロッピングによって飛散したくず、バグハウス中のダスト金属鉄を含むスラグ、ショットブラスターからの副産物など、粗粒ダストなど)のように一般には製品にならない不純物を含んでいるものもよい。

0014

本発明では、前記鉄粉の他に、非晶質水酸化アルミニウム、二酸化珪素、珪酸塩、燐酸塩などを使用するので、以下にこれらについて説明する。

0015

まず、本発明において用いられる水酸化アルミニウムは、x線でピーク観測されない非晶質のものである。本発明で使用される、非晶質水酸化アルミニウムの成分の中には、結晶質水酸化アルミニウム、ニッケル、ホウ素などの不純物を含んでいてもよい。この非晶質水酸化アルミニウムとしては、入手が比較的容易で安価という面で、アルミサッシ工場アルミニウム加工過程で、本来廃棄される水酸化アルミニウムを濃縮回収したアルミスラッジが好ましい。例えば、アルミサッシ工場内では、アルミサッシやアルミパイプ等のアルミニウムを用いた成形品に付着した油を硫酸で除去し、更に腐食防止の目的でニッケルを表面にコートするアルマイト処理を行なった廃液が出る。工場内では、この廃液に凝集剤を加えて沈澱濾過後、フィルター濾過して水酸化アルミニウムをアルミスラッジとして回収する。このアルミスラッジは、水分を75重量%程度含んでいるために、そのままでは取扱いが困難である。したがって、廃棄物の処理材として使用する際には、このスラッジを乾燥させて破砕を行い、粉体状にすることが取扱い上好ましい。アルミスラッジの乾燥は、一般的には品温が200℃以下になるようにして乾燥させる。

0016

本発明で使用する二酸化珪素もしくは珪酸塩としては、多孔質二酸化珪素もしくはアルミニウムシリケートが好ましい。これらの多孔質二酸化珪素やアルミニウムシリケートは、結晶性無定形が知られているが、ここでは、粉体状であればいずれでも使用することができる。

0017

多孔質二酸化珪素は、比表面積が大きい方が鉛などの重金属の吸着能力が高く、またアルカリ吸着能力も高い。比表面積が大きくなるにしたがって、重金属は安定化されて溶出しなくなるが、その一方で、処理材のかさ比重が低下して、処理材が嵩高くなる。このため、処理材の輸送量が減る、保管に大きなサイロが必要になる、廃棄物との混合時に、セメントと同じフィーダーでは、少量の処理材しか混合できない、といった取扱上の問題が生じてくる。したがって、本発明で使用する多孔質二酸化珪素の比表面積(BET法による)は、150m2 /g以上、1000m2 /g未満であることが望ましい。この様な多孔質の二酸化珪素としては、BS304、BS304F、カープレクス#67、カープレックス#80(いずれもシオノ製薬製)などがあげられるが、これらに限定される訳でない。

0018

アルミニウムシリケートとは、ケイ酸ケイ素の一部がアルミニウムで置換されたもので、軽石フライアッシュカオリンベントナイト活性白土ケイソウ土ゼオライトなどの天然のアルミニウムシリケートや合成のアルミニウムシリケートが知られている。多孔質アルミニウムシリケートは、比表面積が大きい方が鉛などの重金属の吸着能力が高く、またアルカリ吸着能力も高い。したがって、アルミニウムシリケートの比表面積は150m2 /g以上、1000m2/g未満であることが望ましい。この中でも、合成のアルミニウムシリケートは比表面積も大きく鉛の吸着能力が高く、またアルカリ吸着能力が高いため、効率的に鉛などの重金属を安定化することが出来る。このようなアルミニウムシリケートとしては、キョーワード700PEL、キョーワード700PL(いずれも協和化学製)などがあげられるが、これらに限定される訳でない。

0019

燐酸塩としては、燐酸多価金属塩が好ましい。この燐酸の多価金属塩には、燐酸マグネシウム燐酸アルミニウム燐酸カルシウム、燐酸鉄、燐酸亜鉛燐酸銀など多数のものが知られているが、本発明では、工業的に入手可能であるという点で、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸カルシウム、燐酸鉄が好ましい。燐酸マグネシウム塩の中で好ましいものとしては、第2燐酸マグネシウム、第3燐酸マグネシウムがあげられる。その中でも第3燐酸マグネシウムは、高アルカリ性の廃棄物、例えば飛灰の重金属安定化に際して、アベイラビリティー試験および環境告示13号法ともに良好な性能を示す。燐酸のマグネシウム塩には、その他に第1燐酸マグネシウムがあるが、保管によって潮解する。従って、固結の原因となるので、大規模に粉体を取り扱う場合に問題を起こすので好ましくない。燐酸アルミニウム塩の中で好ましいものとしては、第2燐酸アルミニウム、第3燐酸アルミニウムがあげられる。一方、第1燐酸アルミニウムは吸湿性が強く、そのままでは処理材が劣化するために好ましくない。燐酸カルシウム塩には、第1燐酸カルシウム、第2燐酸カルシウム、第3燐酸カルシウムがあげられる。また、過燐酸石灰、つまり、燐酸2水素カルシウム水和と石膏を主成分とし少量の遊離燐酸、燐酸1水素カルシウムを含有する混合物や、重過燐酸石灰のように第1燐酸カルシウムを含む混合物もある。本処理材で使用する燐酸カルシウム塩は、粉体状のものならば使用することができる。本発明で使用される燐酸鉄塩は、粉体として工業的に入手可能なものならば使用可能である。これらの本発明で使用される燐酸のマグネシウム、アルミニウム、カルシウム、鉄塩には不可避的な不純物を含んでいても構わない。

0020

以上のように、燐酸塩としては、第2燐酸マグネシウム、第3燐酸マグネシウム、第2燐酸アルミニウム、第3燐酸アルミニウム、第1燐酸カルシウム、第2燐酸カルシウム、第3燐酸カルシウム、燐酸鉄があげられる。これらは、水に対する溶解度が低い難溶性物質である。ここで、難溶性とは、25℃〜30℃において水に対する溶解度が5重量%未満をいい、また、可溶性とは、同じく溶解度が5重量%以上である性質をいう。例えば、第1燐酸マグネシウム、第2燐酸マグネシウム、第3燐酸マグネシウムの溶解度は、それぞれ、20重量%(無水塩)、0.025重量%(3水塩)、0.02重量%(4水塩)である。従って、第1燐酸マグネシウムは可溶性であるが、第2、第3燐酸マグネシウムは、難溶性である。

0021

以上のように、本発明に係る廃棄物処理材は、処理材中の鉄粉は、鉛の安定化に優れ、またカドミウムの安定化にも若干の効果を示し、中性灰中の鉛やカドミウムの安定化が可能である。非晶質水酸化アルミニウムは、高アルカリ性灰のpHを低下させることで、高アルカリで可溶化する鉛を不溶化できる。二酸化珪素や珪酸塩は、高アルカリ灰中の鉛の安定化に特に効果がある。燐酸塩は、酸性条件での鉛の安定化に優れている。これらの鉄粉、非晶質水酸化アルミニウム、二酸化珪素、珪酸塩、燐酸塩は全て無臭であり、鉄粉、非晶質水酸化アルミニウムは、廃物を利用できる。したがって、廃棄物のアルカリ性、除去する重金属の含有量に応じて、安価で高性能かつ長期安定性に優れた処理材を調合することが可能である。このような組み合わせとしては、鉄粉と燐酸塩の少なくとも1種と、非晶質水酸化アルミニウム、二酸化珪素、珪酸塩の少なくとも1種とを混合することが好ましい。更に、粉体水ガラスと鉄粉、粉体水ガラスと鉄粉とアルミスラッジを組み合わせてもよい。また、処理が容易な廃棄物に対しては、非晶質水酸化アルミニウム、燐酸塩、二酸化珪素、珪酸塩のいずれかを組み合わせた処理材のみとすることも本発明の範疇である。また、鉄粉と燐酸塩を組み合わせることも本発明の範疇である。

0022

次に、処理材中の各成分の混合比率について説明する。これらの混合比率は適宜調整されるが、一般的な混合比率は、鉄粉や燐酸塩を廃棄物処理材に対して、10〜100重量%であるが、より好ましい範囲としては、10〜50重量%である。鉄粉は大量に加えると処理材中で偏在して安定的に処理できなくなる、また燐酸塩は大量に投入すると処理材が高くなることによる。

0023

本発明の廃棄物処理材は、鉛、カドミウム、水銀、クロム、銅、ニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1つの有害物質を含有する廃棄物とともに混合し、必要に応じて水を添加したものを混練し、養生固化させることが好ましい。本発明を適用し得るこのような廃棄物としては、特に焼却灰、鉱さい、土壌、汚泥が好適である。焼却灰には、主灰と飛灰がある。飛灰は、都市ごみや産業廃棄物などの焼却に伴って発生する粉状のばいじんや、溶融炉から発生するばいじんを集塵したものであり、電気集塵器で集塵したEP灰や、バグフィルターなどで集塵したバグ灰などがあげられる。一方、主灰は、都市ごみや産業廃棄物の焼却場で、焼却炉下部より排出される灰であり、有害な重金属を含むものが対象となる。更に、本発明では、鉱山より排出される鉱さい、重金属などで汚染された土壌中の重金属の安定化、廃水処理にともない発生する重金属を含んだ汚泥についても対象となる。

0024

本発明の好ましい実施態様としては、ホッパーに集められたダストや飛灰などの廃棄物と、別のホッパーからの前記の廃棄物処理材とを混合し、必要に応じてこれに水を加え賦型装置内で十分に練り合わせ押し出す。一般に、従来のセメントによる処理方法ではダスト100重量部に対して10〜30重量部のセメントを加えて混練を行う。本発明の処理材を用いる場合には、セメントを同量加えた場合よりも優れた性能が得られる。そのために、例えばセメントと同等の重金属の長期安定化性能を希望する場合には、セメントよりも少量の添加でよく、固化物の減容化が期待できる。また、従来のセメントでは重金属の長期安定化が不十分な場合には、セメントと同量の処理材を加えることで強力な重金属安定化効果が期待できる。

発明の効果

0025

本発明の廃棄物処理材を用いて、有害重金属を含有する産業廃棄物や都市ごみの焼却炉から排出されるEP灰やバグ灰(特に、消石灰や生石灰を吹き込んだEP灰やバグ灰)といったダストを処理した場合には、重金属安定化性能に優れ、臭いもなく、安価で、なおかつ廃棄物中の有害な重金属が長期間にわたって再溶出しないよう強力に安定化しうる。従って、本発明の廃棄物処理材は、産業廃棄物や都市ごみ焼却炉から排出されるEP灰やバグ灰などの飛灰の安定化処理に非常に有効なものである。

0026

以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。

0027

(実施例1)本発明の処理材として、鉄粉(和光純薬製)を用いた。都市ごみ焼却工場から排出された鉛およびカドミウムを大量に含有する中性飛灰(Pb含有量20000mg/Kg、Cd120mg/Kg、無処理時のpH6.6(環境庁告示13号法での抽出液のpH、以下同じ。))30gに対して、1.8gの鉄粉および18gの水を添加して混練を行い、20℃で1日間養生させた。その後、この処理材を用いた場合の無害化効果を調べるために、米国のTCLP法に準じた方法で、処理物20gを400ml酢酸溶液(pH4.9)で3時間振とうを行ない、鉛とカドミウムの溶出濃度を測定した。この時の実験結果を以下の表1に示す。表1の結果から、鉄粉が鉛を安定化していること、カドミウムについても濃度が低下していることが分かる。

0028

0029

(実施例2)多孔質二酸化珪素(比表面積250m2 /g)60重量部に対し、鉄粉(和光純薬製)を40重量部混合し、本発明の廃棄物処理材1を得た。比較例として、早強セメントを用意した。都市ごみ焼却工場から排出された、鉛を大量に含有する飛灰(環境庁告示13号法での無処理における鉛溶出量36mg/L、pH12.08)30gに対して、0.9g(3重量部)の上記処理材および18gの水を添加して混練を行い、20℃で1日間養生した。その後、これらの処理材を用いて処理した処理物を長期にわたって放置した場合の安定性を見積もる方法として、米国のTCLP法を参考にした酸性抽出液下での抽出試験を行なった。つまり、廃棄物処理物を乾燥後5.0mmの目開きのメッシュを通過させる。この処理物10gに、pH4.9に調整した酢酸系水溶液500mlを添加し、20時間振とうする。振とう後、固液を分離後鉛濃度を測定した。比較例として、セメントのみを0.9g(3重量部)添加して同様の処理を行った。結果を以下の表2に示す。また、表2には、環境庁告示13号法による鉛溶出量を併記した。

0030

0031

表2の実験結果から、鉄粉と多孔質二酸化珪素とを併用した本発明の廃棄物処理材は、セメントを単独で用いた場合に較べ、酸性抽出液下においても重金属の安定化効果に優れていることが分かる。

0032

(実施例3)アルミスラッジ83.3重量部に対し、鉄粉(和光純薬製)を16.7重量部混合し、本発明の廃棄物処理材2を得た。都市ごみ焼却工場から排出された、鉛を大量に含有する飛灰(環境庁告示13号法での無処理における鉛溶出量32mg/L、pH12.42)30gに対して、処理材2を30重量部(9g)と水29gを添加して混練を行い20℃で1日間養生した。また、比較例4として、飛灰30gに対して、アルミスラッジを25重量部(7.5g)と水29gを添加して混練を行った。これらを20℃で1日間養生後、環境庁告示13号法での抽出試験を行った。結果を以下の表3に示す。

0033

0034

表3の実験結果から、アルミスラッジのpH低下効果によって、鉛溶出量を低減可能であるが、これに鉄粉を更に加えることで鉛安定性能が向上する。このように、鉄は、高アルカリ条件でも鉛に対する安定化効果を有している。

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