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技術 充填材の抵抗測定方法及び充填材観測装置

出願人 株式会社熊谷組株式会社東京測器研究所
発明者 佐藤英明鈴木光正岡野晴樹
出願日 1996年1月30日 (23年9ヶ月経過) 出願番号 1996-013799
公開日 1997年8月15日 (22年2ヶ月経過) 公開番号 1997-210940
状態 未査定
技術分野 電気的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 抵抗値成分 定電流生成回路 センサ体 測定開始指令 定電圧生成回路 可変抵抗値 抵抗値検出 直流電流成分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

充填材埋設した電極間抵抗値を安定して容易に検出することができる充填材の抵抗測定方法、並びに、電極間の充填材の抵抗値を安定して測定しつつ該抵抗値による充填材の組成状態や充填状態観測を行うことができると共にその観測のための測定時間の高速化や測定精度の向上を図ることができる充填材観測装置を提供する。

解決手段

充填材Aに埋設した電極5a,5b(6,6)間の充填材Aと可変抵抗体7とに同一の交流の定電圧を付与し、この時、電極5a,5b(6,6)間の充填材A及び可変抵抗体7に流れる電流比較回路12で比較し、両電流の抵抗値成分が一致するように位相検波器12a及びコントロール回路15により可変抵抗体9の抵抗値を調整する。抵抗値を調整した可変抵抗体9に定電流を通電してその抵抗値に応じた電圧信号アンプ回路14から出力し、その出力に基づき充填材Aの組成状態や充填状態を観測する。

概要

背景

コンクリート構造物等においては、その継目部分セメントミルク等の充填材充填することがしばしば行われており、このような場合には、充填材の組成状態(配合濃度等)や充填状態(継目部分に充填材が緊密に充填されているか等)を観測することが必要となる場合が多々ある。

このような充填材の観測を行う手法としては、次のようなものが知られている。

すなわち、充填材の充填に際して、該充填材の観測を行う箇所に例えば一対の電極埋設しておき、その後の観測に際して該一対の電極間に定電圧を付与して該電極間の充填材に電流を流す。そして、この時、電極間に流れた電流を検出することにより、電極間の充填材の抵抗値を測定する。具体的には、例えば電極間に流れる電流を電流・電圧変換回路に入力して該電流に比例した電圧に変換し、その変換回路出力電圧の値から電極間の充填材の抵抗値を測定する。さらに、例えばマイクロコンピュータを使用する場合にあっては、前記電流・電圧変換回路の出力電圧をA/D変換し、そのA/D変換により得られるディジタル値に基づき電極間の充填材の抵抗値を測定する。

このように測定した電極間の充填材の抵抗値は、一般に電極間の充填材の組成状態や充填状態と密接な相関関係を有しており、上記のように電極間の充填材の抵抗値を測定することで、その測定した抵抗値に基づき電極間の充填材の組成状態や充填状態が観測される。

ところで、コンクリート構造物の継目部分等に充填されるセメントミルク等の充填材にあっては、一般に、そのアルカリ濃度分布の不均一さや、表面状態の不均一な鋼材等との接触に起因して、所謂電池効果が生じ、内部に局所的に直流電圧が発生する現象が生じる場合が多々ある。このため、前記電極間に付与する定電圧を例えば直流電圧とした場合、電極間の充填材に流れる電流は、電極間に付与した直流電圧による直流電流成分(これは、電極材の充填材の抵抗値に依存する)に、電極間の充填材の前記電池効果による直流電流成分が加わったものとなる場合が多々あり、このような場合には、電極間に流れる電流から電極間の充填材の抵抗値を正しく測定することが困難である。

そこで、従来は、前記電池効果の影響を可能な限り排除するために、前記電極間に交流の定電圧を付与して交流電流を流し、その流れる交流電流の大きさを検出することで、電極間の充填材の抵抗値を測定するようにしていた。

しかしながら、このように電極間に交流電流を流すようにしても、従来のものでは、次のような不都合を生じるものであった。

すなわち、セメントミルク等の充填材は一般に必ずしも均一なものでなく、また、流動性を有するため、前記電極間の充填材に流れる電流は、時間的な変動を生じて不安定なものとなりやすい。従って、該電極間に流れる電流を前記電流・電圧変換回路により変換してなる該変換回路の出力電圧や、これをA/D変換してなるディジタルデータも変動を生じて不安定なものとなり易く、それらの出力電圧やディジタルデータから電極間の抵抗値を安定して測定することが困難なものとなっていた。この場合、例えば積分型のA/D変換器を使用することで、前記電流・電圧変換回路の出力電圧を平均化してA/D変換し、それによって得られるディジタルデータを安定化させることは可能であるが、このような積分型のA/D変換器を使用すると、その変換時間が長くなり、特に、前記充填材に複数の電極を埋設して、複数箇所における充填材の抵抗値の測定(多点測定)を行う場合には、測定時間が増大化してしまう。

また、従来の手法では、前記電極間に定電圧を付与したときに電極間の充填材に流れる電流を電流・電圧変換回路等を用いて検出するため、その検出電流(電流・電圧回路の出力電圧)は、電極間の充填材の抵抗値に反比例することとなる。このため、その検出電流から充填材の抵抗値を測定するためには、電流・電圧回路の出力電圧やA/D変換器の出力データをリニアライズ回路等を用いて充填材の抵抗値に比例した量に変換する必要があった。

また、前記電極間に交流電流を流したとき、その交流周波数を適切に選択しないと、該電極間の充填材や各電極に接続されたケーブルの容量やインダクタンスが影響して、電極間に流れる交流電流の位相ずれを生じる。そして、このような場合には、電極間に流れる交流電流には、充填材の抵抗値による電流成分の他に容量成分やインダクタンス成分が含まれることとなって、該交流電流の大きさから電極間の充填材の抵抗値を精度よく測定することが困難なものとなり、また、これを回避するために電極間に付与する交流電圧周波数が狭い帯域に制限されやすいものとなっていた。

概要

充填材に埋設した電極間の抵抗値を安定して容易に検出することができる充填材の抵抗測定方法、並びに、電極間の充填材の抵抗値を安定して測定しつつ該抵抗値による充填材の組成状態や充填状態の観測を行うことができると共にその観測のための測定時間の高速化や測定精度の向上を図ることができる充填材観測装置を提供する。

充填材Aに埋設した電極5a,5b(6,6)間の充填材Aと可変抵抗体7とに同一の交流の定電圧を付与し、この時、電極5a,5b(6,6)間の充填材A及び可変抵抗体7に流れる電流を比較回路12で比較し、両電流の抵抗値成分が一致するように位相検波器12a及びコントロール回路15により可変抵抗体9の抵抗値を調整する。抵抗値を調整した可変抵抗体9に定電流を通電してその抵抗値に応じた電圧信号アンプ回路14から出力し、その出力に基づき充填材Aの組成状態や充填状態を観測する。

目的

本発明はかかる背景に鑑み、コンクリート構造物の継目部分等に充填される充填材に埋設した電極間の抵抗値を安定して容易に検出することができる充填材の抵抗測定方法を提供し、また、電極間の充填材の抵抗値を安定して測定しつつ該抵抗値による充填材の組成状態や充填状態の観測を行うことができると共にその観測のための測定時間の高速化や測定精度の向上を図ることができる充填材観測装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

充填材組成状態または充填状態観測するために、該充填材に埋設された一対の電極間抵抗値を測定する方法であって、前記一対の電極と前記充填材の外部に設けられた抵抗値を調整可能な可変抵抗体とに同一の交流電圧を付与する工程と、該交流電圧の付与時に前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流を比較し、そのそれぞれの電流が合致するよう前記可変抵抗体の抵抗値を調整する工程と、次いで、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流が合致したときの該可変抵抗体の抵抗値を前記一対の電極間の充填材の抵抗値として測定する工程とから成ることを特徴とする充填材の抵抗測定方法

請求項2

前記可変抵抗体の抵抗値を調整する工程は、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流の間の位相ずれに基づき、前記一対の電極間の充填材に流れる電流の抵抗値成分と前記可変抵抗体に流れる電流とが合致するように前記可変抵抗体の抵抗値を調整することを特徴とする請求項1記載の充填材の抵抗測定方法。

請求項3

充填材の組成状態または充填状態を観測するために、該充填材に埋設された一対の電極間の抵抗値を測定する方法であって、前記一対の電極と前記充填材の外部に設けられた抵抗値を調整可能な可変抵抗体とに同一の交流電流通電する工程と、該交流電流の通電時に前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧を比較し、そのそれぞれの電圧が合致するよう前記可変抵抗体の抵抗値を調整する工程と、次いで、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧が合致したときの該可変抵抗体の抵抗値を前記一対の電極間の充填材の抵抗値として測定する工程とから成ることを特徴とする充填材の抵抗測定方法。

請求項4

前記可変抵抗体の抵抗値を調整する工程は、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧の間の位相ずれに基づき、前記一対の電極間の充填材に生じる電圧の抵抗値成分と前記可変抵抗体に生じる電圧とが合致するように前記可変抵抗体の抵抗値を調整することを特徴とする請求項3記載の充填材の抵抗測定方法。

請求項5

前記可変抵抗体の抵抗値を測定する工程は、該可変抵抗体にあらかじめ定めた定電流を通電し、その通電時に該可変抵抗体に生じる電圧により測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の充填材の抵抗測定方法。

請求項6

充填材の組成状態または充填状態を、該充填材に埋設された一対の電極間の充填材の抵抗値に基づき観測する充填材観測装置であって、前記一対の電極間の充填材に所定の交流の定電圧を付与すべく該電極に接続された定電圧電源手段と、該定電圧電源手段による前記一対の電極間の充填材への交流の定電圧の付与時に該一対の電極間の充填材と並列して前記定電圧電源手段に断接自在に接続されて前記交流の定電圧が付与される抵抗値を調整可能な可変抵抗体と、該定電圧電源手段による交流の定電圧の付与時に前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流に応じた信号を各別に生成する電流検出手段と、該電流検出手段により生成された前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ対応する信号を比較し、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流が合致するよう前記可変抵抗体の抵抗値を調整・制御する可変抵抗制御手段と、前記電流検出手段により生成された前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流が合致したときに該可変抵抗体の抵抗値を保持せしめると共に該可変抵抗体を前記定電圧電源手段から分離する可変抵抗保持・分離手段と、その分離状態で前記可変抵抗体に通電して該可変抵抗体の抵抗値に応じた信号を生成する抵抗値検出手段とを備え、該抵抗値検出手段により生成された前記可変抵抗体の抵抗値に応じた信号を前記一対の電極間の充填材の抵抗値を示すものとして該信号に基づき前記充填材の組成状態または充填状態を観測することを特徴とする充填材観測装置。

請求項7

前記可変抵抗制御手段は、前記電流検出手段により生成された信号に基づき、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流間の位相ずれを把握する位相検波手段を具備し、該位相検波手段により把握された位相ずれに基づき、前記一対の電極間の充填材に流れる電流の抵抗値成分と前記可変抵抗体に流れる電流とが合致するように前記可変抵抗体の抵抗値を調整・制御することを特徴とする請求項6記載の充填材観測装置。

請求項8

前記一対の電極は、前記充填材の複数箇所に複数対埋設され、前記定電圧電源手段は、各対の電極にスイッチ手段を介して選択的に断接自在に接続されていることを特徴とする請求項6又は7記載の充填材観測装置。

請求項9

前記各電極は、前記充填材の複数箇所に複数個埋設され、前記定電圧電源手段は、該複数の電極のうちの一対の電極にスイッチ手段を介して選択的に断接自在に接続されていることを特徴とする請求項6又は7記載の充填材観測装置。

請求項10

充填材の組成状態または充填状態を、該充填材に埋設された一対の電極間の充填材の抵抗値に基づき観測する充填材観測装置であって、前記一対の電極間の充填材に所定の交流の定電流を通電すべく該電極に接続された定電流電源手段と、該定電流電源手段による前記一対の電極間の充填材への交流の定電流の通電時に該一対の電極間の充填材と直列して前記定電流電源手段に断接自在に接続されて前記交流の定電流が通電される抵抗値を調整可能な可変抵抗体と、該定電流電源手段による交流の定電流の通電時に前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧に応じた信号を各別に生成する電圧検出手段と、該電圧検出手段により生成された前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ対応する信号を比較し、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧が合致するよう前記可変抵抗体の抵抗値を調整・制御する可変抵抗制御手段と、前記電圧検出手段により生成された前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧が合致したときに該可変抵抗体の抵抗値を保持せしめると共に該可変抵抗体を前記定電流電源手段から分離する可変抵抗保持・分離手段と、その分離状態で前記可変抵抗体に通電して該可変抵抗体の抵抗値に応じた信号を生成する抵抗値検出手段とを備え、該抵抗値検出手段により生成された前記可変抵抗体の抵抗値に応じた信号を前記一対の電極間の充填材の抵抗値を示すものとして該信号に基づき前記充填材の組成状態または充填状態を観測することを特徴とする充填材観測装置。

請求項11

前記可変抵抗制御手段は、前記電圧検出手段により生成された信号に基づき、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧間の位相ずれを把握する位相検波手段を具備し、該位相検波手段により把握された位相ずれに基づき、前記一対の電極間の充填材に生じる電圧の抵抗値成分と前記可変抵抗体に生じる電圧とが合致するように前記可変抵抗体の抵抗値を調整・制御することを特徴とする請求項10記載の充填材観測装置。

請求項12

前記一対の電極は、前記充填材の複数箇所に複数対埋設され、前記定電流電源手段は、各対の電極にスイッチ手段を介して選択的に断接自在に接続されていることを特徴とする請求項10又は11記載の充填材観測装置。

請求項13

前記各電極は、前記充填材の複数箇所に複数個埋設され、前記定電流電源手段は、該複数の電極のうちの一対の電極にスイッチ手段を介して選択的に断接自在に接続されていることを特徴とする請求項10又は11記載の充填材観測装置。

請求項14

前記抵抗値測定手段は、前記可変抵抗体に定電流を通電する定電流通電手段を備え、該定電流通電手段による定電流の通電時に該可変抵抗体に生じる電圧信号を該可変抵抗体の抵抗値に応じた信号として生成することを特徴とする請求項6乃至13のいずれかに記載の充填材の観測装置。

技術分野

0001

本発明は、コンクリート構造物継目部分等に充填されるセメントミルク等の充填材組成状態や充填状態観測するための抵抗測定方法及び充填材観測装置に関する。

背景技術

0002

コンクリート構造物等においては、その継目部分にセメントミルク等の充填材を充填することがしばしば行われており、このような場合には、充填材の組成状態(配合濃度等)や充填状態(継目部分に充填材が緊密に充填されているか等)を観測することが必要となる場合が多々ある。

0003

このような充填材の観測を行う手法としては、次のようなものが知られている。

0004

すなわち、充填材の充填に際して、該充填材の観測を行う箇所に例えば一対の電極埋設しておき、その後の観測に際して該一対の電極間に定電圧を付与して該電極間の充填材に電流を流す。そして、この時、電極間に流れた電流を検出することにより、電極間の充填材の抵抗値を測定する。具体的には、例えば電極間に流れる電流を電流・電圧変換回路に入力して該電流に比例した電圧に変換し、その変換回路出力電圧の値から電極間の充填材の抵抗値を測定する。さらに、例えばマイクロコンピュータを使用する場合にあっては、前記電流・電圧変換回路の出力電圧をA/D変換し、そのA/D変換により得られるディジタル値に基づき電極間の充填材の抵抗値を測定する。

0005

このように測定した電極間の充填材の抵抗値は、一般に電極間の充填材の組成状態や充填状態と密接な相関関係を有しており、上記のように電極間の充填材の抵抗値を測定することで、その測定した抵抗値に基づき電極間の充填材の組成状態や充填状態が観測される。

0006

ところで、コンクリート構造物の継目部分等に充填されるセメントミルク等の充填材にあっては、一般に、そのアルカリ濃度分布の不均一さや、表面状態の不均一な鋼材等との接触に起因して、所謂電池効果が生じ、内部に局所的に直流電圧が発生する現象が生じる場合が多々ある。このため、前記電極間に付与する定電圧を例えば直流電圧とした場合、電極間の充填材に流れる電流は、電極間に付与した直流電圧による直流電流成分(これは、電極材の充填材の抵抗値に依存する)に、電極間の充填材の前記電池効果による直流電流成分が加わったものとなる場合が多々あり、このような場合には、電極間に流れる電流から電極間の充填材の抵抗値を正しく測定することが困難である。

0007

そこで、従来は、前記電池効果の影響を可能な限り排除するために、前記電極間に交流の定電圧を付与して交流電流を流し、その流れる交流電流の大きさを検出することで、電極間の充填材の抵抗値を測定するようにしていた。

0008

しかしながら、このように電極間に交流電流を流すようにしても、従来のものでは、次のような不都合を生じるものであった。

0009

すなわち、セメントミルク等の充填材は一般に必ずしも均一なものでなく、また、流動性を有するため、前記電極間の充填材に流れる電流は、時間的な変動を生じて不安定なものとなりやすい。従って、該電極間に流れる電流を前記電流・電圧変換回路により変換してなる該変換回路の出力電圧や、これをA/D変換してなるディジタルデータも変動を生じて不安定なものとなり易く、それらの出力電圧やディジタルデータから電極間の抵抗値を安定して測定することが困難なものとなっていた。この場合、例えば積分型のA/D変換器を使用することで、前記電流・電圧変換回路の出力電圧を平均化してA/D変換し、それによって得られるディジタルデータを安定化させることは可能であるが、このような積分型のA/D変換器を使用すると、その変換時間が長くなり、特に、前記充填材に複数の電極を埋設して、複数箇所における充填材の抵抗値の測定(多点測定)を行う場合には、測定時間が増大化してしまう。

0010

また、従来の手法では、前記電極間に定電圧を付与したときに電極間の充填材に流れる電流を電流・電圧変換回路等を用いて検出するため、その検出電流(電流・電圧回路の出力電圧)は、電極間の充填材の抵抗値に反比例することとなる。このため、その検出電流から充填材の抵抗値を測定するためには、電流・電圧回路の出力電圧やA/D変換器の出力データをリニアライズ回路等を用いて充填材の抵抗値に比例した量に変換する必要があった。

0011

また、前記電極間に交流電流を流したとき、その交流周波数を適切に選択しないと、該電極間の充填材や各電極に接続されたケーブルの容量やインダクタンスが影響して、電極間に流れる交流電流の位相ずれを生じる。そして、このような場合には、電極間に流れる交流電流には、充填材の抵抗値による電流成分の他に容量成分やインダクタンス成分が含まれることとなって、該交流電流の大きさから電極間の充填材の抵抗値を精度よく測定することが困難なものとなり、また、これを回避するために電極間に付与する交流電圧周波数が狭い帯域に制限されやすいものとなっていた。

発明が解決しようとする課題

0012

本発明はかかる背景に鑑み、コンクリート構造物の継目部分等に充填される充填材に埋設した電極間の抵抗値を安定して容易に検出することができる充填材の抵抗測定方法を提供し、また、電極間の充填材の抵抗値を安定して測定しつつ該抵抗値による充填材の組成状態や充填状態の観測を行うことができると共にその観測のための測定時間の高速化や測定精度の向上を図ることができる充填材観測装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明の充填材の抵抗測定方法は、前記の目的を達成するために、その第1の態様として、充填材の組成状態または充填状態を観測するために、該充填材に埋設された一対の電極間の抵抗値を測定する方法であって、前記一対の電極と前記充填材の外部に設けられた抵抗値を調整可能な可変抵抗体とに同一の交流電圧を付与する工程と、該交流電圧の付与時に前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流を比較し、そのそれぞれの電流が合致するよう前記可変抵抗体の抵抗値を調整する工程と、次いで、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流が合致したときの該可変抵抗体の抵抗値を前記一対の電極間の充填材の抵抗値として測定する工程とから成ることを特徴とするものである。

0014

あるいは、第2の態様として、充填材の組成状態または充填状態を観測するために、該充填材に埋設された一対の電極間の抵抗値を測定する方法であって、前記一対の電極と前記充填材の外部に設けられた抵抗値を調整可能な可変抵抗体とに同一の交流電流を通電する工程と、該交流電流の通電時に前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧を比較し、そのそれぞれの電圧が合致するよう前記可変抵抗体の抵抗値を調整する工程と、次いで、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧が合致したときの該可変抵抗体の抵抗値を前記一対の電極間の充填材の抵抗値として測定する工程とから成ることを特徴とするものである。

0015

かかる本発明の第1または第2の態様の抵抗測定方法によれば、前記充填材に埋設した一対の電極間の充填材及び前記可変抵抗体に同一の交流電圧を付与し、あるいは同一の交流電流を通電して、その時、電極間の充填材及び可変抵抗体に流れる電流、あるいは電極間の充填材及び可変抵抗体に生じる電圧が合致するように可変抵抗体の抵抗値を調整することで、可変抵抗体の抵抗値は、電極間の充填材の抵抗値と合致するように調整される。すなわち、電極間の抵抗値をそれと同等の可変抵抗体の抵抗値に置換する。そして、このように調整された可変抵抗体の抵抗値を電極間の充填材の抵抗値として測定する。この場合、可変抵抗体の抵抗値は、時間的な変動を生じにくいので、該抵抗値を安定して測定することが可能となる。

0016

これにより、充填材に埋設した電極間の抵抗値を安定して容易に検出することができる。

0017

かかる本発明の第1の態様の抵抗測定方法にあっては、前記可変抵抗体の抵抗値を調整する工程は、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流の間の位相ずれに基づき、前記一対の電極間の充填材に流れる電流の抵抗値成分と前記可変抵抗体に流れる電流とが合致するように前記可変抵抗体の抵抗値を調整することが好ましく、また、第2の態様の抵抗測定方法にあっては、前記可変抵抗体の抵抗値を調整する工程は、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧の間の位相ずれに基づき、前記一対の電極間の充填材に生じる電圧の抵抗値成分と前記可変抵抗体に生じる電圧とが合致するように前記可変抵抗体の抵抗値を調整することが好ましい。

0018

このようにすることで、前記一対の電極間の充填材や、各電極に接続されるケーブルの容量やインダクタンスの影響を排除して、前記可変抵抗体の抵抗値を前記一対の電極間の充填材の実抵抗値と合致したものに調整することが可能となり、該充填材の抵抗値を精度よく測定することができる。また、各電極に接続されるケーブルの容量やインダクタンスの影響を排除することができるので、前記一対の電極間及び可変抵抗体に付与する交流電圧、あるいは通電させる交流電流の周波数帯域を従来に比して広げることができる。

0019

また、かかる本発明の第1の態様または第2の態様の抵抗測定方法にあっては、前記可変抵抗の抵抗値を測定する際に、該可変抵抗体にあらかじめ定めた定電流を通電し、その通電時に該可変抵抗体に生じる電圧により測定することが好ましい。このように可変抵抗体の定電流を通電することで、該可変抵抗体に生じる電圧は、該可変抵抗体の抵抗値に比例し、従って、前記電極間の充填材の抵抗値と一致するように調整された該可変抵抗体の抵抗値を該可変抵抗体に生じる電圧から極めて容易に測定することができる。

0020

次に、本発明の充填材観測装置は、前記の目的を達成するために、充填材の組成状態または充填状態を、該充填材に埋設された一対の電極間の充填材の抵抗値に基づき観測する充填材観測装置であって、前記一対の電極間の充填材に所定の交流の定電圧を付与すべく該電極に接続された定電圧電源手段と、該定電圧電源手段による前記一対の電極間の充填材への交流の定電圧の付与時に該一対の電極間の充填材と並列して前記定電圧電源手段に断接自在に接続されて前記交流の定電圧が付与される抵抗値を調整可能な可変抵抗体と、該定電圧電源手段による交流の定電圧の付与時に前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流に応じた信号を各別に生成する電流検出手段と、該電流検出手段により生成された前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ対応する信号を比較し、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流が合致するよう前記可変抵抗体の抵抗値を調整・制御する可変抵抗制御手段と、前記電流検出手段により生成された前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流が合致したときに該可変抵抗体の抵抗値を保持せしめると共に該可変抵抗体を前記定電圧電源手段から分離する可変抵抗保持・分離手段と、その分離状態で前記可変抵抗体に通電して該可変抵抗体の抵抗値に応じた信号を生成する抵抗値検出手段とを備え、該抵抗値検出手段により生成された前記可変抵抗体の抵抗値に応じた信号を前記一対の電極間の充填材の抵抗値を示すものとして該信号に基づき前記充填材の組成状態または充填状態を観測することを特徴とするものである。

0021

あるいは、第2の態様として、充填材の組成状態または充填状態を、該充填材に埋設された一対の電極間の充填材の抵抗値に基づき観測する充填材観測装置であって、前記一対の電極間の充填材に所定の交流の定電流を通電すべく該電極に接続された定電流電源手段と、該定電流電源手段による前記一対の電極間の充填材への交流の定電流の通電時に該一対の電極間の充填材と直列して前記定電流電源手段に断接自在に接続されて前記交流の定電流が通電される抵抗値を調整可能な可変抵抗体と、該定電流電源手段による交流の定電流の通電時に前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧に応じた信号を各別に生成する電圧検出手段と、該電圧検出手段により生成された前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ対応する信号を比較し、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧が合致するよう前記可変抵抗体の抵抗値を調整・制御する可変抵抗制御手段と、前記電圧検出手段により生成された前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧が合致したときに該可変抵抗体の抵抗値を保持せしめると共に該可変抵抗体を前記定電流電源手段から分離する可変抵抗保持・分離手段と、その分離状態で前記可変抵抗体に通電して該可変抵抗体の抵抗値に応じた信号を生成する抵抗値検出手段とを備え、該抵抗値検出手段により生成された前記可変抵抗体の抵抗値に応じた信号を前記一対の電極間の充填材の抵抗値を示すものとして該信号に基づき前記充填材の組成状態または充填状態を観測することを特徴とするものである。

0022

かかる本発明の第1又は第2の態様の充填材観測装置によれば、前記定電圧電源手段あるいは定電流電源手段により、前記電極間の充填材及び可変抵抗体に同一の交流の定電圧が付与され、あるいは同一の交流の定電流が通電され、この状態で、前記本発明の抵抗測定方法と同様に、前記可変抵抗制御手段によって、電極間の充填材及び可変抵抗体の電流あるいは電圧が互いに合致するように可変抵抗体の抵抗値が調整され、電極間の充填材の抵抗値がこれと同等の可変抵抗体の抵抗値に置換される。そして、上記の合致時に、前記可変抵抗保持・分離手段によって、可変抵抗の抵抗値が保持されると共に前記定電圧電源手段あるいは定電流電源手段から可変抵抗体が分離され、この状態で、前記抵抗値検出手段によって、該可変抵抗体の抵抗値に応じた信号が生成される。この場合、該可変抵抗体の抵抗値は時間的な変動を生じないので、該抵抗値検出手段は、可変抵抗体の抵抗値、すなわち、これと同等の前記電極間の抵抗値に応じた信号を変動を生じることなく安定して生成する。従って、該抵抗値検出手段が生成する信号によって、可変抵抗体の抵抗値、すなわち、これと同等の前記電極間の抵抗値を安定して測定することができ、それによって、該抵抗値に基づく充填材の組成状態や充填状態の観測をただちに行うことが可能となる。そして、抵抗値検出手段が生成する信号は変動を生じることなく安定するので、それを平滑化するための積分回路等の手段を要せず、抵抗値検出手段が生成する信号に基づき前記電極間の充填材の組成状態や充填状態を迅速に観測することが可能となり、測定時間の短縮化を図ることが可能となる。

0023

従って、本発明の第1又は第2の態様の充填材観測装置によれば、電極間の充填材の抵抗値を安定して測定しつつ該抵抗値に基づく充填材の組成状態や充填状態の観測を行うことができると共にその観測のための測定時間の高速化を図ることができる。

0024

このような本発明の第1の態様の充填材観測装置にあっては、前記可変抵抗制御手段は、前記電流検出手段により生成された信号に基づき、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ流れる電流間の位相ずれを把握する位相検波手段を具備し、該位相検波手段により把握された位相ずれに基づき、前記一対の電極間の充填材に流れる電流の抵抗値成分と前記可変抵抗体に流れる電流とが合致するように前記可変抵抗体の抵抗値を調整・制御することが好ましく、また、第2の態様の充填材観測装置にあっては、前記可変抵抗制御手段は、前記電圧検出手段により生成された信号に基づき、前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧間の位相ずれを把握する位相検波手段を具備し、該位相検波手段により把握された位相ずれに基づき、前記一対の電極間の充填材に生じる電圧の抵抗値成分と前記可変抵抗体に生じる電圧とが合致するように前記可変抵抗体の抵抗値を調整・制御することが好ましい。

0025

このように前記位相検波手段により前記一対の電極間の充填材及び可変抵抗体にそれぞれ生じる電圧間、あるいはそれぞれ流れる電流間の位相ずれを把握することで、前記一対の電極間の充填材や、各電極に接続されるケーブルの容量やインダクタンスの影響を排除して、前記可変抵抗体の抵抗値を前記一対の電極間の充填材の実抵抗値と合致したものに調整することが可能となり、該充填材の抵抗値を精度よく測定することができる。また、各電極に接続されるケーブルの容量やインダクタンスの影響を排除することができるので、前記一対の電極間及び可変抵抗体に付与する交流電圧、あるいは通電させる交流電流の周波数帯域を従来に比して広げることができる。

0026

また、本発明の第1または第2の態様の充填材観測装置にあっては、好ましくは、前記一対の電極を、前記充填材の複数箇所に複数対埋設し、前記定電圧電源手段あるいは定電流電源手段を、各対の電極にスイッチ手段を介して選択的に断接自在に接続する。

0027

これによれば、各対の電極を例えば順次、前記スイッチ手段を介して前記定電圧電源手段あるいは定電流電源手段に接続して、その都度、前述のように可変抵抗体の抵抗値を調整・測定していくことで、前記充填材の各対の電極に対応した複数箇所における該充填材の組成状態や充填状態を観測することができる。そして、この場合、前述のように、各対の電極間の充填材の抵抗値の測定を高速で行うことができるので、上記のような多点測定を高速で行うことができる。

0028

あるいは、本発明の第1又は第2の態様の充填材観測装置において、好ましくは、前記各電極を、前記充填材の複数箇所に複数個埋設し、前記定電圧電源手段あるいは定電流電源手段を、該複数の電極のうちの一対の電極にスイッチ手段を介して選択的に断接自在に接続する。

0029

これによれば、複数個の電極のうちの一対の電極を随意に選択して、前記スイッチ手段を介して前記定電圧電源手段あるいは定電流電源手段に接続し、その都度、前述のように可変抵抗体の抵抗値を調整・測定していくことが可能となり、その抵抗値の測定による充填材の組成状態や充填状態の観測を、該充填材の多種類の箇所あるいは多種類の方向で行うことができる。そして、この場合も、前述のように、各対の電極間の充填材の抵抗値の測定を高速で行うことができるので、上記のような多点測定を高速で行うことができる。

0030

また、本発明の第1又は第2の態様の充填材観測装置においては、前記抵抗値測定手段は、前記可変抵抗体に定電流を通電する定電流通電手段を備え、該定電流通電手段による定電流の通電時に該可変抵抗体に生じる電圧信号を該可変抵抗体の抵抗値に応じた信号として生成することが好ましい。

0031

これによれば、前記抵抗値測定手段が生成する電圧信号は、前記電極間の充填材の抵抗値と等価の可変抵抗体の抵抗値に比例するものとなり、リニアライズ回路等を使用することなく、前記抵抗値測定手段が生成する電圧信号に基づき、ただちに充填材の組成状態や充填状態を観測することができる。

発明を実施するための最良の形態

0032

本発明の第1の態様の抵抗測定方法及び第1の態様の充填材観測装置の一実施形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施形態の充填材観測装置のシステム構成図、図2及び図3図1の充填材観測装置の信号生成器回路構成図、図4図1の充填材観測装置の要部の作動を説明するための回路構成図である。

0033

図1を参照して、本実施形態の充填材観測装置は、例えばコンクリート構造物(図示せず)の継目部分に充填されるセメントミルクA(以下、充填材Aという)の組成状態及び充填状態を観測するためのものであり、複数のセンサ体1と、このセンサ体1を介して充填材Aの組成状態及び充填状態を観測するための信号をそれぞれ生成して出力する信号生成器2,3と、この信号生成器2,3の出力に基づき充填材Aの組成状態及び充填状態を把握する本体測定器4と具備する。本体測定器4には、必要に応じて図示しないパソコンが接続され、該パソコンとの間でデータを授受する。

0034

複数のセンサ体1は、充填材Aを充填した箇所にあらかじめマトリクス状に配列され、該充填材Aに埋設されている。そして、各センサ体1は、例えば3個の電極5a,5b,6を互いに絶縁して内蔵しており、これらの3個の電極5a,5b,6のうち、一対の電極5a,5bは、該センサ体1の箇所における電極5a,5b間の充填材Aの組成状態(配合濃度)を観測するための電極として信号生成器2に接続され、電極6は複数のセンサ体1のうちの互いに離間した二つのセンサ体1,1の間の充填材Aの充填状態(充填材Aが緊密に充填されているか否か等)を観測するための電極として信号生成器3に接続されている。各電極5a,5b,6は、例えばステンレス材料からなるものである。

0035

信号生成器2は、本体測定器4から電源が供給されるようになっており、図2に示すように、各センサ1の電極5a,5b間に付与する交流の定電圧を生成する定電圧生成回路7(定電圧電源手段)と、各センサ1の電極5a,5bを定電圧回路7等に断接自在(切換自在)に接続するためのリレー回路8(スイッチ手段)と、抵抗値を調整可能な可変抵抗体9と、定電圧生成回路7により後述するように各センサ1の電極5a,5b間及び可変抵抗体9に付与したとき、該電極5a,5b間及び可変抵抗体9に流れる電流をそれに応じたレベルの電圧にそれぞれ変換する電流・電圧変換回路10,11(電流検出手段)と、電流・電圧変換回路10,11の出力電圧を比較し、その偏差に応じた信号を出力する比較回路12と、その比較回路12の出力から電極5a,5b間に流れる電流及び可変抵抗体9に流れる電流の位相ずれを把握し、電極5a,5b間の充填材Aや、電極5a,5bに接続されたケーブルの容量やインダクタンスに基づくキャパシタンス成分やインダクタンス成分を除去して抵抗成分を取り出す位相検波器12a(位相検波手段)と、後述するように可変抵抗体9に通電する直流の定電流を生成する定電流生成回路13(定電流通電手段)と、この定電流生成回路13による可変抵抗体9への通電時に該可変抵抗体9に生じる電圧(定電流生成回路13の出力電圧)を増幅して前記本体測定器に出力するアンプ回路14と、前記本体測定器4からの指令や比較回路12の出力に基づきリレー回路8や可変抵抗体9等を制御するコントロール回路15とを具備する。

0036

リレー回路8は、各センサ1の各電極5a,5bにそれぞれ接続された複数のリレースイッチ16を備えており、これらのリレースイッチ16は、前記コントロール回路15の指令に基づき、各センサ1の電極5a,5bに対応する二つのリレースイッチ16,16が対となって開閉する。そして、各センサ1の電極5aは、これに対応するリレースイッチ16を介して定電圧生成回路7に接続され、電極5bは、これに対応するリレースイッチ16を介して電流・電圧変換回路10に接続されている。

0037

可変抵抗体9は、例えば公知のフォトセルにより構成されたもので、その図示しない発光部の発光量を通電制御することで、該発光部の発光を受ける図示しない受光部の抵抗値が可変調整されるようになっている。そして、この可変抵抗体9は、定電圧生成回路7及び定電流生成回路13の一方から通電可能にこれらの定電圧生成回路7及び定電流生成回路13に切換スイッチ17を介して切換自在に接続されている。該切換スイッチ17は、例えばトランジスタ等のアナログスイッチを用いて構成され、コントロール回路15により切換制御される。

0038

また、可変抵抗体9は、定電圧生成回路7への接続時に該可変抵抗体9を流れる電流を前記電流・電圧変換回路11に入力すべく該電流・電圧変換回路11に接続され、さらに、該可変抵抗体9の抵抗値を調整・制御するための制御電圧を受けるべくコントロール回路15に接続されている。

0039

コントロール回路15は、リレー回路8や切換スイッチ17等を所定のシーケンスで制御するプロセッサ等(図示しない)を具備すると共に、図4に示すように前記位相検波器12aの出力に応じて可変抵抗体9の抵抗値を制御するための制御電圧を生成する抵抗制御電圧生成回路18と、その抵抗制御電圧生成回路18が生成した制御電圧を逐次ホールドするホールド回路19と、可変抵抗体9に付与する制御電圧を、抵抗制御電圧生成回路18が生成する制御電圧及びホールド回路19にホールドされた制御電圧のいずれか一方に切換えるための切換スイッチ20とを具備している。

0040

この場合、抵抗制御電圧生成回路18は、比較回路12で比較される電流・電圧変換回路10,11の出力電圧の抵抗成分が一致するように可変抵抗体9の抵抗値を制御すべく該可変抵抗体9に付与する制御電圧を位相検波器12aの出力に応じて生成する。そして、コントロール回路15は、位相検波器12aの出力が、比較回路12で比較される電流・電圧変換回路10,11の出力電圧の抵抗成分が一致した状態を示す出力となった時に、切換スイッチ20を切換作動せしめて抵抗制御電圧生成回路18を可変抵抗体9から切り離し、その時点でホールド回路19にホールドされている制御電圧を該ホール回路19から可変抵抗体9に付与せしめるようにしている。

0041

前記信号生成器3は、図3に示すように、その基本的構成は前述の信号生成器2と同一であり(同一構成部分については、信号生成器2のものと同一の参照符号を付して説明する)、信号生成器2と同様に、定電圧生成回路7(定電圧電源手段)、リレー回路21(スイッチ手段)、抵抗値を調整可能な可変抵抗体9、電流・電圧変換回路10,11(電流検出手段)、比較回路12、位相検波器12a、定電流生成回路13(定電流通電手段)、アンプ回路14、コントロール回路15、及び切換スイッチ17を具備すると共に、さらに、コントロール回路15によるリレー回路21の制御シーケーンスをあらかじめ記憶保持したメモリカード22を具備している。

0042

この場合、リレー回路21は、前記各センサ1の電極6にそれぞれ接続された複数のリレースイッチ23を具備しており、例えば複数のセンサ1のうちの任意に定めた一つのセンサ1aの電極6がこれに対応するリレースイッチ23を介して定電圧生成回路7に接続され、他の各センサ1の電極6は、それに対応するリレースイッチ23を介して電流・電圧変換回路10に接続されている。

0043

そして、コントロール回路15は、メモリカード22に記憶保持された制御シーケンスに従って、センサ1aの電極6に対応するリレースイッチ23と他のセンサ1の電極6に対応する電極6とを対として開閉せしめるようにリレー回路21に指令する。

0044

他の構成は、信号生成器2のものと全く同一であり、コントロール回路15には、前記図4に示した抵抗制御電圧生成回路18や、ホールド回路19、切換スイッチ20が備えられている。

0045

尚、本発明の第1の態様の充填材観測装置の構成に対応して、信号生成器2,3の比較回路12、位相検波器12a及びコントロール回路15の抵抗制御電圧生成回路18は、可変抵抗制御手段24を構成し、切換スイッチ17並びにコントロール回路15のホールド回路19及び切換スイッチ20は、可変抵抗保持・分離手段25を構成し、定電流生成回路13及びアンプ回路14は、抵抗値検出手段26を構成するものである。

0046

また、前記本体測定器4は、図示しないA/D変換器やマイクロコンピュータ、ディスプレイプリンタ等を具備したものであり、各信号生成器2,3のコントロール回路15に測定開始指令信号を適宜付与すると共に、各信号生成器2,3のアンプ回路14から得られる電圧信号をA/D変換してディジタル化し、そのディジタルデータに基づき、前記充填材Aの組成状態や充填状態を所定のプログラム等に従って解析してディスプレイやプリンタ、あるいは、本体測定器4に必要に応じて接続されるパソコンに出力するようにしている。

0047

次に、本実施形態の充填材観測装置の作動を説明する。

0048

例えば充填材Aの組成状態(配合濃度)を観測する際には、本体測定器4から信号生成器2に測定開始指令が付与される。この時、信号生成器2のコントロール回路15は、各センサ1の電極5a,5bに対応した一対のリレースイッチ16,16を、各センサ1毎に順番に閉成するようにリレー回路8を制御する。

0049

そして、各センサ1に対応する一対のリレースイッチ16,16の閉成時において、次のような処理が行われる。

0050

すなわち、図4を参照して、一つのセンサ1の電極5a,5bに対応する一対のリレースイッチ16,16が閉成すると、該センサ1の電極5a,5b間に存在する充填材Aに定電圧生成回路7から交流の定電圧(例えばAC5V)が付与され、該電極5a,5b間の充填材Aにその抵抗値に反比例した電流が流れる。そして、該電極5a,5b間の充填材Aに流れた電流は、電流・電圧変換回路10に流入して、そこで該電流に応じた電圧に変換され、比較回路12に入力される。

0051

また、電極5a,5bに対応するリレースイッチ16,16の閉成と同時に、コントロール回路15の制御により、切換スイッチ17が定電圧生成回路7側に切換えられて、可変抵抗体9が定電圧生成回路7に電極5a,5b間の充填材Aと並列に接続され、可変抵抗体9に電極5a,5b間の充填材Aと同一の交流の定電圧が定電圧生成回路7から付与される。この時、可変抵抗体9にその抵抗値に反比例した電流が流れて電流・電圧変換回路11に流入し、そこで該電流に応じた電圧に変換されて比較回路12に入力される。このように電極5a,5b間の充填材A及び可変抵抗体9にそれぞれ流れる電流に応じた電圧が入力される比較回路12は、その入力電圧の偏差に応じた電圧信号を位相検波器12aに出力し、該位相検波器12aで、電極5a,5b間の充填材Aや電極5a,5bに接続されるケーブルの容量やインダクタンスに基づくキャパシタンス成分やインダクタンス成分が除去されて抵抗成分が取り出された後に、コントロール回路15の抵抗制御電圧生成回路18に入力される。このとき、該抵抗制御電圧生成回路18は、比較回路12の入力電圧の抵抗成分の偏差がなくなるように、換言すれば、電極5a,5b間の充填材Aの抵抗成分及び可変抵抗体9にそれぞれ流れる電流が一致するように可変抵抗体9の抵抗値を調整するための制御電圧を連続的に生成する。そして、抵抗制御電圧生成回路18が生成した制御電圧は、切換スイッチ20を介してホールド回路19に逐次ホールドされると共に、可変抵抗体9に付与される。これにより、可変抵抗体9の抵抗値は電極5a,5b間の充填材Aの抵抗成分及び可変抵抗体9にそれぞれ流れる電流が一致するように調整・制御される。この場合、電極5a,5b間の充填材Aの抵抗成分及び可変抵抗体9にそれぞれ流れる電流が一致したときの可変抵抗体9の抵抗値は電極5a,5b間の充填材Aの抵抗値と一致するものとなる。

0052

このようにして、比較回路12の出力が、電極5a,5b間の充填材A及び可変抵抗体9にそれぞれ流れる電流が一致(電極5a,5b間の充填材Aの抵抗値と可変抵抗体9の抵抗値とが一致)したことを示すレベルの電圧となると、その時点で、コントロール回路15は、切換スイッチ20を切り換えて、抵抗制御電圧生成回路18を可変抵抗体9から切り離してホールド回路19にホールドされた制御電圧を可変抵抗体9に付与せしめ、これにより可変抵抗体9の抵抗値が保持され、前記定電圧の付与時の電極5a,5b間の充填材Aの抵抗値がそれと等価な可変抵抗体9の抵抗値に置換される。

0053

また、コントロール回路15は、電極5a,5bを定電圧生成回路7に接続していたリレースイッチ16,16を開成せしめると共に、切換スイッチ17を定電流生成回路13側に切り換える。

0054

これにより可変抵抗体9には、定電流生成回路13から直流の定電流(例えばDC10μA)が通電されて、その抵抗値に比例した電圧が生じる。そして、該可変抵抗体9に生じた電圧がアンプ回路14に入力されて増幅され、その増幅された電圧が本体測定器4に出力される。この場合、可変抵抗体9の抵抗値は一定に保持されているので、アンプ回路14の出力電圧は該可変抵抗値9の抵抗値に比例した一定電圧となる。

0055

以上の作動が、各センサ1について順番に行われる。

0056

一方、各センサ1について、上記のように信号生成器2のアンプ回路14から可変抵抗体9の抵抗値に比例した電圧信号を受ける本体測定器4は、該電圧信号を各センサ1の箇所における電極5a,5b間の充填材Aの抵抗値を示すものとして、それをA/D変換してディジタル化し、そのデータに基づき、各センサ1の箇所における充填材Aの組成状態を把握する。そして、把握した組成状態を示すデータを図示しないディスプレイやプリンタに出力し、あるいは、図示しないパソコンに出力する。

0057

この場合、信号生成器2のアンプ回路14から各センサ1に対応して出力される電圧信号は前述のように可変抵抗体9の一定に保持された抵抗値に比例した一定の安定したものとなり、しかも、該可変抵抗体9の抵抗値は各センサ1の電極5a,5b間の充填材Aの抵抗値と等価であるので、可変抵抗体9の抵抗値を示すアンプ回路14の出力電圧により、各センサ1に箇所における充填材Aの組成状態をばらつきを生じることなく安定して観測することができる。また、アンプ回路14の出力電圧は安定したものとなるので、それをA/D変換する際にも、該出力電圧を平滑化する積分型のA/D変換器を用いる必要がなく、アンプ回路14の出力電圧を迅速にA/D変換して各センサ1に箇所における充填材Aの組成状態の把握を迅速に行うことができる。従って、充填材Aの組成状態の多点測定を高速で行うことができる。

0058

また、可変抵抗体9の抵抗値に応じた電圧信号を生成するに際しては、該可変抵抗体9の定電流生成回路13から定電流を通電するので、アンプ回路14の出力電圧が可変抵抗体9の抵抗値に比例したものとなるので、本体測定器4は、アンプ回路14の出力電圧をA/D変換してなるデータをリニアライズすることなく、該データからただちに、各センサ1の電極5a,5b間の充填材Aの抵抗値と等価な可変抵抗体9の抵抗値を把握して、各センサ1の箇所における充填材Aの組成状態を認識することができる。

0059

また、前記位相検波器12aによって、充填材Aや各センサ1の電極5a,5bに接続されるケーブルの容量やインダクタンスに起因したキャパシタンス成分やインダクタンス成分を除去して、可変抵抗体9の抵抗値を充填材Aの実抵抗値に一致させるように制御するので、該可変抵抗体9の抵抗値から精度よく電極5a,5b間の充填材Aの実抵抗値を測定することができ、その測定した抵抗値から充填材Aの組成状態を正しく認識することができる。

0060

次に、充填材Aの充填状態を観測する際には、本体測定器4から信号生成器3に測定開始指令が付与される。この時、信号生成器3のコントロール回路15は、メモリカード22に記憶保持されたシーケンスに従って、例えばセンサ1a(図3参照)の他のいくつかのセンサ1にそれぞれ対応するリレースイッチ23を順番にセンサ1aに対応するリレースイッチ23と共に閉成するようにリレー回路21を制御する。

0061

そして、センサ1aに対応するリレースイッチ23と他の一つのセンサ1に対応するリレースイッチ23との閉成の際に、その都度、信号生成器2の作動の場合と全く同様にして、その一組のセンサ1a,1の電極6,6間の充填材Aの抵抗値を示す電圧信号が信号生成器3により生成されて本体測定器4に出力される。

0062

すなわち、図4を参照してセンサ1aに対応するリレースイッチ23と他の一つのセンサ1に対応するリレースイッチ23との閉成の際に、それらのセンサ1a,1の電極6,6間の充填材Aと、可変抵抗体9とに定電圧生成回路7から交流の定電圧が付与されて、該充填材A及び可変抵抗体9に通電され、さらにコントロール回路15の抵抗制御電圧生成回路18が生成する制御電圧によって、電極6,6間の充填材A及び可変抵抗体9に流れる電流の抵抗成分が一致するように(電極6,6間の充填材A及び可変抵抗体9の抵抗値が一致するように)可変抵抗体9の抵抗値が調整・制御される。次いで、その一致時点において、ホールド回路19及び切換スイッチ20によって、可変抵抗体9の抵抗値が保持されて電極6,6間の充填材Aの抵抗値が可変抵抗体9の抵抗値に置換されると共に、切換スイッチ17によって、可変抵抗体9が定電流生成回路13に接続されて該可変抵抗体9に直流の定電流が通電され、該可変抵抗体9の抵抗値に比例する電圧信号がアンプ回路14から本体測定器4に出力される。このような信号の生成が、センサ1aの電極6と他の複数のセンサ1の電極6との間の箇所の充填材Aについて順番に行われる。

0063

そして、信号生成器3のアンプ回路14から電圧信号を受ける本体測定器4にあっては、組成状態の観測の場合と同様に、該電圧信号をA/D変換してディジタル化し、それに基づき、センサ1aの電極6との間で通電した箇所における充填材Aの充填状態を把握して、その充填状態を示すデータを図示しないディスプレイやプリンタに出力し、あるいは、図示しないパソコンに出力する。これにより、充填材Aの複数箇所及び複数方向での充填状態が観測される。

0064

このように充填材Aの充填状態を観測する場合においても、組成状態の観測の場合と同様に、信号生成器3のアンプ回路14からセンサ1aと他の複数のセンサ1との各組に対応して出力される電圧信号は前述のように可変抵抗体9の一定に保持された抵抗値に比例した一定の安定したものとなり、しかも、該可変抵抗体9の抵抗値は各組のセンサ1a,1の電極6,6間の充填材Aの抵抗値と等価であるので、可変抵抗体9の抵抗値を示すアンプ回路14の出力電圧により、各組のセンサ1a,1の間の箇所及びその方向における充填材Aの充填状態をばらつきを生じることなく安定して観測することができる。また、アンプ回路14の出力電圧は安定したものとなるので、それをA/D変換する際にも、該出力電圧を平滑化する積分型のA/D変換器を用いる必要がなく、アンプ回路14の出力電圧を迅速にA/D変換して、各組のセンサ1a,1の間の箇所及びその方向における充填材Aの充填状態の把握を迅速に行うことができる。従って、充填材Aの充填状態の多点及び多方向での測定を高速で行うことができる。

0065

また、アンプ回路14の出力電圧が各組のセンサ1a,1間の充填材Aの抵抗値と等価な可変抵抗体9の抵抗値に比例したものとなるので、本体測定器4は、アンプ回路14の出力電圧をA/D変換してなるデータをリニアライズすることなく、該データからただちに、充填材Aの充填状態を認識することができる。

0066

また、前記位相検波器12aによって、充填材Aや各センサ1の電極6に接続されるケーブルの容量やインダクタンスに起因したキャパシタンス成分やインダクタンス成分を除去して、可変抵抗体9の抵抗値を充填材Aの実抵抗値に一致させるように制御するので、該可変抵抗体9の抵抗値から精度よく充填材Aの実抵抗値を測定することができ、その測定した抵抗値から充填材Aの充填状態を正しく認識することができる。

0067

次に、本発明の第2の態様の抵抗測定方法及び充填材観測装置の一実施形態を図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6は本実施形態の充填材観測装置の要部の説明的回路構成図である。尚、本実施形態の充填材観測装置の全体的システム構成は、図1のものと同一である。

0068

本実施形態においては、充填材A(図1参照)の組成状態を観測するための信号を生成する信号生成器2は、図5に示すように、前記図2のものと同一構成の定電流生成回路13(定電流通電手段)、リレー回路8(スイッチ手段)、可変抵抗体9、比較回路12、位相検波器12a(位相検波手段)、コントロール回路15、切換スイッチ17及びアンプ回路14を具備する一方、充填材Aの組成状態の観測に際して、各センサ1の電極5a,5b間の充填材A及び可変抵抗体9に交流の同一定電流を通電するための定電流生成回路27(定電流電源手段)と、その定電流通電時に各センサ1の電極5a,5b間に生じる電圧及び可変抵抗体9に生じる電圧をそれぞれ増幅する差動アンプ28,29(電圧検出手段)とを備えている。 定電流生成回路27は、各センサ1の電極5a,5bに接続されたリレー回路8の複数のリレースイッチ16のうち、例えば電極5aに対応するリレースイッチ16を介して各センサ1の電極5aに接続されている。

0069

また、可変抵抗体9は、各センサ1の電極5bに対応するリレースイッチ16と、定電流生成回路13とに切換スイッチ17を介して切換自在に接続されている。

0070

差動アンプ28は、その入力側が各センサ1の電極5a,5bに対応する各対のリレースイッチ16,16を介して各センサ1の電極5a,5bに接続され、差動アンプ29は、その入力側が可変抵抗体9の両端に接続されている。そして、差動アンプ28,29は、その出力電圧を比較回路12に入力するようにしている。

0071

他の構成は、図2のものと同一である。

0072

また、充填材A(図1参照)の充填状態を観測するための信号を生成する信号生成器3は、図6に示すように、前記図3のものと同一構成の定電流生成回路13(定電流通電手段)、リレー回路21(スイッチ手段)、可変抵抗体9、比較回路12、位相検波器12a、コントロール回路15、切換スイッチ17及びメモリカード22を具備すると共に、図5の信号生成器2のものと同一構成の定電流生成回路27及び差動アンプ28,29を具備している。この場合、定電流生成回路27は、一つのセンサ1aの電極6に接続されたリレー回路21のリレースイッチ23を介して該電極6に接続され、また、可変抵抗体9は、切換スイッチ17を介して他の各センサ1の電極6に対応するリレースイッチ23に接続されている。

0073

次に、本実施形態の充填材観測装置の作動を説明する。

0074

図5を参照して、充填材1の組成状態を観測するに際しては、前述の第1の態様の実施形態のものと同様に、本体測定器4から信号生成器2への測定開始指令によって、信号生成器2のコントロール回路15が、各センサ1の電極5a,5bに対応した一対のリレースイッチ16,16を、各センサ1毎に順番に閉成するようにリレー回路8を制御する。

0075

そして、各センサ1に対応する一対のリレースイッチ16,16が閉成されると、切換スイッチ17はリレースイッチ16側に投入され、該センサ1の電極5a,5b間の充填材Aと可変抵抗体9とが定電流生成回路27に直列に接続される。この時、定電流生成回路27から該センサ1の電極5a,5b間の充填材A及び可変抵抗体9に交流の定電流が通電され、それぞれの抵抗値に比例した電圧が電極5a,5b間及び可変抵抗体9に生じる。そして、電極5a,5b間及び可変抵抗体9に生じた電圧は、それぞれ差動アンプ28,29により増幅されて比較回路12に入力される。該比較回路12は、差動アンプ28,29の出力電圧の偏差に応じた電圧信号を位相検波器12aに出力し、該位相検波器12aで、電極5a,5b間の充填材Aや電極5a,5bに接続されるケーブルの容量やインダクタンスに基づくキャパシタンス成分やインダクタンス成分が除去されて抵抗成分が取り出された後に、コントロール回路15に入力される。この時、コントロール回路15は、前述の第1の態様の実施形態のものと同様に、比較回路12に入力される差動アンプ28,29の出力電圧の抵抗成分の偏差が解消するように可変抵抗体9の制御電圧を生成して、該可変抵抗体9に付与する。これにより、可変抵抗体9の抵抗値は、上記の定電流通電により電極5a,5b間の充填材Aの抵抗成分及び可変抵抗体9に生じる電圧が一致するように、換言すれば、可変抵抗体9の抵抗値が電極5a,5b間の充填材Aの抵抗値と一致するように調整・制御される。

0076

そして、コントロール回路15は、可変抵抗体9の抵抗値と電極5a,5b間の充填材Aの抵抗値とが一致した時点で可変抵抗体9の抵抗値を保持せしめて、充填材Aの抵抗値をこれと等価な可変抵抗体9の抵抗値に置換し、さらに、切換スイッチ17を定電流生成回路13側に切り換える。

0077

これにより、定電流生成回路13から可変抵抗体9に直流の定電流が通電され、この時、該可変抵抗体9にその抵抗値に比例して生じる電圧がアンプ回路14により増幅されて、本体測定器4に出力される。かかる作動が各センサ1について順次行われる。そして、本体測定器4では、前記第1の態様の実施形態と全く同様に各センサ1の箇所における充填材Aの組成状態が観測される。

0078

また、図6を参照して充填材Aの充填状態を観測するに際しては、本体測定器4から信号生成器3への測定開始指令によって、信号生成器3のコントロール回路15が、前述の第1の態様の実施形態と同様にメモリカード22のシーケンスに従って、センサ1aと他のセンサ1との組に対応する一対のリレースイッチ23,23を順番に閉成していくようにリレー回路21を制御する。

0079

そして、センサ1aと他の一つのセンサ1との組に対応する一対のリレースイッチ23,23が閉成すると、信号生成器2の場合と同様にして、そのセンサ1a,1の電極6,6間の充填材Aと可変抵抗体9とに定電流生成回路27から交流の定電流が通電され、その通電状態においてコントロール回路15により可変抵抗体9の抵抗値が電極6,6間の充填材Aの抵抗値と一致するように調整・制御される。そして、その一致時点において、可変抵抗体9の抵抗値が保持されると共に、切換スイッチ17が定電流生成回路13側に切り換えられて可変抵抗体9に直流の定電流が通電され、この時、可変抵抗体9に生じる電圧がアンプ回路14により増幅されて本体測定器4に出力される。かかる作動が、センサ1aと他の複数のセンサ1との各組について順番に行われる。そして、本体測定器4では、前記第1の態様の実施形態と全く同様にセンサ1aと他のセンサ1との各組に対応する電極6,6間の箇所及びその方法における充填材Aの充填状態が観測される。

0080

このように、本実施形態の充填材観測装置では、各センサ1の電極5a,5b間、あるいはセンサ1aと他のセンサ1との組の電極6,6間の充填材Aと可変抵抗体9とに定電流生成回路13から定電流を通電することで、可変抵抗体9の抵抗値が電極5a,5b間、あるいは電極6,6間の充填材Aの抵抗値と一致するように調整され、その抵抗値に応じた(比例した)電圧信号を生成することで、前記第1の態様の実施形態のものと同様の効果を奏することができる。

0081

尚、以上説明した各実施形態では、各センサ1の電極5a,5b間の抵抗値に基づき各センサ1の箇所における充填材Aの組成状態を観測するようにしたが、センサ1同士の電極6,6間の抵抗値に基づきその電極6,6間の充填材Aの組成状態を観測するようにしてもよい。同様に、前記各実施形態では、センサ1同士の電極6,6間の抵抗値に基づきその電極6,6間の充填材Aの充填状態を観測するようにしたが、各センサ1の電極5a,5b間の抵抗値に基づき各センサ1の箇所における充填材Aの充填状態を観測するようにしてもよい。

0082

また、各実施形態では、充填状態の観測に際して、一つのセンサ1aと他のセンサ1との間の充填材Aの充填状態を観測するようにしたが、任意の二つのセンサ1,1の間で充填材Aの充填状態を観測するようにすることも可能である。

0083

また、各実施形態では、可変抵抗体9の抵抗値に応じた信号生成する場合に、該可変抵抗体の直流の定電流を通電するようにしたが、交流の定電流を通電するようにしてもよく、さらには、直流または交流の定電圧を付与するようにすることも可能である。但し、可変抵抗体9に定電圧を付与した場合には、その抵抗値に応じた信号は、該可変抵抗体9に流れる電流を検出して生成することとなるため、可変抵抗体9の抵抗値に反比例したものとなる。従って、可変抵抗体9の抵抗値に比例した信号を得る上では、前記各実施形態のように可変抵抗体9に定電流を通電することが好ましい。

0084

また、前記各実施形態では、位相検波器12aを比較回路12の出力側に設けたが、比較回路12の入力側と電流・電圧変換回路10,11あるいは差動アンプ28,29の間に設けて、比較回路12の入力側でキャパシタンス成分やインダクタンス成分を除去するようにしてもよい。

0085

また、前記各実施形態では、充填材Aとしてセメントミルクを使用した場合を例にとって説明したが、本発明は、これに限らず、セメントペーストセメントモルタル等の組成状態や充填状態を観測する場合にも適用することができ、また、これらの充填材の組成状態として、該充填材の水分含有量等を観測する水分計としても適用することができる。

図面の簡単な説明

0086

図1本発明の第1の態様の一実施形態の充填材観測装置の全体的システム構成図。
図2図1の充填材観測装置の要部の回路構成図。
図3図1の充填材観測装置の要部の回路構成図。
図4図1の充填材観測装置の要部の作動を説明するための回路構成図。
図5本発明の第2の態様の一実施形態の充填材観測装置の要部の説明的回路構成図。
図6本発明の第2の態様の一実施形態の充填材観測装置の要部の説明的回路構成図。

--

0087

5a,5b,6…電極、7…定電圧生成回路(定電圧電源手段)、8…リレー回路(スイッチ手段)、9…可変抵抗体、10,11…電流・電圧変換回路(電流検出手段)、12a…位相検波器(位相検波手段)、13…定電流生成回路(定電流通電手段)、24…可変抵抗制御手段、25…可変抵抗保持・分離手段、26…抵抗値検出手段、27…定電流生成回路(定電流電源手段)、28,29…差動アンプ(電圧検出手段)、A…充填材。

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