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技術 ばね定数の切換構造

出願人 KYB株式会社
発明者 城忠
出願日 1996年1月31日 (24年5ヶ月経過) 出願番号 1996-037345
公開日 1997年8月12日 (22年10ヶ月経過) 公開番号 1997-207537
状態 未査定
技術分野 車体懸架装置 車体懸架装置
主要キーワード 伸長傾向 変位ストローク シリンダ部材内 高低調整 関係値 油圧給排機構 伝播状況 方向ポンプ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年8月12日)のものです。
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図面 (8)

課題

車両への搭載性を向上させ、かつ懸架ばねばね定数を大小に切り換え可能とする。

解決手段

上端車体側部材Bに連結される車体側懸架ばね要素1と下端車軸側部材Aに連結される車軸側懸架ばね要素2との間に配在されるばね定数切換手段3がシリンダ部材31と、該シリンダ部材31内にピストン34を介して摺動可能に挿通されるロッド部材32と、シリンダ部材31内にピストン34によって区画伸側油室R1と圧側油室R2とを連通する流路L中に配在される絞り33と、を有してなり、該絞り33がシリンダ部材31内におけるロッド部材32の振動周波数低周波数領域時に作動油の通過を許容するに対してシリンダ部材31内におけるロッド部材32の振動周波数の高周波数領域時に作動油の通過を阻止するように設定される一方で、ばね定数切換手段3と車軸側部材Aとの間に車軸側懸架ばね要素2に並列する油圧緩衝器SAが配在されてなる。

概要

背景

概要

車両への搭載性を向上させ、かつ懸架ばねばね定数を大小に切り換え可能とする。

上端車体側部材Bに連結される車体側懸架ばね要素1と下端車軸側部材Aに連結される車軸側懸架ばね要素2との間に配在されるばね定数切換手段3がシリンダ部材31と、該シリンダ部材31内にピストン34を介して摺動可能に挿通されるロッド部材32と、シリンダ部材31内にピストン34によって区画伸側油室R1と圧側油室R2とを連通する流路L中に配在される絞り33と、を有してなり、該絞り33がシリンダ部材31内におけるロッド部材32の振動周波数低周波数領域時に作動油の通過を許容するに対してシリンダ部材31内におけるロッド部材32の振動周波数の高周波数領域時に作動油の通過を阻止するように設定される一方で、ばね定数切換手段3と車軸側部材Aとの間に車軸側懸架ばね要素2に並列する油圧緩衝器SAが配在されてなる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

上端車体側部材に連結される車体側懸架ばね要素と、下端車軸側部材に連結される車軸側懸架ばね要素と、車体側懸架ばね要素と車軸側懸架ばね要素との間に配在されるばね定数切換手段と、を有してなるばね定数の切換構造において、ばね定数切換手段がシリンダ部材と、該シリンダ部材内ピストンを介して摺動可能に挿通されるロッド部材と、シリンダ部材内にピストンによって区画伸側油室圧側油室とを連通する流路中に配在される絞りと、を有してなり、該絞りがシリンダ部材内におけるロッド部材の振動周波数低周波数領域時に作動油の通過を許容するに対してシリンダ部材内におけるロッド部材の振動周波数の高周波数領域時に作動油の通過を阻止するように設定される一方で、ばね定数切換手段と車軸側部材との間に車軸側懸架ばね要素に並列する油圧緩衝器が配在されてなることを特徴とするばね定数の切換構造

請求項2

シリンダ部材が上端を車体側部材に連結させる一方で、ロッド部材が両端をシリンダ部材内から突出させる両ロッド型に設定され下端を車体側懸架ばね要素の下端と車軸側懸架ばね要素の上端とに連結させると共に油圧緩衝器の上端に連結させてなる請求項1のばね定数の切換構造

請求項3

ロッド部材が両端をシリンダ部材内から突出させる両ロッド型に設定され上端を車体側部材に連結させる一方で、シリンダ部材が上端を車体側懸架ばね要素の下端に連結させ下端を車軸側懸架ばね要素の上端に連結させると共に油圧緩衝器の上端に連結させてなる請求項1のばね定数の切換構造

請求項4

車体側懸架ばね要素の上端がシリンダ部材に連設の上方ばね受係止されると共に、車軸側懸架ばね要素の下端が油圧緩衝器を構成するシリンダ体に連設の下方ばね受に担持される一方で、ロッド部材が下端に車体側懸架ばね要素の下端及び車軸側懸架ばね要素の上端を連設させながら油圧緩衝器を構成するロッド体に連設されてなる請求項1のばね定数の切換構造

請求項5

シリンダ部材内に区画の伸側油室及び圧側油室が外部に配在の油圧給排機構に連通されてなる請求項1のばね定数の切換構造

技術分野

0001

この発明は、ばね定数の切換構造に関し、特に、車両に搭載の油圧緩衝器に併設される懸架ばねにおけるばね定数の切換構造の改良に関する。

0002

周知のように、車両に搭載の油圧緩衝器に併設される懸架ばねにおけるばね定数は、車両における乗り心地操縦性を改善する上からは、車両が走行する路面の状況や車両の走行姿勢に応じて、大小に切り換えられるのが好ましい。

0003

そこで、この要請に応じるべく、従来から種々の提案があるが、例えば、特開昭60−94810号公報には、油圧緩衝器に介装される懸架ばねの間に上下動可能にプレートを配在させて上下に直列された二本のコイルスプリングからなると共に、プレートの上下動の可不可が選択されることで、二本のコイルスプリングの一方あるいは両方の伸縮が選択的に可能とされて、懸架ばねにおけるばね定数を大小に切り換える構成が提案されている。

0004

即ち、該提案にあっては、上記懸架ばねに加えて、上記プレートに連設されて油圧緩衝器の伸縮に伴う変位を検出する検知手段と、該検知手段からの入力信号演算処理等して所定の信号を出力するコントローラと、該コントローラからの出力信号でプレートを介して上記二本のコイルスプリングの一方あるいは両方の伸縮を選択的に可能にする調整機構と、を有する構成が開示されている。

0005

それ故、該提案にあっては、検知手段及びコントローラを介してであるが、車両における車高の状況に応じる調整機構の作動によって、懸架ばねを構成する二本のコイルスプリングの一方あるいは両方の伸縮が選択的に可能とされることになり、言わば、自動的に懸架ばねにおけるばね定数を大小に切り換えることが可能になる。

0006

しかしながら、該提案にあっては、その構成において、プレートを有する懸架ばねに加えて、検知手段,コントローラ及び調整機構の装備が必須になり、全体として所謂大掛りとなり、車両に搭載される油圧緩衝器に併設される場合に、油圧緩衝器の車両への搭載性を悪化し易くなると共に、油圧緩衝器のコスト低廉化を困難にし、その汎用性の向上を期待できなくする不具合が指摘される。

0007

一方、油圧緩衝器に併設の懸架ばねにおけるばね定数を大小に切り換えることで、車両における乗り心地や操縦性を改善する場合には、ばね定数の切り換えに応じて油圧緩衝器で発生される減衰力高低に変更される等して、結果として、減衰比が一定になるように設定されるのが好ましい。

0008

にも拘らず、上記の提案にあっては、懸架ばねにおけるばね定数の大小の切り換えは可能にするが、このとき、油圧緩衝器における減衰力を高低に変更する等で、減衰比を一定にすることについて何等の提案もしていない。

0009

その結果、上記の提案にあっては、車両における乗り心地や操縦性を改善するために、懸架ばねにおけるばね定数を大小に切り換え得るとしても、必ずしも、好ましい効果が得られなくなる危惧がある。

0010

この発明は、前記した事情を鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、車両における乗り心地や操縦性を改善するについて、全体としてコンパクト化による省スペースを可能にして車両への搭載性を悪化させず、コストの低廉化を可能にしてその汎用性の向上を期待でき、油圧緩衝器に併設される懸架ばねにおけるばね定数を大小に切り換える際して、ばね定数の切り換えが振動周波数に応じて自動的に切り換えられるようにし、かつ、併せて油圧緩衝器で発生される減衰力も変化されて減衰比の変化を抑制し得るようにしたばね定数の切換構造を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

上記した目的を達成するために、この発明の構成を、上端車体側部材に連結される車体側懸架ばね要素と、下端車軸側部材に連結される車軸側懸架ばね要素と、車体側懸架ばね要素と車軸側懸架ばね要素との間に配在されるばね定数切換手段と、を有してなるばね定数の切換構造において、ばね定数切換手段がシリンダ部材と、該シリンダ部材内ピストンを介して摺動可能に挿通されるロッド部材と、シリンダ部材内にピストンによって区画伸側油室圧側油室とを連通する流路中に配在される絞りと、を有してなり、該絞りがシリンダ部材内におけるロッド部材の振動周波数の低周波数領域時に作動油の通過を許容するに対してシリンダ部材内におけるロッド部材の振動周波数の高周波数領域時に作動油の通過を阻止するように設定される一方で、ばね定数切換手段と車軸側部材との間に車軸側懸架ばね要素に並列する油圧緩衝器が配在されてなるとする。

0012

そして、より具体的には、シリンダ部材が上端を車体側部材に連結させる一方で、ロッド部材が両端をシリンダ部材内から突出させる両ロッド型に設定され下端を車体側懸架ばね要素の下端と車軸側懸架ばね要素の上端とに連結させると共に油圧緩衝器の上端に連結させてなるとする。

0013

また、ロッド部材が両端をシリンダ部材内から突出させる両ロッド型に設定され上端を車体側部材に連結させる一方で、シリンダ部材が上端を車体側懸架ばね要素の下端に連結させ下端を車軸側懸架ばね要素の上端に連結させると共に油圧緩衝器の上端に連結させてなるとする。

0014

さらに、車体側懸架ばね要素の上端がシリンダ部材に連設の上方ばね受係止されると共に、車軸側懸架ばね要素の下端が油圧緩衝器を構成するシリンダ体に連設の下方ばね受に担持される一方で、ロッド部材が下端に車体側懸架ばね要素の下端及び車軸側懸架ばね要素の上端を連設させながら油圧緩衝器を構成するロッド体に連設されてなるとする。

0015

そして、好ましくは、シリンダ部材内に区画の伸側油室及び圧側油室が外部に配在の油圧給排機構に連通されてなるとする。

0016

また、絞りを有する流路がピストンあるいはロッド部材若しくはシリンダ部材またはシリンダ部材の外部のいずれかに配在されるとする一方で、絞りが可変型とされてなるとする。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、図示したところに基づいてこの発明を説明するが、この発明に係るばね定数の切換構造は、基本的には、図1に示すように、車体側懸架ばね要素1と、車軸側懸架ばね要素2と、ばね定数切換手段3と、油圧緩衝器SAと、を有する構成とされている。

0018

車体側懸架ばね要素1は、上端が車体側部材Bに連結され、車軸側懸架ばね要素2は、下端が車軸側部材Aに連結され、ばね定数切換手段3は、上端が車体側部材Bに連結されると共に下端が車体側懸架ばね要素1の下端と車軸側懸架ばね要素2の上端に連結され、油圧緩衝器SAは、上端がばね定数切換手段3に連結され下端が車軸側部材Aに連結されて車軸側懸架ばね要素2に並列するように配在されている。

0019

そして、車体側懸架ばね要素1及び車軸側懸架ばね要素2は、図示しないが、所謂懸架ばねを構成するもので、具体的には、それぞれがコイルスプリングからなりばね定数切換手段3を間に配在させて上下に直列された所謂分割型の態様に具現化される。

0020

ばね定数切換手段3は、シリンダ部材31,ロッド部材32及び絞り33を有してなり、該絞り33は、シリンダ部材31内におけるロッド部材32の振動周波数が低周波数領域にあるときには作動油の通過を許容するに対して、シリンダ部材31内におけるロッド部材32の振動周波数が高周波数領域にあるときには作動油の通過を阻止するように設定されている。

0021

少し説明すると、シリンダ部材31は、図示する実施の形態では、上端が車体側部材Bに連結され、内部に摺動可能に収装されロッド部材32に連設されたピストン34によって、該シリンダ部材31内に伸側油室R1と圧側油室R2とを区画させている。

0022

ロッド部材32は、図示する実施の形態では、両端をシリンダ部材31内から突出させる両ロッド型に設定されており、上端端側がシリンダ部材31内にピストン34を介して摺動可能に挿通され、下端がそこに連設のばね受部32aを介して車軸側懸架ばね要素2の上端及び車体側懸架ばね要素1の下端に連結されている。

0023

尚、ロッド部材32は、図示する実施の形態では、両ロッド型に設定されているが、これに代えて、図示しないが、片ロッド型に設定されるとしても良く、この場合には、所謂リザーバを設けるべく、伸側油室R2にアキュムレータを接続し、あるいは、伸側油室R2に油面を境にするガス室を設ける等とする。

0024

絞り33は、オリフィス機能を発揮するように設定されるもので、図示する実施の形態では、ピストン34に開穿されて伸側油室R1と圧側油室R2とを連通する流路L中に配在されている。

0025

そして、該絞り33は、前記したように、シリンダ部材31内におけるロッド部材32の振動周波数が低周波数領にあるときに、作動油の通過を許容して伸側油室R1と圧側油室R2との流路Lを介しての連通を可能にし、シリンダ部材31内におけるロッド部材32の振動周波数が高周波数領域にあるときに、作動油の通過を阻止して伸側油室R1と圧側油室R2との流路Lを介しての連通を遮断するように設定されている。

0026

尚、該絞り33は、図示する実施の形態にあって、所謂固定型に設定されているが、要する場合には、外部操作等によって作動油の通過量を変更し得る可変型に設定されるとしても良い。

0027

そして、該絞り33を有する流路Lについては、図示する実施の形態にあっては、ピストン34に開穿されてなるとするが、これに代えて、図示しないが、ピストン34を迂回するようにロッド部材32に開穿されるとしても良く、あるいは、シリンダ部材31に開穿されるとしても良く、さらには、シリンダ部材31の外部に配在されるとしても良い。

0028

また、上記したばね定数切換手段3は、図1に示す実施の形態に代えて、図2に示すように、両ロッド型に設定されるロッド部材32の上端が車体側部材Bに連結され、シリンダ部材31の下端が油圧緩衝器SAに連結されるとし、また、シリンダ部材31の上端に車体側懸架ばね要素1の下端が連結され、シリンダ部材31の下端に車軸側懸架ばね要素2の上端が連結されるとしても良い。

0029

油圧緩衝器SAは、凡そこの種の車両に搭載される油圧緩衝器として遍く周知されている構造のものと同様の構造に構成されているもので、少なくとも、シリンダ体4に対するロッド体5の出没の際に、そのストロークに応じた減衰力が発生されるように構成されているもので足りる。

0030

それ故、上記のように構成されたばね定数の切換構造によれば、例えば、図1に示す実施の形態を例にして説明すると、車軸側部材Aに入力された振動が車軸側懸架ばね要素2及び油圧緩衝器SAを経てばね定数切換手段3及び車体側懸架ばね要素1のに至る経路で車体側部材Bに伝播されることになるが、このときの振動周波数が低周波数領域にある場合と高周波数領域にある場合とでは、その伝播状況が異なることになる。

0031

即ち、振動周波数が低周波数領域にある場合には、ばね定数切換手段3において、絞り33が作動油の通過を許容するから、伸側油室R1及び圧側油室R2の広狭が可能になり、シリンダ部材31に対するロッド部材32の出没が可能とされて、ばね定数切換手段3の伸縮が可能とされることになる。

0032

従って、ロッド部材32に対するシリンダ部材31の摺動が可能とされて、該シリンダ部材31に連結されている車体側懸架ばね要素1の伸縮が可能とされることになり、その結果、車体側懸架ばね要素1及び車軸側懸架ばね要素2がそれぞれ伸縮されることになり、車体側懸架ばね要素1及び車軸側懸架ばね要素2からなる懸架ばねのばね定数が小さいものとされることになる。

0033

一方、上記振動周波数が高周波数領域にあるときには、ばね定数切換手段3において、絞り33が作動油の通過を阻止するから、伸側油室R1及び圧側油室R2の広狭が不能になり、シリンダ部材31に対するロッド部材32の出没が不能とされて、ばね定数切換手段3の伸縮が不能になる。

0034

そして、このとき、ばね定数切換手段3の伸縮不能化、即ち、ブロック化によって、車軸側懸架ばね要素2のみの伸縮が可能とされることになり、その結果、懸架ばねのばね定数が大きいものとされることになる。

0035

従って、上記のばね定数の切換構造によれば、例えば、車両が大きいうねり舗装路面を比較的に低速傾向で走行するような場合に、荷重変化速度、即ち、作動油の流速も小さくて、振動周波数も低周波数領域にあるから、ばね定数切換手段3の伸縮が可能とされて、結果として、小さいばね定数になり、車両における乗り心地が改善されることになる。

0036

また、例えば、車両が細かい凹凸が連続する路面を比較的に高速傾向で走行するような場合には、荷重の変化速度、即ち、作動油の流速も大きく、振動周波数も高周波数領域にあるから、ばね定数切換手段3の伸縮が不能とされて、結果として、大きいばね定数になり、車両における操縦性が改善されることになる。

0037

そして、上記のばね定数の切換構造によれば、ばね定数の大小の切換のタイミングを絞り33の設定如何で、例えば、絞り33がオリフィスからなるとき、該オリフィスの径の設定如何で、また、絞り33が可変型とされるときに、適宜の手段で作動油の流量を強制的に変更する等、によって、任意の路面を走行する車両の状況に応じて任意に懸架ばねにおけるばね定数を大小に切り換えることが可能になる。

0038

このとき、絞り33の設定如何によって、該絞り33における作動油の通過の可不可、即ち、ばね定数切換手段3の伸縮の可不可が振動周波数の増大と共に減少することになるから、ばね定数切換手段3の伸縮が突然に発現されるのを阻止できることになり、ばね定数を大小に切り換える際にショックが招来されなくなり、従って、車両における乗り心地や操縦性を改善する際のフィーリングの悪化を招来させないことが可能になる。

0039

一方、上記のばね定数の切換構造にあっては、車軸側部材Aに入力された振動によって、車軸側懸架ばね要素2が車体側懸架ばね要素1と共に、あるいは、単独で伸縮されることになるが、このときには、油圧緩衝器SAも併せて伸縮されることになる。

0040

ただ、該油圧緩衝器SAの伸縮の際に発生される減衰力については、車軸側部材Aの車体側部材Bに対する変位ストロークが同一である限りには、車軸側懸架ばね要素2が車体側懸架ばね要素1と共に伸縮される場合と、ばね定数切換手段3がブロック化されて単独で伸縮される場合と、では、異なることになる。

0041

即ち、車軸側懸架ばね要素2が車体側懸架ばね要素1と共に伸縮される場合には、油圧緩衝器SAの伸縮は、ばね定数切換手段3の伸縮が可能とされていることで、上記の変位ストロークをばね定数切換手段3と言わば分担する形で伸縮する状態におかれる。

0042

従って、この限りにおいては、油圧緩衝器SAで発生される減衰力は、例えれば、一定の低い値に維持されていることになる。

0043

それに対して、車体側懸架ばね要素1の伸縮が阻止されて車軸側懸架ばね要素2が単独に伸縮される場合には、ばね定数切換手段3の伸縮が阻止されていることから、油圧緩衝器SAが上記の変位ストロークに対してその伸縮で対応することになる。

0044

それ故、油圧緩衝器SAにおける伸縮が、上記した場合に比較して、増幅されることになり、従って、該油圧緩衝器SAで発生される減衰力の言わば総量が大きくなる。

0045

その結果、上記のばね定数の切換構造にあっては、前記したばね定数が小さく維持されているときに油圧緩衝器SAで発生される減衰力に対して、ばね定数が大きく切り換えられた際に油圧緩衝器SAで発生される減衰力が大きくなる。

0046

従って、ばね定数と減衰力の関係値、即ち、減衰比を一定に維持することが可能になり、この減衰比が一定に維持されることで、車両における乗り心地や操縦性を改善する際に、その好ましい効果が得られることになる。

0047

図3及び図4は、それぞれ図1に示すばね定数の切換構造を具体化した場合の実施の形態を示すものであるが、各実施の形態にあって、その構成が基本的に同一である部分については、図中に同一の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略し、以下には、各実施の形態において特徴となるところを中心に説明する。

0048

先ず、図3に示す実施の形態にあっては、ばね定数切換手段3を構成するシリンダ部材31がコイルスプリングからなる車体側懸架ばね要素1の上端を係止する車体側部材B(図示せず)側に配在される上方ばね受6に連設されてなるとしている。

0049

そして、ばね定数切換手段3を構成するロッド部材32は、油圧緩衝器SAを構成するロッド体5の上端側部分で代替えされてなるとし、該ロッド体5の軸部には、車体側懸架ばね要素1の下端を担持し車軸側懸架ばね要素2の上端を係止するばね受部32aが固定的に保持されてなるとしている。

0050

次に、図4に示す実施の形態にあっては、ばね定数切換手段3を構成するシリンダ部材31が上記した上方ばね受6に一体に連設されてなるとし、ばね定数切換手段3を構成するロッド部材32が片ロッド型に設定される一方で、下端たる基端が油圧緩衝器SAを構成するロッド体5の上端にばね受部32aを介在させた状態で連結されてなるとしている。

0051

因に、この図4に示す実施の形態による場合には、シリンダ部材31内の圧側油室R2に油面Oを境にするガス室Gが形成されてリザーバ機能が発揮されるように構成される。

0052

上記した図3及び図4の実施の形態による場合には、ばね定数切換手段3が車体側懸架ばね要素1の内周側に配在されることになり、懸架ばねを介装した状態の所謂油圧緩衝器における全径を大径化させない点で有利となる。

0053

尚、上記した図3及び図4の実施の形態による場合に、前記した図1に示す実施の形態のばね定数の切換構造と同様に、振動周波数に依存したばね定数の大小の切り換えが可能になるのは勿論のこと、その際に減衰比を一定に維持することも可能になるのも勿論である。

0054

図5は、図1に示すばね定数の切換構造を具体化した場合の実施の形態を示すものであるが、この実施の形態にあっては、該ばね定数の切換構造に車高調整機能を併せて有するようにしたものである。

0055

因に、この実施の形態にあっても、その構成が基本的に同一である部分については、図中に同一の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略し、以下には、この実施の形態において特徴となるところを中心に説明する。

0056

先ず、該ばね定数の切換構造は、ばね定数切換手段3を構成するシリンダ部材31内に区画の伸側油室R1及び圧側油室R2が外部に配在の油圧給排機構10に連通されてなるとしている。

0057

そして、該油圧給排機構10は、タンク11からの作動油を吸い上げて圧油にして油路12,13に選択的に供給する油圧源としての両方向ポンプ14を有してなるもので、油路12がシリンダ部材31内の伸側油室R1に連通するに対して、油路13がシリンダ部材31内の圧側油室R2に連通するとしている。

0058

そして、両方向ポンプ14の下流側になる油路12,13部分には、それぞれオペレートチェック弁15,16が配在されると共に、該オペレートチェック弁15,16の下流となる油路12,13部分が開閉弁17を介して連通可能とされている。

0059

また、両方向ポンプ14の下流側には、タンク11側からの作動油の流通は許容するが、該両方向ポンプ14側からの作動油の流通を阻止するチェック弁18が配在されている。

0060

尚、オペレートチェック弁15,16は、パイロット圧の供給時に所謂両方向の作動油の流れを許容する開放弁状態になるが、パイロット圧が供給されないときには、シリンダ部材31側からの作動油がタンク11側に流出するのを阻止するチェック弁として機能する。

0061

ところで、上記開閉弁17は、ばね17aの附勢力で切り換えられる連通ポジション17bと、ソレノイド17cへの励磁時に切り換えられる遮断ポジション17dと、を有してなり、ソレノイド17cが励磁されていないときに連通ポジション17bに維持されるノーマルオープンの態様に設定されている。

0062

この図5に示す実施の形態による場合には、ばね定数切換手段3において、これを構成するピストン34に流路L及び絞り33を設けず、伸側油室R1と圧側油室R2とを連通する部分の油路12,13における管路抵抗をその代用とし得ることになり、ピストン34に絞り33を配在させる必要をなくし、ピストン34の構成を容易にする点で有利となる。

0063

そして、該開閉弁17は、図示する実施の形態では、さらなる構成を有するようには設定されていないが、これに代えて、図6に示す実施の形態のように、連通ポジション17bに絞り33を有する構成に設定されるとしても良い。

0064

この図6に示す実施の形態による場合には、ばね定数切換手段3における伸側油室R1と圧側油室R2とを連通する部分の油路12,13における管路抵抗が管路径と長さに比例するから管路長さを短くすることが可能になる点で有利となる。

0065

尚、上記絞り33は、上記した各実施の形態に代えて、図7に示す実施の形態のように、油路13中(あるいは、図示しないが、油路12中)に配在されるとしても良く、この実施の形態による場合には、上記のばね定数切換手段3部分は勿論のこと、上記の開閉弁17部分にも絞り33を配在させる必要がなくなり、ばね定数切換手段3及び開閉弁17における構成を簡単にし得る点で一層有利となる。

0066

それ故、以上のように構成されたこの図5に示す実施の形態のばね定数の切換構造によれば、前記した図1に示す実施の形態のばね定数の切換構造と同様に、振動周波数に依存したばね定数の大小の切り換えが可能になるのは勿論のこと、その際に減衰比を一定に維持することも可能になるが、以下のように、車両における車高の高低調整も可能になる。

0067

即ち、例えば、車体側部材Bに作用する荷重が大きくなると、車体側懸架ばね要素1と車軸側懸架ばね要素2が共に大きく圧縮されて、ばね定数切換手段3及び油圧緩衝器が共に圧縮傾向に維持されて、車体側部材B側が下降傾向、即ち、車両における車高が下降傾向におかれる。

0068

この場合に適度の車高の下降は、車両における走行性の上からは、安定性に繋り有利になるが、過度の車高の下降は、車両における底着きに繋り、走行性が阻害されることになる。

0069

そこで、車高が過度に下降するような場合には、油圧給排機構10の作動で、即ち、開閉弁17をソレノイド17cの励磁で遮断ポジション17dに切り換えると共に、両方向ポンプ14を駆動して油路13を介してばね定数切換手段3における圧側油室R2内に圧油を供給する。

0070

このとき、油路13中のオペレートチェック弁16が両方向ポンプ14からの圧油の通過を許容するのは勿論のこと、油路12中のオペレートチェック弁16もパイロット圧の供給で開放弁状態になり、伸側油室R1側からの作動油のタンク11への流出を許容する。

0071

上記油圧給排機構10の作動で、圧側油室R2内に圧油が供給され、伸側油室R1から作動油が流出すると、シリンダ部材31内において、ピストン34が図中で下降するように摺動して、該ばね定数切換手段3が伸長状態にされ、懸架ばね、即ち、車軸側懸架ばね要素2の上でシリンダ部材31が上昇し、その結果として、車体側部材Bが上昇すると共にばね定数が大きくなり、減衰力の総量が増大する、即ち、車両における車高が上昇傾向に調整されると共に懸架特性も最適化傾向に調整されることになる。

0072

そして、上記したところと逆に、車体側部材Bに作用する荷重が小さくなり、ばね定数切換手段3が伸長傾向に維持されて、車両における車高が上昇傾向におかれる場合には、上記下ところと逆の作動で、車両における車高を下降傾向に調整し得ることになる。

0073

それ故、この実施の形態にあっては、前記した実施の形態のばね定数の切換構造と同様に、振動周波数に依存したばね定数の大小の切り換えが可能になるのは勿論のこと、その際に減衰比を一定に維持することも可能になり、しかも、車両の車高が荷重の大小で変化されるときに、該車高の調整も可能になり、最適な車高姿勢を維持しながら、車両における乗り心地と操縦性の改善が可能になる点で有利となる。

発明の効果

0074

以上のように、この発明にあっては、ばね定数の切換構造が上方の車体側懸架ばね要素と下方の車軸側懸架ばね要素との間に振動周波数に応じて伸縮の可不可を可能にするばね定数切換手段を有してなるとするから、その他の構成を要せずしてばね定数の大小の切り換えを実現し得ることになり、従って、全体としてコンパクト化による省スペースを可能にすると共にコストの低廉化を可能にすることになる。

0075

このとき、ばね定数切換手段は、ばね定数の切換構造が車軸側懸架ばね要素と絞り効果によって伸縮の可不可を可能にするように構成されるから、例えば、絞りがオリフィスからなるとき、該オリフィスの径の設定如何で、また、絞りが可変型に設定されるときに、適宜の手段で作動油の流量を強制的に変更する等、によって、ばね定数の大小の自動的な切り換えのタイミングを任意に設定できることになる利点がある。

0076

また、この発明にあっては、ばね定数切換手段と車軸側部材との間に車軸側懸架ばね要素に並列する油圧緩衝器が配在されてなるとするから、ばね定数切換手段によって車体側懸架ばね要素の伸縮が許容されている低ばね定数時に油圧緩衝器で発生される減衰力を、ばね定数切換手段によって車体側懸架ばね要素の伸縮を阻止して高ばね定数に切り換える場合に高減衰力発生状態移行させることが可能になり、従って、減衰比を一定に維持することが可能になって、車両における乗り心地や操縦性を改善する際に、その好ましい効果が得られることになる利点がある。

0077

その結果、この発明によれば、車両における乗り心地や操縦性を改善するについて、全体としてコンパクト化による省スペースを可能にして車両への搭載性を悪化させず、コストの低廉化を可能にしてその汎用性の向上を期待でき、油圧緩衝器に併設される懸架ばねにおけるばね定数を大小に切り換えるのに最適となる利点がある。

図面の簡単な説明

0078

図1この発明に係るばね定数の切換構造の一実施の形態を原理的に示す概略図である。
図2他の実施の形態のばね定数の切換構造を図1と同様に示す概略図である。
図3図1のばね定数の切換構造を具体化させた態様の一実施の形態を示す部分断面正面図である。
図4図1のばね定数の切換構造を具体化させた態様の他の実施の形態を図3と同様に示す部分断面正面図である。
図5他の実施の形態のばね定数の切換構造を図1と同様に示す概略図である。
図6他の実施の形態に係る開閉弁を原理的に示す図である。
図7他の実施の形態に係る開閉弁部分を図6と同様に示す図である。

--

0079

1 車体側懸架ばね要素
2車軸側懸架ばね要素
3ばね定数切換手段
4シリンダ体
5ロッド体
31シリンダ部材
32ロッド部材
33絞り
34ピストン
A車軸側部材
B車体側部材
L流路
SA油圧緩衝器
R1伸側油室
R2 圧側油室

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