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課題

制御量を設定するに際し、制御装置を接続するパルス幅変調信号通信ライン断線、或いはスロットル開度センサ系が故障した場合であっても、制御対象を安全サイドで制御可能とする。

解決手段

エンジン制御装置(第1の制御装置)では、スロットル開度センサによるスロットル開度THθに基づき、パルス幅変調(PWM)信号のON時間TONをスロットル開度THθに対して減少関数的な値に設定し(ステップS15)、このパルス幅変調信号をスロットル開度情報をスロットル開度情報として変速機制御装置(第2の制御装置)へ出力する。従って、エンジン制御装置から変速機制御装置にスロットル開度情報として出力されるPWM信号のON時間TONはスロットル開度THθが大きいほど短くなる。そして、変速機制御装置では、PWM信号のON時間に基づいて制御対象としての電磁粉式クラッチに対するクラッチ制御電流値Isを設定する。

概要

背景

従来、エンジンからの動力電磁クラッチ等の電子制御式クラッチ、及び電子制御式無段変速機を介して駆動輪へ伝達する車輌駆動系では、電子制御式クラッチの係合力を、エンジン回転数アクセル開度等に基づいて設定し、又、無段変速機変速比をアクセル開度、セレクトレバーセレクトポジジョン、及び入力軸回転数等に基づいて設定する。

上記電子制御式クラッチ、及び電子制御式無段変速機は、変速機制御装置からの制御信号に従って制御動作されるものであるが、この変速機制御装置に入力されるパラメータの中で、スロットル開度等、エンジン制御装置で算出されるパラメータは、エンジン制御装置側で演算したデータを読込む場合が多い。

例えば、特開平6−87358号公報には、変速機制御装置において、エンジン制御装置に入力されたスロットル開度センサ出力値Th/Sを読込み、この出力値Th/Sに基づいて、エンジントルク特性に応じたスロットル開度制御値TVOを設定し、このスロットル開度制御値TVOと車速等に基づいて変速機の変速比等を設定する技術が開示されている。

ところで、第1の制御装置としてのエンジン制御装置で読込まれたスロットル開度データを第2の制御装置としての変速機制御装置へ出力する場合の通信方式として、パルス幅変調(PWM)方式を採用するものがある。図12に示すように、PWM信号は、一定周期Tに対し、ON時間TONに対応するパルス幅をスロットル開度データに従って可変設定するもので、この場合、図13に示すように、スロットル開度の増加に比例してPWM信号のON時間TONを長く設定する。

概要

制御量を設定するに際し、制御装置を接続するパルス幅変調信号通信ライン断線、或いはスロットル開度センサ系が故障した場合であっても、制御対象を安全サイドで制御可能とする。

エンジン制御装置(第1の制御装置)では、スロットル開度センサによるスロットル開度THθに基づき、パルス幅変調(PWM)信号のON時間TONをスロットル開度THθに対して減少関数的な値に設定し(ステップS15)、このパルス幅変調信号をスロットル開度情報をスロットル開度情報として変速機制御装置(第2の制御装置)へ出力する。従って、エンジン制御装置から変速機制御装置にスロットル開度情報として出力されるPWM信号のON時間TONはスロットル開度THθが大きいほど短くなる。そして、変速機制御装置では、PWM信号のON時間に基づいて制御対象としての電磁粉式クラッチに対するクラッチ制御電流値Isを設定する。

目的

本発明は、上記事情に鑑み、コストの高騰を抑制しつつ、第2の制御装置側でもスロットル開度センサ系の故障、或いはアイドル判定を、故障診断機能、或いはアイドル判定回路増設することなく第1の制御装置に同期して認識することができ、その上、通信ラインが断線した場合であっても第2の制御装置においては、その制御対象を安全サイドで制御可能とすることのできる車輌制御装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

第1の制御装置に、スロットル開度信号に基づき、パルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定するON時間設定手段と、上記ON時間に相当するパルス幅のパルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力するパルス幅変調信号出力手段とを備え、第2の制御装置に、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定する制御量設定手段を備えたことを特徴とする車輌制御装置

請求項2

第1の制御装置に、スロットル開度信号に基づきスロットル開度センサ系の故障診断するスロットル開度センサ系故障検出手段と、スロットル開度信号に基づきパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定すると共に、スロットル開度センサ系の故障を検出したときは上記パルス幅変調信号のON時間をスロットル全開側の通常使用しない短い時間に設定するON時間設定手段と、上記ON時間に相当するパルス幅のパルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力するパルス幅変調信号出力手段とを備え、第2の制御装置に、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定すると共に、上記ON時間がスロットル全開側の通常使用しない短い時間のときは上記制御量を故障時に対応し得る値に設定する制御量設定手段を備えたことを特徴とする車輌制御装置。

請求項3

第1の制御装置に、スロットル開度信号に基づきアイドル状態か否かを判断するアイドル状態検出手段と、非アイドル状態時にはスロットル開度信号に基づきパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定すると共に、アイドル状態時には上記パルス幅変調信号のON時間をスロットル全閉側の通常使用しない長い時間に設定するON時間設定手段と、上記ON時間に相当するパルス幅のパルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力するパルス幅変調信号出力手段とを備え、第2の制御装置に、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定すると共に、上記ON時間がスロットル全閉側の通常使用しない長い時間のときは上記制御量をアイドル時に対応する値に設定する制御量設定手段を備えたことを特徴とする車輌制御装置。

請求項4

第1の制御装置に、スロットル開度信号に基づきスロットル開度センサ系の故障を診断するスロットル開度センサ系故障検出手段と、スロットル開度信号に基づきアイドル状態か否かを判断するアイドル状態検出手段と、非アイドル状態時にはスロットル開度信号に基づきパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定すると共に、スロットル開度センサ系の故障を検出したときは上記ON時間をスロットル全開側の通常使用しない短い時間に設定し、又アイドル状態時には上記ON時間をスロットル全閉側の通常使用しない長い時間に設定するON時間設定手段と、上記ON時間に相当するパルス幅のパルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力するパルス幅変調信号出力手段とを備え、第2の制御装置に、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定すると共に、上記ON時間がスロットル全開側の通常使用しない短い時間のときは上記制御量を故障時に対応し得る値に設定し、又上記ON時間がスロットル全閉側の通常使用しない長い時間のときは上記制御量をアイドル時に対応する値に設定する制御量設定手段を備えたことを特徴とする車輌制御装置。

請求項5

上記第1の制御装置はエンジン制御装置であり、第2の制御装置は変速機制御装置であり、上記制御対象は動力伝達手段であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の車輌制御装置。

技術分野

0001

本発明は、第1の制御装置読込んだスロットル開度データを、パルス幅変調(PWM)信号に変換して第2の制御装置へ出力する車輌制御装置に関する。

背景技術

0002

従来、エンジンからの動力電磁クラッチ等の電子制御式クラッチ、及び電子制御式無段変速機を介して駆動輪へ伝達する車輌駆動系では、電子制御式クラッチの係合力を、エンジン回転数アクセル開度等に基づいて設定し、又、無段変速機変速比をアクセル開度、セレクトレバーセレクトポジジョン、及び入力軸回転数等に基づいて設定する。

0003

上記電子制御式クラッチ、及び電子制御式無段変速機は、変速機制御装置からの制御信号に従って制御動作されるものであるが、この変速機制御装置に入力されるパラメータの中で、スロットル開度等、エンジン制御装置で算出されるパラメータは、エンジン制御装置側で演算したデータを読込む場合が多い。

0004

例えば、特開平6−87358号公報には、変速機制御装置において、エンジン制御装置に入力されたスロットル開度センサ出力値Th/Sを読込み、この出力値Th/Sに基づいて、エンジントルク特性に応じたスロットル開度制御値TVOを設定し、このスロットル開度制御値TVOと車速等に基づいて変速機の変速比等を設定する技術が開示されている。

0005

ところで、第1の制御装置としてのエンジン制御装置で読込まれたスロットル開度データを第2の制御装置としての変速機制御装置へ出力する場合の通信方式として、パルス幅変調(PWM)方式を採用するものがある。図12に示すように、PWM信号は、一定周期Tに対し、ON時間TONに対応するパルス幅をスロットル開度データに従って可変設定するもので、この場合、図13に示すように、スロットル開度の増加に比例してPWM信号のON時間TONを長く設定する。

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、従来のPWM信号を用いたスロットル開度データの通信方式には、以下に示す問題がある。

0007

1)エンジン制御装置(第1の制御装置)にはスロットル開度センサ系が正常に動作しているかを判断する故障診断機能が一般に備えられているが、変速機制御(第2の制御装置)側では、エンジン制御装置からフェイルセーフ信号が出力されるまで、スロットル開度データを正常値と見なして読込まれる。そのため、スロットル開度データを読込む際に故障が発生した場合、エンジン制御装置側では直ちに対応することができるが、変速機制御装置では、スロットル開度センサ系の故障が検出できず、エンジン制御装置と変速機制御装置との間で制御タイミングにずれが生じる。

0008

この対策として、変速機制御装置に故障診断機能を組込むことも考えられるが、コスト高になるばかりか、エンジン制御装置側との故障判定タイミングにずれが生じてしまう等、制御上の問題が生じるため、実現性に乏しい。

0009

2)変速機制御装置において、スロットル開度データ以外にアイドル判定データを必要とする場合、一般的には、変速機制御装置ヘスロットル開度データとは別個にアイドル判定デー夕を出力したり、変速機制御装置側でスロットル開度データに基づいてアイドルを独自に判断する等の手段が考えられるが、前者では、変速機制御装置側に入力回路増設する必要がありコスト高となる不都合がある。後者はアイドル判定がエンジン制御装置側とは別個に行われるため、判定タイミングにずれが生じてしまう難点がある。

0010

3)図14に示すような信号出入回路によりエンジン制御装置(ECU)40から変速機制御装置(TCU)50ヘ、図13に示すような右上がり特性のスロツトル開度に比例するON時間TONに相当するパルス幅のPWM信号を出力する場合、例えば、ECU40とTCU50との間の通信ライン断線すると、TCU50に入力されるPWM信号のパルス幅(ON時間TON)が0msに近い値となり、スロットル開度が小、或いは全閉と誤判定されてしまう。

0011

TCU50において、スロットル開度データとエンジン回転数等に基づき無段変速機の変速比、及び電磁クラッチのクラッチトルクを制御している場合、実際のスロットル開度が大きいにも拘わらず、通信ラインの断線によりスロットル開度小、或いはスロットル弁全閉と誤判定されてしまうと、変速比が運転者の意に反して大きい方へ制御されたり、或いは、クラッチトルクが必要以上に弱くなるためにクラッチが滑ってしまう等、走行性能の低下を招く。

0012

又、第2の制御装置としてトラクション制御装置クルーズ制御装置定速走行制御装置)等を採用した場合においても、上記1)〜3)と同様の不都合が生じ、トラクション制御装置、クルーズ制御装置の制御対象とするスロットル弁の開度制御に支障を来たし、同様に走行性能の低下を招く不都合がある。

0013

本発明は、上記事情に鑑み、コストの高騰を抑制しつつ、第2の制御装置側でもスロットル開度センサ系の故障、或いはアイドル判定を、故障診断機能、或いはアイドル判定回路を増設することなく第1の制御装置に同期して認識することができ、その上、通信ラインが断線した場合であっても第2の制御装置においては、その制御対象を安全サイドで制御可能とすることのできる車輌制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、図1(a)の基本構成図に示すように、第1の制御装置に、スロットル開度信号に基づき、パルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定するON時間設定手段と、上記ON時間に相当するパルス幅のパルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力するパルス幅変調信号出力手段とを備え、第2の制御装置に、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定する制御量設定手段を備えたことを特徴とする。

0015

請求項2記載の発明は、図1(b)の基本構成図に示すように、第1の制御装置に、スロットル開度信号に基づきスロットル開度センサ系の故障を診断するスロットル開度センサ系故障検出手段と、スロットル開度信号に基づきパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定すると共に、スロットル開度センサ系の故障を検出したときは上記パルス幅変調信号のON時間をスロットル全開側の通常使用しない短い時間に設定するON時間設定手段と、上記ON時間に相当するパルス幅のパルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力するパルス幅変調信号出力手段とを備え、第2の制御装置に、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定すると共に、上記ON時間がスロットル全開側の通常使用しない短い時間のときは上記制御量を故障時に対応し得る値に設定する制御量設定手段を備えたことを特徴とする。

0016

請求項3記載の発明は、図1(c)の基本構成図に示すように、第1の制御装置に、スロットル開度信号に基づきアイドル状態か否かを判断するアイドル状態検出手段と、非アイドル状態時にはスロットル開度信号に基づきパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定すると共に、アイドル状態時には上記パルス幅変調信号のON時間をスロットル全閉側の通常使用しない長い時間に設定するON時間設定手段と、上記ON時間に相当するパルス幅のパルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力するパルス幅変調信号出力手段とを備え、第2の制御装置に、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定すると共に、上記ON時間がスロットル全閉側の通常使用しない長い時間のときは上記制御量をアイドル時に対応する値に設定する制御量設定手段を備えたことを特徴とする。

0017

請求項4記載の発明は、図1(d)の基本構成図に示すように、第1の制御装置に、スロットル開度信号に基づきスロットル開度センサ系の故障を診断するスロットル開度センサ系故障検出手段と、スロットル開度信号に基づきアイドル状態か否かを判断するアイドル状態検出手段と、非アイドル状態時にはスロットル開度信号に基づきパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定すると共に、スロットル開度センサ系の故障を検出したときは上記ON時間をスロットル全開側の通常使用しない短い時間に設定し、又アイドル状態時には上記ON時間をスロットル全閉側の通常使用しない長い時間に設定するON時間設定手段と、上記ON時間に相当するパルス幅のパルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力するパルス幅変調信号出力手段とを備え、第2の制御装置に、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定すると共に、上記ON時間がスロットル全開側の通常使用しない短い時間のときは上記制御量を故障時に対応し得る値に設定し、又上記ON時間がスロットル全閉側の通常使用しない長い時間のときは上記制御量をアイドル時に対応する値に設定する制御量設定手段を備えたことを特徴とする。

0018

請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4記載の発明において、上記第1の制御装置はエンジン制御装置であり、第2の制御装置は変速機制御装置であり、上記制御対象は動力伝達手段であることを特徴とする。

0019

すなわち、請求項1記載の発明では、第1の制御装置においてスロットル開度情報をパルス幅変調信号によって第2の制御装置ヘ出力するに際し、パルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力する。従って、第1の制御装置から第2の制御装置にスロットル開度情報として出力されるパルス幅変調信号のON時間はスロットル開度が大きいほど短くなる。そして、第2の制御装置では、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定する。

0020

請求項2記載の発明では、第1の制御装置においてスロットル開度情報をパルス幅変調信号によって第2の制御装置へ出力するに際し、スロットル開度信号に基づきスロットル開度センサ系の故障を診断し、スロットル開度センサ系の正常時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力し、又、スロットル開度センサ系の故障時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル全開側の通常使用しない短い時間に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力する。従って、第1の制御装置から第2の制御装置にスロットル開度情報として出力されるパルス幅変調信号のON時間はスロットル開度が大きいほど短くなり、又、スロットル開度センサ系の故障時には更に短い通常使用しない値に設定される。そして、第2の制御装置では、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定し、上記パルス幅変調信号のON時間が通常使用しない短い時間のときには制御対象に対する制御量を故障時に対応し得る値に設定する。

0021

請求項3記載の発明では、第1の制御装置においてスロットル開度情報をパルス幅変調信号によって第2の制御装置へ出力するに際し、スロットル開度信号に基づきアイドル状態か否かを判断し、非アイドル状態時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置ヘ出力し、又、アイドル状態時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル全閉側の通常使用しない長い時間に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力する。従って、第1の制御装置から第2の制御装置にスロットル開度情報として出力されるパルス幅変調信号のON時間はスロットル開度が大きいほど短くなり、又、アイドル状態時には通常使用しない長い値に設定される。そして、第2の制御装置では、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定し、上記パルス幅変調信号のON時間が通常使用しない長い時間のときには制御対象に対する制御量をアイドル時に対応する値に設定する。

0022

請求項4記載の発明では、第1の制御装置においてスロットル開度情報をパルス幅変調信号によって第2の制御装置へ出力するに際し、スロットル開度信号に基づきスロットル開度センサ系の故障を診断すると共に、スロットル開度信号に基づきアイドル状態か否かを判断し、スロットル開度センサ系の正常時且つ非アイドル状態時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置ヘ出力し、又、スロットル開度センサ系の故障時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル全開側の通常使用しない短い時間に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力し、更に、アイドル状態時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル全閉側の通常使用しない長い時間に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力する。従って、第1の制御装置から第2の制御装置にスロットル開度情報として出力されるパルス幅変調信号のON時間は、スロットル開度センサ系の正常時且つ非アイドル状態時にはスロットル開度が大きいほど短くなり、又、スロットル開度センサ系の故障時には更に短い通常使用しない値に設定され、アイドル状態時には通常使用しない長い値に設定される。そして、第2の制御装置では、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定し、上記パルス幅変調信号のON時間が通常使用しない短い時間のときには制御対象に対する制御量を故障時に対応し得る値に設定し、又、上記パルス幅変調信号のON時間が通常使用しない長い時間のときには制御対象に対する制御量をアイドル時に対応する値に設定する。

0023

請求項5記載の発明では、請求項1ないし請求項4記載の発明において、上記第1の制御装置をエンジン制御装置、第2の制御装置を変速機制御装置とし、又、上記制御対象を動力伝達手段とする。

発明を実施するための最良の形態

0024

以下、図2図11に基づいて本発明の実施の一形態を説明する。図9に本実施の形態で採用するエンジンの全体概略図を示す。エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒燃焼室に連通する吸気ポート2aと排気ポート2bとが形成され、この各吸気ポート2aに連通する吸気マニホルド3がエアチャンバ4に集合されている。更に、このエアチャンバ4が吸気管5に連通され、この吸気管5の空気取り入れ口エアクリーナ6が取り付けられている。又、上記吸気管5の中途にスロットル弁7が介装されており、このスロットル弁7の上流と下流とをバイパス接続するバイパス通路8に、主にアイドル時の吸入空気量を制御するISC(アイドル回転数制御)弁9が介装されている。更に、上記エアチャンバ4に吸気温センサ10が臨まされていると共に、スロットル弁7下流の吸気管圧力絶対圧により検出する絶対圧センサ11が連通されている。

0025

又、上記スロットル弁7にスロットル開度に応じた電圧値を出力するスロットル開度センサ12が連設され、又、上記吸気マニホルド3の各気筒の吸気ポート2a直上流にインジェクタ13が臨まされ、上記シリンダヘッド2には、先端を燃焼室に露呈する点火プラグ14が気筒毎に取り付けられている。更に、エンジン1のシリンダブロック1aにノックセンサ15が取り付けられ、冷却水通路16に水温センサ17が臨まされている。

0026

一方、排気系としては、上記シリンダヘッド2の排気ポート2bに連通する排気マニホルド18が下流方向で合流され、この合流部に連通する排気管19がマフラ20に連通されている。上記排気管19の排気マニホルド18の合流部に触媒コンバータ21が介装され、その上流にO2センサ22が配設されている。

0027

一方、エンジン1のカムシャフトディストリビュータ23とシグナルロータ24とが連設され、このシグナルロータ24にクランク角検出及び気筒判別用のクランク角センサ25が対設されている。更に、上記ディストリビュータ23には、各気筒の上記点火プラグ14が接続されており、後述するエンジン制御装置(ECU)40により演算された点火時期に対応して該ECU40から出力される点火信号によりイグナイタ32が作動し、点火コイル33により昇圧された高電圧が上記ディストリビュータ23を介し点火対象気筒の点火プラグ14に配電されて該当気筒の点火プラグ14が点火される。

0028

図11に示すように、第1の制御装置の一例としての上記エンジン制御装置(ECU)40は、CPU41、ROM42、RAM43、バックアップRAM44、及びI/Oインターフェイス45がバスライン46を介して互いに接続されたマイクロコンピュータを中心として構成され、その他、安定化電圧を各部に供給する定電圧回路47、上記I/Oインターフェイス45の出力ポートからの信号によりアクチュエータ類を駆動する駆動回路48、センサ類からのアナログ信号デジタル信号に変換するA/D変換器49等の周辺回路が内蔵されている。

0029

上記定電圧回路37は、ECU電源リレー34の第1の接点を介してバッテリ電源に接続され、上記ECU電源リレー34のリレーコイルイグニッションスイッチIGを介してバッテリに接続されている。

0030

尚、上記定電圧回路47は、上記ECU電源リレー34の第1のリレー接点を介してバッテリ電源に接続される他、直接、上記バッテリ電源に接続されており、上記イグニッションスイッチIGがONされてECU電源リレー34のリレー接点が閉となったとき、各部へ電源を供給する一方、上記イグニッションスイッチIGのON,OFFに拘らず、常時、上記バックアップRAM44にバックアップ用の電源を供給する。

0031

又、上記I/Oインターフェイス45の入力ポートには、クランク角センサ25、ノックセンサ15等が接続されると共に、絶対圧センサ11、スロットル開度センサ12、冷却水温センサ17、O2センサ22、吸気温センサ10等が上記A/D変換器49を介して接続され、更に、このA/D変換器49に、上記バッテリ電源の電圧VB が入力されてモニタされる。一方、上記I/Oインターフェイス45の出力ポー卜には、上記駆動回路48を介してISC弁9及びインジェクタ13が接続され、更にイグナイタ32が直接接続され、このイグナイタ32に点火コイル33の一次側が接続されている。更に、上記I/Oインターフェイス45の出力ポートには、後述する変速機制御装置(TCU)50に設けたI/Oインターフェイス69の入力ポートが接続され、ECU40からTCU50へ、スロットル開度センサ12の出力信号に基づいて検出したスロットル開度に対応するON時間に相当するパルス幅のパルス幅変調(PWM)信号が出力される。

0032

上記ROM42には、エンジン制御プログラムや各種マップ等の固定データが記憶されており、又、上記RAM43には、各センサ・スイッチ類の出力信号を処理した後のデータ、及び上記CPU41で演算処理したデータが格納される。又、上記バックアップRAM44には、各種学習マップ制御用データ、自己診断機能により検出した故障部位に対応するトラブルデータ等がストアされ、上記イグニッションスイッチIGがOFFのときにもデータが保持される。

0033

上記CPU41は上記ROM42に記憶されている制御プログラムに従い、燃料噴射制御点火時期制御等のエンジン制御所定周期毎、或いは所定クランクパルス入力毎に実行すると共に、スロットル開度情報をPWM信号に変換し該PWM信号をTCU50へ出力させる。

0034

次に、第2の制御装置の一例としての上記変速機制御装置(TCU)50による変速機制御系について図10に基づき説明する。同図の符号51は電磁粉式クラッチ52、前後進切換装置53、電子制御式無段変速機(ECVT)54を主体に構成した動力伝達システムで、上記電磁粉式クラッチ52のドライブメンバ52aがエンジン1の出力軸1bに直結されており、又、この電磁粉式クラッチ52のドリブンメンバ52bの出力軸に、前後進切換装置53を介してECVT54のプライマリシャフト56aが連設されている。上記電磁粉式クラッチ52のドリブンメンバ52bにはクラッチコイル52cが内蔵されており、このクラッチコイル52cに対してクラッチ電源が供給されると、両メンバ52a,52b間の間隙に電磁粉が鎖状に結合して集積し、この電磁粉によるクラッチ係合力によりエンジントルクが上記前後進切換装置53を介して、上記ECVT54に伝達される。

0035

上記前後進切換装置53はセレクトレバー55に連設されており、このセレクトレバー55のセレクト操作により中立位置、前進位置、後進位置が選択される。

0036

又、上記ECVT54の、互いに平行に配設するプライマリシャフト56aとセカンダリシャフト56bとに、溝幅可変自在なプライマリプーリ57とセカンダリプーリ58とが軸支され、この両プーリ57,58間にスチールベルト59が巻装され、更に、上記セカンダリシャフト56bが終減速歯車群60、デファレンシャル装置61を介して駆動輪62に連設されている。

0037

上記ECVT54のプライマリプーリ57とセカンダリプーリ58とに、この各プーリ57,58の溝幅を可変動作させる油庄シリンダ57a,58aが連設されている。この両油圧シリンダ57a,58aに供給されるオイルポンプ(図示せず)からの油圧油圧制御装置63にて制御される。すなわち、この油圧制御装置63には、TCU50から変速制御信号ライン圧制御信号とが入力され、変速制御信号に基づいて、プライマリプーリ57側の油圧シリンダ57aに対するプライマリ油圧を制御し、プライマリプーリ57の溝幅を変化させて変速比を設定し、又、ライン圧制御信号に基づいてセカンダリプーリ58側の油圧シリンダ58aに対するライン圧を制御して、セカンダリプーリ58の上記スチールベルト59に対するプーリ押し付け力を設定する。

0038

上記油圧制御装置63に対する変速制御信号、ライン圧制御信号、及び電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対するクラッチ制御信号は、上記TCU50から出力される。図11に示すように、上記TCU50は、CPU66、ROM67、RAM68、及びI/Oインターフェイス69がバスライン70を介して互いに接続されたマイクロコンピュータを中心として構成され、その他、安定化電圧を各部に供給する定電圧回路71、上記I/Oインターフェイス69の出力ポートからの信号によりアクチュエータ類を駆動する駆動回路72等の周辺回路が内蔵されている。

0039

定電圧回路71は、TCU電源リレー73の接点を介してバッテリ電源に接続され、TCU電源リレー73のリレーコイルがイグニッションスイッチIGを介してバッテリに接続されている。又、上記I/Oインターフェイス69の入力ポートには、車速センサ74、アクセルペダル踏み込みでONするアクセルスイッチ75、セレクトレバー55に連設して、ドライブ(D)レンジスポーツドライブ(Ds)レンジ、リバース(R)レンジ、パーキング(P)レンジ、ニュートラル(N)レンジ等の各ポジションを検出するポジションセンサ76、ECVT54に設けたプライマリプーリ57の回転数を検出するプライマリプーリ回転数センサ77、セカンダリプーリ58の回転数を検出するセカンダリプーリ回転数センサ78が接続されている。更に、上記I/Oインターフェイス69の入力ポートには、イグナイタ32が接続されてイグニッションパルスがモニタされると共に、ECU40から出力されるPWM信号が入力される。一方、上記I/Oインターフェイス69の出力ポートには、駆動回路72を介して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cが接続され、更に、変速制御信号ラインとライン圧制御信号ラインとが油圧制御装置63に接続されている。

0040

ここで、上記ECU40は、第1の制御装置の機能としてスロットル開度センサ系故障検出手段、アイドル状態検出手段、ON時間設定手段、パルス幅変調信号出力手段を備え、又、上記TCU50は第2の制御装置の機能として制御量設定手段を備えている。

0041

具体的には、イグニッションスイッチIGのONにより各制御装置40,50に電源が投入されると、ECU40では、システムイニシャライズによりRAM43に格納される各データ、フラグ値クリアされ(バックアップRAM44に格納されているデータ、フラグは除く)、システムイニシャライズ後図2図3に示すON時間設定ルーチンが所定時間毎に実行され、スロットル開度センサ12の出力電圧HVに基づいて、スロットル開度センサ系の故障診断を行うと共に、アイドル判定を行い、スロットル開度センサ系が正常で、しかも非アイドル状態のときは、上記スロットル開度センサ12の出力電圧THVに基づきテーブル検索により、パルス幅変調(PWM)信号のON時間TONをスロットル開度に対して減少関数的な値に設定し、スロットル開度センサ系が故障のときは、上記ON時間をスロットル全開側の通常使用しない短い時間TONDI(本実施の形態では0.4ms)に固定し、又、アイドル状態のときは、上記ON時間TONをスロットル全閉側の通常使用しない長い時間TONAI(本実施の形態では4ms)に固定し、この各ON時間TONに相当するパルス幅のPWM信号をTCU50へ出力する。

0042

TCU50では、システムイニシャライズによりRAM68に格納される各データ、フラグ値がクリアされ、システムイニシャライズ後、図4図5に示すクラッチ制御ルーチンが所定時間毎に実行され、上記ECU40から出力されるPWM信号のパルス幅からON時間TONを算出し、このON時間TONが、スロットル開度センサ系の故障を示す値TONDI(0.4ms)でないときは、上記ON時間TONとエンジン回転数NE とに基づき、通常時直結モードマップを検索し制御量として通常時のクラッチ制御電流値Isを設定し、又、PWM信号のON時間TONが、スロットル開度センサ系の故障を示す値TONDI(0.4ms)のときは、スロットル開度センサ系の故障であるため、エンジン回転数NE に基づいて故障時直結モードテーブルを参照してクラッチ制御電流値Isを故障時に対応し得る値、すなわち安全サイドを見込んでスロットル弁全開に対応する値に設定し、制御対象とする電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに出力する。上記通常時直結モードマップにはアイドル運転時のクラッチ制御電流値Isも格納されており、アイドル時のON時間TONAI(4ms)とエンジン関数数NE とに基づいてアイドルに対応するクラッチ制御電流値Isが設定される。

0043

以下、TCU50で実行されるクラッチ制御ルーチンの説明に先立ち図2図3に示すECU40にて実行されるON時間設定ルーチンについて説明する。このON時間設定ルーチンは、設定時間毎に実行され、ステップS1で、スロットル開度センサ12の出力電圧THVを読込み、ステップS2〜S9で故障診断を行う。

0044

先ず、ステップS2で、上記スロットル開度センサ12の出力電圧THVと予め設定された通常では取り得ない出力電圧の下限地THVL とを比較し、THV>THVL のときはステップS3へ進み、上記出力電圧THVを予め設定された通常では取り得ない出力電圧の上限値THVH と比較する。図6にスロットル開度THθとスロットル開度センサ12の出力電圧THVとの関係を示す。同図に示すように、上記スロットル開度センサ12の出力電圧THVは、スロットル開度THθ(deg)と比例関係にあり、下限値THVL がスロットル全閉(0deg)時の出力電圧THVよりも低い値(例えば、0.1V)に設定されており、又、上限値THVH が、スロットル全開(84deg)時の出力電圧よりも高い値(例えば、4.9V)に設定されている。従って、THV≦THVL のときにはスロットル開度センサ系に断線等の異常が、又、THV≧THVH のときにはスロットル開度センサ系にショート等の異常が生じていると判断することができる。

0045

そして、上記ステップS2で、THV>THVL と判断され、且つ、ステップS3で、THV<THVH と判断されたとき、すなわち、上記スロットル開度センサ12の出力電圧THVが通常の出力範囲に収まっているときは(THVL <THV<THVH )、スロットル開度センサ系が正常と判断し、ステップS4へ進み、バックアップRAM44の所定アドレスにストアされスロットル開度センサ系に故障が生じていることを示すためのスロットル開度センサNGフラグFTHVNG をクリアし、ステップS5でスロットル開度センサ系の異常状態継続時間を計時するカウント値Cをクリアして、ステップS10へ進み、ステップS10〜S18でスロットル開度センサ系正常時の処理を行う。

0046

一方、ステップS2で、THV≦THVL のスロットル開度センサ系の断線と判断され、或いはステップS3で、THV≧THVH のスロットル開度センサ系のショートと判断されるときは、ステップS6へ分岐し、スロットル開度センサNGフラグFTHVNG の値を参照する。このスロットル開度センサNGフラグFTHVNG は、イニシャルセット値が0であり、且つスロットル開度センサ12の出力電圧THVが上述の下限値THVL と上限値THVH とにより定まる正常(通常)の範囲に収まっているときクリアされ(ステップS4)、又、THV≦THVL の状態が設定時間以上継続したとき、或いはTHV≧THVH の状態が設定時間以上継続したときにスロットル開度センサ系の故障と確定してセットされる。従って、上記ステップS6でスロットル開度センサNGフラグFTHVNG がFTHVNG =0のときには、スロットル開度センサ系の故障が未確定の状態であり、ステップS7へ進み、THV≦THVL 或いはTHV≧THVH の継続時間を計時するカウント値Cを上記設定時間を定める設定値CS (例えば2ms相当値)と比較し、C<CS のときには、ステップS8で、上記カウント値をカウントアップしてステップS10へ進み、一方、C≧CS のときは、THV≦THVL の状態が設定時間以上継続し、或いはTHV≧THVH の状態が設定時間以上継続したときでありスロットル開度センサ系の故障と確定して、ステップS9で、スロットル開度センサNGフラグFTHVNG をセットし(FTHVNG ←1)、ステップS19へ進み、ステップS19以下でスロットル開度センサ系の故障時に対応する処理を行う。又、上記ステップS6においてFTHVNG =1であり既にスロットル開度センサ系の故障が確定しているときには、ステップS6からステップS19へジャンプする。

0047

先ず、ステップS10〜S18のスロットル開度センサ系の正常時、或いはスロットル開度センサ系の故障未確定時の処理について説明すると、ステップS10で、上記スロットル開度センサ12の出力電圧THVに基づいてスロットル開度THθを、テーブル検索、或いは演算により算出し、ステップS11ないしステップS13によりアイドル判定を行う。

0048

すなわち、ステップS11で、RAM43の所定アドレスにストアされているアイドル判別フラグFTHの値を参照し、前回ルーチン実行時のアイドル判定結果を調べる。上記アイドル判別フラグFTHは、スロットル弁全閉時のアイドル時にクリアされ、スロットル弁開の非アイドル時にセットされる。従って、上記ステップS11においてFTH=0で前回ルーチン実行時におけるアイドル判定結果がアイドルのときには、ステップS12へ進み、上記ステップS10において算出したスロットル弁開度THθと第1のアイドル判定値HAI1 と比較し、THθ≦THAI1 のときにはアイドル状態と判定し、THθ>THAI1 のときには非アイドル状態と判定する。又、上記ステップS11においてFTH=1で前回ルーチン実行時におけるアイドル判定結果が非アイドルのときには、ステップS13へ進み、スロットル開度THθと上記第1のアイドル判定値THAI1 より小さい値の第2のアイドル判定値THAI2 とを比較し、THθ≦THAI2 のときアイドル状態と判定し、THθ>THAI2 のとき非アイドル状態と判定する。

0049

上記第1のアイドル判定値THAI1 及び第2のアイドル判定値THAI2 は、図7に示すように、スロットル開度THθによるアイドル判定にヒステリシスを与えハンチングを防止するためのものであり、例えば、第1のアイドル判定値THAI1 は1.7deg 、第2のアイドル判定値THAI2 は1.0deg にそれぞれ設定される。

0050

そして、上記ステップS12或いはステップS13において非アイドル状態と判定されたときには、ステップS14へ進み、アイドル判別フラグFTHをセットして(FTH←1)、続くステップS15で、スロットル開度THθに基づきテーブル検索或いは演算によりPWM信号のON時間TONを設定する。ここで、図8に示すように、非アイドル状態時には上記ON時間TONは、スロットル開度に対し減少関数的な値に設定され、スロットル開度THθの増大に応じて減少され、スロットル弁全開(例えば、84deg)で本実施の形態においては0.812msに設定される。

0051

次いで、ステップS16へ進み、上記ON時間TONをセットしてルーチンを抜ける。その結果、非アイドル状態時には、上記ステップS15でスロットル開度THθに応じて減少関数的な値に設定されたON時間TONのPWM信号がECU40のI/Oインターフェイス45の所定出力ポートからTCU50へ出力される。

0052

又、上記ステップS12或いはステップS13においてアイドル状態と判定されたときには、ステップS17へ進み、アイドル判別フラグFTHをクリアして(FTH←0)、ステップS18で、PWM信号のON時間TONを設定値TONAIにより設定し(TON←TONAI)、上記ステップS16へ戻り、上記ステップS18において設定されたON時間TONをセットしてルーチンを抜ける。

0053

ここで、上記設定値TONAIは、本実施の形態においては例えば4.0msに設定される。従って、アイドル状態時には、図8に示すように、PWM信号のON時間TONが、スロットル全閉側の通常使用しない長い時間(4.0ms)に設定され、このON時間TONのPWM信号がECU40のI/Oインターフェイス45の所定出力ポートからTCU50に出力される。

0054

一方、スロットル開度センサNGフラグFTHVNG のセットにより前記ステップS9或いはステップS6からステップS19へ進み、ステップS19以下でスロットル開度センサ系の故障時に対応する処理を行う。ステップS19では、スロットル開度THθを設定値THθS に固定し、続くステップS20で、PWM信号のON時間TONを設定値TONDIにより設定し(TON←TONDI)、前記ステップS16へ戻り、上記ステップS20において設定されたON時間TONをセットしてルーチンを抜ける。

0055

上記設定値THθS は、予め実験等により求めたフェイルセーフ値であり、例えば6.4deg である。従って、スロットル開度センサ系の故障時には、ECU40におけるスロットル開度THθのデータが設定値THθS (6.4deg)によりクランプされ、ECU40において、非アイドルに対応し且つ上記設定値THθS によるスロットル開度データを用いて燃料噴射量、点火時期等の各種演算処理が行われ、フェイルセーフが実行されて必要最低限の車輌走行が確保される。

0056

又、スロットル開度センサ系の故障時においてPWM信号のON時間TONを設定する上記設定値TONDIは、本実施の形態においては例えば0.4msに設定される。従って、スロットル開度センサ系の故障時には、図8に示すように、PWM信号のON時間TONが、上記設定値TONDIによってスロットル全開側の通常使用しない短い時間(0.4ms)に設定され、このON時間TONのPWM信号がECU40のI/Oインターフェイス45の所定出力ポートからTCU50に出力される。

0057

次に、上記PWM信号が入力されるTCU50における処理について図4図5に基づき説明する。TCU50では、図4図5に示す制御ルーチンにおいて、上記PWM信号のパルス幅からON時間TONを算出し、このON時間TONとエンジン回転数NE とに基づき電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対する制御電流値Isを設定する。

0058

このクラッチ制御ルーチンは所定時間毎に実行され、先ず、ステップS21,S22で、ポジションセンサ76の出力信号に基づいてセレクトレバー55のセレクト位置を検出し、P(パーキング)レンジ或いはN(ニュートラル)レンジのときは、ステップS23へ進み、電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対する制御電流値Isを、逆励磁モードを選択する逆向きの微小電流値−ISRにより設定して(Is←−ISR)、ステップS24へ進み、上記ステップS23で設定した制御電流値Isをセットしてルーチンを抜ける。

0059

従って、Pレンジ或いはNレンジが選択されているときには、TCU50のI/Oインターフェイス69の出力ポートから駆動回路72を介して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対して逆微小電流値−ISRによる制御電流が供給され、微小励磁電流により電磁粉式クラッチ52の残留磁気が除去されクラッチが完全に遮断される。

0060

又、上記ステップS21,S22において、セレクト位置がNレンジ及びPレンジ以外で、D(ドライブ)レンジ、Ds(ドライブスポーツ)レンジ、或いはR(リバース)レンジの走行レンジのときには、ステップS25へ進み、アクセルスイッチ75の出力信号に基づきアクセルスイッチ75のOFFによるアクセル開放か否かを判断する。

0061

そして、アクセルスイッチ75のOFFによるアクセル開放時には、ステップS26へ進み、車速センサ74による車速VSPと第1の車速設定値VSP1 (例えば、8km/h)とを比較し、VSP≦VSP1 の車輌低速時には、ステップS27で、電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対する制御電流値Isを、ドラッグモードを選択する微小電流(例えば、約0.2A)を与えるための設定値ISDにより設定して(Is←ISD)、前記ステップS24へ戻り、上記ステップS27で設定した制御電流値Isをセットしてルーチンを抜ける。

0062

従って、走行レンジにおけるアクセル開放状態で、VSP≦VSP1 の車輌停止或いは車輌低速時には、TCU50のI/Oインターフェイス69の出力ポートから駆動回路72を介して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対して上記設定値ISDによる微小電流が供給され、この微小電流によりECVT54にひきづりトルクドラッグトルク)を与えてスチールベルト59を構成するスチールブロックコマ)間のガタ詰め等を行い、発進および低速ノロノロ走行に良好な運転性を維持するようにしている。

0063

一方、走行レンジ選択状態で車輌発進或いは加速によりアクセルペダルが踏み込まれると、アクセルスイッチ75がONし、上記ステップS21,S22,S25を介してステップS28へ分岐し、ステップS28で、Dレンジか否かを判断する。

0064

そして、Dレンジが選択されているときにはステップS29へ進み、車速VSPと第5の車速設定値VSP5 とを比較する。上記第5の車速設定値VSP5 は、Dレンジにおける車輌発進状態を判断するものであり、例えばVSP5 =25km/hに設定されている。従って、Dレンジ選択においてVSP≦VSP5 の車輌発進時には、ステップS30へ進み、エンジン回転数NE をパラメータとしてDレンジ選択による車輌発進時に適合するテーブルを検索し補間計算によってクラッチコイル52cに対する制御電流値Isを設定する。尚、上記テーブルは、Dレンジによる車輌発進時における電磁粉式クラッチ52による必要伝達トルクをエンジン回転数NE をパラメータとして予め実験等により求め電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対する適正な制御電流値Isをテーブル値としてROM67の一連アドレスにストアされているものであり、ステップS30中に図示するように所定のエンジン回転数に達するまでは急激に立ち上がり、所定のエンジン回転数以上ではエンジン回転数の上昇に応じ制御電流値Isが緩やかに上昇するように設定される。

0065

そして、ステップS24へ戻り、上記ステップS30で設定した制御電流値Isをセットしてルーチンを抜ける。

0066

従って、Dレンジ選択時、アクセルペダルの踏み込みによりエンジン回転数が増加すると、TCU50のI/Oインターフェイス69の出力ポートから駆動回路72を介して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対し、エンジン回転数NE の増加に比例してクラッチ制御電流が増大され、発進時に対応したクラッチトルク制御が行われ、アクセルペダルの踏み込みに応じた発進性能が得られる。

0067

又、上記ステップS29においてVSP>VSP5 のときには、ステップS31へ進み、ECU40からのPWM信号のパルス幅からON時間TONを求め、このON時間TONがスロットル全開側の通常使用しない短い時間、すなわち、スロットル開度センサ系の故障を示す前述と同様の設定値TONDI(0.4ms)と等しいか否かを判断し、TON≠TONDIのときにはスロットル開度センサ系が正常であると判断して、ステップS32へ進み、上記ON時間TON及びエンジン回転数NE をパラメータとして通常時直結モードマップを参照して補間計算により電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対する制御電流値Isを設定する。すなわち、Dレンジが選択されアクセルペダルが踏み込まれているときには、VSP>VSP5 の一定車速以上になると電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに定格電流通電し、クラッチが直結状態になるようにする。

0068

上記通常時直結モードマップは、直結時において必要とする電磁粉式クラッチ52による伝達トルクをエンジン回転数NE 、及びスロットル開度THθに対応する上記ON時間TONをパラメータとして予め実験等により求め電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対する適正な制御電流値Isをマップ値としてROM67の一連のアドレスにストアされているものであり、ステップS32中に示すようにPWM信号のON時間TONが小さくスロットル開度THθが大きいほど必要とする伝達トルクが大きくなるため電磁粉式クラッチ52の直結状態を維持すべくクラッチコイル52に対する制御電流値Isが大きい値に設定され、且つエンジン回転数NE の上昇に応じて制御電流値Isが増大設定される。尚、上記通常時直結モードマップは詳しくは後述するが、アクセル開放の設定車速以上のときにも参照され、通常時直結モードマップには、スロットル弁全閉のアイドル状態時のクラッチ制御電流値Isも格納されており、上記ON時間TONがTON=TONAI(4ms)のスロットル弁全閉のアイドル時には、このアイドル時のON時間TON(=TONAI)とエンジン回転数NE とに基づいてアイドル時に対応するクラッチ制御電流値Isが設定される。

0069

そして、ステップS24へ戻り、上記ステップS32で設定した制御電流値Isをセットしてルーチンを抜ける。

0070

従って、Dレンジが選択されアクセルペダルが踏み込まれているときには、VSP>VSP5 の一定車速以上になると、TCU50のI/Oインターフェイス69の出力ポートから駆動回路72を介して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対し、上記ON時間によるスロットル開度THθとエンジン回転数NE とに応じて設定される制御電流値Isによる定格電流が通電されて、電磁粉式クラッチ52が直結状態となるよう制御される。

0071

又、上記ステップS31において、TON=TONDIのスロットル開度センサ系の故障と判断されるときには、ステップS33へ進み、エンジン回転数NE をパラメータとして故障時直結モードテーブルを参照してクラッチ制御電流値Isを設定する。

0072

この故障時直結モードテーブルは、ステップS33中に示すように、スロットル開度センサ系の故障時に対応し得る値として、スロットル弁全開時において電磁粉式クラッチ52を直結状態に維持し得るクラッチ制御電流値Isがエンジン回転数NE をパラメータとしてROM67の一連のアドレスにストアされるものであり、上記通常時直結モードマップにおけるスロットル全開に対応するクラッチ制御電流値Isがストアされている。

0073

そして、ステップS24へ戻り、上記ステップS33で設定した制御電流値Isをセットしてルーチンを抜ける。

0074

従って、TON=TONDIのスロットル開度センサ系の故障時は、直結モード選択時には常時、TCU50のI/Oインターフェイス69の出力ポートから駆動回路72を介して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対し、スロットル弁全開に対応する高い値の制御電流値Isによる定格電流が通電されて、例えスロットル弁が全開の最大トルク伝達要求時であっても電磁粉式クラッチ52の直結状態が維持されてクラッチの滑りが確実に防止される。

0075

一方、上記ステップS28で、Dsレンジ或いはRレンジのときには、ステップS34へ進み、車速VSPと第4の車速設定値VSP4 とを比較する。この第4の車速設定値VSP4 は、Dsレンジ或いはRレンジにおける車輌発進状態を判断するものであり、Dsレンジ或いはRレンジのときにはDレンジに対して最終減速比が大きいため、Dレンジにおける車輌発進状態を判断するための上記第5の車速設定値VSP5 よりも低い値に設定され、例えばVSP4 =18km/hに設定されている。従って、Dsレンジ或いはRレンジ選択においてVSP≦VSP4 の車輌発進時には、ステップS35へ進み、エンジン回転数NE をパラメータとしてDs,Rレンジ選択による車輌発進時に適合するテーブルを検索し補間計算によってクラッチコイル52cに対するクラッチ制御電流値Isを設定する。尚、上記テーブルは、Ds,Rレンジによる車輌発進時における電磁粉式クラッチ52による必要伝達トルクをエンジン回転数NE をパラメータとして予め実験等により求め電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対する適正な制御電流値Isをテーブル値としてROM67の一連のアドレスにストアされているものであり、Dレンジよりも必要伝達トルクが高いためステップS35中に示すようにDレンジの時に選択されるテーブル(ステップS30参照)よりもクラッチ制御電流値Isが相対的に高い値に設定されている。

0076

そして、ステップS24へ戻り、上記ステップS35で設定した制御電流値Isをセットしてルーチンを抜ける。

0077

従って、Dsレンジ或いはRレンジ選択時、アクセルペダルの踏み込みによりエンジン回転数が増加すると、TCU50のI/Oインターフェイス69の出力ポートから駆動回路72を介して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対し、エンジン回転数NE の増加に比例したDレンジ選択時よりも高い値のクラッチ制御電流が通電され、必要伝達トルクの高いDs或いはRレンジにおける発進時に対応したクラッチトルク制御が行われ、アクセルペダルの踏み込みに応じたレスポンスの良い発進加速性能が得られる。

0078

又、Ds或いはRレンジにおいてアクセルペダルが踏み込まれており、上記ステップS34においてVSP>VSP4 の一定車速以上になると、上述のステップS31へ進み、ステップS31ないしS33の処理により、同様に、ECU40からのPWM信号のON時間TONに基づいてスロットル開度センサ系の故障を判断し、TON≠TONDIのスロットル開度センサ系の正常時には通常時直結モードマップを参照して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対する制御電流値Isを設定し、TON=TONDIのスロットル開度センサ系の故障と判断されるときには故障時直結モードテーブルを参照して常時スロットル弁全開に対応する高い値のクラッチ制御電流値Isを設定してフェイルセーフを行う。

0079

一方、走行レンジによる車輌走行時においてアクセルペダルが開放されると、アクセルスイッチ75のOFFにより、ステップS21,S22,S25を介して前記ステップS26へ進み、車速VSPと前記第1の車速設定値(8km/h)とを比較し、VSP>VSP1 のときには、ステップS36へ分岐し、ステップS36で、Dレンジか否かを判断する。

0080

そして、Dレンジが選択されているときにはステップS37へ進み、車速VSPと第3の車速設定値VSP3 とを比較する。上記第3の車速設定値VSP3 は、Dレンジにおける車輌処理状態を判断するものであり、例えばVSP3 =21km/hに設定されている。従って、Dレンジ選択においてVSP≦VSP3 の車輌減速時には、アクセル開放後、直結モードから上述のドラッグモードへの移行に備え、ステップS38へ進み、電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対するクラッチ制御電流値Isをに設定し(Is←0)、ステップS24へ戻り、上記ステップS38で設定した制御電流値Isをセットしてルーチンを抜ける。

0081

従って、Dレンジによるアクセル開放時、車速VSPが低下してVSP≦VSP3 になると、TCU50のI/Oインターフェイス69の出力ポートから駆動回路72を介して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに通電されるクラッチ制御電流が零となり、上述のドラッグモードへの移行に備えられる。

0082

又、Dレンジが選択されアクセル開放状態であっても、上記ステップS37においてVSP>VSP3 で、車速VSPが第3の車速設定値VSP3 に低下するまでは、上記ステップS31へ進み、直結モードを維持し、ステップS31ないしS33の処理により、同様に、ECU40からのPWM信号のON時間TONに基づいてスロットル開度センサ系の故障を判断し、TON≠TONDIのスロットル開度センサ系の正常時には通常時直結モードマップを参照して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対する制御電流値Isを設定し、TON=TONDIのスロットル開度センサ系の故障と判断されるときには故障時直結モードテーブルを参照して常時スロットル弁全開に対応する高い値のクラッチ制御電流値Isを設定してフェイルセーフを行う。

0083

一方、上記ステップS36で、Dsレンジ或いはRレンジのときには、ステップS39へ進み、車速VSPと第2の車速設定値VSP2 とを比較する。この第2の車速設定値VSP2 は、Dsレンジ或いはRレンジにおける車輌減速状態を判断するものであり、Ds或いはRレンジのときにはDレンジに対して最終減速比が大きいため、Dレンジににおける車輌減速状態を判断するための上記第3の車速設定値VSP3 よりも低い値に設定され、例えばVSP2 =12km/hに設定されている。従って、Ds或いはRレンジ選択におけるアクセル開放の車輌減速時においてVSP≦VSP2 となると、同様にアクセル開放後、直結モードからドラッグモードへの移行に備え、上記ステップS38へ進み、電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対するクラッチ制御電流値Isを零に設定する(Is←0)。

0084

又、Ds或いはRレンジが選択されアクセル開放状態であっても、上記ステップS39においてVSP>VSP2 で、車速VSPが第2の車速設定値VSP2に低下するまでは、上記ステップS31へ進み、ステップS31ないしS33の処理により、同様に、直結モードを維持し、ECU40からのPWM信号のON時間TONに基づいてスロットル開度センサ系の故障を判断し、TON≠TONDIのスロットル開度センサ系の正常時には通常時直結モードマップを参照して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対する制御電流値Isを設定し、TON=TONDIのスロットル開度センサ系の故障と判断されるときには故障時直結モードテーブルを参照して常時スロットル弁全開に対応する高い値のクラッチ制御電流値Isを設定してフェイルセーフを行う。

0085

ところで、ECU40からTCU50へスロットル開度データとしてPWM信号を送信するPWM信号用通信ラインが断線した場合、TCU50に入力されるPWM信号のON時間TONは0msないし0ms近傍の値を示し、TCU50においてこのON時間TONとエンジン回転数NE とに基づいて設定する電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対するクラッチ制御電流値Isは、PWM信号のON時間TONが小さいほど大きい値に設定されるため、スロットル弁全開に相当する大きい値に設定される(ステップS32参照)。従って、ECU40からTCU50へのPWM信号用通信ラインが断線した場合であっても、直結モード選択時には常時、TCU50のI/Oインターフェイス69の出力ポートから駆動回路72を介して電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対し、スロットル弁全開に対応する高い値の制御電流値Isによる定格電流が通電されて、例えばスロットル弁が全開の最大トルク伝達要求時であっても電磁粉式クラッチ52の直結状態が維持されてクラッチの滑りが確実に防止されることになる。

0086

又、ECU40においてスロットル開度THθに基づきスロットル弁全閉のアイドル状態と判断されたときには、PWM信号のON時間TONがスロットル全閉側の通常使用しない長い時間TONAIに設定され(TON=4.0ms)、TCU50側においてはこのPWM信号のON時間TONに基づきアイドル状態か否かを判断することが可能となり、電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対するクラッチ制御電流値Isをアイドル時に対応する値に設定することができ、スロットル弁全閉のアイドル状態をECU40と同期して認識することができて、ECU40とTCU50との制御タイミングのずれが生じることなく、信頼性の高い良好な制御性能が得られる。

0087

更に、ECU40においてスロットル開度センサ系の故障と判断されたときには、PWM信号のON時間TONがスロットル全開側の通常使用しない短い時間TONDIに設定され(TON=0.4ms)、TCU50側においてはこのPWM信号のON時間TONに基づきTON=TONDIか否かによりスロットル開度センサ系の故障を判断することが可能となって、スロットル開度センサ系の故障をECU40と同期して認識することができ、電磁粉式クラッチ52のクラッチコイル52cに対するクラッチ制御電流値Isをスロットル開度センサ系の故障時に対応し得る値としてスロットル弁全開に対応する高い値に設定してフェイルセーフを行い安全サイドに制御が行われ、この場合においても、ECU40とTCU50との制御タイミングのずれが生じることなく、信頼性の高い良好な制御性能が得られる。

0088

又、TCU50においては、電磁粉式クラッチ52に対する上述のクラッチトルク制御以外に、ECVT54のプライマリプーリ57とセカンダリプーリ58との溝幅を、スロットル開度THθを表すPWM信号のON時間TONとエンジン回転数NE とに基づき可変設定して、エンジン運転状態に応じた変速比制御を行っており、スロットル開度センサ系の故障と判断されるときには(TON=TONDI)、ECVT54に対してもフェイルセーフが実行されることになる。

0089

尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、第1の制御装置を変速機制御装置(TCU)とし、第2の制御装置をエンジン制御装置(ECU)として、変速機制御装置にスロットル開度センサからの信号を入力し、変速機制御装置からスロットル開度情報をPWM信号によってエンジン制御装置に出力するようにし、エンジン制御装置においてこのPWM信号のON時間に基づきスロットル開度情報を判断して燃料噴射量制御等に用いるようにしても良い。更に、トラクション制御装置、或いはクルーズ制御装置等に対してスロットル開度情報をPWM信号によって与えるものにおいても適用できるのは勿論である。

発明の効果

0090

請求項1記載の発明によれば、第1の制御装置においてスロットル開度情報をパルス幅変調信号によって第2の制御装置へ出力するに際し、パルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力し、第2の制御装置では、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定するので、第1の制御装置から第2の制御装置にスロットル開度情報として出力されるパルス幅変調信号のON時間はスロットル開度が大きいほど短くなり、第1の制御装置と第2の制御装置とを接続するパルス幅変調信号通信用ラインが断線した場合には、スロットル全開時よりも短いON時間に相当するパルス幅のパルス幅変調信号が第2の制御装置に入力し、第2の制御装置における制御対象に対する制御量がスロットル弁全開に対応する値に設定され、従って、制御対象を安全サイドで制御することができる。

0091

請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、第1の制御装置においてスロットル開度情報をパルス幅変調信号によって第2の制御装置へ出力するに際し、スロットル開度信号に基づきスロットル開度センサ系の故障を診断し、スロットル開度センサ系の正常時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力し、又、スロットル開度センサ系の故障時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル全開側の通常使用しない短い時間に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力し、第2の制御装置では、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定し、上記パルス幅変調信号のON時間が通常使用しないスロットル全開側の短い時間のときには制御対象に対する制御量を故障時に対応し得る値に設定するので、第1の制御装置から第2の制御装置にスロットル開度情報として出力されるパルス幅変調信号のON時間はスロットル開度が大きいほど短くなり、又、スロットル開度センサ系の故障時には更に短い通常使用しない値に設定され、第2の制御装置においては、このパルス幅変調信号のON時間に基づき容易にスロットル開度センサ系の故障を判断することが可能となって、スロットル開度センサ系の故障を第1の制御装置と同期して認識することができ、制御対象に対する制御量をスロットル開度センサ系の故障時に対応し得る値に設定してフェイルセーフを行い安全サイドに制御が行われ、第1の制御装置と第2の制御装置との間で故障判定のずれが生じることなく、第1の制御装置と第2の制御装置との制御タイミングが一致して、信頼性の高い良好な制御性能が得られる。

0092

又、第2の制御装置にスロットル開度センサ系の故障判定するための特殊な故障診断機能を組み込むことなく実現できる効果を有する。

0093

請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、第1の制御装置においてスロットル開度情報をパルス幅変調信号によって第2の制御装置へ出力するに際し、スロットル開度信号に基づきアイドル状態か否かを判断し、非アイドル状態時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力し、又、アイドル状態時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル全閉側の通常使用しない長い時間に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力し、第2の制御装置では、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定し、上記パルス幅変調信号のON時間が通常使用しない長い時間のときには制御対象に対する制御量をアイドル時に対応する値に設定するので、第1の制御装置から第2の制御装置にスロットル開度情報として出力されるパルス幅変調信号のON時間はスロットル開度が大きいほど短くなり、又、アイドル状態時には通常使用しない長い値に設定され、第2の制御装置においては、このパルス幅変調信号のON時間に基づき容易にスロットル弁全閉のアイドル状態を判断することが可能となって、アイドル状態を第1の制御装置と同期して認識することができ、制御対象に対する制御量をアイドル時に対応して適正な値に設定することができて、第1の制御装置と第2の制御装置との間でアイドル判定のずれが生じることなく、第1の制御装置と第2の制御装置との制御タイミングが一致して、信頼性の高い良好な制御性能が得られる。

0094

又、第2の制御装置にアイドル判定を行うための回路を、別途組込むことなく、構成簡素にして実現できる効果を有する。

0095

請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、第1の制御装置においてスロットル開度情報をパルス幅変調信号によって第2の制御装置へ出力するに際し、スロットル開度信号に基づきスロットル開度センサ系の故障を診断すると共に、スロットル開度信号に基づきアイドル状態か否かを判断し、スロットル開度センサ系の正常時且つ非アイドル状態時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル開度に対して減少関数的な値に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力し、又、スロットル開度センサ系の故障時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル全開側の通常使用しない短い時間に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力し、更に、アイドル状態時にはパルス幅変調信号のON時間をスロットル全閉側の通常使用しない長い時間に設定して該パルス幅変調信号を第2の制御装置へ出力し、第2の制御装置では、少なくとも上記パルス幅変調信号のON時間に基づいて制御対象に対する制御量を設定し、上記パルス幅変調信号のON時間が通常使用しない短い時間のときには制御対象に対する制御量を故障時に対応し得る値に設定し、又、上記パルス幅変調信号のON時間が通常使用しない長い時間のときには制御対象に対する制御量をアイドル時に対応する値に設定するので、第1の制御装置から第2の制御装置にスロットル開度情報として出力されるパルス幅変調信号のON時間は、スロットル開度センサ系の正常時且つ非アイドル状態時にはスロットル開度が大きいほど短くなり、又、スロットル開度センサ系の故障時には更に短い通常使用しない値に設定され、アイドル状態時には通常使用しない長い値に設定され、第2の制御装置においては、このパルス幅変調信号のON時間に基づき容易にスロットル開度センサ系の故障、或いはスロットル弁全閉のアイドル状態を判断することが可能となって、スロットル開度センサ系の故障、或いはアイドル状態を第1の制御装置と同期して認識することができ、スロットル開度センサ系の故障時には、制御対象に対する制御量をスロットル開度センサ系の故障時に対応し得る値に設定してフェイルセーフを行い安全サイドに制御が行われ、第1の制御装置と第2の制御装置との間で故障判定のずれが生じることなく、第1の制御装置と第2の制御装置との制御タイミングが一致し、又、アイドル時には、制御対象に対する制御量をアイドル時に対応して適正な値に設定することができて、第1の制御装置と第2の制御装置との間でアイドル判定のずれが生じることなく、第1の制御装置と第2の制御装置との制御タイミングが一致して、信頼性の良好な制御性能が得られる。

0096

又、第2の制御装置に、スロットル開度センサ系の故障判定するための特殊な故障診断機能、及びアイドル判定を行うための回路を、別途組込むことなく、構成簡素にして実現できる効果を有する。

0097

請求項5記載の発明では、請求項1ないし請求項4記載の発明において、上記第1の制御装置をエンジン制御装置、第2の制御装置を変速機制御装置とし、又、上記制御対象を動力伝達手段とするので、各請求項に対応して下記の効果がある。

0098

1)請求項1記載の発明において、第1の制御装置をエンジン制御装置、第2の制御装置を変速機制御装置とし、又、上記制御対象を動力伝達手段とすれば、エンジン制御装置では、入力されたスロットル開度信号に基づいて設定するパルス幅変調信号のON時間が、スロットル開度に対して減少関数的な値に設定されるので、エンジン制御装置と変速機制御装置とを接続するパルス幅変調信号用通信ラインが断線した場合であっても、変速機制御装置には、スロットル全閉時よりも短いON時間に相当するパルス幅の変調信号が入力されるため、動力伝達手段に対する制御量がスロットル弁全開に対応する値に設定され、従って、動力伝達手段を安全サイドで制御することができ、フェイルセーフを行うことが可能となる。

0099

2)請求項2記載の発明において、第1の制御装置をエンジン制御装置、第2の制御装置を変速機制御装置とし、又、上記制御対象を動力伝達手段とすれば、エンジン制御装置では、入力されたスロットル開度信号に基づきスロットル開度センサ系の故障を診断し、スロットル開度センサ系が故障と判断されるときには、変速機制御装置へスロットル開度情報を与えるパルス幅変調信号のON時間を、スロットル全開側の通常使用しない短い時間に設定するので、パルス幅変調信号のON時間に基づき動力伝達手段に対する制御量を設定する変速機制御装置では、このパルス幅変調信号のON時間により容易にスロットル開度センサ系の故障をエンジン制御装置に同期して認識することができ、従って、エンジン制御装置と変速機制御装置との間で、故障判定のタイミングにずれが生じることなく、フェイルセーフを同時に行うことが可能となり、信頼性の高い良好な制御性能が得られ、又、変速機制御装置にスロットル開度センサ系の故障判定するための特殊な故障診断機能を組み込むことなく実現することができる。

0100

3)請求項3記載の発明において、第1の制御装置をエンジン制御装置、第2の制御装置を変速機制御装置とし、又、上記制御対象を動力伝達手段とすれば、エンジン制御装置では、入力されたスロットル開度信号に基づいてスロットル弁全閉のアイドル状態を判断し、アイドル状態時には、変速機制御装置へスロットル開度情報を与えるパルス幅変調信号のON時間を、スロットル全閉側の通常使用しない長い時間に設定するので、パルス幅変調信号のON時間に基づき動力伝達手段に対する制御量を設定する変速制御装置では、このパルス幅変調信号のON時間により容易にアイドル状態をエンジン制御装置に同期して認識することができ、従って、エンジン制御装置と変速機制御装置との間で、アイドル判定のタイミングにずれが生じることなく、スロットル弁全閉のアイドル状態に対応した制御を同時に行うことが可能となり、信頼性の高い良好な制御性能が得られ、又、変速機制御装置にアイドル判定を行うための回路を、別途組込むことなく、構成簡素にして実現することができる。

0101

4)請求項4記載の発明において、第1の制御装置をエンジン制御装置、第2の制御装置を変速機制御装置とし、又、上記制御対象を動力伝達手段とすれば、エンジン制御装置では、入力されたスロットル開度信号に基づきスロットル開度センサ系の故障を診断すると共にアイドル状態を判断し、スロットル開度センサ系が故障と判断されるときには、変速機制御装置へスロットル開度情報を与えるパルス幅変調信号のON時間を、スロットル全開側の通常使用しない短い時間に設定し、一方、アイドル状態時には、上記ON時間をスロットル全閉側の通常使用しない長い時間に設定するので、パルス幅変調信号のON時間に基づき動力伝達手段に対する制御量を設定する変速制御装置では、このパルス幅変調信号のON時間により容易にスロットル開度センサ系の故障、或いはアイドル状態をエンジン制御装置に同期して認識することができる。従って、エンジン制御装置と変速機制御装置との間で、故障判定のタイミングにずれが生じることなく、フェイルセーフを同時に行うことが可能となり、又、アイドル判定のタイミングについてもずれが生じることなく、スロットル弁全閉のアイドル状態に対応した制御を同時に行うことが可能となり、何れにおいても信頼性の高い良好な制御性能を得ることができ、しかも変速機制御装置に、スロットル開度センサ系の故障判定するための特殊な故障診断機能、及びアイドル判定を行うための回路を、別途組込むことなく、構成簡素にして実現することができる。

図面の簡単な説明

0102

図1本発明の基本構成図
図2エンジン制御装置において実行されるON時間設定ルーチンを示すフローチャート
図3エンジン制御装置において実行されるON時間設定ルーチンを示すフローチャート(続き
図4変速機制御装置において実行されるクラッチ制御ルーチンを示すフローチャート
図5変速機制御装置において実行されるクラッチ制御ルーチンを示すフローチャート(続き)
図6スロットル開度とスロットル開度センサの出力電圧との関係を示す説明図
図7スロットル開度に基づくアイドル判定のヒステリシスを示す説明図
図8アイドル判定時、スロットル開度センサ系の故障時、並びにスロットル開度と、パルス幅変調信号のON時間との関係を示す説明図
図9エンジンの全体概略図
図10車輌の動力伝達系の全体概略図
図11エンジン制御装置及び変速機制御装置の回路構成
図12パルス幅変調信号の説明図
図13従来例に係わり、スロットル開度とパルス幅変調信号のON時間との関係を示す説明図
図14従来例に係わり、エンジン制御装置と変速機制御装置との通信ラインの接続を示す説明図

--

0103

7スロットル弁
12スロットル開度センサ
40エンジン制御装置(第1の制御装置)
50変速機制御装置(第2の制御装置)
52電磁粉式クラッチ(制御対象)
THθスロットル開度
TONパルス幅変調信号のON時間
Isクラッチ制御電流値(制御量)

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