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技術 ランゲルハンス細胞を含有する皮膚等価物

出願人 ロレアル
発明者 ライナー・シュミットマルセル・レグニエダニエル・シュミットマリー-ジャンヌ・スタキュー
出願日 1997年1月22日 (23年1ヶ月経過) 出願番号 1997-009578
公開日 1997年8月5日 (22年6ヶ月経過) 公開番号 1997-201410
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 医療用材料 補綴
主要キーワード 実体物 真皮等価物 接触アレルゲン ケラチン合成細胞 カルシウム含有量 皮膚等価物 シトキン 生存状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年8月5日)のものです。
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課題

ランゲルハンス細胞生存し、組織学的研究に有用な新規皮膚等価物およびその製法を提供する。

解決手段

ケラチン細胞と、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を、支持体上にて共培養させる。

概要

背景

機械的領域および生理学的領域の双方における皮膚の役割を十分に理解するために必要な研究を行うことを可能にする再生(reconstructed)皮膚モデルを開発する試みが数年にわたってなされている。

しかして、多かれ少なかれヒトの皮膚に似たモデルを開発することは可能である。例えば、欧州特許第285471号、欧州特許第285474号、欧州特許第418035号、国際特許公開第90/02796号、国際特許公開第9116010号、欧州特許第197090号、欧州特許第20753号、仏国特許第2665175号、仏国特許第2689904号の特許または特許出願の公報に記載されているモデルを挙げることができる。

これらの公報に記載されている最も一般的な再生皮膚モデルは、ヒトのケラチン細胞ケラチン合成細胞ケラチノサイト)が支持体上に、多くの場合は真皮等価物(dermis equivalent)上に付着させられ、表皮等価物の形成に至る分化プログラムになるような条件下で培養されてなる。

しかしながら、天然のヒトの表皮は、主として、最も多いケラチン細胞、メラニン細胞メラニン形成細胞メラノサイト)、ランゲルハンス細胞の3種の細胞からなる。これらの細胞の各々は、皮膚が体において担う固有の役割に、それ自身の機能をもって寄与している。ランゲルハンス細胞は、皮膚の免疫防御関与している。これらの細胞が、ホストの免疫防御において、特に外部からの攻撃に対する最初の障壁として、本質的な位置を占めていることは永く公知である。

ランゲルハンス細胞は、ビルベック(Birbech)顆粒の存在と、CD1a抗原標識[CD1a−正細胞(positive cell)]の発現により特徴付けられる、骨髄由来する細胞である[ローデン(Rowden)ら、ネイチャー(Nature) 268:247-248、1977]。それらは、皮膚に浸入してきた抗原、またはそれにより生じた新たな抗原に対して免疫応答を開始するという重要な役割を担っている。アレルゲンと接触すると、ランゲルハンス細胞は神経節に移動し、そこで、T細胞特異反応を引き起こす。このようにして、Tリンパ球を正確に機能させるのに必須である抗原供与細胞同化する。

このように、ランゲルハンス細胞の主な機能は、接触アレルゲン腫瘍抗原および微生物を含む、多種の抗原に対して誘発される皮膚の免疫応答において敏感な信号を発することである。

よって、これらの細胞は、おそらく、多くの皮膚病に関与しているであろうと結論付けることができる。

概要

ランゲルハンス細胞が生存し、組織学的研究に有用な新規皮膚等価物およびその製法を提供する。

ケラチン細胞と、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を、支持体上にて共培養させる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
6件

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請求項1

支持体上に表皮等価物を含有し、該表皮等価物が少なくともケラチン細胞と、少なくともランゲルハンス細胞誘導または非誘導前駆体を含有することを特徴とする皮膚等価物

請求項2

支持体が、コラーゲン繊維芽細胞合物格子、予め表皮が除去された真皮人工膜、コラーゲンをベースとした皮下代用物プラスティック、または細胞生存に適した支持体から選択されることを特徴とする請求項1に記載の皮膚等価物。

請求項3

支持体が、予め表皮が除去された真皮からなることを特徴とする請求項2に記載の皮膚等価物。

請求項4

メラニン細胞をさらに含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の皮膚等価物。

請求項5

ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体が、表皮等価物の上基底部局在していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の皮膚等価物。

請求項6

ケラチン細胞と、少なくともランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体とを支持体上で共培養させることを特徴とする皮膚等価物の調製方法

請求項7

支持体上で共培養される、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体に対するケラチン細胞の数の比が、共培養中の全細胞数パーセンテージで、95/5〜25/75であることを特徴とする請求項6に記載の方法。

請求項8

支持体上で共培養される、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体に対するケラチン細胞の数の比が、共培養中の全細胞数のパーセンテージで、75/25〜35/65であることを特徴とする請求項7に記載の方法。

請求項9

支持体上で共培養される、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体に対するケラチン細胞の数の比が、共培養中の全細胞数のパーセンテージで、50/50であることを特徴とする請求項8に記載の方法。

請求項10

ケラチン細胞が、正常または病的な皮膚のサンプルに由来する分離した表皮の培養、または正常または病的な髪の濾胞から得られたケラチン細胞の培養により得られたものであることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

ケラチン細胞が、正常または病的な皮膚のサンプルから得られたものであることを特徴とする請求項10に記載の方法。

請求項12

ランゲルハンス細胞の前駆体が、骨髄末梢血液、または臍帯血液から精製されたものであることを特徴とする請求項6ないし11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

ランゲルハンス細胞の前駆体が、臍帯血液から精製されたものであることを特徴とする請求項12に記載の方法。

請求項14

ランゲルハンス細胞の前駆体が、CD34+造血細胞であることを特徴とする請求項6ないし13のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

ランゲルハンス細胞の前駆体の分化が、それらを共培養する前または後に誘導されることを特徴とする請求項6ないし14のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

ランゲルハンス細胞の前駆体の分化が、それらの共培養後に誘導されることを特徴とする請求項15に記載の方法。

請求項17

ランゲルハンス細胞の前駆体の分化が、ケラチン細胞の存在下での培養、ケラチン細胞が予め培養された培地中での培養、コロニー刺激因子腫瘍壊死因子幹細胞因子インターロイキン−3またはインターロイキン−4から選択されるシトキンの存在下での培養から選択される方法で誘導されることを特徴とする請求項15または16に記載の方法。

請求項18

分化が、ケラチン細胞の存在下での培養、ケラチン細胞が予め培養された培地中での培養、コロニー刺激因子、腫瘍壊死因子、幹細胞因子、インターロイキン−3またはインターロイキン−4から選択されるシトキンの存在下での培養から選択される方法の少なくとも2つの組み合わせにより誘導されることを特徴とする請求項17に記載の方法。

請求項19

分化が、ケラチン細胞および少なくとも1つのシトキンの存在下での培養、またはシトキン混合物の存在下での培養により誘導されることを特徴とする請求項18に記載の方法。

請求項20

分化が、コロニー刺激因子と腫瘍壊死因子の混合物により誘導されることを特徴とする請求項19に記載の方法。

請求項21

シトキンが、1ng/ml〜400ng/mlの濃度で存在することを特徴とする請求項6ないし20のいずれか1項に記載の方法。

請求項22

シトキンが、2.5ng/ml〜300ng/mlの濃度で存在することを特徴とする請求項21に記載の方法。

請求項23

コロニー刺激因子の濃度が、100ng/ml〜400ng/mlであることを特徴とする請求項6ないし22のいずれか1項に記載の方法。

請求項24

コロニー性刺激因子の濃度が、200ng/ml〜300ng/mlであることを特徴とする請求項23に記載の方法。

請求項25

腫瘍壊死因子の濃度が、1ng/ml〜7.5ng/mlであることを特徴とする請求項6ないし24のいずれか1項に記載の方法。

請求項26

腫瘍壊死因子の濃度が、2.5ng/ml〜5ng/mlであることを特徴とする請求項25に記載の方法。

請求項27

コロニー性刺激因子/腫瘍壊死因子の混合物の場合、該混合物の割合が、重量比で400/1〜13/1であることを特徴とする請求項20に記載の方法。

請求項28

コロニー性刺激因子/腫瘍壊死因子の混合物の重量比が、120/1〜40/1であることを特徴とする請求項27に記載の方法。

請求項29

ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体が、表皮等価物の上基底部に局在化するときに、ケラチン細胞とともに共培養に配することを特徴とする請求項6ないし28のいずれか1項に記載の方法。

請求項30

ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体が、表皮等価物の上基底層が形成され始める瞬間から、分化したケラチン細胞が角質層の第1層を形成し始める瞬間までの間で選択される時期に培養に配されることを特徴とする請求項29に記載の方法。

請求項31

ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体が、表皮等価物の上基底層が形成され始める瞬間から、空気/液体の界面を通過した後で培養の2日目との間で選択される時期に共培養に配されることを特徴とする請求項30に記載の方法。

請求項32

メラニン細胞を、さらに共培養することを特徴とする請求項6ないし31のいずれか1項に記載の方法。

請求項33

少なくともケラチン細胞と、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を含有することを特徴とする表皮等価物。

請求項34

メラニン細胞を、さらに含有することを特徴とする請求項33に記載の表皮等価物。

請求項35

ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体が、上基底部に局在化していることを特徴とする請求項33または34に記載の表皮等価物。

技術分野

0001

本発明は、新規皮膚等価物(skin equivalent)、その製造方法、該皮膚等価物に含まれる表皮等価物(epidermis equivalent)、およびその調製方法に関する。

背景技術

0002

機械的領域および生理学的領域の双方における皮膚の役割を十分に理解するために必要な研究を行うことを可能にする再生(reconstructed)皮膚モデルを開発する試みが数年にわたってなされている。

0003

しかして、多かれ少なかれヒトの皮膚に似たモデルを開発することは可能である。例えば、欧州特許第285471号、欧州特許第285474号、欧州特許第418035号、国際特許公開第90/02796号、国際特許公開第9116010号、欧州特許第197090号、欧州特許第20753号、仏国特許第2665175号、仏国特許第2689904号の特許または特許出願の公報に記載されているモデルを挙げることができる。

0004

これらの公報に記載されている最も一般的な再生皮膚モデルは、ヒトのケラチン細胞ケラチン合成細胞ケラチノサイト)が支持体上に、多くの場合は真皮等価物(dermis equivalent)上に付着させられ、表皮等価物の形成に至る分化プログラムになるような条件下で培養されてなる。

0005

しかしながら、天然のヒトの表皮は、主として、最も多いケラチン細胞、メラニン細胞メラニン形成細胞メラノサイト)、ランゲルハンス細胞の3種の細胞からなる。これらの細胞の各々は、皮膚が体において担う固有の役割に、それ自身の機能をもって寄与している。ランゲルハンス細胞は、皮膚の免疫防御関与している。これらの細胞が、ホストの免疫防御において、特に外部からの攻撃に対する最初の障壁として、本質的な位置を占めていることは永く公知である。

0006

ランゲルハンス細胞は、ビルベック(Birbech)顆粒の存在と、CD1a抗原標識[CD1a−正細胞(positive cell)]の発現により特徴付けられる、骨髄由来する細胞である[ローデン(Rowden)ら、ネイチャー(Nature) 268:247-248、1977]。それらは、皮膚に浸入してきた抗原、またはそれにより生じた新たな抗原に対して免疫応答を開始するという重要な役割を担っている。アレルゲンと接触すると、ランゲルハンス細胞は神経節に移動し、そこで、T細胞特異反応を引き起こす。このようにして、Tリンパ球を正確に機能させるのに必須である抗原供与細胞同化する。

0007

このように、ランゲルハンス細胞の主な機能は、接触アレルゲン腫瘍抗原および微生物を含む、多種の抗原に対して誘発される皮膚の免疫応答において敏感な信号を発することである。

0008

よって、これらの細胞は、おそらく、多くの皮膚病に関与しているであろうと結論付けることができる。

発明が解決しようとする課題

0009

国際特許公開第90/02796号公報においては、新鮮な皮膚のサンプルから単離されたランゲルハンス細胞を、皮膚の3次元培養ステムにおいて、メラニン細胞およびケラチン細胞の培養に添加することが提案されている。同じ公報には、このような細胞の培養における成長は困難であることが記載されている。実際、皮膚サンプルから精製されたランゲルハンス細胞が、CD1a−陽性細胞(positive cells)になる点まで分化サイクルが進行した前駆体から誘導された細胞であり、これらの単離された細胞では分化サイクルがもはや進行しない場合がしかりである。

0010

このような細胞の in vitro における培養は、これらの細胞の増殖能力欠如のため、生存状態を維持することが中心である。実際、これらの細胞は、その役割を果たさないまま停止して死ぬ。これらの細胞が、再生皮膚モデルに導入された場合も同様である。よって、この公報において、ランゲルハンス細胞の導入が示唆されていたとしても、ランゲルハンス細胞が生存していないため、得られた再生皮膚モデルは満足のいくものではなかった。

0011

メラニン細胞は、表皮の基底層に位置する。それらは、メラニン形成部位であり、ケラチン細胞に接触しているため、メラノソームの形態で新たに合成された(neosynthesized)メラニンをケラチン細胞に移行させ、皮膚に色を付与する。メラノソームに含有されるメラニンの種類および量により皮膚の色が決定される。さらに、メラニンは、主に、太陽光線、特に紫外線に対する保護のための効果的なバリアを構成する。メラニン細胞を組み込んだ再生皮膚モデルは国際特許公開第9351165号に記載されている。

0012

よって、従来技術において記載されている再生皮膚モデルでは、皮膚の反応および/または役割を研究するには不完全であった。実際、これらのモデルでは、ランゲルハンス細胞、すなわち、皮膚の免疫防御に必須の細胞がないので、 invitro での免疫学の研究には使用することはできなかった。さらに、ランゲルハンス細胞が構成する皮膚の必須成分の欠如により、これらのモデルで行われる薬理学および/または毒理学の研究では、相互作用真実の一部のみしか反映することができなかったと思われる。

0013

いわゆる敏感肌および/またはアレルギー肌に関連した症状に至る自然現象、すなわちこのようなモデルにより更に理解することができる現象に関係なく、一般に産業、特に化粧品産業では、その組成物中へ新規の化合物をますます多く導入しつつある。産業が直面する大きな問題の1つは、これらの化合物が皮膚と接触して誘発するかもしれない有害な影響、特に、接触性感作(contact sensitization)の評価である。

0014

倫理上の理由から、この評価を、ヒトまたは動物で行うことはできないことは明らかである。

0015

よって、皮膚の防御メカニズムを把握することにより、いわゆる敏感肌および/またはアレルギー肌に関与した症状をよりよく理解することができ、産業上使用できる可能性がある化合物の有害な影響の評価を行うことができる in vitroのモデルの価値が理解できる。

0016

しかして、永年にわたり、再生皮膚の分野に興味を抱いていた本出願人は、再生皮膚モデルに、ランゲルハンス細胞の事前に誘導させたまたは誘導させていない前駆体を少なくとも導入することが可能であることを見いだした。

0017

よって、本発明の主題は、支持体上に表皮等価物を有し、該表皮等価物が少なくともケラチン細胞と、少なくともランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を含有することを特徴とする再生皮膚モデルにある。

0018

この明細書中において、「ランゲルハンス細胞の誘導前駆体」なる表現は、正常なものであろうと病的なものであろうと、共培養(co-culture)に配される前に、ランゲルハンス細胞の特徴を付与することを意図した少なくとも1つの処理を受けた任意の細胞を含むものであり、すなわち、この細胞によるCD1a−陽性の取得等を前もって判断しないCD1a−正細胞を含むものである。

0019

正常な皮膚において、ランゲルハンス細胞は、表皮の上基底部(suprabasal part)に位置している。

0020

好ましくは、本発明の再生皮膚モデルは、表皮等価物の上基底部に位置する、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を少なくとも有する。

0021

本発明の皮膚等価物が、それに導入されうる、他の任意の種類の細胞を含有してもよいことは明らかに理解される。

0022

本出願人は、支持体上に表皮等価物を有し、該表皮等価物が、少なくともケラチン細胞と、少なくともランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を含有する皮膚等価物を調製する方法を確立することに成功した。

0023

また、本発明の主題は、ケラチン細胞と、少なくともランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を、支持体上で共培養することを特徴とする、上述した皮膚等価物の調製方法にある。

0024

理解の容易のために、「共培養」という用語(またはこれに関連した用語)の使用は、再生皮膚モデルの形成を許容する支持体上で行われる細胞培養を指すものと解すべきであり、必ずしも一以上の細胞種が存在することを意味するものではない。「培養」および「培養する」という用語は、この場合、従来の方法、例えば、伝統的な細胞培養皿においてなされる細胞培養に関するものとして解される。

0025

本発明で使用される支持体は、従来から知られているものの何れであってもよい。例えば、支持体としては、コラーゲン繊維芽細胞合格子(lattices)、予め表皮が除去された真皮人工膜、例えば、ミリポア(Millipore)(商標)のフィルター、コラーゲンをベースとした皮下代用物プラスティックまたは細胞の生存に適した他の任意の支持体を挙げることができる。

0026

好ましくは、支持体は、予め表皮が除去された真皮からなる。

0027

選択される支持体が何であれ、本発明で使用される手順は、従来から知られている任意の手順であってよい。

0028

好ましくは、本発明において、支持体が予め表皮が除去された真皮である場合は、プルエラス(Prunieras)らのAnn. Chir. Plast., 1979, 24, No.4, 357-362に記載されている手順が使用される。

0029

本発明において、少なくともケラチン細胞と、少なくともランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を含有する表皮等価物を得るために、少なくともケラチン細胞と、少なくともランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を、支持体上で、一緒に共培養する。

0030

本発明で使用されるケラチン細胞は、従来より公知の任意の方法で調製されうる。例えば、正常または病的な皮膚のサンプルに由来する分離した表皮の培養、または正常または病的な髪の濾胞(sheath)から得られたケラチン細胞の培養を挙げることができる。

0031

好ましくは、本発明で使用されるケラチン細胞は、レグニアー(Regnier)らの、マトリックス生物学の開拓(Frontier of Matrix Biology)、第9巻、4-35[カーガー(Karger), バーゼル(Basel) 1981]に記載されている方法で、正常または病的な皮膚のサンプルに由来する分離した表皮から調製される。

0032

ランゲルハンス細胞の前駆体は、誘導によってランゲルハンス細胞に分化可能な任意の幹細胞、すなわち、CD1a−陽性細胞への分化が可能な任意の幹細胞であってよい。好ましくは、これらの前駆体は、CD34+造血(haematopoietic)細胞[コウクス(Caux)ら、ネイチャー、第360巻、1992年11月、258]であってもよい。

0033

ランゲルハンス細胞の前駆体は、自然に生存する組織から精製されたものであってよく、このようなものとしては、骨髄、末梢血液臍帯血液を挙げることができる。

0034

好ましくは、末梢血液または臍帯血液から調製されたランゲルハンス細胞の前駆体、さらに好ましくは、臍帯血液から調製された前駆体が、本発明の方法において使用される。

0035

任意の精製方法をこの目的のために使用することができる。例えば、コウクスら、ネイチャー、第360巻、1992年11月、258に記載されているものを挙げることができる。

0036

本発明において、ランゲルハンス細胞の前駆体の分化の誘導は、それらを共培養する前または後に行ってよい。

0037

この誘導が、任意の公知の方法で行うことができることは明らかである。このような方法としては、例えば、シトキン、例えば、コロニー刺激因子顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子、すなわちGMCSF)、腫瘍壊死因子(TNF−α)、幹細胞因子(SCF)、インターロイキン−3またはインターロイキン−4、またはそれらの混合物により分化を誘導することが挙げられる。

0038

しかしながら、本出願人は、非常に驚くべきことに、ランゲルハンス細胞の前駆体の分化が、予めケラチン細胞が培養されていた培地でのこれらの前駆体の培養、またはケラチン細胞の存在により、自発的に誘導可能であることを見いだした。

0039

よって、ケラチン細胞の存在下では、ランゲルハンス細胞の前駆体とケラチン細胞を同時に培養することにより、培養中に誘導が生じるか、または支持体、例えば、表皮がない真皮上で、ケラチン細胞とランゲルハンス細胞の前駆体を共培養させることにより、共培養中に誘導が生じる。

0040

本発明において、ランゲルハンス細胞の前駆体の分化の誘導は、好ましくは、ケラチン細胞の存在下、さらに好ましくは、支持体上でケラチン細胞とランゲルハンス細胞の前駆体を共培養することにより行う。

0041

有利には、ランゲルハンス細胞の前駆体の分化の誘導は、少なくとも2つのこれらの方法の組み合わせ、例えば、ケラチン細胞および少なくとも1つのシトキンの存在下での培養、または、シトキン混合物、例えば、GM−CSFおよびTNF−αの組み合わせの存在下における培養により行うことができる。

0042

誘導に使用されるシトキン濃度は、使用されるシトキンの性質に依存することは明らかである。

0043

シトキンは、一般的に、1ng/ml〜400ng/ml、好ましくは、2.5ng/ml〜300ng/mlの濃度で存在する。よって、例えば、GM−CSFでは、濃度は、100ng/ml〜400ng/ml、好ましくは200ng/ml〜300ng/mlであってよい。TNF−αでは、濃度は、1ng/ml〜7.5ng/ml、好ましくは2.5〜5ng/mlであってよい。

0044

シトキンの混合物を使用する限りは、一つのシトキンの他のシトキンに対する割合は、使用されるシトキンの性質により変わる。例えば、GM−CSF/TNF−αの混合物の場合、割合は、重量比で400/1〜13/1、好ましくは120/1〜40/1である。

0045

共培養において、誘導前駆体の調製物をCD1a−陽性細胞で富ませることは可能である。このため、CD1a−陽性細胞は、誘導前駆体の培養物から単離される。

0046

本発明において、支持体上で共培養される、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体に対するケラチン細胞の数の比は、共培養中の細胞の全数のパーセンテージとして、95/5〜25/75、好ましくは75/25〜35/65、さらに好ましくは50/50である。

0047

本発明の方法において、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体は、表皮等価物の調製の任意の段階で共培養される。

0048

有利には、本発明の方法は、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体が、表皮等価物での上基底部局在化を許容するときにケラチン細胞と共培養に配する工程を有する。

0049

好ましくは、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体は、表皮等価物の上基底層が形成され始める瞬間から、分化したケラチン細胞が角質層の第1層を形成し始める瞬間までの間で選択される時期に共培養に配する。

0050

さらに好ましくは、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体は、表皮等価物の上基底層が形成され始める瞬間から、空気/液体の界面にさらされた後のインキュベーションの2日目までの間で選択される時期に共培養に配される(以下を参照)。

0051

本発明の方法で使用される栄養培地は、その能力が、ケラチン細胞の分化および増殖を可能にする任意の公知の栄養培地であってよい。例えば、ダルベッコ変性イーグル培地、または種々の所定カルシウム含有量の培地、例えば、ボーイスエスティー(Boyce S.T.)およびハムアール.ジー(Ham R.G.)(J. Tissue. Cult. Meth., 1985, 9, 83-93)らにより記載されている培地を挙げることができる。

0052

有利には、本発明において、いくつかの栄養培地の混合物、例えば、ダルベッコの変性イーグル培地/HAM F12培地、またはレインルド(Rheinwald)およびグリーン(Green)培地(セル、1975、6、331-334)を使用することができる。

0053

皮膚等価物を調製するための手順において、まず、3〜8日間のインキュベート時間で、栄養培地中に、共培養物を浸漬する。この栄養培地は、例えば、ケラチン細胞の増殖が可能な培地である、レインワルドまたはグリーンにより記載されている培地であってよい。

0054

このインキュベート時間の終わりに、例えば、金属製のグリッド上に配することにより、共培養物を空気/液体の界面に導く。好ましくは、液体は、レインワルドおよびグリーン培地に当初含有されている3つの成長因子、すなわち、表皮成長因子(EGF)、インシュリン、およびヒドロコルチゾンが同じ濃度に保たれているという差異以外は上述したものと同じ栄養培地からなる。

0055

ついで、皮膚等価物が、皮膚の特徴、すなわち、従来よりの細胞層、すなわち、基底層、上基底層、顆粒層および角質(corneal)層を有する真皮等価物に支持される表皮等価物が得られるまで、インキュベートし続ける。

0056

このように、インキュベートを5〜30日間続ける。

0057

このようにして製造された再生皮膚モデルは、物理的に互いに分離可能な、表皮等価物と支持体の2つの実体物からなる。

0058

表皮等価物は、支持体から分離させて使用することができる。

0059

よって、本発明は、上述したように、少なくともケラチン細胞と、少なくともランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を含有することを特徴とする表皮等価物、および表皮等価物の調製方法に関する。

0060

好ましくは、本発明の表皮等価物は、上基底部に位置する、少なくともランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体を有する。

0061

もちろん、正常な皮膚と最もよく似ている皮膚等価物は、正常な皮膚に存在する3種の必須細胞を含有する皮膚等価物である。

0062

よって、有利には、本発明の再生皮膚モデルは、メラニン細胞をさらに含有する。

0063

本発明は、有利には、ケラチン細胞、少なくともランゲルハンス細胞、およびメラニン細胞の誘導または非誘導前駆体を含有する表皮等価物に関する。

0064

本発明で使用されるメラニン細胞は、それらを含む任意の器官、例えば、正常な皮膚、または髪の濾胞から精製することができる。

0065

好ましくは、正常な皮膚から精製されたメラニン細胞が使用される。

0066

従来技術より公知の任意の精製方法を、これらのメラニン細胞を調製するために使用することができる。例えば、オルソン(Olsson)らの、Acta Derm. Venereol., 1994, 74, 226-268に記載されている方法を挙げることができる。

0067

正常な皮膚に存在する3種の細胞を含有する皮膚等価物を得るためには、支持体上で、ケラチン細胞、ランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体、およびメラニン細胞を共培養する必要がある。

0068

よって、本発明の方法の他の特定の態様は、支持体上で、ケラチン細胞、少なくともランゲルハンス細胞の誘導または非誘導前駆体、およびメラニン細胞を共培養することを特徴とするものである。

0069

3種の細胞を含有する皮膚等価物の場合、その製造に使用される方法は、上述した2種の細胞を含有する皮膚等価物の製法とは、どの点においても異なっていない。

0070

例えば、支持体上で共培養されるランゲルハンス細胞および/または前駆体に対する混合物(メラニン細胞+ケラチン細胞)の比は、共培養中の全細胞数のパーセンテージとして、95/5〜25/75、好ましくは75/25〜35/65、さらに好ましくは50/50である。

0071

ケラチン細胞とメラニン細胞との特定の比は、従来技術(国際特許公開第9351165号)に記載されているものであってよい。

0072

以下に実施例を例証するが、これらは本発明を限定するものではない。

0073

ケラチン細胞、ランゲルハンス細胞、およびメラニン細胞を含有する表皮等価物の調製例:レグニアーらにより記載されている方法(マトリックス生物学の開拓、第9巻、4-35、カーガー、バーゼル1981)で予め単離された正常なヒトのケラチン細胞、および、オルソンらにより記載されている方法(Acta Derm. Venereol., 1994, 74, 226-268)で予め単離されたヒトのメラニン細胞の混合物を、10対1の割合で調製した。プルニエラスらにより記載されている方法(Ann. Chir. Plast.,1979, 24, 第4号, 357-362)で、この混合物を、5×105cell/cm2の量で、表皮が除去された真皮上に配した。5μg/mlのインシュリン、および1.8×10-4Mのアデニン、2×10-9Mのトリヨードチロニン、5μg/mlのトランスフェリン、10-6Mのイソプロテレノール、400ng/mlのヒドロコルチゾン、10ng/mlの表皮成長因子(EGF)、10%のウシ胎児血清を含有する、3対1の割合の、ダルベッコの変性イーグル培地およびHAM F12培地からなる培地(レインワルドおよびグリーン、セル、1975、6、331-334)中で培養した。このようにして、6日間、培養物を浸漬し続けた。ついで、培養物を空気/液体の界面に配した。該液体は、イソプロテレノール、トランスフェリン、トリヨードチロニン、およびアデニンが除去されている以外は、上述したものと同様の培地からなる。

0074

同時に、CD34+細胞を臍帯血液から単離し、コウクスらにより記載されている方法(ネイチャー、第360巻、1992年11月、258-260頁)で、200ng/mlの濃度のコロニー刺激因子(顆粒球/マクロファージ−コロニー刺激因子、すなわちGM−CSF)、および2.5ng/mlの濃度の腫瘍壊死因子(TNF−α)の存在下にて、6日間培養した。空気/液体の界面に、ケラチン細胞/メラニン細胞混合物を通過させて2日後、予め準備しておいた5×105のCD34+細胞を再生された表皮上に配した。ついで、組織学的に満足のいく表皮等価物、換言すれば、従来の細胞層、すなわち、基底層、上基底層、顆粒層および角質層を有する表皮等価物が得られるまで、培養を続けた。

0075

ランゲルハンス細胞の前駆体を予め誘導しない、ケラチン細胞およびランゲルハンス細胞を含有する表皮等価物の調製:レグニアーらにより記載されている方法(マトリックス生物学の開拓、第9巻、4-35、カーガー、バセル1981)で予め単離された正常なヒトのケラチン細胞、およびコウクスらにより記載されている方法(ネイチャー、第360巻、1992年11月、258-260頁)で臍帯血液から単離されたCD34+細胞の混合物を、1対1の割合で調製した。この混合物を、プルニエラスらにより記載されている方法(Ann. Chir. Plast.,1979, 24, 第4号, 357-362)で、表皮が除去された真皮上に、各々の種類ごとに、5×105cell/cm2の量で配した。5μg/mlのインシュリン、および1.8×10-4Mのアデニン、2×10-9Mのトリヨードチロニン、5μg/mlのトランスフェリン、10-6Mのイソプロテレノール、400ng/mlのヒドロコルチゾン、10ng/mlの表皮成長因子(EGF)、10%のウシ胎児血清を含有する、3対1の容量比の、ダルベッコの変性イーグル培地およびHAM F12の混合物からなる培地(レインワルドおよびグリーン、セル、1975、6、331-334)中で共培養した。このようにして、6日間、培養物を浸漬し続けた。ついで、培養物を空気/液体の界面に配した。該液体は、イソプロテレノール、トランスフェリン、トリヨードチロニン、およびアデニンが除去されている以外は、上述したものと同様の培地からなる。

0076

ついで、組織学的に満足のいく表皮等価物、換言すれば、従来の細胞層、すなわち、基底層、上基底層、顆粒層および角質層を有する表皮等価物が得られるまで、共培養を続けた。

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