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技術 電気ア−ク精錬に供する黒鉛電極の冷却方法ならびにそれに供する黒鉛電極の冷却装置

出願人 日本カーボン株式会社
発明者 中本八束森敏彦
出願日 1987年3月17日 (33年9ヶ月経過) 出願番号 1996-277065
公開日 1997年7月22日 (23年5ヶ月経過) 公開番号 1997-190881
状態 特許登録済
技術分野 放電加熱 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼 竪形炉、炉床形炉、アーク炉(炉1) 炉の細部、予熱、排出物処理(炉一般3)
主要キーワード 吹付け角 直接冷却液 先拡がり 高負荷操業 水素爆発 吹付け量 高温溶湯 耐酸化剤
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図面 (7)

課題

ア−ク加熱により製鋼その他金属の溶解、精錬に供せられる黒鉛電極外周面に対し冷却水等の冷却液を連続的に吹付け、精錬時の黒鉛電極の電極原単位を大に低減する黒鉛電極の冷却方法ならびにそれに供する黒鉛電極の冷却装置を提案する。

解決手段

黒鉛電極1をニップルを介して順次に接続し、これら黒鉛電極に電流通電して、製鋼その他の金属精錬する際に、ア−ク電気炉の蓋と上部の黒鉛電極の上端部を把持する電極ホルダとの間においてその上部の黒鉛電極1の外周面に対し下向きに傾斜させて冷却液を連続的に吹付けて、黒鉛電極の外周面に沿って下向きに下降する冷却液フィルム2aを形成して冷却する。

概要

背景

従来から、鉄鋼その他の金属などの黒鉛電極によるア−ク加熱を利用した電気ア−ク精錬においては、電気エネルギコストの低下に併せて、黒鉛電極の先端部ならびに外周面酸化消耗の抑制によって電極原単位を低下させることが望まれている。この酸化消耗抑制の一つの手段として水冷式非消耗電極が用いられている。

この水冷式非消耗電極は、上部から黒鉛電極が順次に接続され、電気炉内に達したときに下部の黒鉛電極から順次ア−ク加熱に供せられて消耗される黒鉛電極と異なって、内部は冷却水により冷却されるがア−ク加熱に供せられることがなく、下端ニップルを介して接続される黒鉛電極を精錬操業時に冷却することに使用されるものである。

したがって、黒鉛電極は、上部の非消耗電極によって冷却されるため、しかも、黒鉛電極の消耗はおさえられ、このところを利用した精錬方法やその装置が提案されている。

例えば、米国特許4.416.014号、4.417.344号ならびに4.451.926号の各明細書には、アルミニウム製の中空円筒からなる非消耗電極内に冷却水を導入し、この冷却水によって非消耗電極の壁面や、下端に接続される黒鉛電極を冷却する構造のものが記載されている。

また、特開昭60−501879号ならびに特開昭60−501880号の各明細書には、黒鉛製管状体からなる非消耗電極の中心孔内に介挿される冷却水によって、非消耗電極の壁面や、それに接続される黒鉛電極を冷却する構造のものが記載されている。

このように非消耗電極によって接続される黒鉛電極を冷却する場合は、黒鉛電極の先端部ならびに外周部の酸化消耗がおさえられ、電極原単位の低減がある程度達成できる。

しかしながら、使用済の黒鉛電極を外すときには、電気炉からオフラインに移して使用済の黒鉛電極をニップルから外し、必要なときには、ニップルを非消耗電極からも外す。また、新しい黒鉛電極を接続するときには、非消耗電極にニップルを取付け、このニップルに新しい黒鉛電極を取付けることになる。従って、上記の如く、冷却式の非消耗電極によって冷却するときには、このように交換のために、オフラインに移送し、そこで重筋労働の外しや接続を行なう必要があって、作業がきわめてはん雑化する。また、黒鉛電極の取外しならびに接続がくり返されると、黒鉛電極、非消耗電極、ニップル等のねじ山が変形、つぶれ、破損し、接続不良、電気抵抗の増加等が起こり、操業上に支障がある。

概要

ア−ク加熱により製鋼その他金属の溶解、精錬に供せられる黒鉛電極の外周面に対し冷却水等の冷却液を連続的に吹付け、精錬時の黒鉛電極の電極原単位を大に低減する黒鉛電極の冷却方法ならびにそれに供する黒鉛電極の冷却装置を提案する。

黒鉛電極1をニップルを介して順次に接続し、これら黒鉛電極に電流通電して、製鋼その他の金属精錬する際に、ア−ク電気炉の蓋と上部の黒鉛電極の上端部を把持する電極ホルダとの間においてその上部の黒鉛電極1の外周面に対し下向きに傾斜させて冷却液を連続的に吹付けて、黒鉛電極の外周面に沿って下向きに下降する冷却液フィルム2aを形成して冷却する。

目的

効果

実績

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請求項1

ア−ク電気炉において、黒鉛電極ニップルを介して順次に接続し、これら黒鉛電極に電流通電して、製鋼その他の金属精錬する際に、ア−ク電気炉の蓋と上部の黒鉛電極の上端部を把持する電極ホルダとの間においてその上部の黒鉛電極の外周面に対し下向きに傾斜させて冷却液を連続的に吹付けて、黒鉛電極の外周面に沿って下向きに下降する冷却液フィルムを形成して冷却することを特徴とする電気ア−ク精錬に供する黒鉛電極の冷却方法

請求項2

前記冷却液を水平レベルに対し下向きに傾斜θ10〜35°をとって吹付けることを特徴とする請求項1記載の電気ア−ク精錬に供する黒鉛電極の冷却方法。

請求項3

前記冷却液を冷却水とすることを特徴とする請求項1または2記載の電気ア−ク精錬に供する黒鉛電極の冷却方法。

請求項4

前記冷却液に耐酸化剤を含ませることを特徴とする請求項1または2記載の電気ア−ク精錬に供する黒鉛電極の冷却方法。

請求項5

ア−ク電気炉の炉蓋とこの炉蓋上にある上部の黒鉛電極を把持する黒鉛ホルダとの間に、この上部の黒鉛電極の外周を包囲する一方、一部が分断部により分断された環状の冷却管を配置し、この冷却管の内周面側には、下向きに傾斜させて半径方向に指向する少なくとも1つの冷却液の吹付ノズルを設けることを特徴とする電気ア−ク精錬に供する黒鉛電極の冷却装置

技術分野

0001

本発明は電気ア−ク精錬に供する黒鉛電極冷却方法ならびにそれに供する黒鉛電極の冷却装置係り、詳しくは、ア−ク電気炉において、ニップルを介して順次に接続される黒鉛電極に電流通電し、その黒鉛電極によるア−ク加熱を利用して製鋼その他金属を溶解し精錬する際に、電極ホルダによって把持される黒鉛電極の外周面に対しア−ク電気炉の炉蓋上において冷却水等の冷却液を連続的に吹付けて冷却し、精錬時の黒鉛電極の外周面の酸化消耗を最小限におさえることによって電極原単位を大に低減する電気ア−ク精錬に供する黒鉛電極の冷却方法ならびにそれに供する黒鉛電極の冷却装置に係る。

背景技術

0002

従来から、鉄鋼その他の金属などの黒鉛電極によるア−ク加熱を利用した電気ア−ク精錬においては、電気エネルギコストの低下に併せて、黒鉛電極の先端部ならびに外周面の酸化消耗の抑制によって電極原単位を低下させることが望まれている。この酸化消耗抑制の一つの手段として水冷式非消耗電極が用いられている。

0003

この水冷式非消耗電極は、上部から黒鉛電極が順次に接続され、電気炉内に達したときに下部の黒鉛電極から順次ア−ク加熱に供せられて消耗される黒鉛電極と異なって、内部は冷却水により冷却されるがア−ク加熱に供せられることがなく、下端にニップルを介して接続される黒鉛電極を精錬操業時に冷却することに使用されるものである。

0004

したがって、黒鉛電極は、上部の非消耗電極によって冷却されるため、しかも、黒鉛電極の消耗はおさえられ、このところを利用した精錬方法やその装置が提案されている。

0005

例えば、米国特許4.416.014号、4.417.344号ならびに4.451.926号の各明細書には、アルミニウム製の中空円筒からなる非消耗電極内に冷却水を導入し、この冷却水によって非消耗電極の壁面や、下端に接続される黒鉛電極を冷却する構造のものが記載されている。

0006

また、特開昭60−501879号ならびに特開昭60−501880号の各明細書には、黒鉛製管状体からなる非消耗電極の中心孔内に介挿される冷却水によって、非消耗電極の壁面や、それに接続される黒鉛電極を冷却する構造のものが記載されている。

0007

このように非消耗電極によって接続される黒鉛電極を冷却する場合は、黒鉛電極の先端部ならびに外周部の酸化消耗がおさえられ、電極原単位の低減がある程度達成できる。

0008

しかしながら、使用済の黒鉛電極を外すときには、電気炉からオフラインに移して使用済の黒鉛電極をニップルから外し、必要なときには、ニップルを非消耗電極からも外す。また、新しい黒鉛電極を接続するときには、非消耗電極にニップルを取付け、このニップルに新しい黒鉛電極を取付けることになる。従って、上記の如く、冷却式の非消耗電極によって冷却するときには、このように交換のために、オフラインに移送し、そこで重筋労働の外しや接続を行なう必要があって、作業がきわめてはん雑化する。また、黒鉛電極の取外しならびに接続がくり返されると、黒鉛電極、非消耗電極、ニップル等のねじ山が変形、つぶれ、破損し、接続不良、電気抵抗の増加等が起こり、操業上に支障がある。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は上記欠点の解決を目的とし、具体的には、順次に接続された黒鉛電極を用いて、製鋼その他の金属を精錬するに当って、ア−ク電気炉の炉蓋上において黒鉛電極の外周面に直接冷却液を吹付けることによって連続的に下部の黒鉛電極までも冷却して酸化消耗をおさえ、電極原単位の低減をはかる黒鉛電極の冷却法ならびにそれに供する黒鉛電極の冷却装置を提案する。

0010

従って、下部の黒鉛電極は連続かつ良好に冷却されるために、下部の黒鉛電極の外周面ならびに先端の酸化消耗が効果的におさえられることから、電極原単位が大巾に減少する。

0011

また、これに伴って、従来例の如く、UHP(ウルトラハイパワ−電極)を使用しなくとも、通常の黒鉛電極によってきわめて経済的に高負荷操業ができる。

0012

また、通常の通りにニップルを介して接続される黒鉛電極において、冷却水等の冷却液によって炉蓋上で上部にある黒鉛電極を冷却して精錬するため、従来例の非消耗電極によって冷却する場合と相違して、電極接続時のはん雑で危険を伴う作業が少なく、円滑に製鋼その他の金属精錬ができる。

課題を解決するための手段

0013

すなわち、本発明方法は、ア−ク電気炉において、黒鉛電極をニップルを介して順次に接続し、これら黒鉛電極に電流を通電して、製鋼その他の金属精錬する際に、ア−ク電気炉の蓋と上部の黒鉛電極の上端部を把持する電極ホルダとの間においてその上部の黒鉛電極の外周面に対し下向きに傾斜させて冷却液を連続的に吹付けて、黒鉛電極の外周面に沿って下向きに下降する冷却液フィルムを形成して冷却することを特徴とする。

0014

また、この精錬時に供せられる黒鉛電極の冷却装置は、ア−ク電気炉の炉蓋とこの炉蓋上にある上部の黒鉛電極を把持する黒鉛ホルダとの間に、この上部の黒鉛電極の外周を包囲する一方、一部が分断部により分断された環状の冷却管を配置し、この冷却管の内周面側には、下向きに傾斜させて半径方向に指向する少なくとも1つの冷却液の吹付ノズルを設けることを特徴とする。

0015

そこで、これら手段たる構成ならびにその効果について図面によって具体的に説明すると、次の通りである。

0016

なお、図1は本発明を実施する際に黒鉛電極の冷却装置の一例によって黒鉛電極を冷却するときを横断面図として示す説明図であり、図2はそれを正面から示す説明図であり、図3図1の矢視A−A方向からの断面図であり、図4図3の一部の拡大図である。

0017

まず、図1図2ならびに図3において符号1は上部黒鉛電極、つまり、炉蓋上にあるときの黒鉛電極を示す。これら上部黒鉛電極1のうちで、上端にある黒鉛電極は、その上端が従来例と同様に電極ホルダ(図示せず)によって把持され、下端はニップル(図示せず)を介して黒鉛電極(図示せず)が接続されている。また、3相交流を用いるア−ク電気炉においては、そのセンタ−を中心とする所定半径の円サ−クル上に間隔をおいて3相電力に対応して3本の上部黒鉛電極が配置され、各上部黒鉛電極1にはそれぞれ上記の如くニップルを介して下部黒鉛電極が接続され、これら各電極に通電して製鋼その他の金属精錬が行なわれる。また、直流を利用する電気炉においては当然これに対応して1本の上部黒鉛電極が炉蓋上で配置され、この上部黒鉛電極とその下に接続される黒鉛電極とを介してア−ク加熱される。

0018

次に、これら3本の上部黒鉛電極のうちで少なくとも1つの上部黒鉛電極1の外周面に例えば冷却水の如き冷却液2を連続的に下向きに傾斜させて吹付けて冷却する。

0019

この際、冷却液は、何れの方法によっても吹付けることができるが、冷却液を吹付けるベき上部黒鉛電極1の外周に冷却管3を配置し、導入ダクト3bからの冷却液を冷却管3の内周面から下向きに傾斜させて吹付ける。冷却管3は、上部黒鉛電極1の上端を把持する電極ホルダとア−ク電気炉上部、例えば蓋(図示せず)との間に配置され、冷却管3から冷却液を噴射して冷却する。冷却管3は、上部黒鉛電極1の周囲から所定の距離だけ離間するよう、上部黒鉛電極1と同心円状をなして環状に構成する。この場合、上記の通り、例えば、3本の上部黒鉛電極の各下端に黒鉛電極を接続して操業するときに、この中で一つの上部黒鉛電極に対して隣接上部黒鉛電極から電磁的影響をうけ易い。このため、この電磁的影響を考慮して一部を分断し、冷却管3の一部に分断部3aを設けるよう構成するのが好ましい。

0020

すなわち、3相交流を利用するア−ク電気炉においては、3相交流電源であることに対応して、少なくとも2本、通常は、3本の上部黒鉛電極1が同心円状に配置されている。従って、これら各上部黒鉛電極相互間では互いに電磁気的に影響し合っており、この影響により冷却管3が存在すると、黒鉛電極中に流れる電流が遮断され、操業に支障が生じることがある。しかしながら、冷却管3の一部に分断部3aを設けると、その電磁気的影響が排除でき、電極には電流が支障なく流れ、操業上に全く支障がない。

0021

なお、冷却管3は電磁気的影響を受けずかつ耐酸化性にすぐれる材質でしかも成型加工性に優れるのから構成し、例えば、成型加工性から鉄系材料から構成するときにはステンレス鋼などから構成し、鉄系材料以外であっても、例えば、セラミックなどの如く電磁気的影響を受けず、しかも、耐酸化性を持つ材料からも構成することができる。

0022

また、冷却管3の内周面から冷却液2を吹付けるために、冷却管3の内周面には間隔をおいて複数個、例えば、4〜8個の吹付ノズルを設ける。各吹付ノズル4は半径方向に冷却水を吹付けるべき黒鉛電極1の中心に向って指向させ、各吹付ノズル4の先端ノズル部4aは、図3ならびに図4に示す通り斜め下向きに傾斜させる。このように吹付ノズル4を取付けると、導入ダクト3bから連続的に供給される冷却液2は冷却管3の各吹付ノズル4から図1ならびに図2、なかでも、図2に示す如く、斜め下向きに噴射され、冷却水が吹付けられた黒鉛電極1の外周面に薄い冷却液フィルム2aが形成され、このフィルム2aが黒鉛電極1の外周面に沿って下向きに下降し、この下降の間に冷却液が内部の熱により気化され、その気化熱によって黒鉛電極1の保有熱はうばわれて良好に冷却され、この冷却によって、冷却水が吹付けられた上部の黒鉛電極の下に順次に接続される下部の黒鉛電極も冷却されて、このように接続される黒鉛電極は、上部ならびに下部の黒鉛電極にわたって酸化消耗はおさえられる。

0023

また、このように冷却するときに、冷却液2はフィルム2aとして炉蓋の上にある上部の黒鉛電極1の外周面のみ形成されるのみにとどめ、ア−ク電気炉の炉蓋の中まで入ってもア−ク電気炉の中にある下部の黒鉛電極の先端に、つまり、ア−ク電気炉の中で溶解、精錬に関与している先端に到達することは好ましくない。

0024

一般に、電気炉で精錬中の溶湯などに冷却水が達すると、その中に含まれる水分が高温溶湯に接触し、水素爆発を発生し、甚だ危険である。この点から、従来例では、炉蓋の上にある上部の黒鉛電極1の周囲に冷却水等の冷却液を吹付けることはほとんど行なわれていない。冷却するときには、上記の如く、炉蓋上において、ニップルを介して接続される黒鉛電極の上部は非消耗電極として構成し、その中心軸に沿って形成される冷却通路によって、非消耗電極の下に接続された黒鉛電極は、冷却されている。しかしながら、本発明の如く冷却液2を炉蓋上にある上部の黒鉛電極1の外周面に吹付けても、その冷却液2の吹付やフィルム2aの形成が炉蓋上にある上部の黒鉛電極1の外周面程度にとどめられるときには、上部の黒鉛電極1が効果的に冷却され、とくに、上部の黒鉛電極1やア−ク電気炉内の下部の黒鉛電極が黒鉛という、極めて良好な熱伝導性材料から構成されているため、炉蓋上にある上部の黒鉛電極1の効果的冷却によりア−ク電気炉内にある下部の黒鉛電極は一層冷却でき、これによって電極原単位の大巾低減が達成できる。

0025

ちなみに、容易に目視できる炉蓋上にある上部の黒鉛電極の上端部が赤熱せずに黒色程度が保たれているときには、下部の黒鉛電極の外周部ならびに先端の酸化消耗は相当おさえられている。例えば、炉蓋上にある上部の黒鉛電極の状態は操業中に容易に目視できる。したがって、上部の黒鉛電極の長さに対して10%程度が黒色状態が保たれているときには、電気炉内の下部の黒鉛電極の状態が目視できなくとも、下部の黒鉛電極の酸化消耗の抑制によって低減される電極原単位の割合は12%以上に達し、大巾に改善される。このところからも明らかな通り、上部の黒鉛電極1の外周面に対して下向きに傾斜させて直接冷却液を吹付け、黒鉛電極の外周にフィルムを形成して冷却すると、上部の黒鉛電極1の相当な部分、つまり、10%以上が赤熱せずに黒色状態に保持でき、電極原単位は大巾に減少する。更に、電極原単位の低減状況は、現場において確実にわかり、きわめて実用的でしかも効果的に冷却できる。

0026

また、以上の通りに、冷却管3を用いて冷却するときに、上部黒鉛電極1の内周面と吹付ノズル4の先端、つまり、先端ノズル4aまでの距離は5cm〜20cm程度離間し、冷却液2の噴射角度、換言すると、吹付ノズル4の水平レベルに対する傾斜角θ図4参照)は10°〜35°程度とって、下向きに傾斜させて冷却液2を吹付けるのが好ましい。また、このように吹付ける場合、冷却液2は圧力0.5〜3kg/cm2で吹付け量0.8〜6.0リットル/分にするのが好ましい。

0027

すなわち、下向きに傾斜させ、その上で、このような条件をとると、ア−ク電気炉の寸法や、デメンション、容量がある程度変化しても、現在実用化されているア−ク電気炉であれば、冷却液2は下部黒鉛電極まで達することがなく、炉蓋上にある上部の黒鉛電極1の外周面を良好に冷却できる。

0028

なお、吹付ノズルの傾斜角θを10°〜35°の範囲が好ましいのは、上記の理由のほかに、仮り吹付け角0°として、吹付ノズル4から水平レベルと平行に冷却液2を吹付けると、その冷却液2が電極ホルダ側に飛散し、電極ホルダそのものを傷めやすく、この点からも下限は10°にするのが好ましい。また、傾斜角θ35°以上傾斜させると、冷却液2が拡がって、その一部が電気炉の蓋にかかり、蓋そのものの損耗を早め、その冷却効果も失なわれる危険が生じ易いからである。

0029

更に、冷却液2としては、通常得られる水道水などをそのまま用いて冷却水とすることもできるが、この冷却液2の中に例えばリン酸カルシウムの如き耐酸化剤を混合して吹付けることもできる。このように耐酸化剤を混入すると、吹付けのときに冷却液中の耐酸化剤は黒鉛電極が炉蓋上において上部の黒鉛電極1としてあるときにその外周面に付着し、外周面からの酸化消耗を一層効果的に防止できる。このように外周面に耐酸化剤が付着した上部の黒鉛電極は、それがア−ク電気炉内に入って下部の黒鉛電極として溶解や精錬に関与したときに、外周面からの酸化消耗は一層効果的におさえられ、電極原単位は一層低減する。なお、このような効果を達成するのには耐酸化剤を5%〜15wt%程度添加するのが好ましい。

0030

また、吹付ノズル4の先端ノズル4aは、図1に示す如く、上部の黒鉛電極1の外周面に対しその円周方向にわたって平均して冷却液2が当たるよう構成するのが好ましい。この好適例としては、先端ノズル4aは冷却液2が先拡がり扇形をなすよう、吹付けられる形状に構成し、更に、吹付けノズル4の一部にはフィルタ4aを設けて冷却液2中のゴミなどの異物を除去できるようにするのが好ましい。

0031

また、図1に示す例えば冷却管3は分断部3aを中心にして対称的に構成しているが、この分断部3aはどの部分に設けることもできる。例えば、図5に示す例では、導入ダクト3bの近傍に分断部3aを設けた例で、この冷却管3であると、加工が極めて容易である。また、冷却管3の一部に分断部を設けなくとも、図6に示す如く完全に環状に構成することもできる。この場合は、電磁気的影響の上からなるべくその影響のない材料から構成し、電磁気的影響による電極電流の遮断をおこさないようにすれば良い。

0032

まず、表1の通りの各種の黒鉛電極を上部の黒鉛電極ならびに下部の黒鉛電極として用い、ア−ク電気炉内にある下部の黒鉛電極のア−ク加熱により、スクラップ材溶融し、このようにア−ク精錬に供せられる黒鉛電極は、炉蓋の上にある上部の黒鉛電極に対し下向きに傾斜させて冷却水を吹付けて冷却した。

0033

この冷却は、図1ならびに図2に示す通り行なわれ、冷却液として水道水を連続的に冷却管3に供給し、各吹付ノズル4から冷却水2を下向きに傾斜させて噴射した。この場合、従来例のように非消耗電極を介して冷却した場合と、本発明による冷却水噴射で冷却した場合とについて、それぞれの電極原単位を求めて、その改善効果を示したところ、表1の通りであった。

0034

0035

この際、冷却水の噴射は上部の黒鉛電極と吹付ノズルとの間の距離は17cm、吹付ノズルの傾斜角θは15°、冷却水の圧力は1〜3kg/cm2、水量は1〜2リットル/分、ノズル個数は6個であった。

0036

その結果、表1に示す通り改善効果は少なくとも11%以上であって、このように下向きに傾斜させて吹付けると、冷却水の浸入によっての水素爆発などの危険も全くおこらなかった。

0037

更に、試験番号4の場合はUHP電極を用いる高負荷操業であった。この操業において、本発明法により冷却水を吹付けて冷却したときには、その改善効果は19%と極めて大きいものになり、このように酸化消耗が大巾におさえられるところから、従来例によるとUHP電極を必要とする高負荷運転のときでも、通常の黒鉛電極を用いることができた。

0038

更に、冷却水の中にリン酸カルシウム10wt%を均一に混合し、上記の場合にそれぞれ吹付けたところ、そのリン酸カルシウムは電極上に白い薄いフィルムを形成して残り、耐酸化性が大巾に向上した。この結果、改善効果は表1の各場合において少なくとも1〜2%程度上昇し、電極原単位が一層低減できることがわかった。

発明の効果

0039

以上詳しく説明した通り、本発明においては、ア−ク電気炉の製鋼、金属等の精錬に供せられる黒鉛電極を炉蓋と電極ホルダとの間で冷却液を黒鉛電極の外周に対し下向きに傾斜させて連続的に吹付けて冷却する。

0040

従って、精錬時の黒鉛電極の外周面ならびに先端の酸化消耗を最小限におさえ、これによって電極原単位を大巾に低減でき、なかでも、高負荷操業でも通常の黒鉛電極が使用できる。

0041

更に、下向きに傾斜されて吹付けた冷却液は、黒鉛電極の外周面をおおって下降する間に黒鉛電極を冷却する。このため、炉蓋上において目視できる上部の黒鉛電極の黒味の程度などをみると、炉内の精錬に関与する下部の黒鉛電極の冷却度合がわかり、黒鉛電極は一層効果的に冷却できる。

0042

また、冷却液中に耐酸化剤を配合して吹付けると、外周面ならびに先端の酸化消耗は一層効果的におさえられ、電極原単位は一層低減する。

図面の簡単な説明

0043

図1本発明を実施する際に黒鉛電極の冷却装置の一例によって黒鉛電極を冷却するときを横断面図として示す説明図である。
図2それを正面から示す説明図である。
図3図1の矢視A−A方向からの断面図である。
図4図3の一部の拡大図である。
図5本発明を実施する際に使用する電極冷却装置の平面図である。
図6本発明を実施する際に使用する電極冷却装置の平面図である。

--

0044

1 上部黒鉛電極
2冷却液
3冷却管
3a分断部
3b導入ダクト
4 吹付ノズル

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