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技術 窒化アルミニウム焼結体、及び窒化アルミニウム粉末の製造方法

出願人 工業技術院長ファインセラミックス技術研究組合
発明者 鳥山素弘平尾喜代司大橋優喜神崎修三小畑正明
出願日 1996年8月14日 (24年4ヶ月経過) 出願番号 1996-232590
公開日 1997年7月15日 (23年5ヶ月経過) 公開番号 1997-183662
状態 特許登録済
技術分野 セラミック製品 セラミック製品3 硫黄、窒素等及びそれらの化合物;過化合物
主要キーワード 半導体電子回路 炭素還元法 常圧焼結体 カーボン製容器 カーボン容器 黒鉛炉 窒化アルミニウム粉 窒化速度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年7月15日)のものです。
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図面 (1)

課題

優れた特性を持つ窒化アルミニウム焼結体、及び窒化アルミニウム粉末簡便かつ低コストで製造する方法を提供する。

解決手段

金属アルミニウム粉末薄板状に成形し、この成形体真空雰囲気アルミニウム融点を超えない温度まで昇温した後、N2加圧(1〜150kg/cm2)雰囲気として焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。また、金属アルミニウム粉末を、真空雰囲気でアルミニウムの融点を超えない温度まで昇温した後、N2 加圧(1〜150kg/cm2) 雰囲気として焼成し、更に、これを冷却して粉砕することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。

効果

金属アルミニウム粉末から直接窒化アルミニウム焼結体を得るものであり、従来の窒化アルミニウム粉末を合成し、これに焼結助剤を添加して焼結する方法と比較して優れた特性を有する窒化アルミニウム焼結体を簡便かつ低コストで製造することができる。また、サブミクロン径の均一な粒子からなる窒化アルミニウム粉末を製造することができる。

概要

背景

一般に、窒化アルミニウム焼結体の製造方法としては、窒化アルミニウム粉末焼結助剤としてイットリアなどの希土類酸化物カルシアなどのアルカリ土類酸化物を少量添加して、1600〜1900℃で常圧焼結する方法が広く知られている(例えば、材料科学, Vol. 31, No. 4, p150〜155 (1994))。また、アルミニウム超微粉窒素中で反応焼結させる方法も知られている(粉体および粉末冶金,第41巻,第9号,p1095 〜1098 (1994) 、特開平2−27522号公報)。

しかしながら、常圧焼結法では、工程が窒化アルミニウム粉の合成と焼結の2段に分かれており、しかも、焼結には1600〜1900℃の高温が必要であり、コストがかかるという問題がある。また、アルミニウム超微粉による反応焼結では、超微粉の取扱いの点で量産に問題がある。

また、窒化アルミニウム焼結体は窒化珪素等の他の窒化物と比較して強度、靱性等の機械的特性が劣るためその信頼性に問題があった。機械的特性を上げる手段として窒化珪素、炭化珪素等の機械的特性の強い第二成分との複合化が考えられるが、従来の常圧焼結法では、高温焼成の際に窒化アルミニウム助剤、第二成分との反応が起こり、複合化はできなかった。

窒化アルミニウム粉末の製造方法としては、直接窒化法炭素還元窒化法自己燃焼合成法、気相反応法プラズマ反応法、アルコキシド法等が知られており(例えば、日本金属学会会報,第29巻,第7号,p534〜541(1990),Materials Science and Technology, June 1993, Vol. 9, p463 〜473)、このうち、直接窒化法と炭素還元窒化法が工業的生産法として実用化されている。炭素還元窒化法では、サブミクロン径の均一な形状の粒子からなる窒化アルミニウム粉末が製造できる。一般に、粒子の均一性はこれを原料として得られる焼結体の特性に影響を与えるが、炭素還元窒化法で合成された窒化アルミニウム粉末を原料として合成された窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率、強度等の特性が優れることも知られている。しかし、炭素還元法の場合、1400〜1800℃の高温が必要であり、更に、過剰炭素を除去するための焼成が必要となるため、その際に窒化アルミニウムの酸素含有量が高くなるという問題が有る。

一方、直接窒化法は、炭素還元窒化法と比較して低コストであるが、窒化反応熱によるアルミニウム粒子融着が起こるため、得られる窒化アルミニウムは固い塊状となり、これを均一に粉砕することは容易でない。その結果、得られる窒化アルミニウム粉末の形状は不均一となり、粒度分布も広くなることは避けられず、直接窒化法で合成された窒化アルミニウム粉末を原料として合成された窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率、強度等の特性は、炭素還元法で合成された粉末を使用したものよりも劣る。

概要

優れた特性を持つ窒化アルミニウム焼結体、及び窒化アルミニウム粉末を簡便かつ低コストで製造する方法を提供する。

金属アルミニウム粉末薄板状に成形し、この成形体真空雰囲気でアルミニウムの融点を超えない温度まで昇温した後、N2加圧(1〜150kg/cm2)雰囲気として焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。また、金属アルミニウム粉末を、真空雰囲気でアルミニウムの融点を超えない温度まで昇温した後、N2 加圧(1〜150kg/cm2) 雰囲気として焼成し、更に、これを冷却して粉砕することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。

金属アルミニウム粉末から直接窒化アルミニウム焼結体を得るものであり、従来の窒化アルミニウム粉末を合成し、これに焼結助剤を添加して焼結する方法と比較して優れた特性を有する窒化アルミニウム焼結体を簡便かつ低コストで製造することができる。また、サブミクロン径の均一な粒子からなる窒化アルミニウム粉末を製造することができる。

目的

このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、従来の窒化アルミニウム焼結体製造、及び窒化アルミニウム粉末製造における上記のような問題点が無く、しかも、簡便かつ低コストで優れた特性を有する窒化アルミニウム焼結体、及び窒化アルミニウム粉末を量産することが可能な新しい方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、窒化アルミニウム焼結体については、金属アルミニウム粉末の成形体を真空雰囲気で特定の温度まで昇温した後、N2加圧雰囲気として焼結すること、また、窒化アルミニウム粉末については、金属アルミニウム粉末を真空雰囲気で特定の温度まで昇温した後、N2 加圧雰囲気として焼成し、これを冷却して粉砕すること、等により所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、上記従来技術における問題点を解決することが可能な、窒化アルミニウム焼結体、及び窒化アルミニウム粉末の製造方法を提供することを目的とするものである。本発明によれば、簡便かつ経済的に窒化アルミニウム焼結体を製造することができる。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

金属アルミニウム粉末薄板状に成形し、この成形体真空雰囲気アルミニウム融点を超えない温度まで昇温した後、N2加圧(1〜150kg/cm2)雰囲気として焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。

請求項2

金属アルミニウム粉末を薄板状に成形し、この成形体を真空雰囲気で550〜660℃まで昇温した後、N2加圧(1〜150kg/cm2)雰囲気として15分〜24時間保持して焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。

請求項3

金属アルミニウム粉末を薄板状に成形し、この成形体を請求項1、又は2の方法で焼成した後、更に、N2雰囲気下1700〜1950℃で焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。

請求項4

金属アルミニウム粉末にY2 O3粉末を0.1〜10mol%混合する請求項1、2又は3記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。

請求項5

金属アルミニウム粉末を、真空雰囲気でアルミニウムの融点を超えない温度まで昇温した後、N2加圧(1〜150kg/cm2)雰囲気として焼成し、更に、これを冷却して粉砕することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。

請求項6

金属アルミニウム粉末を、真空雰囲気で550〜620℃まで昇温した後、N2加圧(1〜150kg/cm2)雰囲気として15分〜24時間保持して焼成し、更に、これを冷却して粉砕することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。

請求項7

請求項5又は6により製造された窒化アルミニウム粉末を、更に、N2雰囲気下665〜1500℃の温度で焼成することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。

請求項8

金属アルミニウム粉末を、真空雰囲気で550〜620℃まで昇温した後、N2加圧(1〜150kg/cm2)雰囲気として15分〜24時間保持して焼成し、更に、N2 雰囲気下665〜1500℃の温度で焼成した後、冷却し、これを粉砕することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、優れた特性を有する窒化アルミニウム焼結体、及び、窒化アルミニウム粉末簡便かつ低コストで量産することが可能な窒化アルミニウム焼結体の製造方法、及び、窒化アルミニウム粉末の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

一般に、窒化アルミニウム焼結体の製造方法としては、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤としてイットリアなどの希土類酸化物カルシアなどのアルカリ土類酸化物を少量添加して、1600〜1900℃で常圧焼結する方法が広く知られている(例えば、材料科学, Vol. 31, No. 4, p150〜155 (1994))。また、アルミニウム超微粉窒素中で反応焼結させる方法も知られている(粉体および粉末冶金,第41巻,第9号,p1095 〜1098 (1994) 、特開平2−27522号公報)。

0003

しかしながら、常圧焼結法では、工程が窒化アルミニウム粉の合成と焼結の2段に分かれており、しかも、焼結には1600〜1900℃の高温が必要であり、コストがかかるという問題がある。また、アルミニウム超微粉による反応焼結では、超微粉の取扱いの点で量産に問題がある。

0004

また、窒化アルミニウム焼結体は窒化珪素等の他の窒化物と比較して強度、靱性等の機械的特性が劣るためその信頼性に問題があった。機械的特性を上げる手段として窒化珪素、炭化珪素等の機械的特性の強い第二成分との複合化が考えられるが、従来の常圧焼結法では、高温焼成の際に窒化アルミニウム助剤、第二成分との反応が起こり、複合化はできなかった。

0005

窒化アルミニウム粉末の製造方法としては、直接窒化法炭素還元窒化法自己燃焼合成法、気相反応法プラズマ反応法、アルコキシド法等が知られており(例えば、日本金属学会会報,第29巻,第7号,p534〜541(1990),Materials Science and Technology, June 1993, Vol. 9, p463 〜473)、このうち、直接窒化法と炭素還元窒化法が工業的生産法として実用化されている。炭素還元窒化法では、サブミクロン径の均一な形状の粒子からなる窒化アルミニウム粉末が製造できる。一般に、粒子の均一性はこれを原料として得られる焼結体の特性に影響を与えるが、炭素還元窒化法で合成された窒化アルミニウム粉末を原料として合成された窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率、強度等の特性が優れることも知られている。しかし、炭素還元法の場合、1400〜1800℃の高温が必要であり、更に、過剰炭素を除去するための焼成が必要となるため、その際に窒化アルミニウムの酸素含有量が高くなるという問題が有る。

0006

一方、直接窒化法は、炭素還元窒化法と比較して低コストであるが、窒化反応熱によるアルミニウム粒子融着が起こるため、得られる窒化アルミニウムは固い塊状となり、これを均一に粉砕することは容易でない。その結果、得られる窒化アルミニウム粉末の形状は不均一となり、粒度分布も広くなることは避けられず、直接窒化法で合成された窒化アルミニウム粉末を原料として合成された窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率、強度等の特性は、炭素還元法で合成された粉末を使用したものよりも劣る。

発明が解決しようとする課題

0007

このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、従来の窒化アルミニウム焼結体製造、及び窒化アルミニウム粉末製造における上記のような問題点が無く、しかも、簡便かつ低コストで優れた特性を有する窒化アルミニウム焼結体、及び窒化アルミニウム粉末を量産することが可能な新しい方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、窒化アルミニウム焼結体については、金属アルミニウム粉末成形体真空雰囲気で特定の温度まで昇温した後、N2加圧雰囲気として焼結すること、また、窒化アルミニウム粉末については、金属アルミニウム粉末を真空雰囲気で特定の温度まで昇温した後、N2 加圧雰囲気として焼成し、これを冷却して粉砕すること、等により所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、上記従来技術における問題点を解決することが可能な、窒化アルミニウム焼結体、及び窒化アルミニウム粉末の製造方法を提供することを目的とするものである。本発明によれば、簡便かつ経済的に窒化アルミニウム焼結体を製造することができる。

0008

また、直接窒化法で、炭素還元窒化法と同様のサブミクロン径の均一な形状の粒子からなる窒化アルミニウム粉末を製造することができる。これにより、優れた特性を持つ窒化アルミニウム焼結体の原料として使用できる窒化アルミニウム粉末を、低コストに供給することが可能である。

0009

また、本発明は、アルミニウムの融点以下の温度での反応であり、窒化アルミニウムと第二成分の反応も起こり難く、金属アルミニウム粉末に窒化珪素、炭化珪素、珪素等の第二成分を混合することにより、優れた機械的特性を有する窒化アルミニウム基の複合焼結体を製造することが可能である。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するための本発明は、(1)金属アルミニウム粉末を薄板状に成形し、この成形体を真空雰囲気でアルミニウムの融点を超えない温度まで昇温した後、N2加圧(1〜150kg/cm2)雰囲気として焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法、(2) 金属アルミニウム粉末を薄板状に成形し、この成形体を真空雰囲気で550〜660℃まで昇温した後、N2 加圧(1〜150kg/cm2) 雰囲気として15分〜24時間保持して焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法、(3) 金属アルミニウム粉末を薄板状に成形し、この成形体を上記(1) 又は(2) の方法で焼成した後、更に、N2 雰囲気下1700〜1950℃で焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法、に係るものである。また、本発明は、(4) 金属アルミニウム粉末にY2 O3粉末を0.1〜10mol%混合する上記 (1)、(2) 又は(3) の窒化アルミニウム焼結体の製造方法、を好ましい態様とするものである。また、本発明は、(5) 金属アルミニウム粉末を、アルミニウムの融点を超えない温度まで昇温した後、N2 加圧(1〜150kg/cm2) 雰囲気として焼成し、更に、これを冷却して粉砕することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法、(6) 金属アルミニウム粉末を、真空雰囲気で550〜620℃まで昇温した後、N2 加圧(1〜150kg/cm2) 雰囲気として15分〜24時間保持して焼成し、更に、これを冷却して粉砕することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法、(7) 上記 (5)又は (6)により製造された窒化アルミニウム粉末を、更に、N2 雰囲気下665〜1500℃の温度で焼成することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法、(8) 金属アルミニウム粉末を、真空雰囲気で550〜620℃まで昇温した後、N2 加圧(1〜150kg/cm2) 雰囲気として15分〜24時間保持して焼成し、更に、N2 雰囲気下665〜1500℃の温度で焼成した後、冷却し、これを粉砕することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法、に係るものである。

0011

(1)焼結体の製造
金属アルミニウム粉末は、通常市販されている粒径が数〜数十μのアトマイズド粉等が使用でき、超微粉等の特殊な粉末を用いる必要は無い。また、成形体を作製する方法としては、例えば、金属アルミニウム粉末をプレス成形して、厚さ0.1〜2mm程度のアルミニウム成形体とする方法が好適なものとして例示されるが、これに限らず、薄板状の成形体であれば、適宜の形態、厚さのものを使用することができる。金属アルミニウム粉末の成形方法としては、プレス成形、シート成形押し出し成形等が例示されるが、特に制限されるものではない。昇温を真空雰囲気で行うのは、反応を安定して起こさせるためである。昇温を真空雰囲気で行わないと、窒化が不完全となったり、窒化に伴う成形体の形態変化が大きくなる。

0012

焼成温度が550℃に達しないと窒化反応温度が遅くなり、実用に適さない。660℃を超えると窒化反応熱によりアルミニウムの溶融が起こり、窒化は進みにくくなる。上記温度(アルミニウムの融点を越えない温度、好ましくは、550〜660℃)まで昇温した後、N2加圧(1〜150kg/cm2)雰囲気として15分〜24時間保持して焼成する。反応時間は、保持温度窒素圧力、成形体の厚さや密度、金属アルミニウム粉末の粒径により調整する必要が有るが、低温低圧では長時間を要し、高温、高圧では短時間で良い。また、成形体が薄く、密度が小さく、金属アルミニウム粉末の粒径が小さい方が短時間で反応は終わる。

0013

焼成手段としては、抵抗加熱方式炉、あるいは高周波加熱方式炉等が例示されるが、真空、及び加圧雰囲気下での加熱が可能であればよく、特に制限されるものではないが、炉内の還元性を高めるという点で、黒鉛炉材で構成された炉が、反応の安定性の面で適している。

0014

アルミニウムの融点を超えない温度、好ましくは550〜660℃で焼成した焼結体を、更に、N2雰囲気下1700〜1950℃で0.5〜4時間焼成することにより、より緻密な窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。

0015

本発明の方法では、金属アルミニウム粉末に焼結助剤として通常用いられるイットリア等の希土類酸化物、カルシア等のアルカリ土類酸化物等を添加することが可能であり、それによって、窒化アルミニウムに焼結助剤を添加して得られる通常の常圧焼結体組織と同様に、数μ径の等軸状粒子からなる組織を有する窒化アルミニウム焼結体とすることができる。この場合、金属アルミニウム粉末にY2 O3粉末を0.1〜10mol%混合する方法が好適なものとして例示される。

0016

(2)窒化アルミニウム粉末の製造
窒化に供する金属アルミニウム粉末の状態は容器充填でも、成形体でもよく、特に制限されるものではないが、後工程の粉砕の容易さを考慮すると、密充填や緻密成形は避けた方が良い。昇温を真空雰囲気で行わないと、窒化が不完全となったり、粒子間の焼結が進んで粉砕しにくくなったりする。焼成温度が550℃に達しないと窒化速度は遅くなり、実用に適さない。融点を超えるとアルミニウムの溶融が起こるため、得られる窒化アルミニウム塊は固くなり、粉砕が容易でなくなる。粉砕が容易な窒化アルミニウムを得るには、アルミニウムの融点を超えない温度で焼成する必要が有る。620℃以下の温度で焼成すると、炭素還元法合成粉と同様のサブミクロン径の均一形状の粒子が得られる。

0017

上記温度(アルミニウムの融点を越えない温度、好ましくは、550〜620℃)まで昇温した後、N2加圧(1〜150kg/cm2)雰囲気として15分〜24時間保持して焼成する。反応時間は、保持温度、窒素圧力、粉末の充填状態や成形体の密度、金属アルミニウム粉末の粒径により調整する必要が有るが、低温、低圧では長時間を要し、高温、高圧では短時間で良い。また、充填が緩く、成形体密度が小さく、金属アルミニウム粉末の粒径が小さい方が短時間で反応は終わる。

0018

焼成手段としては、抵抗加熱方式炉、あるいは高周波加熱方式炉等が例示されるが、真空、及び加圧雰囲気下での加熱が可能であればよく、特に制限されるものではないが、炉内の還元性を高めるという点で、黒鉛炉材で構成された炉が、反応の安定性の面で適している。

0019

アルミニウムの融点を超えない温度、好ましくは550〜620℃で焼成した後、更に、N2雰囲気下665〜1500℃の温度で焼成することにより、結晶性を高めることができる。焼成した後、冷却し、これを、クラッシャーボールミル振動ミル等のセラミックス粉末の粉砕に通常使用される手段にて粉砕することにより、窒化アルミニウム粉末が製造される。尚、上記N2 雰囲気下665〜1500℃の温度での焼成は、粉砕の後に行うことも適宜可能である。

0020

本発明によって得られる窒化アルミニウム焼結体は、その表面組成をXRDにて調べた結果、AlNであり、また、重量増加から窒化率を調べた結果、ほぼ100%であることが分かった。これらの結果から、得られた窒化アルミニウム焼結体は、例えば、半導体電子回路で使用される放熱基板半導体パッケージ等の材料として好適に使用することができる。

0021

次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は当該実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1〜12
金属アルミニウム粉末(東洋アルミニウム社製AH-2505)0.16gをプレス成形し、厚さ0.75mm、径12mmの成形体を作製し、この成形体を表1に示す条件で焼成した。得られた焼結体の表面組成をXRD(理学電機社製、RAD−RB型)にて調べたところAlNであった。また、重量増加から窒化率を算出したところ100%であった。

0022

0023

比較例1〜3
金属アルミニウム粉末(東洋アルミニウム社製AH-2505)0.16gをプレス成形し、厚さ0.75mm、径12mmの成形体を作製し、この成形体を表2に示す条件で焼成した。得られた焼結体の重量増加から窒化率を算出したところ、表2の結果が得られた。

0024

0025

実施例13
金属アルミニウム粉末( 東洋アルミニウム社製AH-2505)にY2 O3 (信越化学社製純度4N) を1mol%混合した混合粉末0.16gをプレス成形し、厚さ0.75mm、径12mmの成形体を作製した。この成形体を真空雰囲気下で、昇温速度10℃/min で625℃まで昇温し、続いてN2加圧10kg/cm2雰囲気として2時間保持した。得られた焼結体の表面組成をXRDにて調べたところAlNであった。この焼結体を、続いてN2 雰囲気下、1900℃で2時間焼成した。得られた焼結体の組織を調べたところ、通常の常圧焼結体組織と同様に、数μ径の等軸状粒子からなる組織であった。図1に、本実施例で得られたAlN焼結体組織の写真を示す。尚、N2 雰囲気下、所定の温度(1700〜1950℃)条件下で同様の方法で焼成したところ、ほぼ同様の結果が得られた。

0026

実施例14〜24
金属アルミニウム粉末(東洋アルミニウム社製AH-2505)6gを、縦、横が3cm、深さ1.5cmのカーボン製容器に、底から1cmの高さになるように充填し、これを、表3に示す条件で焼成した。得られた焼成体カーボン容器より取り出し、瑪瑙乳鉢で粉砕し、その組成をXRDにて調べたところ、AlNであった。更に、得られた粉砕粉の形態をSEMにて調べたところ、表3の結果が得られた。

0027

0028

比較例4〜5
金属アルミニウム粉末(東洋アルミニウム社製AH-2505)6gを、縦、横が3cm、深さ1.5cmのカーボン製容器に、底から1cmの高さになるように充填し、これを、表4に示す条件で焼成した。得られた焼成体をカーボン容器より取り出し、瑪瑙乳鉢で粉砕し、その組成をXRDにて調べたところ、AlとAlNであった。

0029

発明の効果

0030

本発明の窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、金属アルミニウム粉末から直接窒化アルミニウム焼結体を得るものであり、従来方法と比較して、窒化アルミニウム焼結体を簡便かつ低コストで製造することができる。本発明は、窒化アルミニウム粉の合成工程を必要とせず、特に、従来の窒化アルミニウム粉末を合成し、これに焼結助剤を添加して焼結する方法と比較して効率的かつ経済的に優れた製造方法である。また、本発明は、従来の常圧焼結法において問題とされていた窒化アルミニウムと第二成分の反応を回避できることから、機械的特性の強い第二成分の複合化が可能であり、強度、靱性等の機械的特性に優れた窒化アルミニウム基複合焼結体を製造することが可能である。本発明に係る窒化アルミニウム焼結体は、半導体電子回路で使用される放熱基板、半導体パッケージ等の材料として有用である。また、本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法によれば、サブミクロン径の均一な粒子からなる窒化アルミニウム粉末を、簡便に製造することができる。これにより、優れた特性を持つ窒化アルミニウム焼結体の原料として使用できる窒化アルミニウム粉末を、低コストで供給することができる。

図面の簡単な説明

0031

図1本発明の実施例で得られたAlN焼結体組織の写真(セラミックス材料組織写真)を示す。

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