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技術 小径回転工具

出願人 株式会社タンガロイ
発明者 穂積豊佐藤学望月学
出願日 1995年12月25日 (24年6ヶ月経過) 出願番号 1995-351023
公開日 1997年7月8日 (22年11ヶ月経過) 公開番号 1997-174435
状態 拒絶査定
技術分野 砥粒による吹付け加工の細部 フライス加工 穴あけ工具
主要キーワード 丸棒部分 くい工 首折れ 折損事故 高温脆性 セラミックス球 投射量 投射条件
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年7月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

ドリルエンドミルなどの小径回転工具において、超硬合金からなる首部の折損を低減する。

解決手段

小径回転工具の少なくともシャンクボデー境界周辺に対して、比重が11〜16ある実質的に球状の投射材を、2〜10kgf/cm2の投射圧力衝突させるショットピーニング処理を施す。首部の形成材料である超硬合金の抗折力が大きくなって、折損が起きにくくなる。

概要

背景

たとえばプリント配線板穴明けに使用されるドリルのように、ドリル直径が通常は0.3mm程度から2mmに満たないような小径回転工具は、切削時に曲げを受けた場合、最も大きな曲げ応力の作用するボデー付け根から折損することが多い。これを防止するために、工具保持部の剛性を上げたり、回転振れ精度を高めるなどの対応がとられるが、工具についても、靭性が高くて折れにくい工具材料を開発するといった対策がとられている。

切削工具性能改善の手段の一つにショットピーニングを応用したものがある。例えば特開平4−331070号公報に開示されたものは、ある投射条件のもとで工具表面気体流とともに球状の研磨材を吹きつけることを特徴とするもので、研磨材として、鋼球ステンレス球ガラス球もしくはセラミックス球が好適するとしている。そして、吹きつけにより工具の表面組織微細化、緻密化して金属疲労および高温脆性に対する耐久性が増加し、その結果、切れ刃寿命が長期化するとしたものである。

概要

ドリル、エンドミルなどの小径回転工具において、超硬合金からなる首部の折損を低減する。

小径回転工具の少なくともシャンクとボデーの境界周辺に対して、比重が11〜16ある実質的に球状の投射材を、2〜10kgf/cm2の投射圧力衝突させるショットピーニング処理を施す。首部の形成材料である超硬合金の抗折力が大きくなって、折損が起きにくくなる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

丸棒状をなすシャンクの一端に連なって切れ刃の備わったボデーが形成されるとともに、少なくともボデーの基端側は超硬合金からなるようにした小径回転工具において、少なくともシャンクとボデーの境界周辺に対して、比重が11〜16ある実質的に球状の投射材を、2〜10kgf/cm2の投射圧力衝突させるショットピーニング処理を施したことを特徴とする小径回転工具。

請求項2

実質的に球状の投射材は、粒径が0.3mm以下の超硬合金であることを特徴とする請求項1に記載の小径回転工具。

請求項3

工具製造工程において、外周研削丸棒状の素材にショットピーニング処理を施したのちに刃付けをし、外周面ショットピーニング処理面が残るようにしたことを特徴とする請求項1および請求項2に記載の小径回転工具。

請求項4

工具製造工程において、切屑排出溝の備わる素材にショットピーニング処理を施したのちに逃げ面研削をし、切屑排出溝面にショットピーニング処理面が残るようにしたことを特徴とする請求項1および請求項2に記載の小径回転工具。

技術分野

0001

この発明は、ドリルエンドミルに代表される小径回転工具に関し、特に首部からの折損を低減したものである。

背景技術

0002

たとえばプリント配線板穴明けに使用されるドリルのように、ドリル直径が通常は0.3mm程度から2mmに満たないような小径回転工具は、切削時に曲げを受けた場合、最も大きな曲げ応力の作用するボデー付け根から折損することが多い。これを防止するために、工具保持部の剛性を上げたり、回転振れ精度を高めるなどの対応がとられるが、工具についても、靭性が高くて折れにくい工具材料を開発するといった対策がとられている。

0003

切削工具性能改善の手段の一つにショットピーニングを応用したものがある。例えば特開平4−331070号公報に開示されたものは、ある投射条件のもとで工具表面気体流とともに球状の研磨材を吹きつけることを特徴とするもので、研磨材として、鋼球ステンレス球ガラス球もしくはセラミックス球が好適するとしている。そして、吹きつけにより工具の表面組織微細化、緻密化して金属疲労および高温脆性に対する耐久性が増加し、その結果、切れ刃寿命が長期化するとしたものである。

発明が解決しようとする課題

0004

上記公報に示された技術は、完成工具に対する後処理として行われるものであって、結果的に切れ刃の硬度が上がって耐摩耗が増加するとしたものである。そのために、投射する研磨材も比較的比重の小さいものを使用して、完成工具の切れ刃が投射によって欠けたりすることのないよう配慮したものと思料される。

0005

本発明もショットピーニングを応用するものである。しかしながら、この発明は、小径回転工具の折損防止を主な課題とし、その解決手段として、本発明者らの研究になる特願平7−139125号明細書に記載のショットピーニング方法を応用したものである。

課題を解決するための手段

0006

この発明は、上記の如き課題に鑑みなされたもので、丸棒状をなすシャンクの一端に連なって切れ刃の備わったボデーが形成されるとともに、少なくともボデーの基端側は超硬合金からなるようにした小径回転工具において、少なくともシャンクとボデーの境界周辺に対して、比重が11〜16ある実質的に球状の投射材を、2〜10kgf/cm2の投射圧力衝突させるショットピーニング処理を施したことを特徴とする。

0007

特に、実質的に球状の投射材は、粒径が0.3mm以下の超硬合金であることを特徴とする。

0008

さらに、工具製造工程において、外周研削丸棒状の素材にショットピーニング処理を施したのちに刃付けをし、外周面ショットピーニング処理面が残るようにしたことを特徴とする。

0009

また、工具製造工程において、切屑排出溝の備わる素材にショットピーニング処理を施したのちに逃げ面研削をし、切屑排出溝面にショットピーニング処理面が残るようにしたことを特徴とする。

0010

本発明者らは、金属部品疲労強度を従来以上に向上するという求めに応じて、ショットピーニングにおける投射速度高速にしたり、投射面積の面あたりの投射量を増やすなど、投射条件が過酷になる近年の傾向に対応しつつ、被処理品の表面を荒らさず、圧縮残留応力最大値が非処理品の表面に生じ、疲労強度のバラツキや低下をもたらさず、一方ではそのための煩雑な工程やそれに伴うコストの上昇がない、新規なショットピーニング方法を開発した。すなわち、特定範囲高比重の投射材を、特定範囲の低い投射速度で被処理品に衝突させるというものであり、具体的には、小径回転工具に対して、比重が11〜16ある実質的に球状の投射材を、2〜10kgf/cm2の投射圧力で衝突させるショットピーニング処理を施すというものである。とりわけ、投射材として粒径が0.3mm以下の超硬合金が好適する。

0011

本発明者らの研究によれば、前記高比重の投射材を比較的低い投射速度で投射することによって、被処理面の表面に圧縮残留応力を与え、しかもその最大値が表面に生じるので、被処理品の疲労強度を著しく向上させることが分った。疲労強度の大幅増加が、ボデーとシャンクとの境界部からの折損、いわゆる首折れを防止する。さらに、過酷な投射条件を用いないので、投射材の損耗も少なく、高価な装置を用いる必要がなく、その結果、加工コストは低い。

0012

とはいえ、超硬合金製のボデーに超硬合金のような高比重の投射材を噴射するという高硬度材同士を衝突させるものであるから、投射速度や粒径を具体的に数値で限定してある。また、シャンクとボデーの境界周辺が丸棒のままである工具形状の場合には、丸棒部分に投射し、鋭利研削加工が要求される切れ刃には投射しないようにする。一方、切屑排出溝がシャンク近くにまで達して切れ刃が形成されているような工具形状の場合には、少なくとも切屑排出溝または外周逃げ面のどちらか一方に投射面が残るようにする。そして、このような場合であっても疲労強度の増大は認められ、折損防止効果は発揮される。

0013

次に、この発明の一実施例について、図を参照しながら説明する。

0014

図1は、エポキシなどからなるプリント配線板の穴明けに使用されるパンチ形といわれる小径ドリルを示すものであって、丸棒状をなすシャンク1の一端に連なってボデー2が形成され、ボデー2には、外径寸法の異なるシャンク1とボデー2とを結ぶテーパ3が形成されている。

0015

ボデー2の先端には切れ刃部4が形成され、ボデー2から切れ刃部4とテーパ3を除いた部分が首部5となる。パンチ形は、切れ刃部4が首部5より外径が若干大きく形成されたものだが、切れ刃部4の直径は、通常は0.3mm程度から2mmに満たないような大きさである。そして、少なくとも首部5は超硬合金素材からなる。切れ刃部4にはそのまま超硬合金が使われるほか、ダイヤモンド焼結体チップなどが使用されることもある。ボデー2の外周には、ドリルの先端よりテーパ3にかけて、軸線に沿って切屑排出溝6が条設されている。

0016

以上のように構成された小径ドリルに起きる折損事故の多くは、首部5とテーパ3との境界付近が起点となる。ちなみに、首部5とシャンク1とにほとんど外径差のないストレートドリルの場合は、ドリルの把持具口元から折れやすい。いずれにしても、ボデー2とシャンク1との境界周辺で折れやすいことに変わりない。これを防止するために、首部5からテーパ3にかけて、比重が11〜16ある実質的に球状の投射材を、2〜10kgf/cm2の投射圧力で衝突させるショットピーニング処理を施す。代表的な投射材として超硬合金があげられ、その粒径は0.3mm以下が好ましい。

0017

パンチ形ドリルの首部5はドリル直径より径小なので、当該部分は実質的に切削に関与せず、切屑の排出がなされればよいのであるから、最終形状に成形加工済みのドリルに対して、切れ刃部4を保護したのち、前記境界周辺を主対象としたショットピーニング処理を行う。

0018

一方、図には示されていないが、切れ刃部4と首部5とが段差なく連続する非パンチ形のドリルの場合には、鋭利な切れ刃7が形成できるように、工具製造工程を次のようにする。すなわち、外周研削丸棒状の素材にショットピーニング処理を施したのちに、切屑排出溝6の研削による刃付けを行うようにすれば、所定の工具形状が得られるとともに、外周面にはショットピーニング処理面が残るようなる。

0019

切屑排出溝6にショットピーニング処理面を残す方法であっても構わない。その一実施例が図2に示されている。これは小径エンドミルであって、上記小径ドリルと同一箇所には同符号を付してある。エンドミル工具は、切屑排出溝6の外縁に、先端側から外周に亘って切れ刃7が備わるものであるから、切屑排出溝6の形成された素材に対して本発明になるショットピーニング処理を施すようにする。その後、ねじれ溝に倣って外周逃げ8を研削するようにすれば、所定の工具形状が得られるとともに、切屑排出溝6にはショットピーニング処理面が残るようなる。

0020

本発明になるショットピーニング処理の効果を表わすモデル試験の一つを図3に示す。これは、直径3.2mmの丸棒を使用し、JIS B 4053に規定する抗折力試験に準じて行ったものである。すなわち、丸棒を支点間距離20mmに設定された試験機の上に載せ、支点中央に徐々に荷重負荷して、破断したときの荷重から抗折力を算出する。丸棒には、小径ドリルに利用される超微粒子超硬合金を使用し、ショットピーニング処理のないものと比較した。ショットピーニング処理を施したものは、ビッカース硬度HV1500で粒径0.1mmの超硬合金製投射材を、投射圧力2〜6kgf/cm2にて投射したものである。

0021

同一投射条件のものをそれぞれ30本づつ用意し、図3にはバラツキも含めて表示されているが、平均値でみると、ショットピーニング処理を施したものの方が、明らかに抗折力が向上している。また、投射圧力の高い方が、その効果が大きいことが分るが、実用的には、対象となる小径回転工具のサイズや形状などに従って適宜選択される。

0022

さらに、正確な試験データとして得られていないが、ショットピーニング処理面の一部が研削などにより消失したものであっても、抗折力の高くなることが分っている。

発明の効果

0023

以上のように、本発明によれば、少なくともボデーの基端側が超硬合金製の小径回転工具に対して、簡単な装置による簡単な処理によって疲労強度を高めることができ、ボデーの付け根からの折損を少なくすることができる。

図面の簡単な説明

0024

図1本発明の一実施例になる小径ドリルの正面図である。
図2本発明の一実施例になる小径エンドミルの正面図である。
図3抗折力試験の結果を示したものである。

--

0025

1シャンク
2ボデー
4切れ刃部
5 首部
6 切屑排出溝

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