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技術 水素により誘起される減衰に耐性を有する光ファイバおよびその作成方法

出願人 コーニング・インコーポレーテッド
発明者 アルフレッドジョセフアントスティモシーハントデイルロバートパワーズウイリアムアンソニーウェドン
出願日 1996年11月5日 (23年4ヶ月経過) 出願番号 1996-292912
公開日 1997年6月30日 (22年8ヶ月経過) 公開番号 1997-171120
状態 特許登録済
技術分野 光ファイバの素線、心線 光ファイバ、光ファイバ心線 ガラス繊維の製造、処理
主要キーワード 減衰問題 コア棒 外側限界 プラズマ外 円筒状マンドレル 侵入水 オーバークラッド材 四塩化物
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図面 (6)

課題

改良された単一モード光導波路ファイバを提供する。

解決手段

内側クラッド領域22に取り囲まれた中心コア領域10を備え、選択された信号波長を有する光が中心コア領域10内を伝搬するのに加えて、かなりの程度の光が内側クラッド領域22を通って伝搬し、内側クラッド領域22が中心コア領域10よりも低い屈折率を有し、内側クラッド領域22がさらに外側クラッド領域17に取り囲まれている単一モード光導波路ファイバにおいて、内側クラッド領域22内に、水素により誘起される減衰に起因する欠陥の形成に寄与する内側クラッド領域22内の酸素原子の濃度低減に有効な、この内側クラッド領域22の約0.005重量%から約1重量%までの範囲内の濃度を有する二酸化ゲルマニウムを含有させる。

概要

背景

減衰性低分散性を有する光ファイバは、いずれのファイバにもある程度の量の減衰が存在するとはいうものの、中継器のない長いリンクの形成に使用するのに有利である。しかし上記減衰があるために、ファイバによって搬送される光の再増幅が最終的に必要になる。事情によっては、ファイバの低損失(低減衰)により使用可能となる中継器のない長いファイバリンクを用いることによって経費を大幅に節約することが要望されるので、その場合、安全率は著しく定価してしまう。もし、光ファイバが運用に供された後に、送信波長におけるファイバ内の減衰が著しく増大すると、システムの運用が中断される可能性がある。

運用に供されたファイバにおける上記減衰の幾分かは、ファイバに侵入した水素、特にコアに侵入した水素により誘起されることが研究により解明された。水素によって誘起される減衰作用には数種類あることが知られている。

すなわち、(1)大気中の水素の分圧に直接的に比例する侵入水素、(2)低濃度(0.1重量%未満)を除いてドーパントとしてのP2 O5 の使用を妨げるリン水酸基吸収(1300〜2000nm)の増大、(3)高温下で長時間水素にさらすこと、これは短波長において、可視領域を通って赤外線領域に延びる広範囲な尾を有する高い光吸収を生じる、(4) 水素がファイバのコア領域に最初に達したときに発生する、1330,1440および1530nmの著しいピークを伴う過渡的吸収、ならびにSi-O-O-H-Hにより1380nmにおいて発生する恒久的吸収。

多くの人が、この水素減衰問題を軽減すべく試みた。例えばコーニングインコーポレーティッドに譲渡されたブランケンシップの米国特許第 5,059,229号には、ファイバを水素にさらすことによって、たとえ高くとも安定した減衰レベルに到達させるファイバの後処理方法が記載されており、ファイバが運用に供された後に水素を含む大気にさらされた場合でも、もはやさらなる減衰の進行は生じないことを説明している。このような対症療法およびその他の努力にも拘らず、水素により誘起される減衰の問題は依然として存続している。

光ファイバにおける光減衰の1つの主たる原因は、1380nm付近の非常に強い光吸収ピークを生じさせる水酸基である。このような化学種の存在を低減すべき努力に関する文献から明らかなように、多くの著述がなされている。例えば、塩素の存在下での固結( consolidation)中に多孔性ガラス微粒子プリフォームを乾燥させることが従来から知られており、この塩素は、ガラス中に存在する水と反応して塩化水素ガスを生成し、次にこの塩化水素ガスが高温でプリフォームから同時に除去され、かくして、ガラス中の水酸イオンの濃度が低減される。

概要

改良された単一モード光導波路ファイバを提供する。

内側クラッド領域22に取り囲まれた中心コア領域10を備え、選択された信号波長を有する光が中心コア領域10内を伝搬するのに加えて、かなりの程度の光が内側クラッド領域22を通って伝搬し、内側クラッド領域22が中心コア領域10よりも低い屈折率を有し、内側クラッド領域22がさらに外側クラッド領域17に取り囲まれている単一モード光導波路ファイバにおいて、内側クラッド領域22内に、水素により誘起される減衰に起因する欠陥の形成に寄与する内側クラッド領域22内の酸素原子の濃度低減に有効な、この内側クラッド領域22の約0.005重量%から約1重量%までの範囲内の濃度を有する二酸化ゲルマニウムを含有させる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
6件

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請求項1

内側クラッド領域に取り囲まれた中心コア領域を備え、選択された信号波長を有する光が前記中心コア領域内を伝搬するのに加えて、かなりの程度の前記光が前記内側クラッド領域を通って伝搬し、前記内側クラッド領域が前記中心コア領域よりも低い屈折率を有し、該内側クラッド領域がさらに外側クラッド領域に取り囲まれている単一モード光導波路ファイバにおいて、前記内側クラッド領域内に、水素により誘起される減衰に起因する欠陥の形成に寄与する前記内側クラッド領域内の酸素原子の濃度を著しく低減するのに有効な、前記内側クラッド領域の約0.005重量%から約1重量%までの範囲内の濃度を有する二酸化ゲルマニウムが含有されていることを特徴とする単一モード光導波路ファイバ。

請求項2

前記内側クラッド領域内の二酸化ゲルマニウムの濃度が、該内側クラッド領域の約0.1重量%から約0.5重量%までの範囲内、または約0.1重量%から約0.3重量%までの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の単一モード光導波路ファイバ。

請求項3

前記中心コア領域、内側クラッド領域および外側クラッド領域がすべて溶融シリカよりなり、および/または前記中心コア領域に二酸化ゲルマニウムがドープされていることを特徴とする請求項1記載の単一モード光導波路ファイバ。

請求項4

温度23℃、1容積%の水素を含む雰囲気中に10日間保つことにより、この10日間が経過すると、1530nmにおける信号光の前記ファイバの長さ1km当たりの減衰量が約0.5デシベル未満に、または、前記ファイバの長さ1km当たりの減衰量が約0.005デシベル未満に変化することを特徴とする請求項1記載の単一モード光導波路ファイバ。

請求項5

コア微粒子先駆物質組成物燃焼させて中心コア領域ガラス微粒子基体上に堆積させ、次いで内側クラッド領域ガラス微粒子先駆物質組成物を燃焼させて内側クラッド領域ガラス微粒子を前記中心コア領域ガラス微粒子を覆って堆積させてコアプリフォームを生成させるようにした、単一モード光導波路ファイバの製造に有用なコアプリフォームの作成方法において、(a) 約0.005重量%と約1重量%との間の二酸化ゲルマニウムを含む内側クラッド領域ガラス微粒子を生成させるのに有効な、約0.003モル%から0.6モル%までの範囲内、(b) 約0.1重量%と約0.5重量%との間の二酸化ゲルマニウムを含む内側クラッド領域ガラス微粒子を生成させるのに有効な、約0.03モル%から0.3モル%までの範囲内、(c) 約0.1重量%と約0.3重量%との間の二酸化ゲルマニウムを含む内側クラッド領域ガラス微粒子を生成させるのに有効な、約0.06モル%から0.2モル%までの範囲内、から選択された濃度を有する二酸化ゲルマニウム先駆物質を、前記内側クラッド領域ガラス微粒子先駆物質組成物中に含ませることを特徴とするコアプリフォームの作成方法。

請求項6

前記内側クラッド領域ガラス微粒子の堆積中に、前記内側クラッド領域ガラス微粒子先駆物質組成物の組成を一定に維持することを特徴とする請求項5記載のコアプリフォームの作成方法。

請求項7

前記内側クラッド微粒子先駆物質組成物および/またはコア微粒子先駆物質組成物が、二酸化シリコンの先駆物質および二酸化ゲルマニウムの先駆物質から実質的になることを特徴とする請求項5記載のコアプリフォームの作成方法。

請求項8

前記二酸化シリコンの先駆物質が、四塩化シリコンヘキサメチルジシロキサンヘキサメチルシクロトリシロキサンオクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンからなる群から選択され、および/または前記二酸化ゲルマニウムの先駆物質が四塩化ゲルマニウムであることを特徴とする請求項5記載のコアプリフォームの作成方法。

請求項9

(a)コア微粒子先駆物質組成物を燃焼させて中心コア領域ガラス微粒子を基体上に堆積させ、次いで、(b)内側クラッド領域ガラス微粒子先駆物質組成物を燃焼させて内側クラッド領域ガラス微粒子を前記中心コア領域ガラス微粒子を覆って堆積させて、コアプリフォームを生成させ、次いで、(c) 該コアプリフォームを塩素の存在下で乾燥させかつ高温で固結し、次いで、(d) 前記コアプリフォームを加熱しかつコア棒延伸し、次いで、(e)外側クラッド領域ガラス微粒子先駆物質組成物を燃焼させて外側クラッド領域ガラス微粒子を前記コア棒の全長を覆って堆積させてオーバークラッドプリフォームを生成させる、単一モード光導波路ファイバの製造に有用なオーバークラッドプリフォームの作成方法において、約0.005重量%と約1重量%との間の二酸化ゲルマニウムを含む内側クラッド領域ガラス微粒子を生成させるのに有効な、約0.003モル%から0.6モル%までの範囲内の濃度を有する二酸化ゲルマニウム先駆物質を、前記内側クラッド領域ガラス微粒子先駆物質組成物中に含ませることを特徴とするオーバークラッドプリフォームの作成方法。

請求項10

(a)コア微粒子先駆物質組成物を燃焼させて中心コア領域ガラス微粒子を基体上に堆積させ、次いで、(b)内側クラッド領域ガラス微粒子先駆物質組成物を燃焼させて内側クラッド領域ガラス微粒子を前記中心コア領域ガラス微粒子を覆って堆積させて、コアプリフォームを生成させ、次いで、(c)該コアプリフォームを塩素の存在下で乾燥させかつ高温で固結し、次いで、(d)前記コアプリフォームを加熱しかつコア棒に延伸し、次いで、(e)外側クラッド領域ガラス微粒子先駆物質組成物を燃焼させて外側クラッド領域ガラス微粒子を前記コア棒の全長を覆って堆積させてオーバークラッドプリフォームを生成させ、次いで、(f) 該オーバークラッドプリフォームを塩素の存在下で固結し、次いで、(g) 前記オーバークラッドプリフォームを加熱し、かつ導波路ファイバ伸線加工する、単一モード光導波路ファイバの作成方法において、約0.005重量%と約1重量%との間の二酸化ゲルマニウムを含む内側クラッド領域ガラス微粒子を生成させるのに有効な、約0.003モル%から0.6モル%までの範囲内の濃度を有する二酸化ゲルマニウム先駆物質を、前記内側クラッド領域ガラス微粒子先駆物質組成物中に含ませることを特徴とする単一モード光導波路ファイバの作成方法。

技術分野

0001

本発明は、光ファイバに関し、特に、水素により誘起される減衰耐性を有する光ファイバおよびその作成方法に関する。

背景技術

0002

減衰性低分散性を有する光ファイバは、いずれのファイバにもある程度の量の減衰が存在するとはいうものの、中継器のない長いリンクの形成に使用するのに有利である。しかし上記減衰があるために、ファイバによって搬送される光の再増幅が最終的に必要になる。事情によっては、ファイバの低損失(低減衰)により使用可能となる中継器のない長いファイバリンクを用いることによって経費を大幅に節約することが要望されるので、その場合、安全率は著しく定価してしまう。もし、光ファイバが運用に供された後に、送信波長におけるファイバ内の減衰が著しく増大すると、システムの運用が中断される可能性がある。

0003

運用に供されたファイバにおける上記減衰の幾分かは、ファイバに侵入した水素、特にコアに侵入した水素により誘起されることが研究により解明された。水素によって誘起される減衰作用には数種類あることが知られている。

0004

すなわち、(1)大気中の水素の分圧に直接的に比例する侵入水素、(2)低濃度(0.1重量%未満)を除いてドーパントとしてのP2 O5 の使用を妨げるリン水酸基吸収(1300〜2000nm)の増大、(3)高温下で長時間水素にさらすこと、これは短波長において、可視領域を通って赤外線領域に延びる広範囲な尾を有する高い光吸収を生じる、(4) 水素がファイバのコア領域に最初に達したときに発生する、1330,1440および1530nmの著しいピークを伴う過渡的吸収、ならびにSi-O-O-H-Hにより1380nmにおいて発生する恒久的吸収。

0005

多くの人が、この水素減衰問題を軽減すべく試みた。例えばコーニングインコーポレーティッドに譲渡されたブランケンシップの米国特許第 5,059,229号には、ファイバを水素にさらすことによって、たとえ高くとも安定した減衰レベルに到達させるファイバの後処理方法が記載されており、ファイバが運用に供された後に水素を含む大気にさらされた場合でも、もはやさらなる減衰の進行は生じないことを説明している。このような対症療法およびその他の努力にも拘らず、水素により誘起される減衰の問題は依然として存続している。

0006

光ファイバにおける光減衰の1つの主たる原因は、1380nm付近の非常に強い光吸収ピークを生じさせる水酸基である。このような化学種の存在を低減すべき努力に関する文献から明らかなように、多くの著述がなされている。例えば、塩素の存在下での固結( consolidation)中に多孔性ガラス微粒子プリフォームを乾燥させることが従来から知られており、この塩素は、ガラス中に存在する水と反応して塩化水素ガスを生成し、次にこの塩化水素ガスが高温でプリフォームから同時に除去され、かくして、ガラス中の水酸イオンの濃度が低減される。

発明が解決しようとする課題

0007

このような方法を採用した場合でも、さらに他の減衰源が存続する。シリカガラスの形成において(特に、コアプリフォームの固結中およびファイバの伸線加工中)、過剰の酸素がガラス内に捕捉されてパーオキシル結合(-Si-O-O-Si- )が生じ得る。これらパーオキシル結合は分解して反応性の-Si-O-O-状態になる。もし水素が続いてガラスに入ると、-Si-O-O-種と反応して-Si-O-O-H-H 種を形成し、この化学種は、1530nmにおいて吸収を生じ、したがって、逆に1550nmにおける動作に影響を与える可能性がある。上記Si-O-O-H-H種は次に水素原子を失って、1380nmで吸収を生じるSi-O-O-H2 を形成する。これに加えて、Si-Si欠陥(defects )が生じる可能性がある。これらはSi-Si-基に分解し、過剰の酸素がこれらと反応してSi-O-O基を形成する。本発明者等は、ゲルマニウム自体がSi-Si 欠陥に合体する可能性があることも想定した。

0008

本発明者等は、二酸化ゲルマニウムが、反応性の化学種を形成する可能性のある過剰な酸素を排除することによって、水酸基を形成するかかる酸素と水素との反応を阻止して、光ファイバの光搬送領域への水素の移動による減衰増大作用を制御し得ることを発見した。ゲルマニウムは、例えば四塩化ゲルマニウムのような反応性を有する形態で微粒子堆積(depoisition )炎に導入される。プリフォームの形成中にガラス微粒子を生じる四塩化ゲルマニウムを含む反応物燃焼によって、四塩化ゲルマニウムは酸素と反応して二酸化ゲルマニウムを生成する。炎堆積工程(flame deposition process)によって堆積(deposit )される二酸化ゲルマニウムは、各ゲルマニウム原子につき2個よりも少ない酸素原子を含むために、化学量論化合物ではない。この故に、二酸化ゲルマニウムは、固結およびファイバの伸線加工中のガラスプリフォームから過剰な酸素を排出できるのである。

0009

従来より、コアの屈折率を増大させて最終的な光ファイバにおける光の伝搬を促進する目的で、光ファイバプリフォームコアガラス内へのドーパントとして二酸化ゲルマニウムを用いることが知られている。コアのための多孔性ガラス微粒子の固結中に、乾燥用に使用される塩素は、二酸化ゲルマニウムと反応して四塩化ゲルマニウムを生成する副作用を有する。このように生成した四塩化物の形態のゲルマニウムが、コアから外方へ移動して二酸化ゲルマニウムとして再堆積する。

0010

小型のプリフォームにおいては、塩素との反応によるファイバプリフォームの光搬送領域を通っての四塩化ゲルマニウムの外方への移動は、さもなくば後で移動する水素との反応に利用できるであろう過剰酸素を制御する充分な二酸化ゲルマニウムを供給する。しかしながら、塩素乾燥工程におけるこの有益な作用は、乾燥され固結されるプリフォームの直径に依存する。プリフォームが大径になるほど、コア内の二酸化ゲルマニウムをより外方の光搬送領域に広げるように働く塩素乾燥工程の効果は少なくなる。スケール効率は、体積の大きい、したがって大径の光ファイバの伸線加工によって達成されるが、過剰な酸素を最終的な光ファイバの光搬送領域を通じて直接排出しなければならなくなり、これは非常に困難である。105mmを超える直径を有するプリフォームにおいては、コアに堆積された二酸化ゲルマニウムの塩素によって誘起される移動が不十分になることが判明した。

課題を解決するための手段

0011

従来技術では、光ファイバプリフォームのコアガラス以外の部分に二酸化ゲルマニウムを添加することに一貫して反対の立場をとってきた。多モードファイバでは、光はコア内のみを伝搬する。コアガラスの屈折率はクラッドの屈折率よりも高くなるように設計されるからである。クラッドに二酸化ゲルマニウムを添加することは、必然的にクラッドの屈折率を高めることになり、光ファイバの光搬送能力を損なう可能性がある。単一モード光ファイバでは多少異なる動作をする。単一モード光ファイバとは、例えば、選択された信号波長において、HE11モードの互いに直交する2つのモードの光のみを伝搬する光ファイバと従来より定義されているような光ファイバを意味する。コアの屈折率はクラッドの屈折率よりも高いということは重要である。しかしながら、この場合は、光がコアとクラッドとの双方を伝搬する。従来は、クラッドの屈折率を高める傾向があって最終的に光ファイバの光搬送能力を損なうという理由で、クラッド内に二酸化ゲルマニウムを存在させるのを避けるように指摘されてきた。

0012

しかしながら、本発明者等は、単一モード光ファイバにおける光伝送を意図したクラッドの一部に二酸化ゲルマニウムを僅かな濃度で添加することが可能なことを発見した。この二酸化ゲルマニウムは、ファイバの単一モード光搬送能力に対して不利な影響を与えるには不十分な程度にガラスの屈折率を高めるとは言え、ガラス内の不安定な過剰酸素を排出して、後に光ファイバ上に移動する水素による減衰増大作用を制御するように動作する。

0013

本発明は、特に、中心コアと、この中心コアを取り囲む内側クラッドと、この内側クラッドを取り囲む外側クラッドからなる単一モード光ファイバを提供するものである。上記コアには、従来と同様に屈折率を高めるドーピングが施されている。内側クラッドと外側クラッドは、内側クラッドに僅かな濃度の二酸化ゲルマニウムがドープされていることを除いて、実質的に同じ材料から作成される。好ましい実施の形態では、コアのドーパントもまた二酸化ゲルマニウムよりなる。内側クラッド内の二酸化ゲルマニウムの濃度は、約0.005重量%から約1重量%までの範囲であり、好ましくは、約0.1重量%から約0.5重量%までの範囲であり、最も好ましくは、約0.1重量%から約0.3重量%までの範囲である。本発明は、さらに、光ファイバおよびコアおよびオーバークラッドプリフォームの作成に有用な、コアおよびオーバークラッドプリフォームの作成方法をも提供するものである。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

0015

単一モード光ファイバを作成するための公知の技術を用いて、1つのコア領域と1つの内側クラッド領域とからなる1つのコア棒(core cane )が先ず形成される。このコア棒は、付加的クラッド材料でオーバークラッドされ、1本の光ファイバに伸線加工される。図1に示されるように、光ファイバは外周面11で画成された中心コア10を有する。コア10の周りに環を形成する内側クラッド領域22は、コア10の外周面11上に形成された内周面13を有する。内側クラッド領域22はまた、外周面15を有する。外側クラッド領域17が内側クラッド領域22を取り囲んでいる。上述の形式単一モードファイバ商品としての1つの実施の形態では、コア10の直径が約8.8ミクロン、内側クラッド領域22の半径方向の厚さが約6.1ミクロン、外側クラッド領域17の半径方向の厚さが約52ミクロンである。

0016

内側クラッド領域22の材料は一般的に純粋なシリカである。内側クラッド領域22の屈折率を低下させるドーパントを内側クラッド領域22に加えることも知られている。内側クラッド領域22の屈折率を低下させることにより、コア10と内側クラッド領域22との間の屈折率の差が実質的に増大する。そこで、従来の理論に従えば、内側クラッド領域22の屈折率を高めることは一般的に望ましくない。

0017

それでも、比較的少量の二酸化ゲルマニウムを内側クラッド領域22に添加すると、後の水素により誘起される減衰の発生率を著しく低減させる。1つの実験の結果が図2に示されている。図2には、内側クラッド領域22に二酸化ゲルマニウムがドープされていない90mmの外径を有する固結されていないプリフォーム(外側クラッドを含む)と、内側クラッド領域22に二酸化ゲルマニウムがドープされている125mmの外径を有する固結されていないプリフォームと、内側クラッド領域22に二酸化ゲルマニウムがドープされていない125mmの外径を有する固結されていないプリフォームとの、内側クラッド領域における二酸化ゲルマニウムの比較のために用意された量が示されている。予期したように、二酸化ゲルマニウムの一部が、コアから内側クラッド領域22のコア10と内側クラッド領域22との境界11−13に隣接する領域に拡散される。しかしながら、外径90mmの素材内および外径125mm素材内における二酸化ゲルマニウムの濃度は、内周面13から内側クラッド領域22の半径の約30%の距離においてほぼゼロに減少する。内側クラッド領域に二酸化ゲルマニウムがドープされた外径125mmの素材は、内側クラッド領域の外周面15に達する環状領域においてほぼ0.5重量%の二酸化ゲルマニウムの濃度レベルを維持している。乾燥および固結中における四塩化物の形態のゲルマニウムのコアから内側クラッド領域への移動のために、内側クラッド領域のコアに近い部分は、より高い二酸化ゲルマニウム濃度を有する。

0018

図2の比較結果が表1に示されている。

0019

0020

他の実験によれば、光ファイバプリフォームの内側クラッド領域における二酸化ゲルマニウム濃度は少なくとも約0.005重量%必要であり、かつ約1重量%を超える二酸化ゲルマニウム濃度は内側クラッド領域の屈折率の異常な増大を招くことが判明している。内側クラッド領域における二酸化ゲルマニウム濃度は、約0.1〜0.5重量%の範囲が好ましく、約0.1〜0.3重量%の範囲が特に好ましい。本発明者等は、内側クラッド領域の境界を、そこを通ってかなりの光が光ファイバの終端まで伝送される最終的な光ファイバの部分の外側限界として定義している(これによって、ここで重要な水素によって誘起される減衰の低減が図られる)。

0021

内側クラッド領域内に用いられるこのような比較的低濃度の二酸化ゲルマニウムは、コアおよび内側クラッド領域内の光伝送に対して不適当な作用を及ぼさない。

0022

ここで本発明者等は、光ファイバコアおよびファイバプリフォームの作成方法および光ファイバの作成方法の好ましい実施の形態について説明する。但し、図面は、本発明を説明し象徴するものであって、そこに示されている要素の尺度または比率を示すことを意図したものではないことに注目されたい。さらに、水素により誘起される減衰の問題が多モード導波路では発生しないことから、本発明は、特に単一モード導波路に関するものであることに注目されたい。本発明はまた、屈折率が一定の傾斜を有するかあるいは変化するコアを備えた光導波路に関するものである。

0023

光導波路微粒子プリフォームは、例えば図3および図4に示された方法によって、通常的に作成される。火炎加水分解バーナ14によってガラス微粒子の被覆10が円筒状マンドレル12に施される。燃料ガスと酸素または空気とが供給源(図示は省略)からバーナ14に供給される。この混合物は液状先駆物質とともに燃焼して、四塩化シリコンあるいはポリアルキルシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン)のようなガラス微粒子になり、バーナーから放出される炎16を生成する。燃料ガス、酸素および微粒子先駆物質からなるガス蒸気混合物は、炎16で酸化されて、炎16を離れて流れとなってマンドレル12に向かうガラス微粒子を形成する。最初の微粒子被覆(多層)はマンドレル12上に堆積して光ファイバのコア10を形成する。円筒状マンドレル上に微粒子被覆を形成する火炎加水分解法は、米国再発行特許第28,029号および第 3,823,995号に詳述されている。マンドレル12は支持体20によって支持され、等質な微粒子の堆積のために、図3矢示のように、回転され、かつ軸方向に移動される。

0024

次に、図4に示されているように、2番目の微粒子被覆(多層)が1番目の微粒子被覆10の外周面に施される。2番目の微粒子被覆は内側クラッド領域22を形成する。周知の慣例により、内側クラッド領域22の屈折率は、炎16内で生成する微粒子の組成の変更によって、1番目の被覆10(コア領域)の屈折率よりも低くされる。これは、炎内に導入されるドーパント材料の濃度または形式の変更によって、あるいはドーパント材料の省略によって達成できる。マンドレル12は再び回転され、かつ軸方向に移動されて、内側クラッド領域22の等質な堆積が得られ、1番目の被覆10(コア領域)と2番目の被覆22とを含む複合構造が光導波路微粒子コアプリフォーム41を構成する。

0025

本発明によれば、最終的に内側クラッド領域22を形成する2番目の微粒子被覆を施す方法は、従来の方法を修正して、(四塩化ゲルマニウムのような)適切な濃度のゲルマニウム先駆物質の導入によって、プリフォームおよび最終的な光ファイバの内側クラッド領域に前述した濃度の二酸化ゲルマニウムを生成させるたものである。好ましい実施の形態では、微粒子先駆物質組成物におけるゲルマニウム先駆物質の濃度は、約0.003モル%から約0.6モル%までの範囲であり、約0.03モル%から約0.3モル%までの範囲がより好ましく、約0.06モル%から約0.2モル%までの範囲が最も好ましい。他の好ましい実施の形態では、内側クラッド微粒子先駆物質組成物の組成が内側クラッド領域ガラス微粒子の堆積中一定に保たれる。しかしながら、この方法を示す上述の記載は、内側クラッド領域にゲルマニウムをドープすることを除いてすべて従来通りであることに注目されたい。それ故に、当業者間では通常の技術として知られている従来の方法の部分的変更を用いることができる。例えば、外付け法内付け法軸付け法、改良された化学蒸着法あるいはプラズマ外付け・内付け法を含む、しかしこれらに限定されない種々の堆積法のいずれかを用いることができる。

0026

光ファイバの製造においては、光ファイバのコアおよびクラッド領域(内側および外側)は、最小の光減衰特性を有するガラスから作成されなければならず、いずれの光学ガラスも使用できるとはいうものの、溶融シリカ(fused silica)が特に適したガラスである。構造上および実験上から考慮すると、コアガラスおよびクラッドガラスが類似した物理的特性を有することが望ましい。本来の動作からすれば、コアガラスはクラッドガラスよりも高い屈折率を有しなければならないから、コアガラスはクラッドに用いられるガラスと同じタイプのガラスで作成され、かつ屈折率を僅かに高めるための他の材料の少量をドープされたものであることが望ましい。例えば、クラッドガラスとして純粋な溶融シリカを用いる場合、コアガラスは、その屈折率を高めるための材料をドープされた溶融シリカよりなるものとすることができる。シリカの先駆物質としては、例えば、四塩化シリコン、ヘキサメチルジシロキサンのようなポリアルキルシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンのようなポリアルキルシクロシロキサンを含むものとすることができる。

0027

溶融シリカの屈折率を高めるドーパントとして、多くの適切な材料が単独でまたは組み合わせで用いられてきた。これらは、酸化チタン酸化タンタル酸化アルミニウム酸化ランタン酸化リンおよび二酸化ゲルマニウムを含むがこれらに限定されるものではない。二酸化ゲルマニウムをドープされた溶融シリカのコアは、溶融シリカのクラッドを設ける場合に好都合である。二酸化ゲルマニウムの先駆物質としては、四塩化ゲルマニウムを含むものとすることができる。

0028

マンドレル12を取り除くと、図5に示されているような、中空円筒多孔質微粒子コアプリフォーム41が得られる。プリフォーム41は、第1および第2の多孔質微粒子ガラス層10および22からなり、層10の屈折率は層22のそれよりも高い。好ましいことではないが、コア層10のみを堆積させかつ固結した後にコア棒を延伸することも可能である。

0029

コアプリフォーム41は次に固結され、かつ外側クラッド領域を形成するオーバークラッド材料の堆積がなされて再度固結される。固結およびオーバークラッド材料の堆積工程については周知の技術であるが、説明の連続性のために若干記載する。プリフォーム41は白墨に類似した組織を備えた多孔性構造を有する。プリフォーム41は、一般的な態様で制御された炉内で塩素および随意的なヘリウムの存在の下に加熱されて固結される。塩素はプリフォームを乾燥させるために用いられる。この乾燥は、(好ましくは)固結工程に先立ってあるいは固結と同時に行なわれる。固結されたコアプリフォームは延伸されて中心孔40が除去されてコア棒とされ、オーバークラッド付けのために適当な長さに切断される。次にこの適当な長さのコア棒上に、微粒子の堆積によってオーバークラッドが施される。このオーバークラッドされたプリフォームは次に固結されて、オーバークラッド内の気泡が除去される。最後に、オーバークラッドされかつ固結されたプリフォームが光導波路ファイバに伸線加工される。

0030

本発明の実施に用いられる従来技術である伝統的な光導波路ファイバ作成技術を、これらに限定されない見本として含む引用例として下記に示す。

0031

ガラス微粒子先駆物質として有用な原料として:米国特許第 5,043,002号(ドビンズ)、米国特許第 5,152,819号(ブラックウエル)。

0032

ガラス微粒子先駆物質の蒸着または噴霧方法として:米国特許第 5,078,092号(アントス)、米国特許第 5,356,451号(ケイン)、米国特許第 4,230,744号(ブランケンシップ)、米国特許第 4,314,837号(ブランケンシップ)、米国特許第 4,173,305号(ブランケンシップ)。

0033

ガラス微粒子先駆物質の燃焼とコアおよびクラッドの形成として:米国特許第 5,116,400号(アボット)、米国特許第 5,211,732号(アボット)、米国特許第 4,486,212号(バーキー)、米国特許第 4,568,370号(パワーズ)、米国特許第 4,639,079号(パワーズ)、米国特許第 4,684,384号(バーキー)、米国特許第 4,714,488号(パワーズ)、米国特許第 4,726,827号(パワーズ)、米国特許第 4,230,472号(シュルツ)、米国特許第 4,233,045号(サーカー)。

0034

コアプリフォーム固結、コア棒の延伸およびオーバークラッドの固結の諸工程について:米国特許第 4,906,267号(レーン)、米国特許第 4,906,268号(レーン)、米国特許第 4,950,319号(レーン)、米国特許第 4,251,251号(ブランケンシップ)、米国特許第 4,263,031号(シュルツ)、米国特許第 4,286,978号(ベイリー)、米国特許第 4,125,388号(パワーズ)、米国特許第 4,165,223号(パワーズ)、米国特許第 5,396,323号(アボット)。

0035

固結されたオーバークラッドプリフォームからの延伸について:米国特許第 5,284,499号(ハーベイ)、米国特許第 5,314,517号(ケーニング)、米国特許第 5,366,527号(エーモス)、米国特許第 4,500,043号(ブラウン)、米国特許第 4,514,205号(ダーカンジェロ)、米国特許第 4,531,959号(カー)、米国特許第 4,741,748号(レーン)、米国特許第 4,792,347号(デネカ)、米国特許第 4,246,299号(オールズ)、米国特許第 4,264,649号(クレイプール)、米国特許第 5,410,567号(ブランデージ)。

図面の簡単な説明

0036

図1本発明により作成された光ファイバの断面図
図2図1の光ファイバの内側クラッド内の二酸化ゲルマニウムの濃度パーセンテージを示すグラフ
図3マンドレルにコアおよび内側クラッドを堆積させる方法の説明図
図4マンドレルにコアおよび内側クラッドを堆積させる方法の説明図
図5図3および図4のマンドレル上に形成された緻密なガラス素材の断面図

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