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図面 (7)

課題

評価用試料の表面の有機汚染物量を簡単に評価する。

解決手段

本分析装置は、気密チャンバ112内に収容された試料110表面に付着した有機物量活性化する加熱手段や紫外線照射手段のような有機物活性化手段114と、気密チャンバ内所定流量で少なくとも試料表面に二次汚染を生じさせない程度にまで精製された高純度ガスを導入する高純度ガス供給手段102と、高純度ガス中に含有されるガス状炭化水素類触媒燃焼法により二酸化炭素と水に分解する有機物分解手段116と、有機物分解手段の下流にあって高純度ガス中の二酸化炭素濃度を検出する質量検出計118と、質量検出計により検出された二酸化炭素濃度と前記高純度ガスの流量との関係から試料表面に付着した有機物量を求める演算手段とから構成されている。

概要

背景

半導体素子液晶ディスプレイ(LCD)の製造工程において、有機物半導体基板ガラス基板の上に形成される絶縁膜表面に付着すると、リーク電流の増大や絶縁耐圧の低下など、半導体素子やLCDの電気的特性に悪影響を及ぼす。かかる品質の悪化は表面に付着する雰囲気由来有機物量と密接な相関があることが知られている。従って、表面に付着する有機物汚染を定量的に評価する分析法があれば、この汚染の程度が前述のような半導体素子やLCDの電気的特性の劣化を生じる限度に達する前に基板表面を洗浄して付着有機物を除去できるし、洗浄回数も極力減らすことが可能になる。

半導体基板やガラス基板の有機物表面汚染の評価は、一般的にそれらの表面に付着した有機物量をX線光電子分光法(XPS)によって測定する方法でなされている。XPSは、高真空中で測定サンプルに軟X線照射して、サンプル表面から脱出する光電子エネルギーと数をスペクトロメータ計測することにより、サンプル表面に存在する元素定性定量分析する。XPSによる極微量の表面有機物汚染量の評価では、有機物汚染量は、表面から深さ数十オングストローム分析領域内における全原子数に対する炭素原子数の割合もしくは、上記分析領域内に存在する既知の元素の原子数に対する炭素原子数の比で表される。

一方、固体表面を加熱することによって、表面吸着成分を分子状態のまま脱離させ分析する、昇温脱離分析(TDS)という方法がある。例えば、「ウェハ上の吸着分子分析評価技術(藪本周邦著、シリコンウェハ表面クリーン化技術、(株)リアライズ社(1995))、p.101〜p.108」に開示されている昇温脱離分析(TDS)によれば、石英ガラス管中に基板などの試料をセットし、全体を赤外線加熱炉で加熱し、脱離する成分を質量分析器で検出している。石英ガラス管内部には、管径よりわずかに小さくて軽い円筒状の強磁性体を入れ、それを外側から磁石で動かすことにより、真空中で、試料のみの移動を可能にしている。赤外線加熱炉を、三度にわたり1000℃まで加熱し、データを取得する。まず、試料を赤外線加熱炉の過熱範囲外にある石英管の一端部の前処理位置に設置し、試料室を真空に排気する。その状態で、赤外線加熱炉を加熱し、管壁に付着している成分を脱離させる。試料室が室温まで下がった後、再び赤外線加熱炉を一定速度で加熱し、この時、四重極質量分析器で検出される値をバックグラウンド分とする。最後に、試料を前処理位置から炉の中央の測定位置に移動して三度目の加熱を行う。このデータから先に測定したバックグラウンド分を差し引いた値を試料からのみのスペクトルとする。また、四重極質量分析器をガスクロマトグラフィと質量分析器を組み合わせたGC−MSと呼ばれる機器代替してやれば、より完全な定性定量分析も可能になる。

概要

評価用試料の表面の有機汚染物量を簡単に評価する。

本分析装置は、気密チャンバ112内に収容された試料110表面に付着した有機物量を活性化する加熱手段や紫外線照射手段のような有機物活性化手段114と、気密チャンバ内所定流量で少なくとも試料表面に二次汚染を生じさせない程度にまで精製された高純度ガスを導入する高純度ガス供給手段102と、高純度ガス中に含有されるガス状炭化水素類触媒燃焼法により二酸化炭素と水に分解する有機物分解手段116と、有機物分解手段の下流にあって高純度ガス中の二酸化炭素濃度を検出する質量検出計118と、質量検出計により検出された二酸化炭素濃度と前記高純度ガスの流量との関係から試料表面に付着した有機物量を求める演算手段とから構成されている。

目的

本発明は、従来の試料表面に付着した有機物量の測定方法が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、半導体基板表面やガラス基板表面などの清浄度を要求される製品表面を汚染している有機物量を炭素換算で正確に分析することが可能な新規かつ改良された試料表面に付着した有機物量の分析方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

試料表面に付着した有機物量分析装置において、気密チャンバ内に収容された試料表面に付着した有機物量を活性化する有機物活性化手段と、前記気密チャンバ内に所定流量で少なくとも前記試料表面に二次汚染を生じさせない程度にまで精製された高純度ガスを導入する高純度ガス供給手段と、前記高純度ガス中に含有されるガス状炭化水素類触媒燃焼法により二酸化炭素と水に分解する有機物分解手段と、前記有機物分解手段の下流にあって、前記高純度ガス中の二酸化炭素濃度を検出する質量検出計と、前記質量検出計により検出された二酸化炭素濃度と前記高純度ガスの流量との関係から試料表面に付着した有機物量を求める演算手段と、を備えたことを特徴とする、試料表面に付着した有機物量の分析装置。

請求項2

前記有機物活性化手段は、前記試料の少なくとも評価表面を加熱する加熱手段であることを特徴とする、請求項1に記載の試料表面に付着した有機物量の分析装置。

請求項3

前記有機物活性化手段は、前記試料の評価表面に対して紫外線照射する紫外線照射手段であることを特徴とする、請求項1に記載の試料表面に付着した有機物量の分析装置。

請求項4

前記有機物活性化手段は、前記試料の評価表面に対して紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記試料の少なくとも評価表面を加熱する加熱手段とを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の試料表面に付着した有機物量の分析装置。

請求項5

前記加熱手段は、前記試料の評価表面の温度を段階的に上昇させることが可能であることを特徴とする、請求項2または4に記載の試料表面に付着した有機物量の分析装置。

請求項6

前記気密チャンバ内面石英ガラスで構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の試料表面に付着した有機物の分析装置。

請求項7

前記高純度ガスは、不活性ガスまたは精製ドライエアであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の試料表面に付着した有機物の分析装置。

請求項8

試料表面に付着した有機物量を分析するにあたり、少なくとも前記試料表面に二次汚染を生じさせない程度にまで精製された高純度ガスが所定流量で供給される気密チャンバ内に収容された試料表面に付着した有機物を活性化する工程と、前記高純度ガス中に含有されるガス状炭化水素類を触媒燃焼法により二酸化炭素と水に分解する工程と、前記高純度ガス中に含有される二酸化炭素濃度を検出する工程と、前記高純度ガスの流量と二酸化炭素濃度との関係から試料表面に付着した有機物量を定量化する工程と、から成ることを特徴とする試料表面に付着した有機物の分析方法

請求項9

前記有機物の活性化は段階的に行われることを特徴とする、請求項8に記載の試料表面に付着した有機物の分析方法。

技術分野

0001

本発明は、試料表面に付着した有機物量分析方法係り、特に、半導体素子液晶ディスプレイ(LCD)の製造工程において、半導体基板ガラス基板などの試料表面に付着する有機物汚染を定量的に評価する分析法に関する。

背景技術

0002

半導体素子や液晶ディスプレイ(LCD)の製造工程において、有機物が半導体基板やガラス基板の上に形成される絶縁膜表面に付着すると、リーク電流の増大や絶縁耐圧の低下など、半導体素子やLCDの電気的特性に悪影響を及ぼす。かかる品質の悪化は表面に付着する雰囲気由来の有機物量と密接な相関があることが知られている。従って、表面に付着する有機物汚染を定量的に評価する分析法があれば、この汚染の程度が前述のような半導体素子やLCDの電気的特性の劣化を生じる限度に達する前に基板表面を洗浄して付着有機物を除去できるし、洗浄回数も極力減らすことが可能になる。

0003

半導体基板やガラス基板の有機物表面汚染の評価は、一般的にそれらの表面に付着した有機物量をX線光電子分光法(XPS)によって測定する方法でなされている。XPSは、高真空中で測定サンプルに軟X線照射して、サンプル表面から脱出する光電子エネルギーと数をスペクトロメータ計測することにより、サンプル表面に存在する元素定性定量分析する。XPSによる極微量の表面有機物汚染量の評価では、有機物汚染量は、表面から深さ数十オングストローム分析領域内における全原子数に対する炭素原子数の割合もしくは、上記分析領域内に存在する既知の元素の原子数に対する炭素原子数の比で表される。

0004

一方、固体表面を加熱することによって、表面吸着成分を分子状態のまま脱離させ分析する、昇温脱離分析(TDS)という方法がある。例えば、「ウェハ上の吸着分子分析評価技術(藪本周邦著、シリコンウェハ表面クリーン化技術、(株)リアライズ社(1995))、p.101〜p.108」に開示されている昇温脱離分析(TDS)によれば、石英ガラス管中に基板などの試料をセットし、全体を赤外線加熱炉で加熱し、脱離する成分を質量分析器で検出している。石英ガラス管内部には、管径よりわずかに小さくて軽い円筒状の強磁性体を入れ、それを外側から磁石で動かすことにより、真空中で、試料のみの移動を可能にしている。赤外線加熱炉を、三度にわたり1000℃まで加熱し、データを取得する。まず、試料を赤外線加熱炉の過熱範囲外にある石英管の一端部の前処理位置に設置し、試料室を真空に排気する。その状態で、赤外線加熱炉を加熱し、管壁に付着している成分を脱離させる。試料室が室温まで下がった後、再び赤外線加熱炉を一定速度で加熱し、この時、四重極質量分析器で検出される値をバックグラウンド分とする。最後に、試料を前処理位置から炉の中央の測定位置に移動して三度目の加熱を行う。このデータから先に測定したバックグラウンド分を差し引いた値を試料からのみのスペクトルとする。また、四重極質量分析器をガスクロマトグラフィと質量分析器を組み合わせたGC−MSと呼ばれる機器代替してやれば、より完全な定性定量分析も可能になる。

発明が解決しようとする課題

0005

上記のXPSは、半導体基板やガラス基板表面の有機物汚染の評価法として有効である。しかしながら、XPSは超高真空中に試料を入れて測定するため、物理吸着した低分子成分は測定までに真空中に飛散してしまい、評価の対象にならないという欠点がある。つまり、XPSで分析される表面有機汚染物は、化学吸着成分と高分子量成分である。

0006

ところで、Siウェハ表面の有機物は、図6に模式的に示すように、Siウェハ表面に化学吸着している成分、物理吸着している低分子量化合物成分と高分子量化合物成分の3種類に分類される。化学吸着した成分は下地との結合が極めて強固であるため、有機溶剤洗浄や真空引きなどでは簡単に除去されないものであって、高温まで加熱してようやく除去できるものと考えられる。一方、物理吸着している低分子量有機物は下地との強固な結合がないため、周囲雰囲気中の成分との間で平衡状態になっている可能性が高い。従って、雰囲気中の有機物濃度が低くなれば、自然に表面から脱離し徐々に減少するもので、特に超真空中に入れた場合には、すぐさま表面から消えて無くなるものと考えられる。また、高分子量付着物は特に強固な結合が基板との間にあるわけではないが、分子量が大きいため蒸気圧が極めて低く、簡単には表面から散逸しないものである。

0007

このように、従来のXPSで検出できる表面有機物は、元々付着していた表面有機汚染物から低分子量有機物を除いた残りのみである。しかし、半導体素子やLCDの電気的特性の悪化は、表面に付着する有機物量と密接な相関があるから、元々表面に付着していたすべての表面有機汚染物を定量的に評価できる分析法が現在要求されている。

0008

一方、TDSでは、質量分析器で検出されたイオン強度ピーク各質量数がどのような化学物質に対応するかを判定する必要がある。判定にあたっては、同じ質量数のイオン強度のピークであっても、異なる温度レベルで検出されるときには物質が異なるため、相当な化学的知識が要求され、熟練者でなければ判定作業を行えない。さらに、ガスクロマトグラフィと質量分析器を組み合わせたGC−MSと呼ばれる分析法を利用することによって、イオン強度のピークの各質量数がどのような化学物質に対応するかが明かになっても、そのイオン強度を定量化するためには、各化学物質ごとにイオン強度と濃度とを対応させる検量線をあらかじめ標準サンプルの測定によって作成しておかなければならないという煩雑さを伴う。このように、TDSは、化学分析に極めて熟練した者のみができる方法であって、検出される有機物の種類が多い場合に、各々の検量線を作成することは相当手間がかかり、表面有機汚染物の総量を定量化することは事実上不可能に近い。

0009

本発明は、従来の試料表面に付着した有機物量の測定方法が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、半導体基板表面やガラス基板表面などの清浄度を要求される製品表面を汚染している有機物量を炭素換算で正確に分析することが可能な新規かつ改良された試料表面に付着した有機物量の分析方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するために、本発明の第1の観点により構成される試料表面の有機物量の分析装置は、請求項1に記載のように、気密チャンバ内に収容された試料表面に付着した有機物量を活性化する有機物活性化手段と、気密チャンバ内に所定流量で少なくとも前記試料表面に二次汚染を生じさせない程度にまで精製された高純度ガスを導入する高純度ガス供給手段と、高純度ガス中に含有されるガス状炭化水素類触媒燃焼法により二酸化炭素と水に分解する有機物分解手段と、有機物分解手段の下流にあって高純度ガス中の二酸化炭素濃度を検出する質量検出計と、質量検出計により検出された二酸化炭素濃度と高純度ガスの流量との関係から試料表面に付着した有機物量を求める演算手段とを備えている。かかる簡単な構成により、低分子量有機物を含め元々付着していた表面有機汚染物を炭素換算で定量化することができる。

0011

なお、上記分析装置の有機物活性化手段としては、請求項2に記載のような、試料の少なくとも評価表面を加熱して、評価用試料から表面有機汚染物を昇温脱離する加熱手段や、請求項3に記載のような、試料の評価表面に対して紫外線を照射して、評価用試料表面と有機物分子間の結合を切断するエネルギーを付与する紫外線照射手段や、請求項4に記載のような、紫外線照射手段と加熱手段とを組み合わせた構成を用いることができる。なお、加熱手段を、請求項5に記載のように、試料の評価表面の温度を段階的に上昇させることが可能なように構成すれば、異なる温度レベルごとの表面付着有機物の脱離量を測定することが可能となる。例えば、200℃の加熱温度でウェハ表面に元々付着していた有機汚染物の60%が脱離し、400℃の加熱温度でウェハ表面に元々付着していた有機汚染物の残りの40%が脱離するといった情報を得ることができる。

0012

さらに、請求項6に記載のように、気密チャンバ内面石英ガラスで構成することにより、装置内面からの不純物ガス脱気を防止し、分析精度をさらに向上させることができる。つまり、石英ガラス表面走査型電子顕微鏡で観察しても極めて平滑であり、この平滑面に吸着した表面有機汚染物は昇温脱離やUVオゾン洗浄によって容易に脱離してしまう。石英ガラス表面のクリーニングを行った後で、評価用基板からの脱ガス成分のみを精度良く測定することが出来る。一方、これら装置内面を石英ガラスで構成せずに、ガス系一般に使用されているステンレス鋼で構成した場合、その内表面を走査型電子顕微鏡で観察すると、加工工程で発生したと思われるシワ状凹凸無数に存在しており、この凹凸表面に吸着した表面有機汚染物は昇温脱離やUVオゾン洗浄によっても容易には脱離しない。従って評価用基板からの脱ガス成分を測定する場合にも装置内部の金属表面から持続的に脱離したガス成分が加わり、評価用基板からの脱ガス成分の測定に大きな誤差を生じるおそれがある。

0013

また評価用試料の表面から脱離した有機汚染物のガス成分が混合する気相媒体として使用される高純度ガスとしては、請求項7に記載のように、窒素ガスアルゴンガスなどのような不活性ガスや精製ドライエアを使用することができる。なお、本発明による分析精度を向上させるために、導入される高純度ガスは、少なくとも前記試料表面に二次汚染を生じさせない程度にまで精製されている必要があり、例えば、総不純物ガス濃度が5ppb以下に制御されたものを使用することが可能である。

0014

さらに本発明の第2の観点によれば、請求項8に記載のように、少なくとも前記試料表面に二次汚染を生じさせない程度にまで精製された高純度ガスが所定流量で供給される気密チャンバ内に収容された試料表面に付着した有機物を活性化する工程と、高純度ガス中に含有されるガス状炭化水素類を触媒燃焼法により二酸化炭素と水に分解する工程と、高純度ガス中に含有される二酸化炭素濃度を検出する工程と、不活性ガスの流量と二酸化炭素濃度との関係から試料表面に付着した有機物量を定量化する工程と、から成る試料表面に付着した有機物の分析方法が提供される。なお、上記方法において、請求項9に記載のように、有機物の活性化は段階的に行われることが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下に添付図面を参照しながら、本発明にかかる好適な実施の形態について詳細に説明する。

0016

図1には、試料表面の有機物を活性化するために加熱炉を採用した、本発明の実施の第1の形態にかかる試料表面に付着した有機物の分析装置の概略構成が示されている。図示の装置において、高純度ガス供給源102は、窒素ガスボンベ104、マスフローコントローラ106、モレキュラシーブズ108から構成されており、基板などの試料110が収容された石英ガラス管112に総不純物ガス濃度が5ppb以下に制御された窒素ガスを供給することができる。なお、マスフローコントローラ106は窒素ガス流量測定用の装置、モレキュラシーブズ108は窒素ガス中不純物除去用の装置である。また、上記実施の形態では、評価用試料を収納する気密チャンバとして石英ガラス管を使用した例を示したが、本発明はかかる例に限定されず、アルミニウムステンレス製チャンバを使用し、その内壁面に石英ガラスを貼設した構成を採用することも可能である。

0017

評価用試料110として、例えば4インチシリコンウェハを使用できる。石英ガラス管112の外周部には赤外線加熱炉114が設置されており、石英ガラス管112中にセットされた評価用試料110全体を加熱し、評価用試料110の表面に付着した有機物を活性化する。加熱炉114は評価用試料110の温度を段階的に上昇させる機構を備えている。評価用試料110の表面に付着した元素や分子は、試料表面の温度が上昇するにつれ、活性化され、結合の弱いものから順次脱離する。ガス供給源102から供給された窒素ガスは、石英ガラス管112内において評価用試料110表面から活性化され昇温脱離した有機汚染物のガス成分と混合する。このようにして、加熱炉114により活性化され昇温脱離したガス状炭化水素類の量は窒素ガス流量と比較すれば微々たるものである。しかし、本実施の形態によれば、触媒燃焼法によって、炭素換算することにより定量化することが可能である。

0018

すなわち、上記混合ガス中に含まれるガス状炭化水素類は、石英ガラス管112の下流に配置された反応筒116において触媒燃焼法によって二酸化炭素と水に分解される。二酸化炭素と水を含んだ窒素ガスは、反応容器116の下流に配置された大気圧質量分析計118(Atmospheric Pressure Ionization Mass Spectrometer:APIMS)に導入される。APIMSで質量数44(二酸化炭素に対応)の相対イオン強度を測定する。この相対イオン強度は、予め作成しておいた検量線を利用して、窒素ガス中の二酸化炭素濃度に換算される。APIMSからの放出ガス量マスフローメータ120により測定される。マスフローメータ120の測定流量とマスフローコントローラ106の測定流量はほぼ一致するはずである。そして、不図示の演算装置により、窒素ガス中の二酸化炭素濃度と窒素ガスの測定流量の経時変化監視し濃度と流量の積を時間について積分してやれば、評価用基板110から脱離した炭素換算の有機物の総量が求まる。なお、図3には、APIMSによって測定した窒素ガス中の二酸化炭素濃度と相対イオン強度の相関を示す検量線の一例を示す。

0019

図2は反応筒116の詳細である。有機物のガス状成分を含む窒素ガスを圧縮器122によって、途中、ガスフィルタ124、圧力計126、流量計128を介して、所定の温度、例えば420℃に加熱した反応容器130に送気される。そして、反応容器130において、ガス中に含まれる炭化水素類は、加熱器132により加熱され、白金またはパラジウム酸化触媒として、次式(1)に従って、完全に燃焼分解される。なお、図中134は、温度指示調整警報器である。
2CnHm+(m/2+2n)O2−−→ 2nCO2+mH2O (1)
このようにして、炭化水素類を燃焼・分解されたガスは、フィン付き熱交換器136によって室温まで冷却され、外部に取り出される。

0020

なお、図1本装置を構成する各部材同士、例えばガス供給源102、石英ガラス管112、反応筒116、質量分析計118などは、内面を電解研磨した不純物発生の恐れのないステンレス配管系で接続することが好ましい。

0021

次に、図1及び図2に示す分析装置の一実施例について説明する。まず、評価用試料110として4インチのシリコンウェハの両面を洗浄して、表面の有機物や自然酸化膜を除去後、約1週間クリーンルーム雰囲気中放置した。放置後のウェハを図1の分析法に示す石英ガラス管112中にセットし、400℃に加熱した。1リットル/分の窒素ガスを200分間流しながら表面付着有機物を脱離したところ、APIMS118で測定された窒素ガス中の二酸化炭素濃度の平均値は200ppbであった。これは2.1×10-5gの炭素がシリコンウェハ表面に付着していたことを示す。炭素原子1個に相当する有機物の占める体積を3オングストロームの立方体仮定すると、ちょうど12分子層に相当する有機物が表面に付着していたことになる。

0022

なお、評価用試料110を入れる加熱炉114が評価用試料110の温度を段階的に上昇させる機構を備えることによって、異なる温度レベルにおける表面有機汚染物の脱離量を測定することも可能である。例えば、200℃の加熱温度でウェハ表面に元々付着していた有機汚染物の60%が脱離し、400℃の加熱温度でウェハ表面に元々付着していた有機汚染物の残り40%が脱離するといった情報を得ることができる。なお、本実施例において評価用基板であるシリコンウェハの温度を200℃,400℃,600℃と段階的に上げて同様の測定を行ったが、200℃の脱離量は元々の付着量の60%、400℃の脱離量は元々の付着量の40%、600℃の脱離量はゼロであった。これは、ウェハ表面を400℃まで加熱すれば、表面有機汚染物は完全に脱離することを示している。この情報は製造プロセスで極めて有用である。シリコンウェハの熱酸化膜形成プロセスを例にとると、400℃でアニーリングを行って酸化膜を形成する高温プロセスでは酸化膜中に炭素が残存することはないが、200℃でアニーリングを行った酸化膜を形成する低温プロセスでは酸化膜中に40%の炭素が残存して品質不良の原因となりうる。

0023

図4には、本発明にかかる試料表面に付着した有機物量の分析装置の実施の第2の形態について説明する。なお、図4に示す実施の第2の形態では、図1に示す分析装置の石英管112と加熱炉114の代わりに紫外線オゾン洗浄装置150を使用するとともに、窒素ガス源104の代わりに精製ドライエア源152を使用して、試料表面から離脱した有機物が混合する気相媒体としてドライエアを使用している。かかる点を除き、この実施の第2の形態の基本的な構成および機能は、実施の第1の形態とほぼ同様なので、同じ構成及び機能を有する構成要素については、同一の番号を付することにより重複説明を省略する。

0024

紫外線オゾン洗浄装置は、内面が石英ガラスで構成された金属製、例えばステンレス製の気密チャンバ154と、その気密チャンバ154内に設置されて、不図示の電気ヒータを内蔵した石英ステージ156と、この石英ステージ156上に載置される評価用基板158に対向するように気密チャンバ154の上方に設置される紫外線灯160とから構成されている。

0025

ところで、試料表面に付着あるいは化学結合した有機汚染物質を除去するためには、分子間の結合あるいは基板表面と有機物分子間の結合を切断しなければならない。紫外線オゾン洗浄とは、この炭素化合物の化学結合を切断するのに要するエネルギーを紫外線で与え、さらに、オゾンの生成あるいは分解時に生じる原子状活性酸素[O]の強力な酸化力を効率よく組み合わせることにより、高分子化合物酸化分解して低分子化合物とし、さらにH2O,CO2,NOXなどの気体にまで酸化して揮発除去する技術である。

0026

有機化合物の代表的な結合エネルギー図5に示すが、例えばC−C結合では347.7KJ/mol、C−H結合では413.4KJ/molの結合エネルギーを持つ。電磁波の持つエネルギーEは、その光の波長λとつぎの式の関係がある。
E=hc/λ ……………… (1)
ここで、 h=プランクの定数[6.626×10-34J・sec]
c=光速[2.998×108m/sec]

0027

例えば、低圧水銀灯主波長である253.7nmの紫外線の持つエネルギーは471.5KJ/molとなり、C−C結合やC−H結合を切断することが可能となる。低圧水銀灯の発光スペクトルである253.7nmや184.9nmの紫外線を使えば炭素化合物を分解できるが、分解によって生成した物質は化学的に活性であり、放置すればまた新たな結合を始め、基板表面から除去しにくくなる。そこで、化学結合を切断すると同時に速やかに、分解によって生成した物質を揮発除去する工程が必要になる。

0028

この揮発除去工程を行うために、紫外線オゾン洗浄ではオゾンの持つ強力な酸化作用が利用される。すなわち、オゾンにより紫外線によって分解された有機物を酸化してCO2やH2Oに変えて気化飛散させることができる。外部よりオゾンを供給しても良いが、都合の良いことに紫外線オゾン洗浄で使用される低圧水銀灯の紫外線はオゾン生成につぎのような役割を果たす。

0029

酸素ガス成分O2は200nm以下の極短波長光を吸収して原子状活性酸素[O]およびオゾンを発生する。
λ<200nm
O2 → 2[O] …(2)
[O]+O2 → O3 …(3)
生成したオゾンは、255nm近傍の紫外線を吸収して分解し、原子状活性酸素および酸素を発生する。一部は再びオゾンとなり再分解する。
λ〜250nm
O3 → [O]+O2 …(4)
[O]+O2 → O3 …(5)

0030

これらのオゾンの生成あるいは分解時に生じる原子状活性酸素は、非常に強力な酸化剤として有機物の結合を切断し、さらに解離された元素を炭酸ガスと水などの揮発性物質に変える働きをする。これらの役割に要する紫外線のスペクトルが、手軽に入手できる低圧紫外線灯の発光スペクトル184.9nmおよび253.7nmとほぼ一致することは、紫外線オゾン洗浄に身近な光源を利用できることを意味する。従って、図4に示す紫外線オゾン洗浄装置150において、低圧紫外線灯160より紫外線を、評価用試料158の表面に照射することにより、評価用試料158の表面有機物汚染物を効果的に脱離させることができる。なお、紫外線オゾン洗浄によって表面有機汚染物を脱離する場合でも、評価用試料158を加熱した方が脱離しやすいため、評価用試料158は石英ステージ156に内蔵された電気ヒータにより段階的に例えば200℃にまで加熱される。この実施の第2形態においても、表面付着有機物量の測定結果から、実施の第1形態の場合とほとんど同様の効果を得ることができた。

0031

以上、添付図面を参照しながら本発明にかかる試料表面に付着した有機物量の分析装置及び方法の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載した技術的思想範疇において各種の変更および修正に想到することは明らかであり、それらについても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

0032

例えば、上記実施の形態では、評価用試料として4インチのシリコンウェハを使用したが、本発明はかかる例に限定されず、各種寸法のウェハやLCD用ガラス基板などの試料も表面有機物汚染を評価するために使用することができることは言うまでもない。

発明の効果

0033

以上説明したように、本発明によれば、半導体基板表面やガラス基板表面などのように清浄度を要求される製品表面を汚染している有機物を、紫外線オゾン洗浄装置や加熱装置などにより活性化し、それによって生じたガス状炭化水素類を触媒燃焼法により二酸化炭素と水に分離することにより、表面有機物汚染量を炭素換算で正確に分析し、評価することが可能である。

図面の簡単な説明

0034

図1本発明にかかる試料表面に付着した有機物量の分析装置の実施の第1形態の概略構成を示す構成図である。
図2図1に示す分析装置の構成のうち、触媒燃焼法による反応筒の概略構成を示す構成図である。
図3窒素ガス中の二酸化炭素濃度と相対イオン強度の相関を示すグラフである。
図4本発明にかかる試料表面に付着した有機物量の分析装置の実施の第2形態の概略構成を示す構成図である。
図5有機化合物の代表的な結合エネルギーを示す表である。
図6シリコンウェハの有機汚染物の様子を示す模式図である。

--

0035

102高純度ガス供給源
104窒素ガスボンベ
106マスフローコントローラ
108モレキュラシーブズ
110評価用試料
112石英ガラス管
114赤外線加熱炉
116反応筒
118大気圧質量分析計(APIMS)
120 マスフローメータ

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