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技術 内燃機関用点火装置

出願人 マーレエレクトリックドライブズジャパン株式会社
発明者 湯川秀樹
出願日 1995年12月15日 (25年0ヶ月経過) 出願番号 1995-327590
公開日 1997年6月30日 (23年6ヶ月経過) 公開番号 1997-170542
状態 未査定
技術分野 内燃機関の点火装置
主要キーワード プログラマブルユニジャンクショントランジスタ トリガレベル ゲートカソード間 検出用スイッチ コンデンサ放電 点火電源 電源コンデンサ 放電用スイッチ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

内燃機関負荷との間に設けられたクラッチがつながれている状態で機関始動するのを防止することができる内燃機関用点火装置を提供する。

解決手段

クラッチ3がつながれているときにクラッチオン信号を出力するクラッチ状態検出回路8と、クラッチオン信号を駆動信号として導通する点火阻止用スイッチにより点火回路6の一部を短絡して点火動作を阻止する点火阻止回路9と、点火動作時に点火コイル5の一次コイルに発生する点火パルスVpを検出して設定時間よりも短い間隔で点火パルスが検出される状態が継続しているときに点火阻止回路9による点火阻止動作を禁止し、点火パルスが検出されない状態が設定時間を超える期間継続したときに点火阻止回路による点火阻止動作を許容する点火阻止制御回路10とを備えた安全回路7を設けた。

概要

背景

一般に内燃機関用点火装置は、点火コイルと、点火動作時に該点火コイルの二次コイル点火用の高電圧誘起させるように該点火コイルの一次電流を制御する点火回路とを備えている。

二輪車のように、内燃機関出力軸負荷(二輪車の場合は駆動車輪)との間にクラッチ変速機とを備えた乗物においては、機関始動時にクラッチが切り離されているとき、または変速機がニュートラル位置にあるときにのみ機関の点火を許容し、クラッチがつながっている状態、または変速機がニュートラル位置以外の位置にある状態では機関の点火を禁止する機能を有する安全回路点火装置に設けて、クラッチがつながっている状態、または変速機がニュートラル位置以外の位置にある状態で機関が始動するのを防止している。

概要

内燃機関と負荷との間に設けられたクラッチがつながれている状態で機関が始動するのを防止することができる内燃機関用点火装置を提供する。

クラッチ3がつながれているときにクラッチオン信号を出力するクラッチ状態検出回路8と、クラッチオン信号を駆動信号として導通する点火阻止用スイッチにより点火回路6の一部を短絡して点火動作を阻止する点火阻止回路9と、点火動作時に点火コイル5の一次コイルに発生する点火パルスVpを検出して設定時間よりも短い間隔で点火パルスが検出される状態が継続しているときに点火阻止回路9による点火阻止動作を禁止し、点火パルスが検出されない状態が設定時間を超える期間継続したときに点火阻止回路による点火阻止動作を許容する点火阻止制御回路10とを備えた安全回路7を設けた。

目的

本発明の目的は、クラッチがつながった状態で機関の始動操作が行われたときに点火動作を阻止してクラッチがつながった状態で機関が始動するのを防止し、機関が始動した後はクラッチがつながっている状態でも点火動作が行われるようにして、機関の運転を支障なく行わせることができるようにした安全回路を備えた内燃機関用点火装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

点火コイル点火動作時に該点火コイルの二次コイル点火用の高電圧誘起させるべく該点火コイルの一次電流を制御する点火回路と、内燃機関出力軸負荷との間に設けられたクラッチがつながった状態で機関始動操作が行われたときに前記点火回路の点火動作を阻止して機関の始動禁止する安全回路とを備え、前記点火コイルに一次電流を流すための点火電源として、内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられた発電コイルが用いられている内燃機関用点火装置であって、前記安全回路は、前記内燃機関の出力軸と負荷との間に設けられたクラッチの状態を検出して該クラッチがつながっているときにクラッチオン信号を出力するクラッチ状態検出回路と、前記クラッチオン信号を駆動信号として動作する点火阻止用スイッチを備えて、該点火阻止用スイッチの動作により前記点火回路の一部を短絡するかまたは切離して点火動作を阻止する点火阻止回路と、点火動作時に前記点火コイルの一次コイルに発生する点火パルスを検出して、設定時間よりも短い間隔で点火パルスが検出される状態が継続しているときに前記点火阻止用スイッチに前記駆動信号が与えられるのを阻止し、前記点火パルスが検出されない状態が前記設定時間を超える期間継続したときに前記点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容する点火阻止制御回路と、を具備しいることを特徴とする内燃機関用点火装置。

請求項2

点火コイルと点火動作時に該点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるべく該点火コイルの一次電流を制御する点火回路と、内燃機関の出力軸と負荷との間に設けられたクラッチがつながった状態で機関の始動操作が行われたときに前記点火回路の点火動作を阻止して機関の始動を禁止する安全回路とを備え、前記点火コイルに一次電流を流すための点火電源として内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられた発電コイルが用いられて、該発電コイルの正の半サイクル出力電圧が前記一次電流を流すために用いられる内燃機関用点火装置であって、前記安全回路は、前記クラッチの状態を検出して該クラッチがつながっているときにクラッチオン信号を出力するクラッチ状態検出回路と、前記クラッチオン信号を駆動信号として動作する点火阻止用スイッチを備えて、該点火阻止用スイッチの動作により前記点火装置の一部を短絡して点火動作を阻止する点火阻止回路と、点火動作時に点火コイルの一次コイルに誘起する点火パルスにより充電される時限設定用コンデンサと、該時限設定用コンデンサの電荷を所定の時定数放電させる放電回路と、前記時限設定用コンデンサの両端の電圧が所定のレベル以上になったときに導通して前記点火阻止用スイッチに与えられる駆動信号を該点火阻止用スイッチから側路するように設けられた駆動信号側路用スイッチとを備えて、前記放電回路の時定数により決まる設定時間よりも短い間隔で点火パルスが検出される状態が継続しているときに前記駆動信号側路用スイッチを導通させて点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを阻止し、前記点火パルスが検出されない状態が前記設定時間を超える期間継続したときに前記駆動信号側路用スイッチを遮断状態にして点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容する点火阻止制御回路と、を具備していることを特徴とする内燃機関用点火装置。

請求項3

点火コイルと点火動作時に該点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるべく該点火コイルの一次電流を制御する点火回路と、内燃機関の出力軸と負荷との間に設けられたクラッチがつながった状態で機関の始動操作が行われたときに前記点火回路の点火動作を阻止して機関の始動を禁止する安全回路とを備え、前記点火コイルに一次電流を流すための点火電源として、内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられた発電コイルが用いられて、該発電コイルの正の半サイクルの出力電圧が前記一次電流を流すために用いられる内燃機関用点火装置であって、前記安全回路は、前記クラッチの状態を検出して該クラッチがつながっているときにクラッチオン信号を出力するクラッチ状態検出回路と、前記クラッチオン信号を駆動信号として動作する点火阻止用スイッチを備えて、該点火阻止用スイッチの動作により前記点火装置の一部を短絡して点火動作を阻止する点火阻止回路と、前記発電コイルの負の半サイクルの出力電圧で一方の極性に充電される電源コンデンサと、点火動作時に前記点火コイルの一次コイルに誘起する点火パルスを駆動信号として導通して前記電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させるポンプアップスイッチ回路と、前記時限設定用コンデンサの電荷を一定の時定数で放電させる放電回路と、前記時限設定用コンデンサの両端の電圧が所定のレベル以上になったときに導通して前記点火阻止用スイッチに与えられる駆動信号を該点火阻止用スイッチから側路するように設けられた駆動信号側路用スイッチとを備えて、前記放電回路の時定数により決まる設定時間よりも短い間隔で点火パルスが発生する状態が継続しているときに前記駆動信号側路用スイッチを導通させて点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを阻止し、前記点火パルスが発生しない状態が前記設定時間を超える期間継続したときに前記駆動信号側路用スイッチを遮断状態にして点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容する点火阻止制御回路と、を具備していることを特徴とする内燃機関用点火装置。

請求項4

前記ポンプアップ用スイッチ回路は、前記電源コンデンサと時限設定用コンデンサとの間にコレクタエミッタ間回路が接続されて導通した際に電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させる第1のトランジスタと、前記点火パルスが与えられたときに導通して前記第1のトランジスタにベース電流を流す第2のトランジスタとを備えている請求項3に記載の内燃機関用点火装置。

請求項5

前記ポンプアップ用スイッチ回路は、アノードカソード間回路が前記電源コンデンサと時限設定用コンデンサとの間に接続されて導通した際に電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させるプログラマブルユニジャンクショントランジスタと、前記点火パルスが与えられたときに導通して前記プログラマブルユニジャンクショントランジスタのゲートトリガ信号を与えるトリガ用トランジスタとを備えている請求項3に記載の内燃機関用点火装置。

請求項6

前記ポンプアップ用スイッチ回路は、アノードカソード間回路が前記電源コンデンサと時限設定用コンデンサとの間に接続されて導通した際に電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させるサイリスタと、前記点火パルスが与えられたときに前記サイリスタのゲートにトリガ信号を与えるトリガ信号供給回路とを備えている請求項3に記載の内燃機関用点火装置。

請求項7

前記クラッチ状態検出回路は、前記クラッチがつながっているときに閉じる検出スイッチを備えていて、前記発電コイルの正の半サイクルの出力電圧で該検出スイッチを通して前記クラッチオン信号を出力することを特徴とする請求項2,3,4,5または6のいずれかに記載の内燃機関用点火装置。

請求項8

前記クラッチ状態検出回路は、前記クラッチがつながっているときに閉じる検出スイッチを備えていて、前記電源コンデンサの充電電圧で該検出スイッチを通して前記クラッチオン信号を出力することを特徴とする請求項4,5または6に記載の内燃機関用点火装置。

請求項9

前記点火コイルは少くともその一次コイルが前記磁石発電機内に設けられて、該一次コイルが前記点火電源として用いられる発電コイルを兼ねるように構成され、前記点火回路は、コレクタエミッタ間回路が前記点火コイルの一次コイルに対して並列に接続されて前記点火コイルの一次コイルに正の半サイクルの出力電圧が誘起したときにベース電流が与えられて導通する一次電流制御用トランジスタと、前記点火コイルの一次コイルの両端の電圧が設定値に達したときにトリガされて前記一次電流制御用トランジスタを遮断状態にするように設けられた遮断制御用スイッチとを備えた電流遮断形の回路からなり、前記点火阻止用スイッチは、導通した際に前記遮断制御用スイッチに供給されるトリガ信号入力端子間を短絡して該遮断制御用スイッチからトリガ信号を側路するように設けられている請求項1,2,3,4,5,6,7または8のいずれかに記載の内燃機関用点火装置。

請求項10

前記点火回路は、前記点火コイルの一次側に設けられて前記発電コイルの正の半サイクルの出力電圧により一方の極性に充電される点火エネルギ蓄積用コンデンサと、点火動作時にトリガされて該点火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷を前記点火コイルの一次コイルに放電させる放電用スイッチとを備えたコンデンサ放電式の回路からなり、前記点火阻止用スイッチは、導通した際に前記放電用スイッチのトリガ信号入力端子間を短絡して該放電用スイッチからトリガ信号を側路するように設けられている請求項1,2,3,4,5,6,7または8のいずれかに記載の内燃機関用点火装置。

請求項11

点火コイルと点火動作時に該点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるべく該点火コイルの一次電流を制御する点火回路と、内燃機関の出力軸と負荷との間に設けられたクラッチがつながった状態で機関の始動操作が行われたときに前記点火回路の点火動作を阻止して機関の始動を禁止する安全回路とを備え、前記点火コイルに一次電流を流すための点火電源として、内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられた発電コイルが用いられて、該発電コイルの正の半サイクルの出力電圧が前記一次電流を流すために用いられる内燃機関用点火装置であって、前記点火回路は、前記点火コイルの一次側に設けられて前記発電コイルの正の半サイクルの出力電圧により一方の極性に充電される点火エネルギ蓄積用コンデンサと、点火動作時にトリガされて該点火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷を前記点火コイルの一次コイルに放電させる放電用スイッチとを備えたコンデンサ放電式の回路からなり、前記安全回路は、前記クラッチの状態を検出して該クラッチがつながっているときにクラッチオン信号を出力するクラッチ状態検出回路と、前記クラッチオン信号を駆動信号として動作する点火阻止用スイッチを備えて、該点火阻止用スイッチの動作により前記点火装置の一部を短絡して点火動作を阻止する点火阻止回路と、前記発電コイルの正の半サイクルの出力電圧により一定の時定数で充電される電源コンデンサと、前記電源コンデンサの両端の電圧により一定の時定数で充電される時限設定用コンデンサと、前記電源コンデンサの両端の電圧により駆動信号が与えられて導通して前記電源コンデンサから時限設定用コンデンサに与えられる充電電流を該時限設定用コンデンサから側路する充電電流側路用スイッチと、点火動作時に前記点火コイルの一次コイルに誘起する点火パルスを検出して該点火パルスが発生している間前記充電電流側路用スイッチを遮断状態にする充電電流側路用スイッチ遮断回路と、前記時限設定用コンデンサの電荷を一定の時定数で放電させる放電回路と、前記時限設定用コンデンサの両端の電圧が所定のレベル以上になったときに導通して前記点火阻止用スイッチに与えられる駆動信号を該点火阻止用スイッチから側路するように設けられた駆動信号側路用スイッチとを備えて、前記放電回路の時定数により決まる設定時間よりも短い間隔で点火パルスが発生する状態が継続しているときに前記駆動信号側路用スイッチを導通させて点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを阻止し、前記点火パルスが発生しない状態が前記設定時間を超える期間継続したときに前記駆動信号側路用スイッチを遮断状態にして点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容する点火阻止制御回路と、を具備していることを特徴とする内燃機関用点火装置。

技術分野

0001

本発明は、クラッチがつながっている状態で機関始動するのを防止する安全回路を備えた内燃機関用点火装置に関するものである。

背景技術

0002

一般に内燃機関用点火装置は、点火コイルと、点火動作時に該点火コイルの二次コイル点火用の高電圧誘起させるように該点火コイルの一次電流を制御する点火回路とを備えている。

0003

二輪車のように、内燃機関出力軸負荷(二輪車の場合は駆動車輪)との間にクラッチと変速機とを備えた乗物においては、機関の始動時にクラッチが切り離されているとき、または変速機がニュートラル位置にあるときにのみ機関の点火を許容し、クラッチがつながっている状態、または変速機がニュートラル位置以外の位置にある状態では機関の点火を禁止する機能を有する安全回路を点火装置に設けて、クラッチがつながっている状態、または変速機がニュートラル位置以外の位置にある状態で機関が始動するのを防止している。

発明が解決しようとする課題

0004

上記のような安全回路を設けておけば、始動操作を行った直後に車両が急に発進して事故が生じるのを防ぐことができるため、安全性を向上させることができる。

0005

ところが、機関の出力軸と負荷との間にクラッチしか設けられていない車両やその他の装置(例えば草刈り機)においては、上記のような安全回路が設けられていないため、クラッチがつながった状態で機関の始動操作が行われると、いきなり装置が作動し、事故が生じるおそれがあった。

0006

本発明の目的は、クラッチがつながった状態で機関の始動操作が行われたときに点火動作を阻止してクラッチがつながった状態で機関が始動するのを防止し、機関が始動した後はクラッチがつながっている状態でも点火動作が行われるようにして、機関の運転を支障なく行わせることができるようにした安全回路を備えた内燃機関用点火装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、点火コイルと点火動作時に該点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるべく該点火コイルの一次電流を制御する点火回路と、内燃機関の出力軸と負荷との間に設けられたクラッチがつながった状態で機関の始動操作が行われたときに前記点火回路の点火動作を阻止して機関の始動を禁止する安全回路とを備えた内燃機関用点火装置に係わるものである。

0008

本発明が対象とする点火装置においては、点火コイルに一次電流を流すための点火電源として、内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられた発電コイルが用いられているものとする。

0009

本発明においては、上記安全回路が、内燃機関の出力軸と負荷との間に設けられたクラッチの状態を検出して該クラッチがつながっているときにクラッチオン信号を出力するクラッチ状態検出回路と、クラッチオン信号を駆動信号として動作する点火阻止用スイッチを備えて、該点火阻止用スイッチの動作により点火回路の一部を短絡するかまたは切り離して点火動作を阻止する点火阻止回路と、点火動作時に点火コイルの一次コイルに発生する点火パルスを検出して、設定時間よりも短い間隔で点火パルスが検出される状態が継続しているときに点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを阻止し、点火パルスが検出されない状態が設定時間を超える期間継続したときに点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容する点火阻止制御回路とにより構成される。

0010

一般に点火回路は、内燃機関の点火時期トリガ信号点火信号)が与えられて動作(オン動作またはオフ動作)する半導体スイッチを備えていて、該半導体スイッチの動作により点火コイルの一次電流に急激な変化を生じさせることにより、点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるようにしている。本発明において、「点火コイルの一次コイルに発生する点火パルス」は、点火コイルの一次電流に急激な変化を生じさせた際に該点火コイルの一次コイルに誘起するパルス状の電圧を意味する。

0011

点火回路の一部を点火阻止用スイッチにより短絡するかまたは切離すことによって点火動作を阻止する手法自体はすでに公知である。点火阻止用スイッチにより短絡する箇所または切離す箇所は、短絡または切離すことにより点火動作が行われなくなる箇所であればいかなる箇所でもよい。点火阻止用スイッチにより短絡する箇所は例えば、点火コイルの一次電流を制御する半導体スイッチのトリガ信号の入力端子間や、該半導体スイッチの両端、点火電源として用いる発電コイルの両端等である。

0012

点火阻止用スイッチの駆動信号は、点火阻止用スイッチを導通状態または遮断状態にするために該スイッチ回路制御端子に与える信号である。点火阻止用スイッチにおいて例えばトランジスタスイッチ素子として用いて、該トランジスタをオン状態にする場合、該トランジスタに与えるベース電流が駆動信号となる。

0013

上記の点火装置において、機関を始動する際には、点火阻止制御回路が、点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容する状態にある。クラッチがつながれている状態で機関の始動操作が行われると、クラッチオン信号が発生して点火阻止用スイッチに駆動信号を与えるため、該点火阻止用スイッチが動作する。これにより点火動作が阻止されるため、機関は失火状態になり、機関の始動が阻止される。

0014

これに対し、クラッチが切り離された状態で機関の始動操作が行われた場合には、クラッチオン信号が発生せず、点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられないため、点火動作は阻止されることがなく、機関の始動は支障なく行われる。

0015

一度機関が始動すると、点火パルスが設定時間以内に発生するため、点火阻止制御回路が点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを阻止する状態になる。この状態では、クラッチがつながれていてクラッチオン信号が発生している状態でも点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられることはないため、点火動作が行われ、機関の運転は支障なく行われる。

0016

このように、本発明によれば、クラッチがつながっている状態で機関の始動操作が行われた際に、点火動作が行われるのを阻止することができるため、クラッチつながれている状態で機関が始動して、負荷がいきなり駆動されるのを防ぐことができ、事故の発生を未然に防ぐことができる。

0017

また内燃機関を停止すると、時限設定用コンデンサ蓄積された電荷放電回路を通して放電するため、機関を再始動する際には再び安全回路を正常に動作させることができる。

0018

上記点火阻止制御回路は、例えば、点火動作時に点火コイルの一次コイルに誘起する点火パルスにより充電される時限設定用コンデンサと、該時限設定用コンデンサの電荷を所定の時定数で放電させる放電回路と、時限設定用コンデンサの両端の電圧が所定のレベル以上になったときに導通して点火阻止用スイッチに与えられる駆動信号を該点火阻止用スイッチから側路するように設けられた駆動信号側路用スイッチとを備えて、放電回路の時定数により決まる設定時間よりも短い間隔で点火パルスが検出される状態が継続しているときに駆動信号側路用スイッチを導通させて点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを阻止し、点火パルスが検出されない状態が設定時間を超える時間の間継続したときに駆動信号側路用スイッチを遮断状態にして点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容する点火阻止制御回路とにより構成できる。

0019

上記点火阻止制御回路はまた、発電コイルの負の半サイクル出力電圧で一方の極性に充電される電源コンデンサと、点火動作時に点火コイルの一次コイルに誘起する点火パルスを駆動信号として導通して電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させるポンプアップ用スイッチ回路と、時限設定用コンデンサの電荷を一定の時定数で放電させる放電回路と、時限設定用コンデンサの両端の電圧が所定のレベル以上になったときに導通して点火阻止用スイッチに与えられる駆動信号を該点火阻止用スイッチから側路するように設けられた駆動信号側路用スイッチとを備えた回路により構成できる。

0020

このように、発電コイルの負の半サイクルの出力電圧で電源コンデンサを充電して、該電源コンデンサの電荷で時限設定用コンデンサを充電するようにすると、始動時に発生する点火パルスのエネルギが小さい場合でも時限設定用コンデンサを充分に充電して安全回路を正常に動作させることができる。

0021

上記ポンプアップ用スイッチ回路は、例えば、電源コンデンサと時限設定用コンデンサとの間にコレクタエミッタ間回路が接続されて導通した際に電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させる第1のトランジスタと、点火パルスが与えられたときに導通して第1のトランジスタにベース電流を流す第2のトランジスタとを備えた回路により構成できる。

0022

上記ポンプアップ用スイッチ回路はまた、アノードカソード間回路が電源コンデンサと時限設定用コンデンサとの間に接続されて導通した際に電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させるプログラマブルユニジャンクショントランジスタ(以下UJTという。)と、点火パルスが与えられたときに導通してUJTのゲートにトリガ信号を与えるトリガ用トランジスタとを備えた回路により構成することもできる。

0023

更に上記ポンプアップ用スイッチ回路は、アノードカソード間回路が電源コンデンサと時限設定用コンデンサとの間に接続されて導通した際に電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させるサイリスタと、点火パルスが与えられたときにサイリスタのゲートにトリガ信号を与えるトリガ信号供給回路とにより構成することもできる。

0024

上記のように、電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させるスイッチとしてPUTまたはサイリスタを用いると、該PUTまたはサイリスタは点火パルスが発生したときに一度導通すると、電源コンデンサの正極性側端子電位が時限設定用コンデンサの正極性側端子の電位よりも低くなるまでの間導通状態を保持するため、点火パルスのパルス幅が狭い場合でも、時限設定用コンデンサの充電を充分に行わせて安全回路を正常に動作させることができる。

0025

上記クラッチ状態検出回路は、クラッチがつながっているときに閉じる検出スイッチを備えて、発電コイルの正の半サイクルの出力電圧で該検出スイッチを通してクラッチオン信号を出力するように構成することができる。

0026

上記クラッチ状態検出回路はまた、クラッチがつながっているときに閉じる検出スイッチを備えて、電源コンデンサの充電電圧で該検出スイッチを通してクラッチオン信号を出力するように構成することもできる。

0027

上記点火回路としては電流遮断形の回路を用いることができる。電流遮断形の点火回路を用いる場合には、点火コイルの少くとも一次コイルを磁石発電機内に設けて、該一次コイルが点火電源としての発電コイルを兼ねるようにすることが多い。この場合、電流遮断形の点火回路は、例えば、コレクタエミッタ間回路が点火コイルの一次コイルに対して並列に接続されて点火コイルの一次コイルに正の半サイクルの出力電圧が誘起したときにベース電流が与えられて導通する一次電流制御用トランジスタと、点火コイルの一次コイルの両端の電圧が設定値に達したときにトリガされて一次電流制御用トランジスタを遮断状態にするように設けられた遮断制御用スイッチとにより構成される。

0028

また上記点火回路として、コンデンサ放電式の点火回路を用いることもできる。コンデンサ放電式の点火回路は、例えば、点火コイルの一次側に設けられて発電コイルの正の半サイクルの出力電圧により一方の極性に充電される点火エネルギ蓄積用コンデンサと、点火動作時にトリガされて該点火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷を点火コイルの一次コイルに放電させる放電用スイッチとにより構成される。

0029

点火回路として、コンデンサ放電式の回路を用いる場合、安全回路に設ける点火阻止制御回路は、発電コイルの正の半サイクルの出力電圧により一定の時定数で充電される電源コンデンサと、電源コンデンサの両端の電圧により一定の時定数で充電される時限設定用コンデンサと、電源コンデンサの両端の電圧により駆動信号が与えられて導通して電源コンデンサから時限設定用コンデンサに与えられる充電電流を該時限設定用コンデンサから側路する充電電流側路用スイッチと、点火動作時に前記点火コイルの一次コイルに誘起する点火パルスを検出して該点火パルスが発生している間充電電流側路用スイッチを遮断状態にする充電電流側路用スイッチ遮断回路と、時限設定用コンデンサの電荷を一定の時定数で放電させる放電回路と、時限設定用コンデンサの両端の電圧が所定のレベル以上になったときに導通して点火阻止用スイッチに与えられる駆動信号を該点火阻止用スイッチから側路するように設けられた駆動信号側路用スイッチとにより構成することもできる。

発明を実施するための最良の形態

0030

図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係わる内燃機関用点火装置の基本構成を示したものである。同図において、1は内燃機関、2は内燃機関1により駆動される負荷、3は内燃機関1の出力軸と負荷2との間に設けられたクラッチ、4は本発明に係わる内燃機関用点火装置である。

0031

点火装置4は、一次コイル及び二次コイルを鉄心巻回したものからなる点火コイル5と、点火動作時に点火コイル1の二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるべく該点火コイルの一次電流を制御する点火回路6と、クラッチ3がつながった状態で機関の始動操作が行われたときに点火回路6の点火動作を阻止して機関の始動を禁止する安全回路7とにより構成される。

0032

点火回路6は、内燃機関の回転に同期して交流電圧を出力する点火電源としての発電コイルと、該発電コイルを電源として、点火信号が与えれた際に動作する半導体スイッチを備えて該半導体スイッチの動作により点火コイルの一次電流に急激な変化を生じさせる一次電流制御回路と、内燃機関の点火時期に一次電流制御回路の半導体スイッチに点火信号を与える点火信号供給回路とにより構成される。

0033

点火信号供給回路としては、点火電源としての発電コイルの両端の電圧の変化から点火時期を検出して点火信号を得る簡単な構成のものから、マイクロコンピュータを用いて点火信号の発生時期を制御する複雑な構成のものまで、種々のものがある。

0034

現在用いられている点火回路6は、一次電流の制御の仕方から、電流遮断形の回路と、コンデンサ放電式の回路とに分けられる。

0035

電流遮断形の回路においては、発電コイルに正の半サイクルの電圧が誘起したときに発電コイルに対して並列に設けた半導体スイッチを導通させることにより発電コイルに短絡電流を流し、機関の点火時期に該半導体スイッチを遮断状態にすることにより発電コイルに高い電圧を誘起させる。この電圧を更に点火コイルにより昇圧して点火用の高電圧を得る。

0036

コンデンサ放電式の点火回路は、点火コイルの一次側に設けられて磁石発電機の発電コイルの正の半サイクルの出力電圧により一方の極性に充電される点火エネルギ蓄積用コンデンサと、点火信号が与えられた際に導通して点火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷を点火コイルの一次コイルに放電させる放電用スイッチと、内燃機関の点火時期に該放電用スイッチに点火信号を与える点火時期制御回路とにより構成される。

0037

点火コイル5に一次電流を流すための点火電源としては、内燃機関1に取り付けられた磁石発電機(図示せず。)内に設けられた発電コイルが用いられる。特に電流遮断形の点火回路を用いる場合には、発電コイルを点火コイルと別個に設けることなく、点火コイル5自体を磁石発電機内に設けて、機関の回転に同期して該点火コイルの一次コイルに誘起させた交流電圧の正の半サイクルの電圧で点火コイルに一次電流を流す構成をとることが多いが、その場合には、点火コイルの一次コイルが点火電源としての発電コイルを兼ねることになる。本発明に係わる点火装置では、点火電源としての発電コイルを点火コイルと別個に設けてもよく、点火コイルの一次コイル自体を点火電源としての発電コイルとして用いてもよい。

0038

なお発電コイルに誘起する交流電圧の正負の半サイクルの極性は相対的なものであり、発電コイルが出力する交流電圧の両半サイクルの内、いずれか一方の半サイクルを正の半サイクルとすれば、他の半サイクルが負の半サイクルとなる。本発明においては、点火コイルに一次電流を流すために用いる半サイクルを正の半サイクルとする。発電コイルの半サイクルの出力で点火エネルギ蓄積用コンデンサを充電して、該コンデンサの電荷を点火コイルの一次コイルに放電させることにより一次電流を流すコンデンサ放電式の点火回路を用いる場合には、点火エネルギ蓄積用コンデンサを充電する半サイクルが正の半サイクルとなる。

0039

本発明においては、上記安全回路7が、内燃機関1の出力軸と負荷2との間に設けられたクラッチ3の状態を検出して該クラッチがつながっているときにクラッチオン信号を出力するクラッチ状態検出回路8と、該クラッチオン信号を駆動信号として動作する点火阻止用スイッチを備えて、該点火阻止用スイッチの動作により点火動作を阻止する点火阻止回路9と、点火動作時に点火コイル5の一次コイルに発生する点火パルスVpを検出して、設定時間よりも短い間隔で点火パルスVpが検出される状態が継続しているときに点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを阻止し、点火パルスVpが検出されない状態が設定時間を超える期間継続したときに点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容する点火阻止制御回路10とにより構成される。

0040

点火阻止用スイッチの動作により点火動作を阻止するには、クラッチオン信号により駆動信号が与えられたときに点火阻止用スイッチを導通または遮断させて、該点火阻止用スイッチにより点火回路の一部を短絡するかまたは切離すようにすればよい。点火阻止用スイッチとしては、トランジスタ、FET、サイリスタ等のオンオフ制御が可能なスイッチ素子を用いたスイッチ回路を用いる。

0041

クラッチ状態検出回路8は、クラッチの動作を検出して、クラッチがつながっているときにオン状態になり、該クラッチが切離されているときにオフ状態なる検出スイッチを備えて、該検出スイッチを通してクラッチオン信号を出力する回路により構成できる。またクラッチがつながったとき及び切離されたときにそれぞれオフ状態及びオン状態になる検出スイッチと、該検出スイッチがオン状態にあるときにオフ状態にあり、該検出スイッチがオフ状態になったときにオン状態になる半導体スイッチとによりクラッチ状態検出回路8を構成することもできる。

0042

点火阻止制御回路10は、例えば、点火動作時に点火コイルの一次コイルに誘起する点火パルスにより充電される時限設定用コンデンサと、該時限設定用コンデンサの電荷を所定の時定数で放電させる放電回路と、時限設定用コンデンサの両端の電圧が所定のレベル以上になったときに導通して点火阻止用スイッチに与えられる駆動信号を該点火阻止用スイッチから側路する駆動信号側路用スイッチとを備えた回路により構成する。この場合、放電回路の時定数により決まる設定時間よりも短い間隔で点火パルスが検出される状態が継続しているときに駆動信号側路用スイッチを導通させて点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを阻止し、点火パルスが検出されない状態が設定時間を超える期間継続したときに駆動信号側路用スイッチを遮断状態にして点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容するようにする。

0043

点火阻止制御回路10はまた、発電コイルの負の半サイクルの出力電圧で一方の極性に充電される電源コンデンサと、点火動作時に点火コイルの一次コイルに誘起する点火パルスを駆動信号として導通して電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させるポンプアップ用スイッチ回路と、時限設定用コンデンサの電荷を一定の時定数で放電させる放電回路と、時限設定用コンデンサの両端の電圧が所定のレベル以上になったときに導通して点火阻止用スイッチに与えられる駆動信号を該点火阻止用スイッチから側路するように設けられた駆動信号側路用スイッチとを備えた回路により構成することもできる。この場合も、放電回路の時定数により決まる設定時間よりも短い間隔で点火パルスが発生する状態が継続しているときに駆動信号側路用スイッチを導通させて点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを阻止し、点火パルスが発生しない状態が設定時間を超える期間継続したときに駆動信号側路用スイッチを遮断状態にして点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容する。

0044

以下、種々の実施例を挙げて、本発明に係わる内燃機関用点火装置の各部の具体的な構成例を詳細に説明する。

0045

図2は本発明の第1の実施例を示したもので、同図において、点火コイル5は、一次コイル5aと二次コイル5bとを鉄心5cに巻回したものからなり、一次コイル5a及び二次コイル5bの一端は共通に接続されて接地されている。二次コイル5bの非接地側端子は内燃機関の気筒に設けられた点火プラグ11の非接地側端子に高圧コードを介して接続されている。この例では、点火コイル5が内燃機関の出力軸に取付けられた磁石発電機内に設けられていて、機関の回転に同期して一次コイル5aに交流電圧が誘起する。即ちこの例では、点火コイルの一次コイル5aが点火電源としての発電コイルを兼ねている。

0046

点火回路6は電流遮断形の回路で、エミッタが接地され、コレクタが点火コイルの一次コイル5aの非接地側端子に接続されたNPNトランジスタ(一次電流制御用トランジスタ)TR1 と、エミッタが接地され、コレクタがトランジスタTR1 のベースに接続されたNPNトランジスタTR2 (遮断制御用スイッチ)と、トランジスタTR1 のベースと一次コイル5aの非接地側端子間及びトランジスタTR2 のベースと一次コイル5aの非接地側端子間にそれぞれ接続された抵抗R1 及びR2 と、トランジスタTR2 のベースと接地間に接続された抵抗R3 とからなっている。

0047

この点火回路6においては、一次コイル5aに図示の矢印方向の正の半サイクルの電圧が誘起したときに抵抗R1 を通してトランジスタTR1 にベース電流が与えられるため、該トランジスタが導通し、一次コイル5aからトランジスタTR1 のコレクタエミッタ間を通して一次電流(短絡電流)が流れる。一次電流の増大に伴って一次コイル5aの両端の電圧が所定のレベルに達すると、抵抗R2を通してトランジスタタTR2 に与えられるベース電流が該トランジスタTR2を導通状態にする大きさに達するため、該トランジスタTR2 が導通する。トランジスタTR2 が導通すると、抵抗R1 を通して流れる電流の大部分がトランジスタTR2 のコレクタエミッタ間を通して流れ、トランジスタTR1 にベース電流がほとんど流れなくなるため、トランジスタTR1 が遮断状態になり、一次コイル5aを流れていた一次電流が遮断される。このとき一次コイル5aには、それまで流れていた電流を流し続けようとする向きの高いパルス電圧(点火パルス)Vpが誘起する。この電圧が点火コイル5により更に昇圧されて、二次コイル5bに点火用の高電圧が誘起する。この高電圧は点火プラグ11に印加されるため、点火プラグ11に火花が生じ、機関が点火される。

0048

図2に示した例では、遮断制御用スイッチとしてトランジスタTR2 を用いているが、このスイッチとしては、カソードが接地されるとともにアノードがトランジスタTR1 のベースに接続され、ゲートが抵抗R2 及びR3 の接続点に接続されたサイリスタを用いてもよい。

0049

クラッチ状態検出回路8は、機関の出力軸と負荷との間に設けられたクラッチの状態を検出して、該クラッチがつながっているとき及び切離されているときにそれぞれオン状態及びオフ状態になる検出スイッチ8aを備えていて、検出スイッチ8aがオン状態にあるとき(クラッチがつながれているとき)に点火電源としての発電コイル(一次コイル5a)から検出スイッチ8aを通して高レベルのクラッチオン信号Vonを出力する。

0050

点火阻止回路9は、エミッタが接地されたNPNトランジスタ(点火阻止用スイッチ)TR3 と該トランジスタのベースに一端が接続された抵抗R4 とを備えていて、クラッチ状態検出回路8の検出用スイッチ8aを通して与えられるクラッチオン信号により、抵抗R4 を通してトランジスタTR3 に駆動信号(ベース電流)が与えられるようになっている。点火阻止用スイッチを構成するトランジスタTR3 のコレクタは点火回路6のトランジスタTR2 のベースに接続され、トランジスタTR3 が導通状態になったときに点火回路のトランジスタTR2 のベースエミッタ間が短絡されるようになっている。

0051

点火阻止制御回路10は、点火コイル5の一次コイル5aの非接地側端子にアノードが接続されたダイオードD1 と、ダイオードD1 のカソードにカソードが接続されたツェナーダイオードZD1 と、ツェナーダイオードZD1 のアノードに抵抗R5 を通して一端が接続され、他端が接地された時限設定用コンデンサC1 と、コンデンサC1 の両端に並列に接続された放電用抵抗R6 と、アノードを接地側に向けた状態でコンデンサC1 の両端に並列に接続されてコンデンサC1の充電電圧を一定値に制限するツェナーダイオードZD2 と、ソースが接地されドレインがトランジスタTR3 のベースに接続されたFETF1 とからなり、FETのゲートがコンデンサC1 の非接地側端子に接続されている。この例では、抵抗R6 によりコンデンサC1 の放電回路が構成され、FET F1 により、駆動信号側路用スイッチが構成されている。

0052

図2に示した点火阻止制御回路10においては、点火動作時に点火コイル5の一次コイル5aに誘起する点火パルスVpがツェナーダイオードZD1 のツェナー電圧Vz1によりほぼ決る設定レベルを超えたときに、該ツェナーダイオードが導通して時限設定用コンデンサC1 が所定の時定数で充電される。時限設定用コンデンサC1 の電荷は抵抗R6 を通して一定の時定数で放電する。点火パルスVpにより時限設定用コンデンサC1 が充電されると、該コンデンサC1 の両端の電圧が所定のトリガレベルを超えたときにFETF1 が導通してトランジスタTR3 に与えられるベース電流をトランジスタTR3 から側路し、該トランジスタTR3 の導通を阻止する。本発明においては、コンデンサC1 の両端の電圧がFET F1 のトリガレベルを超えている時間(設定時間)が、機関の低速時の点火間隔よりも充分に長くなるように、コンデンサC1 の放電時定数を設定しておく。

0053

図3(A)ないし(E)は図2の実施例の各部の電圧波形を示したもので、図3(A)は点火阻止制御回路10のダイオードD1 と接地間の電圧(一次コイル5aの両端の電圧)V1 の波形を示し、同図(B)はクラッチ状態検出回路8の検出スイッチ8aのオンオフ動作を示している。また図3(C)及び(D)はそれぞれ時限設定用コンデンサC1 の両端の電圧Vc1の波形及びFETF1 のドレインソース間の電圧Vdsの波形を示し、図3(E)は点火阻止回路9のトランジスタTR3 のコレクタと接地間の電圧Vceを示している。

0054

クラッチがつながれた状態で機関の始動操作が行われると、図3(B)の左端側に示したように、検出スイッチ8aがオン状態にあるため、点火コイルの一次コイル5aに図示の矢印方向の正の半サイクルの電圧が誘起したときに検出スイッチ8aを通してトランジスタTR3 のベースと接地間にクラッチオン信号Vonが印加される。これによりトランジスタTR3 にベース電流が流れるため、トランジスタTR3 が導通してそのコレクタと接地間の電圧Vceがほぼになり、トランジスタTR2 を遮断状態に保持する。従って、一次コイル5aに誘起する電圧の正の半サイクルの全期間に亘ってトランジスタTR1 が導通状態に保持され、一次コイル5aの出力電圧の正の半サイクルの波形は図3(A)の左端側に示したようになる。この状態では、点火コイルの一次電流の遮断は行われないため、点火動作が阻止される。点火動作が行われないと、点火パルスVpが発生しないため、点火阻止制御回路10のコンデンサC1 は充電されず、FETは導通しない。従ってFET F1 がトランジスタTR3 の導通を妨げることはなく、点火阻止回路9は点火動作を阻止し続ける。これにより、クラッチがつながれた状態での機関の始動が禁止される。

0055

機関の始動時にクラッチが切離されている場合、及びクラッチがつながれている状態で始動操作が行われた場合でも、その始動操作の途中でクラッチが切離された場合には、図3(B)の中央部に示したように、検出スイッチ8aがオフ状態になるため、点火阻止回路9のトランジスタTR3 にはベース電流が与えられない。この状態では、一次コイル5aの両端の電圧が所定のレベルに達したときに点火回路6のトランジスタTR2 が導通してトランジスタTR1 を遮断状態にするため、点火動作が行われ、機関が始動する。

0056

一度点火動作が行われると、点火パルスVpがツェナーダイオードZD1 のツェナーレベルVz1を超えたときに時限設定用コンデンサC1 が充電され、該コンデンサC1 の両端の電圧Vc1が図3(C)に示すように上昇する。コンデンサC1 の両端の電圧がFETF1 のカットオフレベル(トリガレベル)Vctを超えると該FETが導通して、そのドレインソース間の電圧Vdsがほぼ零になるため、トランジスタTR3 が遮断状態にされる。コンデンサC1 の両端の電圧がFET F1 のトリガレベルを超えている時間(設定時間)が、機関の低速時の点火間隔よりも充分に長くなるように、コンデンサC1 の放電時定数が設定されているため、一度点火動作が行われると、以後はFET F1 が導通状態に保持され、点火阻止回路9の点火阻止動作が禁止される。従って、機関が始動した後は、クラッチがつながれたときにクラッチ状態検出回路8がクラッチオン信号を出力しても、点火阻止回路9のトランジスタTR3 が導通することはなく、点火動作は支障なく行われる。

0057

機関が停止した後、点火パルスVpが検出されない状態が上記設定時間を超える期間継続すると、FETF1 (駆動信号側路用スイッチ)が遮断状態になるため、クラッチオン信号によりトランジスタTR3 (点火阻止用スイッチ)に駆動信号が与えられるのが許容されるようになり、点火阻止制御回路9が動作可能な状態になる。従って、次回の機関の始動の際には、安全回路7が正常に動作し、クラッチがつながれている状態での機関の始動が禁止される。

0058

図2に示したように、時限設定用コンデンサC1 の両端にツェナーダイオードZD2 を接続して、該コンデンサC1 の両端の電圧を一定値(FETF1 のカットオフレベルより十分に高い値)に制限するようにしておくと、コンデンサC1 の両端の電圧がFET F1 のカットオフレベル(駆動信号側路用スイッチのトリガレベル)を超えている時間(設定時間)を一定に保つことができる。しかしながら、時限設定用コンデンサC1 の両端の電圧が駆動信号側路用スイッチのトリガレベルを超えている時間は、機関の始動時の点火間隔よりも十分に長く設定すればよく、必ずしも一定である必要はないため、ツェナーダイオードZD2は省略することができる。

0059

図4は本発明の第2の実施例の要部を示したもので、この例では、アノードが接地されたダイオードD2 のカソードに電源コンデンサCo の一端が接続され、該コンデンサCo の他端が抵抗R7 とダイオードD3 とを通して点火コイルの一次コイル5aの非接地側端子に接続されている。コンデンサCo とダイオードD2 との直列回路の両端に放電用抵抗R8 が接続され、コンデンサCo とダイオードD2 との接続点にPNPトランジスタTR4 のエミッタが接続されている。トランジスタTR4 のベースはエミッタが接地されたNPNトランジスタTR5 のコレクタに抵抗R9 を通して接続され、トランジスタTR5 のベースが図2の実施例と同様に設けられた抵抗R5 とツェナーダイオードZD1 とダイオードD1とを通して点火コイルの一次コイル5aの非接地側端子に接続されている。トランジスタTR4 のコレクタと接地間に時限設定用コンデンサC1 と放電用抵抗R6 とが並列に接続され、時限設定用コンデンサC1 の両端の電圧Vc1がFETF1 のゲートソース間に印加されている。その他の構成は図2の実施例と同様である。

0060

図4の実施例においては、トランジスタTR4 及びTR5 と抵抗R6 〜R9 とコンデンサCo 及びC1 とダイオードD1 〜D3 とツェナーダイオードZD1 とFETF1 とにより点火阻止制御回路10が構成されている。この点火阻止制御回路においては、一次コイル5a→ダイオードD2 →電源コンデンサCo →抵抗R7 →ダイオードD3 →一次コイル5aの回路により、一次コイル5aに誘起する交流電圧の負の半サイクルにおいて該一次コイル5aの誘起電圧により電源コンデンサCo を充電する電源コンデンサ充電回路が構成されている。またダイオードD1 とツェナーダイオードZD1 と抵抗R5 及びR9 とトランジスタTR4 及びTR5 とにより、点火パルスVpが発生したときに導通して電源コンデンサCo の電荷を時限設定用コンデンサC1 に移行させるポンプアップ用スイッチ回路が構成されている。

0061

図5(A)ないは(G)は図4の実施例の各部の電圧波形及び検出スイッチの動作を示したもので、同図(A)は点火コイルの一次コイル5aの両端の電圧V1 の波形を示し、同図(B)は電源コンデンサCo の両端の電圧Vcoの波形を示している。また図5(C)はトランジスタTR5 のコレクタと接地間の電圧V2を示し、同図(D)は時限設定用コンデンサC1 の両端の電圧Vc1の波形を示している。更に図5(E)はクラッチ状態検出回路の検出スイッチ8aのオンオフ動作を示し、同図(F)及び(G)はそれぞれFETF1 のドレインソース間電圧Vds及び点火阻止用スイッチを構成するトランジスタTR3 のコレクタと接地間の電圧Vceを示している。

0062

図4の実施例においては、点火コイルの一次コイル(点火電源としての発電コイル)5aの負の半サイクルの誘起電圧により電源コンデンサCo が図示の極性に充電される。点火動作時に点火コイルの一次コイル5aに点火パルスVpが発生すると、トランジスタTR5 が導通し、これによりトランジスタTR4 が導通するため、電源コンデンサCo の電荷がトランジスタTR4 のエミッタコレクタ間を通して時限設定用コンデンサC1 に移行し、該コンデンサC1 の両端の電圧Vc1が図5(D)に示すように上昇する。その他の動作は図2の実施例と同様である。

0063

このように、発電コイル(一次コイル5a)の負の半サイクルの出力電圧で電源コンデンサCo を充電して、該電源コンデンサの電荷で時限設定用コンデンサC1 を充電するようにすると、始動時に発生する点火パルスVpのエネルギが小さい場合でも時限設定用コンデンサC1 を充分に充電して安全回路を正常に動作させることができる。

0064

図6は本発明の第3の実施例を示したもので、この実施例では、図4の実施例のトランジスタTR4 に代えて、自己保持機能を有するプログラマブルユニジャンクショントランジスタ(PUT)Pu1が用いられている。PUT Pu1は、そのアノードが電源コンデンサCo の正極性側の端子(ダイオードD2 側の端子)に接続されるとともに、カソードが時限設定用コンデンサC1 の正極性側端子(非接地側端子)に接続され、ゲートが抵抗R9 を通してトランジスタTR5 のコレクタに接続されている。この例では、PUT Pu1とトランジスタTR5 と抵抗R9 とによりポンプアップ用スイッチ回路が構成されている。その他の点は図4に示した実施例と同様に構成されている。

0065

図6の実施例の各部の電圧波形及び検出スイッチのオンオフ動作を図7(A)ないし(G)に示した。図7(A)及び(B)はそれぞれ一次コイル5aの両端の電圧V1 の波形及び電源コンデンサCo の正極性側端子の電位Vcoの波形を示している。また図7(C)及び(D)はそれぞれトランジスタTR5 のコレクタエミッタ間の電圧V2 の波形及び時限設定用コンデンサC1 の両端の電圧Vc1の波形を示し、図7(E)はクラッチ状態検出回路8の検出スイッチ8aのオンオフ動作を示している。更に図7(F)及び(G)はそれぞれFETF1 のドレインソース間電圧Vdsの波形及びトランジスタTR3 のコレクタと接地間の電圧Vceの波形を示している。

0066

図6の実施例では、一次コイル5aに誘起する電圧V1 の負の半サイクルにおいて電源コンデンサCo が図示の極性に充電される。点火動作時に一次コイル5aに点火パルスVpが発生するとダイオードD1 とツェナーダイオードZD1 と抵抗R5 とを通してトランジスタTR5 にベース電流が与えられるため、該トランジスタTR5 が導通し、図7(C)に示すように、トランジスタTR5 のコレクタの電位V2 が短い時間の間ほぼ零になる。この間PUTPu1にゲート電流が流れて該PUTが導通する。PUT Pu1が導通すると電源コンデンサCo の電荷がPUT Pu1を通して時限設定用コンデンサC1 に移行する。コンデンサC1 の両端の電圧がFETF1 のカットオフレベルVctを超えるとFET F1 が導通して点火阻止回路9のトランジスタTR3 の導通を阻止するため、点火阻止回路9の点火阻止動作が禁止される。

0067

このように電源コンデンサの電荷を時限設定用コンデンサに移行させるスイッチとしてPUTPu1を用いると、該PUTは点火パルスが発生したときに一度導通すると、電源コンデンサCo の正極性側端子の電位が時限設定用コンデンサC1 の正極性側端子の電位よりも低くなるまでの間導通状態を保持するため、点火パルスのパルス幅が非常に狭い場合でも、時限設定用コンデンサの充電を充分に行わせて安全回路を正常に動作させることができる。

0068

図8は本発明の第4の実施例を示したもので、この実施例では、クラッチ状態検出回路8の検出スイッチ8aが電源コンデンサCo のダイオードD2 側の端子(正極性側の端子)と点火阻止回路9の入力端子との間に接続されている。その他の構成は図4の実施例と同様である。

0069

図8のように構成すると、検出スイッチ8aに点火パルスが印加されないため、該検出スイッチ8aとして耐圧が低い安価なものを用いてコストの低減を図ることができる。

0070

図9は本発明の第5の実施例を示したもので、この実施例では、電源コンデンサCo の電荷を時限設定用コンデンサC1 に移行させるポンプアップ用スイッチ回路がサイリスタS1 により構成されている。サイリスタS1 はそのアノードを電源コンデンサの正極性側端子に接続するとともに、カソードを電源コンデンサC1 の非接地側端子に接続した状態で設けられ、該サイリスタのゲートが、抵抗R9 とアノードを該抵抗R9 側に向けたツェナーダイオードZD1 とカソードを該ツェナーダイオード側に向けたダイオードD1 との直列回路を通して一次コイル5aの非接地側端子に接続されている。その他の構成は図8の実施例と同様である。

0071

図9の実施例の各部の電圧波形と検出スイッチのオンオフ動作とを図10(A)ないし(G)に示した。図10(A)及び(B)はそれぞれ一次コイル5aの両端の電圧V1 の波形及び電源コンデンサCo とダイオードD2 との接続点の電位Vcoの波形を示している。また図10(C)及び(D)はそれぞれサイリスタS1 のゲートに与えられるトリガ信号Vg の波形及び時限設定用コンデンサC1の両端の電圧Vc1の波形を示し、図10(E)はクラッチ状態検出回路8の検出スイッチ8aのオンオフ動作を示している。更に図10(F)及び(G)はそれぞれFETF1 のドレインソース間電圧Vdsの波形及びトランジスタTR3 のコレクタと接地間の電圧Vceの波形を示している。

0072

図9の実施例では、点火パルスVpが発生したときにサイリスタS1 にトリガ信号Vg が与えられて該サイリスタが導通し、電源コンデンサCo の電荷がサイリスタS1 を通して時限設定用コンデンサC1 に移行する。サイリスタS1 は電源コンデンサCo の正極性側端子の電位が時限設定用コンデンサC1 の正極性側端子の電位よりも低くなるまでの間導通状態を保つため、点火パルスVpのパルス幅が非常に狭い場合でも時限設定用コンデンサC1 の充電を充分に行わせることができる。

0073

図2図4図6図8及び図9の実施例では、点火回路6が電流遮断形の回路からなっているが、点火回路としてコンデンサ放電式の回路が用いられる場合にも本発明を適用することができる。

0074

図11は点火回路6としてコンデンサ放電式の回路を用いた本発明の第6の実施例を示したもので、この例では、点火コイル5が磁石発電機の外部に設けられ、該点火コイル5の一次コイルの非接地側端子に点火エネルギ蓄積用コンデンサCiの一端が接続されている。コンデンサCi の他端はダイオードD11のカソードに接続され、該ダイオードD11のアノードと接地間に、磁石発電機内に設けられたエキサイタコイル(点火電源としての発電コイル)12が接続されている。点火コイルの一次コイル5aの両端にはダイオードD12がそのカソードを接地側に向けた状態で接続されている。コンデンサCi とダイオードD11との接続点と接地間にカソードを接地側に向けたサイリスタTh が接続され、点火信号供給回路13からサイリスタTh のゲートに点火信号Vi が与えられている。点火信号供給回路13は、機関の回転に同期して所定の回転角度位置でパルス信号を出力するパルサコイル14の出力を入力として、機関の点火位置でサイリスタTh に点火信号Vi を与える。点火信号供給回路13としては、パルサコイル14が発生する信号を波形整形して点火信号Vi としてサイリスタTh に与えるようにしたものや、パルサコイル14が発生する信号から得た回転角度情報回転速度情報とに基づいて各回転速度における機関の点火位置を演算して、演算した点火位置で点火信号Vi を出力するようにしたもの等がある。

0075

この例では、点火エネルギ蓄積用コンデンサCiとダイオードD11及びD12とサイリスタTh とエキサイタコイル12とパルサコイル14と点火信号供給回路13とによりコンデンサ放電式の点火回路6が構成されている。

0076

点火阻止回路9は、図2の実施例と同様にエミッタが接地されたNPNトランジスタTR3 と抵抗R4 とからなり、トランジスタTR3 のコレクタがサイリスタTh のゲートに接続されている。

0077

点火阻止制御回路10は、図4の実施例等と同様に電源コンデンサCo と時限設定用コンデンサC1 とを備えているが、この例では、電源コンデンサCo の一端及び時限設定用コンデンサC1 の一端が接地され、電源コンデンサCo の他端は抵抗R5 とカソードを該抵抗R5 側に向けたダイオードD1 とを通してエキサイタコイル12の非接地側端子に接続されている。電源コンデンサCo の両端には該コンデンサCo の充電電圧を一定値に制限するためのツェナーダイオードZD2 が並列に接続されている。電源コンデンサCo の非接地側端子は、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR6 のコレクタに抵抗R11を介して接続され、トランジスタTR6 のベースと電源コンデンサCo の非接地側端子との間に抵抗R12が接続されている。

0078

トランジスタTR6 のコレクタはダイオードD13を通して時限設定用コンデンサC1 の非接地側端子に接続され、トランジスタTR6 が遮断状態にあるときに電源コンデンサCo の充電電圧で抵抗R11とダイオードD13とを通して時限設定用コンデンサC1 が充電されるようになっている。時限設定用コンデンサC1 の両端には放電用抵抗R6 が並列に接続され、該抵抗R6 により時限設定用コンデンサの放電回路が構成されている。トランジスタTR6 のベースと接地間にはアノードを接地側に向けたダイオードD14が接続され、該ダイオードD14のカソードに抵抗R13を通してツェナーダイオードZD3 のカソードが接続されている。ツェナーダイオードZD3 のアノードはアノードを該ツェナーダイオード側に向けたダイオードD15を通して点火コイル5の一次コイル5aの非接地側端子に接続されている。時限設定用コンデンサC1 の非接地側端子はソースが接地されたFETF1 のゲートに接続され、該FETのドレインがトランジスタTR3 のベースに接続されている。

0079

図11の実施例では、電源コンデンサCo と、時限設定用コンデンサC1 と、トランジスタTR6 と、FETF1 と、ダイオードD1 及びD13〜D15と、ツェナーダイオードZD2 及びZD3 と、抵抗R5 ,R6 及びR11〜R13とにより点火阻止制御回路10が構成されている。

0080

またトランジスタTR6 により、時限設定用コンデンサC1 の充電電流を該コンデンサC1 から側路する充電電流側路用スイッチが構成され、ダイオードD14及びD15とツェナーダイオードZD3 と抵抗R13とにより、点火動作時に点火コイルの一次コイル5aに誘起する点火パルスを検出して該点火パルスが発生している間充電電流側路用スイッチ(トランジスタTR6 )を遮断状態にする充電電流側路用スイッチ遮断回路が構成されている。

0081

この実施例においても、コンデンサC1 の両端の電圧がFETF1 のカットオフレベルを超えている時間が機関の始動時の点火間隔よりも十分に長くなるように、コンデンサC1 の放電時定数が設定されている。

0082

クラッチ状態検出回路8の検出スイッチ8aは電源コンデンサCo の非接地側端子と点火阻止回路9の入力端子との間に接続されている。

0083

図11の実施例では、内燃機関の回転に同期してエキサイタコイル12に交流電圧が誘起する。エキサイタコイル12に図示の矢印方向の正の半サイクルの電圧が誘起すると、エキサイタコイル12→ダイオードD11→コンデンサCi→ダイオードD12及び一次コイル5a→エキサイタコイル12の経路でコンデンサCi が図示の極性に充電される。内燃機関の点火位置でサイリスタTh に点火信号が与えられると、サイリスタTh が導通するため、コンデンサCi の電荷がサイリスタTh と点火コイルの一次コイル5aとを通して放電する。これにより一次コイル5aに放電電流が流れるのを妨げる方向の点火パルスVpが発生し、この点火パルスVpが更に昇圧されて点火コイルの二次コイル5bに点火用の高電圧が発生する。この高電圧は点火プラグ11に印加されるため、該点火プラグに火花が生じて機関が点火される。

0084

またエキサイタコイル12の正の半サイクルの出力電圧によりダイオードD1と抵抗R5 とを通して電源コンデンサCo が図示の極性に充電される。点火動作が行われる前の状態では、電源コンデンサCo の両端の電圧により抵抗R12を通してトランジスタTR6 にベース電流が与えられるため、該トランジスタが導通する。従って電源コンデンサCo の電荷はすべて抵抗R11とトランジスタTR6とを通して放電し、時限設定用コンデンサC1 には移行しない。従って点火動作が行われる前の状態ではFETF1 が導通することはなく、点火阻止制御回路10は点火阻止回路9の点火阻止動作を何等妨げない。

0085

機関の始動時にクラッチがつながっている場合には、検出スイッチ8aがオン状態にあるため、点火阻止用スイッチとしてのトランジスタTR3 にベース電流(駆動信号)が与えられ、該トランジスタTR3 が導通する。このトランジスタTR3 の導通によりサイリスタTh のゲートカソード間が短絡されるため、点火信号供給回路13からサイリスタTh に与えられる点火信号が該サイリスタThから側路され、サイリスタTh の導通が阻止される。これにより点火動作が禁止されるため、機関は失火状態になり、機関の始動が阻止される。

0086

機関の始動時にクラッチが切り離されている場合には、検出スイッチ8aが開いているため、トランジスタTR3 は導通せず、点火動作が支障なく行われて機関が始動する。点火動作が行われると、点火コイルの一次コイル5aに点火パルスVpが発生したときに一次コイル5a→ダイオードD14→抵抗R13→ツェナーダイオードZD3 →ダイオードD15→一次コイル5aの回路に電流が流れ、ダイオードD14の両端に図示の矢印方向の順方向電圧降下が生じる。この電圧降下によりトランジスタTR6 のベースエミッタ間が逆バイアスされるため、該トランジスタTR6 が遮断状態になる。このとき電源コンデンサCo の電荷が抵抗R11とダイオードD13とを通して時限設定用コンデンサC1 に移行し、該コンデンサC1 が充電される。コンデンサC1 の両端の電圧がFETF1 のカットオフレベルを超えると該FETが導通するため、トランジスタTR3 の導通が阻止される。時限設定用コンデンサC1 は点火動作が行われる毎に充電されるため、一度点火動作が行われるとFET F1 が導通状態に保持される。従って機関が始動した後にクラッチがつながれて検出スイッチ8aがオン状態になってもトランジスタTR3 が導通することはなく、機関の点火動作は支障なく行われる。

発明の効果

0087

以上のように、本発明によれば、内燃機関の出力軸と負荷との間に設けられたクラッチの状態を検出して該クラッチがつながっているときにクラッチオン信号を出力するクラッチ状態検出回路と、クラッチオン信号を駆動信号として動作する点火阻止用スイッチを備えて該点火阻止用スイッチの動作により点火回路の一部を短絡するかまたは切り離して点火動作を阻止する点火阻止回路と、点火動作時に点火コイルの一次コイルに発生する点火パルスを検出して設定時間よりも短い間隔で点火パルスが検出される状態が継続しているときに点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを阻止し、点火パルスが検出されない状態が設定時間を超える期間継続したときに点火阻止用スイッチに駆動信号が与えられるのを許容する点火阻止制御回路とにより構成される安全回路を設けたので、クラッチがつながっている状態で機関の始動操作が行われた際に、点火動作が行われるのを阻止することができる。従って、クラッチつながれている状態で機関が始動して、負荷がいきなり駆動されるのを防ぐことができ、事故の発生を未然に防ぐことができる。

図面の簡単な説明

0088

図1本発明に係わる点火装置の全体的な構成を内燃機関及びその負荷とともに示したブロック図である。
図2本発明の第1の実施例の構成を示した回路図である。
図3図2の実施例の各部の電圧波形と検出スイッチのオンオフ動作とを示した線図である。
図4本発明の第2の実施例の構成を示した回路図である。
図5図4の実施例の各部の電圧波形と検出スイッチのオンオフ動作とを示した線図である。
図6本発明の第3の実施例の構成を示した回路図である。
図7図6の実施例の各部の電圧波形と検出スイッチのオンオフ動作とを示した線図である。
図8本発明の第4の実施例の構成を示した回路図である。
図9本発明の第5の実施例の構成を示した回路図である。
図10図9の実施例の各部の電圧波形と検出スイッチのオンオフ動作とを示した線図である。
図11本発明の第6の実施例の構成を示した回路図である。

--

0089

1内燃機関
2負荷
3クラッチ
4内燃機関用点火装置
5点火コイル
6点火回路
7安全回路
8クラッチ状態検出回路
9点火阻止回路
10 点火阻止制御回路
TR1 〜TR6トランジスタ
F1FET
Pu1 PUT
S1サイリスタ
R1 〜R9 ,R11〜R13抵抗
D1 〜D3 ,D11〜D15ダイオード
ZD1 〜ZD3ツェナーダイオード
Co電源コンデンサ
C1時限設定用コンデンサ

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