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技術 アルミニウム合金溶加材

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 笹部誠二米田陽一郎
出願日 1995年12月19日 (25年0ヶ月経過) 出願番号 1995-330756
公開日 1997年6月30日 (23年5ヶ月経過) 公開番号 1997-168888
状態 特許登録済
技術分野 処理全般、補助装置、継手、開先形状 溶接材料およびその製造
主要キーワード ミクロ割れ バーンバック フィッシュボーン 真空溶融 ビード割れ クレータ割れ 母材部分 ビード全長
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年6月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

溶接熱影響割れ及び溶接金属割れを低減することができるアルミニウム合金溶加材を提供する。

解決手段

アルミニウム合金溶加材は、Si:5乃至13重量%、Mg:0.5乃至2重量%及びZr:0.05乃至0.30重量を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる。また、この化学成分に加えて、Ti:0.05乃至0.2重量%及びB:0.01乃至0.2重量%からなる群から選択された1種又は2種の元素を含有してもよい。更に、アルミニウム合金溶加材の水素含有量を1.0cc/100g以下に規制することが好ましい。

概要

背景

溶接構造材用アルミニウム合金には、Al−Mg−Si系合金又はAl−Mg系合金等がある。これらのアルミニウム合金構造材溶接する場合には、Al−Mg系の5183合金、5356合金若しくは5554合金又はAl−Si系の4043合金若しくは4047合金等からなる溶加材が使用され、ミグ(MIG)又はティグ(TIG)溶接により前記構造材が溶接されて組み立てられている。

また、最近では溶接母材の種々の特性を向上させるために、例えば微量のZn又はCu等を母材に添加する場合がある。しかし、Zn又はCu等が添加された母材を溶接すると、溶接性が低下する場合が多いという難点がある。また、このようにZn又はCu等が添加された母材の場合であっても、従来、微量元素が添加されていない母材と同様の溶加材が使用されている。

ところで、アルミニウム合金からなる母材を溶接する場合には、特に溶接割れに留意する必要がある。アルミニウム合金材の溶接割れはすべて高温割れであり、ビード割れ及びクレータ割れ等に代表される溶接金属割れと、溶接母材の熱影響部に発生する所謂溶接熱影響割れとに大別される。

従来、溶接熱影響部に発生する割れを抑制するために、溶接母材の化学成分を制御したり、溶接条件のうちの溶接入熱を抑制したりしている。これは、割れの発生部位が基本的には母材部分であること、また母材が高温に曝される時間を短縮することが割れの防止に有効であるからである。

しかし、母材の化学成分を制御したり、溶接入熱を制御しても、溶接金属の割れ及び溶接熱影響割れの発生を十分に抑制することはできない。これらの割れ防止方法の他に割れの発生を抑制する方法として、Al−Si系の4043合金からなる溶加材を使用して溶接することが有効であるといわれている。これは、4043合金の凝固収縮量が他の合金のそれに比べて少ないこと等によると考えられている。

概要

溶接熱影響割れ及び溶接金属割れを低減することができるアルミニウム合金溶加材を提供する。

アルミニウム合金溶加材は、Si:5乃至13重量%、Mg:0.5乃至2重量%及びZr:0.05乃至0.30重量を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる。また、この化学成分に加えて、Ti:0.05乃至0.2重量%及びB:0.01乃至0.2重量%からなる群から選択された1種又は2種の元素を含有してもよい。更に、アルミニウム合金溶加材の水素含有量を1.0cc/100g以下に規制することが好ましい。

目的

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、溶接熱影響部及び溶接金属の割れを防止でき、特に溶接熱影響部における割れを十分に防止することができるアルミニウム合金溶加材を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

Si:5乃至13重量%、Mg:0.5乃至2重量%及びZr:0.05乃至0.30重量を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とするアルミニウム合金溶加材

請求項2

Si:5乃至13重量%、Mg:0.5乃至2重量%及びZr:0.05乃至0.30重量を含有し、更にTi:0.05乃至0.2重量%及びB:0.01乃至0.2重量%からなる群から選択された1種又は2種の元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とするアルミニウム合金溶加材。

請求項3

水素含有量が1.0cc/100g以下に規制されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム合金溶加材。

技術分野

0001

本発明は、溶接構造材として使用されるアルミニウム合金材溶接する場合において、その溶接に使用する溶加材として好適のアルミニウム合金溶加材に関する。

背景技術

0002

溶接構造材用アルミニウム合金には、Al−Mg−Si系合金又はAl−Mg系合金等がある。これらのアルミニウム合金構造材を溶接する場合には、Al−Mg系の5183合金、5356合金若しくは5554合金又はAl−Si系の4043合金若しくは4047合金等からなる溶加材が使用され、ミグ(MIG)又はティグ(TIG)溶接により前記構造材が溶接されて組み立てられている。

0003

また、最近では溶接母材の種々の特性を向上させるために、例えば微量のZn又はCu等を母材に添加する場合がある。しかし、Zn又はCu等が添加された母材を溶接すると、溶接性が低下する場合が多いという難点がある。また、このようにZn又はCu等が添加された母材の場合であっても、従来、微量元素が添加されていない母材と同様の溶加材が使用されている。

0004

ところで、アルミニウム合金からなる母材を溶接する場合には、特に溶接割れに留意する必要がある。アルミニウム合金材の溶接割れはすべて高温割れであり、ビード割れ及びクレータ割れ等に代表される溶接金属割れと、溶接母材の熱影響部に発生する所謂溶接熱影響割れとに大別される。

0005

従来、溶接熱影響部に発生する割れを抑制するために、溶接母材の化学成分を制御したり、溶接条件のうちの溶接入熱を抑制したりしている。これは、割れの発生部位が基本的には母材部分であること、また母材が高温に曝される時間を短縮することが割れの防止に有効であるからである。

0006

しかし、母材の化学成分を制御したり、溶接入熱を制御しても、溶接金属の割れ及び溶接熱影響割れの発生を十分に抑制することはできない。これらの割れ防止方法の他に割れの発生を抑制する方法として、Al−Si系の4043合金からなる溶加材を使用して溶接することが有効であるといわれている。これは、4043合金の凝固収縮量が他の合金のそれに比べて少ないこと等によると考えられている。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、4043合金を溶加材として使用する場合であっても、以下のような問題点がある。

0008

即ち、4043合金の溶加材を使用してアルミニウム合金からなる母材を溶接すると、溶接熱影響割れの発生は少なくなるものの、完全に割れを防止することはできない。また、母材に要求される割れ防止以外の特性として、例えば成形性、ベーキング性(塗装焼き付け熱サイクルにより構造材の強度を向上させる)、糸錆性及び強度等がある。更に、押出し材の場合にはそれらに加えてプレス焼入れ性等も要求される。そして、これらの特性に関して、今後、より一層厳しい要求がなされると考えられる。なお、母材の溶接性については、前述した種々の特性と対峙することが多く、母材の成分を適正化すると共に、溶接時に4043合金溶加材を使用しても、全ての特性を満足できることはない。従って、溶接熱影響部に発生する割れを防止するには不十分である。

0009

また、4043合金自体の強度が低いため、溶加材の送給性が低く、溶加材が座屈しやすく、またバーンバックに至りやすいという難点がある。このため、作業性が劣化してしまう。

0010

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、溶接熱影響部及び溶接金属の割れを防止でき、特に溶接熱影響部における割れを十分に防止することができるアルミニウム合金溶加材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明に係るアルミニウム合金溶加材は、Si:5乃至13重量%、Mg:0.5乃至2重量%及びZr:0.05乃至0.30重量を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とする。また、前述の化学成分に加えてTi:0.05乃至0.2重量%及びB:0.01乃至0.2重量%からなる群から選択された1種又は2種の元素を含有してもよい。更に、これらのアルミニウム溶加材は、水素含有量が1.0cc/100g以下に規制されていることが好ましい。

0012

本願発明者等は、母材の溶接熱影響割れを低減することができるアルミニウム合金溶加材を開発すべく、種々の実験研究を行った。先ず、溶加材による割れの影響を究明するために、溶接熱影響部に発生した割れの近傍を光学顕微鏡で観察したり、EPMA分析装置等によって分析した。その結果、溶加材の種類によって割れ近傍部分の成分組織が異なること、及び前記割れ近傍部が溶加材の成分に類似していることを知見した。このことから、本願発明者等は、溶接熱影響部に発生する溶接ミクロ割れが、以下のメカニズムで発生すると考えた。

0013

即ち、先ず、溶接熱により母材の溶接熱影響部における結晶粒界が局部的に溶融する。次に、溶接時の熱応力又は連続溶接時において既に凝固しようとしている溶接金属による凝固収縮応力により、上述のにおいて溶融した結晶粒界が開口する。その後、溶融している溶接金属(以下、「溶接金属融液」という)が前記結晶粒界の開口部に流入又は吸入される。そして、前記開口部に溶接金属融液が充填されない場合に割れが発生する。

0014

以上のようにして割れが発生すると考えると、溶接熱影響部の割れを防止するためには、溶接金属融液が熱影響部における結晶粒界の開口部へ充填されることが必要である。そして、これを実現させるためには、溶接金属の固相線温度よりも、母材の固相線温度の方が高いことが必要である。

0015

なお、溶加材に要求される特性には、上記条件を満足すること以外に、一般的溶接性、即ち溶接金属部の割れ及び強度並びに送給性等を満足する必要もある。

0016

本発明は以上のような知見に基づいてなされたものである。以下、本発明に係るアルミニウム合金溶加材の成分添加理由及び組成定理由について説明する。

0017

Si(シリコン):5乃至13重量%
Siは、溶接金属融液の湯流れ性を向上させると共に、溶接金属の液相線温度を低下させる元素である。Siを溶加材に添加することにより、溶接金属融液が母材熱影響部における結晶粒界の開口部に流入しやすくなり、溶接金属割れの発生を抑制すると共に、熱影響部のミクロ割れの発生も抑制する。Siの添加量が5重量%未満であると、前述の効果を十分に得ることができず、また13重量%を超えてSiが添加されると、溶接金属の液相線温度は却って上昇し、溶接ビードの形成が不安定となる。従って、Siの添加量は5乃至13重量%とする。

0018

Mg(マグネシウム):0.5乃至2重量%
Mgは、溶接金属の強度を向上させると共に、溶接金属の固相線温度を低下させて、熱影響部におけるミクロ割れの発生を抑制する元素である。Mgの添加量が0.5重量%未満であると、前述の効果を十分に得ることができず、また2重量%を超えてMgが添加されると、Siとの共存下において加工性が低下し、製品として溶加材を製造することができない。従って、Mgの添加量は0.5乃至2重量%とする。

0019

Zr(ジルコニウム):0.05乃至0.30重量%
Zrは、溶接金属の結晶粒微細化し溶接金属割れを抑制すると共に、溶接金属の強度を向上させる元素である。この溶接金属の強度が高くなることにより、継手強度が高くなる。また、Zrの添加により溶加材の強度も向上し、送給性が向上する。Zrの添加量が0.05重量%未満であると、前述の効果を十分に発揮することができず、また0.30重量%を超えてZrが添加されると、巨大晶出物が発生しやすくなり、加工性が低下し溶加材の製造が困難となる。従って、Zrの添加量は0.05乃至0.30重量%とする。

0020

Ti(チタン):0.05乃至0.2重量%
Tiは、溶接金属の結晶粒を微細化することにより溶接金属の割れを抑制する元素である。このため、Tiを必要に応じて添加することが好ましい。Tiの添加量が0.05重量%未満であると、前述の効果を十分に発揮することができず、また0.2重量%を超えてTiが添加されると、アルミニウムとの化合物により溶接金属の靱性が低下してしまう。従って、Tiの添加量は0.05乃至0.2重量%とする。

0021

B(ボロン):0.01乃至0.2重量%
Bは、Tiと同様に溶接金属の結晶粒を微細化し溶接金属の割れを抑制する元素である。このため、Bを必要に応じて添加することが好ましい。Bの添加量が0.01重量%未満であると、前述の効果を十分に発揮することができず、また0.2重量%を超えてBが添加されると、溶接金属の靱性が低下したり、溶接金属融液の粘性が増加することによりブローホールが増加してしまう。このため、母材の熱影響部におけるミクロ割れの発生を抑制することができない。従って、Bの添加量は0.01乃至0.2重量%とする。

0022

なお、不可避的不純物としてのFeは、0.8重量%以下であれば、本発明の効果に影響を与えることはないため、許容される。

0023

水素含有量:1.0cc/100g
アルミニウムの溶接においては、ブローホールの発生がしばしば問題となる。これは、鋼に比べてアルミニウムの固相−液相間の水素溶量差が大きく、水素が溶接凝固時にガスとして溶接金属内残留発生しやすいからである。これらのブローホールは、多数存在してもよほどのことがない限り、継手強度を低下させてしまうことはないものの、余盛を削除することによりブローホールが表面に現れると、疲労強度が著しく低下してしまう虞れがある。そこで、本願発明者等は鋭意研究を行った結果、ブローホール量を工業的に問題とならない程度までに抑制するためには、溶加材における水素含有量を1.0cc/100g以下に規制することが好ましいことを知見した。なお、より好ましくは0.6cc/100gである。

0024

以下、本発明の実施例について、本発明の特許請求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。

0025

本実施例においては、下記表1に示す化学成分からなる合金を使用し、溶加材として直径2mmのティグ溶接棒を合計16種類製造した。また、本実施例において使用した母材は、溶接構造材の代表的なAl−Mg−Si系合金からなるA6N01合金板であり、その板厚は2mmである。なお、下記表1において、本発明の特許請求の範囲から外れる元素の添加量については、その値に下線を付して示す。また、比較例No5の溶加材は、4043合金相当材からなるものである。

0026

0027

また、上記表1に示す組成の各溶加材を使用して溶接した場合の溶接金属における固相温度、液相温度及び固相−液相間の温度範囲について、下記表2に示す。

0028

0029

上記表1に示す化学成分からなる溶接棒を使用し、以下のようにして、溶接熱影響部の割れ試験及び溶接金属の割れ試験を行った。

0030

溶接熱影響部の割れ試験
図1は、溶接熱影響部の割れ試験に使用した母材を示す断面図である。この図1に示すように、母材1の表面にティグアークによるスポット溶接を施し、溶接金属2を形成した。そして、母材1の裏面の熱影響部に発生する割れをカラーチェックにて評価した。このときの割れ率が50%未満である場合、50%以上〜60%未満である場合、60%以上〜80%未満である場合及び80%以上である場合を夫々優良、良好、やや不良及び不良として、下記表3に夫々「◎」、「○」、「△」及び「×」により示す。

0031

溶接金属の割れ試験
図2は、フィッシュボーン式割れ試験に使用した試験片を示す上面図である。溶接金属の割れを評価するために、図2に示すように、拘束力可変的に変化させたフィッシュボーン試験片4の表面において、溶接線5に沿って矢印の方向にティグ溶接にてビードを形成した。なお、この試験片は寸法がL=100〜120mm、H1=65mm、H2=55mm、t1=12.7mm及びt2=1.0mmであるものを使用した。

0032

そして、ビード全長に対して、ビードに生じた割れの長さの割合により溶接金属の割れを評価した。この溶接金属の割れ試験において、2種類の試験片を使用し、下記表3に示す割れ率1及び2は夫々6N01合金及びAl−5%Mg−1%Zn合金からなる試験片を使用した場合の割れ率である。

0033

このときの割れ率が、0%〜20%未満である場合、20%以上〜30%未満である場合及び30%以上である場合を夫々良好、やや不良及び不良として、下記表3の溶接金属割れの評価の欄に夫々「○」、「△」及び「×」により示す。なお、この溶接金属割れの評価は、割れ率1と割れ率2との平均値(([割れ率1]+[割れ率2])÷2)によって評価したしたものである。

0034

また、溶接棒の送給性についても評価した。この送給性を評価するために、溶接棒の0.2%耐力を測定した。このときの耐力が、19.5kg/mm2以上である場合、18kg/mm2以上〜19.5kg/mm2未満である場合及び18kg/mm2未満である場合を夫々良好、やや不良及び不良として、下記表3に夫々「○」、「△」及び「×」により示す。

0035

更に、熱影響割れ、溶接金属割れ及び送給性を総合的に評価して、下記表3の総合評価の欄に示す。この総合評価は、各評価の「◎」、「○」、「△」及び「×」を夫々3、2、1及び0点として、3つの評価点を乗じた結果、その値が5点以上、1〜4点及び0点の場合を夫々優良、良好及び不良として、夫々「◎」、「○」及び「×」で示す。

0036

0037

上記表3に示すように、実施例No1〜9については、熱影響割れ、溶接金属割れ又は送給性がやや不良となるものがあるものの、総合的にいずれも良好以上の結果が得られた。

0038

また、比較例No1については、溶接棒におけるSiの添加量が少ないため、熱影響割れ及び溶接金属割れの割れ率がいずれも大きくなってしまった。一方、比較例No2については、溶接金属割れが良好であるものの、溶接棒の加工性が悪く耐力を測定することができなかった。

0039

比較例No3については、溶接棒におけるMgの添加量が少ないため、熱影響割れの発生率が大きくなってしまった。比較例No4については、溶接棒におけるZrの添加量が少ないため、溶接金属割れの発生率が大きくなってしまった。比較例No5及び7については、溶接棒にMg及びZrが添加されておらず、いずれも熱影響割れが大きくなり、比較例No5は更に耐力も実施例に比べて低くなった。また、比較例No6については、溶接棒にMgが添加されていないため、熱影響割れが大きくなってしまった。

0040

次に、第2の実施例として、溶加材の水素含有量を変化させて溶接を行った場合について説明する。

0041

本実施例においては、厚さ2mmのA6N01−T5合金板に、ミグ溶接によって横向き姿勢による突合せ溶接を施した。このときの溶加材として、上述の第1の実施例において使用した実施例No7の溶加材(直径:1.2mm)と同一の組成からなり、種々の水素量を含有したものを使用した。なお、溶接時の溶接電流溶接電圧及び溶接速度は、夫々90A、17V及び55cm/分とした。その結果を、溶加材の水素含有量と併せて下記表4に示す。

0042

なお、溶加材の水素含有量は、真空溶融抽出法により調整した。また、X線判定結果は、JISZ3105による判定方法準拠し、ブローホール数は、X線フィルム上の200mm溶接長における全数をカウントした結果を示す。

0043

0044

上記表4に示すように、実施例No10〜12については、いずれもX線判定結果は2等級以上であり、またブローホール数も250以下に抑制することができた。特に、溶加材の水素含有量が0.6cc/100g以下である比較例No11及び12については、いずれも等級が1であり、ブローホール数も100個以下と極めて優れていることがわかる。

0045

一方、比較例No8については、水素含有量が所定量より大きいため、X線判定結果及びブローホール数が実施例に比して劣った結果となった。

発明の効果

0046

以上説明したように、本発明によれば、所定の化学成分からなる溶加材を使用してアルミニウム合金等からなる溶接構造材を溶接するので、溶接金属割れを防止できると共に、特に溶接熱影響部におけるミクロ割れの発生も低減することができ、耐割れ性が優れた溶接部を得ることができる。また、溶加材の水素含有量を所定量に規制することにより、ブローホールの発生を抑制して優れた溶接部を得ることができる。

図面の簡単な説明

0047

図1溶接熱影響部の割れ試験に使用した母材の割れを示す断面図である。
図2フィッシュボーン式割れ試験に使用した試験片を示す上面図である。

--

0048

1;母材
2;溶接金属
3;割れ
4;フィッシュボーン試験片
5;溶接線

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