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技術 フェニレンジアミン誘導体及びラジカルスカベンジャー、脳梗塞抑制剤、脳浮腫抑制剤

出願人 株式会社資生堂
発明者 西野親生安達謙太郎宮沢和之稲田竜平大竹達也
出願日 1995年12月5日 (24年11ヶ月経過) 出願番号 1995-344947
公開日 1997年6月17日 (23年5ヶ月経過) 公開番号 1997-157236
状態 特許登録済
技術分野 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 三段階目 アルコールランプ 左右半球 歯科用印象 ガンマー線照射 二段階目 一段階目 申請中
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重要な関連分野

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図面 (4)

課題

優れたラジカルスカベンジャー作用を有し、脳梗塞抑制剤脳浮腫抑制剤として有効な化合物を提供する。

解決手段

化1で示されるフェニレンジアミン誘導体又はその塩を主成分とする。

化1

(化1中、R1は低級アルキル基、R2、R3は水素原子炭素原子数1〜10のアルキル基又はアルケニル基、あるいはベンジル基を意味する。)

概要

背景

近年、活性酸素フリーラジカル生体に及ぼす影響が注目されるようになった。活性酸素やフリーラジカルは我々が酸素を利用して生存し続ける限り常に体内で発生し、そして消去されるものである。これらは一般には生体防御一環として生体にとって有利な方向に作用する。しかし、その一方で生体のラジカルに対する防御能を上回る量の生成をみた場合には、これらが生体の膜や組織を構成する生体内成分攻撃しさまざまな病態の形成や増悪を引き起こすことになる。現時点で活性酸素・フリーラジカルが関与していると考えられる病態や疾患としては、脳梗塞脳浮腫パーキンソン病のような脳神経疾患酸素中毒成人呼吸窮迫症候群のような肺疾患虚血性心疾患心筋梗塞不整脈など)、動脈硬化のような循環器疾患あるいは消化性潰瘍潰瘍性大腸炎クローン病のような消化器疾患などがあり枚挙にいとまがない。

このような現状において当然のことながら、活性酸素・フリーラジカルのスカベンジャーを上記のような疾患の治療薬に応用しようとする試みがなされてきている。例えば、脳浮腫に対しては、マイルドラジカルスカベンジャーであるマンニトールが臨床の場で使用されているが、2週間にわたる連続投与が必要とされている。最近、AVS(現在申請中)やMCI186(現在第3相臨床治検中)のようなラジカルスカベンジャーが開発されてきているが、これらの化合物の対象疾患は脳浮腫のみとされており、ラジカルスカベンジャーで脳梗塞を抑える医薬品は現状では皆無の状態にある。

一方、SODリコンビナント入手可能となり、これを臨床患者投与してその組織保護作用が検討されつつある。急性期心筋梗塞もその対象疾患の1つであるが、逆に、本疾患に対する治療薬としてSOD以外のラジカルスカベンジャーは知られていない。また、不整脈に対しては局所麻酔剤であるリドカイン臨床的に使用されているのみである。

概要

優れたラジカルスカベンジャー作用を有し、脳梗塞抑制剤、脳浮腫抑制剤として有効な化合物を提供する。

化1で示されるフェニレンジアミン誘導体又はその塩を主成分とする。

(化1中、R1は低級アルキル基、R2、R3は水素原子炭素原子数1〜10のアルキル基又はアルケニル基、あるいはベンジル基を意味する。)

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

下記化1で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩の1種以上を主成分とすることを特徴とするラジカルスカベンジャー

請求項

ID=000003HE=025 WI=088 LX=0610 LY=0450(化1中、R1は低級アルキル基であり、R2、R3は水素原子炭素原子数1〜10のアルキル基又はアルケニル基、あるいはベンジル基を意味する。)

請求項2

請求項1記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分がR1がtert−ブチル基であるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とするラジカルスカベンジャー。

請求項3

請求項1記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分が下記化2で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とするラジカルスカベンジャー。

請求項

ID=000004HE=025 WI=088 LX=0610 LY=1050(化2中、R1は低級アルキル基であり、R2及びR3は炭素原子数1〜10のアルケニル基、あるいはベンジル基を意味する。)

請求項4

請求項3記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分が下記化3で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とするラジカルスカベンジャー。

請求項

ID=000005HE=030 WI=051 LX=0345 LY=1700(化3中、R1、R2、R3は前記化2と同一である。)

請求項5

請求項1記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分が下記化4で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とするラジカルスカベンジャー。

請求項

ID=000006HE=030 WI=051 LX=0345 LY=2300(上記化4中、R1は低級アルキル基であり、R2及びR3は炭素原子数1〜10のアルキル基を意味する。)

請求項6

請求項5記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分がR2及びR3がメチル基であるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とするラジカルスカベンジャー。

請求項7

請求項3〜6の何れかに記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分がR1がtert−ブチル基であるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とするラジカルスカベンジャー。

請求項8

請求項1〜7の何れかに記載のフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩の1種以上を主成分とする脳梗塞抑制剤

請求項9

請求項1〜7の何れかに記載のフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩の1種以上を主成分とする脳浮腫抑制剤

請求項10

前記化2で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその塩。

請求項11

前記化3で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその塩。

請求項12

請求項10又は11に記載の化合物において、R1がtert−ブチル基であることを特徴とするフェニレンジアミン誘導体及びその塩。

技術分野

0001

本発明はフェニレンジアミン誘導体、特に生体内におけるラジカルスカベンジャーとして有効な誘導体に関する。

背景技術

00010

(化6中、R1は低級アルキル基であり、R3及びR4は炭素原子数1〜10のアルケニル基、あるいはベンジル基を意味する。)
請求項4記載のラジカルスカベンジャーは、請求項3記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分が下記化7で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする。

0002

近年、活性酸素フリーラジカル生体に及ぼす影響が注目されるようになった。活性酸素やフリーラジカルは我々が酸素を利用して生存し続ける限り常に体内で発生し、そして消去されるものである。これらは一般には生体防御一環として生体にとって有利な方向に作用する。しかし、その一方で生体のラジカルに対する防御能を上回る量の生成をみた場合には、これらが生体の膜や組織を構成する生体内成分攻撃しさまざまな病態の形成や増悪を引き起こすことになる。現時点で活性酸素・フリーラジカルが関与していると考えられる病態や疾患としては、脳梗塞脳浮腫パーキンソン病のような脳神経疾患酸素中毒成人呼吸窮迫症候群のような肺疾患虚血性心疾患心筋梗塞不整脈など)、動脈硬化のような循環器疾患あるいは消化性潰瘍潰瘍性大腸炎クローン病のような消化器疾患などがあり枚挙にいとまがない。

0003

このような現状において当然のことながら、活性酸素・フリーラジカルのスカベンジャーを上記のような疾患の治療薬に応用しようとする試みがなされてきている。例えば、脳浮腫に対しては、マイルドなラジカルスカベンジャーであるマンニトールが臨床の場で使用されているが、2週間にわたる連続投与が必要とされている。最近、AVS(現在申請中)やMCI186(現在第3相臨床治検中)のようなラジカルスカベンジャーが開発されてきているが、これらの化合物の対象疾患は脳浮腫のみとされており、ラジカルスカベンジャーで脳梗塞を抑える医薬品は現状では皆無の状態にある。

発明が解決しようとする課題

0004

一方、SODリコンビナント入手可能となり、これを臨床患者投与してその組織保護作用が検討されつつある。急性期心筋梗塞もその対象疾患の1つであるが、逆に、本疾患に対する治療薬としてSOD以外のラジカルスカベンジャーは知られていない。また、不整脈に対しては局所麻酔剤であるリドカイン臨床的に使用されているのみである。

課題を解決するための手段

0005

本発明は前記従来技術に鑑みなされたものであり、その目的は、ラジカルスカベンジャーとして脳浮腫、脳梗塞等に有効な低分子化合物を見い出し、さらには活性酸素・フリーラジカルが関与している各種の疾患に有効な低分子化合物を見い出すことにある。

0006

前記目的を達成するために本発明者らが鋭意研究を進めてきた結果、特定のフェニレンジアミン誘導体及びその薬理的に許容される塩はラジカルスカベンジャーとして脳浮腫及び脳梗塞に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の請求項1に記載のラジカルスカベンジャーは、下記化5で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩の1種以上を主成分とすることを特徴とする。

0007

0008

(化5中、R1は低級アルキル基であり、R2、R3は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基又はアルケニル基、あるいはベンジル基を意味する。)
請求項2記載のラジカルスカベンジャーは、請求項1記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分がR1がtert−ブチル基であるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする。請求項3記載のラジカルスカベンジャーは、請求項1記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分が下記化6で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする。

0009

0011

0012

(化7中、R1、R3、R4は前記化6と同一である。)
請求項5記載のラジカルスカベンジャーは、請求項1記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分が下記化8で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする。

0013

0014

(上記化8中、R1は低級アルキル基であり、R2及びR3は炭素原子数1〜10のアルキル基を意味する。)
請求項6記載のラジカルスカベンジャーは、請求項5記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分がR2及びR3がメチル基であるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする。請求項7記載のラジカルスカベンジャーは、請求項3〜6の何れかに記載のラジカルスカベンジャーにおいて、その主成分がR1がtert−ブチル基であるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする。

0015

本発明の請求項8に記載の脳梗塞抑制剤は、請求項1〜7の何れかに記載のフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩の1種以上を主成分とすることを特徴とする。また、本発明の請求項9に記載の脳浮腫抑制剤は、請求項1〜7の何れかに記載のフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩の1種以上を主成分とすることを特徴とする。

0016

本発明の請求項10記載のフェニレンジアミン誘導体及びその塩は、前記化6で示されることを特徴とする。また、請求項11記載のフェニレンジアミン誘導体及びその塩は、前記化7で示されることを特徴とする。請求項12記載のフェニレンジアミン誘導体及びその塩は、請求項10又は11に記載の化合物において、R1がtert−ブチル基であることを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明にかかるラジカルスカベンジャー、脳梗塞抑制剤、脳浮腫抑制剤の主成分となるフェニレンジアミン誘導体を表す前記一般式化5ないし化8において、R1に見られる低級アルキル基とは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基n−ブチル基、イソプロピル基イソブチル基、l−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、l−エチルプロピル基、イソアミル基n−ヘキシル基などを挙げることができる。好ましいはR1としてはtert−ブチル基である。

0018

R2、R3は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基又はアルケニル基、あるいはベンジル基を意味し、R2、R3は同一または異なっていてもよい。R2及びR3において、アルキル基及びアルケニル基は直鎖あるいは分岐の何れでもよく、分岐アルケニル基においては各二重結合立体配置がシス(cis)、トランス(trans)のいずれであってもよい。また、ベンジル基は他の置換基置換されていてもよい。なお、R2及びR3がアルキル基の場合にはメチル基が好ましい。前記化5ないし化8で示されるフェニレンジアミン誘導体はその大多数が従来開示されたことのない新規な化合物であり、そのラジカルスカベンジャーとしての作用や、脳梗塞抑制作用、脳浮腫抑制作用についてはこれまで全く知られていなかった化合物である。

0019

なお、特開平6−116143には、前記化8で示される化合物の一部が記載されているが、その作用については血中コレステロール低下作用及びマクロファージ泡沫化抑制作用であり、その用途についても抗高脂血症剤及び抗動脈硬化剤が記載されているのみで、本発明の薬理学的効果、もしくはそれに関連するような作用等については全く開示されていない。よって、化8に示されるフェニレンジアミン誘導体の本発明にかかる薬理学的作用はこれまで全く知られておらず、本発明において初めて明らかにされたものである。本発明は、化8で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩を主成分とするラジカルスカベンジャー、脳梗塞抑制剤、脳梗塞抑制剤についてもその範囲に包含するものである。

0020

また、その他本発明にかかるフェニレンジアミン誘導体の公知類似化合物として、DE 3,830,054に血小板凝集抑制作用を有するフェニレンジアミン誘導体が、US 2,870,146に抗催眠鎮静作用を有するフェニレンジアミン誘導体が、J. Prakt. Chem. 19(1-2), 45(1962)に抗腫瘍抗生物質としてのフェニレンジアミン誘導体が、J. Indian. Chem. Soc. 34, 528(1957)に局所麻酔作用を有するフェニレンジアミン誘導体が記載されているが、これらについても本発明の薬理学的効果には関連がなく、また構造的に見ても、本発明のフェニレンジアミン誘導体は前記化5で示されるようにベンゼン環上に2つのR1及び水酸基を有することを一つの特徴とするものであり、このような化合物は上記には開示されていない。

0021

本発明にかかるラジカルスカベンジャー、脳梗塞抑制剤、脳浮腫抑制剤の主成分として好適な前記化5ないし化8で示されるフェニレンジアミン誘導体及びその薬理学的に許容される塩は、ラジカルスカベンジャーとして抗酸化作用及び脂質過酸化抑制作用を有し、しかも安全性が高い。このため、虚血潅流などにより発生するラジカルがその発症要因とされている各種の障害、例えば、脳梗塞、脳浮腫などの予防・治療剤として有用であり、またその他の虚血再潅流障害に対しても有用性が期待できる。さらに、本発明化合物は従来知られているラジカルスカベンジャーと異なり、一剤で脳浮腫と脳梗塞に有効なものもある。

0022

本発明で提供される前記化5で示される一般式(I)の化合物は、例えば図1又は図2に示す反応式A又はBによって製造することができる。製造方法としては、例えば、「新実験化学講座」(丸善)や「ペプチド合成」(丸善)に記載されている一般的な製法を用いることができる。まず、図1に示す反応式A中、R1、R2、R3は一般式(I)の定義のとおりである。反応式Aにおいて、一般式(II)で表されるカルボン酸と一般式(III)で表されるアミンから一般式(I-a)で表される本発明に係わるアミド化合物が得られる。本反応においては混合酸無水物を経由する方法、酸塩化物を経由する方法、縮合剤を用いる方法、カルボニルジイミダゾール類を用いる方法あるいはアジドを用いる方法などの公知のアミド結合形成反応を使用することができる。

0023

混合酸無水物法の場合には、活性化剤として例えば、ジフェニルスフニッククロリドオキシ塩化リンクロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル塩化ピバロイルなどを用いて、カルボン酸(II)をその対応する酸無水物へと変換した後、アミン化合物(III)と反応させる。添加剤としては例えば、有機塩基であるトリエチルアミンピリジンN−メチルモルホリンなどが用いられる。溶媒としては例えば、ジクロロメタンクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素ベンゼントルエンキシレン、ピリジンなどの芳香族化合物テトラヒドロフランジオキサンなどのエーテル類ジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドなどのアミド類ジメチルスルホキシドなどが用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常−15℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。

0024

酸塩化物法の場合には、例えば五塩化リン三塩化リン塩化チオニルなどを用いて、カルボン酸(II)をその対応する酸塩化物へと変換した後、アミン化合物(III)と反応させる。添加剤としては例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリンなどの有機塩基、水酸化ナトリウムなどの無機塩基、あるいは酢酸ナトリウム炭酸カリウムなどの塩が用いられる。溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、水あるいはそれらの混合溶媒などが用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。

0025

縮合剤を用いる方法では、例えば N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSCI)などのカルボジイミド類四塩化チタン四塩化ケイ素などの塩化物が用いられる。溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどが用いられる。本反応は必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)やN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)などを添加して行っても良い。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常−78℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。

0026

カルボニルジイミダゾール(CDI)を用いる方法では、1,1'−カルボニルジイミダゾールを用いてカルボン酸(II)をN−アシル誘導体へ導き、これとアミン(III)とを反応させる方法が用いられる。溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどが用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。

0027

アジド法の場合には、活性化剤として例えば、ジフェニルホスホリルアジドなどを用いてカルボン酸(II)をその対応するアジドへと変換した後、アミン(III)と反応させる。添加剤としては例えば、有機塩基であるトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリンなどが用いられる。溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどが用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。

0028

脱水縮合によるエステル結合形成の場合には、触媒として硫酸塩酸などの鉱酸p−トルエンスルホン酸などの有機酸三フッ化ホウ素エーテラートなどのLewis酸を用いる方法、無水硫酸マグネシウムモレキュラーシーブなどの乾燥剤共存させる方法などをとることができる。また、トリフルオロ酢酸無水物やN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの縮合剤を用いることもでき、この際ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどを併用することが可能である。また、トリフェニルホスフィンの存在下、ジアゾカルボン酸ジエチルを用いることもできる。溶媒としては例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類が用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させればよいが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。

0029

具体的には、例えば縮合剤を用いる方法では、カルボン酸(II)をジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミドなどに溶解し、添加剤としてのHOBt、HOSuの存在または非存在下、DCC、WSCIなどの縮合剤を加えて攪拌した後、アミン(III)を加え0℃から室温の範囲で反応を行なうことにより目的を達する。混合酸無水物法の場合、活性化剤としてジフェニルホスフィニッククロライドなどを用い、添加剤としてはトリエチルアミンを用いてクロロホルムなどの溶媒中にて、0℃から室温の範囲で反応を行うことにより目的を達する。

0030

また、本発明に係る化合物は図2に示す反応式Bによっても得ることができる。反応式B中、R1、R2、R3は一般式(I)の定義の通りである。また、R4はフェノール性水酸基保護基を表し、以後の反応において特に問題のない限り、ベンジル基、各種の置換ベンジル基ベンジルオキシカルボニル基、あるいは第3ブチルオキシカルボニル基などを用いることができる。反応式Bの第一段階においては、一般式(II-a)で表されるカルボン酸と一般式(III)で表されるアミンから、反応式Aにおいて記述した縮合方法を用いることにより、一般式(I-b)で表される化合物が得られる。反応式Bの第二段階において、一般式(I-b)で表される化合物を脱保護反応に付すことにより一般式(I-c)で表される化合物が得られる。

0031

上記脱保護反応は保護基R5の種類により公知の各種の方法が用いることができる。例えばR4がベンジル基の場合、還元的な除去または酸処理による除去法が用いられる。具体的には、例えば接触還元条件下、触媒としてパラジウム炭素を用い、エタノール等の溶媒中にて室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行なうことにより目的を達する。上記反応式で用いられる一般式(II)、(II-a)、(III)で表される原料化合物は、商業上入手可能であるかまたは公知の方法にて合成可能である。例えば、一般式(III)で表される原料化合物は図3に示す反応式Cのようにして合成することができる。なお、反応式C中、R2、R3は一般式(I)の定義のとおりである。反応式Cにおいては、一般式(V)で表される化合物を順次アルキル化し、さらにニトロ基を還元することにより、一般式(III)で表される目的化合物が得られる。

0032

本反応における一段階目および二段階目アルキル化反応では、ハロゲン化合物(VI-a)及び(VI-b)と化合物(V)とを反応させることにより化合物(III-b)を合成することができる。反応は塩基の存在下に行うことができ、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、酸化バリウム酸化銀などが用いられる。また、触媒量のヨウ化カリウムを加えることもできる。溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類アセトンなどのケトン類が使用される。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。

0033

反応式Cの三段階目の化合物(V-b)のニトロ基の還元反応は、公知の反応を用いることができ、例えばバーチ還元、ベンケッサー還元、または金属水素錯化合物を用いた還元などの条件を用いることができる。バーチ還元の場合には、例えばリチウムナトリウムカリウムなどの金属を用い、溶媒としては液体アンモニアを用いて、プロトン源としてメタノール、エタノール、t-ブタノールなどを共存させて反応を行う。反応時間、反応温度は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常−78℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。ベンケッサー還元の場合は、溶媒として例えばメチルアミンエチルアミンまたはエチレンジアミンを用い、−78℃から溶媒の還流温度の範囲で反応を行うことにより目的を達する。金属水素錯化合物を用いた反応では、水素化ホウ素ナトリウムを用い、溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどを用い、触媒として10%パラジウム/カーボンシアノニッケル錯イオンジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)の存在下で反応を行う。反応時間、反応温度は使用する原料化合物に応じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われる。

0034

具体的には例えば、触媒であるジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)をエタノールなどに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム及び化合物(V-b)を加え、0℃から溶媒の還流温度の範囲で反応を行うことにより目的を達する。なお、上記反応式Cにおいて用いられている原料化合物は、商業上入手可能であるか、あるいは公知の方法を用いて容易に合成することができる。本発明にかかる一般式(I)で表される化合物は、必要に応じて酸付加塩とすることができる。酸付加塩としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸との塩、酢酸プロピオン酸クエン酸乳酸シュウ酸マレイン酸フマル酸コハク酸酒石酸メタンスルホン酸などの有機酸との塩が挙げられる。これらの塩は通常の方法により容易に製造することができる。

0035

本発明にかかるフェニレンジアミン誘導体を脳梗塞、脳浮腫のような脳神経疾患治療薬として用いる場合、内服薬あるいは注射薬として用いるのが一般的である。本発明にかかる化合物を内服薬として用いる場合には、錠剤散剤顆粒剤カプセル剤シロップ剤などとして経口的に投与してもよいし、また坐剤などとして非経口的に投与してもよい。投与量は症状の程度、個人差年齢などにより下記範囲外の量を投与することもあり得るが、むろんそれぞれ特定の場合における個々の状況に適合するように調整しなければならない。通常成人1日あたり約0.01〜200mg/kg、好ましくは0.05〜50mg/kg、さらに好ましくは0.1〜10mg/kgを1日1ないし数回に分けて投与する。

0036

製剤化の際は、通常の製剤担体を用い、常法により製造するが、必要により薬理学的に許容し得る添加物を加えてもよい。すなわち、経口用固形製剤を調整する場合には、主薬賦形剤、さらに必要に応じて結合剤崩壊剤滑沢剤着色剤矯味矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとする。

0037

賦形剤としては、例えば乳糖コーンスターチ白糖ブドウ糖ソルビット結晶セルロース二酸化ケイ素等が、結合剤としては、例えばポリビニルアルコールポリビニルエーテルエチルセルロースメチルセルロースアラビアゴムトラガントゼラチンシェラックヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルスターチポリビニルピロリドン等が、崩壊剤としては、例えば澱粉寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム炭酸水素ナトリウムクエン酸カルシウムデキストリンペクチン等が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウムタルクポリエチレングリコールシリカ硬化植物油などが、着色剤としては医薬品に添加することが許されているものが、矯味矯臭剤としては、ココア末ハッカ脳芳香酸、ハッカ油、龍脳、桂皮末などが用いられる。これらの錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングすることが可能である。

0038

本発明にかかる化合物を注射薬として用いる場合、投与量は症状の程度、個人差、年齢などにより異なるが、通常成人1日あたり0.05〜10mg/kg、好ましくは0.1〜3mg/kgを1日一ないし数回に分けて投与する。注射剤としては、無菌水性または非水性の溶液剤、懸濁剤乳濁剤が含まれる。このような注射剤においては、1つまたはそれ以上の活性物質が、少なくとも1つの不活性な水性の希釈剤や不活性な非水性の希釈剤と混合して用いられ、必要に応じて、さらに防腐剤湿潤剤乳化剤分散剤安定化剤溶解補助剤のような補助剤を含有してもよい。これらは通常、濾過バクテリア保留フィルター等)、殺菌剤の配合またはガンマー線照射によって無菌化されるか、またはこれらの処理をした後、凍結乾燥等の方法により固体組成物とし、使用直前無菌水または無菌の注射用希釈剤を加えて使用される。

0039

以下、本発明にかかるのフェニレンジアミン誘導体の幾つかを例として、本発明の実施の形態をさらに詳細に説明するが、これに先立ち、本発明で用いた効果試験の方法について説明する。

0040

脂質過酸化抑制作用
意義>ラジカルスカベンジャーの生体内における役割としてフリーラジカル消去による脂質過酸化抑制作用が知られている。従って、被験化合物が実際に生体内で脂質過酸化抑制作用を有するか否か、またその効力比較をラット脳ホモジネートを用いた自動酸化系にて検討する。

0041

<方法>嶋本らの方法(フリーラジカルの臨床、第1巻、91〜95ページ、1987年)に準じて以下の方法にて行なった。SD系雄性ラット(7週齢)をペントパルタール麻酔下に生理食塩水を潅流し脱血致死させた後、大脳半球摘出氷冷下にて19倍量の20mMリン酸緩衝液(pH7.4)を加えてホモジナイズした。これに被験薬物を1μM添加し、37℃1時間インキュベートを行い生成した過酸化脂質量をTBA法にて定量した。すなわち、ホモジネート0.2mlに8.1%SDS 0.2ml、20%酢酸緩衝液(pH3.5)1.5ml、0.8%TBA試薬1.5mlを加え95℃にて1時間インキュベートした後速やかに氷冷し、蒸留水1ml、n-ブタノール−ピリジン混液(15:1,v/v)5mlを加え撹拌した。遠心分離ブタノール層採取盲検対照に535nmの吸光度(a)を測定した。また標準液として1,1,3,3-tetraethoxypropane(TEP)10μM液を脳ホモジネートの代わりに加え吸光度(A)を測定した。なお盲検として脳ホモジネートの代わりにリン酸緩衝液を加えたものを用いた。過酸化物濃度は以下の式にて算出し、過酸化脂質量とした。
過酸化物濃度(nmol/g wet weight)=a/A × 100
被検薬物ジメチルスルホオキサイドDMSO)に溶解し用いた。DMSOの終濃度は2%としたが、本系への影響は見られなかった。

0042

判定基準>濃度1μMにおける被検薬物の脂質過酸化抑制率は溶媒添加群(M)、薬物添加群(m)での過酸化脂質量より以下の式にて算出した。
脂質過酸化抑制率 (%)={1−(m/M)}× 100

0043

脳梗塞抑制作用
<意義>in vivoでの脳梗塞抑制効果を検討する。本試験により、末梢投与した被験薬物が血液脳関門を通過しうるかどうかの判断もできる。

0044

<方法>実験には9〜10週齢のCrj:Fischer-344系雄性ラットを使用した。被験薬物は、溶解可能なものはすべて生理食塩水に溶解し静脈内投与及び腹腔内投与した。溶解できないものは0.1%Tween-80を含む生理食塩水に懸濁し、腹腔内投与した。また、0.5%のTween80を含む生理食塩水に溶解したものを静脈内投与に用いた。腹腔内投与は再潅流の20分前に、また静脈内投与は再潅流と同時に投与した。なお、対照には基剤のみを投与した。手術はKoizumiらの方法(脳卒中、第8巻、1-8ページ、1986年)に準じて中大脳動脈(MCA)閉塞モデルを作成した。すなわち、ラットを4%halothaneにて吸入麻酔で導入して、1%halothaneで麻酔を維持し、背位に固定した。頚部正中切開して右頚動脈分岐部を中心に総頚動脈および外頚動脈を周囲結合組織より剥離し、絹糸にて結紮した。さらに内頚動脈起始部に絹糸をかけ、塞栓挿入後の結紮・固定に備えた。ついで総頚動脈を切開し、同部より4-0の外科用ナイロン糸歯科用印象剤で被覆した長さ約16mmの塞栓を内頚動脈に向けて挿入し、塞栓のナイロン糸近位端を前述の絹糸で内頚動脈に結紮・固定した。またすべての麻酔による体温低下を防ぐため、手術の際、小動物体温制御装置にて体温を保持した。

0045

以上の操作より、2時間脳虚血を施し、塞栓を抜き去ることにより再潅流した。再潅流した2時間後に脳を摘出後、lambdaのレベルから後方2mm毎の断切片を4切片作成し、これを2%triphenyltetrazorium chloride(TTC)液に浸け37℃で10分間インキュベートした。染色した脳切片リン酸緩衝化8%ホルマリン液に1-2日間浸けた後、切片を実体顕微鏡(SZH1O ORINPAS)下写真に撮り、各冠状断片ごとにPlanimeter(PLANIX 5000, TAMAYA)で梗塞巣面積を測定した。

0046

<判定基準>被験薬物の効果を、4切片のTTCによって染色されなかった梗塞部位総合面積を障害の指標に用い、おのおの抑制率(%)で表した。有意差検定はstudent t-testで行った。
各抑制率(%)={1-(被験薬物群の値/対照群の値)}×100

0047

脳浮腫抑制作用
<意義>in vivoでの脳浮腫抑制効果を確認する。本試験により、末梢投与した被検薬物が血液脳関門を通過しうるかどうかの判断もできる。

0048

<方法>7〜9週齢のFischer rat(日本チャースリバー)を用い、MCA閉塞再潅流モデルを小らの方法(脳卒中、第8巻、1-8ページ、1986年)にしたがって作成した。すなわち、動物を2%ハロタン麻酔下で背位に固定し、頚部正中線に沿って切開して迷走神経の保存に注意し、右総頚動脈を頚動脈分岐点まで分離した。頚動脈分岐点を中心に、外頚動脈および内頚動脈を周囲結合組織より剥離し、総頚動脈および外頚動脈を絹糸にて結紮し、さらに、内頚動脈起始部に絹糸をかけ塞栓糸挿入後の結紮、固定に備えた。次に、総頚動脈を切開し、同部より塞栓糸を内頚動脈に向けて約15〜16mm挿入し、前述の絹糸で内頚動脈に結紮、固定した。以上の操作により、塞栓糸の先端はMCA分岐点を越えて、前大脳動脈内に約1〜2mm入り、塞栓糸の体部でMCA入り口を閉塞した。再潅流はMCA始起部を閉塞した塞栓糸を一定時間留置後、ハタロン麻酔下で抜き去ることにより行なった。但し、このモデルでの血流再開は、右総頚動脈が結紮されているため、左内頚動脈および椎骨脳底動脈より前・後交通動脈を介して行なわれるものと考えられている。本実験では2時間虚血2時間再潅流を行なった。

0049

なお、塞栓糸の作製は以下の通り行なった。全長16mmの4-0外科用ナイロン糸の先端をアルコールランプにかざして直径0.2〜0.3mmの球を作り、それより近位側に向かって約5mmの範囲を玉の大きさを目安として歯科用印象剤でコーティングし、これを塞栓糸とした。脳水含有量は湿乾燥重量法で測定した。すなわち、虚血あるいは虚血再潅流を施した動物を断頭し脳を摘出した後、小脳を除いた前脳左右半球に分けて、右半球を虚血側、左半球を非虚血側としてそれぞれ速やかに重量を測定し、これを湿重量とした。さらに、110℃で24時間乾燥させ、再び重量を測定し、これを乾燥重量とした。これら湿重量および乾燥重量より以下の式を用いて脳水分含有量を測定した。
脳水分含有量(%)=(湿重量−乾燥重量)/湿重量×100
被験薬物は0.05%Tween80/生理食塩液に懸濁し、再潅流20分前に5ml/kgを腹腔内投与した。また対照には基剤のみを同様に投与した。

0050

<判定基準>得られた結果は、平均値±標準誤差で表し、有意差検定はunpairdのT検定法あるいはWelchのT検定法で比較検定し、危険率5%未満(P<0.05)を有意な差とみなした。また抑制率は次式で表した。
抑制率(%)={(対照群の脳水分含有量−薬物群の脳水分含有量)/(対照群の脳水分含有量−2時間虚血群の脳水分含有量)}×100

0051

[実施例1]

0052

[実施例2]

0053

[実施例3]

0054

[実施例4]

0055

[実施例5]

0056

[実施例6]

0057

[実施例7]

0058

─────────────────────────────
脂質過酸化抑制率脳梗塞抑制率脳浮腫抑制率
─────────────────────────────
実施例1 53.0% 25.4%1)
実施例2 64.6 2.51)
実施例3 21.4 32.92)
実施例4 28.6 31.22) 16.14)
実施例5 37.2 13.81) 4.23)
実施例6 19.7 6.82)
実施例7 41.1 21.02) 38.72)
─────────────────────────────
1)投与量は 50mg/kg
2)投与量は100mg/kg
3)投与量は 30mg/kg
4)投与量は 10mg/kg

0059

上記表1より明らかなように、本発明にかかるフェニレンジアミン誘導体及びその塩は高い脂質過酸化抑制作用を有し、ラジカルスカベンジャーとして有用であることが示唆された。また、脳梗塞抑制作用及び脳浮腫抑制作用を有する化合物も確認された。このようにラジカルスカベンジャーとして一剤で脳梗塞、脳浮腫に有用な化合物はきわめてまれである。

0060

以下に、前記実施例1〜7のフェニレンジアミン誘導体の製造方法を示す。

0061

実施例1
4−ニトロアニリン2.00g、炭酸カリウム4.00g、ゲラニルブロマイド3.24gをアセトン70ml中で20時間攪拌還流した。反応液吸引濾過し、濾液減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーヘキサン酢酸エチル= 8:1)で精製した。得られた化合物0.52g、水素化ホウ素ナトリウム0.21g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)0.25gをエタノール-イソプロパノール混合溶液40ml中で1時間攪拌還流した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液飽和炭酸水素ナトリウム水溶液飽和食塩水洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮して得られた残さを無水塩化メチレン25mlに溶解し、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンカルボン酸0.47g、トリエチルアミン2mlおよび1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩0.40gを加え、室温で18時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン= 1:5)で精製することにより、標題化合物0.35gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ 1.28(3H, s), 1.48(18H, s), 1.59(3H, s), 1.71(3H, s), 2.05(2H, m), 2.12(2H, m), 3.71(2H, d, J=6.4Hz), 5.10(1H, m), 5.39(1H, m),5.56(1H, s), 6.62(2H, d, J=8.8Hz), 7.40(2H, d, J=8.8Hz), 7.52(1H, m), 7.65(1H, m), 7.66(2H, s).

0062

実施例2
4-ニトロアニリン2.00gを実施例1の場合と同様にしてベンジルブロマイド1.72ml、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンカルボン酸0.55gを用いてベンジル化反応、還元反応、縮合反応に順次付すことにより標題化合物0.22gを得た。
mp 176.2-178.0 ℃
1H-NMR(DMSO-d6)δ 1.41(18H, s), 4.25(2H, d, J=5.9Hz), 6.07-6.10(1H, m ), 6.55(2H,d, J=8.8Hz), 7.20-7.37(8H, m), 7.61(2H, s), 9.65(1H, s).

0063

実施例3
4-ニトロアニリン2.00gを実施例1の場合と同様にしてベンジルブロマイド4.95g、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンカルボン酸0.40gを用いてベンジル化反応、還元反応、縮合反応に順次付すことにより標題化合物0.40gを得た。
mp 207.8-209.0 ℃
1H-NMR(DMSO-d6)δ 1.41(18H, s), 4.67(4H, s), 6.66(2H, d, J=8.3Hz), 7.23-7.37(13H, m), 7.60(2H, s), 9.69(1H, s).

0064

実施例4
3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシベンゼンカルボン酸1.50gを、テトラヒドロフラン25mlに溶解し、氷冷下t-ヒドロキシベンズトリアゾール1.06g、ジシクロヘキシルカルボジイミド1.28gを加えた。30分間攪拌後、 N, N−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン0.82gを加え室温で15時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、得られた固体再結晶(n-ヘキサン:酢酸エチル)することにより、標題化合物1.20gを得た。
mp 167.2-169.3℃
1H-NMR(CDCl3)δ 1.34&1.43(each9H, s), 2.96(6H, s), 6.75(2H, d, J=9.3Hz),7.28(1H, d, J=1.9Hz), 7.37(2H, d, J=9.3Hz), 7.49(1H, d, J=1.9Hz), 7.74(1H, s)

0065

実施例5
4-ニトロアニリン2.00gを実施例1の場合と同様にしてn-ヘキシルアイオダイド6.14g、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンカルボン酸0.82gを用いてアルキル化反応、還元反応、縮合反応に順次付すことにより標題化合物0.19gを得た。
mp 152.0-163.0 ℃
1H-NMR(CDCl3)δ 0.90(6H, m), 1.31(12H, brs), 1.48(18H, s), 1.56(2H, brs), 3.22-3.26(4H, m), 5.55(1H, s), 6.63(2H, d, J=8.8Hz), 7.40(2H, m), 7.47(1H, s), 7.66(2H, s).

0066

実施例6
4-ニトロアニリン2.00gを実施例1の場合と同様にしてエチルアイオダイド4.52g、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンカルボン酸1.29gを用いてアルキル化反応、還元反応、縮合反応に順次付すことにより標題化合物0.89gを得た。
mp 184.0-187.0 ℃
1H-NMR(CDCl3)δ 1.15(6H, t, J=6.8Hz), 1.48(18H, s), 3.34(4H, q, J=7.3Hz), 5.56(1H, s), 6.69(2H, d, J=9.3Hz), 7.42(2H, m), 7.49(1H, brs), 7.67(2H, s).

0067

実施例7
3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンカルボン酸2.50gを、ジクロロメタン25ml、トリエチルアミン2.02gに溶解し、氷冷下ジフェニルホスフィッククロライド2.06gを加えた。30分撹拌後、N,N-ジメチル-1,4-フェニレンジアミン1.36gを加え、室温で15時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた固体をジエチルエーテルに溶解し、1N-塩酸エーテル溶液15mlを加えた。10分間室温で撹拌した後、析出した結晶を濾取し、標題化合物1.06gを得た。
mp 219.5℃(dec.)
1H-NMR(DMSO-d6)δ 1.43(18H,s) , 3.06(6H,s) , 7.35-7.55(1H,br) , 7.68(2H,s) , 7.70-7.85(1H,br) , 10.1(1H,br)

発明の効果

0068

以上説明したように本発明にかかるフェニレンジアミン誘導体及びその塩は、優れたラジカルスカベンジャー作用を有し、脳梗塞、脳浮腫に有効である。

図面の簡単な説明

0069

図1本発明にかかる化合物の製造行程を示す説明図である。
図2本発明にかかる化合物の製造行程を示す説明図である。
図3本発明にかかる化合物の原料の製造行程を示す説明図である。

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