図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
概要
ワークを切断して曲げ加工を行った後にこの曲げ部分を含んで突当て溶接をする際の開先加工の簡素化を図ることのできる三次元レーザ加工機による開先加工方法を提供する。
ノズル23の姿勢が自由に制御できる三次元レーザ加工機1であって、自動プログラムにより前記三次元レーザ加工機1を用いてワークWの切断加工を行う際に、前記ワークWの板厚や曲げ線の形状等の加工データから切断線のテーパ角度を設定し、このテーパ角度に対応して前記ノズル23の姿勢を制御することにより、ワークWの切断と開先加工を同時に行う。テーパ角度は、板厚、曲げ線の位置等の加工データに基づいて自動で決定することができる。あるいは切断位置に対応して適宜作業者が入力することも可能である。
目的
この発明の目的は、以上のような従来の技術に着目してなされたものであり、ワークを切断して曲げ加工を行った後にこの曲げ部分を含んで突当て溶接をする際の開先加工の簡素化を図ることのできる三次元レーザ加工機による開先加工方法を提供することにある。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
レーザ光線を照射するノズルの姿勢が自由に制御できる三次元レーザ加工機であって、自動プログラムにより前記三次元レーザ加工機を用いてワークの切断加工を行う際に、前記ワークの板厚や曲げ線の形状等の加工データから切断線のテーパ角度を設定し、このテーパ角度に対応して前記ノズルの姿勢を制御することを特徴とする三次元レーザ加工機による開先加工方法。
請求項2
前記テーパ角度が加工データに基づいて自動で決定されることを特徴とする請求項1記載の三次元レーザ加工機による開先加工方法。
請求項3
前記テーパ角度を、切断位置に対応して適宜作業者が入力することを特徴とする請求項1記載の三次元レーザ加工機による開先加工方法。
技術分野
背景技術
0002
従来より、図9(A)に示されるようなフランジ101付きの二つのワークW1、W2を、図9(B)に示されるように直角に突当て溶接する場合には、まず図10に示されるように各部材を展開してレーザ切断した後、曲げ線BLに沿って曲げ加工して各ワークW1、W2を作成し、このワークW1、W2を突当て溶接するのが一般的である。
発明が解決しようとする課題
0003
しかしながら、図11を参照するに、前述のように切断した後に、曲げ線BLに沿って曲げ加工により各部材を作成する際に、ワークW1、W2の端面103において曲げ部分の外側は引っ張られて伸び、内側は圧縮されて端面103から外側へ突出するようになる。
0004
これでは、ワークW1、W2の突出部105同士がぶつかり合って適正な溶接ができなくなるので、突出部105を削り落とした後に突当て溶接を行うようにしており、面倒である。
0005
また、図12(A)に示されるように板厚により突当てができない場合には、図12(B)に示されるように突当てることにより溶接欠陥を回避している。このため、自動溶接機におけるティーチングが複雑になるという問題がある。
0006
この発明の目的は、以上のような従来の技術に着目してなされたものであり、ワークを切断して曲げ加工を行った後にこの曲げ部分を含んで突当て溶接をする際の開先加工の簡素化を図ることのできる三次元レーザ加工機による開先加工方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
0007
上記の目的を達成するために、請求項1による発明の三次元レーザ加工機による開先加工方法は、レーザ光線を照射するノズルの姿勢が自由に制御できる三次元レーザ加工機であって、自動プログラムにより前記三次元レーザ加工機を用いてワークの切断加工を行う際に、前記ワークの板厚や曲げ線の形状等の加工データから切断線のテーパ角度を設定し、このテーパ角度に対応して前記ノズルの姿勢を制御することを特徴とするものである。
0008
従って、加工条件に対応してノズルの姿勢を制御することにより、ワークの切断と同時に突当て溶接のための開先加工を行うことができる。
0009
請求項2による発明の三次元レーザ加工機による開先加工方法は、請求項1記載のテーパ角度が加工データに基づいて自動で決定されることを特徴とするものである。
0010
従って、自動によりノズルの姿勢を制御して、ワークの切断及び所定角度の開先加工を同時に行う。
0011
請求項3による発明の三次元レーザ加工機による開先加工方法は、請求項1記載のテーパ角度を、切断位置に対応して適宜作業者が入力することを特徴とするものである。
0012
従って、開先加工が必要な箇所におけるテーパ角度を適宜入力することにより、ノズルの姿勢を制御して所望の開先加工を行う。
発明を実施するための最良の形態
0013
以下、この発明の実施の形態の例を図面に基づいて説明する。
0014
図7及び図8には、三次元レーザ加工機1の全体が示されている。すなわち、床面3に複数本(例えば4本)の支柱5が立設されている。この支柱5上には、X軸方向へ延伸した左右のX軸ガイド7、7が載置・固定されている。また、支柱5上におけるY軸方向にはサポートプレート9が設けられている。
0016
X軸キャレッジ11の横にはY軸ガイド13が併設されており、図示しないY軸サーボモータにより前記Y軸ガイド13に沿ってY軸方向へ移動・位置決め自在のY軸キャレッジ15が設けられている。
0017
Y軸キャレッジ15には、図示しないZ軸サーボモータによりZ軸方向へ昇降自在のZ軸コラム17が装着されており、このZ軸コラム17の下端には、水平方向に延伸されたアーム19を介して加工ヘッド21が設けられている。加工ヘッド21の先端にはノズル23が着脱自在に装着されている。
0018
前記加工ヘッド21は図示しないA軸サーボモータによりX−Y平面内にある軸回り(すなわち、A軸方向)へ回転・位置決め自在となっている。
0019
また、前記Z軸コラム17は図示しないC軸サーボモータによりZ軸回り(すなわち、C軸方向)に回転・位置決め自在となっている。
0020
前記複数の支柱5により囲まれた領域における床面3上には、三次元形状をしたワークWを載置・固定するワークテーブル25が設けられている。その外側には、NC制御装置27、レーザ発振器29、レーザ発振器電源31等が設けられている。
0021
従って、ワークテーブル25上に固定されたワークWに対してX軸キャレッジ11、Y軸キャレッジ15、Z軸コラム17の移動により加工ヘッド21を位置決めし、A軸回り及びC軸回りに加工ヘッド21の姿勢を制御して、ノズル23からワークWにレーザ光線を照射して加工を行う。
0022
前述のような三次元レーザ加工機1を用いると、ノズル23の角度は自由に設定できるため、ワークWの開先加工に使用することができる。
0023
すなわち、切断加工に先立ってティーチングを行う際に、切断するテーパ角度を指定してやると切断と同時に開先加工までを自動で一度に行うことができる。このテーパ角度の決定は、板厚や曲げ角度や曲げ線BL位置等の加工条件から自動的に判断するようにしてもよいし、ワークWの切断位置に対応して適宜テーパ角度を入力するようにしてもよい。
0024
例えば図2(A)に示されるワークW1、W2を突合せ溶接を行う場合には、図2(B)に示されるような展開した形状にワークW1、W2を切断加工した後に曲げ線BLに沿って曲げ、これを突合せ溶接する。
0025
切断の際に、折れ点P0をティーチングポイントとするが、この折れ点P0付近では前述の従来技術の欄で説明したような不都合を回避すべく、板厚方向にえぐりを入れることが必要となる。
0026
このため、図1(A)で示される切断線の位置に対して図1(B)で示されるようなテーパ角を付して切断する。すなわち、折れ点P0の前後においてはワークWは表面に対して直角に切断されるが、折れ点P0付近では折れ点P0に近づくにつれて大きなテーパ角度をもって切断される。そして、折れ点P0では、直角の切断面に対してα度の傾きをもって切断される。
0027
このテーパ角は図3(A)又は図3(B)に示されるように、ノズル23の傾斜角度を変化させることにより制御される。ここで、テーパ角度の設定は、ワークWにおける寸法の基準面が上面にある場合には図3(A)に示されるようにテーパを付けるが、基準面が下面にある場合には図3(B)に示されるようにテーパを付けるように制御する。
0029
また、例えば図4に示されるような溶接加工を行う場合には、図5に示されるような展開図でワークWを切断加工し、その後折曲げる。図6を併せて参照するに、この切断加工においては、ワークWにおいて突合せ溶接となる辺図5において辺LA の部分には例えば45度の開先加工を行うが、折れ点P0を過ぎてもテーパを付けることにより折れ点P0位置における突出を防止している。
0030
これにより、前述の場合と同様、突起部同士がぶつかるのを防止して、突当て溶接を可能にする。
0031
以上の結果から、ワークWのティーチングにより二次元的に与えられた切断形状に、曲げ線の位置や形状、あるいはテーパ角度等の情報を与えることにより、少ないティーチングポイント数で溶接のための開先加工を切断加工と同時に行うことができるので、開先加工形状を考慮した複雑なティーチングを行う必要がなくなる。これにより、加工効率の向上を図ることができる。
0032
なお、この発明は前述の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。すなわち、前述の実施の形態において説明した三次元レーザ加工機1は一例に過ぎず、ノズルの姿勢を自由に制御できるものであれば適用できる。
発明の効果
0033
以上説明したように、請求項1の発明による三次元レーザ加工機による開先加工方法では、加工条件に対応してノズルの姿勢を制御することにより、ワークの切断と同時に突当て溶接のための開先加工を行うことができるので、加工効率を大幅に改善することができる。
0034
請求項2による発明の三次元レーザ加工機による開先加工方法では、自動によりノズルの姿勢を制御して、ワークの切断及び所定角度の開先加工を同時に行うので、熟練者でない作業者でも容易に開先加工ができ、また、加工効率を大幅に改善することができる。
0035
請求項3による発明の三次元レーザ加工機による開先加工方法では、開先加工が必要な箇所におけるテーパ角度を適宜入力することにより、ノズルの姿勢を制御して所望の開先加工を行うので、複雑な開先加工でも切断と同時に行うことができ、加工効率が大幅に改善される。
図面の簡単な説明
0036
図1この発明にかかる三次元レーザ加工機による開先加工方法による切断線と開先のテーパ角度との関係の一例を示すグラフである。
図2図1に示した開先形状による突合せ溶接及びワークの展開図を示す説明図である。
図3開先加工におけるノズルの姿勢を示す説明図である。
図4別の突合せ溶接の場合を示す斜視図である。
図5ワークの展開図である。
図6ワークの切断せんと開先のテーパ角度との関係を示すグラフである。
図7三次元レーザ加工機の一例を示す正面図である。
図8図7中VIII方向から見た平面図である。
図9従来の突合せ溶接の一例を示す説明図である。
図10ワークの展開図である。
図11ワークを曲げ加工した際の突起を示す説明図である。
図12従来の突合せ溶接の一例を示す説明図である。
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0037
1三次元レーザ加工機
23ノズル
W ワーク