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概要
背景
光ファイバは電力線からの電磁誘導を全く受けないという特徴を有している。そこで、ケーブル構成部材として全く金属を用いない、具体的には吊線と光ケーブルで構成されたノンメタリック自己支持型光ケーブルが、架空送電線に併設されて使用されている。従来のノンメタリック自己支持型光ケーブルは、例えば図5に示す構造をしている。このノンメタリック自己支持型光ケーブルは、一本または複数本のFRPロッドからなる吊線1を、一本または複数本の光ファイバ心線2をFRPロッドからなるテンションメンバ5の回りに撚り合わせた光ケーブルコア3から所定間隔離した状態で並行に縦添えしたものに一括してポリエチレン(以下、PEという)、ポリ塩化ビニル(以下、PVCという)などのシース4を押出被覆したものである。2aはバッファ層である。また、他の例として、図6に示すように、中心テンションメンバ15aとコア上テンションメンバ15bからなるテンションメンバ15が吊線の機能を有する構造のものがある。
概要
トラッキングを防止したノンメタリック自己支持型光ケーブルを提供する。
一本または複数本の光ファイバ心線2を有する光ケーブルコア3と、吊線1、5および15とを有し、前記光ケーブルコア3と前記吊線1、5および15はシース14で一括被覆されているノンメタリック自己支持型光ケーブルにおいて、前記シース14は外表面が撥水性材料からなる。
目的
このノンメタリック自己支持型光ケーブルは高圧の架空電力送電線に沿って共架される。このノンメタリック自己支持型光ケーブルのシースはPEまたはPVCで構成されているので、高電圧が印加された状態で降雨や積雪に繰り返し合うと、その表面にトラッキング劣化が生ずるという問題があった。即ち、シース表面上に水の膜が長手方向に連続して形成された状態から不連続な膜に変わった状態において、高電圧の送電線からの誘導で水の膜の間に電圧が発生し、この電圧により水の膜と膜の間でしばしば放電が発生する。その放電によりシース表面が炭化、劣化して、シースの機能を損なう。また、このシースの劣化によりノンメタリック自己支持型光ケーブル内部の光ファイバ心線自体に損傷が及ぶこともある。そこで、本発明では、トラッキングを防止したノンメタリック自己支持型光ケーブルを提供することを目的とする。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
0001
本発明は、ケーブル構成部材として全く金属を用いない光ファイバケーブルであって、架空送電線に併設されて使用されるノンメタリック自己支持型光ケーブルに関する。
背景技術
0002
光ファイバは電力線からの電磁誘導を全く受けないという特徴を有している。そこで、ケーブル構成部材として全く金属を用いない、具体的には吊線と光ケーブルで構成されたノンメタリック自己支持型光ケーブルが、架空送電線に併設されて使用されている。従来のノンメタリック自己支持型光ケーブルは、例えば図5に示す構造をしている。このノンメタリック自己支持型光ケーブルは、一本または複数本のFRPロッドからなる吊線1を、一本または複数本の光ファイバ心線2をFRPロッドからなるテンションメンバ5の回りに撚り合わせた光ケーブルコア3から所定間隔離した状態で並行に縦添えしたものに一括してポリエチレン(以下、PEという)、ポリ塩化ビニル(以下、PVCという)などのシース4を押出被覆したものである。2aはバッファ層である。また、他の例として、図6に示すように、中心テンションメンバ15aとコア上テンションメンバ15bからなるテンションメンバ15が吊線の機能を有する構造のものがある。
発明が解決しようとする課題
0003
このノンメタリック自己支持型光ケーブルは高圧の架空電力送電線に沿って共架される。このノンメタリック自己支持型光ケーブルのシースはPEまたはPVCで構成されているので、高電圧が印加された状態で降雨や積雪に繰り返し合うと、その表面にトラッキング劣化が生ずるという問題があった。即ち、シース表面上に水の膜が長手方向に連続して形成された状態から不連続な膜に変わった状態において、高電圧の送電線からの誘導で水の膜の間に電圧が発生し、この電圧により水の膜と膜の間でしばしば放電が発生する。その放電によりシース表面が炭化、劣化して、シースの機能を損なう。また、このシースの劣化によりノンメタリック自己支持型光ケーブル内部の光ファイバ心線自体に損傷が及ぶこともある。そこで、本発明では、トラッキングを防止したノンメタリック自己支持型光ケーブルを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0004
本発明は上記問題点を解決すべくなされたもので、一本または複数本の光ファイバ心線を有する光ケーブルコアと、前記光ケーブルコアに並行に添っている吊線とを有し、前記光ケーブルコアと前記吊線はシースで一括被覆されているノンメタリック自己支持型光ケーブルにおいて、前記シースは少なくともその外表面が撥水性材料からなることを特徴とするものである。
0005
上述のように、ノンメタリック自己支持型光ケーブルにおいて、シースの少なくとも外表面を撥水性材料で構成すると、シースの外表面に水の膜が形成されることがほとんどないので、シース表面にトラッキング劣化が生ずるのを防ぐことができる。
発明を実施するための最良の形態
0006
以下、図面に示した発明の実施の形態例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明にかかるノンメタリック自己支持型光ケーブルの一実施形態の断面図である。図中、従来の技術の説明に用いた図5の符号と同一箇所には同一符号を用いた。本実施形態のノンメタリック自己支持型光ケーブルの構造は、図1に示すように、一本または複数本のFRPロッドからなる吊線1を、一本または複数本の光ファイバ心線2をFRPロッドからなるテンションメンバ5の回りに撚り合わせた光ケーブルコア3に所定間隔離した状態で並行に縦添えし、これに一括してフッ素樹脂であるテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAという)、具体的にはテフロンPFA(Du Pont 社の商品名)からなる撥水性のシース14を押出被覆したものである。言い換えると、本実施例は図5に示した従来のノンメタリック自己支持型光ケーブルと構造は同一であるが、シース14の材質を撥水性にした点で異なるものである。
0007
図2は他の実施形態の断面図である。本実施形態はテンションメンバ15が吊線の機能を有した構造のものであり、図6に示した従来のノンメタリック自己支持型光ケーブルと構造は同一であるが、シース14の材質を撥水性のテフロンPFAとした点で異なるものである。
0008
図3は他の実施形態の断面図である。本実施形態は図1に示した実施形態と同一構造をしているが、シース24はポリエチレンからなるシース基体24aを被覆した後に、その表面に撥水性のテフロンPFAからなる表面層24bをコーティングして形成されている。
0009
図4はさらに他の実施形態の断面図である。本実施形態は図2に示した実施形態と同一構造をしているが、シース24はポリエチレンからなるシース基体24aを被覆した後に、その表面に撥水性のテフロンPFAからなる表面層24bをコーティングして形成されている。
0010
なお、フッ素樹脂は上記PFAに限られるわけでなく、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などでもよい。
発明の効果
0011
以上説明したように本発明によれば、一本または複数本の光ファイバ心線を有する光ケーブルコアと、前記光ケーブルコアに並行に添っている吊線とを有し、前記光ケーブルコアと前記吊線はシースで一括被覆されているノンメタリック自己支持型光ケーブルにおいて、前記シースは少なくともその外表面が撥水性材料からなるため、シース表面にトラッキング劣化が生ずるのを防ぐことができるという優れた効果がある。
図面の簡単な説明
0012
図1本発明にかかるノンメタリック自己支持型光ケーブルの一実施形態の断面図である。
図2本発明の他の実施形態の断面図である。
図3本発明のさらに他の実施形態の断面図である。
図4本発明のさらに他の実施形態の断面図である。
図5従来のノンメタリック自己支持型光ケーブルの断面図である。
図6従来の他のノンメタリック自己支持型光ケーブルの断面図である。
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0013
1 吊線
2光ファイバ心線
2aバッファ層
3光ケーブルコア
4、14、24シース
5、15テンションメンバ
15a中心テンションメンバ
15bコア上テンションメンバ
24a シース基体
24b 表面層