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技術 水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体及びその製法

出願人 株式会社ジェイエスピー
発明者 百瀬義昭石原義久青木健岩崎聡
出願日 1996年5月7日 (24年2ヶ月経過) 出願番号 1996-137708
公開日 1997年5月20日 (23年2ヶ月経過) 公開番号 1997-132662
状態 特許登録済
技術分野 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理
主要キーワード 分解気体 シリンダー部分 アダプター部分 発泡化処理 切り出し断面 発生気体 恒温処理 原料フィーダー
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

高温耐熱性を有し、平均気泡径の小さく、外観が優れるポリプロピレン系樹脂発泡体、高温耐熱性及び柔軟性を有し、平均気泡径が小さく、外観が優れるポリプロピレン系樹脂ゴム成分含有発泡体及びそれら製造方法を提供する。

解決手段

水と接触して架橋するシリル基を有するシリル変性ポリプロピレン系樹脂を基材とする発泡体において、その平均気泡径が50μm以上150μm未満、及びゲル分率を40%以上とした水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体及び、前記水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体のシリル変性ポリプロピレン系樹脂に、ゴム成分を5〜60重量%混合した混合物を基材とする発泡体において、その平均気泡が50μm以上150μm未満、ゲル分率を40%以上、25℃における補正引張弾性率を100kg/cm2未満とした水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体。

概要

背景

ポリプロピレン系樹脂発泡体耐熱性剛性引張強度耐薬品性などの点でポリスチレン系樹脂発泡体より優れているため、自動車内装用家庭用品建材などの各種の用途に広く使用されている。ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂溶融粘度温度依存性が大きく、融点以上に加熱した場合に溶融粘弾性が小さいために、発泡剤発泡させたときに発生する発泡剤の分解ガス溶融樹脂中に均一で微細気泡として分散した状態で包含させることができない。このため、発泡に先立って溶融粘度の温度依存性を小さくするとともに、溶融粘弾性を大きくする必要があるが、このための方法として、発泡に先立って樹脂架橋する方法が知られている。ポリプロピレン系樹脂の架橋の方法としては、化学架橋剤を用いる方法、電離放射線等を用いる電子線架橋法及び水と接触して架橋するシリル基を有するシリル変性ポリプロピレン系樹脂をシラノール結合触媒と水の存在下で架橋を行なういわゆる水架橋法が知られている。このようなポリプロピレン系樹脂の架橋方法については、次のような問題点が指摘されている。化学架橋剤による架橋法は成形時に架橋が進行して成形を阻害する可能性があり、そして、発泡時には架橋が遅れ発泡ガス逃散して十分な発泡が期待できない。電子線架橋法は使用する電子線照射装置が高価であり、また、均一な架橋度のものを得ることが難しい。従来の水架橋法により製造された架橋発泡体は、高温耐熱性、特に高圧条件下に使用したときの高温耐熱の点で十分でなく、しかも、この水架橋の場合、得られる発泡体平均気泡径が150μm以上と大きいために、外観及び感触の点及び高圧条件下での高温耐熱性(例えばスタンピングモールド法のような180℃を越える溶融樹脂を30〜70kg/m2の圧力で常温の架橋発泡体に押し付け加圧成形する際に該発泡体が破れない耐熱性)等の点で劣るという問題がある。

概要

高温耐熱性を有し、平均気泡径の小さく、外観が優れるポリプロピレン系樹脂発泡体、高温耐熱性及び柔軟性を有し、平均気泡径が小さく、外観が優れるポリプロピレン系樹脂ゴム成分含有発泡体及びそれら製造方法を提供する。

水と接触して架橋するシリル基を有するシリル変性ポリプロピレン系樹脂を基材とする発泡体において、その平均気泡径が50μm以上150μm未満、及びゲル分率を40%以上とした水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体及び、前記水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体のシリル変性ポリプロピレン系樹脂に、ゴム成分を5〜60重量%混合した混合物を基材とする発泡体において、その平均気泡が50μm以上150μm未満、ゲル分率を40%以上、25℃における補正引張弾性率を100kg/cm2未満とした水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体。

目的

本発明の課題は、高温耐熱性を有し、平均気泡径が小さく、外観が優れたポリプロピレン系樹脂発泡体、高温耐熱性及び柔軟性を有し、平均気泡径が小さく、外観が優れたポリプロピレン系樹脂ゴム成分含有発泡体及びそれらの製造方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

水と接触して架橋するシリル基を有するシリル変性ポリプロピレン系樹脂基材とする発泡体において、その平均気泡径が50μm以上150μm未満、及びゲル分率が40%以上であることを特徴とする水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体。

請求項2

請求項1記載のシリル変性ポリプロピレン系樹脂に、ゴム成分を5〜60重量%混合した混合物を基材とする発泡体において、その平均気泡径が50μm以上150μm未満、ゲル分率が40%以上、25℃における補正引張弾性率が100kg/cm2未満であることを特徴とする水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体(但し、補正引張弾性率(E)は下記式(1)によりE=ε(0.045/ρ)1.961 (1)ρ:発泡体密度(g/cm3)ε:密度ρの発泡体の25℃50%RHにおける引張弾性率(kg/cm2)求められる値である。)

請求項3

ゴム成分がシリル基を有するシリル変性ポリエチレン系重合体であることを特徴とする請求項2記載の水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体。

請求項4

シリル基を有するシリル変性ポリプロピレン系樹脂を基材とし、これとシラノール縮合触媒及び加熱分解型発泡剤からなる混合物を発泡剤分解温度より低い温度で加熱溶融混練するとともに、溶融混練物中に存在するガスを除去して実質上ガスを含有しない溶融混練物を生成させ、この溶融混練物を成形し、得られた成形体を水架橋させ、次いで前記発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

ポリプロピレン系樹脂発泡体耐熱性剛性引張強度耐薬品性などの点でポリスチレン系樹脂発泡体より優れているため、自動車内装用家庭用品建材などの各種の用途に広く使用されている。ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂溶融粘度温度依存性が大きく、融点以上に加熱した場合に溶融粘弾性が小さいために、発泡剤発泡させたときに発生する発泡剤の分解ガス溶融樹脂中に均一で微細気泡として分散した状態で包含させることができない。このため、発泡に先立って溶融粘度の温度依存性を小さくするとともに、溶融粘弾性を大きくする必要があるが、このための方法として、発泡に先立って樹脂架橋する方法が知られている。ポリプロピレン系樹脂の架橋の方法としては、化学架橋剤を用いる方法、電離放射線等を用いる電子線架橋法及び水と接触して架橋するシリル基を有するシリル変性ポリプロピレン系樹脂をシラノール結合触媒と水の存在下で架橋を行なういわゆる水架橋法が知られている。このようなポリプロピレン系樹脂の架橋方法については、次のような問題点が指摘されている。化学架橋剤による架橋法は成形時に架橋が進行して成形を阻害する可能性があり、そして、発泡時には架橋が遅れ発泡ガス逃散して十分な発泡が期待できない。電子線架橋法は使用する電子線照射装置が高価であり、また、均一な架橋度のものを得ることが難しい。従来の水架橋法により製造された架橋発泡体は、高温耐熱性、特に高圧条件下に使用したときの高温耐熱の点で十分でなく、しかも、この水架橋の場合、得られる発泡体は平均気泡径が150μm以上と大きいために、外観及び感触の点及び高圧条件下での高温耐熱性(例えばスタンピングモールド法のような180℃を越える溶融樹脂を30〜70kg/m2の圧力で常温の架橋発泡体に押し付け加圧成形する際に該発泡体が破れない耐熱性)等の点で劣るという問題がある。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明の課題は、高温耐熱性を有し、平均気泡径が小さく、外観が優れたポリプロピレン系樹脂発泡体、高温耐熱性及び柔軟性を有し、平均気泡径が小さく、外観が優れたポリプロピレン系樹脂ゴム成分含有発泡体及びそれらの製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0004

本発明者らは、前記課題を解決するために種々研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、水と接触して架橋するシリル基を有するシリル変性ポリプロピレン系樹脂を基材とする発泡体において、その平均気泡径が50μm以上150μm未満、及びゲル分率が40%以上であることを特徴とする水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体が提供される。又、本発明によれば、前記水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体のシリル変性ポリプロピレン系樹脂に、ゴム成分を5〜60重量%混合した混合物を基材とする発泡体において、その平均気泡径が50μm以上150μm未満、ゲル分率が40%以上、25℃における補正引張弾性率が100kg/cm2未満であることを特徴とする水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体(但し、補正引張弾性率(E)は下記式(1)により
E=ε(0.045/ρ)1.961 (1)
ρ:発泡体密度(g/cm3)
ε:密度ρの発泡体の25℃50%RHにおける引張弾性率(kg/cm2)
求められる値である。)が提供される。又、本発明によれば、前記シリル変性ポリプロピレン系樹脂に、ゴム成分を混合した混合物を基材とする発泡体において、ゴム成分がシリル基を有するシリル変性ポリエチレン系重合体であることを特徴とする水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体が提供される。又、本発明によれば、シリル基を有するシリル変性ポリプロピレン系樹脂を基材とし、これとシラノール縮合触媒及び加熱分解型発泡剤からなる混合物を発泡剤の分解温度より低い温度で加熱溶融混練するとともに、溶融混練物中に存在するガスを除去して実質上ガスを含有しない溶融混練物を生成させ、この溶融混練物を成形し、得られた成形体を水架橋させ、次いで前記発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法が提供される。尚、上記成形体のゲル分率は、加熱発泡によって低下しないといえる。よって発泡体のゲル分率は、該発泡体を得る成形体のゲル分率で40%以上とすることにより調整されるものである。

発明を実施するための最良の形態

0005

本発明の発泡体原料の基材であるシリル変成ポリプロピレン系樹脂(以下、SiPP樹脂とを略記する)は、プロピレンホモポリマー又はプロピレンα−オレフィン共重合体に水と接触して架橋するシリル基を導入したものである。プロピレン/α−オレフィンランダム共重合体にシリル基を導入したものは、得られる発泡体が耐熱性の点で多少劣り、得られる発泡体の気泡径も小さくするのが難しいので原料樹脂としてはあまり好ましくない。上記ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレンエチレンプロピレンブロック共重合体、エチレン/プロピレンランダム共重合体ブテン/プロピレンランダム共重合体、ブテン/プロピレンブロック共重合体、エチレン/プロピレン/ブテンランダム共重合体等が挙げられ、耐熱性等の理由により、ポリプロピレン、プロピレン/α−オレフィンブロック共重合体が特に好ましい。プロピレン/α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1の他、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1等の炭素数が2〜10のものが挙げられる。これらα−オレフィンのコポリマー中の含有量は、重量%で、1〜30重量%、好ましくは4〜20重量%である。SiPP樹脂には、シリル変性していないポリプロピレン系樹脂を含有させることができる。シリル変性したポリプロピレン系樹脂とシリル変性していないポリプロピレン系樹脂の混合比は、重量比で60:40〜100:0である。

0006

本発明においては前記SiPP樹脂にゴム成分を混合することが柔軟性良好な発泡体を得る上で好ましい。上記ゴム成分としては、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/ブテンゴム、エチレン/ペンテンゴム、エチレン/ヘキセンゴム、エチレン/オクテンゴム、エチレン/プロピレン/ジエンゴム、エチレン/ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、クロロプレンゴムイソプレンゴム天然ゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられるが、この中でもエチレン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/ジエンゴム、エチレン/オクテンゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量4〜20重量%)等のポリエチレン系重合体からなるゴム成分が好ましい。また、上記ゴム成分のSiPP樹脂中の含有量は5〜60重量%、好ましくは15〜50重量%であり、SiPP樹脂への混合方法は従来周知の方法が採用される。

0007

更に、本発明の目的の一つである外観良好な発泡体を得る上で、ゴム成分にシリル基を導入し、シリル変性したものを用いた場合は特に有効である。シリル変性していないゴム成分をSiPP樹脂に混合したものと、シリル変性したゴム成分をSiPP樹脂に混合したものとを比較すると、得られる水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の気泡径において、シリル変性したゴム成分を混合したものの方が数十%小さいものとなり、シリル変性したゴム成分を用いる場合は特に好ましい。シリル変性したゴム成分としては、ポリエチレン系重合体からなるゴム成分(以下、SiPEと略記する)が好ましい。

0008

SiPP樹脂のメルトインデックスは1〜30g/10分、更に5〜20g/10分のものが好ましい。又、ゴム成分のメルトインデックスは1〜30g/10分、更には5〜20g/10分のものが好ましい。メルトインデックスが低すぎると発泡剤の分解を抑制することが難しく、一方、メルトインデックスが高すぎると成形性が悪くなってしまう恐れがある。本発明にて使用されるSiPP樹脂としては、SiPP樹脂単独で使用する外に、SiPP樹脂とSiPEとの混合物、SiPP樹脂とゴム成分との混合物を使用することもできる。これらの混合物として使用する場合は、両者のメルトインデックスの差を5以下とすることが好ましい。また、SiPP樹脂を、シリル変性していないポリプロピレン系樹脂との混合物として使用することにより架橋度すなわちゲル分率の調整が比較的容易に行なうことができる。

0009

シリル変性ポリプロピレン系樹脂を基材とした本発明の発泡体はセルサイズが小さく(150μm未満)、そのためスタンピング成形時の耐熱性等が高く、表面外観も良い。しかし、用途によっては、発泡体の柔軟性、金型再現性やプッシュバック性に欠けるところがあり、その対策として前記ゴム成分を添加する。これらのうちシリル変性されていないゴム成分では、添加量が多い程得られる発泡体のセルサイズが大きくなる傾向にある。発泡体のセルサイズが大きくなりすぎると、発泡体の耐熱性(特にスタンピングモールド高温高圧下)や外観が損なわれるために、十分な柔軟性が得られる程度に、ゴム成分を添加することができない場合がある。シリル変性されていないゴム成分の添加は大体20重量%が限度である。多量(20重量%以上)にゴム成分を添加する場合にはゴム成分がシリル変性されたものであれば、発泡体のセルサイズはほとんど変化無く、従って耐熱性や外観を損なうことなく柔軟性のある発泡体を得ることができる。また、本発明の目的、効果を阻害しない範囲において、SiPP樹脂に低密度ポリエチレン高密度ポリエチレン直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂ハイインパクトポリスチレン等のスチレン系樹脂を35重量%以下混合することもできる。

0010

前記SiPP樹脂及びSiPEは以下の方法により得られる。SiPP樹脂はポリプロピレン系樹脂とエチレン性不飽和シラン化合物を、又SiPEはポリエチレン系重合体とエチレン性不飽和シラン化合物を、各々ラジカル発生剤及び酸化防止剤の存在下で反応させることにより得ることができる。SiPP樹脂又はSiPEにおけるシリル基の含有量は、通常、0.1〜40重量%である。SiPP樹脂又はSiPEを得るために用いるエチレン性不飽和シラン化合物としては、一般式RSi(R’)nY3−n(ここで、Rはエチレン性不飽和炭化水素基又はエチレン性炭化水素を含有する基、R’は炭化水素基、Yは加水分解可能な有機基を表わし、nは0、1又は2を表わす)で表わされるシラン化合物が用いられる。具体的には、例えば、Rがビニルアリル、イソプロペニルブテニルシクロヘキセニル、γ−(メタアクリロイルオキシプロピル、R’がメチル、エチル、プロピル、デシルフェニル、Yがメトキシエトキシホルミルオキシアセトキシプロピオニルオキシである。特に好ましくは、CH2=CHSi(OA)3 (ここで、Aは炭素数1〜8の炭化水素基である)で表わされる化合物、具体的には、ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランである。

0011

前記ラジカル発生剤としては、反応条件下で前記ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系重合体に遊離ラジカル部位を発生させることができるものであれば、任意の化合物を使用することができる。代表的なラジカル発生剤としては、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシクテート、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾイソブチロニトリル、メチルアゾイソブチレート等のアゾ化合物などが挙げられる。

0012

前記ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系重合体に前記エチレン性不飽和シラン化合物を反応させる際に前記ラジカル発生剤と共存させて用いられる酸化防止剤としては、一般にプラスチックの酸化防止剤として使用されているものが使用可能である。代表例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネートテトラキス−〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−2,4−ビス−オクチチオ−1,3,5−トリアジントリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルイソシアヌレート等のラジカル連鎖禁止剤ジラウリルチオジプロピオネートジステアリルチオジプロピオネート、トリスノニルフェニルホスファイト等の過酸化物分散剤等が挙げられる。

0013

SiPP樹脂は、前記ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して前記シラン化合物を0.01〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部、前記ラジカル発生剤を0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部、および前記酸化防止剤を加え、反応させることにより得られる。なお、その際の酸化防止剤の使用量は、前記ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部とするのが望ましい。SiPEは、前記ポリエチレン系重合体100重量部に対して前記シラン化合物を0.01〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部、前記ラジカル発生剤を0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部、および前記酸化防止剤を加え反応させることにより得られる。なお、その際の酸化防止剤の使用量は、前記ポリエチレン系重合体100重量部に対して0.01〜5重量部とするのが望ましい。

0014

SiPP樹脂のみを基材として得られる発泡体はセルサイズが小さく(150μm未満)、その結果スタンピング成形時の耐熱性を高くすることができるばかりでなく、表面の外観も良い。更に、発泡体としての柔軟性、金型再現性及びプッシュバック性を十分向上させようとするときには、SiPP樹脂にゴム成分、特にSiPEを加えたものを基材として発泡化するとよい。特にゴム成分としてSiPEを選択することにより、得られる発泡体のセルサイズは殆ど変化させることなく、又発泡体の耐熱性や外観を損うことなく、柔軟性やプッシュバック性の改善を行うことができる。尚、SiPP樹脂にシリル基によって変性されていないゴム成分を加えたものを基材として発泡化する場合においては、この添加量を多くすると発泡体の柔軟性、金型再現性及びプッシュバック性は改善されるものの、発泡体のセルサイズが大きくなる恐れがあり、セルサイズが大きくなりすぎると発泡体の耐熱性(特にスタンピングモールド時の高温高圧下での耐熱性)及び外観が損われるなどの問題が生ずる可能性がある。よって、シリル基によって変性されていないゴム成分の添加量は20重量%を越えないようにすることが好ましい。

0015

一方、SiPEを用いる場合の添加量は基材の5〜60重量%である。ゴム成分をSiPP樹脂に添加することにより得られる柔軟性、金型再現性及びプッシュバック性の指標としては補正引張弾性率E(kg/cm2)を採用することができる。補正引張弾性率Eとは
力学的性質)=A(みかけ密度)B
の関係から導き出される値である。具体的手法としては、発泡体密度(みかけ密度)ρ(g/cm3)を横軸、25℃、50%RH条件下での引張弾性率ε(kg/cm2)を縦軸として、両対数グラフプロットすることにより、得られるρとεとの直線関係の傾きが定数Bとして与えられ、以下の式の関係が成り立つ。
E=ε(1/ρ)B
そこで、本発明者らは架橋ポリプロピレン系樹脂の場合、Bの値は1.961となることを上記両対数グラフより得られる直線関係から導き、更に密度0.045(g/cm3)の発泡体に換算した引張弾性率として
E=ε(0.045/ρ)1.961
なる経験式を得た。つまり、発泡体密度が異なる発泡体同士の引張弾性率を比較する為に、発泡体密度0.045g/cm3に換算して比較するものである。尚、本発明においては、εの値は押出方向(MD)と幅方向(TD)の25℃、50%RH条件下で測定される引張弾性率の平均値を採用する。本出願における第二発明においては補正弾性率Eは100kg/cm2未満のポリプロピレン系樹脂水架橋発泡体が採用される。Eの値が100kg/cm2以上のものは柔軟性が低く、金型再現性及びプッシュバック性においても不十分なものでありEの値を100kg/cm2未満のものとすることにより柔軟性、金型再現性、プッシュバック性においても良好なものが得られる。

0016

本発明で使用するシラノール縮合触媒は、シリル変性されたポリプロピレン系樹脂の間の脱水縮合を促進するために触媒として使用しうるものであれば任意のものが使用できる。例えば、ジブチル錫ジアセテートジブチル錫ジラウレートジオクチル錫ジラウレート酢酸第一錫、カプリル酸第一錫、ナフテン酸鉛カプリル酸亜鉛ナフテン酸コバルト等のカルボン酸塩エチルアミンジブチルアミンヘキシルアミンピリジン等の有機塩基、酢酸、オレイン酸フタル酸トルエンスルホン酸等の有機酸硫酸塩酸等の無機酸を挙げることができる。本発明における前記シラノール縮合触媒の使用量は、前記SiPP樹脂又はSiPP樹脂とゴム成分との混合物からなる基材樹脂100重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。

0017

プロピレンのホモポリマー、プロピレン/α−オレフィンの共重合体またはこれらの混合物からなる分散媒にシラノール縮合触媒を高濃度に溶解させ、架橋促進マスターバッチとし、前記基材樹脂とドライブレンドして用いる。この際、基材樹脂に対する触媒量が所定濃度となるようにする。基材樹脂と架橋促進マスターバッチの混合割合は基材樹脂100重量部に対して、10から1重量部、好ましくは7から3重量部程度である。

0018

本発明で使用する発泡剤としては、プロピレン系樹脂又はエチレン系樹脂の発泡に適しているものとして知られているいずれの化学発泡剤も使用することができる。例えば、アゾジカルボンアミドアゾビスホルムアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンジアゾアミノベンゼンベンゼンスルホニルヒドラジド、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロテレフタルアミドなどがあり、これらの中では、安定性及び分解温度の点からみて、アゾジカルボンアミドがもっとも好ましい。これらの発泡剤は、一種のもののみを単独で用いる他に、複数種のものを混合して用いることも可能である。本発明における前記発泡剤の使用量は、目的とする発泡体の密度により適宜選択され、具体的には前記SiPP樹脂又はSiPP樹脂とSiPE(さらに他の樹脂、ゴム等を加えて発泡基材とする場合は、それら発泡基材の合計量)100重量部に対して0.2〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。

0019

SiPP樹脂、SiPP樹脂とSiPE、又はSiPP樹脂とその他のゴム成分とシラノール縮合触媒含有マスターバッチをドライブレンドし発泡剤と共に加熱溶融混練を行うには押出機が用いられる。この操作は水分や湿気ができるだけ混入介在しないようにしなければならない。これはポリプロピレン系樹脂に架橋を生じさせないようにするためである。この加熱溶融混練操作では空気のまき込みを防止すること、又は、微少量にとどめること、発泡剤の分解を防止すること又は微少量にとどめることが重要である。発泡剤の分解を抑えるにあたって、例えば、高温分解型発泡剤のアゾジカルボンアミドを用いる場合にはアゾジカルボンアミドの分解温度は205℃とされているが、プラスチックとの共存下での分解は180℃から205℃の範囲でも生起する。そのためにはシリンダー内の温度は130〜180℃、好ましくは140〜160℃程度の範囲に設定される。実験によると、発泡剤にアゾジカルボンアミドを用いると、190℃を越すと分解気体の発生がはっきりと観察され、200℃を超えると分解気体の発生量は急激に上昇することが確認されており、加熱溶融混練操作において、発泡剤の分解温度よりも低い温度で操作し、発泡剤の分解をできるだけ低く抑えることが必要である。尚、本発明における加熱分解型発泡剤の分解温度とは、分解開始温度ではなく図1のA点で示されるように分解発生気体の急速な増加の終了温度とする。図1はアゾジカルボンアミド0.5gを液体パラフィン10mlとともに、毎秒2℃の割合で加熱したときの温度に対する発生ガス量を調べ、その結果を示したものである。加熱溶融混練操作の全体の温度制御は以下のように行われる。SiPP樹脂、SiPP樹脂とSiPE、又はSiPP樹脂とその他のゴム成分とシラノール縮合触媒含有マスターバッチをドライブレンドしたものの原料フィーダー部分は比較的高温の170〜190℃程度、シリンダー部分は140〜160℃程度、アダプター部分は170〜190℃程度、Tダイス部分は160〜180℃程度である。

0020

一方、加熱溶融混練操作時の空気のまき込みや予期せぬ事態により発泡剤の一部が分解することにより存在せしめられた溶融混練物中のガスは、押出機途中に設けられたベント口より真空ポンプにより十分に吸引排出することができるようにすることが重要である。この際の真空ポンプの真空度は350mmHg以下、好ましくは250mmHg以下である。上記の通り、加熱溶融混練操作時にまき込み空気を除去することや発泡剤の分解を抑えることにより、結局、溶融混練物中にまき込んだ空気及び/又は発泡剤の分解発生気体からなるガスが実質上存在しないものを生成することが必要である。このことは加熱溶融混練操作では得られる成形体の発泡度をできるだけ低く抑えるように操作することと同様であり、加熱溶融混練工程で巻き取られたシート等の成形体の発泡度(発泡剤及びその他の添加剤を含む原料の密度/成形物の密度)は、好ましくは1.05未満、さらに好ましくは1.02未満とする。

0021

前記加熱溶融混練操作で得られるポリプロピレン系樹脂成形体又はポリプロピレン系樹脂とゴム成分との混合物成形体を、温水熱水または水蒸気曝露することにより、ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂とゴム成分との混合物の水架橋が行われる。60〜160℃、好ましくは100〜140℃程度の温度での温水、熱水または水蒸気による曝露は5時間〜15分の時間の条件下に行なう。又、20〜60℃程度の温度、相対湿度25〜80%の条件下でも5時間〜90日で水架橋を行うことができる。架橋度の指標としてはゲル分率が採用される。本発明の場合、発泡体のゲル分率は40%以上、好ましくは50%以上、更に好ましくは70〜85%とすることが望ましい。成形体のゲル分率は、加熱発泡によって低下しないといえる。よって、発泡体のゲル分率は、該発泡体を得る成形体のゲル分率で40%以上とすることにより調整される。ゲル分率を40%以下のものとすると発泡体の気泡径が大きくなるので、外観、感触及び耐熱性において劣ったものとなる。一方、ゲル分率を生産性伸び等の物性の悪化の理由から、あえて100%に近いような高い値とする必要はない。又、ゲル分率が50%以上ならば、発泡体気泡径の調整が容易となり、更にゲル分率が70〜85%の場合は、従来の架橋プロピレン系樹脂発泡体では得られない耐熱性が得られ、発泡作用も阻害されることはない。ゲル分率の測定はキシレンを用いて発泡体サンプルを沸騰キシレンの中で15時間抽出操作を行い、発泡体サンプルの抽出残重量の抽出前重量に対する100分率として求められるものである。架橋速度は成形体の厚み及び温水、熱水または水蒸気の温度によって異なる。厚みが薄いほど又温度が高いほど、架橋速度は速くなる。100℃の熱水に浸漬する場合に、成形体の厚さが1mmのときは30分〜1時間、成形体の厚さが2mmのときは2〜4時間である。120℃スチームオートクレーブ中では厚さ2mmの成形体では30〜50分である。140℃スチームのオートクレーブ中では厚さ2mmの成形体では10分〜30分である。

0022

架橋したポリプロピレン系樹脂成形体を常圧下で加熱し、未分解の発泡剤を完全に分解することにより発泡操作を行うと、本発明で目的とする超微細気泡の発泡体を得ることができる。加熱手段としては赤外線電熱器などの他、熱風炉加熱液体浴を利用することができる。発泡は予熱及び発泡の2段階にて行うことが有効である。予熱は発泡剤の分解温度を超えない程度に予備加熱を行う。具体的には加熱温度は200℃未満好ましくは、135℃以上200℃未満に保たれる。次の発泡では発泡剤の分解温度以上に加熱し、急激に発泡させる。具体的には、200〜260℃、好ましくは220〜250℃の温度範囲で行われる。

0023

上述の通り、本発明の水架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体は、SiPP樹脂、SiPP樹脂とSiPE又はSiPP樹脂とその他のゴム成分を基材樹脂とし、第一に分解型発泡剤及びシラノール縮合触媒と該基材樹脂とを加熱溶融混練し、加熱発泡用の成形体を得る際に分解型発泡剤の一部分解発生気体及び/又はまき込み空気からなるガスを溶融混練物中から除去すること、具体的には、例えば押出機を加熱溶融混練装置として使用し、Tダイスから押出すことによりシート状の加熱発泡用の成形体を得る際に押出機のベント口より該ガスを吸引排出する前述の操作と、第二に加熱発泡用の成形体のゲル分率を40%以上に調整すること、この二つの操作の結合により平均気泡径が50μm以上150μm未満の本発明の目的とする発泡体を得ることが可能となる。尚、発泡体を得る為の架橋工程や加熱発泡工程等は従来の水架橋樹脂発泡体を得る工程と同様である。更に詳述すると、溶融混練物中に存在するガスを除去して、加熱発泡用の成形体を得ることにより、該成形体中に該ガスにより発生する微細な気泡が極めて少ない、もしくは、全く無いもの、発泡度で言えば好ましくは1.05未満更に好ましくは1.02未満のものとすることができる。このことにより、従来、加熱発泡用の成形体は微細な気泡を多く含むもの、又は大きな気泡を含むものであったため、この成形体を含有される分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡体を得ると、成形体中の気泡が、気泡核として作用し、得られた発泡体の気泡径が大きなものとなってしまったり、気泡径のばらつきが目立つものとなり、外観、感触、高圧条件下での高温耐熱性において十分なものではなかったが、本発明においては、気泡核として作用する微細な気泡を数多く発生させないように、又、大きな気泡を発生させないようにしている為、気泡径を小さくすることができるようになる。加えて、本発明においては、加熱発泡用の成形体のゲル分率を40%以上に調整することが必要であり、ゲル分率を40%未満の場合は前述の通り、溶融粘弾性が小さくなることにより発泡時発泡体の気泡径が小さいものが得られなくなる恐れがあり、結局本発明の目的を達成することが難しくなる。

0024

本発明における発泡体は平均気泡径が50μm150μm未満、更に好ましくは50μm〜120μmのものである。平均気泡径が50μm未満の場合は気泡の強度が不十分なものとなり十分な伸びが期待できず、熱成形性も不十分なものとなる可能性がある。一方、平均気泡径が150μm以上の場合は、従来のもののように感触、外観、高圧条件下での高温耐熱性において不十分なものとなる。また、本発明における発泡体の密度は0.2〜0.02g/cm3のもの、厚み0.5〜25mmのものが加熱成形性において優れている為好ましい。

0025

本発明の発泡体は特に発泡シートとして風呂シンク等の内張材や、自動車インパネ自動車天井材自動車ドア等の自動車内装材等、熱成形性、耐熱性、断熱性、柔軟性が求められる多くの用途に使用可能である。特に、スタンピングモールド用の発泡シートとして、好適なものであり、自動車内装材としての用途に最適である。

0026

以下に、本発明の実施例及び比較例を示す。なお、実施例の発泡体の製造工程は次に示すとおりである。SiPP樹脂、SiPP樹脂とSiPE、SiPP樹脂とSiPE以外のゴム成分にシラノール縮合触媒含有マスターバッチをドライブレンドし、発泡剤であるアゾジカルボンアミドと二軸押出機に供給し、加熱溶融混練を行い、押出機先端に取付けた410mmのコートハンガータイプTダイスより押出し、直後にピンチロールによりシート成形体に成形した。得られたシートを水分の存在下で架橋させ、この架橋されたシート成形体を加熱炉内で発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡体を製造した。又、比較例では比較対象として選定した基材を実施例と同様に加熱溶融混練後、水架橋処理及び発泡化処理を行った。得られた発泡体の平均気泡径、熱変形温度、常温引張伸び、常温引張強度、常温引張弾性率の測定法は以下のとおりである。
発泡体の平均気泡径の測定
発泡体の幅方向及び厚み方向の中心をセンターとして発泡体の垂直断面中心部分を直方体形状に切り出し、該立方体の正面、平面、右側面各々の切り出し断面顕微鏡にて観察し、1mm2内の気泡数を全て数え(但し1mm2の枠の上辺及び右辺にかかる気泡は数えない。)、各断面の気泡数の総和を3で除して1mm2当り平均気泡数Xを求める。以下、下記式により平均気泡径を算出する。

0027

実施例1〜6
基材としてシリル変性プロピレンホモポリマー、シリル変性エチレン/プロピレンブロックコポリマー、シリル変性プロピレンホモポリマーと未変性ポリプロピレンホモポリマー混合物、又は、シリル変性エチレン/プロピレンランダムコポリマーを用いた。加熱溶融混練工程の加熱温度を190℃に設定し、溶融混練物中に存在したガスを250mmHgの減圧下に真空ポンプにより押出機のベント口からできるかぎり排出し、2mm厚さのシート成形体として巻取を行った。シートの発泡度は1.010〜1.019であった。次に120℃のスチーム中で2mmの厚さのシートを40分間恒湿恒温処理をほどこして水架橋を行った。シートを24kwパネルヒーターを有する予熱ゾーンで190℃に加熱し、次に36kwのヒーターを有する発泡工程で230℃の乾風の存在下に発泡処理を行った。前記原料に対して得られたシート状発泡体の特性は表1に示すとおりである。又原料に対して得られた発泡体の評価は表2に示すとおりである。実施例において加熱溶融混練工程での発泡剤の分解により発生したガス除去を行ったときにはいずれも良好な結果を得ていることがわかる。尚、表2中の発泡体の耐熱性、外観、成形性の評価は以下の基準に従った。
〔耐熱性〕スタンピングモールドを行ない成型体表面の発泡体を観察する。
◎:発泡体に破れ、しわが見られない
○:発泡体に多少しわが見られる
△:発泡体に破れが見られる
×:発泡体が溶融しており大きな破れが見られる
〔外観〕発泡体表面目視により観察する
◎:表面にスキン層が形成され、気泡がほとんど確認されない
○:表面から小さな気泡が確認される
△:表面から大きな気泡が確認される
×:表面に大きな気泡による凹凸がある
〔成形性〕シンクの内張材の成形を行ない可否について評価した
○:良好な成形体が得られる
△:一部厚みの薄い部分がみられるが成形可能である
×:成形不能である。

0028

0029

0030

比較例1、2
原料としてシリル変性ポリプロピレン系樹脂としてプロピレンホモポリマーを用い、加熱溶融混練工程で溶融混練物中に存在したガスを除去せず、架橋法として水架橋法を行った場合(比較例1)、原料としてシリル変性ポリプロピレン系樹脂を使用せず、未変性のポリプロピレンホモポリマーのみを用いて、水架橋を行わず、揮発性発泡剤ブタン)を使用し押出発泡法により無架橋ポリプロピレン発泡体シートを得た場合(比較例2)の結果を比較例として表1及び2に併せて示した。これらの結果から、シリル変性ポリプロピレン系樹脂及び発泡剤を発泡剤の分解温度以下で加熱溶融混練し、溶融混練物中に存在したガスの除去を行い、更にゲル分率を40%以上とすることは、目的物質である発泡体の平均気泡径が50〜150μmのポリプロピレン系樹脂発泡体を得ることに重要な役割をはたしてることがわかる。

0031

比較例3
電子線架橋法を採用し、未変性のエチレン/プロピレンランダムコポリマー(エチレン含有量4.0重量%)及び未変性の直鎖低密度ポリエチレンLLDPE)の混合物を用いた場合の結果を比較例3として前記実施例の結果を示す表1及び2に併せて示した。シリル変性ポリプロピレン系樹脂及び発泡剤を発泡剤の分解温度以下で加熱溶融混練し、溶融混練物中に存在したガスの除去を行い架橋法として水架橋法を用いた場合は電子線架橋による方法に比較して耐熱性及び外観において良好であることがわかる。

0032

実施例7
SiPP樹脂〔シリル変性エチレン/プロピレンブロックコポリマー(エチレン含有量12重量%)とSiPE〔シリル変性エチレン/酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量15重量%)〕を、重量比8対2の割合で混合した基材に、シラノール縮合媒体及び発泡剤を添加して、加熱温度を180℃に設定し、実施例1〜6と同様に加熱溶融混練処理を行った。この処理において、溶融混練物中に存在したガスを250mmHgの減圧下に真空ポンプにより押出機ベント口からできるかぎり排出し、2mm厚さのシート成形体として巻取を行った。シートの発泡度は1.012であった。次に120℃のスチーム中で2mmの厚さのシートを40分間恒湿恒温処理をほどこして水架橋を行った。シートを24kwパネルヒーターを有する予熱ゾーンで190℃に加熱し、次に36kwのヒーターを有する発泡工程で230℃の乾風の存在下に発泡処理を行った。前記基材に対して得られたシート状発泡体の特性は表3に示すとおりである。又、基材に対して得られた発泡体の評価は表3に示すとおりである。実施例において加熱溶融混練工程でのガス除去を行ったときにはいずれも良好な結果を得ていることがわかる。尚、表3中の発泡体の柔軟性の評価はスタンピングモールドを行ない、以下の基準に従った。
〔柔軟性〕
○:金型再現性もよく、発泡体を指で押圧した際の跳ね返りも良好である。
△:金型再現性は悪くないが、発泡体を指で押圧した際の跳ね返りが不十分である。
×:金型再現性が悪い。
なお、耐熱性は前記実施例1乃至6の場合の評価方法と同じである。

0033

実施例8〜10
SiPP樹脂と、SiPEとの混合比を、重量比で表3に示す通りとする基材を使用した以外は実施例7と同じ条件で処理をしてシート状発泡体を得た。この発泡体の各試験結果を表3にまとめて示した。

0034

実施例11
SiPP樹脂〔シリル変性エチレン/プロピレンブロックコポリマー(エチレン含有量12重量%)〕とエチレン/プロピレンゴム(プロピレン含有量27重量%)が重量比で8対2の割合の混合物を基材として実施例7と同じ条件により処理してシート状発泡体を得た。この発泡体の評価結果を同じく表3にまとめて示した。

0035

実施例12
SiPP樹脂〔シリル変性エチレン/プロピレンブロックコポリマー(エチレン含有量12重量%)〕とエチレン/酢酸ビニル重量体(酢酸ビニル含有量15重量%)が重量比で8対2の混合物を基材として、実施例7と同じ条件により処理してシート状発泡体を得た。この発泡体の評価結果を同じく表3にまとめて示した。

0036

実施例13
SiPP樹脂とエチレン/酢酸ビニル共重量体が重量比で7対3の混合物を基材とした以外は実施例12と同じ条件により処理してシート状発泡体を得た。この発泡体の評価結果を同じく表3にまとめて示した。

0037

0038

実施例7〜13の結果を比較すると以下のことがわかる。SiPP樹脂とSiPEの混合物を基材とする発泡体(実施例7〜10)では、SiPP樹脂を基材とする発泡体(実施例1〜6)及びSiPP樹脂とシリル基によって変性されていないゴム成分との樹脂混合物を基材とする発泡体(実施例11〜13)と比較すると、補正引張弾性率及び平均気泡径より発泡体のセルサイズを格別変化させることなく、柔軟性を向上させることができるものである。

発明の効果

0039

本発明により得られるSiPP樹脂を基材とする発泡体は、気泡が微細で、耐熱性、常温引張伸び、成形性の点で優れており、外観の表面も滑かなスキン層で光沢のあるものである。そして、前記SiPP樹脂にゴム成分を加えた混合物を基材とする発泡体は、柔軟性を向上できるものである。更に、前記SiPP樹脂にSiPEを加えた混合物を基材とする発泡体は、セルサイズが前記SiPP樹脂を基材とした発泡体の場合と比較してほとんど変化無く、耐熱性や外観を損なうことなく、柔軟性を向上できるものである。

図面の簡単な説明

0040

図1高温分解型発泡剤(アゾジカルボンアミド)の温度に対するガス発生量の関係を示す図である。

--

0041

A加熱分解型発泡剤の分解温度

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