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技術 アルカリに溶解するセルロースの製造法

出願人 日清紡ホールディングス株式会社
発明者 長谷川修横溝裕彦田所文彦竹西壮一郎
出願日 1995年11月2日 (25年1ヶ月経過) 出願番号 1995-308593
公開日 1997年5月13日 (23年7ヶ月経過) 公開番号 1997-124702
状態 未査定
技術分野 多糖類及びその誘導体
主要キーワード 非晶化処理 X線解析 微小繊維状 モーター回転数 セルロースII型 サスペンション中 微小繊維化 型測定器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年5月13日)のものです。
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課題

本発明は、有利かつ安全な工程で安全に製造でき、さらには工程による重合度低下の比較的少ない、アルカリ水溶液に可溶のセルロース製造法を提供することを目的とする。

解決手段

本発明は、セルロースの微小繊維化処理により、そのミクロフィブリル繊維径が1μm以下のものの数がミクロフィブリル全体数の95%以上である、アルカリ溶液溶解性を示すセルロースの製造法であって、より好ましくは、ミクロフィブリルの繊維径が500nm以下のものの数が90%以上であるセルロースの製造法である。さらに好ましくは、セルロースの微小繊維化処理が、砥石の回転によって、剪断力圧縮力等が加わるような湿式粉砕機で行われることを特徴とする該セルロースの製造法である。

概要

背景

セルロース溶媒に溶解する技術には様々なものがある。中でもビスコース法と呼ばれる、セルロースをセルロースザントゲン酸ソーダにした後にアルカリ液に溶解するものや、銅アンモニア法と呼ばれる、セルロースを酸化銅アンモニア溶液に溶解するものや、セルロースをN—メチルモルホリン—N—オキシドに溶解するものは、現在工業的に利用されており、その利用価値は高い。

しかしながら、前二者の方法では、凝固再生する段階において、環境的に好ましくないガス重金属を発生することが大きな問題であり、また、最後の方法では溶媒自体のコストや溶媒回収コストが大きな問題となっている。

一方、セルロースをアルカリ溶液に溶解させる技術も近年盛んに研究されている。

これらの多くは、重合度300〜400程度のセルロースをアルカリ水溶液に溶解するというものであり、そのようなセルロースを得るために、水素結合破壊する試薬でセルロースを前処理(特開昭60—42438)するものや、セルロースを一旦酸化銅アンモニア溶液に溶解し、これを再生してセルロースII型結晶のセルロースを得る(特開昭60—42401)ものや、セルロースに水素結合解離剤を加えたものを爆砕処理加圧水蒸気中で蒸煮したのち、瞬間的に大気圧中に噴出膨張させる処理)する(特開昭61—130353)ものや、重合度に制限を持つI型結晶型を持つセルロースを爆砕、あるいはエクストルーダー処理する(特開昭62—116601)ものや、セルロースを非晶化処理した後に爆砕処理を行う(特開昭62—236801)ものや、膨潤剤をセルロースに含浸処理した後に爆砕処理を行う(特開昭62—236802)ものや、セルロースを酵素で処理する(特開昭63—8401、特開昭63—35601)ものや、セルロースに尿素類ジチオカルボン酸類を添加する(特開昭63—8401、特開昭63—77951)ものが報告されている。

つまり、これらの方法は、セルロースに化学的な処理を行うか、機械的な処理を行うか、あるいはその2つを組み合わせたものであり、化学的な処理工程を行うものについては、その処理工程自体が煩雑になり、また、処理後にその化学物質残留してしまったり、その除去に手間取ったりするばかりでなく、その物質自体がセルロースの溶解特性に悪影響を及ぼすものもあり、コスト増にもつながり魅力ある有利な手法とは言えないのが実状であった。

また、機械的な処理に関しては、上記報告では爆砕処理やエクストルーダー処理が用いられている。

しかしながら、爆砕処理、エクストルーダー処理共に高温かつ高圧処理法であるために操作上の危険が伴い、また、エネルギーコストも高く、さらにはこの処理によりセルロースの重合度が必要以上に低下することも多く、これら爆砕処理、エクストルーダー処理は必ずしも工業的に有利な処理法であるとは言えなかった。

概要

本発明は、有利かつ安全な工程で安全に製造でき、さらには工程による重合度低下の比較的少ない、アルカリ水溶液に可溶のセルロースの製造法を提供することを目的とする。

本発明は、セルロースの微小繊維化処理により、そのミクロフィブリル繊維径が1μm以下のものの数がミクロフィブリル全体数の95%以上である、アルカリ溶液に溶解性を示すセルロースの製造法であって、より好ましくは、ミクロフィブリルの繊維径が500nm以下のものの数が90%以上であるセルロースの製造法である。さらに好ましくは、セルロースの微小繊維化処理が、砥石の回転によって、剪断力圧縮力等が加わるような湿式粉砕機で行われることを特徴とする該セルロースの製造法である。

目的

以上に鑑み、本発明は、有利かつ安全な工程で安全に製造でき、さらには工程による重合度低下の比較的少ない、アルカリ水溶液に可溶のセルロースの製造法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

セルロース微小繊維化処理により、そのミクロフィブリル繊維径が1μm以下のものが全体数の95%以上である、アルカリ溶液溶解性を示すセルロースの製造法

請求項2

ミクロフィブリルの繊維径が500nm以下のものが全体数の90%以上である、請求項1に記載のセルロースの製造法。

請求項3

セルロースの微小繊維化処理が、砥石の回転によって、剪断力圧縮力が加わる石臼湿式粉砕機で行われることを特徴とする請求項1又は2記載のセルロースの製造法。

技術分野

0001

本発明は、アルカリに溶解するセルロース製造法に関する。

背景技術

0002

セルロースを溶媒に溶解する技術には様々なものがある。中でもビスコース法と呼ばれる、セルロースをセルロースザントゲン酸ソーダにした後にアルカリ液に溶解するものや、銅アンモニア法と呼ばれる、セルロースを酸化銅アンモニア溶液に溶解するものや、セルロースをN—メチルモルホリン—N—オキシドに溶解するものは、現在工業的に利用されており、その利用価値は高い。

0003

しかしながら、前二者の方法では、凝固再生する段階において、環境的に好ましくないガス重金属を発生することが大きな問題であり、また、最後の方法では溶媒自体のコストや溶媒回収コストが大きな問題となっている。

0004

一方、セルロースをアルカリ溶液に溶解させる技術も近年盛んに研究されている。

0005

これらの多くは、重合度300〜400程度のセルロースをアルカリ水溶液に溶解するというものであり、そのようなセルロースを得るために、水素結合破壊する試薬でセルロースを前処理(特開昭60—42438)するものや、セルロースを一旦酸化銅アンモニア溶液に溶解し、これを再生してセルロースII型結晶のセルロースを得る(特開昭60—42401)ものや、セルロースに水素結合解離剤を加えたものを爆砕処理加圧水蒸気中で蒸煮したのち、瞬間的に大気圧中に噴出膨張させる処理)する(特開昭61—130353)ものや、重合度に制限を持つI型結晶型を持つセルロースを爆砕、あるいはエクストルーダー処理する(特開昭62—116601)ものや、セルロースを非晶化処理した後に爆砕処理を行う(特開昭62—236801)ものや、膨潤剤をセルロースに含浸処理した後に爆砕処理を行う(特開昭62—236802)ものや、セルロースを酵素で処理する(特開昭63—8401、特開昭63—35601)ものや、セルロースに尿素類ジチオカルボン酸類を添加する(特開昭63—8401、特開昭63—77951)ものが報告されている。

0006

つまり、これらの方法は、セルロースに化学的な処理を行うか、機械的な処理を行うか、あるいはその2つを組み合わせたものであり、化学的な処理工程を行うものについては、その処理工程自体が煩雑になり、また、処理後にその化学物質残留してしまったり、その除去に手間取ったりするばかりでなく、その物質自体がセルロースの溶解特性に悪影響を及ぼすものもあり、コスト増にもつながり魅力ある有利な手法とは言えないのが実状であった。

0007

また、機械的な処理に関しては、上記報告では爆砕処理やエクストルーダー処理が用いられている。

0008

しかしながら、爆砕処理、エクストルーダー処理共に高温かつ高圧処理法であるために操作上の危険が伴い、また、エネルギーコストも高く、さらにはこの処理によりセルロースの重合度が必要以上に低下することも多く、これら爆砕処理、エクストルーダー処理は必ずしも工業的に有利な処理法であるとは言えなかった。

発明が解決しようとする課題

0009

以上に鑑み、本発明は、有利かつ安全な工程で安全に製造でき、さらには工程による重合度低下の比較的少ない、アルカリ水溶液に可溶のセルロースの製造法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

かかる課題を解決するために、本発明者らは、アルカリ水溶液に可溶のセルロースの製造法について鋭意研究を行った結果、セルロースを微小繊維化することによりアルカリ水溶液に可溶のセルロースを製造できることを見出し、さらなる研究を行った結果、本発明を完成した。

0011

本発明は、セルロースの微小繊維化処理により、そのミクロフィブリル繊維径が1μm以下のものの数がミクロフィブリル全体数の95%以上である、アルカリ溶液に溶解性を示すセルロースの製造法であって、より好ましくは、ミクロフィブリルの繊維径が500nm以下のものの数が90%以上であるセルロースの製造法である。

0012

さらに好ましくは、セルロースの微小繊維化処理が、砥石の回転によって、剪断力圧縮力等が加わるような湿式粉砕機で行われることを特徴とする該セルロースの製造法であり、中でも好ましいのは、該湿式粉砕機が、増幸産業株式会社製スーパーグラインデルであることを特徴とする該セルロースの製造法である。

0013

本発明によるアルカリ可溶性を示すセルロースは、従来の方法に比べて、非常に簡単でかつ安全な工程で製造することができ、製造工程による重合度の低下が比較的少ないことを特徴とするものである。

0014

ここで言うセルロースの微小繊維化処理とは、湿式粉砕等の方法によって機械的な剪断力などをセルロースに及ぼし、セルロースが保持しているフィブリル結束を破壊してやることにより、セルロースをミクロフィブリルの次元まで微細化する処理のことである。

0015

ミクロフィブリルの大きさは、出発原料のセルロースに何を使うかにもより一概には言えない(例えば、Cellulose Communications,Vol.1,6(1994))が、ここでは概ね繊維径が2μm以下で、繊維長が1mm以下のものを指す。

0016

セルロースの微小繊維化処理は既によく知られており、例えば、ビーターコニカルファイナー、シングルディスクリファイナーダブルディスクリファイナー等の各種叩解機を用いる方法、高圧下でオリフィスを通過させる方法、インペラーミルを用いる方法、サンドミルを用いる方法、コロイドミルを用いる方法等が行われている。

0017

しかしながらこれらの処理はいずれも比表面積の増大、表面活性の増大、良好なコロイド分散性等を目的に行われるものであり、実用に十分耐えうる重合度を持つ微小繊維化セルロースのアルカリ可溶性については見出されておらず、従って、そのような目的に微小繊維化セルロースが用いられた例も見出すことができなかった。

0018

爆砕処理は、例えば特開昭60—173001号公報に示されているが、セルロース非晶部の結晶化促進、分子間水素結合の再生が促進されることも多く、本発明に用いられる微小繊維化処理がセルロースのフィブリルの結束を破壊してミクロフィブリルを得る処理であることを考えると、爆砕処理は微小繊維化処理とは異なる処理であり、本発明の目的には適さない。

0019

また、エクストルーダー処理では、セルロースを微小繊維状にまで微細化することは難しく、従って本発明の微小繊維化処理には適さない。

0020

本発明に使用するセルロースは、特に制限はなく、コットンリントコットンリンター針葉樹セルロ—ス、広葉樹セルロース、靭皮セルロース、セルロース、再生セルロース等、そしてそれらの混合物が用いられる。また、これらセルロースをあらかじめ各種処理したものを用いても構わない。レーヨン製造用に各種処理されたセルロースパルプが特に好ましい。

0021

ここで言う各種処理とは、加熱処理冷却処理精製処理、非晶化処理、膨潤化処理、重合度低下処理、誘導体化処理、架橋処理、結晶型転換処理、溶解再生処理粉砕処理造粒処理等、あらゆる化学的、機械的処理を意味する。

0022

使用するセルロースの重合度についても本発明では特に制限がないが、本発明のセルロースの溶液凝固再生して用いる目的のためには、その機械的強度等を考慮すれば重合度100程度以上のものが好ましい。

0023

また、重合度の上限に関しては、重合度が900程度以下であることが好ましい。重合度が900程度以上であると、本発明のセルロースは、アルカリ溶液に溶解することが難しくなる場合があり、また、溶解物は数%の濃度でも非常に高粘度になるため取り扱いが難しくなる傾向がある。

0024

重合度の測定は、信頼できる手法であれば何れの方法を使用してもよいが、例えばJIS P—8101の王研式相対粘度測定法で行う。

0025

使用するセルロースの結晶型や結晶化度についても本発明は特に制限はない。結晶型がI型であっても、II型であっても、III型であっても、IV型であっても、また、それらの混合であっても本発明の実施には何ら支障はなく、また、結晶化度についても、結晶化度の低いセルロースの方が比較的溶解しやすい傾向は見られるものの、特に制限はない。

0026

結晶型は、例えば理学電機RINT1200型X線解析装置のような測定器を用い、CuKα線広角測定を行ったチャートピークより、それぞれの結晶型で出現するピークと比較して決定する。

0027

また、結晶化度は、このチャートから常法により(例えば、繊維・高分子測定法の技術、繊維学会編、書店結晶部分の寄与による面積を、結晶部分と非晶部分の寄与による面積で除することによって得られる。

0028

本発明で用いられる微小繊維化処理では、上記セルロースはそのミクロフィブリルの繊維径が1μm以下のものがミクロフィブリル全体数の95%以上となるように粉砕され、さらには繊維径が500nm以下のものがミクロフィブリル全体数の90%以上となるように粉砕されることが好ましい。繊維径が1μm以下のものの数が95%未満であるとアルカリ水溶液への溶解が十分でない場合が見られる。

0029

ミクロフィブリルの繊維長は限定的ではなく、原料セルロース、そしてその後の処理等により様々であるが、一般的には平均繊維長が0.8mm以下のものが本発明では用いられる。

0030

微小繊維化処理後のセルロースの繊維径の測定は次のように行う。微小繊維化処理後のセルロースをtert—ブチルアルコールにて十分に洗浄し、セルロース濃度が十分小さく(0.1wt%以下)なるように該アルコール希釈した後に、この溶液を均一に懸濁し凍結乾燥する。

0031

この凍結乾燥物走査型電子顕微鏡にて観察し、視野中に存在する無作為に選んだセルロース繊維100本のうち繊維径が1μm以下のものの数Aとそれ以外のものの数Bを数える。さらに詳細に調べる場合には、繊維径が500nm以下のものの数Cも数える。

0032

観察場所を任意に数カ所選び、測定誤差を防ぐようにする。このようにして得られたデーターより以下の値を得る。

0033

0034

0035

また、微小繊維化処理後のセルロースの繊維長の測定はKAJAANI社製FS—200型測定器で測定を行い、一定のパルプサスペンション中に存在する繊維の平均繊維長を算出する。

0036

微小繊維化処理を行う装置については、上記特性を満たす微小繊維化セルロースが得られるものであれば特に限定的ではなく、例示した装置や、その組み合わせ等を適宜用いればよいが、本発明では、セルロースの微小繊維化が、砥石の回転によって、剪断力、圧縮力等が加わるような湿式粉砕機で行われれば好ましい結果が得られる。

0037

さらに、該湿式粉砕機が、下記石臼型湿式粉砕機(たとえば、増幸産業株式会社製スーパーグラインデル)であれば、より好ましい結果が得られた。

0038

粉砕機原理は次の通りである。すなわち、溝を彫った2枚の砥石のうち1枚は固定され、もう1枚の砥石が所定の間隔をもって回転するもので、該粉砕機の中で原料セルロース繊維遠心力により移動し、その移動の過程で繊維の長軸に垂直な方向で剪断力や圧縮力等が加わるというものである。

0039

また、この石臼型の粉砕機は、高温高圧での運転条件を必要としないため、製造工程も安全でかつエネルギーコスト的にも有利である。

0040

この石臼型粉砕機の運転条件としては、モーター回転数は、100〜3000rpmが通常用いられ、また、2枚の砥石の間隔は、原料セルロ—スにもよるが、1000〜10μmが通常用いられる。

0041

アルカリ水溶液に溶解しやすいセルロースを製造するためには2枚の砥石の間隔は狭い方がよく、好ましくは200〜10μmである。この粉砕処理を繰り返し行うことにより、より均一でアルカリに溶解しやすいセルロースが得られる。

0042

このとき、繰り返し粉砕するに従って砥石の間隔を狭めていき、最終的に設定した砥石の間隔で数回粉砕するとよい。

0043

粉砕に要する時間は、原料セルロースの量、分散媒の量、そして砥石の回転数や間隔により様々であるが、例えば、アラスカパルプ300gに水8700gを加え、砥石の回転数を1500rpm、砥石の間隔を200μmに設定して粉砕を行うと、粉砕に要する時間は数分であった。

0044

また、粉砕処理の回数も、原料セルロースや砥石の間隔等によって様々であるが、例えば、砥石の間隔を最終的に50μmに設定して粉砕する場合は、50μmの間隔で3回程度以上繰り返し粉砕処理を行うことにより、より均一でアルカリに溶解しやすいセルロースが得られる。

0045

また、粉砕に供するセルロースは分散液とし、その濃度は50〜0.1wt%、好ましくは10〜1wt%である。該セルロース分散媒は、好んで水が使われるが、必要に応じて有機酸無機酸、有機アルカリ無機アルカリ有機塩無機塩、あるいは有機溶媒等を加えてもよい。

0046

該粉砕機を用いてセルロースを微小繊維化しても、重合度の低下は比較的少なく、例えば、原料セルロースとして粘度平均重合度790の溶解用アラスカパルプを用いて、砥石の間隔を50μmに設定し、10回粉砕を行った後の微小繊維化物の粘度平均重合度は725であった。

0047

微小繊維化処理したアルカリ水溶液可溶のセルロースは、通常ペーストあるいはスラリー状で得られる。この微小繊維化セルロースペーストあるいはスラリーは必要に応じて濃縮、希釈、あるいは乾燥される。

0048

該セルロースペースト、スラリーの濃度はKett水分率計FD—620を用いて120℃で30分間加熱乾燥を行い、得られた固形分率を濃度とする。

0049

濃縮は、遠心分離機遠心脱水機エバポレーター等が使用される。乾燥は、セルロース分子鎖内、分子鎖間の水素結合が、セルロースのアルカリ可溶性を達成できなくするほどに促進されてはならない。このため、乾燥する場合には凍結乾燥が好ましく用いられる。

0050

このようにして得られた微小繊維化セルロースペーストあるいはスラリーは、アルカリ水溶液中で可溶化される。この場合、アルカリ水溶液とは、NaOH,LiOH,KOH,CsOH等アルカリ金属水酸化物水溶液のことであり、特に、NaOH,LiOHが好んで用いられる。

0051

これらアルカリ水溶液の濃度は15wt%以下で用いられ、特にNaOHの場合には7wt%〜10wt%が好ましく、LiOHの場合には5wt%〜7wt%が好ましい。可溶化の温度は15℃以下、さらに好ましくは5℃以下であり、凝固点以上である。

0052

アルカリ水溶液の濃度が5wt%未満あるいは15wt%超であるとき、温度が凝固点未満あるいは15℃超のとき、微小繊維セルロースペースト、スラリーは十分に可溶化されない。

0053

セルロースの濃度に関しては、本発明のセルロースの重合度が700程度であれば、6wt%程度まで溶解することができ、重合度が小さいものであれば、さらに高濃度で溶解することができる。

0054

本発明における溶解度は次のように測定した。すなわち、各種条件で作成したセルロースのアルカリ溶液を、日立SCR—20B型遠心分離機にて、0℃、19000rpmにて1時間遠心を行う。

0055

得られた遠心物中に沈殿物が認められる場合には、上清部分を捨て、沈殿部分を蒸留水で何度か洗浄してアルカリを十分除去した後に、その部分の乾燥重量X(g)を求め、仕込んだセルロース重量Y(g)から次式で溶解度を求めた。

0056

また、遠心物中に沈殿物が認められず、ゲル化もしていない場合には溶解度は100%とした。

0057

0058

また、分子状に溶解しているかどうかを確認するために、各種条件で作製したアルカリ溶液を偏光顕微鏡PL板を直交させて観察を行った。

0059

以下実施例により本発明を説明する。

0060

アラスカパルプ(重合度790、結晶化度50%、結晶型I型)300gに8700gの水を加え、撹拌して、セルロース分散液とした。これを増幸産業株式会社製スーパーグラインデルにて、第1表に示す条件で粉砕を行った。

0061

砥石の間隔は、最初は500μmに設定し、繰り返し粉砕するに従い砥石の間隔をせばめ、最終的に粉砕した間隔とその回数を第1表に示した。

0062

この粉砕により、実施例1〜3ではセルロースはパルプ状から均一なペースト状へと変化し、比較例1の条件では、やや不均一な部分が見られるペーストが得られた。

0063

得られたセルロースペーストの重合度、結晶化度、繊維径を第1表に示した。これらペーストを遠心脱水機で濃縮し、セルロース濃度を10wt%とした。これらはほとんど流動性を示さない固形状物であった。

0064

この固形状物100gを氷浴上で冷却し、水84gにNaOH16gを溶解して同じく氷浴上で冷却していたものと混ぜた。これら溶液の溶解度を同じく第1表に示した。

0065

実施例1〜3の条件では、溶解度は95%以上であったが、比較例1では溶解度は10%以下であった。偏光顕微鏡による観察でも実施例1〜3の条件のものはほとんど暗視野となり分子状に溶解していた。

0066

実施例1で得たセルロースペーストを凍結乾燥した。この凍結乾燥物10gに水90gを加え氷浴上で混合しておき、別に水64gにNaOH16gを溶解し氷浴上で冷却していたものと混ぜ、均一の溶液を得た。この溶液の溶解度95%以上であった。

0067

実施例1で得たセルロース固形状物100gを氷浴上で冷却し、水88gにLiOH12gを溶解し、同じく氷浴上で冷却していたものと混ぜ、均一の溶液を得た。この溶液の溶解度は95%以上であった。偏光顕微鏡観察でも、暗視野しか見えなかった。

0068

レーヨン製造に用いるアルカリセルロース中和、洗浄、乾燥して得たセルロース(重合度300、結晶型II型)300gに7200gの水を加えた。これを増幸産業株式会社製スーパーグラインデルにて粉砕を行った。

0069

モーター回転数は1800rpmで、砥石の間隔は、最初は200μmに設定し、繰り返し粉砕するに従い砥石の間隔をせばめ、最終的に40μmで4回粉砕した。その間にセルロースはパルプ状から均一なペースト状へと変化した。得られたセルロースペーストの重合度は280で、結晶型はII型であった。

0070

このペーストの微小繊維の繊維径を調べたところ、1μm以下のものが100%で、500nm以下のものは95%以上であった。

0071

このペーストをエバポレーターで濃縮し、セルロース濃度を12wt%とし、固形状物を得た。

0072

この固形状物100gを氷浴上で冷却し、水84gにNaOH16gを溶解して同じく氷浴上で冷却していたものと混ぜ、均一の溶液を得た。この溶液の溶解度は90%以上であった。

0073

広葉樹パルプ(日本製紙製DPTT)400gを液体アンモニアに浸漬させ、その後アンモニア蒸発させることによってIII型結晶を持つセルロースを得た。

0074

これと、未処理の該パルプをそれぞれ300gずつ取り、それぞれ8700gの水を加え、撹拌して、セルロース分散液とした。これを実施例1と同じ方法で粉砕した。その間にセルロースはバルプ状から均一なペースト状へと変化した。

0075

得られたセルロースペーストの結晶型はそれぞれIII型とI型であった。このペ−ストの微小繊維の繊維径を調べたところ、どちらもlμm以下のものが100%で、500nm以下のものは共に95%以上であった。

0076

このペーストをそれぞれ遠心脱水機で濃縮し、セルロース濃度を8wt%とした。

0077

この固形状物100gをそれぞれ氷浴上で冷却し、水84gにNaOH16gを溶解して同じく氷浴上で冷却していたものと混ぜ、均一の溶液を得た。これら溶液の溶解度は90%以上であった。

0078

発明の効果

0079

本発明のアルカリに溶解するセルロースの製造法は、従来の方法に比べ簡単な方法で、さらには安全に製造することができ、また、工程による重合度低下も比較的少ないため、凝固再生物を得る目的等の工業的な利用に大きな意義をもっている。

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