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技術 磁気ディスクの製造方法及び製造装置

出願人 株式会社日立製作所
発明者 中村孝雄白倉高明
出願日 1988年9月7日 (32年3ヶ月経過) 出願番号 1996-231651
公開日 1997年5月6日 (23年7ヶ月経過) 公開番号 1997-120528
状態 拒絶査定
技術分野 仕上研磨、刃砥ぎ、特定研削機構による研削 磁気記録媒体の製造
主要キーワード 往復移動台 方向うねり 円板表面 切断曲線 表面加工法 加圧用モータ ストレーンゲージ 下地体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

目的

磁気ヘッドヘッドクラッシュ要因CSS特性ヘッド粘着などの摺動特性に配慮し、最適な表面性状を形成するテクスチャー加工した下地板を用い、ヘッド浮上特性に優れ、高信頼度磁気ディスク及びその製造方法を提供する。

構成

磁気ディスク用基板上に多数の均一な微細溝微細突部を、ダイヤモンドバイト微細砥粒等の切削工具により形成することにより達成される。

概要

背景

従来、薄膜磁気ディスク基板微細溝を形成した(以下、この微細溝を形成する表面加工テクスチャー加工と呼ぶ)下地体については、特開昭62−219227号に記載のように、下地体の表面凹凸が、最大面粗さ0.02〜0.1μmであり、この下地体1の上に、図10に示すように非磁性金属層31、磁性薄膜媒体32を形成した結果、上記最大面粗さの範囲で磁性薄膜体の保持力が500Oe以上となり非磁性金属膜クロム膜)を薄くできるので生産性が向上した。また、コンタクトスタートストップテストの結果として2万回にてディスク表面に傷が見られなかったが、最大面粗さが0.1μm以上になるとヘッドクラッシュが生じやすく、テクスチャーを施さない場合にはコンタクト・スタート・ストップが5000回を過ぎると傷が生じ、ヘッドクラッシュを起したことが述べられている。

ここで、従来のテクスチャー加工は、一例として特開昭54−23294号に記載のように図12に示すような方法、また円板加工装置がある。図において、2は、円板に係る下地基板であり、この円板の半径方向に、この円板を挾むようにして一対のコンタクトローラ8(いずれもゴム質等の弾性体)の中心軸を配設し、これらコンタクトローラ8と円板2との間に、上下方向に走行する研磨テープ4を介在させる。そして、コンタクトローラを押圧し、円板を回転させると同時に、コンタクトローラ8を円板2の半径方向に往復摺動させることにより、円板の両面を同時に加工する方法である。このテクスチャー加工によれば、研磨テープによって、研磨むらなどのない微細溝を形成する事ができるが、この形状に伴って、溝の肩部に不安定な盛り上がりを生じ、この盛り上がりが微細突部として表面に残る問題があった。

概要

磁気ヘッドのヘッドクラッシュ要因CSS特性ヘッド粘着などの摺動特性に配慮し、最適な表面性状を形成するテクスチャー加工した下地板を用い、ヘッド浮上特性に優れ、高信頼度磁気ディスク及びその製造方法を提供する。

磁気ディスク用基板上に多数の均一な微細溝、微細突部を、ダイヤモンドバイト微細砥粒等の切削工具により形成することにより達成される。

目的

本発明の目的は、ヘッドクラッシュ要因、CSS特性、ヘッド粘着などの摺動特性に配慮し、最適な表面性状を形成するテクスチャー加工したNi−Pめっき等の下地基板を用い、ヘッド浮上特性に優れ、かつ高信頼度の磁気ディスクおよびその製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

表面の断面曲線アボット負荷曲線が、断面形状の頂部から5nmの深さでの切断長さ比が0.1%〜10%であることを特徴とする磁気ディスク

請求項2

被加工物である円板の両面へ同時に、第1の研磨テープを所定の加工力(第1の加圧力)で抑圧し、この研磨テープを前記円板の円周方向へ走行させるとともに半径方向へ摺動させながら往復動させ、加工液を供給しながら、前記円板を前記第1の研磨テープとの相対速度が所定値(第1の相対速度)になるように回転させることによって前記円板を加工したのち、該円板を洗浄し、つぎに、該円板の両面へ同時に前記第1の研磨テープよりも砥粒径の小さい第2の研磨テープを、前記第1の加圧力よりも小さい第2の加圧力で押圧し、この研磨テープを前記円板の円周方向へ走行させるとともに、半径方向へ揺動させながら往復動させ、加工液を供給しながら、前記円板を、前記第2の研磨テープとの相対速度が前記第1の相対速度よりも大きい第2の相対速度になるように回転させることにより前記円板を加工したのち、該円板を洗浄するようにしたことを特徴とするディスク製造方法

技術分野

0001

本発明は薄膜磁気ディスク表面性状に係り、特に薄膜磁気ディスクのヘッド浮上特性や、CCS特性、ヘッド粘着などの耐摺動特性に対して好適な表面性状の磁気ディスクおよびその製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、薄膜磁気ディスク用基板微細溝を形成した(以下、この微細溝を形成する表面加工テクスチャー加工と呼ぶ)下地体については、特開昭62−219227号に記載のように、下地体の表面凹凸が、最大面粗さ0.02〜0.1μmであり、この下地体1の上に、図10に示すように非磁性金属層31、磁性薄膜媒体32を形成した結果、上記最大面粗さの範囲で磁性薄膜体の保持力が500Oe以上となり非磁性金属膜クロム膜)を薄くできるので生産性が向上した。また、コンタクトスタートストップテストの結果として2万回にてディスク表面に傷が見られなかったが、最大面粗さが0.1μm以上になるとヘッドクラッシュが生じやすく、テクスチャーを施さない場合にはコンタクト・スタート・ストップが5000回を過ぎると傷が生じ、ヘッドクラッシュを起したことが述べられている。

0003

ここで、従来のテクスチャー加工は、一例として特開昭54−23294号に記載のように図12に示すような方法、また円板加工装置がある。図において、2は、円板に係る下地基板であり、この円板の半径方向に、この円板を挾むようにして一対のコンタクトローラ8(いずれもゴム質等の弾性体)の中心軸を配設し、これらコンタクトローラ8と円板2との間に、上下方向に走行する研磨テープ4を介在させる。そして、コンタクトローラを押圧し、円板を回転させると同時に、コンタクトローラ8を円板2の半径方向に往復摺動させることにより、円板の両面を同時に加工する方法である。このテクスチャー加工によれば、研磨テープによって、研磨むらなどのない微細溝を形成する事ができるが、この形状に伴って、溝の肩部に不安定な盛り上がりを生じ、この盛り上がりが微細突部として表面に残る問題があった。

発明が解決しようとする課題

0004

従来技術は、下地体の表面に最大面粗さ0.02μm〜0.1μmの凹凸を形成(テクスチャー加工)することによって、非磁性金属層(クロム膜)の厚さを薄くしても、磁性薄膜媒体(Co−Ni)の保持力は500Oe以上であり、また、2万回のコンタクト・スタート・ストップ特性を満足し、ヘッドクラッシュを生じないと述べられている。しかしながら、従来技術では、最大面粗さのみを規定しているだけでアルミニウム合金陽極酸化アルミニウム、あるいはNi−Pめっき等の被覆した下地基板面に、微細溝を形成するテクスチャー加工を施すと溝の肩部に微細な突起が生じ、この微細な突起のために、ヘッドが狭い浮上隙間、例えばヘッド浮上隙間0.2μmで浮上試験をした場合、ヘッドと微細突起とが間欠適に接触し、ヘッド浮上安定性を損ないヘッドクラッシュが生じる点、またCSS試験によるディスク最表面がヘッドの摺動により変化し、この変化によってディスク表面が平滑化し、ヘッドに及ぼす水平抵抗力が増大しヘッドクラッシュが生じる点等から、テクスチャー加工による微細突部の規定が重要であり、ただ単に最大面粗さの規定では円板CSSやヘッドクラッシュを説明することができず、最大面粗さよりも平均面からの突部の形状や頻度が重要であることに対して配置がなされておらず、ヘッドクラッシュやCSS特性を改善すべき下地基板の表面凹凸形状について最も重要な提示がない問題があった。

0005

ここで、微細突部とは、図29に示すように、円板の近似的に円周方向、あるいは螺旋状に形成したテクスチャー加工面に対して、円板の半径方向に測定した表面粗さ曲線について、その粗さ曲線の中心線から凸方向、即ち微細な高さの個々の山を示す。また、微細突部の高さは、個々の頂部と中心線との距離を表す。

0006

本発明の目的は、ヘッドクラッシュ要因、CSS特性、ヘッド粘着などの摺動特性に配慮し、最適な表面性状を形成するテクスチャー加工したNi−Pめっき等の下地基板を用い、ヘッド浮上特性に優れ、かつ高信頼度の磁気ディスクおよびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的は、磁気ディスク用基板、例えば、アルミニウム合金や陽極酸化アルミニウム、Ni−Pめっき等を被覆したアルミニウム合金、またガラスプラスチック等の基板上に、多数の均一な微細溝、微細突部を形成することを特徴とする。

0008

これらの微細溝、微細突部は、上記基板面にダイヤモンドバイト微細砥粒等の切削工具により微細溝を形成することによって、溝部の肩部には、図11に示すような盛り上がり部36が形成される。これらの微細突部の盛り上がり高さは、溝37の深さや大きさによって設定され、微細溝の頻度は、微細砥粒の密度工具送り等の加工条件により設定される。

0009

ここで、磁気ディスクの表面性状として必須な要点は、ヘッドクラッシュを生じないで、かつ電気特性、CSS特性、ヘッド粘着等の磁気ディスクの諸特性を満足することである。磁気ディスクは高密度化を達成するためヘッド浮上隙間が狭くなるのでヘッドとディスクとの衝突を回避するためディスク表面は超平滑面が要求される。一方、プロセス時間を短縮する必要から、ヘッドとディスクと停止時に接触し、円板回転とともに浮上する。いわゆるコンタクト・スタート・ストップ(以下にCSSと略記する)を行う。このため、ディスク表面が平滑面すなわち表面粗さが非常に小さい場合には、停止時にヘッドとディスクとはディスク面上の潤滑剤あるいは雰囲気の水分によりヘッド粘着を生じ、円板回転時にヘッド支持のジンバルアームの破損また回転駆動不能となる問題があった。図13図14に、発明者らにより実験した結果を示す。研磨テープを用い下地基板上に形成したテクスチャー加工(詳細は後で説明する)による微細突部の高さ、存在密度とヘッド浮上特性、ヘッド粘着力との関係を示す。この結果から、ヘッド浮上特性およびヘッド粘着力との2つの特性を満足する表面性状の最適な範囲が存在することがわかる。

0010

さらに、上記の表面性状とCSS特性との関係について、図を用いて説明する。

0011

図27は、微細な砥粒を用いて下地基板にテクスチャー加工を施した表面の断面形状を表し、微細突部が、ばらつきをもって存在している。

0012

ここで、テクスチャー加工した表面の断面形状の測定法について説明する。この断面形状は、表面粗さ計タリテップランクテーラーホブソン社製)を用い、この触針形状が0.1μm×2.5μmのスタイラスを使用して、下地基板の半径方向に測定した曲線である。また、この断面形状のアボットベアリングカーブピークカウント分布曲線はタリステップからの出力信号をA/D変換し、コンピュータ処理によりサンプリング間隔を40nmとして求めた。

0013

この断面形状のアボットの負荷曲線は、図28に示すように、切断長さ比が小さい範囲、すなわち図28のA部の範囲で、負荷曲線の勾配が大きい。この図27のような表面上を磁気ヘッドがCSSを繰り返すと、微細突部はヘッドスライダー面との接触が少なく、このため面圧W/S(W:ヘッド荷重、S:ヘッドスライダーとディスク表面との真実接触面積)が大きくなるので、減耗あるいは変形が激しく生じ、微細突部を形成した下地基板上に成膜した厚さ数十nmの磁性媒体や保護膜が、多大なダメージを受ける。一方、CSSによる微細突部の減耗あるいは変形は、微細突部の降伏強さをσとすると、σ<W/Sの状態では、激しく生じ、またσ≧W/Sとなる状態で少なくなる。そこで、CSSによって微細突部が減耗し、あるいは変形することによって、真実接触面積が増大し、前記のσ≧W/Sを満足する真実接触面積Sになり、このとき、既に磁性媒体や保護膜が損なわれずに形成されていれば、微細突部の減耗や変形はほとんど無くなり、安定した表面になる。したがって、図27に示す断面形状の下地基板を、さらに表面加工し、図28に示すような微細突部を平滑化した、モデル的台形の形状に形成し、ヘッドスライダーとディスク表面との真実接触面積を大きくし、初期状態でσ≧W/Sとなる真実接触面積の表面形状にすれば、微細突部の面圧が小さくなるので、CSSにより微細突部の減耗や変形はほとんど無くなり、磁気ディスクとして安定した高信頼度の表面を得ることになる。この図28に示す断面形状のアボットの負荷曲線は、図28のようになり、図28のA部に示すごとく、極表面での負荷曲線の勾配が非常に小さくなっていることがわかる。

0014

本発明者らの実験では、図27に示すような断面形状の表面を有する従来のテクスチャー加工面について、一例としてアボットの負荷曲線は、断面曲線の頂部から5nm〜10nm、即ち切断高さ5nm〜10nmでの切断長さ比が0.1%以下であり、このような下地基板を用いた磁気ディスクでは、CSS回数2000回以下でヘッドクラッシュを生じた。また、本発明のテクスチャー加工を2段階にわけて加工した。図28に示すような表面、すなわち、切断高さ5nm〜10nmでの切断長さ比が0.1〜10%であるアボットの負荷曲線の表面を有する下地基板を用いた磁気ディスクでは、CSS回数が20000回以上で磁気媒体および保護膜ともそれぞれの機能を維持し、安定した表面状態を保っていた。

0015

さらに、CSSによる磁気ディスク表面の詳細な変形をしらべた。発明者らの実験では、テクスチャー加工した基板に対して、コンタクト・スタート・ストップCSS試験を行った基板表面では、図15に示すCSS試験したディスク表面のSEM観察から測定した表面形状、また図16に示すディスク表面のアボット負荷曲線詳細説明は後述する)から、初期状態の微細突部の頂部は磁気ヘッドの摺動の繰り返しによって平滑化され、またこの際のヘッドとディスクとの接触する微細突部の数が増大することがわかった。例えば、CSS回数が2万回での表面の変化は、図15(b)のA部に示すように磁気ヘッドのスライダ面との接触によって初期状態の頂部から高さ5〜10nm微細突部が変化し、また図17に示すこの時のディスク表面のピークカウント分布曲線から微細突部が初期状態の頂部から5〜10nm変化すると、磁気ヘッドと接触する微細突部の数は数千個/mm2〜数十万個/mm2になっていた。すなわち微細突部の数の高さが数十nm以上であると、磁気ヘッドの浮上特性劣化させ、ヘッドクラッシュを生じる要因となり、また微細突部が数十nm以下であっても、存在密度が少ない場合、CSS試験のヘッド摺動時でのヘッド荷重を支持する基板面、すなわち微細突部の数が少なくCSS回数とともに即時に平滑化され、ヘッド接線力が増大することによりヘッドクラッシュを生じやすくなる。

0016

また、微細突部の数が少ないと、ヘッド荷重を受ける微細突部の面圧が大きくなるので微細突部が減少もしくは減耗しやすく、基板表面に形成された数nmの潤滑剤層保護膜層が損傷等を受けやすくなり、また微細密度が数十万個/mm2以上で存在密度が大きい場合、磁気ヘッドによる基板上の微細突部の変化は少ないが、接触面積が大きくなるため潤滑剤や雰囲気の水分の影響でヘッド粘着が生じ易く、またCSS時の磁気ヘッドの摺動抵抗が増大し、磁気ヘッドのジンバルやアームの破壊ディスク回転の困難などの問題を生じた。

0017

ここで、アボットの負荷曲線について、詳細に説明する。このアボットの負荷曲線は、ABBOTT−FIRESTONE(OR BEARING RATIO)CURVEと呼ばれ、一般に軸受等の摺動特性を評価するために用いられている。このアボットの負荷曲線は図30に示すように、表面の断面曲線(あるいは表面粗さ曲線)の基準長さEに対して、断面曲線の頂部から一定間隔に断面曲線を切断し、この切断線による断面曲線のそれぞれの切断長さの合計を基準長さEで割った値を百分率で切断線毎に表した曲線を示す。断面曲線の頂部においては、切断線による切断長さは小さく、切断長さ比が小さい。すなわち、この表面上に摺動体があると、摺動の初期では切断曲線の頂部のみで摺動体を支持するので受圧面積が小さく、面圧が大きくなるので、摺動体により頂部は摩擦摺動し、減耗や変形が生じやすい。したがって、摺動曲線の頂部の切断長さ比が大きな表面、すなわちアボットの負荷曲線において、切断長さ比が小さい範囲で、負荷曲線の勾配が小さい表面形状を現す表面では、受圧面積が初期状態で大きく、摺動体を支持するそれぞれの微細突部の面圧が小さくなるので、耐摺動特性が良くなる。このように、アボットの負荷曲線は、摺動体に対する摺動される表面の断面曲線について、負荷能力を表す評価方法の一つである。

0018

したがって、テクスチャー加工した基板の表面性状は、ヘッドの浮上特性やヘッド荷重、ヘッド摺動による摩擦摩耗による表面変化を考慮し、上述の結果から、微細突部の高さは数nm〜数十nmとし、微細突部の頻度を数千個/mm2〜数十万個/mm2とした均一な微小突部を形成した表面が望ましい。この観点から、磁気ディスク用基板に対して最適な表面は、図6に示すように、基板表面に疑似的に円周方向の微細溝を形成し、すなわちテクスチャー加工した基板面の断面形状で、微細突部の高さが数nm〜数十nmでかつ均一であり、基板面上の存在密度が数千個/mm2〜数十万個/mm2である。

0019

このような表面性状の基板を得る方法として、種々の方法があるが、一つの方法として、例えば、特開昭54−23294号に記してある研磨テープのような固定砥粒を用い、図1に示すように、予め鏡面加工した基板に対して、加工ヘッドを基板の半径方向に往復摺動させ、疑似的に円周状の微細溝を形成する加工法を適用し、溝肩部に生じた微細な盛り上がりを数nmから数十nmに制御する。さらに、上記研磨テープより微細な砥粒の研磨テープで、軽荷重かつ基板を高速回転させることにより、前記の微細突部の高さを均一化させる加工を行う。微細突部の頻度は研磨テープの粒度を変え、また作用砥粒数を制御することによって任意に変えることができる。

0020

磁気ディスク基板上に形成された微細突部の高さが数nm〜数十nm、存在密度が数千個/mm2〜数十万個/mm2の均一な多数の微細突部は、磁気ヘッドがCSS時にヘッドのスライダー面と接触し、ヘッド荷重を受ける。また、磁気ディスク表面上に塗布された潤滑膜を保持すると同時に、磁気ヘッドとの粘着を防止する作用がある。さらに、多数の微細突部がヘッドスライダー面に接するので、個々の微細突部の面圧が小さくなるため、CSSを繰り返すことによる微細突部の変化、すなわち変形や減耗が少なく、初期状態の表面性状を維持する。さらに、微細突部の高さは数nm〜数十nmであり、磁気ヘッドの浮上隙間(定常状態での磁気ヘッドと磁気ディスク表面との隙間)150〜250nmに対して非常に小さく、磁気ディスクの組立精度回転精度や磁気ヘッドの浮上変動を考慮しても充分に余裕を以て磁気ヘッドは浮上し、磁気ヘッドの衝突によるヘッドクラッシュは生じない。

0021

したがって、磁気ディスクの表面に成膜された厚さ数nmの保護膜や潤滑膜の減耗や損傷はほとんどなく、ヘッド粘着も発生せず、CSSの繰り返しによるヘッド接線力の増加もなく、ヘッド浮上特性、耐摺動特性に対する信頼性の高い磁気ディスクを得ることができる。

0022

本発明の一実施例を図にしたがって説明する。本発明は、厚さ10μmのNi−Pめっきを施し、表面粗さ2〜3nmRa以下に平滑研磨した後、研磨テープによって溝形状が図18(表面粗さ計タリステップを用い、触針形状0.1×2.5μmにより溝に対して直角方向に測定した断面形状)に示すように、微細溝の肩部に生じた微細突部の高さが数nmから数十nmと均一で、存在密度が2000〜3000個/mm2に形成した内径40mm外径130mmのAl円板である。この基板上に図9に示すような厚さ約500nmのCr系の非磁性金属膜31および厚さ約60nmのCo−Ni系磁性媒体32をスパッタ形成し、さらに厚さ約50nmのカーボン保護膜33、潤滑膜34を形成した。

0023

このように作製した磁気ディスクの表面形状は、図19に示すように上述の基板上での形状とほとんど同じであり、表面粗さ5.5nmRa(基板上では5.3nmRa)、微細突部の高さRpは19nm(同20nm)であり、また存在密度もほとんど同じであった。

0024

この磁気ディスクに対して、ヘッド浮上隙間0.2μmにて浮上試験した結果、ヘッドとディスク表面との接触は検知されず、良好な浮上特性を示し、CSS回数による磁気ディスク表面形状の変化はほとんど認められず、図20に示すようにCSS回数によるヘッド接線力の増大はほとんど無く、またヘッド粘着の問題も生じなくなり、磁気ディスクの信頼性を大幅に向上させた。

0025

比較例として、従来技術によって下地基板に微細溝を形成した図5に示すような断面形状の磁気ディスクでは、CSS回数とともにヘッド接線力は増大し、磁気ヘッドの破損、ヘッドクラッシュ等の問題があった。またCSS回数とともにディスク表面の断面形状は、本発明と比較すると著しく変化していることが分かる。

0026

ここで、上述の基板の作製法の一つを図1にしたがって詳細に説明する。無電解Ni−Pめっき厚さ10μm形成し、表面粗さ0.01μmRmax以下に平滑研磨したAl円板の両面を粒度#3000のアルミナ砥粒の研磨テープで表面加工し、Ni−Pめっき基板面に微細溝を形成する。

0027

この表面加工は、例えば特開昭54−23294号に示されているように図12に示す基板の両面に研磨テープをコンタクトローラで押圧し、基板を回転させながら研磨テープ巻き取りながら、かつ研磨テープが基板全面に摺動するように基板上を往復摺動させ、基板両面に近似的に円周状、あるいは螺旋状の微細な溝を形成する。ここで、微細溝を形成する際に最も重要な点は、下地基板上に均一な微細溝を形成するため加工中の研磨テープに付加する加圧力を高精度に制御することである。この加圧力の変動成分として、研磨テープの巻き取りによるバックテンションの影響、また円板の円周方向のうねりや半径方向のそり等の形状による加圧力変化がある。そこで微小な加圧力を付加するコンタクトローラの加圧手段として、平行板バネを用い、平行板バネを加圧方向に移動する加圧移動手段(圧電アクチュエータ)、平行板バネに取り付けられた加圧力測定手段(半導体ストレーンゲージ)、その加圧力測定手段の出力に応じ、上記加圧移動手段を制御する制御装置を設ける。図21は、設定加圧力7.5Nにて加工した場合の図2に示す歪ゲージ12,13からなる加圧力測定手段による出力波形である。加圧力測定手段による出力は、円板の両面、すなわち12,13から両方とも加工時には10.5Nを示しているが、研磨テープ巻き取りによるバックテンション3N、および基板形状例えば円周方向うねりや基板半径方向のそりによる加圧力の変動は圧電アクチュエータにより制御され加工時の実際の加圧力を7.5N±1Nに制御していることが分かる。これにより微細溝の断面形状は、平均面から微細突部の高さが20〜30nmで、発生頻度即ち微細突部の基板面状の存在密度は約3000個/mm2の表面性状に制御することができる。

0028

つぎに、基板面状には、高さ100nm以上の異常な微細突部が数ヵ所生じ、特に深い溝の肩部に生じやすく、これがヘッド浮上特性の劣化要因、さらにはヘッドクラッシュ事故の要因となる。このため、図1に示すように、上記の第一段階の研磨テープより粒度の小さい研磨テープを用いて第一段階と同様に表面加工した。この第2段階の表面加工の結果、異常な微細突部の高さは低減し、さらに多数の微細突部の頂部が平常化され、図6に示す断面形状の表面を形成することができた。また、第1段階と第2段階との間に、第1段階の表面加工による加工屑などの円板表面汚れを除去するため、円板の表面を洗浄する手段を設けた。

0029

以上に記した加工手段を達成する円板加工装置の構成を図に従って詳述する。

0030

図1は、本発明のテクスチャー加工する円板加工装置の一実施例を示す正面図、図2は、この装置の要部を示す平面図、図3は、図1における円板洗浄手段の詳細を示す正面図、図4は、この円板洗浄手段の側面図である。

0031

先ず、この円板加工装置の概要を、図1を用いて説明すると、この装置は、被加工物である円板2を回転自在に支持することができる円板支持具1と、円板2の両面へ同時に、第1の研磨テープ4を所定の加圧力で押圧することができるようにした1組のコンタクトローラユニットC、第1の研磨テープ4を巻き取るためのテープ巻き取りモータ7、コンタクトローラユニットCを円板2の半径方向へ揺動することができる揺動手段W.コンタクトローラユニットCを円板2の半径方向へ往復動させることができる往復動手段Rを有し、円板支持具の一方側に配設された第1の加工ヘッドH1と、この第1の加工ヘッドH1と同一の構成を有し、円板支持具に対して第1の加工ヘッドH1と反対側に配設され、第1の研磨テープの代わりにこれよりも砥粒径の小さい第2の研磨テープを装着した第2の加工ヘッドH2とからなる一対の加工ヘッドと、前記円板2を、前記第1、第2研磨テープとの相対速度が所定値になるようにして回転させることができる円板回転手段に係る円板駆動モータ3と、両加工ヘッドの間に配設され、円板を洗浄することができる円板洗浄手段Sと前記両加工ヘッドH1、H2、円板駆動モータ3、円板洗浄手段Sを制御することができる制御装置17を具備した円板加工装置である。

0032

さらに、上記の加工ヘッドについて詳細に説明する。この加工ヘッドH1は、前記往復動手段Rに前記円板2の軸方向に移動可能に支持された一対の平行板バネ10,11と、その平行線バネ10,11を移動し、研磨テープ4の巻き取りによるバックテンションの影響を無くし、所定の微小な加圧力の設定を可能とする加圧移動手段23と、円板加工時の円板形状精度の影響による微小な加圧力の変動を応答性良く補正する加圧力補正手段50(例えば、圧電アクチュエータ等)と、上記平行板バネ10、11に取り付けられ、上記円板の両側に設置されかつ中心軸が上記円板2の半径方向に向けて取り付けられたコンタクトローラ8,9と上記往復動手段Rに取り付けられかつ上記研磨テープ4を上記円板と上記コンタクトローラとの間に摺動する研磨テープ駆動装置7と、上記平行板バネ10,11に取り付けられた応力測定手段12とその応力測定手段の出力に応じて上記加圧移動手段23および加圧力補正手段50を制御する制御装置17とを設ける。

0033

したがって、この円板加工装置においては、加圧力の微小な変動要因である研磨テープの巻き取りによるバックテンションの変動、すなわち供給および巻取リールに巻かれた研磨テープの径が加工と共に変化し、テープの張力が変わることにより、加圧力が変動する。この変動量を、常に応力測定手段12,13によって測定し、その変化量に応じて、平行板バネ10,11を加圧移動手段23により調整すれば、研磨テープの張力の変動にかかわらず、コンタクトローラ8,9の円板2に対する加圧力を一定にすることができる。また、加工時に円板の円周方向のうねりや、円板の半径方向のそりによる加圧力の変動に対しては、加圧力の補正の応答性を良くするため圧電アクチューエータ等の加圧力補正手段50によって微小な加圧力を応答性良く補正することができる。以上の機能によって、微細溝を精度良く形成することが可能となった。

0034

第1の加工ヘッドH1は、円板支持具1の一方側(図1において右側)に配設されており、円板2の両面に微細溝(たとえば、深さ約0.04μmの微細溝)を形成するために使用されるものである。この加工ヘッドH1は円板2の両面側にくるように配設された2個1組のコンタクトローラユニットCのそれぞれに装着されている第一の研磨テープを下方から上方へ巻き取るテープ巻き取りモータ7aとコンタクトローラユニットCを半径方向へ摺動させることができる揺動手段Wと、半径方向へ往復動させることができる往復動手段Rとからなっている。前記コンタクトローラユニットCのそれぞれは、第1の研磨テープ4を円板2へ押圧するに使用されるコンタクトローラ8と、平行板バネ10を介してコンタクトローラ8へ所定の加圧力を負荷することができる加圧用モータ14とからなるものであり、前記平行板バネ10には加圧力を検出するための歪ゲージ12が接着されており、また、前記加圧用モータ14は平行板バネ10を円板2面と垂直方向変位されることにより、加圧力が負荷することができ、加圧力補正圧電アクチュエータ50は、加工時の微小な加圧力の変動を応答性良く補正することができるようになっている。前記揺動手段Wは、揺動用モータ16と、この揺動用モータ16の軸と第1の加工ヘッドH1とを連結するクランク55とからなっている。また、前記往復動手段Rは、往復動用モータ15の回転を第1の加工ヘッドH1へネジ伝達して、この加工ヘッドを往復動させるものである。

0035

第2の加工ヘッドH2は、前述したように、第1の研磨テープの代わりに第2の研磨テープを装着した以外は前記第1の加工ヘッドと同一の構成を有し、円板支持具の他方側(図1において左側)に配設されており、第1の加工ヘッドによって円板の両面に形成された微細溝の盛り上がりを除去するために使用されるものである。

0036

さらに、図2(a),(b)にしたがって、前記加工ヘッドの構成を詳細に説明する。1は水平に設置された円板取付用回転軸、2は被加工物である円板、3は回転軸を回転するための駆動モータ、21は回転可能に支持されたネジ、15はネジ21を回転するための往復移動用モータ、22は円板の半径方向即ち矢印Aの方向に移動可能に支持された往復移動台で、往復移動台22には雌ネジが設けられ、その雌ネジはネジ21に螺合しており、ネジ21、モータ15で往復移動手段Rを構成している。23は往復移動台22に矢印A方向に移動可能に支持された移動体、16は往復移動台22に固定された振動装置で、振動装置16によって移動体23が微小振幅振動される。24は移動体23に回転可能に支持されたネジ、14はネジ24を回転するための加圧用モータ、10,11は移動体23に円板2の軸方向すなわち矢印Bの方向に移動可能に支持された一対の平行板バネで、平行板バネ10,11の支持台51には雌ネジが設けられ、その雌ネジはネジ24に螺合しており、ネジ24、モータ14で加圧移動手段を構成している。また、円板の円周方向うねりや半径方向のそりが悪い場合には、加工時に加圧力の変動が生じる。このため、平行板バネ10,11は加圧力補正圧電アクチュエータ50を設けた支持台51に設置し、支持台51に雌ネジを設け、この雌ネジを前記のごとくネジ24に螺合する。8,9は平行板バネ10,11に回転可能に取り付けられたコンタクトローラで、コンタクトローラ8,9は円板2の両側に設置されかつ中心軸が円板の半径方向に向けて取り付けられている。18a,18bは、移動体23に取り付けられた制動トルクモータ、5a,5bはモータ18a,18bの出力軸に取り付けられた供給リール、7a,7bは移動体23に取り付けられた巻取用モータ、6a,6bはモータ7a,7bの出力軸に取り付けられた巻取リール、4a,4bはポリエステルフィルムなどの基材ダイヤモンド砥粒やアルミナ砥粒などの微細な砥粒を樹脂などのバインダーにより接着保持した研磨テープで、研磨テープ4a,4bの両端は供給リール5a,5b、巻取リール6a,6bに固定されており、モータ18a,18b、供給リール5a,5b、モータ7a,7b、巻取リール6a,6bで研磨テープ駆動装置を構成しており、円板とコンタクトローラとの間を研磨テープ4a,4bが通過している。12,13は平行板バネ10,11に取り付けられた歪ゲージ、17はモータ3,14,15等を制御する制御装置で、制御装置17は歪ゲージ12、13の出力に応じてモータ14、および加圧力補正圧電アクチュエータを制御し、平行板バネ10,11を移動する。

0037

円板洗浄手段は、円板の両面を同時に洗浄する回転スクラバブラシもしくはスポンジ製)と、これら回転スクラバに回転を与えるスクラバ駆動モータと、回転スクラバを破線位置実線位置との間で往復させることができるエアシリンダ(図示せず)と、液槽とからなっている。

0038

60は、加工液および洗浄液を供給する供給部である。

0039

以上のように構成した円板加工装置によるテクスチャー加工の一実施例、およびこのテクスチャー加工した下地基板を用いた磁気ディスクに対する磁気ディスク諸特性の実施例を説明する。

0040

先ず、テクスチャー加工の方法を説明する。円板を円板支持具に取り付ける。制御装置に、第1の加圧力、相対速度、振動振幅往復回数などの加工条件を設定する。

0041

ここで、円板加工装置をONにすると、モータ3により円板を回転すると同時に、第1の加工ヘッドが、揺動用モータによって設定揺動振幅で揺動し、研磨テープ駆動装置で研磨テープ4a,4bを一定力で巻き取り、円板への加圧力が設定第1の加圧力に成るように調整され、かつ往復移動手段Rにより往復移動台22を往復移動すれば、研磨テープ4a,4bによって円板2の表面に微細溝が形成される。この間、円板駆動モータ3によって、円板2の回転数が、この円板2と第1の研磨テープ4との相対速度が設定第1の相対速度になるように調整されている。このようにして加工が進行している間、供給部から円板へ加工液が連続的に供給される。そして、研磨テーブル4a,4bの張力が変動して、平行板バネ10,11が変形したとしても、制御装置17が歪ゲージ12,13の出力に応じて、すなわち平行板バネ10,11の変形量に応じてモータ14を制御するので、平行板バネ10,11がその変形量に応じて研磨テープ4a,4bの張力の変動にかかわらず、コンタクトローラ8,9の円板2に対する加圧力を一定にすることができるので、微小な加圧力を常に維持することができるから、小さな、かつ均一な微細溝を形成することができる。さらに、円板2の回転による加圧力の変動に対して、また加工ヘッドを円板2の半径方向に摺動することによる加圧力の変動に対しては、すなわち円板2の円周方向うねりや半径方向の真直度、そりの影響によって加圧力が変動するが、これらに対しては、加圧力の変動量を制御装置17の指令によって、即時に加圧力補正圧電アクチュエータ50により補正することができる。

0042

そして、第1の加工ヘッドが設定往復回数だけ往復動すると、この加工ヘッドは後退図1において右側へ移動)し、加工液の供給が停止する。

0043

つぎに、破線位置にあった回転スクラバ61が実線位置まで上昇し、スクラバ駆動モータによって、この回転スクラバ61が回転する。円板2も回転し、供給部60から洗浄液が供給され、円板2が洗浄される。この洗浄が終了すると、回転スクラバ61が破線位置まで下降し、洗浄液の供給が停止する。

0044

それから、第2の加工ヘッドH2が前進し、この加工ヘッドによって、前記第1の加工ヘッドH1と同様にして円板2が加工される。すなわち、モータ3により円板を回転すると同時に、第2の加工ヘッドH2が、揺動用モータによって設定揺動振幅で揺動し、研磨テープ駆動装置で研磨テープ62a,62bを一定力で巻き取り、円板への加圧力が設定第2の加圧力になるように調整され、かつ往復移動手段により往復移動台63を往復移動すれば、研磨テープ62a,62bによって円板2の表面上に存在している微細突部を除去し、平滑化する。この間、円板駆動モータ3によって円板2の回転数が、この円板2と第2の研磨テープとの相対速度が設定第2の相対速度になるように調整されている。このようにして加工が進行している間、供給部60から円板へ加工液が連続的に供給される。そして、第2の加工ヘッドH2が設定往復回数だけ往復動すると、この加工ヘッドは後退(図1において左側へ移動)し、加工液の供給が停止する。最後に、さきと同様にして円板2が円板洗浄手段64によって洗浄されると、円板加工装置がOFFになる。円板支持具1から円板2を取り外せば、所望の微細溝が形成される。さらに、磁性媒体、保護膜、潤滑膜を形成すれば、耐摺動特性に優れた磁気ディスクを得ることができる。

0045

つぎに、具体例を示す。

0046

Al円板上に厚さ約10μmにNi−Pめっきした円板2に微細溝を形成した具体例を、図5図6を用いて説明する。

0047

図5は、図1に係る円板加工装置の第1の加工ヘッドで加工した円板の表面性状の一例を示す拡大断面曲線図、図6は、さらに第2の加工ヘッドで加工した円板の表面性状の一例を示す拡大断面曲線図である。

0048

第1の研磨テープは粒径3μmのAl2O3砥粒、第1の加圧力を4N、第1の相対速度を4m/sec、揺動の振幅を1mmとして、水溶性切削液を供給しながら、前記円板2を第1の加工ヘッドH1で加工したところ、円板2の表面に、図5に示すような、深さVが約40nmの微細液が形成されたが、約30nmの盛り上がり(微細突部)高さHがあり、盛り上がり比H/V>0.5であった。また、盛り上がり高さにばらつきがあった。

0049

第2の研磨テープ粒径0.5μmのAl2O3砥粒、第2の加圧力を2N、第2の相対速度を8m/sec、揺動の振幅を1mmとして、純水で洗浄した前記円板2を水溶性切削液を供給しながら、第2の加工ヘッドH2で加工したところ、円板2の表面は、図6に示すように、微細液の深さVは約40nmに保たれ、盛り上がり高さは約10nm以下に低下し、そのばらつきも小さく、盛り上がり比H/Vが約0.25になり、所望の微細溝が得られた。

0050

以上説明した実施例によれば、第1の加工ヘッドによって前記微細溝の肩部に生じた盛り上がり部分だけを削除しようとしたので、微細溝深さVが20〜100nm、盛り上がり(微細突部)高さHとの比がH/V≦0.5の平滑な表面を形成することができるという効果がある。さらに、上記の研磨テープの粒度や砥粒材質、円板上の往復摺動回数、加圧力等の加工条件を変えれば、任意の微細溝を形成することができる。

0051

この方法の適用によって、上記円板を下地基板として、図9に示すように、この基板30上に非磁性金属膜31、磁性媒体膜32、カーボン保護膜33さらに潤滑膜34を形成した薄膜磁気ディスク2は、ヘッド浮上特性が良く、信頼性、安定性が著しく優れている。

0052

本発明の微細溝を形成した薄膜磁気ディスクの諸特性について、比較例とともに以下詳細に説明する。すなわち、微細突部の高さが数nm〜数十nm、微細突部の頻度が数千個/mm2〜数十万個/mm2の円板と、それ以外の円板との比較を示す。図13および図14に、研磨テープの粒度、加工ヘッドの往復回数、加圧力等の加工条件を種々変えてテクスチャー加工し、微細突部の高さおよび存在密度を変えた下地基板上に前述と同様の非磁性金属膜、磁性媒体膜、カーボン保護膜さらに潤滑膜を形成した薄膜磁気ディスクに対して、ヘッド浮上特性、ヘッド粘着に及ぼす影響またCSS試験による表面性状(微細突部)の変形体、ヘッド接線力の影響を調べた結果を示す。微細突部の高さが数nm(2〜3nm)以下、例えば研磨面に近い下地基板の場合には、ヘッド浮上特性は良いが、ヘッド接線力が増大し、ヘッド粘着の問題が生じ、ヘッド支持のジンバルの損傷や、円板回転駆動用モータ過負荷が掛かり円板回転不能になる事故が生じた。また微細突部の高さが数十nm以上、例えば微細突部が90nm以上の場合には、ヘッド接線力は小さく、ヘッド粘着の問題は生じないが、ヘッド浮上特性が悪く、ヘッドクラッシュの事故が生じた。

0053

また、微細突部の存在密度が数千個/mm2以下、例えば110個/mm2の場合、ヘッド荷重によるそれぞれの微細突部の面圧が大きく、CSS回数とともに、ヘッドによる微細突部の摺動摩耗が著しく、潤滑剤さらにカーボン保護膜の損傷が大きくなり、CSS回数が2000〜3000回以下でヘッドクラッシュを生じてしまった。また存在密度が数十万個/mm2以上、例えば300000個/mm2の場合、磁気ヘッドとディスク面との接触面積が大きく、CSSのスタート時でのヘッド粘着力が大きくなり、ディスク回転駆動時にヘッド支持のジンバルの損傷や、円板回転駆動用モータに過負荷が掛かり、円板回転不能になる事故が生じた。

0054

上記の実施例では、研磨テープを用いて微細溝および微細突部を形成する方法を述べ、この下地基板を用いた薄膜磁気ディスクの諸特性の利点を示したが、研磨テーブルに限らず、切削加工法、研削加工ラッピングポリッシング等の表面加工法、またエッチングサンドブラスト等の表面処理法、さらにドライプロセスのパターン形成法にても同様の効果が得られる。また、本発明の一実施例として、研磨テープの幅は円板の加工面の幅より狭い研磨テープを使用し、この研磨テープを押圧するコンタクトローラを円板の半径方向に往復動させ、また揺動させながら円板表面を加工していたが、研磨テープの幅を円板の加工すべき面の幅に近付け、あるいは加工すべき面の幅より大きな幅の研磨テープを使用し、円板の半径方向に揺動させ、あるいは揺動なしに円板加工しても同様の効果を得ることができる。

0055

本発明の上記の他の適用例として、本発明の円板の加工方法および加工装置を薄膜磁気ディスクの保護膜面に適用した。すなわち、下地基板のNi−Pめっきした円板にテクスチャー加工した後、非磁性下地膜、磁性媒体、カーボン保護膜をスパッタ形成するが、この過程において、微細な付着物等の微細突部が表面に生ずる。この微細突部を磁性媒体等の下地に影響を及ぼさないで除去し、表面を平滑化するためには、微小な加圧力を設定でき、かつ円板を加工している間、常に微小加圧力を制御する必要がある。そこで、本発明による研磨テープを用いた円板の加工装置が必要になる。

0056

具体例を、つぎに述べる。

0057

図22は外径130mm、内径40mmのNi−Pめっき処理し、かつ研磨した基板上に、Co−Ni系磁性媒体およびカーボン保護膜をスパッタ形成した薄膜磁気ディスクを上記の表面仕上げ加工する前に、ピエゾ素子を搭載した浮動磁気ヘッドの浮上高さを0.15μmとして浮上性の試験をした場合のピエゾ素子の出力を示すグラフ図23は上記の磁気ディスクを図1図2に示した円板仕上げ加工装置により、前記した加工方法と同様に、研磨テープ4a,4bにダイヤモンド砥粒の粒径0.5μm、ゴム質の弾性体コンタクトローラ8,9の磁気ディスク2に対する加圧力が2N、磁気ディスクの回転数が1000r/min、加工ヘッドの往復摺動回数が5回という加工条件で仕上げ加工した場合の上記のピエゾ素子の出力を示すグラフである。これらのグラフから明らかなように、仕上げ加工前の磁気ディスク2には高さが0.15μm以上の微細突部Tによるピエゾ素子の出力が存在するのに対して、図1図2に示した円板仕上げ加工装置により仕上げ加工した後の磁気ディスク2には高さが0.15μm以上の微細突部が存在しないから、微細突部が除去されていることがわかる。

0058

さらに、磁気ディスクの表面上の微細突部を精度良く除去する方法として、研磨テープを付加するコンタクトローラの磁気ディスク上での位置を、加工ヘッドの往復動手段に設けたリニアスケールで常に検出し、研磨テープとディスク表面との相対速度が常時一定となるように円板回転モータを制御した。この作用によって、テクスチャー加工における、研磨テープとディスク面との間に介在する研磨剤による動圧の影響が、ディスク全面にわたって一様になる。したがって、均一な押圧力でディスク全面を仕上げ加工することができ、微細突部除去効果が均等になり、高精度の円板を得ることができる。

0059

以上のように、本発明を薄膜磁気ディスクの保護膜面に対して適用した場合、円板表面上に微小な加圧力を均一に負荷することができるので、ディスク表面上の、微小突部を微小量ずつ削除することができ、微小突部の周囲の磁性媒体にダメージを与えることなく、微小突部を確実に平滑化することができる。また、研磨テープ4a,4bの基材にダイヤモンド砥粒が樹脂などのバインダにより接着保持されているから、非常に大きな衝撃力が作用したときには、衝撃力をバインダ、さらに軟質のコンタクトローラによって緩和することができるので、微小突部以外の磁性媒体を破壊することはない。

0060

本発明に用いた研磨テープに関して、微細溝を正確に形成し、微細突部の高さを数nm〜数十nm、頻度を数千個/mm2〜数十万個/mm2に安定して形成するためには均質切れ刃砥粒を有する研磨テープが必要である。

0061

研磨テープは、従来図24に示すように、微細な砥粒65を樹脂66に分散させポリエステルフィルム67上に塗布し、熱処理したものであり、断面形状は大きな凹凸を有し、表面加工に寄与する有効砥粒切れ刃が不安定である。このため、従来の研磨テープの表面を、図26に示す研磨テープのトルーイングドレッシングにより研磨テープ表面上の砥粒の先端を図25に示すように、砥粒先端の凹凸ばらつきを50nm以内、有効作用砥粒密度を数十個〜数百個/mm2となるように均一に修正した。さらに、この研磨テープのトルーイング、ドレッシングの方法を図26にしたがって詳細に説明する。研磨テープ70を、ダイヤモンド砥粒を円筒面に固着したドレッサ71とバックアップ軟質材の表面を有するローラ72との間に挾みながら研磨テープ巻き取りモータ74で巻き取る。このとき、テープの張力を均一にするため制動トルクモータ73の出力軸に表面を修正する研磨テープを支持し、供給する。ドレッサ71に微細な加圧力を付加し、この加圧力を制御するためローラ72の回転軸には圧電センサー76が設けられている。この研磨テープ修正装置により、研磨テープ表面の砥粒層平坦になり、有効作用砥粒数のばらつきを小さくすることができテクスチャー加工した表面の微細溝や微細突部の精度を向上することができた。また75は、他の研磨テープのトルーイング、ドレッシングの方法を示し、研磨テープの表面を、同じ研磨テープ表面で摺動させてドレッシングする自己修正形のドレッシング方法であり、互いに砥粒面圧接した研磨テープに加圧力を付加するローラであるこの方法によっても、前記と同様の結果を得ることができる。

0062

このため、従来の研磨テープの表面を、図26に示す研磨テープトルーイング、ドレッシングにより研磨テープ表面上の砥粒の先端を均一に修正した。また、研磨テープの砥粒径を制御し、また研磨テープのドレッシング条件を制御することにより、微細突部の頻度を数千個/mm2〜数十万個/mm2の範囲で制御することができた。

発明の効果

0063

以上詳細に説明したように本発明によれば、Ni−Pめっき下地基板に微細突部の極めて小さい高精度な微細溝を形成することができる円板加工方法と、この方法の実施に直接使用される装置を提供することができる。

0064

また、この円板加工装置において、平行板バネ、歪ゲージおよび加圧力補正圧電アクチュエータを用いることによって、コンタクトローラの円板に対する加圧力を非常に小さく、円板の形状精度にかかわらず、常に均一にすることができるので、円板全面にわたって安定した均一な微細溝を形成でき、またNi−Pめっき下地基板に形成した微細溝の微細突部を微小量ずつ除去するので微細突部を高精度に平滑化できる。

0065

さらに、上記微小加圧力制御の円板加工装置により、カーボン保護膜面の微細突部を微小量ずつ切削除去し、微細突部を確実に除去することができ、かつ微細突部の周囲のカーボン保護膜や磁性媒体等の表面形成膜にダメージを与えることがない。したがって、表面精度が良好で、非常に高い平滑面を得ることができる。以上、本発明の円板加工装置及び方法によって、磁気ディスク下地基板のNi−Pめっき基板表面に、高さ数nm〜数十nmの微細突部が、頻度数千個/mm2〜数十万個/mm2に均一に形成されているので、磁気ヘッドがディスク表面を間欠的に接触を繰り返すCSS特性において、ヘッド荷重を上記の多数の微細で受けるようになり、それぞれの微細突部での面圧が小さく、微細突部の変形、摺動摩耗が少なくなる。さらに、微細突部に形成されている保護膜や潤滑膜の劣化も少なく、耐摺動特性を向上させる効果がある。また、微細突部の高さが数nm〜数十nmであるので、ヘッド浮上隙間を小さくしても(例えば、浮上隙間0.15μm)、磁気ヘッドが衝突し、ヘッドクラッシュを生じる問題は無く、かつ膜厚数nm以下に塗布される潤滑膜によるヘッド粘着や、雰囲気の水分によるヘッド粘着を生じる問題も無い。

図面の簡単な説明

0066

図1本発明の円板加工装置の一実施例を示す正面図。
図2この装置の要部を示す平面図。
図3図1における円板洗浄手段の詳細を示す正面図。
図4この円板洗浄手段の側面図。
図5図1に係る円板加工装置の第1の加工ヘッドで加工した円板の表面の一例を示す拡大断面曲線図。
図6(a),(b)はさらに第2の加工ヘッドで加工した円板の表面の一例を示す拡大断面曲線図。
図7従来の微細溝形成用の円板加工装置を示す正面図。
図8この装置の側面図。
図9本発明の下地基板を用いた薄膜磁気ディスクの断面構成図。
図10従来技術の薄膜磁気ディスクの断面構成図。
図11微細溝の断面形状。
図12従来の円板加工装置の説明図。
図13微細突部の高さおよび存在密度と磁気ディスクの特性を調べた結果の一例を示す。
図14微細突部の高さおよび存在密度と磁気ディスクの特性を調べた結果の一例を示す。
図15CSSによる円板表面のナノメータオーダの微小な変化を高分解能SEMにより測定し、表面の断面形状の変化で現した面であり、(a)は、CSS前の断面形状であり、(b)は、CSS後の断面形状を示す。
図16CSS前後の円板の極表面のアボット負荷曲線を示す。
図17円板の極表面のピークカウント分布、すなわち微細突部の存在密度を示す。
図18円板の溝形状を示す図。
図19本発明による図6(b)の円板に磁性媒体を成膜した磁気ディスク表面の断面形状。
図20CSS特性を現し、CSS回数とヘッド接線力との関係について、本発明と従来技術との比較を示す。
図21本発明の微小な加圧力の制御を現している歪ゲージからの出力を示し、研磨テープ巻き取りによるバックテンションの影響を考慮し、加工時の実際の加圧力を検出し、設定加圧力に正確に制御していることを示す。
図22本発明の適用前後の円板に対してヘッド浮上特性を調べた結果であり、本発明を適用する前の場合について、ピエゾ素子を搭載した浮動磁気ヘッドによるピエゾ素子の出力を示すグラフ。
図23本発明の適用前後の円板に対してヘッド浮上特性を調べた結果であり、本発明を適用した後の場合。
図24従来の研磨テープの断面構造
図25本発明の研磨テープの断面構造。
図26本発明の研磨テープを作製する研磨テープのドレッシング、トルーイング装置の概略図を示す。
図27テクスチャー加工面の断面形状とアボットの負荷曲線との関係を表し、CSS特性との相関を説明する説明図。
図28テクスチャー加工面の断面形状とアボットの負荷曲線との関係を表し、CSS特性との相関を説明する説明図。
図29テクスチャー加工面の断面形状での微細突部を表す説明図。
図30テクスチャー加工面の断面形状の性質を表すアボットの負荷曲線を説明する図。

--

0067

1…円板取付用回転軸、
2…磁気ディスク(円板)、
3…円板駆動モータ、
4a,4b…研磨テープ、
5a,5b…供給リール、
6a,6b…巻取リール、
7a,7b…巻取用モータ、
8,9…コンタクトローラ、
10,11…平行板バネ、
12,13…歪ゲージ、
14…加圧用モータ、
15…往復移動用モータ、
17…制御装置、
18a,18b…制御トルクモータ、
21…ネジ、
22…往復移動台、
24…ネジ、
50…加圧力補正圧電アクチュエータ、
60…下地基板、
61…微細溝、
62…非磁性金属膜、
63…微細突部、
64…磁性媒体、
65…保護膜、
66…潤滑膜。

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