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技術 新規化合物F−11703類

出願人 三共株式会社
発明者 大塚猛夫岡本吉弘細矢剛
出願日 1995年10月25日 (24年3ヶ月経過) 出願番号 1995-277255
公開日 1997年5月6日 (22年9ヶ月経過) 公開番号 1997-118682
状態 未査定
技術分野 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 O,S系縮合複素環 農薬・動植物の保存
主要キーワード 大豆カゼイン 固形部分 同混合溶媒 SS法 通気培養法 阻止作用 燐灰石 無機硫黄化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年5月6日)のものです。
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図面 (1)

課題

本発明は、除草、殺ダニ殺菌作用を有し、農薬として有用な化合物を提供する。

解決手段

式(I):

化1

(式中、Rは水素原子または水酸基を示す。)で表わされるF−11703類。

概要

背景

本発明による化合物F−11703類と類似した部分構造を持つ既知の化合物としては、トリセチンベルカリン類、ロリジン類等のトリコセカン型セスキテルペン類(trichothecenes)が知られている(Turner, W. B. et al., (1983) "Fungal Metabolites II" Academic Press, 228-238)。

概要

本発明は、除草、殺ダニ殺菌作用を有し、農薬として有用な化合物を提供する。

式(I):

(式中、Rは水素原子または水酸基を示す。)で表わされるF−11703類。

目的

本発明の目的は、新規化合物F−11703類、および該化合物の製造法を提供することにある。また、本発明は、新規化合物F−11703類の除草活性、殺ダニ活性殺菌活性などの用途を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

一般式(I):

請求項

ID=000003HE=030 WI=082 LX=0640 LY=0400(式中、Rは水素原子または水酸基を表す)で示されるF−11703類またはその塩。

請求項2

下記の性状を有するF−11703−1またはその塩。1)物質の性状:白色粉末2)分子量:374(EI及びCI−MASS法により決定)3)分子式:C21H26O64)紫外線吸収スペクトル:(エタノール中 λmax nm(ε))232sh (21000) 、261 (39000)5)赤外線吸収スペクトル:(neat νmax cm-1)3467, 2984, 1741, 1683, 1374, 1242, 10476) 1H−核磁気共鳴スペクトル;重クロロホルム中で、テトラメチルシランを内部基準にして測定した時のδ値は次の通りである。7.37 (1H, m), 6.63 (1H, dd), 6.59 (1H, m), 6.16 (1H, dq),5.62 (1H, d), 4.96 (1H, d), 4.40 (1H, d), 4.28 (1H, dd),3.80 (1H, d), 3.08 (1H, d), 2.94 (1H, dd), 2.81 (1H, d),2.31 (1H, dd), 1.90 (3H, d), 1.83 (3H, s), 1.04 (3H, d),0.77 (3H, s).7)13C−核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルム中で、テトラメチルシランを内部基準にして測定した時のδC 値は次の通りである。198.6 (s), 168.1 (s), 147.0 (d), 142.0 (d), 137.9 (s), 137.4 (d),128.3 (d), 114.3 (d), 83.4 (d), 79.4 (d), 79.0 (d), 71.1 (d),64.6 (s), 49.0 (s), 46.8 (t), 44.5 (s), 42.2 (t), 18.9 (q),18.5 (q), 15.5 (q), 6.03 (q).8)高速液体クロマトグラフィーカラムカプセルパック(C18SG120Å 5μm A*CD5007φ1×25cm、資生堂社製)、移動相メタノール/水(60:40)流速: 2.5ml/分検出波長: 265nm保持時間: 8.6分

請求項3

下記の性状を有するF−11703−2またはその塩。1)物質の性状:白色粉末2)分子量:390(EIおよびCI−MASS法により決定)3)分子式:C21H26O74)紫外線吸収スペクトル:(エタノール中 λmax nm(ε))222 (19000) 、262 (38000)5)赤外線吸収スペクトル:(KBr錠剤中νmax cm-1)3449, 2978, 1687, 1638, 1378, 1180, 1073, 1037, 9616) 1H−核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルム中で、テトラメチルシランを内部基準にして測定した時のδ値は次の通りである。7.38 (1H, m), 6.64 (1H, dd), 6.63 (1H, m), 6.16 (1H, dq),5.64 (1H, d), 4.91 (1H, d), 4.88 (1H, s), 4.50 (1H, d),4.30 (1H, dd), 3.85 (1H, d), 3.13 (1H, d), 3.08 (1H, d),1.91 (3H, d), 1.89 (3H, s), 1.06 (3H, s), 0.93 (3H, s).7)13C−核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルム中で、テトラメチルシランを内部基準にして測定した時のδC 値は次の通りである。200.3 (s), 168.0 (s), 146.8 (d), 141.7 (d), 138.3 (d), 135.4 (s),128.3 (d), 114.3 (d), 83.5 (d), 80.2 (d), 78.8 (d), 74.8 (d),72.1 (d), 64.5 (s), 50.2 (s), 49.2 (s), 46.1 (t), 18.7 (q),15.1 (q), 12.3 (q), 7.7 (q).8)高速液体クロマトグラフィー:カラム:カプセルパック(C18SG120Å 5μm A*CD5007φ1×25cm、資生堂社製)移動相:メタノール/水(60:40)流速: 2.5ml/分検出波長: 265nm保持時間: 10.1分

請求項4

アクレモニウム属に属するF−11703類生産菌を培養し、その培養物からF−11703類を採取することを特徴とする該化合物製造法

請求項5

アクレモニウム属に属するF−11703類生産菌が、アクレモニウムエスピーSANK20295株(FERM BP−5085)である請求項4記載の製造法。

請求項6

F−11703−1及び/またはF−11703−2あるいはそれらの塩を含むことからなる農薬

請求項7

F−11703−1及び/またはF−11703−2あるいはそれらの塩を含むことからなる除草剤

請求項8

F−11703−1及び/またはF−11703−2あるいはそれらの塩を含むことからなる殺ダニ剤

請求項9

F−11703−1及び/またはF−11703−2あるいはそれらの塩を含むことからなる殺菌剤

技術分野

0001

本発明は、広く、除草活性、殺ダニ活性殺菌活性などを有する新規化合物、該化合物の製造法、および該化合物を含むことからなる農薬に関する。

背景技術

0002

本発明による化合物F−11703類と類似した部分構造を持つ既知の化合物としては、トリセチンベルカリン類、ロリジン類等のトリコセカン型セスキテルペン類(trichothecenes)が知られている(Turner, W. B. et al., (1983) "Fungal Metabolites II" Academic Press, 228-238)。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明の目的は、新規化合物F−11703類、および該化合物の製造法を提供することにある。また、本発明は、新規化合物F−11703類の除草活性、殺ダニ活性、殺菌活性などの用途を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0004

本発明は、
(1)一般式(I):

0005

0006

(式中、Rは水素原子または水酸基を表す)で示されるF−11703類またはその塩、
(2) 下記の性状を有するF−11703−1またはその塩、
1)物質の性状:白色粉末
2)分子量:374(EI及びCI−MASS法により決定)
3)分子式:C21H26O6
4)紫外線吸収スペクトル:(エタノール中 λmax nm(ε))
232sh (21000) 、261 (39000)
5)赤外線吸収スペクトル:(neat νmax cm-1)
3467, 2984, 1741, 1683, 1374, 1242, 1047
6) 1H−核磁気共鳴スペクトル;重クロロホルム中で、テトラメチルシランを内部基準にして測定した時のδ値は次の通りである。

0007

7.37 (1H, m), 6.63 (1H, dd), 6.59 (1H, m), 6.16 (1H, dq),5.62 (1H, d), 4.96 (1H, d), 4.40 (1H, d), 4.28 (1H, dd),3.80 (1H, d), 3.08 (1H, d), 2.94 (1H, dd), 2.81 (1H, d),2.31 (1H, dd), 1.90 (3H, d), 1.83 (3H, s), 1.04 (3H, d),0.77 (3H, s).
7)13C−核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルム中で、テトラメチルシランを内部基準にして測定した時のδC 値は次の通りである。

0008

198.6 (s), 168.1 (s), 147.0 (d), 142.0 (d), 137.9 (s), 137.4 (d),128.3 (d), 114.3 (d), 83.4 (d), 79.4 (d), 79.0 (d), 71.1 (d),64.6 (s), 49.0 (s), 46.8 (t), 44.5 (s), 42.2 (t), 18.9 (q),18.5 (q), 15.5 (q), 6.03 (q).
8)高速液体クロマトグラフィー
カラムカプセルパック(C18SG120Å 5μm A*CD5007φ1×25cm、資生堂社製)、
移動相メタノール/水(60:40)
流速: 2.5ml/分
検出波長: 265nm
保持時間: 8.6分
(3) 下記の性状を有するF−11703−2またはその塩、
1)物質の性状:白色粉末
2)分子量: 390(EIおよびCI−MASS法により決定)
3)分子式:C21H26O7
4)紫外線吸収スペクトル:(エタノール中 λmax nm(ε))
222 (19000) 、262 (38000)
5)赤外線吸収スペクトル:(KBr錠剤中νmax cm-1)
3449, 2978, 1687, 1638, 1378, 1180, 1073, 1037, 961
6) 1H−核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルム中で、テトラメチルシランを内部基準にして測定した時のδ値は次の通りである。

0009

7.38 (1H, m), 6.64 (1H, dd), 6.63 (1H, m), 6.16 (1H, dq),5.64 (1H, d), 4.91 (1H, d), 4.88 (1H, s), 4.50 (1H, d),4.30 (1H, dd), 3.85 (1H, d), 3.13 (1H, d), 3.08 (1H, d),1.91 (3H, d), 1.89 (3H, s), 1.06 (3H, s), 0.93 (3H, s).
7)13C−核磁気共鳴スペクトル:重クロロホルム中で、テトラメチルシランを内部基準にして測定した時のδC 値は次の通りである。

0010

200.3 (s), 168.0 (s), 146.8 (d), 141.7 (d), 138.3 (d), 135.4 (s),128.3 (d), 114.3 (d), 83.5 (d), 80.2 (d), 78.8 (d), 74.8 (d),72.1 (d), 64.5 (s), 50.2 (s), 49.2 (s), 46.1 (t), 18.7 (q),15.1 (q), 12.3 (q), 7.7 (q).
8)高速液体クロマトグラフィー:
カラム:カプセルパック(C18SG120Å 5μm A*CD5007φ1×25cm、資生堂社製)
移動相:メタノール/水(60:40)
流速: 2.5ml/分
検出波長: 265nm
保持時間: 10.1分
(4)アクレモニウム属に属するF−11703類生産菌を培養し、その培養物からF−11703類を採取することを特徴とする該化合物の製造法、
(5) アクレモニウム属に属するF−11703類生産菌が、アクレモニウムエスピーSANK20295株(FERM BP−5085)である(4)記載の製造法、
(6) F−11703−1及び/またはF−11703−2あるいはそれらの塩を含むことからなる農薬、
(7) F−11703−1及び/またはF−11703−2あるいはそれらの塩を含むことからなる除草剤
(8) F−11703−1及び/またはF−11703−2あるいはそれらの塩を含むことからなる殺ダニ剤
(9) F−11703−1及び/またはF−11703−2あるいはそれらの塩を含むことからなる殺菌剤
を提供するものである。

0011

上記(1)の式(I)において、Rが水素原子である化合物を以下F−11703−1、Rが水酸基である化合物を以下F−11703−2と称し、またこれらを総称して以下F−11703類と称する。

0012

本発明のF−11703類においては種々の異性体が存在する。本発明においては、これらの異性体がすべて単一の式で示されている。従って、本発明はこれらの異性体及びこれらの異性体の混合物をもすべて含むものである。

0013

さらに、本発明のF−11703類が溶剤和物(例えば水和物)を形成する場合には、本発明はこれらもすべて含むものである。例えば、本発明のF−11703類が、大気中に放置されたり、または再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付着したり、水和物を形成する場合がある。本発明にはこのような溶剤和物も含まれる。

0014

本発明のF−11703類は、常法に従って塩にすることができる。そのような塩としては例えばリチウムナトリウムカリウムのようなアルカリ金属塩カルシウムバリウムマグネシウムのようなアルカリ土類金属塩アルミニウム塩等をあげることができる。本発明にはこのような塩も含まれる。

0015

本発明者らは農業用生理活性を有する微生物代謝産物の探索を続けていたところ、粘菌子実体上より新たに分離したアクレモニウム属に属する微生物培養液中に、植物体種子に対して強い発阻害活性を有する2種の新規化合物F−11703−1及びF−11703−2が生産されていることを見出した。さらにこれら化合物F−11703−1及びF−11703−2は、除草活性を有することに加えて、殺ダニ活性及び殺菌活性を有することも認められた。これら知見に基いて、本発明は完成された。

0016

本発明者らによって単離されたF−11703−1及びF−11703−2を生産する菌株SANK20295は1994年7月県筑波において、粘菌の子実体上に発生していたものを分離したもので、その菌学的特徴は次の通りである。

0017

PDA上での成長は23C14日で25−27mmに達する。コロニー形状は真円に近く、放射状および同心円状のしわを有する。表面は深く、菌糸は密に集合してマット状となる。裏面は灰橙色になる。WSH上での成長は23C14日で40−45mmに達する。コロニー形状は真円に近く、表面は全体に綿毛状、浅く、密である。気菌糸は白色、可溶性色素浸出液は観察されない。

0018

菌糸は隔壁を有し、表面は平滑、無色である。分生子柄は気菌糸より生じ、単純か、まれに分枝分生子形成様式フィアロ型フィアライドは単純、針状、先端に向かって一様に細まり、基部に隔壁あり、その大きさは11.5−19.5×1−1.5μmで、カラー不明瞭分生子紡錘型から細いこん棒形、大きさ4.0−6.5×0.6−1.5μmで隔壁なく、無色、フィアライド上に連鎖する。

0019

以上のような菌学的特徴から本菌に該当するものを検索したところ、Gams, W.(1971), Cephalosporium-artige Schimmelpilze, 262p. G. Fischer, Stuttgart に記載されているアクレモニウム(Acremonium)属菌と一致した。従って、SANK20295をアクレモニウム・エスピー(Acremonium sp.)と同定し、1995年4月27日工業技術院生命工学工業研究所に国際寄託し、受託番号FERM BP−5085が付された。

0020

本発明の新規化合物F−11703類は、例えばアクレモニウム属に属するF−11703類生産菌を培養し、その培養物中からF−11703類を採取することにより製造される。

0021

本発明で使用されるF−11703類生産菌としては、前述のアクレモニウム・エスピーSANK20295が挙げられるが、アクレモニウム属に属し、F−11703−1またはF−11703−2を生産する能力を有する菌株は、他の一般微生物の菌株の場合に見られるように、その性状が変化しやすく、例えば、紫外線高周波放射線化学変異剤等の用いる人工変異手段で容易に変異しうるものであり、このような変異株であっても、目的の活性を有する菌株は全て本発明の方法に使用することができる。すなわち、本発明ではF−11703−1またはF−11703−2を生産し、SANK20295株およびその変異株と明確に区別されない菌株は、すべてSANK20295株に包含されるものである。

発明を実施するための最良の形態

0022

本発明方法において、培養はカビの培養に一般に用いられている条件により行うことができる。微生物が利用しうる栄養物を含有する培地とは、一般微生物培養に利用される公知のものが使用でき、実施例に記載した培地に限定されず、微生物の資化しうる炭素源(通常、培地量の1〜10重量%)、窒素源(通常、培地量の0.2〜6重量%)、無機物等を適当に含有する培地であれば、天然培地合成培地のいずれも使用することができる。

0023

炭素源としては、菌が炭素源として資化しうるものであれば、特に限定はないが、例えば、グルコース果糖麦芽糖乳糖、庶糖、澱粉マンニトールデキストリングリセリン水飴糖蜜廃糖蜜オート麦粉ライ麦粉トウモロコシデンプンジャガイモトウモロコシ粉大豆粉マルトエキスのような炭水化物大豆油綿実油オリーブ油タラ肝油ラードのような油脂類クエン酸アスコルビン酸ナトリウムりんご酸、酢酸フマール酸酒石酸コハク酸グルコン酸のような有機酸類;メタノール、エタノール、n−プロパノールイソプロパノールn−ブタノールイソブタノール、t−ブタノールのようなアルコール類;及びグルタミン酸のようなアミノ酸を、単独もしくは併用して使用することができる。

0024

窒素源としては、菌が窒素源として資化しうるものであれば、特に限定はないが、例えば、フスマ落花生粉、カゼイン加水分解物魚粉、マルトエキス、大豆粉、大豆カゼインカザミノ酸ファーマメディア、綿実粉、小麦胚芽肉エキスペプトンコーンスチープリカー自己消化イースト乾燥酵母酵母エキス尿素のような有機窒素化合物アスパラギン酸グルタミンシスチンアラニンのようなアミノ酸;硫酸アンモニウム硝酸アンモニウム塩酸アンモニウム燐酸アンモニウムのようなアンモニウム塩硝酸ナトリウム硝酸カリウムのような硝酸塩等の無機窒素化合物を、単独もしくは併用して使用することができる。

0025

培地中にとり入れる無機塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、カルシウム、フォスフェートサルフェートクロライドカーボネート等のイオンを得ることの出来る通常の塩類であり、モリブデンホウ素、銅、コバルトマンガン、鉄等の微量の金属も含み、具体的には、例えば、食塩塩化マンガン塩化コバルト塩化カリウム塩化カルシウム炭酸カルシウム硫酸アルミニウムカリウム硫酸マンガン硫酸銅硫酸コバルト硫酸亜鉛硫酸第一鉄硫酸マグネシウム燐酸一カリウム、燐酸二カリウム燐酸二ナトリウムモリブデン酸アンモニウムを挙げることができ、これらを適宜組合せて使用することができる。

0026

また、菌の資化しうる硫黄化合物を培地に添加すると、目的物生成量が増大する場合がある。例えば、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸第一鉄、硫酸アンモニウムのような硫酸塩、チオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩亜硫酸アンモニウムのような亜硫酸塩等の無機硫黄化合物;シスチン、システィン、L−チアゾリジン−4−カルボン酸のような含硫アミノ酸ヒポタウリングルタチオンのような含硫ペプチド等の有機硫黄化合物;硫酸第一鉄、硫酸銅のような重金属類ビタミンB1、ビオチンのようなビタミン類サイアミンのような菌体増殖促進物質等も必要に応じて添加される。

0027

さらに、シリコンオイルポリアルキレングリコールエーテル植物油動物油界面活性剤のような消泡剤を培地に添加しても良い(特に、液体培養に際しては、好適である。)。

0028

生産菌の成育に適した培養方法としては、特に制限はなく、微生物一般に用いられる培養法であればよく、例えば、固体培養法静置培養法、撹拌培養法、振盪培養法通気培養法を使用することができるが、好適には、好気的な液体培養法である撹拌培養法、振盪培養法、または通気培養法であり、さらに好適には、振盪培養法である。なお、工業的には、通気撹拌培養法が適している。

0029

培地のpHは、通常、5.0〜8.0であり、好適には、6.0である。

0030

菌の成育に適した培養温度は、通常、15℃〜30℃であり、好適には26℃である。

0031

F−11703類の生産量は振盪培養で通常4〜7日で最高値に達する。

0032

培養終了後の生成物は、培養濾液及び菌体内に存在するので、培養物中の菌体その他の固形部分を、遠心分離、または、珪藻土濾過助剤とする濾過操作などによって、上澄液と菌体とに分離出来る。濾液に存在するF−11703類を、その物理化学的性質を利用して抽出精製する事が出来る。

0033

濾液は、水と混じらない有機溶媒、例えば酢酸エチル酢酸ブチル、ブタノールなどで抽出しその抽出物濃縮することにより粗精製物として新規化合物F−11703類が得られる。また菌体からは、菌体に、最終濃度が50〜90%になるように、水と混和しうる有機溶媒(例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール類;アセトンのようなケトン類アセトニトリルイソブチロニトリルのようなニトリル類ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドN−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノンヘキサメチルホスホトリアミドのようなアミド類)を加え菌体内から抽出し、溶媒を除去した後、上澄液と同様の処理をすることにより濾液と同様にF−11703類を含有する粗分画を得ることができる。

0034

上記粗分画をさらに精製するためには、通常、有機化合物の分離精製に慣用されている方法、例えば、セファデックスLH−20(ファルマシア社製)、アンバーライトXAD−11(ロームアンドハース社製)、ダイヤイオンHP−20(三菱化成(株)社製)ような担体を用いた分配カラムクロマトグラフィー等の合成吸着剤を使用する方法、または、シリカゲルもしくはアルキル化シリカゲルによる順相逆相カラムクロマトグラフィー法(好適には、高速液体クロマトグラフィーである)を適宜組合せ、適切な溶離剤溶出することによって分離、精製する方法を用いることができる。またシリカゲル、アルミナ、マグネシウム−シリカゲル系のフロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー法でも精製できる。

0036

目的物の溶出のチェックは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、または薄層クロマトグラフィーTLC)によって行うことができる。

0037

本発明の化合物は通常、製剤分野で慣用される補助剤一緒に使用される。F−11703類は公知の方法で、例えば乳剤原液噴霧可能なペースト、噴霧または希釈可能な溶液、希釈乳剤、水和剤水溶剤粉剤粒剤フロアブル剤ドライフロアブル剤、燻煙剤燻蒸剤、そして例えばポリマー物質によるカプセル剤に製剤される。

0038

添加剤および担体としては、固形剤を目的とする場合は、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石石膏タルクベントナイトクレイ等の鉱物性微粉末安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機及び無機化合物が使用される。

0039

液体剤型を目的とする場合は、植物油、鉱物油ケロシン、キシレンおよびトルエンのような芳香族炭化水素、ホルムアミド、ジメチルホルムアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類メチルイソブチルケトンおよびアセトンのようなケトン類、トリクロルエチレン、水等を溶剤として使用する。これらの製剤において、均一なかつ安定な形態を取るために必要ならば界面活性剤を添加することもできる。このようにして得られた水和剤、乳剤、水溶液、フロアブル剤、ドライフロアブル剤は水で所定の濃度に希釈して懸濁液あるいは乳濁液として、粉剤、粒剤はそのまま、土壌または植物に散布する方法で使用される。

0040

本発明の化合物F−11703類を含む農薬中の有効成分含有量および施用量は、剤型や、施用の対象とする雑草ダニまたは病原菌の種類、それらの予想される発生時期および期間等の条件に応じて、広範囲に変えることができる。通常、F−11703類を含む農薬中のF−11703類含有量は0.01〜50%(重量)、好ましくは0.1〜10%(重量)であるが、場合によってはF−11703類のみでもよい。さらに、施用時にこれを水等で希釈する場合、例えば殺ダニ剤もしくは殺菌剤として施用する際の濃度は0.001〜0.5%(重量)、好ましくは0.01〜0.05%(重量)が望ましい。また、除草剤としてのF−11703類の施用量は、1回10aあたり10〜5000g、好ましくは100〜500gが望ましい。しかしながら特別の場合は、これらの範囲を越えるか、または下回ることが可能である。例えば、他の農薬等と混合して施用し、共力効果等が認められる場合には、さらに低薬量で使用できる。

0041

次に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はもちろん、これらの方法に限定されるものではなく、培養器の種類、培養条件、採取、精製、試験方法等は大幅に変え得るものであることはいうまでもない。

0042

実施例1.(F−11703類の製造)
培養
種培養生産培地ともに次に示した組成のGPMY培地を用いた。

0043

培地組成(GPMY培地)
グリセリン50g
モルトエキストラクト5g
イースト・エキストラクト 5g
ジャガイモ50g
─────────────────────
イオン交換水1000ml
pHは無調整。

0044

上記組成のGPMY培地を500ml容三角フラスコに100ml入れ、121℃で20分間滅菌した。種培養としてこの培地入り三角フラスコ5本にAcremonium sp.SANK20295のスラントから一白金耳ずつ接種し、23℃で7日間ロータリーシェーカー(200rpm,5cm throw)で振盪培養した。その後、この種培養液を先の培地入りフラスコ75本に各2mlずつ接種し、23℃で7日間本培養した。

0045

単離
培養液は、遠心分離で濾液と菌体に分け、6.5リットルの濾液を7リットルの酢酸エチルで2回抽出した。各々の上層を集めて濃縮し、1.7gの油状物を得た。また、菌体を2.5リットルのメタノール、次いで2.5リットルのアセトンで抽出、セライト濾過し、溶媒を濃縮した後、水を3リットルまで加え、3リットルの酢酸エチルで3回抽出した。各々の上層を集めて濃縮し、4.5gの油状物を得た。これら油状物を集め、ヘキサン:アセトン(9:2)で平衡化し、充填したシリカゲルの900mlのカラムに吸着させ、同混合溶媒系で展開溶出した。溶出液を18mlずつ分画し、F−11703−1及びF−11703−2を含むフラクションNo.122〜126を集め減圧下濃縮し、F−11703−1及びF−11703−2の混合物400mgを得た。

0046

この部分精製品400mgを逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを行い分離、精製した。すなわち、メタノール:水(3:2)であらかじめ平衡化した逆相カラム(カプセルパックC18SG120Å 5μm、資生堂社製)に試料注入後、UV吸収265nmでモニターしながら同一の混合溶媒で流速2.5ml/分で展開溶出を行い、溶出時間8.3〜9.4分の間(F−11703−1)および9.7〜11.4分の間(F−11703−2)を分取した。同様の操作を繰り返すと、純粋なF−11703−1が70mgおよびF−11703−2が250mg得られた。

0047

実施例2.(コマツナ種子の発芽阻止作用
10mm×100mmの試験管の底に脱脂綿を約10mm高さに敷き、蒸留水あるいはF−11703−1またはF−11703−2の種々の濃度の水溶液1mlを浸み込ませた。

0048

コマツナ種子約10粒をその上にのせて28℃で3日間放置して発芽の有無によってその抑制濃度を測定した。その結果、F−11703−1では25μg/ml、F−11703−2では50μg/mlがその最小発芽阻止濃度であった。

0049

実施例3.(水田除草試験
F−11703−1またはF−11703−2を水に溶解し、所定濃度に希釈した被検液を作成した。水田土壌を入れた容器湛水し、下記の水田雑草の種子あるいは塊茎播種あるいは植え、1日後に被検液を処理した。処理から3週間後に下記に示す判定基準に基いて除草活性を調査した。

0050

0051

F−11703−1,F−11703−2の水田除草活性
ID=000006HE=065 WI=105 LX=0525 LY=1900
実施例4.(殺ダニ試験)
F−11703−1またはF−11703−2を水で100ppmに希釈し、被検液とした。被検液に、ナミハダニ寄生したササゲ葉片を約10秒間浸漬した後、25℃に放置し、2日後に死ダニ率を、10日後に未ふ化率を下記に示す判定基準に基づいて調査した。

0052

死ダニ率または未ふ化卵率 0〜30% 判定0
〃 31〜60% 〃 1
〃 61〜99% 〃 2
〃 100% 〃 3

0053

F−11703−1,F−11703−2の殺ダニ活性
ID=000007HE=045 WI=083 LX=0635 LY=0550
実施例5.(殺菌活性試験)
F−11703−1またはF−11703−2の水溶液をイネいもち病、イネ紋枯病トマト疫病、トマト輪紋病キュウリうどんこ病、キュウリ灰色かび病ハクサイ軟腐病ブドウべと病に対して、それぞれ500ppmで茎葉散布処理した結果、F−11703−1は、キュウリうどんこ病及びブドウべと病に、F−11703−2はキュウリうどんこ病、キュウリ灰色かび病およびブドウべと病に強い抗菌活性が認められた。また、いずれの化合物もトマトに薬害が見られた。

0054

以下にF−11703類を含む農薬の製剤例を挙げる。なお、記載中、部とあるのは重量部を表す。

0055

製剤例1.水和剤
F−11703−1の5部にホワイトカーボン15部、カオリン25部、クレー27.5部、珪藻土20部を混合し、さらにラウリル酸ナトリウムとリグニンスルホン酸ナトリウムの混合物7.5部を混合して微粉砕して水和剤を得る。

0056

製剤例2.粒剤
F−11703−1の4部をベントナイト微粉末の33部、タルク61部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部と混合した後、水を加え均等になるまで混練する。次に射出成型機を通して造粒し、整粒機乾燥機を通すことにより、粒径0.8mmの粒剤とする。

発明の効果

0057

以上の如く、本発明の新規化合物F−11703−1およびF−11703−2は、除草、殺ダニ、殺菌活性を有し、農薬として有用である。

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