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技術 凍結乾燥機の凍結乾燥工程における乾燥対象物温度の監視方法と凍結乾燥機

出願人 共和真空技術株式会社
発明者 小林正和砂間良二
出願日 1995年10月16日 (23年11ヶ月経過) 出願番号 1995-293613
公開日 1997年5月2日 (22年4ヶ月経過) 公開番号 1997-113133
状態 未査定
技術分野 固体の乾燥 固体の乾燥 食品の凍結・冷却及び乾燥 医療品保存・内服装置
主要キーワード 直前温度 相当長さ 平均熱伝達係数 冷却環境 製品バッチ 管壁外 対象物温度 冷却実験
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年5月2日)のものです。
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図面 (9)

課題

温度センサー対象物局所へ挿入することなしに、予備凍結と乾燥の両過程における対象物の温度を広範囲な面として監視し得るようにする。

解決手段

内部を熱媒体循環する複数の棚段を内蔵する凍結乾燥室を有し、それら棚段の上面に、乾燥対象物充填したトレイバイアルアンプル等の容器を配置して、対象物を凍結乾燥する装置において、棚段中の1ないし数段の棚段の熱媒体入口部および熱媒体出口部に温度センサーを設け、その出入り1対のセンサー指示温度の差により、該棚段上に配置した対象物の平均温度を監視し記録する。

概要

背景

凍結乾燥手段の対象となるものは、全て水分を含んだ状態では変質しやすく、また、他の乾燥手段では乾燥過程での変質を免れない複雑微妙な物質であり、凍結乾燥の諸条件を制御すると共に、工程における対象物状態変化監視し記録することにより、その製品品質立証することが求められ、特に、人の健康と生命に重大な影響を持つ医薬品の場合には、各製品バッチ毎の、実現された凍結乾燥の諸条件と、工程における対象物の状態変化を監視し、その記録を保管することが義務づけられている。

乾燥工程中の対象物の状態変化を適切に反映する代表的状態量は、対象物の温度(以降、品温)であり、従来は、品温監視の方法として、数点ないし十数点の温度センサー熱電対、あるいは白金抵抗体温度計)を対象物中に挿入する方法が採用されてきた。

概要

温度センサーを対象物の局所へ挿入することなしに、予備凍結と乾燥の両過程における対象物の温度を広範囲な面として監視し得るようにする。

内部を熱媒体循環する複数の棚段を内蔵する凍結乾燥室を有し、それら棚段の上面に、乾燥対象物充填したトレイバイアルアンプル等の容器を配置して、対象物を凍結乾燥する装置において、棚段中の1ないし数段の棚段の熱媒体入口部および熱媒体出口部に温度センサーを設け、その出入り1対のセンサー指示温度の差により、該棚段上に配置した対象物の平均温度を監視し記録する。

目的

この発明は、温度センサーを対象物の局所へ挿入することなしに、予備凍結と乾燥の両過程における対象物の温度を広範囲な面として監視し得るようにして、従前手段の上述の2欠点を解決する新たな手段を提起することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

内部を熱媒体循環する複数の棚段を内蔵する凍結乾燥室を有し、それら棚段の上面に、乾燥対象物充填したトレイバイアルアンプル等の容器を配置して、対象物凍結乾燥する装置において、棚段中の1ないし数段の棚段の熱媒体入口部および熱媒体出口部に温度センサーを設け、その出入り1対のセンサー指示温度の差により、該棚段上に配置した対象物の平均温度監視し記録することを特徴とする凍結乾燥機の凍結乾燥工程における乾燥対象物温度の監視方法

請求項2

内部を熱媒体が循環する複数の棚段を内蔵する凍結乾燥室を有し、それら棚段の上面に、乾燥対象物を充填したトレイ、バイアル、アンプル等の容器を配置して、対象物を凍結乾燥する装置において、棚段中の1ないし数段の棚段の熱媒体入口部および熱媒体出口部に温度センサーをそれぞれ設け、かつ、その熱媒体入口部と熱媒体出口部とに1対に設ける温度センサーの指示温度の差を記録し、その温度差許容範囲外れ異常値を示した場合に、これを警告する計装を備えた凍結乾燥機。

請求項3

内部を熱媒体が循環する複数の棚段を内蔵する凍結乾燥室を有し、それら棚段の上面に、乾燥対象物を充填したトレイ、バイアル、アンプル等の容器を配置して、対象物を凍結乾燥する装置において、棚段中の1ないし数段の棚段の熱媒体入口部および熱媒体出口部に温度センサーをそれぞれ設け、かつ、その熱媒体入口部と熱媒体出口部とに1対に設ける温度センサーの指示温度の差を記録し、その温度差が許容範囲を外れる異常値を示した場合に、これを警告するとともに、その温度差から、前記温度センサーを設けた棚段上に配置した対象物の平均温度の推移を計算し記録する機能を有する計装を備えた凍結乾燥機。

請求項4

内部を熱媒体が循環する複数の棚段1…を内蔵する凍結乾燥室2を有し、それら棚段の上面に、乾燥対象物を充填したトレイ、バイアル、アンプル等の容器3を配置して、対象物を凍結乾燥する装置において、棚段1…中の1ないし数段の棚段1…の熱媒体入口部4および熱媒体出口部5の熱媒体流路6内に温度センサー7・7をそれぞれ設け、かつ、それら温度センサー7のリード線70のセンサー7寄りの部分の、少なくとも20cm以上を、熱媒体流入管8および熱媒体流出管9に抱き込ませることを特徴とする凍結乾燥機。

請求項5

内部を熱媒体が循環する複数の棚段1を内蔵する凍結乾燥室2を有し、それら棚段の上面に、乾燥対象物を充填したトレイ、バイアル、アンプル等の容器3を配置して、対象物を凍結乾燥する装置において、対象物を配置するための棚段1…のうちの最下位の棚段1の下に、同温度に保持できるさらに1段の補助棚段1aを設け、最下位の棚段1と該補助棚段1aとの間隔を可変として、最下位の棚段1下面と補助棚段1a上面との間に、熱媒体入口部4および熱媒体出口部5のそれぞれに設ける温度センサー7及びそのリード線70の相当長さ部分をはさみ込んで最下位の棚段1とその下の補助棚段1aとを圧着させる装備を有する凍結乾燥機。

技術分野

0001

本発明は、医薬品の製造工程をはじめとして、食品、その他の変質しやすい物質の保存に広く使用されている凍結乾燥手段において、特に無菌工程による凍結乾燥と、厳格品質管理が要求される際に行なう乾燥対象物の温度の監視・記録手段についての改良に関する。

背景技術

0002

凍結乾燥手段の対象となるものは、全て水分を含んだ状態では変質しやすく、また、他の乾燥手段では乾燥過程での変質を免れない複雑微妙な物質であり、凍結乾燥の諸条件を制御すると共に、工程における対象物状態変化を監視し記録することにより、その製品品質立証することが求められ、特に、人の健康と生命に重大な影響を持つ医薬品の場合には、各製品バッチ毎の、実現された凍結乾燥の諸条件と、工程における対象物の状態変化を監視し、その記録を保管することが義務づけられている。

0003

乾燥工程中の対象物の状態変化を適切に反映する代表的状態量は、対象物の温度(以降、品温)であり、従来は、品温監視の方法として、数点ないし十数点の温度センサー熱電対、あるいは白金抵抗体温度計)を対象物中に挿入する方法が採用されてきた。

発明が解決しようとする課題

0004

上述の従来手段については、特に次の2つの欠点が痛感されてきた。その1つは、乾燥室棚段上の数千ないし数万本のバイアルあるいはアンプルの中の数点ないし十数点の局所温度は、その挿入場所偶然に支配されて、必ずしも、乾燥室内全体の対象物の温度を代表しないことである。

0005

他の1つは、数点ないし十数点の温度センサーを注意深くバイアル、アンプル内の溶液中に、あるいはトレイ内の対象物中に挿入する作業は、人手に依らざるを得ないので、対象物の乾燥室内搬入全自動無人化の必要と両立しないことである。特に、高度の無菌性必須条件である注射剤凍結乾燥の場合、人手作業の排除は、経済上の理由以上に無菌工程の必要となっている。

0006

以上、2つの欠点を解決するため、対象物の局所への温度センサーの挿入なしに、凍結乾燥工程の製品状態を監視する、2、3の監視方法提唱されているが、いずれも、監視の時期や内容が限定され、温度センサー挿入による品質監視と併用して、監視精度補強することはできても、温度センサー挿入の代替策となるものはない。

0007

この発明は、温度センサーを対象物の局所へ挿入することなしに、予備凍結と乾燥の両過程における対象物の温度を広範囲な面として監視し得るようにして、従前手段の上述の2欠点を解決する新たな手段を提起することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

そして、本発明においては、上述の目的を達成するための手段として、凍結乾燥室内部に設けられている複数の棚段中の少なくとも1つの棚段について、該棚段内部を流過する熱媒体入口部と熱媒体出口部とのそれぞれに、温度センサーを設けて、それらにより、熱媒体の温度を充分な精度で測定することで、その1対の温度センサーで測定する熱媒体の入口側と出口側との温度差によって、その棚段の上面に配置されている全対象物の平均温度を監視し記録する手段を提起するものである。

0009

凍結乾燥室内部に収蔵した棚段の上面に、乾燥対象物を充填したトレイ、バイアル、アンプル等の容器を配置して対象物を凍結乾燥する工程は、先ず、棚段を冷却してその棚段上に配置した対象物に含まれる全水分凍結固化し、ついで凍結乾燥室内部を真空状態排気し、棚段を昇温して、対象物の凍結固化状態を保ちながら、対象物中の水分を凍結状態から直接水蒸気昇華により乾燥する。この工程において、対象物を凍結させ、全水分の凍結固化に必要な所定温度まで冷却する操作は、もっぱら対象物より低温に冷却された棚段の上面によって、対象物から熱を奪うことによって行なわれる。が対象物から奪った熱は棚段内部に流入し循環する熱媒体に吸収され、熱媒体の温度は奪った熱によって昇温して棚段の外に流出する。

0010

対象物を冷却し凍結する間、棚段の温度が一定の温度に維持されていれば、熱媒体の、流路出口部における温度と入口部における温度との差は、対象物から奪った熱に比例するはずである。対象物を冷却し凍結する間、棚段も同時に冷却されていく工程であれば、熱媒体の出口部における温度と入口部における温度との差は、対象物から奪った熱、及び、棚段自体から奪った熱の合計値に比例するが、棚段から奪う熱量は、棚段の熱容量と棚段の冷却速度の積で、棚段の熱容量は、その材質と重量によって計算でき、棚段の冷却速度は、設定される棚段冷却制御温度プログラムによって決定するから、棚段自体から奪う熱量は既知量であり、この既知量を差し引くことにより、対象物の冷却凍結過程で棚段温度が変化する場合にも、対象物から奪った熱量は棚段内部循環中の熱媒体の昇温、つまりその出口部における温度と入口部における温度との温度差により判定できることになる。

0011

凍結乾燥室を真空排気した後の、乾燥過程においては、対象物内部の水分を昇華させるのに必要な熱は、対象物が配置された棚段から供給され、この工程においては、対象物が棚段から奪った熱量は、棚段内部を循環する熱媒体によって補給されるから、熱媒体は棚段内部を循環する間に、熱を奪われて冷却し、この間、棚段温度が一定に制御されていれば、熱媒体の出口部と入口部とにおける温度差は、対象物が奪った熱量に比例することになる。また、この間、棚段温度が変化する棚温プログラムが設定されていれば、棚段温度の変化にかかわる棚段内部を循環中の熱媒体の温度変化が、熱媒体の出入り温度差に加わることになるが、対象物の凍結過程について既述の通りの理由により、棚温変化に必要な熱量は既知量であるから、これを差し引いて、熱媒体の出口部における温度と入口部における温度との温度差から、棚段から対象物が奪った熱量が判定できることになる。

0012

ところで、熱媒体の出口部と入口部とにおける温度差を監視している棚段の上面には細密充填状態でバイアル、アンプル、あるいはトレイ等の容器が直接配置されており、棚段と棚段の外部との熱の授受は、棚段の上面温度と対象物の平均温度(より正確には、対象物が充填された容器底面の平均温度であるが、一般に対象物が容器に充填後に凍結された場合、容器底面と対象物の温度差は僅少である)との差、及び、両者の平均熱伝達係数の積に一致する。予備凍結、及び乾燥中の棚段上面とその上に配置された対象物との間の熱伝達係数は、その狭い間隙気体圧力気体温度関数であるが、凍結乾燥中の気体圧力が制御されていれば、気体温度のみにより決定され、気体温度は棚段温度とその上の対象物温度によって決定される。

0013

従って、棚温度が既知であれば、棚段と、その外部との熱の授受は、棚段上の対象物温度のみによって支配されることになり、棚段とその外部との熱の授受に比例する棚段内部を循環する熱媒体の出口部における温度と入口部における温度との温度差を監視することにより、凍結乾燥工程において、対象物の温度が適切に推移したか否かが判定できる。

0014

云うまでもなく、棚段は完全に対象物で蔽われている分けではなく、予備凍結期においては、凍結乾燥室内部の空気と、真空下においては凍結乾燥室壁面との直接の熱交換がないわけではないが、その量は棚段上面に直接置かれた対象物との熱交換に比べて微小量であり、しかも、凍結乾燥室内の空気温度や凍結乾燥室の壁面温度は測定ないし推定容易であるから、全くは無視できない場合にも、修正は容易である。以上がこの発明の原理である。

0015

次に実施例を図面に従い詳述する。図1図2図3図4薬液0.5m立を充填した底面外径14mmのアンプル3036本を、幅0.62m×奥行0.93mの棚面に配置した凍結乾燥工程の実施例で、図1はその予備凍結工程、図2はその乾燥工程初期の棚段温度と従来法により測定されたアンプル挿入熱電対による品温の時間経過を示す。図3は、予備凍結工程で毎分測定された熱媒体の出入温度差、すなわち棚段1(図5図6)内に設けられる熱媒体流路6(図6)の熱媒体入口部4に配設する温度センサー7と熱媒体出口部に配設する温度センサー7とによりそれぞれ測定される熱媒体出口部5における熱媒体温度から熱媒体入口部4における熱媒体温度を差し引いた値が○で、毎分測定値6点、6分ごとの平均値が●で、これを結んだ棚出入温度差曲線実線である。実線で描かれた棚出入温度差のうち、棚段冷却自体に起因する温度差が破線である。この破線は、毎分測定値から計算された出入部温度の平均値の変化から、測定された棚段冷却速度と棚の熱容量の積から計算され、かつ事前に実施した無負荷冷却実験により測定された棚段出入温度差の測定値により確認されたものである。実線と破線との差である、図示のXが、アンプル群から奪った熱量に起因する出入温度差で、Xのみを図示した曲線が鎖線である。熱媒体の密度比熱、及び流量によって、出入温度差を熱媒体が熱交換した熱量に換算できるので、鎖線から、(平均品温−平均棚温)×熱伝達係数の推移を判定できる。

0016

図1の2点の品温曲線が示すとおり、薬液は過冷却状態から突然氷結し、凝固潜熱の放出により、凍結点温度まで瞬時に昇温するが、その過冷却開放の時期は偶然性を含む確率過程であり、2つの品温の氷結時期と過冷却の深さは著しく異なっており、測定本数を増やせば、推定精度はそれなりに向上するとは云え、氷結晶生成時期の平均値が、前回生産バッチと、今回バッチと異なった場合にも、それがサンプリングの偶然のためか、薬液ないし、その冷却環境の何らかの差異、異常に起因するかを判定しにくい。しかし、図3の棚出入温度差曲線は、棚上3036本の温度の平均値の反映であり、サンプリングの偶然性は排除され、前回バッチと今回との工程の再現性はより適格に監視できる。

0017

図4真空排気後、棚温を所定温度+20℃まで昇温後、一定温度に制御した場合の棚出入温度差、及び、棚段の昇温に起因する温度差部分、アンプルに奪われた熱量に起因する温度差部分が、熱媒体が熱を奪われるため温度差はマイナスであるが、図3と共通の記号で描かれている。予備凍結と乾燥の両過程とも、通常は棚温度は設定プログラムどおりに推移し、推移したことは棚温測定値により検証されるから、図3図4の破線曲線は、毎回の生産バッチで不変であり、結局、棚出入温度差測定値(図3図4の実線)が、予めの試験製造によって製品品質適格性が証明済の凍結乾燥工程における棚出入温度差測定値の標準曲線許容範囲で一致するか否かが、品温監視の課題となる。

0018

次に、図5は本発明による凍結乾燥行程における乾燥対象物温度の監視装置を実施せる凍結乾燥機Aの要部の正面図で、同図において1…は棚段、2はその棚段1…を収蔵せる凍結乾燥室、3…は棚段1…上に載置せる乾燥対象物を充填した容器を示す。

0019

棚段1…は、内部を循環する熱媒体により所望の温度への冷却および所望温度への加熱が行なえる通常の凍結真空乾燥装置に組込まれる棚段であり、凍結乾燥室2内に適宜の段数上下に並列して収蔵されている。

0020

そして、これら棚段1…は、各棚段1…の間に渡架される吊金具10…により、それらの間隔が所定の寸法を保持する状態に連繋していて、最上位の棚段1に連繋する昇降装置11の上昇作動で、所定の間隔寸法を保持する状態で吊下げられた状態となる。また、昇降装置11の下降作動で、凍結乾燥室2内の底部に設けた支承台に最下位の棚段1が当接することで、各吊金具10…に遊びが生じて、折畳み状態に重ねられ、これにより、各棚段1…の上に載架した容器3…を上下両面から押圧するようになる。

0021

凍結乾燥室2は、開閉扉を備える密閉可能に形成した室に、真空に排気し得る真空排気系と冷却のための冷凍装置とを装備せしめた通常の凍結乾燥装置の凍結乾燥室である。

0022

容器3…は、薬品・食品等の、乾燥対象物を充填するトレイ・バイアル・アンプル等の容器であり、図示する例においては、押し込みにより封栓される打栓を備えるバイアルを示している。

0023

しかして、前記棚段1…には、図6に示している如く、それの内腔に設けた熱媒体流路6の、熱媒体が流入してくる熱媒体入口部4および熱媒体が流出していく熱媒体出口部5のそれぞれの部位に、温度センサー7・7を配設するが、それら温度センサー7・7のリード線70…は、図7に示している如く、熱媒体入口部4および熱媒体出口部5にそれぞれ接続する熱媒体流入管8および熱媒体流出管9の内腔を利用して、熱媒体流路6内に配設せる温度センサー7・7に導くようにし、かつ、熱媒体入口管8および熱媒体出口管9から外部に引き出される部分のリード線70…は、温度センサー7・7寄りの部分の少なくとも20cm以上を、熱媒体入口管8および熱媒体出口管9の管壁外面に抱き込ませるようにする。

0024

このリード線70…の管壁外面に対する抱き込みは、図7に示している如く、熱媒体入口管8・熱媒体出口管9の管壁外面に小径導管80・90を、所望の長さ範囲に一体または一体的に設けて、これにリード線70…を挿通させるか、または、リード線70…を熱媒体入口管8・熱媒体出口管9の管壁の外面に当接して熱的に密着させることなど行なう。

0025

このリード線70の温度センサー7・7との近接部分を管壁に抱き込ませることで、リード線70…を通じて温度センサー7・7に伝えられる外部温度の影響が殆んど消失して、温度センサー7・7による温度測定の精度を高精度に向上させるようになる。

0026

このリード線70…の温度センサー7・7との近接部分の抱き込みは、図8に示している如く、凍結乾燥室2内に多段に棚設する棚段1…のうちの最下位の棚段1の下方に、それら棚段1…と同温度に保持できる補助棚段1aをさらにもう一段設けて、この補助棚段1aの上面と最下位の棚段1の上面との間隔が自在に変更されるようにしておいて、その間隔を可能な限り密接させることで、最下位の棚段1の下面に設けた温度センサー7およびその温度センサー7から導き出したリード線70の温度センサー7との近接部分を、この補助棚段1aと最下位の棚段1との間に挟み込ませるようにすることで行なってよい。

発明の効果

0027

以上述べたように、本発明による凍結乾燥機の凍結乾燥行程における乾燥対象物温度の監視手段は、棚出入温度差(棚段内の熱媒体流路6の熱媒体入口部4と熱媒体出口部5とにそれぞれ設けた温度センサー7・7により測定される、その流路6を流過する熱媒体の流路6の入口側における温度と出口側における温度との差)だけを調べて記録し、それが、予め合格済みの棚出入温度差と対比して、異常があるか否かだけを監視することで、乾燥行程中の乾燥対象物の全体の品温の監視が行なえ、また、それの記録から異状なしに乾燥されたことが判別されることになるので、温度センサーを乾燥対象物の局所に挿入するわずらわしい作業を一切行なわないで、乾燥対象物の品温を、予備凍結と乾燥の両過程において精確に監視できるようになる。

0028

しかも、コンピューターを使用しないでも、乾燥対象物の品温の精確な監視が行なえることになって、設備コストの低減が得られる。

0029

また、棚上の対象物と棚との間の熱伝達係数は、乾燥室圧力、棚温、及び対象物温度の関数であるから、その熱伝達係数を実験により測定しておくか、生産開始に先立つ試験製造において、平均品温の正確な推定に充分な多数の品温を従来法により、棚出入温度差と共に測定して、棚出入温度差と平均品温との対応関係を測定しておけば、コンピュータ利用の計装制御装置を採用することにより、棚出入温度差を品温に換算して記録表示することができるが、経済的理由により換算機能を省略しても、棚出入温度差の時間経過自体によって、正常バッチとの再現性を立証でき、かりに異常値を記録した場合には、異常が何時発生し、品温がどの程度逸脱したかを見出すことができるようになる。

0030

さらに、棚出入温度差の測定精度は、実施例とその分析に依れば、毎分測定値から統計学的に推定される出入温度差の精度は熱電対使用の場合、信頼水準95%において±0.078℃、6分間の平均値の精度は±0.032℃であり、温度センサーに白金抵抗体を使用することにより、当然、その精度向上が期待できる。熱電対によって達成可能な精度を、現行の局所挿入センサー6点による、同じ信頼水準95%における平均温度推移精度と比較し、同等以上とするために必要な棚出入温度差の有効部分(棚自体の昇降温度に起因する出入温度差を差し引いた、図2図3のX部分)は、5%食塩水の反復実験により比較すれば、予備凍結に氷結直前温度監視の場合、X≧0.2℃、昇華初期の品温監視の場合に、X≧0.75℃であり、何れも、図1から図4の実施例のXは充足しており、Xを図示の実施例の2倍程度に拡大するように熱媒体循環流量を減らしても、対象物の一様性への影響は無視できるから、本発明手段を用いれば、無菌工程を妨げる人手作業を排除できるだけでなく、品温監視精度の向上も達成できる。

0031

さらにまた、熱媒体流路6の熱媒体入口部4および熱媒体出口部5に配設する温度センサー7・7のリード線70…の、温度センサー7・7に近接する部位の約20cmないし30cm以上を、温度センサー7・7の測定部位と殆んど同温度に保たれる熱媒体流入管8・熱媒体流出管9に抱き込ませるか、あるいは、温度センサー7・7を設ける最下位の棚段1の下方に、同温度に保持できるもう一段の補助棚段1aを設けて、これと最下位の棚段1との間隔を可変にし、これらの間隔内に、熱媒体入口部4および熱媒体出口部5に配位して、最下位の棚段1の下面に設ける温度センサー7・7とそれのリード線70の相対長さ部分を、はさみ込ますように配位して、最下位の棚段1と補助棚段1aとを可能な限り密着させるようにしたときは、温度センサー7・7のリード線70…を介して伝えられる外部温度の影響が排除されて、高精度の温度測定が行なえるようになる。

図面の簡単な説明

0032

図1予備凍結工程における乾燥対象物の品温の経過時間による変化を示す図表である。
図2乾燥工程初期における棚温度と品温の時間経過における変化を示す図表である。
図3予備凍結工程における熱媒体の出入温度差とその平均値の経過時間ごとの変化を示す図表である。
図4真空排気後の乾燥工程における棚出入温度差の時間経時による変化を示す図表である。
図5本発明を実施せる凍結乾燥装置の凍結乾燥室の開閉扉を開放した状態の正面図である。
図6同上の凍結乾燥室内に棚設される棚段の横断平面図である。
図7同上の棚段の部分の拡大横断平面図である。
図8同上の別の実施例における要部の一部破断した正面図である。

--

0033

A…凍結乾燥機、1…棚段、1a…補助棚段、10…吊金具、11…昇降装置、2…凍結乾燥室、3…容器、4…熱媒体入口部、5…熱媒体出口部、6…熱媒体流路、7…温度センサー、70…リード線、8…熱媒体入口管、9…熱媒体出口管、80・90…導管。

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