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技術 二次電池の充電方法及び充電装置

出願人 株式会社ジェイエヌティ
発明者 今永榮輔
出願日 1995年9月26日 (25年1ヶ月経過) 出願番号 1995-270654
公開日 1997年4月4日 (23年7ヶ月経過) 公開番号 1997-093824
状態 未査定
技術分野 電池の充放電回路 電池等の充放電回路 二次電池の保守(充放電、状態検知)
主要キーワード 最適値データ 致命的障害 パルス休止期間 最適パルス 電池類 パルス持続期間 パルス形 標準特性
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図面 (10)

課題

二次電池に対して障害を与える温度上昇をさせずに、常に適正充電が可能で、かつメモリ効果を生ぜず繰り返し充放電が可能な二次電池の充電方法と本方法の実施に適した充電装置を提供する。

解決手段

被充電電池端子電圧の少なくとも1.3倍以上の波高値を有する電圧パルスで、当該被充電電池の特性に合わせて経時的に電圧の低下する階段状の電圧パルスを電池正負端子間印加して対応する電流電力制御部から供給し、パルス休止期間の被充電電池の端子間電圧パルス持続期間充電電流監視部で検出し、該両者の検出結果と被充電電池に関する標準特性データの比較結果に基づき引き続き印加すべき電圧パルスの波形および持続時間を演算・駆動部で決定し、該決定に基づき順次充電を継続し、被充電電池に対する過充電過熱ならびにメモリ効果の発生を防止しつつ急速充電を行う、二次電池の充電方法および充電装置である。

概要

背景

このような多くの特徴を有する小形二次電池ではあるが、電池メーカー推奨する標準充電条件によれば、0.1C程度の電流で10〜15時間程度が指定されている。このような長い充電時間は、実用上不便であることは明らかであり、多くの特徴を減殺させている。

そこで、充電電流を0.3C程度に高く設定することによって充電時間を短縮したり、特別に急速充電の可能な電池として、30分〜1時間としているものもあるが、特殊設計をしたものに限られる。さらに、充電時間を短縮すると、充電終期には極めて高温となり、電池寿命を損なう危険性がある。

さらに、この種の二次電池には、不完全充電を繰り返す間に有効容量が次第に低下してしまう、いわゆるメモリ効果が生じ、遂には利用不可能になってしまうことがある。かかる二次電池の安易な廃棄は、資源の浪費につながり、さらに土壌重金属汚染等に拍車をかけることになり望ましくない。

このようなメモリ効果は、小形二次電池容量を完全に使い切らない内に次の充電を、いわゆる継ぎ足し充電状態を行うことによって顕著となる。携帯用機器内蔵二次電池などでは、使用を再開するに先立ち、念のために追加充電または継ぎ足し充電を行う場合などに発生する。

通常、携帯形情報処理装置通信装置類、例えばハンディターミナル携帯電話等の電源の場合、使用に先立つ二次電池の充電にあたり、予め完全放電を行うことは所要時間、手数等の点から不可能に近い。

例えば、携帯電話内蔵の二次電池を外出の前に充電したり、または当日の使用終了後に、補充電を開始する度に、その都度、二次電池の残容量を確認し、あるいは完全放電を予め行うことは極めて困難である。したがって、確実にメモリ効果が生ずる条件下で補充電が行われることになる。

このようなメモリ効果の予防には、定期的に完全な放電操作を行った後に標準充電を繰り返し行う、いわゆるリフレッシュ法が有効である。図8は、NiCd電池およびNiMHニッケル水素)電池においてメモリ効果が発生した場合(実線)およびリフレッシュ後(破線)の電圧対容量特性を示すものである。

しかし、リフレッシュを行うに当たり、過放電を避ける配慮が必要であり、手数および時間の点で煩瑣であることに変わりがない。

特に、単電池直並列接続した組電池の場合には、過放電状態にすると、個々のセル放電状態が異なり、先に放電を終了したセルが逆極性に充電され、回復不可能な状態になることがあり、格別の配慮が必要となる。

一方これを避けるために、リフレッシュの放電を浅めに設定すると、構成電池バラツキにより一部ないしは大部分の電池がリフレッシュされずに放電を終え効果が得られないことがある。

ここに示したような従来技術による充電方式では、過不足のない充電状態充電操作を終了することにも困難が伴う。小形二次電池の充電状態は現行では外部から確認することができない。したがって、必要かつ十分な充電終了時を決定することも容易ではない。

二次電池の充電終了時を決定する方法として、1.充電時間設定方式、2.端子電圧検出方式、3.電池温度検出方式、4.端子電圧微小変化検出方式が知られている。

1.充電時間設定方式は、充電回路投入状態タイマー制御するもので、最も簡易ではあるが、充電開始時の電池残容量が一律ではなく、一定時間で充電停止したとしても適正充電となる保証はなく、不足充電または過充電となることが多い。

2.端子電圧検出方式は、所定の充電電流で充電を行い、二次電池の端子電圧が予め定められた所定の電圧、すなわち充電末期最大電圧値に近い電圧値に達した際に充電を停止するものである。

しかし、充電末期電圧は温度および充電電流によって変動する。充電末期検出のための設定電圧は過充電を避けるため低めに設定せざるを得ない。したがって、検出された端子電圧は真の充電状態を示し得ず、一般に不足充電となることが多い。

3.電池温度検出方式は、電池内に予め組み込んだ温度検出素子により電池温度を監視し、所定温度に達した際に充電を停止するものである。充電末期に発生するガス陰極に吸収される際の反応熱を検出するものであるが、周囲温度の影響を受け易く、低温時には過充電、高温時には不足充電となる傾向がある。基本的には、過充電による温度上昇を検出しているため電池の劣化を招き易い。

4.端子電圧微小変化(−ΔV)検出方式は、図9に示すように、充電終末期における電池電圧微小低下、すなわち−ΔVを検出し、マイコン制御により充電をするものである。しかし−ΔVは温度および充電電流によって変化レベルが変動する。特に、高温時には変化分が小さくなり、高い検出精度が要求される。

このような電圧変動も、基本的には温度上昇に起因した現象であるため、電圧変動に先んじて既に温度上昇が生じていることになり、電池に対して好ましい結果を及ぼすことはない。

上述のような従来の充電方式において、不足充電であれば、電池性能が十分に発揮されず、搭載機器の性能を左右することになる。

逆に、密閉構造の二次電池が過充電になると、温度上昇を招来し、電解液漏洩およびこれに起因する電解液不足現象、すなわちドライアップ現象を招き、二次電池に対して致命的障害をもたらす。

概要

二次電池に対して障害を与える温度上昇をさせずに、常に適正充電が可能で、かつメモリ効果を生ぜず繰り返し充放電が可能な二次電池の充電方法と本方法の実施に適した充電装置を提供する。

被充電電池端子電圧の少なくとも1.3倍以上の波高値を有する電圧パルスで、当該被充電電池の特性に合わせて経時的に電圧の低下する階段状の電圧パルスを電池正負端子間印加して対応する電流を電力制御部から供給し、パルス休止期間の被充電電池の端子間電圧パルス持続期間の充電電流を監視部で検出し、該両者の検出結果と被充電電池に関する標準特性データの比較結果に基づき引き続き印加すべき電圧パルスの波形および持続時間を演算・駆動部で決定し、該決定に基づき順次充電を継続し、被充電電池に対する過充電、過熱ならびにメモリ効果の発生を防止しつつ急速充電を行う、二次電池の充電方法および充電装置である。

目的

本発明は、二次電池に対して障害を与える温度上昇をもたらすことなしに、常に適正充電を行うことが可能で、かつメモリ効果を生ずることなく繰り返し充放電が可能である二次電池の充電方法ならびにこのような方法を実施するに適した充電装置を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

被充電電池端子電圧の少なくとも1.3倍以上の波高値を有する電圧パルスであって、当該被充電電池の特性に合わせて経時的に電圧の低下する階段状の電圧パルスを電池正負端子間印加して対応する電流を供給し、パルス休止期間における被充電電池の端子間電圧パルス持続期間における充電電流とを検出し、該両者の検出結果と被充電電池に関する標準特性データとの比較結果に基づいて引き続いて印加すべき電圧パルスの波形および持続時間を決定し、該決定に基づいて順次充電を継続し、被充電電池に対する過充電過熱ならびにメモリ効果の発生を防止しつつ急速充電を行うこと、を特徴とする二次電池充電方法

請求項2

前記二次電池が、ニッケル−カドミウム電池であり、前記電圧パルスの特性をニッケル−カドミウム電池に適合せしめたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の充電方法。

請求項3

前記二次電池が、ニッケル水素電池であり、前記電圧パルスの特性をニッケル−水素電池に適合せしめたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の充電方法。

請求項4

前記電圧パルスの波高値が、被充電電池の端子電圧の1.5〜3倍となるように選定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の二次電池の充電方法。

請求項5

被充電電池充電用の電圧を発生する電源部(12)と、該電源部(12)からの電圧を受け、外部からの制御信号に応じて出力電圧パルスの波高値および持続時間を制御し、被充電電池端子電圧の少なくとも1.3倍以上の波高値を有する電圧パルスを発生する電力制御部(14)と、前記電圧パルスによる充電期間中における充電電流と、電圧パルスの休止期間中に被充電電池の端子電圧とをそれぞれ検出し、被充電電池の標準特性データとこれら検出された電圧および電流の両者とを比較することによって当該被充電電池(20)の状態を監視する監視部(16)と、該監視部(16)の出力を受け、被充電電池の特性に適合するように所定の演算処理を行い、該演算結果に合わせて前記電力制御部(14)を駆動する演算・駆動部(18)と、を有することを特徴とする二次電池の充電装置

請求項6

前記監視部(16)および演算・駆動部(18)が、ニッケル−カドミウム電池の特性に適合せしめられていることを特徴とする請求項5に記載の二次電池の充電装置。

請求項7

前記監視部(16)および演算・駆動部(18)が、ニッケル−水素電池の特性に適合せしめられていることを特徴とする請求項5に記載の二次電池の充電装置。

請求項8

前記監視部(16)および演算・駆動部(18)が、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、その他の二次電池の特性に選択的に適合可能であることを特徴とする請求項5に記載の二次電池の充電装置。

請求項9

前記電圧パルスの波高値が、被充電電池の端子電圧の1.5〜3倍となるように選定されることを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の二次電池の充電装置。

技術分野

0001

本発明は、二次電池新規急速充電方法ならびにかかる急速充電方法を実施するための充電装置に関する。

0002

近年、携帯式または移動式の各種電気電子機器類、例えば携帯電話ノートパソコンその他情報処理機器ハンディターミナルビデオカメラ充電式電動工具小形掃除機、各種電動カートバッテリーフォークリフト電気自動車等が多方面において広く普及し、駆動源としての電池が不可欠となっている。

0003

このような電池には、周知のように、ただ一度の放電のみ可能である一次電池と、多数回にわたる充電および放電が可能な二次電池とが存在する。

0004

マンガン電池アルカリマンガン電池として広く使用されている一次電池は、国際的にも規格化されており、手軽に使用できる利点があるが、完全な消耗品であるため不経済である。

0005

多数回にわたる充・放電が可能な二次電池は、自動車エンジン用その他として古くから使用されている鉛蓄電池は、長い歴史の間に種々改良され、寸法および容量等も格段に進歩している。しかし、重量が嵩むこと、電解液として希硫酸溶液を使用すること、などの理由から小形移動用、例えば携帯用機器類の電源としては適していない。

0006

このような歴史的に良く知られている鉛蓄電池を小形に形成した、小形シール鉛電池も一部採用されているが、単位対重量当たりの電池容量が少ない。現在、小形二次電池としてはニッケルカドミウム(Ni−Cd)電池、ニッケル−水素(NiMH)電池、リチウムイオン(Li)電池等が広く採用されている。

0007

中でも、Ni−Cd電池は、1960年代商品化されており圧倒的なシェアを占めている。このNi−Cd電池の特徴は、(1)密閉形であり補液を必要としない、(2)軽量である、(3)小型化が可能であり、単1、単2、単3等の標準規格マンガン乾電池とそのまま置換可能である、

0008

(4)電圧変動が少なく、大電流出力が可能である、(5)一次電池であるマンガン乾電池と比して、繰り返し使用が可能であるため、使用上のコストが格段に小さくなる、等が挙げられる。

背景技術

0009

このような多くの特徴を有する小形二次電池ではあるが、電池メーカー推奨する標準充電条件によれば、0.1C程度の電流で10〜15時間程度が指定されている。このような長い充電時間は、実用上不便であることは明らかであり、多くの特徴を減殺させている。

0010

そこで、充電電流を0.3C程度に高く設定することによって充電時間を短縮したり、特別に急速充電の可能な電池として、30分〜1時間としているものもあるが、特殊設計をしたものに限られる。さらに、充電時間を短縮すると、充電終期には極めて高温となり、電池寿命を損なう危険性がある。

0011

さらに、この種の二次電池には、不完全充電を繰り返す間に有効容量が次第に低下してしまう、いわゆるメモリ効果が生じ、遂には利用不可能になってしまうことがある。かかる二次電池の安易な廃棄は、資源の浪費につながり、さらに土壌重金属汚染等に拍車をかけることになり望ましくない。

0012

このようなメモリ効果は、小形二次電池容量を完全に使い切らない内に次の充電を、いわゆる継ぎ足し充電状態を行うことによって顕著となる。携帯用機器の内蔵二次電池などでは、使用を再開するに先立ち、念のために追加充電または継ぎ足し充電を行う場合などに発生する。

0013

通常、携帯形情報処理装置通信装置類、例えばハンディターミナルや携帯電話等の電源の場合、使用に先立つ二次電池の充電にあたり、予め完全放電を行うことは所要時間、手数等の点から不可能に近い。

0014

例えば、携帯電話内蔵の二次電池を外出の前に充電したり、または当日の使用終了後に、補充電を開始する度に、その都度、二次電池の残容量を確認し、あるいは完全放電を予め行うことは極めて困難である。したがって、確実にメモリ効果が生ずる条件下で補充電が行われることになる。

0015

このようなメモリ効果の予防には、定期的に完全な放電操作を行った後に標準充電を繰り返し行う、いわゆるリフレッシュ法が有効である。図8は、NiCd電池およびNiMH(ニッケル−水素)電池においてメモリ効果が発生した場合(実線)およびリフレッシュ後(破線)の電圧対容量特性を示すものである。

0016

しかし、リフレッシュを行うに当たり、過放電を避ける配慮が必要であり、手数および時間の点で煩瑣であることに変わりがない。

0017

特に、単電池直並列接続した組電池の場合には、過放電状態にすると、個々のセル放電状態が異なり、先に放電を終了したセルが逆極性に充電され、回復不可能な状態になることがあり、格別の配慮が必要となる。

0018

一方これを避けるために、リフレッシュの放電を浅めに設定すると、構成電池バラツキにより一部ないしは大部分の電池がリフレッシュされずに放電を終え効果が得られないことがある。

0019

ここに示したような従来技術による充電方式では、過不足のない充電状態充電操作を終了することにも困難が伴う。小形二次電池の充電状態は現行では外部から確認することができない。したがって、必要かつ十分な充電終了時を決定することも容易ではない。

0020

二次電池の充電終了時を決定する方法として、1.充電時間設定方式、2.端子電圧検出方式、3.電池温度検出方式、4.端子電圧微小変化検出方式が知られている。

0021

1.充電時間設定方式は、充電回路投入状態タイマー制御するもので、最も簡易ではあるが、充電開始時の電池残容量が一律ではなく、一定時間で充電停止したとしても適正充電となる保証はなく、不足充電または過充電となることが多い。

0022

2.端子電圧検出方式は、所定の充電電流で充電を行い、二次電池の端子電圧が予め定められた所定の電圧、すなわち充電末期最大電圧値に近い電圧値に達した際に充電を停止するものである。

0023

しかし、充電末期電圧は温度および充電電流によって変動する。充電末期検出のための設定電圧は過充電を避けるため低めに設定せざるを得ない。したがって、検出された端子電圧は真の充電状態を示し得ず、一般に不足充電となることが多い。

0024

3.電池温度検出方式は、電池内に予め組み込んだ温度検出素子により電池温度を監視し、所定温度に達した際に充電を停止するものである。充電末期に発生するガス陰極に吸収される際の反応熱を検出するものであるが、周囲温度の影響を受け易く、低温時には過充電、高温時には不足充電となる傾向がある。基本的には、過充電による温度上昇を検出しているため電池の劣化を招き易い。

0025

4.端子電圧微小変化(−ΔV)検出方式は、図9に示すように、充電終末期における電池電圧微小低下、すなわち−ΔVを検出し、マイコン制御により充電をするものである。しかし−ΔVは温度および充電電流によって変化レベルが変動する。特に、高温時には変化分が小さくなり、高い検出精度が要求される。

0026

このような電圧変動も、基本的には温度上昇に起因した現象であるため、電圧変動に先んじて既に温度上昇が生じていることになり、電池に対して好ましい結果を及ぼすことはない。

0027

上述のような従来の充電方式において、不足充電であれば、電池性能が十分に発揮されず、搭載機器の性能を左右することになる。

0028

逆に、密閉構造の二次電池が過充電になると、温度上昇を招来し、電解液の漏洩およびこれに起因する電解液不足現象、すなわちドライアップ現象を招き、二次電池に対して致命的障害をもたらす。

発明が解決しようとする課題

0029

本発明は、二次電池に対して障害を与える温度上昇をもたらすことなしに、常に適正充電を行うことが可能で、かつメモリ効果を生ずることなく繰り返し充放電が可能である二次電池の充電方法ならびにこのような方法を実施するに適した充電装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0030

本発明の課題は、被充電電池端子電圧の少なくとも1.3倍以上の波高値を有する電圧パルスであって、当該被充電電池の特性に合わせて経時的に電圧の低下する階段状の電圧パルスを電池正負端子間印加して対応する電流を供給し、パルス休止期間における被充電電池の端子間電圧パルス持続期間における充電電流とを検出し、該両者の検出結果と被充電電池に関する標準特性データとの比較結果に基づいて引き続いて印加すべき電圧パルスの波形および持続時間を決定し、該決定に基づいて順次充電を継続し、被充電電池に対する過充電、過熱ならびにメモリ効果の発生を防止しつつ急速充電する、二次電池の充電方法によって解決される。

0031

さらに、本発明の課題は、図1に示すように、被充電電池の充電のための電圧を発生する電源部12と、該電源部12からの電圧を受け、外部からの制御信号に応じて出力電圧パルスの波高値および持続時間を制御し、被充電電池端子電圧の少なくとも1.3倍以上の波高値を有する電圧パルスを発生する電力制御部14と、前記電圧パルスによる充電期間中における充電電流と、電圧パルスの休止期間中に被充電電池の端子電圧とをそれぞれ検出し、被充電電池の標準特性データとこれら検出された電圧および電流の両者とを比較することによって当該被充電電池20の状態を監視する監視部16と、該監視部16の出力を受け、被充電電池の特性に適合するように所定の演算処理を行い、該演算結果に合わせて前記電力制御部14を駆動する演算・駆動部18と、を有する、二次電池の充電装置10によって解決される。

0032

本発明に係る二次電池の充電方法では、二次電池の正負端子間に印加される少なくとも1.3倍以上の電圧パルスによって生ずるパルス状充電電流(図2参照)の通流状態、そして電圧パルスの休止期間中に二次電池の端子電圧を監視している。これらの監視にあたっては、予め監視部16に記憶せしめられている、被充電電池20の標準特性データが参照される。

0033

このパルス状充電電流の最初の通流状態の監視によって、被充電電池の残容量が測定される。この監視結果と、被充電電池の種類によって決まる標準データとを比較し、その比較結果を演算処理し、その結果に従い、引き続く充電用電圧パルスの最適値データ、すなわちパルス形状および持続時間を決定する。

0034

この場合の充電電流は、図2の下方に模式的に示したように、その有効面積図2の上方に示す被充電電池電圧のグラフの上昇にしたがって経時的に変化する。

0035

このように決定された最適値データに従い、次続の電圧パルスを発生せしめ、該最適パルス形状および持続時間の電圧パルスにより充電を継続することにより、過充電、過熱ならびにメモリ効果の発生を防止しつつ急速充電を行うことができる。この間、温度上昇の兆候が監視部によって検出された場合には、充電のための電圧パルスの持続時間は短縮され、充電エネルギーは低減される。

0036

メモリ効果の生じたNiCd電池に衝撃的な通電を行うとメモリ効果の原因となっている電極結晶構造変成が回復し、そのメモリ効果が除去されることが知られている。

0037

衝撃的な通電は順方向(放電の方向)あるいは逆方向(充電の方向)のいずれでも良く、その方法としては、その電池で充電したコンデンサを順方向に接続し瞬間的な過大電流を通電する方法、あるいはその電池の端子電圧より充分に高い電圧パルスを逆方向に印加し通電する方法等がある。後者の方法は本発明に係る充電方法の一部に外ならない。すなわち本発明に係る充電方法の効果の一つとしてメモリ効果の除去作用があり、当然にメモリ効果の発生もない。

0038

なお、充電のための最適の電圧・電流パターンは二次電池の種類や容量によって異なるため、それぞれの標準データを監視部内の記憶部に記憶せしめておき、選択して使用するように構成することができる。

0039

なお、被充電電池の種類毎の標準データを着脱可能な記憶媒体に記憶せしめておき、電池の種類や容量に応じて交換使用するように構成することもできる。

0040

このような配慮を加えることにより、二次電池に対して過不足のない、すなわち100%充電が行われ、その間過度の温度上昇やメモリ効果も生じない。したがって、電池寿命を大幅に延長することができ、資源の有効利用、環境破壊局限化を達成することができる。

0041

この場合の対象二次電池としては、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、鉛蓄電池、ニッケル−亜鉛電池酸化銀−亜鉛電池、酸化銀−カドミウム電池、その他各種のリチウム二次電池等が挙げられる。これら各二次電池の標準データを記憶せしめておくことによりいずれの二次電池に対しても対応することができる。

発明を実施するための最良の形態

0042

以下、本発明の実施の形態について添付図を参照しながら開示する。図3は本発明に係る充電方法を実施するに適した二次電池の充電装置10の構成例を示すブロック図である。図1と同じ構成部には同じ参照符号を付している。

0043

図3は、図1基本要素の中で、監視部16および演算・駆動部18を具体的構成に即して開示したものである。監視部16は、外部からの電圧パルスの休止期間に被充電電池20の端子電圧を検出する電圧検出部16Vと、電圧パルスの持続期間に充電電流を検出する電流検出部16Aとを有し、これら両検出結果によって被充電電池20のその時点における充電容量その他の状態を総合的に検出する。

0044

また、監視部16は、一連の充電操作を実行するために必要な標準特性データを記憶する記憶部16Mを有している。記憶部16Mに記憶される標準特性データには、被充電電池20の電圧電流定格を始め、当該時点における充電容量を基礎として印加される電圧パルスと充電電流の経時的関係および温度特性等が含まれる。

0045

監視部16には、さらに比較部16Cが設けられる。この比較部16Cは、電圧検出部16Vおよび電流検出部16Aにより各々検出された電圧および電流と記憶部16Mに記憶された標準データとを比較し、対応する出力を発生する。

0046

演算・駆動部18は、演算部18Tおよび駆動部18Dを有する。演算部18Tは、比較部16Cの出力を受けて、被充電電池20に対して引き続く充電期間において最適の電圧パルスの持続時間および休止時間、すなわちデューティサイクルおよびパルス形状等を演算し、この演算出力を駆動部18Dを介して電力制御部14に供給する。その結果、電力制御部14からは、被充電電池20に対して最適の電圧パルスが発生される。

0047

電源部12は、上述のように被充電電池の端子電圧より高く、被充電電池電圧の少なくとも1.3倍以上、上限は4倍程度、好ましくは3.5倍以下の直流電圧を発生する。この電圧は被充電電池の種類、電池構成、容量等によって異なるものとすることができる。

0048

電源部12の直流出力は、演算・駆動部18によって制御される電力制御部14において、被充電電池電圧の少なくとも1.3倍以上の波高値を有する電圧パルスに変換される。この場合の波高値は、被充電電池電圧端子電圧の1.3〜4倍、好ましくは1.5〜3.5倍、より好ましくは2〜3倍である。

0049

この電圧パルスの波高値を被充電電池の端子電圧の少なくとも1.3倍以上とすることは、二次電池の急速充電を行うためと、メモリ効果を解消または防止するために重要である。

0050

ただし、かかる高電圧を長時間継続して印加すると二次電池に過酷な充電電流を与えることになり、電池の過熱や電極の物理破壊等を招くことになるため取り扱い上も禁止されていることが多い。

0051

本発明に係る二次電池の充電方法では、微小時間持続する電圧パルスとし、また断続的に印加するものとし、少なくとも1.3倍以上の高電圧印加でありながら悪影響を排除しつつ充電を可能にしている。

0052

しかし、いかに短時間といえども極端な高電圧になると二次電池に及ぶ悪影響を回避することはできない。そこで、上限は4倍程度、実用上は3.5倍程度、好ましくは3倍程度である。これらの電圧範囲は、被充電電池の種類、電池構成、容量等によって異なるものとすることができる。

0053

被充電電池の種類は、上述のようにニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、鉛蓄電池、ニッケル−亜鉛電池、酸化銀−亜鉛電池、酸化銀−カドミウム電池、その他各種のリチウム二次電池等が挙げられる。これら電池の種類によって、記憶部16Mに記憶されるデータを変更することにより、より好適な充電を行うことができる。

0054

以下、本発明に係る二次電池の充電方法と従来技術に係る充電方法とによる比較試験および本発明の実証試験の結果について開示する。

0055

比較試験1
供試二次電池
Ni−Cd電池SH−700LBAT(商品名:三星社製)
電圧4.8V、セル数4、単電池外形φ17×43
回路接続図4参照)
供試充電装置
SRC−700(商品名:三星社製)(専用アダプタ付属
充電終期検出 −ΔV方式

0056

比較試験2
供試二次電池
Ni−Cd電池SNN4132B(商品名:モトローラ社製)
電圧6V、セル数5、単電池外形48L×18W×6.1t
回路接続(図5参照)
供試充電装置
SLN9347B(商品名:モトローラ社製)(13V電源接続
充電終期検出 −ΔV方式

0057

実証試験1
供試二次電池
Ni−Cd電池SH−700LBAT(商品名:三星社製)
供試充電装置
本発明の充電装置(図3に係る構成)
定格:4.8V電池
最大充電電流2.5Aに設定

0058

実証試験2
供試二次電池
Ni−Cd電池SNN4132B(商品名:モトローラ社製)
供試充電装置
本発明の充電装置(図3に係る構成)
定格電圧: 6V電池用
最大充電電流2.5Aに設定

0059

これら比較試験および実証試験における充電所要時間の結果は(表1)に示す通りである。本発明に係る充電方法の優位性を確認することができる。

0060

0061

表1から明らかなように、従来技術に係る二次電池の充電方法では、約70%放電時の充電でも、少なくとも1時間以上の充電時間を必要とする。

0062

これに対して、本発明に係る充電方法では、電池への悪影響を考慮して最大充電電流を2.5Aに設定しているにもかかわらず、約20分以下で充電が完了する。なお、充電電流は、充電装置の構成を若干変更することにより、2.5A以上とすることも可能であるため、さらに短縮することができる。

0063

比較試験1の構成と実証試験1の構成とにおいて、それぞれ70%程度の放電と充電とを繰り返した場合の充放電繰り返し特性を観察した結果は、図6および図7に示す通りである。

0064

図6から明らかなように、従来技術に係る充電では、5〜6回程度の70%充放電サイクルによって顕著なメモリ効果が生じ、30回の充放電サイクル終了時の電池容量は64.2%になっていた。より浅い充放電サイクルを繰り返すことによりこの傾向はより助長されることが確認されている。

0065

これに対して、本発明に係る充電方法である実証試験1の結果を示す図7によれば、各サイクルとも測定誤差程度の変化を示すにとどまり、特に30回の充放電サイクル終了時の電池容量も殆ど100%を示し、メモリ効果は発生していないことが確認できた。

発明の効果

0066

本発明に係る二次電池の充電方法では、上述の電池の多くの充電作用吸熱反応であることに着目し、充電開始初期大電流通流せしめ、温度上昇を来さない条件下において主たる充電を行うことを特徴としている。

0067

したがって、本発明によれば短時間の充電が可能となり、さらに電池状態絶えず監視されているため、過度の温度上昇や過充電等は生じないため、電池寿命を延長することができる。

0068

これに対して、従来技術に係る−ΔV検出方式においては、充電終末期において不可避的に温度上昇が生ずる。その結果、電池内部構成に悪影響を与え、ドライアップ現象、絶縁体劣化等の致命的影響を被ることになりがちである。

0069

本発明に係る二次電池の充電方法では、上述のように従来技術に比して、約1/3程度の充電所要時間で充電を行うことができる。そのため、携帯用機器類の充電にも有利となる。

0070

さらに、いわゆる継ぎ足し充電によってもメモリ効果は生じないから、緊急時には、上述の15〜20分の充電時間の数分の1の時間、例えば5分間の充電を行い、一段落した後に追加充電を行うこともできる。

0071

本発明に係る充電方法の適用は、小形・携帯用二次電池のみに限定されるものではない。上述の各種二次電池は、バッテリーフォークリフト、電動カート等の運輸装置電気自動車用電源等の大形二次電池にも十分に適用可能なものである。現状では、夜間等の不使用時に数時間掛けて充電している用途に対しても、数分の1の充電が可能となり、多大の福音となることは必定である。

0072

また、現時点において試作段階を超えていない電気自動車の最大の問題は、小形軽量電池が得られていないこと、電池容量に限界があり長距離走行ができないこと、充電時間が短縮できないこと、等にある。

0073

このような電気自動車等の大容量電池の分野で、容量対重量比および容量対容積比で従来の鉛電池よりも優れたアルカリ蓄電池の適用が期待されているが、本発明に係る充電方法はこれら電池類の急速充電技術としても有用な技術を提供するものである。したがって、電池スタンド等における急速充電に対する可能性も秘めている。

0074

本発明によれば、電池の寿命を大幅に延長することができ、資源の有効利用、電池の廃棄量が減少し環境破壊の防止に貢献することができる。

図面の簡単な説明

0075

図1本発明に係る二次電池の充電装置の構成を示すブロック図である。
図2本発明に係る二次電池の充電方法の電流波形および電池電圧の関係を示す説明図である。
図3本発明に係る二次電池の充電装置の実施例の構成を示すブロック図である。
図4本発明に係る二次電池の充電方法の試験に供した第1の二次電池の構成を示すブロック図である。
図5本発明に係る二次電池の充電方法の試験に供した第2の二次電池の構成を示すブロック図である。
図6従来技術に係る充放電サイクルの例を示す棒グラフである。
図7本発明に係る充放電サイクルの例を示す棒グラフである。
図8従来技術によるメモリ効果およびリフレッシュによる回復の状態を示す電圧対容量曲線の例である。
図9従来技術による代表的な充電終了時期決定方法の状態を示す電圧時間曲線の例である。

--

0076

10充電装置
12電源部
14電力制御部
16監視部
16A電流検出部
16V電圧検出部
16C比較部
16M 記憶部
18演算・駆動部
18T 演算部
18D 駆動部
20 被充電電池

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