図面 (/)

技術 溶銑用脱硫剤

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 藤田貴松本洋小川兼広
出願日 1995年9月12日 (25年3ヶ月経過) 出願番号 1995-234194
公開日 1997年3月25日 (23年9ヶ月経過) 公開番号 1997-078114
状態 特許登録済
技術分野 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼
主要キーワード 操業設備 液液反応 総コスト 脱硫処理前 接触頻度 CaO量 脱硫速度 数値限定
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年3月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

CaOを主剤、CaF2又は Al2O3を副剤とする従来提案の溶銑脱硫剤に比較して、CaF2、Al2O3 という副剤の添加量が少なくても、同等もしくはそれ以上の脱硫効果が得られ、溶銑脱硫コストが低く且つ脱硫効果に優れた溶銑用脱硫剤を提供する。

解決手段

質量%で、 CaO:87〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:3〜20%を含む溶銑用脱硫剤、又、 CaO:85〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:5〜20%を含む溶銑用脱硫剤。

概要

背景

従来、溶銑脱硫剤としてはCaC2或いはNa2O(又はNa2CO3)を主体とする脱硫剤が用いられてきたが、CaC2は高価であり、又、未反応のCaC2が脱硫スラグの後処理等において水と反応してアセチレンガスを発生すること等の取扱い上の制約が多いこと、一方、Na2Oは脱硫処理後スラグ中に残存し、そのためスラグセメント原料としての再利用が制約される問題があること等により、最近では CaOを主剤とする脱硫剤が開発されている。

しかし、 CaOは融点:約2500℃であるため、通常の処理溶銑の温度である1300〜1500℃では溶融せず、従って、脱硫速度が遅く、一定の処理時間内では充分な脱硫効果を得ることができない。

そこで、 CaOを主剤として各種の副剤を混合した脱硫剤が提案されている。例えば、この副剤としてCaF2を少量添加することが特公昭55-51402号公報に記載されており、又、 Al2O3或いはAl精錬滓を添加することが特公昭61-24449号公報に記載されている。

概要

CaOを主剤、CaF2又は Al2O3を副剤とする従来提案の溶銑用脱硫剤に比較して、CaF2、Al2O3 という副剤の添加量が少なくても、同等もしくはそれ以上の脱硫効果が得られ、溶銑脱硫コストが低く且つ脱硫効果に優れた溶銑用脱硫剤を提供する。

質量%で、 CaO:87〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:3〜20%を含む溶銑用脱硫剤、又、 CaO:85〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:5〜20%を含む溶銑用脱硫剤。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

質量%で、 CaO:87〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:3〜20%を含むことを特徴とする溶銑脱硫剤

請求項2

質量%で、 CaO:85〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:5〜20%を含むことを特徴とする溶銑用脱硫剤。

技術分野

0001

本発明は、溶銑脱硫剤に関し、詳細には、溶銑の脱硫に用いる脱硫剤に関する技術分野に属する。

背景技術

0002

従来、溶銑用脱硫剤としてはCaC2或いはNa2O(又はNa2CO3)を主体とする脱硫剤が用いられてきたが、CaC2は高価であり、又、未反応のCaC2が脱硫スラグの後処理等において水と反応してアセチレンガスを発生すること等の取扱い上の制約が多いこと、一方、Na2Oは脱硫処理後スラグ中に残存し、そのためスラグセメント原料としての再利用が制約される問題があること等により、最近では CaOを主剤とする脱硫剤が開発されている。

0003

しかし、 CaOは融点:約2500℃であるため、通常の処理溶銑の温度である1300〜1500℃では溶融せず、従って、脱硫速度が遅く、一定の処理時間内では充分な脱硫効果を得ることができない。

0004

そこで、 CaOを主剤として各種の副剤を混合した脱硫剤が提案されている。例えば、この副剤としてCaF2を少量添加することが特公昭55-51402号公報に記載されており、又、 Al2O3或いはAl精錬滓を添加することが特公昭61-24449号公報に記載されている。

発明が解決しようとする課題

0005

前記の如く従来より提案されている CaOを主剤とする脱硫剤は、CaF2源あるいは Al2O3源(ボーキサイト等)の添加により、 CaOを主剤とする脱硫剤の低融点化を図り、脱硫反応を円滑に進行させることにより CaOの脱硫効果を向上させている(以降、この脱硫剤を従来提案の溶銑用脱硫剤という)。

0006

ところが、CaF2源は低融点であるものの、過度に使用すると吹き込みランス及び容器耐火物溶損を増大させるという欠点がある。一方、 Al2O3源は溶融スラグを形成すると低融点化が図れるものの、 Al2O3源単体では高融点であるために充分な低融点化による脱硫の促進効果が得られていない。又、脱硫剤が高価なCaC2から安価な CaOへと変遷してきたにもかかわらず、 CaOの脱硫効果を向上させる目的で添加するCaF2源あるいは Al2O3源等の副剤は非常に高価であるため、溶銑脱硫コストの上昇を招いている。

0007

これらのことから、かかる高価な副剤の添加量を減少させ得る技術、即ち、前記従来提案の溶銑用脱硫剤に比較して、CaF2源、Al2O3 源という副剤の添加量が少なくても、前記従来提案の溶銑用脱硫剤の場合と同等もしくはそれ以上の脱硫効果が得られる溶銑脱硫コストの低い脱硫剤の開発が要望されている。

0008

本発明はかかる事情に着目してなされたものであって、その目的は、前記従来提案の溶銑用脱硫剤に比較して、CaF2源、Al2O3 源という副剤の添加量が少なくても、同等もしくはそれ以上の脱硫効果が得られる低コストの溶銑用脱硫剤、即ち、CaF2源、Al2O3 源という副剤の添加量が少なくて溶銑脱硫コストが低く、且つ、前記従来提案の溶銑用脱硫剤の場合と同等もしくはそれ以上の脱硫効果が得られる溶銑用脱硫剤を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明に係る溶銑用脱硫剤は、請求項1〜2記載の溶銑用脱硫剤としており、それは次のような構成としたものである。

0010

即ち、請求項1記載の溶銑用脱硫剤は、質量%で、 CaO:87〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:3〜20%を含むことを特徴とする溶銑用脱硫剤である(第1発明)。

0011

請求項2記載の溶銑用脱硫剤は、質量%で、 CaO:85〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:5〜20%を含むことを特徴とする溶銑用脱硫剤である(第2発明)。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明に係る溶銑用脱硫剤は、粉状又は粒状等の CaO、 Al2O3、CaF2及びSiO2を、 CaO:87〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:3〜20%(いづれも質量%)となるように配合して得られる(第1発明)。そして、この配合の後、溶銑に添加して溶銑用脱硫剤として使用される。そうすると、前記従来提案の溶銑用脱硫剤に比較して、CaF2源、Al2O3 源という副剤の添加量が少なくても、同等もしくはそれ以上の脱硫効果を得ることができる。これは、SiO2が脱硫剤を低融点化させ、脱硫効果を向上させる作用効果を有しており、そのため、脱硫剤の低融点化のための添加物質であるCaF2源、Al2O3 源という副剤の添加量(配合量)を減らしても充分な脱硫剤の低融点化が図れ、充分な脱硫効果を確保できるようになるからである。

0013

この詳細を以下説明する。

0014

CaO を溶銑に添加して溶銑用脱硫剤として使用した場合、前述の如く CaOは融点:約2500℃であるため、通常の溶銑温度の1300〜1500℃では溶融しないので、脱硫反応は溶銑と固体状態の CaOとの間で進行することになり、これは固液反応であり、そのため脱硫速度が遅く、一定の処理時間内では充分な脱硫効果を得ることができない。

0015

これに対し、 CaOにSiO2という副剤を添加したものを溶銑用脱硫剤として使用すると、脱硫剤の低融点化が起こり、部分的に溶融し、この溶融状態の脱硫剤と溶銑との間で脱硫反応が進行することになり、これはいわゆる液液反応であるので、固液反応に比較して反応速度が極めて大きく、そのため上記 CaO単独添加の場合よりも脱硫速度が極めて大きくなることが研究によりわかった。しかし、SiO2はCaO の塩基性成分に対し酸性成分であるため、SiO2が多いと CaO/SiO2の比(いわゆる塩基度)が下がり、従って、副剤としてSiO2を添加するだけでは、脱硫効果として未だ充分ではないことも確認された。

0016

一方、 CaOにCaF2源、Al2O3 源という副剤を添加したものを溶銑用脱硫剤として使用すると、脱硫剤の低融点化が起こり、そのため上記 CaO単独添加の場合よりも脱硫速度が大きくなるが、これら副剤が多い場合には、前述の如き吹き込みランス及び耐火物の溶損の増大や溶銑脱硫コストの上昇を招くという問題点があり、その反対に副剤が少ない場合には、脱硫剤の低融点化が不充分となり、充分な脱硫効果を確保できないことがわかっている。

0017

そこで、 CaOに副剤としてCaF2源及びAl2O3 源を吹き込みランス及び耐火物の溶損の増大という支障が生じない程度に添加すると共に、副剤としてSiO2を添加し、これを溶銑用脱硫剤として使用したところ、充分な脱硫剤の低融点化が図れ、充分な脱硫効果を確保できるようになることがわかった。即ち、前記従来提案の溶銑用脱硫剤に比較して、CaF2源、Al2O3 源という副剤の添加量が少なくても、前記従来提案の溶銑用脱硫剤と同等もしくはそれ以上の脱硫効果が得られることがわかった。そして、このような脱硫効果が得られる溶銑用脱硫剤の具体的組成は、 CaO:87〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:3〜20%を含むものであることがわかった。

0018

このような知見に基づき本発明はなされたものであり、本発明に係る溶銑用脱硫剤は、 CaO:87〜50%、 Al2O3:5〜30%、CaF2:5〜15%、SiO2:3〜20%を含むものとしている。従って、本発明に係る溶銑用脱硫剤によれば、前記従来提案の溶銑用脱硫剤に比較して、CaF2源、Al2O3 源という副剤の添加量が少なくても、同等もしくはそれ以上の脱硫効果が得られるようになる。即ち、高価なCaF2源、Al2O3 源という副剤の添加量を減少させ得るようになる。

0019

ここで、SiO2は非常に安価な物質であるので、SiO2:3〜20%を含有させることは溶銑脱硫コストの上昇を招くものではない。一方、前記の如く高価なCaF2源、Al2O3 源という副剤の添加量を減少させ得る。故に、本発明に係る溶銑用脱硫剤によれば、前記従来提案の溶銑用脱硫剤に比較して、総合的には脱硫剤のコストが低く、そのため溶銑脱硫コストの低減が図れ、又、CaF2による吹き込みランス及び容器内耐火物の溶損の防止が図れ、しかも前記従来提案の溶銑用脱硫剤の場合と同等もしくはそれ以上の脱硫効果が得られる。

0020

尚、従来より、SiO2は酸性物質であってスラグ塩基度を低下させるために脱硫反応には有害な物質と考えられていた。しかし、上記の如く適量(3〜20%)であれば脱硫反応速度を大幅に向上させる作用効果があり、これは従来の考え方とは相違するが、前記研究の結果、確認された事項である。

0021

本発明に係る溶銑用脱硫剤の組成(成分)の数値限定理由を以下説明する。

0022

SiO2は、脱硫剤(:スラグ)の融点を低下させる効果が大きいことに加えて、脱硫剤が溶融して形成された溶融スラグの粘性を小さくする効果も顕著である。即ち、SiO2の添加により、溶銑と脱硫剤(:スラグ、溶融スラグ)との接触頻度が増大し、そのため高い脱硫効果を得ることが可能となる。例えば、本発明者らの研究により得られた結果の一例であるSiO2の配合率脱硫率との関係を図1に示すが、この図からわかる如く、SiO2の添加により脱硫速度が増大することが明らかである。SiO2は、かかる脱硫効果を得るために添加するが、SiO2量:3%未満では脱硫効果が不充分となるので、SiO2量:3%以上とする必要がある。一方、スラグ中のSiO2濃度が高くなると溶融スラグとしての脱硫能が低下することが知られており、研究の結果、SiO2量:20%超では逆に脱硫率が低下することが確認された。従って、SiO2量:3〜20%とした。尚、前記図1は、脱硫剤原単位が4.4 〜4.6kg/t の場合のSiO2の配合率と脱硫率との関係を示すものであり、ここで脱硫率及び脱硫剤原単位は下記式、により求められる値である。

0023

脱硫率(%)=〔(脱硫処理前溶銑中S濃度)−(脱硫処理後の溶銑中S
濃度)〕×100 /(脱硫処理前の溶銑中S濃度)----式
脱硫剤原単位=(溶銑中への脱硫剤の吹き込み量)/(溶銑量)------式

0024

CaF2は、脱硫剤(:スラグ)の低融点化を促進させる効果を有する他、脱硫剤の溶融後に形成される溶融スラグの流動性を向上させる効果も有する副剤であるが、CaF2:5%未満ではかかる効果が少なく、脱硫効果が不充分となり、15%超では吹き込みランス及び容器内耐火物の溶損が生じ、ひいては溶銑脱硫に係る総コストが上昇する。従って、CaF2:5〜15%とした。

0025

Al2O3 は、主剤であるCaO との間に低融点の化合物を形成することから、脱硫剤(:スラグ)の低融点化に効果があり、ひいては脱硫効果を向上させる効果がある。例えば、脱硫剤原単位:4.3 〜4.9 kg/t、SiO2配合率:9〜12%の場合のAl2O3 の配合率と脱硫率との関係を図2に示すが、この図2からわかるように、Al2O3 の添加により脱硫速度が増大する。しかし、Al2O3 量:5%未満では脱硫効果が不充分となり、一方、Al2O3 量:30%超では Al2O3添加効果が無くなるばかりでなく、逆に脱硫率の悪化を招くことが確認された。これは主剤であるCaOの量が減少したためである。これらの点から、 Al2O3:5〜30%とした。

0026

CaOは、脱硫反応に関わる主剤であり、 CaO:50%未満では脱硫反応速度が低下するので、CaO量の下限値を50%とする必要があり、一方、副剤の添加により必然的に CaO:87以下に制限される。従って、 CaO:87〜50%とした。尚、脱硫剤原単位:4.4 〜4.6 kg/t、Al2O3配合率:28〜32%の場合のSiO2の配合率と脱硫率との関係を図3に示すが、前述の図1の場合に比較すると脱硫率向上効果が得られるSiO2配合率の上限が低下しており、これは主剤である CaOが50%未満となって脱硫反応の界面の面積が減少したためであり、このことからも CaO:50%以上とする必要があることがわかる。

0027

尚、副剤中のAl2O3 とCaF2とを比較すると、Al2O3 はCaF2程の脱硫効果を発揮しないが、吹き込みランス及び容器内耐火物への悪影響がなく、それらの溶損を起こさないため、簡便に使用できる利点がある。従って、これらのことを案し、状況に応じてAl2O3 とCaF2との比率を変化させて使用することが望ましい。

0028

Al2O3 としては、特には限定されず、通常のAl2O3 の他、Al2O3 を含有する物質を使用することができる。例えば、Al2O3 を含有する物質で安価に入手可能なものにAl製錬滓が挙げられるが、かかるAl製錬滓も好適に使用することができ、Al製錬滓の脱硫促進への効果は通常のAl2O3 のそれと同等であることが確認されている。

0029

意図的にSiO2を添加しない場合でも一般に最大2%程度のSiO2が不可避的にスラグ中に混入する。しかし、本発明に係る脱硫剤においてSiO2としては3〜20%とする必要があるので、上記の不可避的に混入したSiO2では足りず、従って、かかる不可避的に混入するSiO2を含め、脱硫剤中SiO2量として3〜20%となるようにSiO2を意図的に添加する必要がある。

0030

SiO2量は前記の如く3〜20%とする必要があるが、その中でも5〜20%とすると、より確実に高水準の脱硫効果が得られる。かかる点から、5〜20%にすることが望ましい(第2発明)。

0031

このようにSiO2量の下限値を5%にする場合には、CaO量、Al2O3 量、及び/又はCaF2量の上限値を合計で2%減少させる必要がある。例えば、SiO2量の下限値を5%にする場合、 CaO量の上限値のみ減少させるのであれば CaO量の上限値を85%(=87%−2%)にする必要がある。

0032

脱硫率、脱硫効果、脱硫速度、脱硫能等は次のように定義される。脱硫率とは、ある脱硫剤原単位の場合の脱硫量:ΔS/処理前のS、脱硫効果とは、広い脱硫剤原単位範囲における脱硫率、脱硫速度とは、単位時間あたりの脱硫量(ΔS/時間)、脱硫能とは、スラグのS吸収能のことである。

0033

操業設備における混銑車の溶銑内に、 CaOを主剤とする各種脱硫剤を、キャリアガスを用いて吹き込み、脱硫率を調べた。その結果を各種脱硫剤の組成等と共に表1〜2に示す。

0034

表1からわかる如く、脱硫剤として本発明の実施例に係る脱硫剤を用いた場合は、比較例に係る脱硫剤を用いた場合に比較し、脱硫率が高い。

0035

詳細には、副剤としてCaF2:5%、Al2O3:12〜15%を含有する比較例に係る脱硫剤を用いた場合(実験No.1〜2)、脱硫率:57〜60%であるが、これに対し、副剤としてCaF2:5%、Al2O3:12〜16%、SiO2:4〜20%を含有する本発明の実施例に係る脱硫剤を用いた場合(No.3〜10)、脱硫率:66〜76%であり、脱硫率が高い。

0036

このことは、直接的には、副剤としてCaF2及びAl2O3 に加えてSiO2を含有すると、脱硫率が大幅に向上することを示しており、又、間接的には、副剤としてSiO2を含有すると、副剤の Al2O3量をNo.1〜2 の場合より少なくしてもNo.1〜2 の場合と同等もしくはそれ以上の脱硫率が得られることを示している。更に、副剤としてSiO2を含有すると、CaF2:5%と少なくても、或いは更に Al2O3量を12〜15%より少なくしても、No.1〜2 においてCaF2量を多くした場合の脱硫率と同等もしくはそれ以上の脱硫率が得られることを示している。換言すれば、副剤としてSiO2を含有すると、SiO2を含有しない場合よりCaF2量、Al2O3 量が少なくても、SiO2を含有しない場合と同等もしくはそれ以上の脱硫効果が得られるようになることを示している。

0037

上記No.3〜10の場合に対し、更にSiO2量が28〜30%と多く、本発明に係る脱硫剤の組成を外れた比較例に係る脱硫剤を用いた場合(No.11〜12)、脱硫率は47〜49%と低い。これは、SiO2量:20%超による脱硫率の悪化である。

0038

副剤としてCaF2:5%、Al2O3:29〜30%を含有する比較例に係る脱硫剤を用いた場合(No.13〜14)、脱硫率:64〜66%であるが、これに対し、副剤としてCaF2:5%、Al2O3:28〜30%、SiO2:8〜16%を含有する本発明の実施例に係る脱硫剤を用いた場合(No.15〜18)、脱硫率:70〜74%であり、脱硫率が高い。

0039

このことは、前記No.1〜2 とNo.3〜10との比較の場合と基本的に同様のことを示している。即ち、直接的には、副剤としてCaF2及びAl2O3 に加えてSiO2を含有すると、脱硫率が大幅に向上することを示しており、又、間接的には、副剤としてSiO2を含有すると、SiO2を含有しない場合よりCaF2量、Al2O3 量が少なくても、SiO2を含有しない場合と同等もしくはそれ以上の脱硫効果が得られるようになることを示している。

0040

上記No.15 〜18の場合に対し、主剤であるCaO量が46〜43%と少なく、或いは更にSiO2量が22%と多く、本発明に係る脱硫剤の組成を外れた比較例に係る脱硫剤を用いた場合(No.19〜20)、脱硫率は53〜59%と低い。これは、 CaO:50%未満による脱硫反応速度の低下が生じ、或いは更にSiO2量:20%超による脱硫効率の悪化が生じたためである。

0041

副剤としてCaF2:5%、Al2O3:5%、SiO2:8〜15%を含有する本発明の実施例に係る脱硫剤を用いた場合(No.21〜22)、脱硫率:62〜65%であり、No.1〜2の場合よりも脱硫率が高い。このことは、副剤としてSiO2を含有すると、副剤のAl2O3量をNo.1〜2 の場合より大幅に少なくしてもNo.1〜2 の場合と同等もしくはそれ以上の脱硫率が得られることを直接的に示している。

0042

0043

0044

表2からわかる如く、副剤としてCaF2:5%、SiO2:10〜11%を含有する比較例に係る脱硫剤を用いた場合(No.51〜52)、脱硫率:53〜56%であるが、これに対し、副剤としてCaF2:5%、SiO2:9〜12%、Al2O3:9〜30%を含有する本発明の実施例に係る脱硫剤を用いた場合(No.53〜60)、脱硫率:60〜75%であり、脱硫率が高い。

0045

上記 No.53〜60の場合に対し、Al2O3 量が34〜35%と多く、或いは更に主剤であるCaO量が49%と少なく、本発明に係る脱硫剤の組成を外れた比較例に係る脱硫剤を用いた場合(No.61〜62)、脱硫率は50〜49%と低い。これは、Al2O3:30%超により脱硫率の悪化が生じ、或いは更に CaO:50%未満による脱硫反応速度の低下が生じたためである。

0046

尚、 No.3〜10の本発明の実施例に係る脱硫剤を用いた場合の結果からわかる如く、SiO2量:5〜20%の場合、より脱硫率が高く69〜72%である。この結果は、より優れた脱硫効果を得るには、SiO2量は5〜20%にすることが望ましいことを示している。更に、SiO2量:13〜19%の場合に脱硫率が高く74〜76%である。

発明の効果

0047

本発明に係る溶銑用脱硫剤も従来提案の溶銑用脱硫剤も、 CaOを主剤とする脱硫剤である点では共通するが、本発明に係る溶銑用脱硫剤は、従来提案の溶銑用脱硫剤に比較し、CaF2源、Al2O3 源という副剤の添加量が少なくても、従来提案の溶銑用脱硫剤と同等もしくはそれ以上の脱硫効果を得ることができ、従って、溶銑脱硫コストの低減が図れ、又、CaF2による吹き込みランス及び容器内耐火物の溶損の防止が図れ、しかも従来提案の溶銑用脱硫剤の場合と同等もしくはそれ以上に優れた脱硫効果を得ることができるようになるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0048

図1CaO を主剤とする溶銑用脱硫剤中のSiO2量と脱硫率との関係を示す図である。
図2CaO を主剤とし、SiO2:10%を含有する溶銑用脱硫剤中の Al2O3量と脱硫率との関係を示す図である。
図3CaO を主剤とし、Al2O3:30%を含有する溶銑用脱硫剤中のSiO2量と脱硫率との関係を示す図である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • JFEスチール株式会社の「 混銑車、混銑車の使用方法及び混銑車の大型化方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】除滓処理工程や精錬処理工程における既存の固定設備の改造を必要とせず、さらに、大型化の改造を施した混銑車と施していない混銑車とが混在した状態でも操業をすることが可能な、混銑車、混銑車の使用方法及... 詳細

  • 日本製鉄株式会社の「 排滓システム及び排滓方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】ドラッガーによる排滓の際、簡便な方法で排滓効率を高めることが可能な技術を開示する。【解決手段】少なくとも一方向に傾けることが可能な鍋と、鍋を傾けた状態で、鍋の傾き方向に動作して、鍋に収容された... 詳細

  • 日本製鉄株式会社の「 溶銑脱燐方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】低コストでかつ高効率な溶銑脱燐方法を提供する。【解決手段】溶銑鍋内の溶銑にフリーボードを挿入し、前記フリーボード内に精錬剤を添加してインペラーによる機械撹拌を行いながら前記溶銑と前記精錬剤とを... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ