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技術 インキ状ないしクリーム状の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体の製造方法

出願人 株式会社元知研究所
発明者 臼井昭男
出願日 1996年6月17日 (25年6ヶ月経過) 出願番号 1996-177404
公開日 1997年3月25日 (24年9ヶ月経過) 公開番号 1997-075388
状態 特許登録済
技術分野 熱効果発生材料 インキ、鉛筆の芯、クレヨン 温熱、冷却治療装置
主要キーワード 気密性袋 袋材内 瓢箪形状 暖効果 任意部位 高温箇所 磁気体 混合金属粉
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年3月25日)のものです。
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図面 (7)

課題

発熱体製造時の粉塵の発生を防止し、又、発熱組成物発熱反応を抑制して、製造時の発熱反応によるロス、発熱組成物の品質低下凝固を防止するのであり、更に、発熱組成物を、吸水性発泡フィルムシート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート、或いはこれらの上に形成された吸水層上に転写することによって、発熱組成物を袋材に均等に分布、固定させて、発熱組成物の移動、片寄りを防止することのできる発熱体の製造方法を提供する。

解決手段

発熱物質と、吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、炭素成分及び/又は金属の塩化物と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されているものであり、このインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を用いた発熱体及びその製造方法を構成とする。

概要

背景

近年、いわゆる、使い捨て型かいろとして、通気性又は気密性を有するフィルム状ないしシート状の基材と、通気性を有するフィルム状ないしシート状の被覆材とからなる偏平袋体内発熱組成物封入した発熱体が広く利用されている。

又、この袋体の片面に粘着剤層を形成して、下着生体表面に直接に貼りつけることができるようにした発熱体も利用されており、更に、この粘着剤層に湿布剤を含有又は担持させて温湿布に利用したり、経皮吸収性薬物を含有又は担持させて、いわゆる薬物の経皮吸収剤として利用することも提案されている(特開平2−149272号公報参照)。

この発熱体の製造方法としては、一般に、基材の所定領域に発熱組成物を投下した後、通気性を有する被覆材を被せ、更にこの後、基材と被覆材の周縁部とを全周にわたってヒートシールホットメルト系接着剤などによって封着する方法が採用されている。

そして、このようにして製造された発熱体は使用時までの発熱反応を抑止するために、気密性の外袋内密封され、保存されたり、流通に供される。

従来の発熱組成物としては、発熱反応に必須である金属粉及び水の他に発熱を促進するためのカーボン活性炭などの炭素成分、金属粉の表面の酸化膜破壊し発熱反応を連続的に発生させる金属の塩化物更に木粉などの保水剤などを配合した粉末状のものが用いられている。

この粉末状の発熱組成物を投下する方法としては、基材を間欠的に移動させ、基材の停止中に粉末状の発熱組成物を投下する方法と、基材を一定速度で移動させると共に、粉末状の発熱組成物を投下する投下口を基材と同速度で移動させながら基材上に粉末状の発熱組成物を投下する方法とがあるが、製造の高速化を図る上では後者の方が優れている。

概要

発熱体製造時の粉塵の発生を防止し、又、発熱組成物の発熱反応を抑制して、製造時の発熱反応によるロス、発熱組成物の品質低下凝固を防止するのであり、更に、発熱組成物を、吸水性発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート、或いはこれらの上に形成された吸水層上に転写することによって、発熱組成物を袋材に均等に分布、固定させて、発熱組成物の移動、片寄りを防止することのできる発熱体の製造方法を提供する。

発熱物質と、吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、炭素成分及び/又は金属の塩化物と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されているものであり、このインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を用いた発熱体及びその製造方法を構成とする。

目的

本発明は、前記技術的知見に基づき完成されたものであって、発熱体製造時の粉塵の発生を防止し、又、発熱組成物の発熱反応を抑制して、製造時の発熱反応によるロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固を防止するのであり、またスクリーン印刷コーティングなどの印刷転写法を採用しているから、発熱組成物の均等な分布を可能にし、しかも発熱組成物の厚さや分布の精度が高く製品品質の向上を図る上、高速で超薄形の発熱体を簡便に製造できるのであり、更に、発熱組成物を、吸水性の基材や被覆材、或いはこれらの上に形成された吸水層上に転写、積層することによって、発熱組成物を袋材に均等に分布、固定させることができる結果、発熱組成物の移動、片寄りを防止するのであり、加えて、発熱体の薄型化によって発熱組成物の過剰な発熱反応を極力避けるインキ状ないしクリーム状の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体の製造方法を提供することを目的とするものである。

また本発明は、吸水剤粘性水溶液包材に、含浸、吹き付け、練り込み、印刷又はコーティング等の塗工などによって積層、乾燥したり、吸水剤を圧着や練り込み等によって含有、担持させた、つまり包材に吸水性を付与した後、その上にインキ状ないしクリーム状の発熱組成物をスクリーン印刷やコーティング等で転写、積層すれば粉体の転写工程がなくなり将来の医療用具医薬品製造におけるGMP基準を満たす工場管理が簡単に可能になるインキ状ないしクリーム状の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体の製造方法を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
16件

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請求項1

発熱物質と、吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、炭素成分及び/又は金属の塩化物と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されていることを特徴とするインキ状ないしクリーム状の発熱組成物

請求項2

請求項1に記載の発熱組成物には、無機系或いは有機系の保水剤pH調整剤界面活性剤及び消泡剤から選ばれた少なくとも1種が配合されて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されているインキ状ないしクリーム状の発熱組成物。

請求項3

請求項1又は2に記載のインキ状ないしクリーム状の発熱組成物はその粘度(温度20℃)が1,000〜7,500,000cpsであるインキ状ないしクリーム状の発熱組成物。

請求項4

インキ状ないしクリーム状の発熱組成物がシート状包材内に積層、封入されてなり、この包材の少なくとも一部が通気性を有するものであり、しかも前記インキ状ないしクリーム状の発熱組成物の水分の一部を前記シート状包材に吸収させてなることを特徴とする発熱体

請求項5

シート状包材が、フィルム状ないしシート状の基材とフィルム状ないしシート状の被覆材とからなり、この基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が、通気性を有すると共に、吸水性を有する請求項4に記載の発熱体。

請求項6

インキ状ないしクリーム状の発熱組成物上面に鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種が積層或いは散布されている請求項4又は5に記載の発熱体。

請求項7

インキ状ないしクリーム状の発熱組成物上面に炭素成分でコーティングした鉄粉、或いは鉄粉(A)と炭素成分(B)とこの(A)と(B)の合計量に対し5重量%以下の水を加えた混合物が積層されている請求項4又は5に記載の発熱体。

請求項8

インキ状ないしクリーム状の発熱組成物の周囲部において、基材と被覆材とが全周或いは部分的に粘着又は熱接着若しくは熱融着によって封着されている請求項4ないし7のいずれか1項に記載の発熱体。

請求項9

基材及び/又は被覆材が吸水性を有するフィルム状ないしシート状の吸水材で形成されている請求項4ないし8のいずれか1項に記載の発熱体。

請求項10

基材及び/又は被覆材における少なくともインキ状ないしクリーム状の発熱組成物との接触箇所には吸水層が積層されている請求項4ないし9のいずれか1項に記載の発熱体。

請求項11

吸水層がフィルム状ないしシート状の吸水材で形成されている請求項10に記載の発熱体。

請求項12

基材及び/又は被覆材が、非通気性或いは通気性のフィルム又はシートの内面或いは両面に、フィルム状ないしシート状の吸水材を積層している請求項4ないし11のいずれか1項に記載の発熱体。

請求項13

吸水材が、吸水性を有する発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートである請求項9、11又は12に記載の発熱体。

請求項14

吸水材が、発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸練り込み、積層、転写又は担持させて吸水性が付与或いは増大されたものである請求項13に記載の発熱体。

請求項15

基材及び被覆材が伸長性素材で形成されている請求項4ないし14のいずれか1項に記載の発熱体。

請求項16

包材において、その側方、或いは基材と被覆材のうち少なくとも一方又は一部が通気性を有するものである請求項4ないし15のいずれか1項に記載の発熱体。

請求項17

基材又は被覆材において、そのいずれか一方の露出面の少なくとも一部に粘着剤層が積層されている請求項4ないし16のいずれか1項に記載の発熱体。

請求項18

粘着剤層が、湿布剤を含有する湿布層、或いは経皮吸収性薬物を含有又は担持している薬物含有層である請求項17に記載の発熱体。

請求項19

インキ状ないしクリーム状に粘稠化させた発熱組成物を形成し、このインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を、フィルム状ないしシート状の基材上面における少なくとも一箇所の所定領域に積層した後、このインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を覆うようにフィルム状ないしシート状の被覆材を被せ、しかも前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする発熱体の製造方法。

請求項20

インキ状ないしクリーム状に粘稠化させた発熱組成物を形成し、このインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を、フィルム状ないしシート状の基材上面における少なくとも1箇所の所定領域に積層した後、このインキ状ないしクリーム状の発熱組成物上面に鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を積層或いは散布し、次いで、この発熱組成物、及び鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を覆うようにフィルム状ないしシート状の被覆材を被せ、しかも前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする発熱体の製造方法。

請求項21

フィルム状ないしシート状の基材上にインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を積層し、次いで、その上からフィルム状ないしシート状の被覆材を被せて、前記インキ状ないしクリーム状の発熱組成物の粘性により、前記の基材と被覆材とを貼り合わせ、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜き、しかも前記の基材又は被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする発熱体の製造方法。

請求項22

請求項21で得られた発熱体を2枚のフィルム又はシートの間に介在させ、この介在と同時に、又は、この介在後に、2枚のフィルム又はシートを発熱体以上の大形に打ち抜き、こと打ち抜きと同時に、若しくは打ち抜き後に、前記発熱体の周縁部において、前記2枚のフィルム又はシートを封着する発熱体の製造方法。

請求項23

インキ状ないしクリーム状の発熱組成物の片面或いは両面にはフィルム状ないしシート状の吸水材が当てがわれている請求項19ないし22のいずれか1項に記載の発熱体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、発熱組成物インキ状ないしクリーム状に形成し、このインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を包材高速転写することによって超薄型の発熱体を製造できる上、発熱組成物を袋体内に均等な厚さに分布させることができるのであり、又、発熱組成物の一部又は全部を袋体内に固定してその移動を防止し、薄く、柔軟で使用感が著しく優れたインキ状ないしクリーム状の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、いわゆる、使い捨て型かいろとして、通気性又は気密性を有するフィルム状ないしシート状の基材と、通気性を有するフィルム状ないしシート状の被覆材とからなる偏平な袋体内に発熱組成物を封入した発熱体が広く利用されている。

0003

又、この袋体の片面に粘着剤層を形成して、下着生体表面に直接に貼りつけることができるようにした発熱体も利用されており、更に、この粘着剤層に湿布剤を含有又は担持させて温湿布に利用したり、経皮吸収性薬物を含有又は担持させて、いわゆる薬物の経皮吸収剤として利用することも提案されている(特開平2−149272号公報参照)。

0004

この発熱体の製造方法としては、一般に、基材の所定領域に発熱組成物を投下した後、通気性を有する被覆材を被せ、更にこの後、基材と被覆材の周縁部とを全周にわたってヒートシールホットメルト系接着剤などによって封着する方法が採用されている。

0005

そして、このようにして製造された発熱体は使用時までの発熱反応を抑止するために、気密性の外袋内密封され、保存されたり、流通に供される。

0006

従来の発熱組成物としては、発熱反応に必須である金属粉及び水の他に発熱を促進するためのカーボン活性炭などの炭素成分、金属粉の表面の酸化膜破壊し発熱反応を連続的に発生させる金属の塩化物更に木粉などの保水剤などを配合した粉末状のものが用いられている。

0007

この粉末状の発熱組成物を投下する方法としては、基材を間欠的に移動させ、基材の停止中に粉末状の発熱組成物を投下する方法と、基材を一定速度で移動させると共に、粉末状の発熱組成物を投下する投下口を基材と同速度で移動させながら基材上に粉末状の発熱組成物を投下する方法とがあるが、製造の高速化を図る上では後者の方が優れている。

発明が解決しようとする課題

0008

従来のように、発熱組成物が粉末状に形成されている場合、粉末状の発熱組成物は、発熱反応、つまり酸化反応が発生し易い最適の状態で配合されており、しかも粉末状で多孔質体で、表面積が広く、空気との接触が極めて良好である上、空気と接触すると直ちに酸化反応が生じるのである。

0009

従って、発熱組成物を適正な配合比で配合している間、及び発熱組成物を製造し、これを基材上に投下し被覆材で被覆して発熱体を製造するまでの間に空気との酸化反応、つまり発熱反応が起こり、発熱組成物の発熱反応によるロスが生じると共に発熱組成物の品質が低下する上、発熱反応によって生成した生成物凝固して種々の弊害が発生する。具体的には、例えば、凝固物除去による歩留りの低下、取り扱いの困難性、製造装置メンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性などの弊害を招来する。

0010

又、発熱組成物が粉末状であると、前述のように、発熱体を製造し、得られた発熱体を気密性の外袋内に密封するまでの間に空気との酸化反応が発生し、発熱体の品質低下、その信頼性が低くなるなどの致命的な欠陥が発生する。

0011

このような発熱組成物の酸化反応を防ぐために、混合装置を気密性とし、しかも混合装置内の空気を窒素置換してから発熱組成物の成分が均一に混合されるがこれでは混合装置が複雑で高価になるだけでなく、発熱組成物や発熱体が高価になるなどの問題がある。

0012

更に、発熱体を製造するにあたり、基材を間欠的に移動させ、基材の停止中に発熱組成物を投下する方法では、基材の停止、起動を頻繁に繰り返すので、製造速度が遅くなるという問題がある。

0013

一方、基材を一定速度で移動させると共に、発熱組成物を投下する投下口を基材と同速度で移動させながら基材上に発熱組成物を投下する方法では、基材の停止、起動がほとんど繰り返されないので、製造速度を高めることができる。

0014

しかしながら、この場合、発熱組成物を投下する投下口を基材と同速度で移動させるために複雑な機構が必要になる上、発熱組成物には水分の添加によって湿潤性が与えられており、しかも粉末状で、流動性に乏しいものであるから、その機構を移動させる速度に大きな限界が生じたり、発熱組成物の充填性欠ける上、発熱組成物の充填量がばらついたり、発熱組成物が包材内で偏る結果、信頼性に欠けるなどの問題がある。

0015

又、発熱組成物は水分によって湿潤性が与えられているが、水分の配合率が発熱反応に好適な程度と低いので、粉末状で流動性に乏しく、これを単に投下するだけでは基材上の所定範囲内に均等に分布させることが著しく困難であるという問題もある。

0016

このため、被覆材を被せてシールをする際に、ローラなどによって発熱組成物の分布をある程度、均等化させているが、この方法では袋材送り元方向に発熱組成物の分布が偏る傾向があり、袋材の送り先方向の発熱組成物の分布量を増やすためには、発熱体を厚くし、例えば使用時に手で振ることにより分布量の片寄りを無くすことが必要になる。

0017

このため、発熱体全体が数mm程度と分厚くなり、触感がゴワゴワして風合いが悪い上、柔軟性が低下して体表面の複雑な凹凸曲率が小さい曲面なじみ難くなり、又、伸長性又は伸縮性が低下して身体の動作に伴って変形したり、移動したりする体表面への追従性が悪く、突っ張り感や違和感が生じるなどの問題がある。

0018

ところで、の中に発熱体を入れて採暖するためには発熱体の薄肉化を図ることが必須のこととなるが、数mm程度の分厚い従来の発熱体では大きな不満が存在する。

0019

特に、従来の使い捨て型カイロは、発熱組成物を粉末充填しているため発熱体内部で発熱組成物が移動により厚みが一定せず、身体に固定して使用する場合、発熱温度分布が一定しないため同じところに固定して使用するとやけどの原因となる。

0020

近年、多孔質膜による発熱時の減圧を利用し発熱組成物の片寄りを防止した製品が普及してきたが、製造工程、輸送段階、使用段階において完全に片寄り防止は出来ていないのが現状である。

0021

又、使用前、外袋保存袋)内に収納された状態では、発熱体内部は減圧状態にならず輸送段階では発熱組成物が発熱体内で移動することができるのであり、又、安全性を維持するためには厚みの均一性を保ち発熱時の温度分布を一定にすることが重要で、発熱組成物が片寄ったものは不良品として流通段階返品にされたり、消費者からの交換に応じているのが現状であり、この結果、輸送段階で発熱組成物の厚みの均一性を確保することが極めて重要である。

0022

そこで、特開昭62−347号公報において、発熱組成物を接着剤で固定する方法が提案されているが、実際の製造においては、粉体の発熱組成物を発熱体袋の内側に接着することは不可能に近く、例えできたとしても接着強度は弱く完全な固定が不可能で使用中に剥離を生じたり、柔軟性に乏しい板状のものになるため使用感が悪くなったり、加えて、接着剤の混在によって、発熱組成物と空気との接触が悪くなる結果、温度ムラや温度のバラツキの原因となり、実用性に欠ける。

0023

そこで、本発明者は、前記技術的課題を解決するために、発熱組成物の発熱反応を抑制して、製造時の発熱反応による発熱組成物のロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固に伴う種々の弊害を防止し、高速で超薄形の発熱体を製造でき、しかも発熱組成物を袋体内に均等に分布、固定させることによって当該発熱組成物の移動、片寄りを防止する上、発熱組成物の過剰な発熱反応を極力避ける発熱体につき鋭意検討を重ねて来た。

0024

その結果、使い捨てカイロ等の発熱原理は、金属粉が酸化される時の発熱を利用するものであり、この酸化反応、つまり発熱反応は、特に水分量が、その速度に大きく影響することが判明した。

0025

即ち、この酸化反応を促進するためには、水分が多すぎても少なすぎても反応は著しく遅く、適度な湿り気が有ることが重要である。この適度の湿り気がある状態が、水分と、金属粉への空気(酸素)の供給のバランスがとれ酸化反応、つまり発熱反応の速度が最大になる。

0026

水分が少過ぎると、空気は十分であるが反応に必要な水分が不足し、一方、水分が多過ぎると、この水分がバリヤー層となって金属粉への空気の供給量が減少するため反応は遅くなる。

0027

そこで、本発明者は、発熱組成物を粘稠化させてインキ状ないしクリーム状にすると、スクリーン印刷コーティング等による積層が至極容易で、且つ高速で超薄型の発熱体を製造できるのであり、しかも発熱組成物を袋材に均等に分布させることができる上、インキ状ないしクリーム状の発熱組成物を、発泡フィルム・シート、テッシュペーパータオル用紙などの家庭用薄葉紙等の紙更にダンボール紙ダンボール中芯等の厚紙(以下、紙類という。)、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートの上に積層すると、このインキ状ないしクリーム状の発熱組成物は侵入投錨性が高く、これらのフィルムないしシートの細孔に食い込み、その移動や偏りが阻止されるとの知見を得た。

0028

この場合、特にこれらのフィルムないしシートが吸水性を有し、このフィルムないしシートの上にインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を積層するか、或いは前記のフィルムないしシートの上に更に吸水層を形成し、この吸水層上に、インキ状ないしクリーム状の発熱組成物を積層すると、当該発熱組成物の全部或いは一部がこの発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート、或いはこれらの上に形成された吸水層に一層固定され易くなる結果、その移動、偏りが防止されるとの知見も得た。

0029

加えて、本発明者は、発熱組成物をインキ状ないしクリーム状に形成すると、粉末状の発熱組成物に比較して、表面積が著しく小さくなり、空気との接触が至極制限されて空気との酸化反応が著しく抑制されるとの知見を得た。

0030

又、本発明者は、インキ状ないしクリーム状の発熱組成物においては、過剰の水或いは遊離水及び/又は水分を含んだゲルが、金属粉を包み空気遮断層としての機能を発揮するからこの点からも空気中で至極安定するとの知見を得た。

0031

この場合において、発熱組成物中に水分が過剰に配合されていると、つまりインキ状の発熱組成物のように水分が過剰に配合されていると、この過剰水分がバリヤー層としての機能を発現し、一層、空気との発熱反応(酸化反応)が抑制され、一層安定性が向上するものである。

0032

一方、インキ状ないしクリーム状の発熱組成物は必ずしも水分が過剰に配合されている必要はなく、クリーム状の発熱組成物のように比較的水分が少なくても良く、この場合には遊離水及び/又は水分を含んだゲル(含水ゲル)が金属粉を包み空気遮断層(バリヤー層)としての機能を発揮するから空気中で安定するのである。

0033

そして、インキ状の脱酸素剤のように、過剰の水分が配合されている場合にはその過剰水分を、支持体、被覆材或いはインキ状ないしクリーム状の発熱組成物の片面又は両面に当てがわれた吸水材などのうち少なくとも1種に吸収させたり、又、クリーム状の発熱組成物においても遊離水及び/又は含水ゲル中の水分の一部を、支持体、被覆材或いはインキ状ないしクリーム状の発熱組成物の片面又は両面に当てがわれた吸水材などのうち少なくとも1種に吸収させることにより、バリヤー層が喪失し、発熱組成物が多孔質になって、空気との接触が良好で、発熱反応が円滑に行われるとの知見も得た。

0034

従って、発熱組成物を配合している間、及びインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を製造し、これを基材上に印刷やコーティング等によって積層した後、被覆材で被覆して発熱体を製造するまでの間に空気との酸化反応、つまり発熱反応が殆ど発生することがなく、発熱組成物の発熱反応に伴うロスや発熱組成物の品質低下が防止される上、発熱組成物の凝固が防止される。このため、歩留りや取扱性が向上し、製造装置のメンテナンスが容易で、しかも製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対する制約が無くなるとの知見を得た。

0035

又、発熱組成物がインキ状ないしクリーム状であると、前述のように、発熱体を製造し、得られた発熱体を気密性の外袋内に密封するまでの間に空気との酸化反応が殆ど無く、従って、発熱体の品質が安定し、その信頼性が高くなるなどの利点が発生するとの知見を得た。

0036

更に、本発明者は、このようにインキ状ないしクリーム状の発熱組成物は空気中で安定しているから、混合装置を気密性にする必要が無く、しかも混合装置内の空気を窒素置換する必要もないので、簡便な混合装置で良く、従って、発熱組成物や発熱体が廉価に製造できるとの知見を得た。

0037

又、本発明者は、前述のように、インキ状ないしクリーム状の発熱組成物を用いると、スクリーン印刷やコーティング等による転写、積層が至極容易で、且つ高速で超薄型の発熱体を製造できるのであり、しかも発熱組成物を袋材に均等に分布させることができる上、使用中や取扱中に発熱組成物の移動、偏りが阻止されるとの知見も得た。

0038

更に、本発明者は、スクリーン印刷等の印刷やコーティングなどによる積層法によると、この発熱体を至極薄くすることができるのであり、又、発熱体が薄いと、単位時間当たりの発熱反応量が低下する結果、発熱組成物の過剰な発熱反応が阻止されるとの知見も得た。

0039

加えて、本発明者は、吸水剤粘性水溶液を、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートなどの包材に、含浸、吹き付け、練り込み、印刷又はコーティング等の塗工などによって積層、乾燥したり、吸水剤を圧着や練り込み等によって含有、担持させて包材に吸水性を付与した後、その上にインキ状ないしクリーム状の発熱組成物をスクリーン印刷やコーティング等で転写、積層すれば粉体の投入工程がなくなり将来の医療用具医薬品製造におけるGMP基準を満たす工場管理が簡単に可能になるとの知見も得た。

0040

ところで、本発明者は、過剰水分や遊離水或いは含水ゲル中の水分の一部を基材、被覆材或いはインキ状ないしクリーム状の発熱組成物の片面又は両面に当てがわれた吸水材などのうち少なくとも1種に吸収させると、バリヤー層が喪失し、使用の際には、多孔質の発熱組成物になって空気との接触が良好になる結果、優れた発熱特性が得られるとの知見も得た。

0041

本発明は、前記技術的知見に基づき完成されたものであって、発熱体製造時の粉塵の発生を防止し、又、発熱組成物の発熱反応を抑制して、製造時の発熱反応によるロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固を防止するのであり、またスクリーン印刷やコーティングなどの印刷、転写法を採用しているから、発熱組成物の均等な分布を可能にし、しかも発熱組成物の厚さや分布の精度が高く製品の品質の向上を図る上、高速で超薄形の発熱体を簡便に製造できるのであり、更に、発熱組成物を、吸水性の基材や被覆材、或いはこれらの上に形成された吸水層上に転写、積層することによって、発熱組成物を袋材に均等に分布、固定させることができる結果、発熱組成物の移動、片寄りを防止するのであり、加えて、発熱体の薄型化によって発熱組成物の過剰な発熱反応を極力避けるインキ状ないしクリーム状の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体の製造方法を提供することを目的とするものである。

0042

また本発明は、吸水剤の粘性水溶液を包材に、含浸、吹き付け、練り込み、印刷又はコーティング等の塗工などによって積層、乾燥したり、吸水剤を圧着や練り込み等によって含有、担持させた、つまり包材に吸水性を付与した後、その上にインキ状ないしクリーム状の発熱組成物をスクリーン印刷やコーティング等で転写、積層すれば粉体の転写工程がなくなり将来の医療用具や医薬品製造におけるGMP基準を満たす工場管理が簡単に可能になるインキ状ないしクリーム状の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体の製造方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0043

本発明に係るインキ状ないしクリーム状の発熱組成物(以下、本発明物という。)は、前記の目的を達成するため、発熱物質と、吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、炭素成分及び/又は金属の塩化物と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されていることを特徴とする。

0044

本発明に係る発熱体(以下、本発明発熱体という。)は、前記の目的を達成するため、本発明物がシート状包材内に積層、封入されてなり、この包材の少なくとも一部が通気性を有するものであり、しかも前記本発明物の水分の一部を前記シート状包材に吸収させてなることを特徴とする。

0045

本発明に係る第1の発熱体の製造方法(以下、本発明第1方法という。)は、前記目的を達成するため、本発明物を形成し、この本発明物を、フィルム状ないしシート状の基材上面における少なくとも一箇所の所定領域に積層した後、この本発明物を覆うようにフィルム状ないしシート状の被覆材を被せ、しかも前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする。

0046

本発明に係る第2の発熱体の製造方法(以下、本発明第2方法という。)は、前記目的を達成するため、本発明物を形成し、この本発明物を、フィルム状ないしシート状の基材上面における少なくとも1箇所の所定領域に積層した後、この本発明物上面に鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を積層或いは散布し、次いで、この本発明物及び鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を覆うようにフィルム状ないしシート状の被覆材を被せ、しかも前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする。

0047

本発明に係る第3の発熱体の製造方法(以下、本発明第3方法という。)は、前記目的を達成するため、フィルム状ないしシート状の基材上に本発明物を積層し、次いで、その上からフィルム状ないしシート状の被覆材を被せて、前記本発明物の粘性により、前記の基材と被覆材とを貼り合わせ、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜き、しかも前記の基材又は被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする。

0048

以下、本発明物及び発熱体並びに本発明第1〜3方法について詳細に説明する。

0049

本発明物においては、従来のように粉末状のものではなく、インキ状ないしクリーム状に粘稠化させた発熱組成物、つまり本発明物を用いる点に特徴を有するものである。

0050

そして、この本発明物としては、空気中の酸素と反応して発熱反応を起こす成分からなり、しかも外力を加えると流動する性質を有するものであれば特に限定されるものではない。

0051

具体的には、例えば本発明物を構成する各成分において、水分や吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、他の成分との配合割合を調整することによって得られる。

0052

本発明物は、インキ状ないしクリーム状に形成されているから、以下に述べる種々のメリットが発生するのである。

0053

即ち、本発明物は、インキ状ないしクリーム状であるから、例えば厚塗印刷、グラビア印刷オフセット印刷、スクリーン印刷、吹き付けなどの公知の印刷技術を用いて印刷したり、ヘッドコーターローラーアプリケーター等により塗工やコーティングによって、至極容易に転写、積層できる上、高速で超薄型の発熱体を製造できるのであり、しかも本発明物を袋材に均等に分布させることができる。

0054

又、本発明物を、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートの上に転写、積層すると、この本発明物は、インキ状ないしクリーム状であるから、浸透・投錨性が高く、これらのフィルムないしシートの細孔に食い込み、その移動、偏りが阻止されるのであり、しかも空気との接触面積が著しく小さく、空気の供給量が減少して酸化反応が殆ど生じないのである。

0055

この場合、特にこれらのフィルムないしシートが吸水性を有し、このフィルムないしシートの上に本発明物を積層するか、或いは前記のフィルムないしシートの上に更に吸水層を形成し、この吸水層上に、本発明物を積層すると、当該発熱組成物の全部或いは一部がこの発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート、或いはこれらの上に形成された吸水層に一層固定され易くなる結果、その移動、偏りが一層防止される。

0056

又、スクリーン印刷やコーティングなどによる積層法によると、この発熱体を至極薄くすることができるのであり、又、発熱体が薄いと、単位時間当たりの発熱反応量が低下する結果、発熱組成物の過剰な発熱反応が阻止されるが、本発明物がインキ状ないしクリーム状で、しかも層厚が薄いから、発熱組成物の移動、偏りが阻止される。

0057

加えて、吸水剤の粘性水溶液を、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートなどのシート状包材に、含浸、吹き付け、印刷又はコーティング等の塗工などによって積層、乾燥したり、吸水剤を圧着や練り込み等によって含有、担持させた、つまりシート状包材に吸水性を付与した後、その上に本発明物をスクリーン印刷やコーティング等で転写、積層すれば粉体の投入工程がなくなり将来の医療用具や医薬品製造におけるGMP基準を満たす工場管理が簡単に可能になるのである。また、上記吸水剤としては、主として、後述する吸水性ポリマーや増粘剤が用いられる。

0058

又、本発明物は、発熱組成物中の水分の配合率、更に吸水性ポリマー及び/又は増粘剤を配合、調整してインキ状ないしクリーム状に粘稠化されているから、印刷やコーティングなどによる転写、積層が至極容易で、且つ高速で超薄形の発熱体を製造できるのであり、しかも余剰水分がバリヤー層となるので、空気の供給量が減少して発熱反応を実質的に停止する結果、一層空気中で安定し、製造時の発熱反応によるロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固が一層防止されるので望ましい。

0059

即ち、従来の粉末状発熱組成物においては、前述の種々の重大な弊害が発生するが、本発明物のように、発熱組成物をインキ状ないしクリーム状に粘稠化させると、スクリーン印刷やコーティング等による転写、積層が容易で、且つ高速で超薄形の発熱体を製造できるのであり、しかもこの余剰水分、或いは遊離水ないし含水ゲルがバリヤー層となるので、空気の供給量が減少して発熱反応が殆ど生じないのである。

0060

この場合において、余剰水分或いは遊離水、又は含水ゲル中の水分の一部を基材及び/又は被覆材などの袋材に吸収させると、バリヤー層が喪失し、しかも水分が包材に吸収されることによって本発明物が多孔質になる結果、空気との接触が良好になり、発熱特性が良好な本発明発熱体が得られるのである。

0061

本発明物においては、発熱物質と、吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、炭素成分及び/又は金属の塩化物と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されたものが挙げられるのであり、その配合割合は発熱物質100重量部に対し、吸水性ポリマー0.1〜7.5重量部及び/又は増粘剤0.1〜10重量部と、炭素成分1.5〜20重量部及び/又は金属の塩化物1〜10重量部とを必須成分とし、且つ水が配合されて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されたものが挙げられる。

0062

この場合、本発明物を製造するにあたり、まず、その固形成分のみを混合装置に投入し、これらの成分を均一に混合した後、これに水或いは金属の塩化物の水溶液ないし分散液を加えてインキ状ないしクリーム状に形成しても良く、或いは発熱組成物の全成分を混合装置に投入し、これらの成分を混合してインキ状ないしクリーム状に形成しても良いのである。

0063

これらの成分の混合装置としては、水分が過剰な場合、特にインキ状の発熱組成物の場合には均一に混合できる装置であれば特に限定されるものではないが、水分が比較的少ないクリーム状の発熱組成物の場合には、ニーダーミキサー等の混練装置が発熱組成物をクリーム状に形成し易く、しかも発熱物質の表面を遊離水や含水ゲルが覆い易いので望ましい。

0064

そして、本発明物は、前述のように、インキ状ないしクリーム状に形成されるが、その粘度(温度20℃)が、以下の方法で、一般に、1,000〜7,500,000cpsの範囲とするのが望ましく、発熱組成物の粘度が1,000cps未満と低すぎると、発熱組成物の印刷やコーティングなどによる転写性が悪くなったり、水分が至極過剰になり過ぎて他の成分の転写量が不足し、発熱時間が短くなったり、発熱組成物が基材上の所定の領域外に滲み出たり、転写後に水分を多量に基材等に吸収させる必要があり、特殊な構造の基材等を用いたり、発熱体の構造を複雑にする必要があるので好ましくなく、一方、7,500,000cpsを超えると転写性が悪くなって転写量にバラツキが生じたり、表面で発熱反応が生じる恐れがあるから好ましくない。従って、これらの理由から、10,000〜6,500,000cpsの範囲、特に好ましくは50,000〜5,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。

0065

この粘度とは、2,000,000cps未満の場合には、TOKIMECINC.製(VISCOMETERBH型粘度計)で、しかも#7のローターを用い、回転数2rpmとし、ビーカー内径(85φmm)のビーカーを用いて測定温度20℃で測定した値であり、又、2,000,000cpsを超える場合には、東機産業(株)社製(R110型粘度計、RE110Uシステム検出ヘッドRE100U、コントローラRC100A)で、しかもSPPローターを用い、回転数0.2rpm(D=0.4(1/S))とし、測定温度20℃で測定した値である。尚、この粘度は転写、積層時の値である。

0066

本発明物の成分としては、水分や吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、他の成分、つまり発熱反応に必須である発熱物質の他に、発熱を促進するためのカーボンや活性炭などの炭素成分、及び/又は、金属粉の表面の酸化皮膜を破壊し、発熱反応を連続的に発生させる金属の塩化物を必須成分とするものであり、所望により、無機系或いは有機系の保水剤、pH調整剤分散性を高める界面活性剤消泡剤などが配合され、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されたものでる。

0067

本発明物の配合割合としては、用いられる吸水性ポリマーや増粘剤の種類、発熱物質更に炭素成分の種類、金属の塩化物の種類等によっても異なるが、一般に、発熱物質100重量部に対し、吸水性ポリマー0.1〜7.5重量部、増粘剤0.1〜10重量部、炭素成分1.5〜20重量部及び金属の塩化物1〜10重量部の範囲とするのが好ましく、特に、この混合物には水を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成される。この場合において、金属の塩化物の所定量を水に溶解ないし分散し、これを吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と炭素成分及び/又は金属の塩化物からなる混合物に加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成しても良いのである。

0068

この場合、このように固形成分のみを均一に混合した後、水或いは金属の塩化物の水溶液ないし分散液を配合するのに代えて、前記固形成分に適量の水を加え、この全成分を均一に混合して本発明物を得ても良いのである。

0069

そして、この場合においても、前記の場合と同様に、この本発明物は、その粘度(温度20℃)が、前記の方法で、一般に、1,000〜7,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。

0070

又、本発明物においては、前述のように、水分や吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、他の成分、つまり発熱物質や炭素成分更に金属の塩化物からなるものでも所望の発熱特性が得られるが、加えて、温度の安定生を一層向上し、且つ発熱時間の一層の向上を図るために、更に、所望により、無機系或いは有機系の保水剤、pH調整剤、分散性を高める界面活性剤、消泡剤などが配合され、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されたものも有益である。

0071

即ち、発熱物質100重量部に対し、吸水性ポリマー0.1〜7.5重量部、増粘剤0.1〜10重量部、炭素成分1.5〜20重量部及び金属の塩化物1〜10重量部からなり、この発熱組成物には、更に発熱物質100重量部に対し、無機系或いは有機系の保水剤0.5〜10重量部、pH調整剤0.1〜5重量部、分散性を高める界面活性剤0.1〜5重量部及び消泡剤0.1〜5重量部から選ばれた少なくとも1種が配合され、本発明物においては、特に、この混合物には水を加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成される。この場合において、金属の塩化物の所定量を水に溶解ないし分散し、これを前記混合物に加えて、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成したものが特に優れた発熱特性が得られるので望ましい。ところで、このように固形成分のみを均一に混合した後、水或いは金属の塩化物の水溶液ないし分散液を配合するのに代えて、前記固形成分に適量の水を加え、この全成分を均一に混合して本発明物を得ても良いのである。

0072

そして、この場合においても、前記の場合と同様に、本発明物は、その粘度(温度20℃)が、前記の方法で、一般に、1,000〜7,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。

0073

本発明物において、吸水性ポリマーとしては、主として、水や金属の塩化物水溶液を円滑、且つ大量に吸収する高分子材料が挙げられるのであり、具体的には、例えば特公昭49−43395号公報に開示されている澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、特公昭51−39672号公報に開示されている架橋ポリアルキレンオキシド、特公昭53−13495号公報に開示されているビニルエステルエチレン系不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、特公昭54−30710号公報に開示されている逆相懸濁重合法によって得られる自己架橋ポリアクリル酸塩、特開昭54−20093号公報に開示されているポリビニルアルコール系重合体環状無水物との反応生成物、特開昭59−84305号公報に開示されているポリアクリル酸塩架橋物、N−ビニルアセトアミド架橋体(吸水剤)(昭和電工株式会社製商品名NA−010)等から選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、これらを界面活性剤で処理したり、これらにと界面活性剤を組み合せて親水性を向上しても良いのである。これらの吸水性ポリマーの中には水や金属の塩化物水溶液を吸収して増粘性を付与するものがあるが、主として、水や金属の塩化物水溶液を円滑、且つ大量に吸収する機能を有するものである。

0074

この吸水性ポリマーとしては、市販のものを用いればよく、例えば三洋化成社製のサンウェットIM−300、サンウェットIM−300MPS、サンウェットIM−1000、サンウェットIM−1000MPS、サンウェットIM−5000、サンウェットIM−5000MPS、製鉄化学社製のアクアキープ4Sやアクアキープ4SH、住友化学社製のスミカゲルNP−1020、スミカゲルNP−1040、スミカゲルSP−520、スミカゲルN−1040、クラレ社製のKIゲル201−K、KIゲル201K−F2、日本触媒社製アクアクリックCS−6、アクアクリックCS−7、荒川化学社製のアラソープ800、アラソープ800Fなどがその例として挙げられる。

0075

これら市販の吸水性ポリマーの中では、水や金属の塩化物水溶液を迅速に吸収し、しかもそれらの吸収量が高い、三洋化成社製のサンウェットIM−300MPS、サンウェットIM−1000MPS、サンウェットIM−5000MPS、住友化学社製のスミカゲルNP−1020、スミカゲルNP−1040、クラレ社製のKIゲル201−K、KIゲル201−F2、荒川化学社製のアラソープ800Fなどが特に好ましい。

0076

本発明物において、増粘剤としては、主として、水や金属の塩化物水溶液を吸収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する物質が挙げられるのであり、ベントナイトステアリン酸塩ポリアクリル酸ソーダ等のポリアクリル酸塩、ゼラチンポリエチレンオキサイドポリビニルアルコールポリビニルピロリドンアラビアゴムトラガカントゴムローカストビーンガムグアーガムアラビアガムアルギン酸ソーダ等のアルギン酸塩ペクチンカルボキシビニルボリマー、デキストリン、α化澱粉、加工用澱粉などの澱粉系吸水剤、カラギーナン寒天などの多糖類系増粘剤、CMC酢酸エチルセルロースヒドロキシエチルセルロースメチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体系増粘剤、アクリルスルホン酸系高分子物質(例えば、日本触媒株式会社製、商品名:CS−6HS)、水溶性セルロースエーテル又はポリーN−ビニルアセトアミド等から選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、これらを界面活性剤で処理したり、これらにと界面活性剤を組み合せて親水性を向上しても良いのである。これらの増粘剤は、主として、水や金属の塩化物水溶液を吸収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する機能を有するものである。

0077

前記水溶性セルロースエーテルとしては、具体的には、例えばセルローズメトキシル基エーテル化したメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズSM15、メトローズSM25、メトローズSM400、メトローズSM4000など)、セルローズをヒドロキシプロポキシル基でエーテル化したヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ60SH−50、メトローズ60SH−4000、メトローズ90SH−4000、メトローズ90SH−30000、メトローズ90SH−100000など)、セルローズをヒドロキシエトキシル基でエーテル化したヒドロキシエチルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ60SH−50、メトローズ60SH−4000、メトローズ90SH−4000、メトローズ90SH−30000、メトローズ90SH−100000など)、第一工業製薬製のセロゲンEP、セロゲンBSH−12、セスカMC、セスカMHEC、セスカMHPCなどの水溶性セルロースエーテルが挙げられる。

0078

この水溶性セルロースエーテルの水溶液を加熱すると、例えば所定温度(増粘開始温度)までは粘度が低下するが、更にこの温度以上に加熱すると、吸着水分を放出して粘度が高まってゲル化し(以下、この現象熱ゲル化現象と呼ぶ。)、この遊離水分がバリヤー層となって発熱反応を減少させ、一方、このゲルを冷却すると、水分を吸着して元の状態に戻るという性質を有している。

0079

水溶性セルロースエーテルの増粘開始温度は、エーテル化剤の種類、置換率セルロース分子量、溶液として添加する場合にはその濃度、他の添加物を添加した場合にはその添加剤の種類や添加量(濃度)等の他、昇温速度や冷却速度の影響を受ける。従って、増粘剤として水溶性セルロースエーテルを用いる場合には、エーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量、溶液の濃度、他の添加物の種類や添加量(濃度)などを適宜選択したり、発熱体組成物組成、使用量などを適宜選択して昇温速度や冷却速度を制御することにより、最高発熱温度を適宜、決定できるのである。

0080

例えば、前記水溶性セルロースエーテル(例えば、信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズSM4000)の2重量%水溶液では、添加物がない場合、増粘開始温度は55℃であるが、塩化ナトリウム(NaCl)、或いは炭酸ナトリウム(Na2CO3・10H2O)を5重量%添加した場合などには増粘開始温度は40℃となり、人体に直接適用する場合には、メトローズSM4000は、安全温度(43℃)以下で、吸着水分を放出して発熱反応を抑制する。

0081

このメトローズSM4000の増粘開始温度はAl2(SO4)3・18H2Oを5重量%添加した場合にも45℃となり、この温度で、メトローズSM4000は吸着水分を金属粉の周囲に放出して発熱反応を抑制する。

0082

又、例えば水溶性セルロースエーテル(例えば、信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ60SHー4000)の2重量%水溶液では、添加物がない場合、増粘開始温度は75℃であるが、塩化ナトリウム(NaCl)を5重量%添加した場合などには増粘開始温度は70℃となり、炭酸ナトリウム(Na2CO3・10H2O)を5重量%添加した場合などには増粘開始温度は45℃となり、これらの温度で、メトローズ60SHー4000は吸着水分を周囲に放出して発熱反応を抑制する。

0083

更に、メトローズ60SH−4000の増粘開始温度はAl2(SO4)3・18H2Oを5重量%添加した場合にも50℃となり、この温度で、メトローズ60SH−4000が吸着水分を放出し、金属粉周囲の遊離水分量を増大させて発熱反応を抑制する。

0084

前記増粘剤の増粘開始温度を調整する添加物としては、前記の塩化ナトリウムや炭酸ナトリウム更に硫酸アルミニウム等の無機物水和物、エタノール等の低級アルコールポリエチレングリコールグリセリン等の多価アルコール、前記の吸水性ポリマーや増粘剤などをその例として挙げることができる。

0085

前記ポリーN−ビニルアセトアミドとしては、N−ビニルアセトアミドをラジカル重合させて得られるものであり、水に可溶性直鎖構造のものと、水に不溶性架橋構造を有するものとがあり、この不溶性のポリーN−ビニルアセトアミドには、その架橋密度の差により、ゲル化剤として作用するミクロゲルが挙げられるのであり、具体的には、例えばN−ビニルアセトアミドーアクリル酸ナトリウム共重合体(昭和電工株式会社製商品名GE−167)、N−ビニルアセトアミドホモポリマー(昭和電工株式会社製 商品名GE−191)又はN−ビニルアセトアミド架橋体(ミクロゲル)(昭和電工株式会社製 商品名GX−205)などから選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、これらを界面活性剤で処理したり、これらにと界面活性剤を組み合せて親水性を向上しても良いのである。これらの増粘剤は、主として、水や金属の塩化物水溶液を吸収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する機能を有するものである。

0086

本発明物では発熱物質として、有機物を用いることも可能であるが、反応に伴って異臭が発生しない鉄粉、亜鉛粉アルミニウム粉又はマグネシウム粉或いはこれらの2種以上の金属からなる合金の粉末、更に、これらのうちの2種以上を混合した混合金属粉などが用いられるが、特に、これらの金属粉の中では、安全性、取扱性、コスト、保存性及び安定性などの観点を総合して最も優れている鉄粉をもいることが望ましい。

0087

炭素成分としてはカーボンブラック黒鉛又は活性炭などがその例として挙げられるのであり、金属の塩化物としては塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属の塩化物、塩化カルシウム塩化マグネシウムなどのアルカリ土金属の塩化物などをその例として挙げることができる。

0088

前記無機系或いは有機系の保水剤としては、水を保水し、発熱組成物中の水分が不足し、発熱反応が鈍化すると水を放出するだけでなく、発熱組成物中の空隙率を向上させて空気と発熱組成物との接触を良好にするものである。

0090

又、前記pH調整剤や界面活性剤更に消泡剤としてはポリリン酸ナトリウム等の通常のpH調整剤の他、この分野で用いられるものが用いられる。

0091

本発明物においては、水分の一部を基材及び/又は被覆材等に吸収させ、これによって、使用の際には空気との接触が良くなるようにすれば良いのである。

0092

次に、本発明発熱体について詳細に説明する。本発明発熱体の特徴は、本発明物を少なくとも一部が通気性を有するシート状包材内に積層、封入されてなる点に有る。

0093

そして、この本発明物としては前述のものが挙げられるのであり、しかも前記本発明物の水分の一部を前記シート状包材に吸収させるように構成している。

0094

本発明発熱体において、シート状包材が、フィルム状又はシート状の基材とフィルム状又はシート状の被覆材とからなり、この基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が、通気性を有すると共に、吸水性を有するものが望ましい。

0095

本発明発熱体においては、印刷やコーティング等によって、超薄形の発熱体が形成されるが、発熱体が薄く形成されると、袋体内における発熱組成物による空気中の酸素の消費に基づく減圧のみでは、発熱体のさらなる薄型化(厚み1mm程度以下)、軽量化を図ると、単位時間当たりの発熱反応量が低下する結果、発熱組成物の移動、片寄りを防止しうる程度の減圧状態を維持できない場合がある。

0096

このような場合には、基材及び/又は被覆材などに発熱組成物の全部又は一部を固定させてその移動、片寄りを防ぐのが好ましい。

0097

具体的には、例えば基材及び/又は被覆材における少なくとも本発明物との接触箇所においてその表面に物理的に凹凸を形成したり、または、基材及び/又は被覆材が吸水性を有するフィルム状ないしシート状の吸水材で形成されており、これによって、基材及び/又は被覆材における本発明物との接触箇所に凹凸を形成することにより、本発明物からの吸水に伴う密着性とこれらの凹凸によって本発明物との結合性を高めてその移動、片寄りを防止するのが望ましい。

0098

又、本発明発熱体においては、基材及び/又は被覆材が、非通気性或いは通気性のフィルム又はシートの片面或いは両面に、吸水性を有する吸水材を積層し、これによって、基材及び/又は被覆材における本発明物との接触箇所に凹凸を形成することにより、本発明物からの吸水に伴う密着性とこれらの凹凸によって本発明物との結合性を高めてその移動、片寄りを防止するのが望ましい。

0099

即ち、基材及び/又は被覆材としては吸水性を有する吸水材で形成されたものが望ましいが、この吸水材としては、吸水性を有するフィルム状ないしシート状のものであれば特に限定されるものではない。

0100

この吸水材としては、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有するものであれば特に限定されるものではない。

0101

具体的には、例えば吸水性を有する発泡フィルム・シート(吸水性発泡ポリウレタン等の発泡体)や紙類、吸水性を有する繊維で形成された不織布や織布、或いは吸水性を有する繊維を含む不織布や織布、又は吸水性の多孔質フィルム・シートなどの吸水材の他、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与ないし増大させたり、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、本発明物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等の吸水性素材を本発明物の片面又は両面に当てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。

0102

本発明発熱体においては、特に、基材及び/又は被覆材における少なくとも本発明物との接触箇所には吸水層が形成されているものが望ましい。この場合、基材及び/又は被覆材における本発明物との接触箇所には吸水層が形成されているものが、本発明物の周縁部において、基材と被覆材とを粘着又は熱接着或いは熱融着し易くなるので望ましい。

0103

本発明発熱体においては、基材及び/又は被覆材の表面の凹凸及び/又は吸水層に本発明物の全部又は一部を埋設ないし接合し、これによって、本発明物の移動、片寄りを一層防止するのが望ましい。

0104

このように本発明物が袋体内で移動することが防止されるので、発熱組成物が偏って発熱温度がばらついたり異常に高い温度に発熱することを阻止できる。

0105

ところで、前記吸水層としては前述の吸水性ポリマー及び/又は増粘剤で形成された層、或いは前述のフィルム状ないしシート状の吸水材が挙げられる。

0106

又、基材及び/又は被覆材の表面は、平滑面であってもよいが、本発明物との結合を確実にするために、少なくとも38ダイン以上、好ましくは40ダイン以上の濡れ指数を有することが好ましい。従って、基材及び/又は被覆材が、表面が平滑なフィルム又はシートで構成される場合には、その表面をコロナ処理等の物理的処理によって粗荒化(凹凸化)し、これによって濡れ指数を高めることが好ましい。

0107

なお、基材及び/又は被覆材における本発明物の接触箇所に吸水層を形成している場合には、該発熱組成物の水分を吸収する力によって該発熱組成物における水分以外の他の成分が基材及び/又は被覆材に引き寄せられ、その一部分が吸水層に浸潤して強力なアンカー効果を生じるので、特別に表面を粗荒化する処理は不要である。

0108

前述のように、本発明発熱体で用いられる基材及び/又は被覆材は、空気との接触により発熱する発熱組成物を熱源としている結果、基材と被覆材で形成された包材の少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを要するが、この基材及び/又は被覆材としては、単一層のものと、厚み方向に複数層を積層したものとが含まれる。

0109

この場合において、積層とはヒートセット、接着、粘着、ラミネーションなどによって層どうしが全面的に或いは部分的に接合されていたり、或いは各層が単に重ね合わされ、例えば周縁部や中央部などの局部で層どうしがヒートシール、ホットメルト系接着剤或は粘着剤などで接合されていることをいう。

0110

本発明物においては、インキ状ないしクリーム状に形成されているので、発熱組成物を高速の印刷やコーティング等によって積層できるのであり、基材上に転写、印刷、離型処理した版の深いグラビア印刷、吹き付け又はコーティング等によって積層することによって、例えば、基材の送り速度が毎分160〜200m/分程度という高速で、少なくとも1箇所の所定領域に例えば0.02〜1.5mm程度の薄い膜厚に、しかも、厚みを均一にして積層させることが可能になる。

0111

この場合、本発明物を基材上における少なくとも1箇所の所定領域に高精度に且つ均一に積層して、しかも、全体にわたって均一に膜厚を例えば0.02〜1.5mm程度、好ましくは0.1〜0.5mm程度に薄くして積層させることができる結果、全体として、0.5〜2mm程度の超薄形の発熱体を製造することができる。

0112

この場合において、処理の高速化、付着領域制御の高精度化、薄肉化及び膜厚の均一化を図るために、ロールフィルム状又はロールシート状の基材を一定速度、例えば毎分160〜200m/分程度の高速で送りながら、その基材上に本発明物を積層し、更にその上からロールフィルム状又はロールシート状被覆材を被せれば良いのである。この際、本発明物が接着剤と同様の役割を果し、基材と被覆材を接合するから、必ずしも、発熱組成物の物の周囲を封着するのが望ましい。

0113

本発明発熱体は、このようにフィルム状又はシート状の基材上面における少なくとも1箇所の所定領域に膜厚の薄い本発明物を積層させた後、この発熱組成物を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せ、基材と被覆材とを本発明物を介して張り合わせる。つまり本発明物が粘着剤と同様の役割を果すのである。勿論、品質及び信頼性を一層向上するために、基材と被覆材とを、本発明物の周囲部において、粘着、熱接着又は熱融着によって封着するのが望ましい。

0114

基材及び/又は被覆材が、単一層(単一のフィルム又はシート)の場合には、前述のように、本発明物の移動、片寄りを防ぐために、表面平滑性のフィルム・シートではその表面を粗面(凹凸面)にしたり、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートを用いるのが好ましく、これらが吸水性を有する素材、例えば吸水性の繊維で形成されているときにはそのまま用いたり、これらが吸水性を有しない素材で形成されているときには、これらに吸水剤を含有、含浸、転写又は担持させて吸水性を発現させても良いのである。この場合において、スポンジ等の発泡フィルム・シート、紙、不織布又は織布などを用いると、後述する粘着剤層との密着性が良好になる。又、基材が複数層、つまり2種以上のフィルム又はシートを積層したものとしては前述のものが挙げられる。

0115

加えて、本発明物を基材と被覆材の間に介装するにあたり、基材上面に積層された本発明物上に鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を積層或いは散布し、使用時の発熱温度の立ち上がりを速やかにしたり、使用時の温度特性を変化させても良いのであり、この場合、その積層或いは散布量は、温度特性を悪化させない範囲であれば特に限定されるものではないが、具体的には、一般に1〜250g/m2の範囲とするのが望ましい。この吸水剤としては前記の吸水性ポリマーや増粘剤が挙げられる。

0116

又、本発明発熱体においては、本発明物上面に炭素成分でコーティングした鉄粉、或いは鉄粉(A)と炭素成分(B)とこの(A)と(B)の合計量に対し5重量%以下の水を加えた混合物が積層されて、これによって、積層時の粉塵の飛散を防止したり、使用時の発熱温度の立ち上がりを速やかにしたり、使用時の温度特性を変化させても良いのである。

0117

この場合において、炭素成分で鉄粉をコーティングする方法としては、押圧型混合機、例えばホソカワミクロン社製 AM−15Fを用い、一般に、鉄粉100重量部に対し、炭素成分0.1〜10重量部の割合とし、回転数500〜1500rpmで、しかも10〜80分混練して得られる。

0118

又、鉄粉(A)と炭素成分(B)とこの(A)と(B)の合計量に対し5重量%以下の水を加えた混合物を得る方法としては、ホソカワミクロン社製 AM−15Fを用い、一般に、鉄粉100重量部に対し、炭素成分0.1〜10重量部、水0.3〜5重量部、特に水0.5〜3重量部の割合とし、回転数500〜1500rpmで、しかも10〜80分混練して得られる。このように微量の水を添加することによって、粉塵の飛散を一層防止できるのである。

0119

又、本発明発熱体においては、基材上に本発明物を積層し、更にこの本発明物を被覆材で被覆するたあたり、フィルム状ないしシート状の吸水材を本発明物の積層形状に切断したもの、特に吸取紙ティシュペーパーなどの家庭用薄葉紙等、吸水性の高いフィルム又はシートを本発明物の積層形状に切断したものを用い、これを前記本発明物の片面に載置したり、或いはこれで本発明物の両面を挟み、次いで、被覆材で封着しても良いのである。

0120

ところで、本発明において、フィルム又はシートに吸水剤を担持させる方法としては、フィルム又はシートに吸水剤の溶液を含侵させ、溶媒を蒸布させたり、或いはフィルム又はシートに吸水剤を吹き付け、塗着、練り込み、圧着、積層又は配合等によって付着させたり、吸水性の繊維を不織布や織布に織り込んだり、混合すること等が挙げられる。

0121

前記基材及び/又は被覆材は引っ張り強度などの必要な機械的強度を有することが必要であり、しかも、体表面へのなじみ性を高めるために、全体として柔軟であることが好ましい。

0122

即ち、本発明発熱体においては、人体における湾曲部や伸縮部更に屈伸部に一層好適に適用され、しかもこの伸縮部更に屈伸部に一層追従し易くするために、基材及び被覆材が、つまり発熱体の包材が、伸長性のフィルム或いはシート、特に、伸縮性のフィルム或いはシートで形成されたものが望ましい。

0123

即ち、シート状包材が伸長性の素材、特に伸縮性の素材で形成されたものが、至極伸縮し易く、等の関節部更に肩や腕等の人体における湾曲部や伸縮部更に屈伸部に一層追従して優れた密着性を有し、しかも使用中に突っ張り感や違和感がないので、一層使用感が良好である上、使用中の剥離が確実に防止されるので、一層優れた温熱効果を発現させるので最も望ましい。

0124

この伸長性の基材及び被覆材としては、例えば伸長性の高いポリエチレンポリプロピレン等の合成樹脂で形成されたものが挙げられる。

0125

又、伸縮性の基材及び被覆材、つまり伸縮性のフィルム或いはシートとしては、伸縮性の素材で形成されたものであれば特に限定されるものではないが、特に、伸縮性であって、且つ本発明物との結合性が高い、伸縮性の発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等が挙げられるのであり、これら自体が吸水性を有するか、或いは吸水性の有無を問わず、これら自体に、吸水剤を含有、含浸、付着、練り込み、転写、積層又は担持させて吸水性を付与ないし向上させたものが、本発明物中の水分を吸収してバリヤー層を除去し、本発明物が多孔質で、空気との接触が好適な状態にするのが望ましい。

0126

伸縮性のフィルム或いはシートの素材としては、例えば天然ゴム合成ゴムまたは熱可塑性エラストマーが挙げられるが、伸縮性が大で取り扱い易く、しかも熱可塑性エラストマーは熱融着性を有するので、本発明発熱体の製造がしごく容易なので望ましい。

0127

勿論、本発明発熱体において、基材と被覆材が粘着性、熱融着性或いは熱接着性を有するか否かは問うものではないが、品質と信頼性の一層の向上を図るために、基材と被覆材とを発熱組成物の周囲部にわたって粘着、熱接着或いは熱融着により封着するのが望ましい。

0128

前記合成ゴムとしては、具体的には、例えばブタジエンゴムイソプレンゴムスチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムクロロプレンゴムイソブチレン−イソプレンゴム、ポリアルキレンスルフィドシリコーンゴム、ポリ(クロルトリフルオロエチレン)、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンコポリマーウレタンゴムプロピレンオキシドゴムエピクロルヒトリゴムアクリル酸エステルアクリロニトリル・コポリマー又はアクリル酸エステル−2−クロルエチルビニルエーテル・コポリマー等が挙げられる。

0129

又、前記熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、例えばオレフィン系エラストマーポリウレタン系エラストマー又はポリエステル系エラストマー等が挙げられる。

0130

前記オレフィン系エラストマーとしては、具体的には、例えばエチレン−プロピレン・コポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマークロロスルホン化ポリエチレン塩素化ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル・コポリマー等が挙げられる。

0131

又、前記の基材及び被覆材の厚さとしては、用途によって大きく異なり、特に限定されるものではない。具体的には、足用の場合、10〜5000μm、人体に直接張り付けて使用する場合、10〜500μm程度、特に12〜250μmとすることが更に好ましく、一般には、10〜2500μm、特に、12〜1000μmとするのが望ましい。

0132

基材及び被覆材の膜厚が10μm未満の場合には、必要な機械的強度を得られなくなる上、膜厚を均一にすることが困難になる虞れがあるので好ましくない。

0133

一方、基材の膜厚が5000μmを超える場合にはスポンジ等の発泡体であっても柔軟性が低下して体表面へのなじみ性が著しく低下すると共に、体表面の変形や移動に対する追従性が低下する上、ごわごわして風合が悪くなり、又、発熱体全体の厚さが厚くなるので好ましくない。

0134

従って、特に基材の厚さを10〜2500μmの範囲、特に12〜1000μmの範囲とすれば、所要の機械的強度が得られると共に、所要の柔軟性が得られるので望ましい。

0135

基材及び/又は被覆材としては、高分子材料からなる発泡或いは非発泡のフィルム又はシートが挙げられるが、発泡されたフィルム又はシートに本発明物を食い込ませてその移動、片寄りを一層防止できる。

0136

この高分子材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドポリエステルポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンポリウレタンポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合けん化物又はエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。

0137

積層型の基材や被覆材を構成する場合にはその一部を通気性を有するフィルム又はシートで構成することができる。この通気性を有するフィルム又はシートとしては、発泡又は非発泡のフィルム又はシート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート、布などが用いられ、布としては、織布、編布、不織布などを用いることができる。

0138

前記非発泡の高分子材料からなるフィルム又はシートに通気性を与える方法としては、フィルム又はシートを形成する時に延伸させて通気孔を形成する方法、更にこのフィルム又はシートから特定成分を抽出して通気孔を形成する方法の他、フィルムに形成した後にパンチング細針などによる穿孔により機械的に通気孔を形成する方法等が挙げられるのであり、これによって、多孔質のフィルム又はシートが得られる。

0139

又、高分子材料からなる発泡させたフィルム又はシートは、発泡により表裏両面に開かれた独立気泡又は連続気泡が形成され、又、発泡後にフィルム又はシートを圧迫してその内部に形成された独立気泡又は連続気泡を破裂させて表裏両面に連通させことにより通気性が与えられたものと、発泡によっても、通気性を有しない気密性のものとが挙げられる。

0140

紙類、織布、編布或いは不織布などの布は組織上、表裏両面に連通する通気孔ないし通気路が形成されているので、通気性を有する。布を構成する繊維としては天然繊維ビスコース繊維などの天然素材を用いた再生繊維半合成繊維合成繊維及びこれらのうちの2種以上の混合物などを用いることができる。

0141

天然繊維としては、綿、などの植物性繊維獣毛などの動物性繊維が挙げられるのであり、又、合成繊維を構成する高分子材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合けん化物又はエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。

0142

本発明発熱体においては、包材において、その側方或いは基材と被覆材のうち少なくとも一方又は一部が通気性を有することが必要である。

0143

基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有する場合において、その通気性は、発熱組成物の反応速度ないし発熱温度の制御に大きな影響を与えるので、効果的な温熱効果を得ると共に、低温火傷を防止して安全性を確保するために、通気性を管理することが好ましい。又、この通気性を高精度に管理するためには透湿度でフィルム又はシートの通気性を管理することが好ましく、具体的には、透湿度がリッシー法(Lyssy法 L80−4000H型)で50〜10,000g/m2 ・24hrの範囲内にすべきであり、特に200〜6,000g/m2 ・24hrの範囲内にすることが好ましい。

0144

又、基材及び/又は被覆材が複数層の通気性フィルムからなる場合には、全体としての透湿度をリッシー法(Lyssy法)で50〜10,000g/m2 ・24hrの範囲にすることが好ましい。

0145

この透湿度が、50g/m2 ・24hr未満では発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、10,000g/m2 ・24hrを超えると発熱温度が高くなって安全性に問題が生じたり、発熱時間が短くなる虞れが生じるので好ましくない。従って、通気性フィルムの透湿度を100〜1,000g/m2 ・24hrの範囲にすることによって、安全で十分な温熱効果を長時間にわたって得られるので、特に好ましい。

0146

ところで、リッシー法(Lyssy法)とは世界各国の工業規格準拠した方法であり、例えばJIS Z0208では、温度40℃、相対湿度差90%RHに保つように定められているので、本装置では、100%相対湿度の状態にある下部チャンバーと、高感度湿度センサーを設置した上部チャンバーの境界面に測定サンプルが挿入され、湿度センサーのある上部チャンバーの相対湿度を10%RH(100%−90%)に保つようにし、これを中心にして、約±1%の幅(△RH)即ち約9%から約11%に湿度が増加するのに必要な時間(数秒)を測定し、予め透過度既知標準サンプルを用いて同じ条件で行ったキャリブレーションの結果と比較することにより透過度を求める方式である。

0147

本発明発熱体においては、気密性の外袋材に封入するまでの任意の時点で、基材又は被覆材において、そのいずれか一方の露出面の少なくとも一部に粘着剤層が形成されているのが好ましく、この場合、そのいずれか他方が通気性を有するものが、直接に体表面や着衣に該発熱体を貼着、固定できるので望ましい。

0148

この粘着剤層としては外皮に粘着可能な層であれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば湿布剤又は粘着剤で形成された層が挙げられる。

0149

前記粘着剤層としては、溶剤型粘着剤エマルジョン型粘着剤又はホットメルト型粘着剤で形成された層が挙げられる。

0150

粘着剤層としては、具体的には、例えばゴム系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、エチレンー酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、ポリサルファイド粘着剤又はホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤で形成された層が挙げられるが、これらのうち、皮膚貼着性が良好で、しかも皮膚刺激が少ない上、温熱を与えても粘着力の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤で形成された層が望ましく、特に、ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤の層は、初期タック力が強く、加温時の粘着性が非常に優れる。

0151

この粘着剤層の厚さとしては特に限定されるものではないが、5〜1000μm、特に、10〜500μm、更に好ましくは15〜250μmとするのが好ましく、粘着剤層の厚さが、5μm未満になると所要の粘着力が得られない場合があり、一方、1000μmを超えると嵩張って使用感が悪くなるだけでなく、経済性が悪くなるので好ましくない。

0152

本発明発熱体で用いられるホットメルト型高分子物質としては、具体的には、例えばA−B−A型ブロック共重合体飽和ポリエステル系高分子物質、ポリアミド系高分子物質、アクリル系高分子物質ウレタン系高分子物質、ポリオレフィン系高分子物質又はポリオレフィン系共重合体或いはこれらの変性体、若しくはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。

0153

この変性体とは、ホットメルト型高分子物質の成分の一部を他の成分に置き換えてホットメルト型高分子物質の性質、例えばホットメルト型高分子物質の粘着性の改善や安定性等を変えたものをいう。

0154

前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエンイソプレン等の共役ジエン弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられるのであり、また、これらを混合して用いても良いのである。

0155

A−B−A型ブロック共重合体の市販品の例としては、具体的にはカリフレックスTR−1101、カリフレックスTR−1107、カリフレックスTR−1111(シェル化学製)、或いはフィリップトロリアム製のソルプレン418等が挙げられる。

0156

ところで、この粘着剤には、所望により、他の成分、例えば他の粘着剤、粘着剤賦与剤、老化防止剤充填剤、粘着調整剤、粘着改良剤着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤防カビ剤抗菌剤殺菌剤消臭剤又は脱臭剤等が適宜適量配合されても良いのである。

0157

この粘着剤層は、直接に基材又は被覆材のいずれか一方の露出面に粘着剤層を形成させることができるが、この場合には粘着剤層の基材又は被覆材への結合力を高めるために、基材又は被覆材の露出面を粗荒化したり、基材又は被覆材の露出面を紙、織布、編布、不織布、発泡フィルムなどの表面が粗荒なフィルム又はシートで構成するのが好ましい。

0158

本発明発熱体においては、基材及び/又は被覆材の露出面における粘着剤層が、湿布剤を含有する湿布層、或いは経皮吸収性薬物を含有又は担持している薬物含有層であるものが、温熱効果に加えて、湿布効果や薬物による治療ないし薬理効果が得られるので望ましい。

0159

本発明発熱体においては、粘着剤層に経皮吸収性の薬物を配合することにより、局所治療効果を向上させたり、全身治療効果を向上させたり、温熱効果によって循環活発になった血液などに薬物を吸収させて一層効果的に生体内の各部に薬物を循環させることができるので、各部位の投与効果を一層高める上で至極好ましい。

0160

前記経皮吸収性薬物としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば皮膚刺激剤、鎮痛消炎剤、中枢神経作用剤睡眠鎮静剤抗てんかん剤、精神神経用剤)、利尿剤血圧降下剤冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤抗ヒスタミン剤不整脈用剤、強心剤副腎皮質ホルモン剤局所麻酔剤等が挙げられる。これら薬物は、一種又は必要に応じて二種以上配合されて用いられる。

0161

この薬物の含有量としては薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性更に粘着力等の観点より、経皮吸収性の薬物の含有量が粘着剤100重量部に対し0.01〜25重量部、特に0.5〜15重量部の範囲で適宜決定される。

0162

本発明発熱体においては、所望により、遠赤外線効果を発現させるうえで、発熱組成物中及び/又は発熱体における粘着剤層側に、遠赤外線を放射するセラミックスの粉末或いは成形体を設けるのが望ましい。

0163

即ち、本発明発熱体組成物と共に、或いはこれに代えて遠赤外線を放射するセラミックスを用いることができ、このセラミックスは該発熱組成物と共に袋材に封入したり、本発明物と同様にして担持体に担持させたりすることができ、更にこのセラミックスは粘着層に担持させることもできる。

0164

本発明発熱体の製造において、経皮吸収性薬物を用いる場合には、上述した発熱体、或いは遠赤外線を放射するセラミックスなどを併用し、温熱効果により血行などの全身作用を高めることにより、薬物の経皮吸収性を高め全身治療効果や局所治療効果を一層高めることができる。

0165

このようにして得られた発熱体は、期において、単に、人体に温熱を供給して寒さを凌ぎ、快適に過ごすことができるだけでなく、局所のこり、疼痛及び冷え等を伴う症状、例えば肩こり筋肉痛筋肉のこり、腰痛手足の冷え、神経痛リューマチ、打ち身、捻挫等の疾患に使用され、温熱による治療効果を充分に期待できるのである。

0166

本発明に係る発熱体においては、基材及び/又は被覆材が、非通気性或いは通気性のフィルム又はシートの片面或いは両面に積層された発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートで形成されていると、片面にインキ状ないしクリーム状の発熱組成物を積層し、発熱組成物の移動、片寄りを防止できるから望ましいのであり、特にこの場合において、他面に不織布や織布を用いると、風合いが良くなって使用感が良好になるので特に望ましい。

0167

次に、本発明第1方法について詳細に説明する。本発明第1方法においては、まず、インキ状ないしクリーム状に粘稠化させた発熱組成物、つまり本発明物を製造する工程(A)を実施する。

0168

本発明物としては前述のものと同様のものが挙げられる。ところで、本発明物を製造するにあたり、前記全成分を、混合機に投入し、次いで、均一に混合しても良く、或いはこれに代えて、前記全成分のうち固形成分のみを混合機に投入した後、この混合機でこれらの成分を均一に混合し、次いで、これに水、或いは金属の塩化物の水溶液又は分散液を投入して混合し、これによって、前述の本発明物を得ても良いのである。この場合、前記各固形成分を、混合機に投入し、次いで、これを均一に混合した後、これに水を投入、混合して、得られた本発明物の品質が安定するので望ましい。

0169

本発明第1方法で用いられる混合機としては本発明物を構成する成分を均一に混合するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えばリボンミキサースパルタンミキサー、スクリューブレンダーロールミキサー、バンバリーミキサー又はニーダー等が挙げられる。

0170

ところで、本発明物を製造するにあたり、水分が余剰の場合、例えばインキ状の発熱組成物のときにはどのような混合装置を用いても良い。一方、クリーム状の発熱組成物のときには、水分の割合が比較的少なく、従って、ミキサーやニーダー等のように、成分を加圧しつつ練り込むような装置が、発熱組成物をクリーム状にし易く、しかも絞り出された水分が遊離水となったり、クリーム状の発熱組成物を製造後、この遊離水を発熱物質周辺のゲルが吸収する結果、この遊離水或いは含水ゲルがバリヤー層(空気遮断層)としての役割を果し、発熱組成物が安定化するので望ましい。

0171

本発明においては、工程(A)で得られた本発明物を、フィルム状又はシート状の基材上面における少なくとも一箇所の所定領域に転写、積層する工程(B)を実施する。

0172

ここで用いられる基材としては本発明発熱体で説明したものと同様であるから、重複説明を避けるために省略する。

0173

又、この工程(B)においては、基材上面にスクリーン印刷等の印刷やコーティングによって本発明物が任意の形状で転写、積層されるが、この本発明物は、基材上面における幅方向において一箇所或いは二箇所以上積層したり、基材の長手方向において千鳥足状に積層しても良いのである。

0174

本発明においては、本発明物を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せる工程(C)を実施する。

0175

ここで用いられる被覆材としては本発明発熱体で説明したものと同様であるから、重複説明を避けるために省略する。

0176

この場合、基材と被覆材とを本発明物を介して張り合わせる。つまり本発明物が粘着剤と同様の役割を果すから、必ずしも基材と被覆材とを、本発明物の周囲部において、封着する必要はないが、品質や信頼性を一層向上するために、基材と被覆材とを、本発明物の周囲部において、粘着、熱接着又は熱融着によって封着するのが望ましい。

0177

そして、本発明第1方法においては、空気との接触によって発熱する本発明発熱体を得るものであるから、前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するのである。

0178

本発明第2方法においては、本発明物の片面或いは両面にフィルム状又はシート状の吸水材を当てがい、この吸水材に本発明物の水分の一部を吸収させても良いのである。この吸水材としては上述のものが挙げられる。

0179

本発明第1方法においては、インキ状ないしクリーム状で形成されているから、以下に述べる種々のメリットが発生するのである。

0180

即ち、このように、本発明第1方法においては、インキ状ないしクリーム状の発熱組成物、つまり本発明物を用いると、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による積層が至極容易で、且つ高速で超薄型の発熱体を製造できるのであり、しかも発熱組成物を袋材に均等に分布させることができる上、本発明物を、発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートで形成された基材や被覆材で挟着すると、この本発明物は侵入・投錨性が高く、これらの基材や被覆材の細孔に食い込み、その移動、偏りが阻止される。

0181

この場合、特に基材及び/又は被覆材が吸水性を有し、この基材上に本発明物を積層するか、或いは前記基材上に更に吸水層を積層し、この吸水層上に、本発明物を積層し、被覆材で被覆すると、当該発熱組成物の全部或いは一部が吸水性の基材及び/又は被覆材、或いはこれらの上に形成された吸水層に一層固定され易くなる結果、その移動、偏りが防止される。

0182

又、印刷やコーティングなどによる積層法によると、この発熱体を至極薄くすることができるのであり、又、発熱体が薄いと、単位時間当たりの発熱反応量が低下する結果、発熱組成物の過剰な発熱反応が阻止される上、柔軟で外皮の伸縮に追従し易く、使用感が良好になる。

0183

加えて、本発明第1方法においては、吸水剤の粘性水溶液を、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートなどのシート状包材に、含浸、吹き付け、練り込み、印刷又はコーティング等の塗工などによって積層、乾燥したり、吸水剤を圧着や練り込み等によって含有、担持させた、つまりシート状包材に吸水性を付与した後、その上に本発明物をスクリーン印刷やコーティング等で転写、積層すれば粉体の投入工程がなくなり将来の医療用具や医薬品製造におけるGMP基準を満たす工場管理が簡単に可能になるのである。ここで用いられる吸水剤としては、前述の吸水性ポリマーや増粘剤が挙げられる。

0184

又、本発明第1方法においては、本発明物はインキ状ないしクリーム状に形成されているから、前述のような種々のメリットがあるが、特に、本発明物は、印刷やコーティングなどによる転写、積層が至極容易で、且つ高速で超薄形の発熱体を製造できるだけでなく、粉末状の発熱組成物と比較して、表面積が著しく小さく、空気の供給量が減少して発熱反応を実質的に停止する結果、製造時の発熱反応によるロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固が防止されるのである。

0185

ところで、本発明第1方法において、余剰水分や遊離水更に含水ゲル中の水分の一部を基材及び/又は被覆材などの袋材に吸収させると、バリヤー層が喪失し、発熱組成物が多孔質となって空気との接触が良好になる結果、使用時の温度特性は良好になるのである。

0186

次に、本発明第2方法について詳細に説明する。本発明第2方法は、本発明物を形成し、この本発明物を、フィルム状又はシート状の基材上面における少なくとも1箇所の所定領域に積層した後、この本発明物上面に鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を積層或いは散布し、次いで、この発熱組成物、及び鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せ、しかも前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とするものである。

0187

本発明第2方法においては、本発明物の片面或いは両面にフィルム状又はシート状の吸水材を当てがい、この吸水材に本発明物の水分の一部を吸収させても良いのである。この吸水材としては上述のものが挙げられる。この場合、本発明物の片面或いは両面とは、本発明物上面に鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を積層或いは散布した状態でその片面或いは両面のことをいう。

0188

従って、被覆材が、本発明物、鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種及び吸水材を覆うように被せられる。

0189

本発明第2方法においては、空気との接触によって発熱する本発明発熱体を得るものであるから、前記の基材と被覆材からなる包材の少なくとも一部が通気性を有するのであり、又、基材及び被覆材としては本発明発熱体で説明したものと同様であるから、重複説明を避けるために省略する。

0190

即ち、本発明第2方法は、本発明第1方法において、本発明物上面に鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を積層或いは散布し、次いで、この発熱組成物、及び鉄粉、炭素成分又は吸水剤から選ばれた少なくとも1種を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せる点に特徴を有するものであり、その他の点は本発明第1方法と同様なので、重複説明を避けるために省略する。

0191

次に、本発明第3方法について詳細に説明する。本発明第3方法においては、まず、フィルム状又はシート状の基材上に本発明物を積層し、次いで、その上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記本発明物の粘性により、前記の基材と被覆材とを張り合わせて積層体を得る。この場合、本発明物の片面又は両面にフィルム状ないしシート状の吸水材を当てがっても良いのである。

0192

本発明第3方法において、用いられる本発明物としては、前述のものと同様のものが挙げられるので、重複説明を避けるためその詳細な説明を省略する。

0193

本発明第3方法においても、前述の場合と同様に、本発明物の水分の一部が吸水性の基材及び/又は被覆材に吸収されるまでは、空気と接触しても本発明物の酸化反応、つまり発熱反応が抑制されるため、製造時の発熱反応による発熱組成物のロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固が確実に防止される上、本発明物がインキ状ないしクリーム状に形成されているので均一な厚さに積層できるのであり、しかも本発明物が粘性が有り、包材との接着もあるので発熱組成物の移動、片寄りを防止し、且つ発熱組成物の過剰な発熱反応を極力避けることができる。

0194

本発明第3方法において、基材上に本発明物を積層する方法としては特に限定されるものではないが、具体的には、例えばヘッドコーター等のコーター、ローラー、アプリケーター等による塗工やコーティング等が挙げられる。

0195

本発明第3方法においては、空気との接触によって発熱する本発明発熱体を得るものであるから、前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方又は一部が通気性を有するものであり、又、基材及び被覆材としては本発明発熱体で説明したものと同様であるから、重複説明を避けるために省略する。

0196

本発明第3方法においては、次いで、得られた積層体を任意の形状に打ち抜いて発熱体が得られるのである。従って、基材と被覆材はその打ち抜きが容易なものが好ましく、この観点より、基材及び被覆材としては紙類で形成されているものが望ましい。

0197

前記積層体を所定の形状に打ち抜く工程は、当該積層体を静止させて行ってもよく、この場合には同時に積層体の送り方向及びこれに直角の幅方向に並ぶ複数の積層体を同時に打ち抜くことにより一度に多量の発熱体を形成することができる結果、コストダウンを図ることができる。

0198

しかしながら、この方法では、前述のように、例えばロールフィルム状又はロールシート状の基材を例えば毎分160〜200m/分で送りながら、その上に本発明物を積層させた後、ロールフィルム状又はロールシート状の被覆材をロールでその上に案内するという方法で被覆材を本発明物に被せ、これによって、積層体を得る場合には、打ち抜き工程において積層体を静止させるために、一旦、積層体をロール状に巻取り、このロールを間欠的に繰り出しながら打ち抜く必要があり、製造工程が複雑になると共に、製造時間が長くなる上、打ち抜き作業が間欠的に行われるため、作業効率を高める上での限界が生じる。

0199

従って、本発明第3方法においては、製造工程を簡単にすると共に、製造時間を短縮するために、積層体をその製造時の送り速度、例えば毎分160〜200m/分で送りながら、ロールプレスを用いて任意の形状に打ち抜き、これによって、本発明発熱体を得るのが好ましい。

0200

このように、ロールプレスを用いる場合には、連続して積層体の打ち抜きができる上、積層体の製造と打ち抜きとを一貫して連続操業できるので、短時間に多量の発熱体を完成させることができる結果、積層体を静止させて打ち抜く方法に比べると非常に大幅なコストダウンを図ることができる。

0201

又、この場合には、積層体において幅方向に1箇所或いは2箇所以上連続して打ち抜いたり、積層体において長手方向に千鳥足状に複数連続して打ち抜くことにより、短時間に一層多量の本発明発熱体を製造して、一層大幅なコストダウンを図ることができる。

0202

この積層材打ち抜き形状については、得られた発熱体の用途に応じて、任意部位を覆う形状に打ち抜かれる。即ち、本発明第3方法において、得られた積層体が所望の任意の形状に打ち抜かれるが、この打ち抜かれて得られた本発明発熱体は、例えば足用、肩用腰用等、特に限定されるものではなく、任意の形状のものが挙げられる。

0203

ところで、本発明第3方法においては、本発明物の粘性によって、基材と被覆材が張り合わせられるが、この張り合わせ後、水分の一部が基材と被覆材に吸収され、しかもこの発熱体は非通気性の外包材に封入されて流通に供される結果、このままでも商品として販売されても良い。

0204

しかしながら、この打ち抜かれた本発明発熱体を2枚のフィルム又はシートの間に介在し、この介在と同時に、又は、この介在後に、2枚のフィルム又はシートを当該本発明発熱体以上の大形に打ち抜き、打ち抜きと同時に、若しくは打ち抜き後に、前記本発明発熱体の周縁部において、前記2枚のフィルム又はシートを封着したものが望ましい。

0205

この場合、前記2枚のフィルム又はシートのうち少なくとも一方又は一部が通気性を有するものが用いられるのであり、かくして一層信頼性の高い本発明発熱体が得られる。

0206

即ち、この工程によって任意形状の本発明発熱体が得られるが、その内部の発熱組成物に供給される空気量がこの2枚のフィルムの通気性によって制御されるのであり、このため、本発明物への通気性管理は本発明発熱体における基材及び/又は被覆材の通気管理と同様に透湿性を基準にして管理されるのであり、又、その透湿度、つまり2枚のフィルムのうち1枚のフィルムと基材又は被覆材との積層フィルムないしシートの透湿度は本発明物及び本発明発熱体の場合と同様なので、重複説明を避けるためその詳細な説明を省略する。

0207

前記2枚のフィルム又はシートは非通気性のものと通気性のものが挙げられるのであり、しかも、これは、粘着性を有するもののほか、熱接着性ないし熱融着性のものが挙げられる。

0208

前記粘着性を有するフィルム又はシートとしては、ベースフィルム又はベースシートにおいて、その全面にホットメルト系の粘着剤で通気性の粘着層を形成したり、或いはその全面にわたって部分的に通気性或いは非通気性の粘着層を形成したものが挙げられるのであり、このベースフィルム又はベースシートとしてはそれ自体が熱接着性ないし熱融着性を有するか否かは問うものではない。

0209

本発明第3方法においては、この長尺状の発熱体の形成時以後であれば、当該長尺状の発熱体の打ち抜きの前に、又は長尺状の発熱体の打ち抜きと同時に、若しくは長尺状の発熱体の打ち抜き後に2枚のフィルム又はシートを発熱体の周縁部で封着される。

0210

ここにおいて、発熱体以上の大形に打ち抜くとは、当該発熱体の大きさ以上であれば特に限定されるものではないが、特に、発熱体の形状と相似型或いはほぼ相似型であって、その形状より数mm〜20mm幅程度全周囲にわたって延出された大形に形成することが好ましい。

0211

そして、本発明第3方法においては、この延出部分を封着、つまり発熱体の周縁部において、前記2枚のフィルム又はシートを、粘着、熱接着又は熱融着によって封着されるのである。

0212

ところで、前記本発明第1〜3方法において、本発明発熱体のいずれか一方の露出面の全面又は一部に粘着剤層が形成されており、且つそのいずれか他方の少なくとも一部が通気性を有するものが望ましい。

0213

この粘着剤層としては湿布剤を含有する湿布層、或いは経皮吸収性薬物を含有又は担持させた薬物含有層でも良いが、これらは本発明発熱体の場合と同様なので重複説明を避けるために省略する。

0214

この粘着剤層には、遠赤外線放射体或いは磁気体のうちの少なくとも1種が含有又は担持されても良い。

0215

又、前記本発明第1〜3方法において、得られた発熱体はその製造から使用されるまでの間に本発明物中の水分の一部が基材及び/又は被覆材或いは本発明物の片面又は両面に当てがわれた吸水材に吸収させたり、本発明物中の遊離水或いは含水ゲル中の水分の一部がが基材及び/又は被覆材或いは本発明物の片面又は両面に当てがわれた吸水材に吸収される結果、多孔質で空気との接触が良好で、しかも空気と接触すると速やかに発熱反応が生じる発熱体が得られるのである。

0216

以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0217

本発明の第1実施例に係る本発明発熱体は、図1断面模式図に示すように、縦130mm、横95mmの長方形の偏平な袋体(包材)1内にインキ状ないしクリーム状の発熱組成物、つまり本発明物2を封入したものであり、前記袋体1は、この場合、非通気性を有する基材3と、通気性を有する被覆材4とからなり、しかも、前記基材3の露出面には厚さ100μmの粘着剤層5が形成されている。

0218

前記基材3は、十分な柔軟性が得られるように、厚さ40μmの非通気性ポリエチレンフィルム3bにおいて、その片面に、吸水性ポリマー含有ポリエステル不織布(厚さ210μm 三洋化成社製サンウェットIM−5000MPS 10g/m2)3aを、又、その他面に、レーヨン繊維含有量60重量%のレーヨンポリエステル混合不織布(厚さ140μm)3cを用いた。

0219

又、前記被覆材4は機械的強度を高めると共に十分な柔軟性が得られるようにするため、例えば厚さ100μmのポリエチレン製多孔質フィルム4aの片面に厚さ150μmのナイロン製不織布4bを積層したものを用いている。なお、この被覆材4の透湿度は透湿量がリッシー法で400g/m2 ・24hrとなるように調整してある。

0220

更に、前記粘着剤層5は外皮に貼着するためのものであり、この粘着剤層5はスチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体系の粘着剤で形成されている。

0221

前記本発明物2は、以下の方法で製造したものである。即ち、有効成分である鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)70重量部に対し、炭素成分としての活性炭(ノリット社製 GL−50)10重量部、金属の塩化物として食塩(塩化ナトリウム)2重量部、増粘剤として(信越化学社製商品名メトローズ60SH−4000)0.7重量部、界面活性剤(花王株式会社製 商品名デモールEP)0.2重量部及びpH調整剤としてトリポリリン酸ナトリウム0.1重量部を混合し、この配合物に水を加えて、温度20℃での粘度が250,000cps程度になるように調製している。

0222

つまり、活性炭、増粘剤、界面活性剤、PH調整剤、食塩及び鉄粉の順で、しかも前記配合割合で混合機(特殊機化工業株式会社製 T.K.ハイビスミックス2P−100型 容量 100リットル)に投入、5分間撹拌した後、更に撹拌しながら水を投入し、15分間混練を行う。

0223

その後、ブレード容器内の付着物清掃し、再度、20分間混練を行い、粘度測定及び比重測定を行う。粘度が下記方法で25万cps前後になるように水分調整を行う。水分量は鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、40重量部であった。得られた本発明物は粘度が23万cpsであった。尚、ブレードの回転数はスタートから終了まで10rpmで行った。

0224

この本発明物を10℃で1時間保存したところ粘度が上昇するが、再度、混練すると、粘度が下記方法で25万cpsであり、これを基材3上にスクリーン印刷によって積層した。この場合もブレードの回転数はスタートから終了まで10rpmで行った。

0225

又、前記粘度は、TOKIMEC INC.製(VISCOMETERBH型粘度計)で、しかも#7のローターを用い、回転数2rpmとし、ビーカー内径(85φmm)のビーカーを用いて測定温度20℃で測定した値である。

0226

この本発明物2はインキ状ないしクリーム状で表面積が小さく、空気との接触面積が制限される上、遊離水ないし水分を含有しているゲルが鉄粉と空気との接触を抑制することによって、単位時間当たりの酸化量が著しく制限される結果、その上にフイルム状或いはシート状の被覆材で積層され、発熱体が得られるまでの間の酸化反応が殆ど阻止されるのである。

0227

このように本発明物2はインキ状ないしクリーム状の粘稠体であり、この本発明物2はスクリーン印刷によって基材3における吸水性ポリマー含有ポリエステル不織布3a上面に積層させることが可能になり、積層領域の制御を高精度に行えると共に、膜厚を非常に薄く、しかも均一に制御できるようになり、しかも、基材3における吸水性ポリマー含有ポリエステル混合不織布3aと本発明物2との結合力によって本発明物2が袋体1内で移動することが防止されるようになる。又、このように本発明物2の膜厚を薄くすることにより、発熱体を超薄形にできる。

0228

この実施例では、幅130mmのロールフィルム状の基材3を毎分180mの速度で水平に送りながら、その上面に本発明物2を膜厚約0.5mmにしてスクリーン印刷し、このスクリーン印刷の直後に被覆材4を被せ、引き続いてその印刷領域の周囲をヒートシールによって封着し、幅方向のヒートシール領域の中央で次々裁断することにより、各発熱体の周囲のシール幅Lが7mmで、しかも超薄形の本発明発熱体を製造した。

0229

なお、裁断されるた各本発明発熱体は、引き続いて包装工程に送り込まれ、図示しない気密性を有する外袋内に封入される。

0230

本発明物2は、基材3上面にスクリーン印刷された後、その水分の一部が徐々に基材3に吸収されるのであり、又、その上から被覆材4が被覆される。しかしながら、本発明物2が基材3にスクリーン印刷されてから外袋に封入されるまでの時間は極短時間であり、この間に発熱反応が可能になる程度に本発明物2の水分が基材3に吸収されることは殆どない。

0231

従って、製造工程における本発明物2の発熱が起こる恐れは殆どなく、発熱反応によるロスや、発熱組成物の品質低下が生じる恐れは全くない。又、本発明物2の配合から基材3へのスクリーン印刷までの工程において本発明物が凝固する恐れも殆どなくなり、凝固による歩留り低下、操業の中断操業時間に対する制約、製造装置の洗浄の困難性及び危険性、製造装置の洗浄の頻繁性、凝固物処理の困難性などの種々の弊害を防止できる。

0232

又、外袋に封入した後、24時間経過してから外袋を破って人の体表面に粘着させ、通常の使用したところ、1〜2分程度で発熱温度が約38℃まで昇温し、以後38〜41℃で9時間以上にわたって発熱した。この使用中、本発明物2は全く袋体1内で移動することはなく、全面にわたって平均した発熱が認められた。

0233

本発明の第2実施例に係る本発明発熱体は、図2の断面模式図に示すように、縦130mm、横95mmの長方形の偏平な袋体(包材)1内に本発明物2を封入したものであり、前記袋体1は、非通気性を有する基材3と、通気性を有する被覆材4とからなり、この場合、前記基材3の露出面には厚さ100μmのスチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体系の粘着剤層5が形成されている。

0234

前記基材3は、十分な柔軟性が得られるように、厚さ40μmのポリエチレンフィルム3bの両面に、厚さ140μmで、且つレーヨン繊維含有量60重量%のレーヨン・ポリエステル混合不織布3a・3cをラミネートしたものである。

0235

又、前記被覆材4、前記本発明物2及び前記粘着剤層5としては前記第1実施例と同様のものを用いた。

0236

そして、本発明物2をスクリーン印刷で基材3上面に積層させ、その後、本発明物2上面に、手作業で吸水剤(日本触媒製高吸水性樹脂アクアクリックCS−6HS)を散布して吸水層(目付け量20g/m2)6を形成し、その後、被覆材4を被せて周囲をヒートシール周囲をヒートシールによって封着することにより、各発熱体の周囲のシール幅Lが7mmで、しかも超薄形の本発明発熱体を製造した。

0237

要するに、この第2実施例においては、本発明物2の水分の一部が吸水層6にも吸収されることを除けば、この本発明発熱体及びその製造方法やその他の構成は、前記第1実施例及び前例のそれらと同様であり、従って、それらの作用ないし効果も前記第1実施例と同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は省略する。

0238

本発明の第3実施例に係る本発明発熱体は、図3の断面模式図に示すように、吸水層6と本発明物2との上下関係が逆になっている点を除けば前例と同様に構成されている。

0239

つまり、この本発明発熱体は、基材3上に、以下の方法で、坪量20g/m2の吸水層6を形成した。即ち、吸水剤(日本触媒製高吸水性樹脂アクアクリックCS−6HS)を用い、その4重量%の水溶液をスクリーン印刷で厚さ500μmに印刷し、これを乾燥して坪量20g/m2の吸水層6を形成した。

0240

そして、第3実施例に係る本発明発熱体は、前記基材3における吸水層6の表面に前記本発明物2をスクリーン印刷して製造されることを除けば前例と同様の方法で製造される。

0241

要するに、この本発明発熱体及びその製造方法やその他の構成は、前記第1実施例及び前例のそれらと同様であり、従って、それらの作用ないし効果は前例と同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は省略する。

0242

次に、本発明に係る第4実施例としての肩部を加温するための本発明発熱体を製造する方法とこの方法により製造された肩温用の本発明発熱体の1例であり、図4にこの肩温用の本発明発熱体の斜視図を示している。

0243

この発熱体は、吸水性を有する基材3を繰り出しながら、この基材3上に本発明物2を平面視瓢箪形状にスクリーン印刷し、次いで、この本発明物2の周囲の露出面に接着剤を塗布し、この上に被覆材4をローラで案内、積層し、これによって、基材3と被覆材4とを前記発熱組成物2をサンドして接着した後、前記基材1の露出面に厚さ50μmの粘着剤層5を形成し、かくして得られた長尺状の発熱体をロールプレスで本発明物2から7mm程度の大きさだけ拡げ、しかも肩の所望部分を覆う形状に、この実施例では、平面視瓢箪形状に打ち抜くという手順で製造されたものである。

0244

このように構成すると、基材3と被覆材4とは本発明物2によって張り合わせられる。

0245

図5の要部断面図に示すように前記基材3としては、目付量80g/m2程度の吸水性のレーヨン不織布3aと非通気性を有する厚さ50μmm程度のポリエチレンシート3bとをラミネートし、この基材3において、そのレーヨン不織布3a上に本発明物2が直接接触するように印刷されている。

0246

又、前記被覆材4は目付量80g/m2程度の吸水性のレーヨン不織布4a上に通気性を有する厚さ50μm程度のポリエチレンシート4bをラミネートしたものであってその透湿度は300g/m2 ・24hrのものであり、この被覆材4において、そのレーヨン不織布4a上に本発明物2が直接接触するように当該被覆材4が積層されている。

0247

前記粘着剤層5には、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体系のが使用され、この粘着剤層5の基材3への粘着性を高めるために、予め、前記基材3のポリエチレンシート3bの露出面をコロナ処理により40ダイン以上の濡れ指数を有する程度に粗荒化してある。

0248

前記本発明物2は、発熱物質である鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、吸水性ポリマーとして(三洋化成社製商品名サンウエットIM−5000MPS)0.21重量部、増粘剤として(第一工業製薬社製 商品名セロゲンEP)1.4重量部、活性炭(ノリット社製 SAーSUPER)4.21重量部、金属の塩化物として塩化ナトリウム4.87重量部及びpH調整剤としてトリポリリン酸ナトリウム0.25重量部を混合し、この配合物に水を加えて、温度20℃での粘度が300万cps程度になるように調製している。

0249

つまり、活性炭、増粘剤、吸水性ポリマー、PH調整剤、食塩及び鉄粉の順で、しかも前記配合割合で混合機(特殊機化工業株式会社製 T.K.ハイビスミックス2P−100型 容量 100リットル)に投入、5分間撹拌した後、更に撹拌しながら水を投入し、15分間混練を行う。

0250

その後、ブレード、容器内の付着物を清掃し、再度、20分間混練を行い、粘度測定及び比重測定を行う。粘度が下記方法で300万cps前後になるように水分調整を行う。この場合、水分量は鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、29.79重量部であった。得られた本発明物は粘度が303万cpsであった。尚、ブレードの回転数はスタートから終了まで10rpmで行った。

0251

この本発明物を10℃で1時間保存したところ粘度が上昇するが、再度、混練すると、粘度が下記方法で305万cpsであり、これを基材3上にスクリーン印刷によって積層した。この場合もブレードの回転数はスタートから終了まで10rpmで行った。

0252

又、この粘度は、東機産業(株)社製(R110型粘度計、RE110Uシステム、検出ヘッドRE100U、コントローラRC100A)で、しかもSPPローターを用い、回転数0.2rpm(D=0.4(1/S))とし、測定温度20℃で測定した値である。

0253

従って、この本発明物2は遊離水ないし水分を含むゲルが鉄粉と空気との接触を妨げるバリアー層として機能し、その結果、発熱反応が殆ど生じないことが認められた。

0254

基材3上に前記本発明物2を、厚さ820μmになるように、スクリーン印刷すると、この本発明物中の遊離水ないし水分を含むゲル中の水分が、基材3における吸水性のレーヨン不織布3aに吸収されはじめ、又、被覆材4を被せた後には、この被覆材4におけるレーヨン不織布4aに吸収され、やがて、発熱組成物2の水分の配合率が設定された発熱温度を生じるに最適の状態になる。

0255

しかしながら、前記遊離水ないし水分を含むゲル中の水分が、基材3及び被覆材4に吸収されて、所定の配合率に達するまでにはそれ相当の時間がかかるのに対し、得られた本発明発熱体が非通気性袋に封入されるまでの時間は極めて短時間であって、その間に本発明物2の水分配合率が所定の発熱温度を生じるに最適の配合率になることはない。

0256

このように、この本発明発熱体を非通気性袋に封入するまでに本発明物2が発熱することはなく、発熱反応の生成物が凝固して種々の弊害、例えば歩留りの低下、取扱いの困難性、製造装置のメンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性などの弊害が生じるおそれもない。

0257

ところで、この本発明発熱体が非通気性袋に封入され、流通を経てユーザーの手に届くまでには、本発明物2中の余剰水分が基材3における吸水性のレーヨン不織布3aと被覆材4における吸水性のレーヨン不織布4aに吸収されて、所定の発熱温度を得るに適した水分配合率になっているので、非通気性袋が破られて空気に触れるまでに発熱組成物2の品質が低下することがなく、発熱組成物2の品質を高品質に保持できる上、非通気性袋を破ってこの本発明発熱体を取り出すと直ちに発熱反応が開始され、速やかに所定の発熱温度まで昇温する。

0258

しかも、本発明物2は、流動性が高いから、印刷やコーティングという技術によって基材3上に積層できる結果、流動性がない従来の粉末状発熱組成物を単に基材3上に投下する場合に比べて、正確に且つ高速で所定の範囲に、しかも均一な厚さに積層することができる。

0259

前記本発明発熱体を非通気性袋に封入し、これを10日間放置後、非通気性袋を破ってこの本発明発熱体を取り出し、次いで、これを粘着剤層5を用いて、肩部に直接粘着させて使用したところ、6時間以上にわたって優れた温熱効果が得られた。

0260

前記本発明発熱体の適用に際し、この発熱体が超薄型に形成されているので、全体として柔軟になる結果、肩への感触が柔和になったり、肩の湾曲部に容易に沿わせて変形させたり、肩の動きに非常に良く追従して変形したり、適用部位に対する密着性が良好であり、又、本発明発熱体が使用中に適用部位から剥がれることがなく、優れた採暖効果が得られ、効果的に肩部温めることが認められた。

0261

更に、この使用に際し、発熱組成物2の移動がなく、本発明発熱体の発熱温度分布が均一で、低温火傷もなく、安全性が高くなる。

0262

次に、図示しないが、本発明に係る第5実施例としての背部を加温するための本発明発熱体を第4実施例と同様にして製造した。

0263

前記本発明物2は、発熱物質である鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、活性炭(ノリット社製 SAーSUPER)7.0重量部、保水剤として珪藻土(オブライト)2.0重量部、増粘剤として(第一工業製薬社製商品名セロゲンEP)1.4重量部、吸水性ポリマーとして(三洋化成社製 商品名サンウエットIM−5000MPS)0.3重量部、金属の塩化物として塩化ナトリウム5.0重量部及びpH調整剤としてトリポリリン酸ナトリウム0.3重量部を混合し、この配合物に水を加えて、温度20℃での粘度が250万cps程度になるように調製した。

0264

つまり、活性炭、珪藻土、増粘剤、吸水性ポリマー、PH調整剤及び塩化ナトリウムの順で、しかも前記配合割合で混合機(特殊機化工業株式会社製 T.K.ハイビスミックス2P−100型 容量 100リットル)に投入し、密封状態に蓋をした後、回転数10rpmで撹拌しながら投入口から鉄粉を投入して3分間撹拌し、更に撹拌しながら水を投入し、回転数を15rpmに上昇して5分間混合した後、一旦停止する。

0265

次いで、混合機のブレード、ケーシングへの付着物を清掃後、再度、回転数1rpmで5分間混合し、粘度測定及び比重測定を行う。粘度が下記方法で250万cps前後になるように水分調整を行う。この場合、水分量は鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、42.0重量部であった。得られた本発明物の比重は2.428g/mlであり、粘度は252万cpsであった。

0266

この本発明物を10℃で1時間保存したところ粘度が上昇するが、再度、混練すると、粘度が下記方法で255万cpsであり、これを基材3上にスクリーン印刷によって積層した。この場合、ブレードの回転数は10rpmで行った。

0267

又、この粘度は、東機産業(株)社製(R110型粘度計、RE110Uシステム、検出ヘッドRE100U、コントローラRC100A)で、しかもSPPローターを用い、回転数0.2rpm(D=0.4(1/S))とし、測定温度20℃で測定した値である。

0268

従って、この本発明物2は遊離水ないし水分を含むゲルが鉄粉と空気との接触を妨げるバリアー層として機能し、その結果、発熱反応が殆ど生じないことが認められた。

0269

得られた本発明発熱体を非通気性袋に封入し、これを10日間放置後、非通気性袋を破ってこの本発明発熱体を取り出し、次いで、これを粘着剤層5を用いて、背部に直接粘着させて使用したところ、6時間以上にわたって優れた温熱効果が得られた。

0270

前記本発明発熱体の適用に際し、この発熱体が超薄型に形成されているので、全体として柔軟になる結果、背への感触が柔和になったり、背の動きに非常に良く追従して変形したり、適用部位に対する密着性が良好であり、又、本発明発熱体が使用中に適用部位から剥がれることがなく、優れた採暖効果が得られ、効果的に肩部温めることが認められた。

0271

更に、この使用に際し、発熱組成物2の移動がなく、本発明発熱体の発熱温度分布が均一で、低温火傷もなく、安全性が高いことが認められた。

0272

次に、以下の方法で発熱実験を行った。鉄粉(同和鉄粉製DKP)70重量部、炭素成分としての活性炭(ノリット製活性炭GL−50)10重量部、金属の塩化物としての塩化ナトリウム2重量部、増粘剤(信越化学製メトローズ60SH−4000)0.7重量部、界面活性剤(花王株式会社製、商品名:デモールEP)0.2重量部及びPH調整剤(トリポリリン酸ソーダ)0.1重量部に、水を過剰に加えて、温度20℃で、粘度が1万cpsと680万cpsのインク状ないしクリーム状の粘液体を調製した。

0273

粘度が1万cpsの本発明物と、粘度が680万cpsの本発明物を用い、図6に示すように、その発熱組成物を200mlのビーカー10に入れ、その表面と中央における表面から10mm下の位置Dに温度センサー11をそれぞれ挿入し、その温度変化を測定した。

0274

その結果、粘度が1万cpsの発熱組成物は、表面及び中央共に、20分程度では全く温度上昇が認められなかったが、粘度が680万cpsの発熱組成物では、表面では5分程度で温度上昇が認められるが、中央では5分程度では殆ど温度上昇が認められなかった。

0275

一方、比較例として鉄粉60重量部、10重量%の食塩水25重量部、活性炭13重量部及び木粉14重量部からなる発熱組成物を用いた。鉄粉、食塩及び活性炭は前記実施例と同様のものを用いた。このもは粘度の測定が不可能であった。

0276

この発熱組成物を用い、前記と同様の発熱実験を行ったところ、このものは表面及び中央共に直ちに温度上昇が認められ、2分程度で60℃を超えることが認められた。

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