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技術 醗酵調味料の製造方法

出願人 サンテグレ株式会社ヤマエ食品工業株式会社
発明者 出口陽二吉田秀恵岸本卓也
出願日 1995年9月12日 (25年5ヶ月経過) 出願番号 1995-233948
公開日 1997年3月25日 (23年10ヶ月経過) 公開番号 1997-075031
状態 特許登録済
技術分野 醤油及び醤油関連製品 調味料
主要キーワード 醗酵熟成 耐塩性酵母 異臭成分 天然醸造 ウルメイワシ 醸造醤油 耐塩性乳酸菌 醗酵調味料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年3月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

豚皮を用いた調味料の製造方法として、醤油風の香味良好なものを得る方法を提供し、豚皮の利用価値を高めることである。

解決手段

生の豚皮を、熱水抽出または蛋白質分解酵素により加水分解して水溶性蛋白質を製造し、これを濃縮した後、食塩および醤油麹を添加して醗酵熟成させ、醤油風味醗酵調味料を製造する。

概要

背景

一般に、醗酵調味料の代表例としてよく知られた醸造醤油は、大豆などの蛋白質原料および小麦などの澱粉質を主要原料として、麹菌種麹)を接種し、25〜30℃で約3日間かけて製麹し、食塩水を添加して約1年間醗酵熟成させて製造される。

一方、上記した醤油天然醸造法を改良し、低塩分で醤油風の香味良好な醗酵調味料の製造方法として、大豆、脱脂大豆小麦グルテンなどを加熱変性し、これを蛋白質分解酵素加水分解し、チゴサッカロミセス・ルーキシー(Zygosaccharomyces rouxii) 、キャンディダベルサチリス(Candida versatilis)などの醤油酵母、またはこれと共に醤油乳酸菌を添加して、食塩を無添加で醗酵・熟成させる製造法が、特公昭53−41238号公報に開示されている。

一方、などの畜皮を主要原料とする調味料の製造方法が知られており、特公昭55−29661号公報には、これらをエチルアルコールの存在下で酵素で加水分解し、これを適当なpH条件で蒸留して異臭成分を除去する畜皮を用いた調味料の製造方法が記載されている。

概要

豚皮を用いた調味料の製造方法として、醤油風の香味良好なものを得る方法を提供し、豚皮の利用価値を高めることである。

生の豚皮を、熱水抽出または蛋白質分解酵素により加水分解して水溶性蛋白質を製造し、これを濃縮した後、食塩および醤油麹を添加して醗酵・熟成させ、醤油風味の醗酵調味料を製造する。

目的

そこで、この発明は、上記した問題点を解決して、豚皮を用いた調味料の製造方法として醤油風の香味良好なものを得る方法を提供すると共に、豚皮の利用価値を高めることである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

豚皮熱水抽出して水溶性蛋白質を製造し、これを濃縮した後、食塩および醤油麹を添加して醗酵熟成させることからなる醗酵調味料の製造方法。

請求項2

豚皮を蛋白質分解酵素により加水分解して水溶性蛋白質を製造し、これを濃縮した後、食塩および醤油麹を添加して醗酵・熟成させることからなる醗酵調味料の製造方法。

技術分野

0001

この発明は、醗酵調味料およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

一般に、醗酵調味料の代表例としてよく知られた醸造醤油は、大豆などの蛋白質原料および小麦などの澱粉質を主要原料として、麹菌種麹)を接種し、25〜30℃で約3日間かけて製麹し、食塩水を添加して約1年間醗酵熟成させて製造される。

0003

一方、上記した醤油天然醸造法を改良し、低塩分で醤油風の香味良好な醗酵調味料の製造方法として、大豆、脱脂大豆小麦グルテンなどを加熱変性し、これを蛋白質分解酵素加水分解し、チゴサッカロミセス・ルーキシー(Zygosaccharomyces rouxii) 、キャンディダベルサチリス(Candida versatilis)などの醤油酵母、またはこれと共に醤油乳酸菌を添加して、食塩を無添加で醗酵・熟成させる製造法が、特公昭53−41238号公報に開示されている。

0004

一方、などの畜皮を主要原料とする調味料の製造方法が知られており、特公昭55−29661号公報には、これらをエチルアルコールの存在下で酵素で加水分解し、これを適当なpH条件で蒸留して異臭成分を除去する畜皮を用いた調味料の製造方法が記載されている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、上記した畜皮を用いた調味料の製造方法では、加水分解された蛋白質が醗酵・熟成されていないので、風味豊かな醤油風味がなく、充分に風味豊かな醤油風味の調味料とするための改善の余地があった。

0006

また、前記した醗酵調味料の製造方法では、醤油風の香味良好なものを得るには、大豆、脱脂大豆、小麦グルテンなどの植物性原料を加熱変性したものを採用しており、豚皮などの動物性原料を使用した場合にはどのような風味が得られるかは全く想像できなかった。

0007

また、皮製品にも利用できない細切れの豚皮の処理法としては、乾燥・粉末化処理して、飼料または肥料にすること以外になく、充分に付加価値を高めて処理できる方法がなかった。

0008

そこで、この発明は、上記した問題点を解決して、豚皮を用いた調味料の製造方法として醤油風の香味良好なものを得る方法を提供すると共に、豚皮の利用価値を高めることである。

課題を解決するための手段

0009

上記の課題を解決するため、この発明においては、豚皮を熱水抽出して水溶性蛋白質を製造し、これを濃縮した後、食塩および醤油麹を添加して醗酵・熟成させて醗酵調味料を製造したのである。

0010

または、豚皮を蛋白質分解酵素により加水分解して水溶性蛋白質を製造し、これを濃縮した後、食塩および醤油麹を添加して醗酵・熟成させて醗酵調味料を製造したのである。

発明を実施するための最良の形態

0011

この発明に用いる豚皮は、主として食用豚を屠殺解体する際に多量に発生するものであり、特に皮製品として利用し難い細切れ状のものを有効に利用することができる。使用する豚皮は、生または冷凍されたのものであり、良く洗浄して付着する汚物を除去して用いる。

0012

豚皮を熱水抽出して水溶性蛋白質を製造するには、前記熱水抽出温度を90℃以上とすることが好ましく、抽出時間は、通常、常圧または加圧で2〜20時間程度、好ましくは7時間である。

0013

蛋白質分解酵素を用いて水溶性蛋白質を製造するには、生の豚皮100重量部に対して水を20〜100重量部を配合する。なぜなら、20重量部未満では、攪拌が不充分となり均一に反応しないからであり、また100重量部を越えると酵素濃度希薄となり、反応が進み難いからである。このような傾向から最も好ましい配合割合は25重量部であるといえる。

0014

この発明に用いる蛋白質分解酵素としては、プロテアーゼを特に限定せずに用いることができる。この発明に適用できる市販の蛋白質分解酵素を列挙すれば、以下の通りである。このうち、液化力経済性の点でアルカラーゼは、特に好ましい酵素であった。

0015

プロテアーゼ(アマノ製薬社製:プロテアーゼA,N,P)、
プロテアーゼ(ナガセ生化学工業社製:パパインビオプラーゼSP−4,SP−10)
プロテアーゼ(大和化成社製:サモアーゼPC10F、プロチンPC−10F、AC−10F)
プロテアーゼ(ノボディスク社製:フレバザイム、プロタメクス、アルカラーゼ)
プロテアーゼ(上田化学社製:オリエンターゼ22B−F)
このような蛋白質分解酵素の反応条件は、反応温度が40〜70℃、好ましくは50±3℃(すなわち、47〜53℃)であり、反応時間は、1〜10時間、好ましくは3時間である。なぜなら、上記所定条件値の範囲未満では、充分に蛋白質を加水分解できず、また上記所定値の範囲を越える反応温度・時間では酵素が失活し、製造効率極端に低下するからである。なお、蛋白質分解酵素の反応時のpHは、7〜9、好ましくはpH8付近が好ましい。

0016

このような酵素分解反応が終了した後、適当なときに酵素を失活させるには、85℃以上に昇温すればよい。そして、蛋白質の加水分解物分取するには、濾過して豚毛および未分解物を除去し、さらに遠心分離機にて油脂分を分離する。

0017

このようにして製造された水溶性蛋白質には、調味および醗酵・熟成工程における腐敗を防止するために、食塩を原料の豚皮100重量部に対して、3〜20重量部、好ましくは15重量部程度添加する。

0018

この発明において、水溶性蛋白質の濃縮処理は、濃縮液中の窒素含有量が1〜5重量%、好ましくは3.5重量%程度になるように調整する。なぜなら、窒素含有量が1重量%未満では、分解が進むが豚皮蛋白質の特徴が出難く、また、5重量%を越える高濃度では、分解が進み難くなって好ましくないからである。このようにして濃縮された水溶性蛋白質濃縮液の収量は、原料豚皮の40〜50%である。

0019

この発明に用いる麹菌としては、市販されている醤油用の種麹アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus soyae )、アスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)が望ましい。また、醗酵熟成を旺盛にするために、二次的に純粋培養した耐塩性乳酸菌ペディオコッカスハロフィラス(Pediococcus halophilus) および耐塩性酵母チゴサッカロミセス・ルーキシー(Zygosaccharomyces rouxii) 、キャンディダ・ベルサチリス(Candida versatilis) などを添加してもよい。

0020

また、醤油麹の添加量は、生豚皮100重量部に対して、3〜20重量部、好ましくは6.3重量部である。3重量部未満の少量では、分解が進み難く、20重量部を越える多量では、分解は進むが豚皮蛋白質の特徴がでなくなって好ましくないからである。

0021

この発明における醗酵・熟成の条件は、10〜60℃、好ましくは30℃付近で反応液を一日に1〜2回攪拌する条件で、3〜360日、好ましくは180日間である。

0022

醗酵・熟成の後処理としては、反応液を濾過し、水不溶性の残渣を濾別すると共に、濾液を80℃以上に加熱して、いわゆる火入れを行ない、更に濾過すれば透明の醗酵調味料を得ることができる。

0023

なお、生の豚皮を原料としたこの発明の醗酵調味料は、醤油麹により極めて好ましい旨味と香味を呈する優れたものであった。

0024

〔実施例1〕屠場または肉加工場から集荷した新鮮な豚皮1000kgを、等量の水で2〜3回洗浄し、豚皮に付着している汚れを除去した。

0025

次いで、この豚皮をミンチ機械にかけて細かく砕き、反応釜ミンチ1000kgと水を500kg仕込み、攪拌しながら50±3℃になるように調節しながら加熱した。

0026

そして、前記反応釜にノボルディスク社製:アルカラーゼを200g投入し、攪拌しながら50±3℃、pH8で3時間、加水分解反応を行なった。

0027

反応終了後金網で豚毛を除去し、超遠心分離機にて油脂分を分離除去し、食塩を100kg溶解混合し、真空濃縮機にて水溶性蛋白質の液量が450kgとなるように濃縮し、これに醤油麹63kgと水を50kg配合して全液量を563kgとした。

0028

これを反応槽に仕込み、30±3℃の温度条件で180日間反応させ、毎日2〜3回攪拌棒かき混ぜ、その後、フィルタープレスで濾過し、残渣を除去した。 得られた濾液を加熱し、80℃以上で30分保持して火入れを行ない、さらにその間に発生した沈澱物を除去して、良好な風味の醗酵調味量500kgを得た。そして、得られた調味料の物性を下記の表1にまとめて示した。

0029

0030

〔実施例2〕実施例1と全く同様にして水溶性蛋白質の濃縮液450kgを製造した。

0031

また、ミンチ状に潰した鰯(ウルメイワシまたはマイワシ)500kgに水1000kgを添加し、50℃まで加熱した。

0032

これに蛋白質分解酵素として、ノボルディスク社製:アルカラーゼおよび上田化学社製:オリエンダーゼをそれぞれ250gずつ加え、攪拌しながら魚体に含まれる自己消化酵素をも利用して、約3時間加水分解反応させた。 その後、85℃以上に加熱して酵素を失活させ、フィルタープレスおよび遠心分離機で精製し、不溶物および油脂を分離除去した。

0033

このようにして精製された鰯蛋白質の加水分解液に食塩40kgを添加し、溶解後液量が200kgとなるまで濃縮した。

0034

この鰯蛋白質の加水分解濃縮液200kgと、実施例1で製造した豚皮由来の水溶性蛋白質の濃縮液450kgとを混合し、これに醤油麹95kgと水を75kg配合して全液量を820kgとした。

0035

これを反応槽に仕込んで30±3℃の温度条件で、毎日2〜3回攪拌棒でかき混ぜて180日間反応させ、その後、フィルタープレスで濾過して残渣を除去した。

0036

そして、得られた濾液を加熱し、80℃以上で30分保持して火入れを行ない、さらにその間に発生した沈澱物を除去して、良好な風味の醗酵調味量750kgを得た。得られた調味料の物性を下記の表2にまとめて示した。

0037

0038

得られた醗酵調味料は、醤油麹に由来する植物系アミノ酸、豚皮に由来する動物系アミノ酸、および鰯に由来する魚肉系アミノ酸が混合しており、調味のバランスがよく、風味豊かな醗酵調味料であった。

発明の効果

0039

この発明は、以上説明したように、豚皮を熱水抽出するか、または蛋白質分解酵素を作用させて水溶性蛋白質を製造し、これを濃縮した後、食塩および醤油麹を添加して醗酵・熟成させて醗酵調味料を製造したので、畜皮を用いた調味料の製造方法として、醤油風の香味良好なものを得る方法を提供でき、さらには豚皮の利用価値を高める処理法を提供できる利点がある。

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