図面 (/)

技術 液晶表示素子用基板の配向処理装置及びラビング布並びに液晶表示素子

出願人 シャープ株式会社
発明者 中原真吉村和也
出願日 1995年9月6日 (25年3ヶ月経過) 出願番号 1995-229336
公開日 1997年3月18日 (23年9ヶ月経過) 公開番号 1997-073087
状態 特許登録済
技術分野 液晶2(構造一般、スペーサ、注入口及び封止部材) 液晶3(基板、絶縁膜及び配向部材) 液晶2(構造一般、スペーサ、注入口及びシール材) 液晶3-2(配向部材)
主要キーワード 並設間隔 規定角度 傾斜角度φ 植毛状態 打ち抜き精度 パイル素材 ローラ端面 接触回数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年3月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

ラビングローラ巻着したラビング布パイル植設位置に起因した、パイルの配向膜への当たり強度の不均一による、液晶表示素子延伸ムラを抑制する。

解決手段

回転ローラ1aの外周面にラビング布2を巻着してなるラビングローラ1を回転させ、ラビング布2に植設されたパイルPで、液晶表示素子用基板4の表面に形成された配向膜7を一方向へラビングして配向処理を行うラビング装置であり、回転ローラ1aに巻着されているラビング布2のパイルPの一並設方向が、該回転ローラ1aの回転方向に対して傾斜されている。

概要

背景

従来、液晶表示素子においては、白黒コントラストに対する要求が強く、コントラストを如何に大きく取るかが重要課題であった。しかしながら、近年、液晶表示素子はマルチメディア機器に搭載され始めると、CD−ROM(CompactDisc Read Only Memory)等によるパソコンパーソナルコンピュータ)ソフトの高画質化に伴い、中間調での表示の均一性が問題視され、如何にムラの無い中間調表示を行うかが重要課題となってきている。

このような中間調表示に大きな影響を与えるものとして、液晶配向ムラがあり、配向ムラの要因の一つとしては、配向膜配向処理する際の処理ムラがある。以下、従来から行われている配向処理について説明する。

ガラス基板の上に透明電極が形成され、さらに透明電極を覆うように配向膜が塗布された液晶表示素子用基板の配向処理工程には、配向処理装置としてのラビング装置が用いられる。ラビング装置には、図9に示すように、回転ローラ30aの外周面無数パイルPが植設されたラビング布31を巻着してなるラビングローラ30が備えられており、このラビングローラ30に液晶表示素子用基板を近接して配し、該ローラ30を回転させて配向膜の表面を一方向にラビング(こする)するようになっている。これにより、液晶分子配向方向がラビング方向に規制される。そして、一般には、このような配向膜を一方向にラビングする処理を配向処理と称している。

上記のラビング布31は、縦横に編まれた地糸に、数十本のフィラメントを束にして形成したパイル素材編み込み、各パイルPの植毛長さが均一になるようにカットされることで形成されており、液晶表示素子用基板へのフィラメントの当たりが密なものとなっている。そして、図にも示すように、通常は、矩形のラビング布31が回転ローラ30aの外周面に平行な状態で貼り付けられる。

一方、回転ローラへのラビング布の巻き付け方を示す先行技術として、実開平2−33030号公報、特開昭54−40652号公報がある。前者の実開平2−33030号公報には、図10に示すように、ラビング布33を帯状に形成し、それを回転ローラ32aの外周面に、パイルPが植設されていない切れ目が回転ローラ32aの回転軸線に対して傾斜するよう螺旋状等に巻き付けることが開示されている。これは、前述の図9に示すようなラビングローラ30の構成では、ラビング布31の両端接合部に、1〜2mmのパイルPが存在しない部分ができてしまい、そのようなラビングローラ30を用いて配向処理を行うと、ラビングローラ30の回転に伴い前記両端接合部のパイルPの無い部分では配向処理されず、ラビングローラ30の1回転につき連続した一筋の配向処理がなされていない空白の領域が生じてしまうといった問題に鑑み成されたものである。

また、後者の特開昭54−40652号公報には、綿布研磨布等のラビング布を回転ローラの外周面にスポンジなどのクッション材を介して巻き付ける場合に、ラビング布の継ぎ目を回転ローラの回転軸方向に傾けて巻き付けられるようにラビング布を菱形に形成して巻き付けることが開示されている。これは、ラビング布が矩形であると、ラビング布の継ぎ目が回転ローラの回転軸方向と平行になるため、回転して配向膜をこするときに一直線上の傷が残り易いといった問題を解決すべく成されたものであり、継ぎ目による傷を斜め方向に分散させることで解決を図っている。

概要

ラビングローラに巻着したラビング布のパイルの植設位置に起因した、パイルの配向膜への当たり強度の不均一による、液晶表示素子の延伸ムラを抑制する。

回転ローラ1aの外周面にラビング布2を巻着してなるラビングローラ1を回転させ、ラビング布2に植設されたパイルPで、液晶表示素子用基板4の表面に形成された配向膜7を一方向へラビングして配向処理を行うラビング装置であり、回転ローラ1aに巻着されているラビング布2のパイルPの一並設方向が、該回転ローラ1aの回転方向に対して傾斜されている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

回転ローラ外周面ラビング布巻着してなるラビングローラを回転させ、ラビング布のパイルで、液晶表示素子用基板の表面に形成された配向膜を一方向へラビングして配向処理を行う液晶表示素子用基板の配向処理装置において、上記ラビング布が、直交する2方向に周期性を有する間隔で植設されたパイルの一並設方向をラビングローラの回転方向に対して傾斜させて巻着されていることを特徴とする液晶表示素子用基板の配向処理装置。

請求項2

ラビングローラの回転方向に対する、上記一並設方向の傾斜角度が、0.5°以上5°以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置。

請求項3

上記ラビングローラが、その回転軸が液晶表示素子用基板の移動方向と垂直を成すように固定される一方、液晶表示素子用基板が、該基板の移動方向より規定角度回転された状態で、基板搬送手段にて上記ラビングローラの下を移動されることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置。

請求項4

上記液晶表示素子用基板の移動方向と同一方向の1mm長の直線上の配向膜にラビング布のパイルの中心部が接触する回数が20回未満となるように、上記一並設方向の傾斜角度、ラビング布におけるパイルの植設間隔、ラビングローラの周速度、及び液晶表示素子用基板の移動速度が設定されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置。

請求項5

直交する2方向に周期性を有する間隔で、かつ、回転ローラの外周面に巻き付けられてラビングローラを構成するときにパイルの一並設方向がラビングローラの回転方向に対して傾きを持つように、パイルが植設されていることを特徴とするラビング布。

請求項6

パイルの一並設方向がラビングローラの回転方向に対して0.5°以上5°以下の範囲の傾きを持つように、パイルが植設されていることを特徴とする請求項5記載のラビング布。

請求項7

少なくとも一方が、上記の請求項1から4いずれかに記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置、又は上記の請求項5、6いずれかに記載のラビング布を用いて配向処理された液晶表示素子用基板からなる一対の基板を相対向させ、これら基板間に液晶封入してなる液晶表示素子

請求項8

スーパーツイストマティック型液表示素子であることを特徴とする請求項7記載の液晶表示素子。

技術分野

0001

本発明は、液晶表示素子用基板に形成された液晶配向方向を制御する配向膜を一方向へラビングして配向処理を行う配向処理装置、及びラビング布、並びにこれらにより配向処理が施された液晶表示素子用基板を用いて作製される液晶表示素子に関するものである。

背景技術

0002

従来、液晶表示素子においては、白黒コントラストに対する要求が強く、コントラストを如何に大きく取るかが重要課題であった。しかしながら、近年、液晶表示素子はマルチメディア機器に搭載され始めると、CD−ROM(CompactDisc Read Only Memory)等によるパソコンパーソナルコンピュータ)ソフトの高画質化に伴い、中間調での表示の均一性が問題視され、如何にムラの無い中間調表示を行うかが重要課題となってきている。

0003

このような中間調表示に大きな影響を与えるものとして、液晶の配向ムラがあり、配向ムラの要因の一つとしては、配向膜を配向処理する際の処理ムラがある。以下、従来から行われている配向処理について説明する。

0004

ガラス基板の上に透明電極が形成され、さらに透明電極を覆うように配向膜が塗布された液晶表示素子用基板の配向処理工程には、配向処理装置としてのラビング装置が用いられる。ラビング装置には、図9に示すように、回転ローラ30aの外周面無数パイルPが植設されたラビング布31を巻着してなるラビングローラ30が備えられており、このラビングローラ30に液晶表示素子用基板を近接して配し、該ローラ30を回転させて配向膜の表面を一方向にラビング(こする)するようになっている。これにより、液晶分子の配向方向がラビング方向に規制される。そして、一般には、このような配向膜を一方向にラビングする処理を配向処理と称している。

0005

上記のラビング布31は、縦横に編まれた地糸に、数十本のフィラメントを束にして形成したパイル素材編み込み、各パイルPの植毛長さが均一になるようにカットされることで形成されており、液晶表示素子用基板へのフィラメントの当たりが密なものとなっている。そして、図にも示すように、通常は、矩形のラビング布31が回転ローラ30aの外周面に平行な状態で貼り付けられる。

0006

一方、回転ローラへのラビング布の巻き付け方を示す先行技術として、実開平2−33030号公報、特開昭54−40652号公報がある。前者の実開平2−33030号公報には、図10に示すように、ラビング布33を帯状に形成し、それを回転ローラ32aの外周面に、パイルPが植設されていない切れ目が回転ローラ32aの回転軸線に対して傾斜するよう螺旋状等に巻き付けることが開示されている。これは、前述の図9に示すようなラビングローラ30の構成では、ラビング布31の両端接合部に、1〜2mmのパイルPが存在しない部分ができてしまい、そのようなラビングローラ30を用いて配向処理を行うと、ラビングローラ30の回転に伴い前記両端接合部のパイルPの無い部分では配向処理されず、ラビングローラ30の1回転につき連続した一筋の配向処理がなされていない空白の領域が生じてしまうといった問題に鑑み成されたものである。

0007

また、後者の特開昭54−40652号公報には、綿布研磨布等のラビング布を回転ローラの外周面にスポンジなどのクッション材を介して巻き付ける場合に、ラビング布の継ぎ目を回転ローラの回転軸方向に傾けて巻き付けられるようにラビング布を菱形に形成して巻き付けることが開示されている。これは、ラビング布が矩形であると、ラビング布の継ぎ目が回転ローラの回転軸方向と平行になるため、回転して配向膜をこするときに一直線上の傷が残り易いといった問題を解決すべく成されたものであり、継ぎ目による傷を斜め方向に分散させることで解決を図っている。

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、前述の図9に示すラビングローラ30の構成では、ラビング布31のパイルPの植設位置に起因してパイルPの配向膜への当たり強度が不均一になり、その結果、該ラビングローラ30を備えたラビング装置で配向処理を施した液晶表示素子用基板を用いて作製した液晶表示素子では、点灯状態においてラビング方向に沿った細く長いズジ状のムラ、いわゆる延伸ムラが発生し、中間調表示を行うと表示ムラとなり、表示品位が低いといった問題点を有している。

0009

つまり、本発明の説明図である図4を参照して理由を説明すると、縦横に編まれた地糸に、数十本のフィラメントFを束にしてなるパイル素材を編み込み、このパイル素材をカットすることにより形成したラビング布では、一つのパイルPを構成する数十本のフィラメントFは円錐状に開いたものとなる。そのため、各フィラメントFの長さが同一であると、パイルPの外殻部は、パイルPの中心部に比べて、外殻部のフィラメントFの見かけ上の長さL2 と中心部のフィラメントFの長さL1 との差L1 −L2 の分当たりが弱くなる。

0010

したがって、ラビング布原反から、地糸に平行に回転ローラ30aの外周面とほぼ同一サイズとなるよう矩形に打ち抜いたラビング布31を、回転ローラ30aの外周面に平行に巻着した上記のようなラビングローラ30では、パイルPがラビングローラ30に対して縦横に整列しており、配向処理を行うと、配向膜上にパイルPの中心部が当たる部分が等間隔に直線的にできてしまう。その結果、配向膜の表面に、パイルPの中心部と外殻部との当たりの強弱によるムラが発生し、これが原因で、液晶表示素子を作製した場合、点灯状態において、図11(a)(b)(c)に示すような延伸ムラが観察されることになる。

0011

そして、特に、配向状態により表示品位が大きく左右されるスーパーツイストマティック(STN(Super Twisted Nematic))型液表示素子においては、昨今の表示品位の向上に伴い、高画質表示を実現しようと特性を上げた場合、延伸ムラによる中間調表示の不均一性が目立ち易くなり、製造歩留りを落とすなど深刻な問題となっている。

0012

尚、前述の実開平2−33030号公報、特開昭54−40652号公報には、回転ローラにラビング布を斜めに巻き付けることは開示されているが、ラビング布におけるパイルの並設方向とラビングローラの回転方向との関連については何ら記載されておらず、単に斜めに巻き付けただけの構成であるので、到底上記の課題を解決し得るものではない。

0013

一方、特開平2−22624号公報には、液晶表示素子用基板の移動方向の垂直方向に対してラビングローラの回転軸方向を±1°〜45°の範囲で傾けてラビングすることにより、ラビング布の毛先ワレによる直線上のムラを防止することが開示されている。しかしながら、この場合、図12(a)に示すように、ラビングローラ34の回転方向と液晶表示素子用基板35の移動方向とが異なるため配向膜の表面は曲線上にラビングされることとなり、液晶のツイスト角に微妙なバラツキを生じるといった不具合を有している。尚、同図(b)に示すように、ラビングローラ34の回転方向と液晶表示素子用基板35の移動方向とが同じ場合は、移動方向に沿って真っ直ぐにラビングされ、液晶のツイスト角に影響を及ぼすことはない。

課題を解決するための手段

0014

上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の液晶表示素子用基板の配向処置装置は、回転ローラの外周面にラビング布を巻着してなるラビングローラを回転させ、ラビング布のパイルで、液晶表示素子用基板の表面に形成された配向膜を一方向へラビングして配向処理を行う液晶表示素子用基板の配向処理装置において、上記ラビング布が、直交する2方向に周期性を有する間隔で植設されたパイルの一並設方向をラビングローラの回転方向に対して傾斜させて巻着されていることを特徴としている。

0015

本発明の請求項2記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置は、請求項1の構成において、ラビングローラの回転方向に対する、上記一並設方向の傾斜角度が、0.5°以上5°以下の範囲であることを特徴としている。

0016

請求項1の構成によれば、ラビングローラにおける、巻着されたラビング布のパイルの一並設方向は、ラビングローラの回転方向に対して傾斜しているので、配向膜をラビングする際、ラビングローラの回転に伴ってラビングローラの回転軸方向のパイルの毛根部はずれることとなる。したがって、パイルの一並設方向がラビングローラの回転方向と平行となっている従来のラビングローラの場合、配向膜上にパイルの中心部が当たる部分が等間隔に直線的にできてしまい、パイルの植設間隔に応じた処理ムラが発生していたが、これにより、パイルの中心部があたる部位は回転軸方向に分散されるので、配向膜表面における単位面積あたりのラビング強度を均一化し、より均一にラビングすることが可能となる。そしてこの場合、ラビングローラの回転方向と液晶表示素子用基板の移動方向とを異ならせる必要もないので、液晶のツイスト角にバラツキが生じる虞れもない。

0017

上記のようなラビングローラは、例えば、ラビング布原反から地糸に対して予め斜めに打ち抜いたラビング布を用い、それを回転ローラに平行に巻着すること、又は、地糸に対して平行に打ち抜いたラビング布を、回転ローラに斜めに巻着することで構成できる。

0018

そして、上記一並設方向の傾斜角度としては、請求項2に記載しているように、0.5°以上5°以下の範囲であることが望ましい。つまり、0.5°よりも小さい角度は、ラビング布をラビング布原反から打ち抜く際の打ち抜き精度、及び回転ローラへ巻着する際の巻き付け精度の上から実用的でないためである。また、傾斜角度が5°より大きい角度は、パイルの一並設方向を回転方向に対して斜めに傾斜させることにより生まれる、回転軸方向のパイルの毛根部のずれ量が大きくなり、配向膜上の同一直線上にパイルの中心部、つまりパイルの毛根部が来ないように傾斜角度を設定することが難しくなるためと、傾斜角度の僅かなずれによってパイルの毛根部が配向膜上の同一直線上に並ぶ確率が高くなるためである。

0019

本発明の請求項3記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置は、請求項1又は2記載の構成において、上記ラビングローラが、その回転軸が液晶表示素子用基板の移動方向と垂直を成すように固定される一方、液晶表示素子用基板が、該基板の移動方向より規定角度回転された状態で、基板搬送手段にて上記ラビングローラの下を移動されることを特徴としている。

0020

ラビングローラの回転方向と液晶表示素子用基板の移動方向とが同一である装置では、特に直線上のスジの処理ムラが発生し易いため、このような装置において、請求項1、2の構成を採り入れることで、処理ムラの発生は効果的に抑制されることとなり、特に有効である。

0021

本発明の請求項4記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置は、請求項1、2又は3記載の構成において、上記液晶表示素子用基板の移動方向と同一方向の1mm長の直線上の配向膜にラビング布のパイルの中心部が接触する回数が20回未満となるように、上記一並設方向の傾斜角度、ラビング布におけるパイルの植設間隔、ラビングローラの周速度、及び液晶表示素子用基板の移動速度が設定されていることを特徴としている。

0022

本願出願人は、数多くの実験を行った結果、延伸ムラは、液晶表示素子用基板の移動方向と同一方向の1mm長の直線上の配向膜にラビング布のパイルの中心部が20回以上当たると若干発生し、20回未満の場合は全く発生しないことを見い出した。したがって、これによれば、接触回数が20回未満となるように、一並設方向の傾斜角度、ラビング布におけるパイルの植設間隔、ラビングローラの周速度、及び液晶表示素子用基板の移動速度が設定されているので、延伸ムラの発生が確実に防止される。

0023

本発明の請求項5記載のラビング布は、直交する2方向に周期性を有する間隔で、かつ、回転ローラの外周面に巻き付けられてラビングローラを構成するときにパイルの一並設方向がラビングローラの回転方向に対して傾きを持つように、パイルが植設されていることを特徴としている。

0024

これによれば、予め、回転ローラの外周面に巻き付けられてラビングローラを構成するときにパイルの一並設方向がラビングローラの回転方向に対して傾きを持つようにパイルが植設されているので、このラビング布を用いることで、ラビング布を斜めに巻着したりすることなく、従来と同様に回転ローラの外周面に真っ直ぐ平行に巻着するだけで、上記請求項1の配向処理装置を実現できる。そしてこの場合、平行に巻着するだけで所望の傾斜角度が容易に実現され、斜めに巻き付けて角度を出す構成に比べて、角度をより正確に出すことができる。

0025

本発明の請求項6記載のラビング布は、請求項5の構成において、パイルの一並設方向がラビングローラの回転方向に対して0.5°以上5°以下の範囲の傾きを持つように、パイルが植設されていることを特徴としている。

0026

これによれば、予め、回転ローラの外周面に巻き付けられてラビングローラを構成するときにパイルの一並設方向がラビングローラの回転方向に対して0.5°以上5°以下の範囲の傾きを持つように、パイルが植設されているので、このラビング布を用いることで、ラビング布を斜めに巻着したりすることなく、従来と同様に回転ローラの外周面に真っ直ぐ平行に巻着するだけで、上記請求項2の配向処理装置を実現できる。特に請求項2の装置のように、傾斜角度が0.5°以上5°以下の範囲といった小さな角度では、巻着時のズレより角度設定が不正確になり易いが、これによれば平行に巻着するだけで容易に傾斜角度を出すことができ、斜めに巻き付けて角度を出す構成に比べて、格段に請求項2の装置を実現し易い。

0027

本発明の請求項7記載の液晶表示素子は、少なくとも一方が、上記の請求項1から4いずれかに記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置、又は上記の請求項5、6いずれかに記載のラビング布を用いて配向処理された液晶表示素子用基板からなる一対の基板を相対向させ、これら基板間に液晶を封入してなることを特徴としている。

0028

上記の液晶表示素子用基板の配向処理装置、或いは上記のラビング布を用いて作製される液晶表示素子用基板は、延伸ムラを生じないよう配向処理が施されているので、該液晶表示素子用基板を用いて作製された液晶表示素子は、延伸ムラのない、中間調表示においても優れた表示品位を有するものとなる。

0029

本発明の請求項8記載の液晶表示素子は、請求項7の構成において、スーパーツイストネマティック型液晶表示素子であることを特徴としている。

0030

STN型液晶表示素子は配向状態の影響を大きく受け易いため、STN型液晶表示素子において請求項8の構成の液晶表示素子の構成を採用することで、延伸ムラのない中間調表示においても優れた表示品位を有するものとなり、特に、有効である。

発明を実施するための最良の形態

0031

本発明の実施の一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚ここでは、本発明の配向処理装置を位相差板方式STN型液晶表示素子の製造工程に採用した場合を例示する。

0032

本実施の形態に係る配向処理装置であるラビング装置は、図2に示すように、矢印Aにて示す方向に回転駆動されるラビングローラ1と、このラビングローラ1の下方側に、ラビングローラ1の外周面と対向して配された可動ステージ(基板搬送手段)3とを備えている。

0033

可動ステージ3は、載置された液晶表示素子用基板4を矢印Bにて示す方向に水平移動させるものであり、このとき、液晶表示素子用基板4は、図1(a)に示すように、矢印B方向に対して所定の角度回転された状態で載置される。また、上記の液晶表示素子用基板4とは、透明電極6が形成されたガラス等からなる透明基板5の表面に配向膜7が塗布された構成を有するものである。

0034

ラビングローラ1は、可動ステージ3の移動方向に対してその回転軸方向が直角を成す位置に固定されており、ローラ本体部となる回転ローラ1aの外周面に、無数のパイルPを植設したラビング布2が巻着された構成を有している。

0035

上記のラビング布2は、例えば図3に示すように、直交するX・Y方向に編まれた地糸8に数十本のフィラメントを束にしてなるパイルPが、周期性を有する間隔で織り込まれており、植設された各パイルPは、長さを等しくカットされている。また、図4に示すように、パイルPを構成する各フィラメントFは、パイルPの毛根部から毛先側にかけて円錐状に広がっている。

0036

そして、上記ラビングローラ1では、図1(a)に示すように、巻着されたラビング布2におけるパイルPの一並設方向が、ラビングローラ1の回転方向(回転軸方向と直交する)に対して角度(傾斜角度)φ傾斜している。尚、図1(a)、及びその他の図面において、ラビング布を平面的に見たものについては、パイルPの毛根部のみを●にて示す。

0037

このようなラビングローラ1は、図5に示すように、ラビング布原反9から回転ローラ1aの外周面のサイズに合わせてラビング布2を打ち抜くときに、回転ローラ1aに巻着した際にパイルPの一並設方向が角度φ傾斜するように斜めに打ち抜き、それを回転ローラ1aの外周面にローラ端面とラビング布2の切り出し端とを平行にして巻き付けることで作製されている。この方法は、従来と同じようにラビング布2の切り出し端が回転ローラ1aのローラ端面と平行となるように巻き付けるだけで、正確な傾斜角度を簡単に実現できるといった利点を備えている。

0038

尚、その他、従来と同じようにラビング布原反から地糸と平行に矩形にラビング布を打ち抜き、回転ローラに巻着する際に、パイルの一並設方向が角度φ傾斜するように僅かに傾けて巻き付けることでもラビングローラ1と同じ作用を成すラビングローラを作製できる。この方法は従来からあるラビング布を用いることができるので、上記ラビングローラ1を従来からある部材を用いて簡単に実現できるといった利点を備えている。

0039

そして、上記の角度φとしては、以下に示す理由から、0.5°以上かつ5°以下の範囲であることが好ましい。つまり、本装置のように、予め斜めに打ち抜いたラビング布2を巻着する場合も、普通に打ち抜いたラビング布を巻着する場合も、φが、0.5°よりも小さい角度では、ラビング布をラビング布原反から打ち抜く際の打ち抜き精度、及び回転ローラへ巻着する際の巻き付け精度上の問題があり、実用的でないためである。また、φが5°より大きい角度では、パイルPの一並設方向を回転方向に対して斜めに傾斜させることにより生まれる、回転軸方向のパイルPの毛根部のずれ量が大きくなり、配向膜7上の同一直線上にパイルPの中心部、つまりパイルPの毛根部が多く来ないように傾斜角度を設定することが難しくなるためと、傾斜角度の僅かなずれによってパイルPの毛根部が配向膜上の同一直線上に多く並ぶ確率が高くなるためである。

0040

そして特に、パイルPの植設間隔が数十〜数百μmオーダのラビング布においては、角度φを1°以下の範囲にすることで、配向膜7の単位面積あたりのパイルPの中心部の当たりをより緻密にすることができる。

0041

上記の構成を有するラビング装置を用いて、液晶表示素子用基板4の配向膜7をラビングして配向処理を行う際は、可動ステージ3の上に液晶表示素子用基板4を配向膜7側を上面に向けて斜めに載置して固定し、ラビングローラ1を回転駆動させながら、可動ステージ3を移動させ、液晶表示素子用基板4をラビングローラ1の下方を通過させる。これにより、ラビングローラ1の外周面に設けられている無数のパイルPにて、液晶表示素子用基板4の表面に形成されている配向膜7が一方向へラビングされることとなる。

0042

ところで、上述したように、ラビング布2のパイルPは、毛根部から先端側にかけて円錐状に開いているので、パイルPが配向膜7をラビングする際には、毛根部の位置するパイルPの中心部と、外殻部とでは当たり強度に差が発生することとなる。つまり、図4を用いて説明すると、パイルPを構成する各フィラメントFの長さをL1 、外殻部に位置するフィラメントFの開き角度をθとすると、中心部におけるフィラメントFの長さがL1 であるのに対して、外殻部におけるフィラメントFの見かけ上の長さL2 は、
L2 =L1 cosθ
となり、パイルPの配向膜7への当たりの強さには、パイルPの中心部と外殻部とで、L1 −L2 分だけ差が生じることとなる。

0043

したがって、ラビング布2を回転ローラ1aにパイルPの一並設方向とその回転方向とを平行にして巻着すると、ラビングローラが回転しても、回転軸方向におけるパイルPの毛根部がずれないので、配向膜7上には、パイルPの中心部があたる部分がパイルPの並設間隔に応じて等間隔に直線的にできてしまい、当たり強度の差によるラビングムラが発生し、ひいては、液晶表示素子として完成された際に延伸ムラを招来することとなる。

0044

これに対し、本ラビング装置のラビングローラ1では、上述したように、パイルPの一並設方向は、ラビングローラ1の回転方向に対して角度φ傾斜しているので、図6に示すように、X方向のパイルPの植設間隔がX1 ・X2 、Y方向のパイルPの植設間隔がY1 とすると、ラビングローラ1が、その外周面上の距離にしてX1 cosφ、X2 cosφ回転するごとに、ラビングローラ1の回転軸方向のパイルPの毛根部が、X1 sinφ、X2 sinφずつずれることとなる。

0045

したがって、図1(b)の配向処理の概念図にも示すように、配向膜7の表面を当たり強度によるムラなく、均一にラビングすることが可能となる。その結果、本ラビング装置を用いて配向処理を行った液晶表示素子用基板4を2枚貼り合わせ、基板間に液晶を注入して作製したSTN型液晶表示素子では、延伸ムラが効果的に抑制され、中間調表示においても良好な表示品位を有するものとなる。

0046

続いて、上記実施の形態における実施例を、前述の実施の形態の説明で用いた図1図3図4図6、及び図7に基づいて説明する。

0047

〔実施例1〕本発明の一実施例を前述の実施の形態の説明で用いた図1図3図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施例に係るラビング装置では、図1(a)に示す、ラビングローラ1のラビング布2の素材として、旭化成工業株式会社製「YA−18−R」を用いた。YA−18−RのパイルPは、40本のフィラメントを束にしてなり、各パイルPの植設間隔は、図3に示すように、X方向に414μmと207μm、Y方向に374μmである。また、パイルPを構成する各フィラメントの長さL1 は1600μmであり、各フィラメントFは、図4に示すように、毛根部から毛先側にかけて、約500μmの幅L3 をもって円錐状に広がっている。このため、各パイルPが液晶表示素子用基板4の配向膜7に当たるとき、パイルPの毛根部におけるフィラメントFの長さL1 が1600μmであるのに対して、パイルPの外殻部におけるフィラメントFの見かけ上の長さL2 は、
L2 =L1 cosθ≒1580μm
(θ=sin-1(L3 /L1 )≒8.9°)
であり、パイルPの配向膜7への当たりの強さには、パイルPの中央部と外殻部とで、L1 とL2 の差である20μm分だけ差が生じるものとなっている。

0048

本実施例では、上記のYA−18−Rのラビング布原反から、回転ローラ1aの外周の形状に合わせて、かつ、回転ローラ1aに巻着された際にパイルPの一並設方向であるX方向が、1°(=φ)傾いた状態となるように打ち抜くことで、ラビング布2を形成した。そして、これを回転ローラ1aの外周面に平行に巻着してラビングローラ1を構成した。

0049

したがって、ラビングローラ1は、図1(a)に示すように、パイルPにおけるX方向がラビングローラ1の回転方向に対して1°(=φ)傾いた状態となっている。

0050

上記構成を有するラビング装置を用いて、以下のラビング条件にて液晶表示素子用基板4に形成されている配向膜7の配向処理を行った。この場合の処理の概念図を図1(b)に示す。

0051

〈ラビング条件〉
ラビングローラの回転数:800rpm
ラビングローラの径:150mmΦ
基板移動速度:80mm/sec
(このようなラビング条件下では、液晶表示素子用基板4が1mm移動する間に、ラビングローラ1の外周面上の一点は、回転方向に78.5mm移動することとなる。)
その後、配向処理を施した液晶表示素子用基板4を2枚貼り合わせ、基板間に液晶を注入してSTN型液晶表示素子を作製し、延伸ムラが発生するかどうかを調べた。延伸ムラは観察されなかった。

0052

〔実施例2〕本発明の他の実施例を図1図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。

0053

本実施例に係るラビング装置を、図1(a)に示す。前記の実施例1のラビング装置においては、ラビングローラ1におけるパイルPの一並設方向であるX方向が、ラビングローラ1の回転方向に対して1°(=φ)傾いた状態となっていたのに対して、本ラビング装置のラビングローラ1では、5°(=φ)傾いた状態となっており、この点のみが異なる。

0054

このようなラビングローラ1は、図5に示すYA−18−Rのラビング布原反9から、回転ローラ1aの外周の形状に合わせて、かつ、回転ローラ1aに巻着された際にパイルPの一並設方向であるX方向が、5°(=φ)傾いた状態となるように打ち抜くことでラビング布2を形成し、これを回転ローラ1aの外周面に平行に巻着して作製した。

0055

上記構成を有するラビング装置を用いて、実施例1と同じラビング条件にて、液晶表示素子用基板4に形成されている配向膜7の配向処理を行った。この場合の処理の概念図を図1(b)に示す。

0056

その後、配向処理を施した液晶表示素子用基板4を2枚貼り合わせ、基板間に液晶を注入してSTN型液晶表示素子を作製し、延伸ムラが発生するかどうかを調べた。延伸ムラは観察されなかった。

0057

〔実施例3〕本発明の他の実施例を図7図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施例に係るラビング装置を、図7(a)に示す。前記の実施例1のラビング装置においては、ラビングローラ1におけるパイルPの一並設方向であるX方向が、ラビングローラ1の回転方向に対して1°(=φ)傾いた状態となっていたのに対して、本ラビング装置のラビングローラ1’では、30°(=φ)傾いた状態となっており、この点のみが異なる。

0058

このようなラビングローラ1’は、図5に示すYA−18−Rのラビング布原反9から、回転ローラ1aの外周の形状に合わせて、かつ、回転ローラ1aに巻着された際にパイルPの一並設方向であるX方向が、30°(=φ)傾いた状態となるように打ち抜くことでラビング布2’を形成し、これを回転ローラ1aの外周面に平行に巻着して作製した。

0059

上記構成を有するラビング装置を用いて、実施例1と同じラビング条件にて、液晶表示素子用基板4に形成されている配向膜7の配向処理を行った。この場合の処理の概念図を図7(b)に示す。

0060

その後、配向処理を施した液晶表示素子用基板4を2枚貼り合わせ、基板間に液晶を注入してSTN型液晶表示素子を作製し、延伸ムラが発生するかどうかを調べた。その結果、延伸ムラは観察されたが、その量としては、従来の配向処理装置を用いて配向処理を施した液晶表示素子のものに比べて減少していた。

0061

〔比較例1〕本発明の比較例を図8図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。比較例のラビング装置を、図8(a)に示す。前記の実施例1のラビング装置においては、ラビングローラ1におけるパイルPの一並設方向であるX方向が、ラビングローラ1の回転方向に対して1°(=φ)傾いた状態となっていたのに対して、本ラビング装置のラビングローラ10では、傾きのない(0°=φ)の状態となっており、この点のみが異なる。

0062

このようなラビングローラ10は、図5に示すYA−18−Rのラビング布原反9から、回転ローラ1aの外周の形状に合わせて、かつ、地糸8(図3参照)に平行に打ち抜くことでラビング布12を形成し、これを回転ローラ1aの外周面に平行に巻着して作製した。

0063

上記構成を有するラビング装置を用いて、実施例1と同じラビング条件にて、液晶表示素子用基板4に形成されている配向膜7の配向処理を行った。この場合の処理の概念図を図8(b)に示す。

0064

その後、配向処理を施した液晶表示素子用基板4を2枚貼り合わせ、基板間に液晶を注入してSTN型液晶表示素子を作製し、延伸ムラが発生するかどうかを調べた。その結果、多くの延伸ムラが観察された。

0065

ここで最後に、上記の〔実施例1〕〔実施例2〕〔実施例3〕及び〔比較例1〕についての考察を述べる。

0066

先ず、比較例1について述べる。比較例1のラビング装置では、配向処理の際、パイルPの毛根部は、ラビングローラ10が回転しても、ラビングローラ10の回転軸方向にずれることはなく、パイルPの中心部は、414μm、207μmの間隔で配向膜7上の同一直線上に接触することとなる。その結果、パイルPの当たり強度のバラツキによる、延伸ムラが観察されたわけである。

0067

これに対し、実施例1のラビング装置では、配向処理の際、回転軸方向のパイルPの毛根部の位置は、ラビングローラ1がその外周面上の距離にして413.9(=414cos1°)μm、207.0(=207cos1°)μm回転するたびに、ラビングローラ1の回転軸方向に7.2(=414sin1°)μm、3.6(=207sin1°)μmずれることとなる。そして、このずれは配向膜7上では、液晶表示素子用基板4が5.3μm、2.6μm移動するごとに、パイルPの中心部の当たる部位が7.2μm、3.6μmずれることとなり、緻密な配向が実現できる。その結果、液晶表示素子として完成された際の延伸ムラを防止することが可能となったわけである。

0068

次に、実施例2の装置であるが、この装置では、配向処理の際、回転軸方向のパイルPの毛根部の位置は、ラビングローラ1がその外周面上の距離にして412.4(=414cos5°)μm、206.2(=207cos5°)μm回転するたびに、ラビングローラ1の回転軸方向に36.1(=414sin5°)μm、18.0(=207sin5°)μmずれることとなる。そして、このずれは配向膜7上では、液晶表示素子用基板4が5.3μm、2.6μm移動するごとに、パイルPの中心部の当たる部位が36.1μm、18.0μmずれることとなる。その結果、液晶表示素子として完成された際の延伸ムラを防止することが可能となったわけである。

0069

次に、実施例3であるが、この装置では、ラビングの際、回転軸方向のパイルPの毛根部の位置は、ラビングローラ1’がその外周面上の距離にして358.5(=414cos30°)μm、179.3(=207cos30°)μm回転するたびに、ラビングローラ1’の回転軸方向に207.0(=414sin30°)μm、103.5(=207sin30°)μmずれることとなる。そして、このずれは配向膜7上では、液晶表示素子用基板4が4.6μm、2.3μm移動するごとに、パイルPの中心部の当たる部位が207.0μm、103.5μmずれることとなる。

0070

しかしながら、このようなずれ量は、図7(b)の概念図にも示すように、近接するパイルPの毛根部が配向膜7上の同一直線上の近接した位置をラビングするようになる。

0071

つまり、YA−18−Rからなるラビング布2’の場合、それにおけるパイルPの植設間隔から、
tanφ=374/(207+414)
φ=31.06°
とした場合、図6においてP1 にて示すパイルとP2 にて示すパイルとが配向膜7の同一直線上をこすることとなる。

0072

この場合のパイルP1 ・P2 間のピッチをZとすると、
Z=((207+414)2 +3742 )1/2
=724.9μm
となる。

0073

したがって、傾斜角度φが31.06°に近い本実施例の装置のラビングローラ1’(φ=30°)では、ラビングローラ1’がその外周面上の距離において717.1μm回転するごとに同一直線上の近接した位置をラビングするようになり、液晶表示素子として完成された際に、前記の実施例1・2では観察されなかった延伸ムラが観察されたわけである。

0074

さらに、表1に、上記の〔実施例1〕〔実施例2〕〔実施例3〕及び〔比較例1〕のラビング装置における、液晶表示素子用基板4の移動方向と同一方向の1mm長の直線上の配向膜7にラビング布のパイルPの中心部が接触する回数と、延伸ムラの発生の有無を調べた結果を示す。

0075

0076

このような結果を基に、本願出願人は、上記した実施例以外にも、数々の本発明に係る配向処理装置を作製して、液晶表示素子用基板の移動方向と同一方向の1mm長の直線上の配向膜にラビング布のパイルの中心部が接触する回数と、延伸ムラの発生状態を追求した。

0077

その結果、接触回数が20回以上となると、若干ではあるが延伸ムラが発生し、20回未満である場合は全く発生しないことを見い出した。

発明の効果

0078

以上のように、本発明の請求項1の液晶表示素子用基板の配向処置装置は、上記ラビング布が、直交する2方向に周期性を有する間隔で植設されたパイルの一並設方向をラビングローラの回転方向に対して傾斜させて巻着されている構成である。

0079

これにより、パイルの植設位置に起因する処理ムラを防止して、配向膜表面をより均一に緻密にラビングすることが可能となる。しかもこの場合、ラビングローラの回転方向と液晶表示素子用基板の移動方向とを異ならせる必要もないので、液晶のツイスト角にバラツキが生じる虞れもない。この結果、本配向処理装置で配向処理を施した液晶表示素子用基板を用いて作製した液晶表示装置は、延伸ムラが抑制され、中間調表示においても優れた表示品位が得られるという効果を奏する。

0080

本発明の請求項2記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置は、請求項1の構成において、ラビングローラの回転方向に対する、上記一並設方向の傾斜角度が、0.5°以上5°以下の範囲である構成である。

0081

これにより、上記請求項1の構成によるパイルの植設位置に起因する処理ムラを防止できるといった効果を、より効果的に実現することが可能となる。

0082

本発明の請求項3記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置は、請求項1又は2記載の構成において、上記ラビングローラが、その回転軸が液晶表示素子用基板の移動方向と垂直を成すように固定される一方、液晶表示素子用基板が、該基板の移動方向より規定角度回転された状態で、基板搬送手段にて上記ラビングローラの下を移動される構成である。

0083

ラビングローラの回転方向と液晶表示素子用基板の移動方向とが同一である装置においては、直線上のスジの処理ムラが発生し易かったが、これにより、直線上のスジの処理ムラが発生し難くなり、特に効果的である。

0084

本発明の請求項4記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置は、請求項1、2又は3記載の構成において、上記液晶表示素子用基板の移動方向と同一方向の1mm長の直線上の配向膜にラビング布のパイルの中心部が接触する回数が20回未満となるように、上記一並設方向の傾斜角度、ラビング布におけるパイルの植設間隔、ラビングローラの周速度、及び液晶表示素子用基板の移動速度が設定されている構成である。

0085

これにより、延伸ムラの発生が確実に防止される。この結果、本配向処理装置で配向処理を施した液晶表示素子用基板を用いて作製した液晶表示装置は、延伸ムラのない、中間調表示においても優れた表示品位が得られるという効果を奏する。

0086

本発明の請求項5記載のラビング布は、直交する2方向に周期性を有する間隔で、かつ、回転ローラの外周面に巻き付けられてラビングローラを構成するときにパイルの一並設方向がラビングローラの回転方向に対して傾きを持つように、パイルが植設されている構成である。

0087

これにより、ラビング布を斜めに巻着したりすることなく従来と同様に回転ローラの外周面に真っ直ぐ平行に巻着するだけで、上記請求項2の配向処理装置を実現できるという効果を奏する。加えて、正確な傾斜角度を簡単に得ることができるという効果も奏する。

0088

本発明の請求項6記載のラビング布は、請求項5の構成において、パイルの一並設方向がラビングローラの回転方向に対して0.5°以上5°以下の範囲の傾きを持つように、パイルが植設されている構成である。

0089

これにより、ラビング布を斜めに巻着したりすることなく従来と同様に回転ローラの外周面に真っ直ぐ平行に巻着するだけで、上記請求項2の配向処理装置を実現できるという効果を奏する。加えて、正確な傾斜角度を簡単に得ることができるという効果も奏する。

0090

本発明の請求項7記載の液晶表示素子は、少なくとも一方が、上記の請求項1から4いずれかに記載の液晶表示素子用基板の配向処理装置、又は上記の請求項5、6いずれかに記載のラビング布を用いて配向処理された液晶表示素子用基板からなる一対の基板を相対向させ、これら基板間に液晶を封入してなる構成である。

0091

上記の液晶表示素子用基板の配向処理装置、或いは上記のラビング布を用いて作製される液晶表示素子用基板は、延伸ムラを生じないよう配向処理が施されているので、該液晶表示素子用基板を用いて作製された液晶表示素子は、延伸ムラのない、中間調表示においても優れた表示品位を有するものとなる。

0092

本発明の請求項8記載の液晶表示素子は、請求項7の構成において、スーパーツイストネマティック型液晶表示素子である構成である。

0093

STN型液晶表示素子は配向状態の影響を大きく受け易く、延伸ムラによる影響を受け易かったが、これにより、延伸ムラのない中間調表示においても優れた表示品位を有するものとなり、特に、有効である。

図面の簡単な説明

0094

図1本発明に係る実施の一形態、及び実施例の配向処理装置を示す説明図である。
図2配向処理時の配向膜表面のラビング方法を示す説明図である。
図3ラビング布の地糸とパイルの植毛状態を示す説明図である。
図4ラビング布に植設された一本のパイルの状態を示す説明図である。
図5ラビング布原反からラビング布の打ち抜き方を示す説明図である。
図6ラビングローラの回転方向に対して、パイルの一並設方向が角度φ傾いている場合の、パイルの毛根部のずれ方を示す説明図である。
図7本発明に係る他の実施例の配向処理装置を示す説明図である。
図8比較例の配向処理装置を示す説明図である。
図9従来の配向処理装置におけるラビングローラを示す説明図である。
図10従来の配向処理装置におけるラビングローラを示す説明図である。
図11延伸ムラの発生した液晶表示素子の表示状態を示す説明図である。
図12ラビングローラの回転方向と液晶表示素子用基板の移動方向との関係の違いによる、配向膜表面の処理状態を示す説明図である。

--

0095

1ラビングローラ
1’ ラビングローラ
1a回転ローラ
2ラビング布
2’ ラビング布
3可動ステージ(基板搬送手段)
4液晶表示素子用基板
7配向膜
Pパイル
F フィラメント

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ