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図面 (6)

課題

素子に形成する上部、下部電極接続用パッドの形成領域が破壊することなく、かつ、共振特性に優れた圧電薄膜振動子を提供する。

解決手段

基板1上に薄肉酸化膜2を形成し、酸化膜2の中央部を基板1から浮かしてダイアフラム形成領域と成す。酸化膜2のダイアフラム形成領域の上側に下部電極3を形成し、その上部側に酸化膜2の上部側ほぼ全体領域を覆う圧電薄膜5を形成し、その上部側に下部電極3と対向する上部電極6を形成する。その上部側に圧電薄膜5の上部側ほぼ全体領域を覆う酸化膜12を形成し、酸化膜12の上部側に、前記ダイアフラム形成領域を避けて上部電極6および下部電極3の各接続用パッド7,4を設け、引き出し電極16,13により、それぞれ上部電極6と下部電極3に接続する。前記各接続パッド7,4の形成領域は基板1上の酸化膜2と圧電薄膜5と酸化膜12との密着積層体上とする。

概要

背景

例えば加速度センサ角速度センサ等に用いられる圧電薄膜振動子として、半導体結晶基板を使用した圧電薄膜振動子が用いられており、図4には、この圧電薄膜振動子の一例が示されている。図4に示すものは、特開平1−71208号公報に記載されているものであり、同図の(a)には圧電薄膜振動子の平面図が、同図の(b)には(a)のA−A断面図が示されている。これらの図において、半導体結晶基板1上に薄肉の第1の絶縁膜としての酸化膜2が形成されており、この酸化膜2の両端間の中央部分には基板1との間に空隙8が形成され、それにより、酸化膜2上に基板1から浮かしたダイアフラム形成領域が形成されている。この酸化膜2のダイアフラム形成領域の上部側、すなわち、空隙8に対応する位置には、下部電極3が形成され、さらに、引き出し電極13、下部電極接続パッド接続用パッド)4が順に基板1の一端側(図の右側)にかけて形成されており、下部電極接続パッド4は引き出し電極13を介して下部電極3に導通接続されている。

下部電極3の上部側には酸化膜2の中央側から図の左側の端側を覆う圧電薄膜5が形成されており、この圧電薄膜5の上部側には、前記下部電極3と対向する上部電極6が形成され、上部電極6には引き出し電極16を介して上部電極接続パッド(接続用パッド)7が導通接続されている。この圧電薄膜振動子には、上部電極接続パッド7と下部電極接続パッド4の形成領域の上部側に、コンタクトホール9a,9bを形成した酸化膜12(同図の(a)には図示せず)が形成されており、コンタクトホール9a,9bの形成領域を除く圧電薄膜5と酸化膜2の上部側のほぼ全体領域が、酸化膜12によって覆われている。なお、酸化膜12は第2の絶縁膜として機能するものである。

なお、このような圧電薄膜振動子は、上部電極接続パッド7および下部電極接続パッド4にそれぞれ接続される電圧印加装置(図示せず)によって、上部電極6と下部電極3との間に電圧印加すると、この電圧によって、上部電極6と下部電極3とに挟まれた圧電薄膜5が伸縮して、同図の(b)の上下方向にダイアフラム形成領域が振動する。

また、上部電極接続パッド7および下部電極接続パッド4に電圧検出装置(図示せず)を接続し、例えば、この圧電薄膜振動子をセンサ等に設ければ、このセンサ等に加速度等が加わることにより、ダイアフラム形成領域が振動し、そのとき、圧電薄膜5が伸縮する。その圧電薄膜5の伸縮に伴って変化する上部電極6と下部電極3との間の電圧を前記電圧検出装置によって検出すれば、加速度の検出を行うことができる。

しかしながら、図4で示したような圧電薄膜振動子は、基板抵抗無限大でない限り、基板1が仮想電極役割をし、基板1と、引き出し電極13,16および、上部電極接続パッド7、下部電極接続パッド4との間に寄生容量が発生するため、共振特性劣化してしまうという問題があった。

これに対し、このような問題点を解決するための手段として、特開平1−71208号公報においては、図5に示すような圧電薄膜振動子が提案されている。この圧電薄膜振動子においては、基板1上に形成された酸化膜2の両端間に空隙8が形成されている。

すなわち、図5に示す圧電薄膜振動子においては、前記空隙8は上部電極接続パッド7、下部電極接続パッド4、引き出し電極13,16の直下に対応する位置に、犠牲層エッチングを施すことにより形成されており、このように上部電極6、下部電極3の形成領域だけでなく、上部電極接続パッド7、下部電極接続パッド4、引き出し電極13,16の直下に対応する位置に空隙8を設けることにより、これらの電極3,6,13,16および接続パッド4,7を基板1に対して絶縁し、それにより、電極3,6,13,16および接続パッド4,7と基板1との寄生容量を低減し、共振特性の劣化を防止できるようにしている。

そして、このような圧電薄膜振動子は、図4で示した圧電薄膜振動子と同様に、上部電極6と下部電極3との間に電圧を印加することによって、上部電極6と下部電極に挟まれた圧電薄膜5が伸縮してダイアフラム形成領域が振動する。また、この圧電薄膜振動子をセンサ等に設ければ、圧電薄膜5の伸縮に伴って変化する上部電極6と下部電極3との間の電圧を電圧検出装置に検出することにより、センサ出力を検出することができる。

概要

素子に形成する上部、下部電極の接続用パッドの形成領域が破壊することなく、かつ、共振特性に優れた圧電薄膜振動子を提供する。

基板1上に薄肉の酸化膜2を形成し、酸化膜2の中央部を基板1から浮かしてダイアフラム形成領域と成す。酸化膜2のダイアフラム形成領域の上側に下部電極3を形成し、その上部側に酸化膜2の上部側ほぼ全体領域を覆う圧電薄膜5を形成し、その上部側に下部電極3と対向する上部電極6を形成する。その上部側に圧電薄膜5の上部側ほぼ全体領域を覆う酸化膜12を形成し、酸化膜12の上部側に、前記ダイアフラム形成領域を避けて上部電極6および下部電極3の各接続用パッド7,4を設け、引き出し電極16,13により、それぞれ上部電極6と下部電極3に接続する。前記各接続パッド7,4の形成領域は基板1上の酸化膜2と圧電薄膜5と酸化膜12との密着積層体上とする。

目的

本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、基板と基板上に形成される絶縁膜との熱膨張差による応力ワイヤーボンディングの応力等によって電極の接続パッド形成領域が破壊することなく、しかも共振特性の優れた圧電薄膜振動子を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
7件

この技術が所属する分野

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請求項1

基板上に薄肉の第1の絶縁膜が形成されており、この第1の絶縁膜の両端間の局部部位は前記基板から浮かしたダイアフラム形成領域と成し、この第1の絶縁膜の前記ダイアフラム形成領域の上部側には下部電極が形成され、該下部電極の上部側には前記第1の絶縁膜の上部側のほぼ全体領域を覆う圧電薄膜が形成されており、前記ダイアフラム形成領域の圧電薄膜の上部側には前記下部電極と対向する上部電極が形成され、該上部電極の上部側には前記圧電薄膜の上部側のほぼ全体領域を覆う第2の絶縁膜が形成されており、該第2の絶縁膜の上部側には前記ダイアフラム形成領域を避けた位置に形成される前記基板上の前記第1の絶縁膜と前記圧電薄膜と前記第2の絶縁膜との密着積層体上に、前記下部電極に引き出し電極を介して導通接続される下部電極の接続用パッドと前記上部電極に引き出し電極を介して導通接続される上部電極の接続用パッドとがそれぞれ分離して形成されていることを特徴とする圧電薄膜振動子

請求項2

上部電極は互いに間隔を介して配設された2極電極によって形成されており、これら2極の上部電極にはそれぞれ別個の引き出し電極と接続用パッドとが設けられていることを特徴とする請求項1記載の圧電薄膜振動子。

請求項3

基板は半導体結晶により形成されており、該基板に凹部が形成され、該凹部形成面上に第1の絶縁膜が形成されていることを特徴とする圧電薄膜振動子。

技術分野

0001

本発明は、例えば加速度センサ角速度センサ等に用いられる、半導体結晶基板等を用いた圧電薄膜振動子に関するものである。

背景技術

0002

例えば加速度センサや角速度センサ等に用いられる圧電薄膜振動子として、半導体結晶基板を使用した圧電薄膜振動子が用いられており、図4には、この圧電薄膜振動子の一例が示されている。図4に示すものは、特開平1−71208号公報に記載されているものであり、同図の(a)には圧電薄膜振動子の平面図が、同図の(b)には(a)のA−A断面図が示されている。これらの図において、半導体結晶基板1上に薄肉の第1の絶縁膜としての酸化膜2が形成されており、この酸化膜2の両端間の中央部分には基板1との間に空隙8が形成され、それにより、酸化膜2上に基板1から浮かしたダイアフラム形成領域が形成されている。この酸化膜2のダイアフラム形成領域の上部側、すなわち、空隙8に対応する位置には、下部電極3が形成され、さらに、引き出し電極13、下部電極接続パッド接続用パッド)4が順に基板1の一端側(図の右側)にかけて形成されており、下部電極接続パッド4は引き出し電極13を介して下部電極3に導通接続されている。

0003

下部電極3の上部側には酸化膜2の中央側から図の左側の端側を覆う圧電薄膜5が形成されており、この圧電薄膜5の上部側には、前記下部電極3と対向する上部電極6が形成され、上部電極6には引き出し電極16を介して上部電極接続パッド(接続用パッド)7が導通接続されている。この圧電薄膜振動子には、上部電極接続パッド7と下部電極接続パッド4の形成領域の上部側に、コンタクトホール9a,9bを形成した酸化膜12(同図の(a)には図示せず)が形成されており、コンタクトホール9a,9bの形成領域を除く圧電薄膜5と酸化膜2の上部側のほぼ全体領域が、酸化膜12によって覆われている。なお、酸化膜12は第2の絶縁膜として機能するものである。

0004

なお、このような圧電薄膜振動子は、上部電極接続パッド7および下部電極接続パッド4にそれぞれ接続される電圧印加装置(図示せず)によって、上部電極6と下部電極3との間に電圧印加すると、この電圧によって、上部電極6と下部電極3とに挟まれた圧電薄膜5が伸縮して、同図の(b)の上下方向にダイアフラム形成領域が振動する。

0005

また、上部電極接続パッド7および下部電極接続パッド4に電圧検出装置(図示せず)を接続し、例えば、この圧電薄膜振動子をセンサ等に設ければ、このセンサ等に加速度等が加わることにより、ダイアフラム形成領域が振動し、そのとき、圧電薄膜5が伸縮する。その圧電薄膜5の伸縮に伴って変化する上部電極6と下部電極3との間の電圧を前記電圧検出装置によって検出すれば、加速度の検出を行うことができる。

0006

しかしながら、図4で示したような圧電薄膜振動子は、基板抵抗無限大でない限り、基板1が仮想電極役割をし、基板1と、引き出し電極13,16および、上部電極接続パッド7、下部電極接続パッド4との間に寄生容量が発生するため、共振特性劣化してしまうという問題があった。

0007

これに対し、このような問題点を解決するための手段として、特開平1−71208号公報においては、図5に示すような圧電薄膜振動子が提案されている。この圧電薄膜振動子においては、基板1上に形成された酸化膜2の両端間に空隙8が形成されている。

0008

すなわち、図5に示す圧電薄膜振動子においては、前記空隙8は上部電極接続パッド7、下部電極接続パッド4、引き出し電極13,16の直下に対応する位置に、犠牲層エッチングを施すことにより形成されており、このように上部電極6、下部電極3の形成領域だけでなく、上部電極接続パッド7、下部電極接続パッド4、引き出し電極13,16の直下に対応する位置に空隙8を設けることにより、これらの電極3,6,13,16および接続パッド4,7を基板1に対して絶縁し、それにより、電極3,6,13,16および接続パッド4,7と基板1との寄生容量を低減し、共振特性の劣化を防止できるようにしている。

0009

そして、このような圧電薄膜振動子は、図4で示した圧電薄膜振動子と同様に、上部電極6と下部電極3との間に電圧を印加することによって、上部電極6と下部電極に挟まれた圧電薄膜5が伸縮してダイアフラム形成領域が振動する。また、この圧電薄膜振動子をセンサ等に設ければ、圧電薄膜5の伸縮に伴って変化する上部電極6と下部電極3との間の電圧を電圧検出装置に検出することにより、センサ出力を検出することができる。

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、上記のような従来の圧電薄膜振動子においては、引き出し電極13,16および下部電極接続パッド4、上部電極接続パッド7の直下に対応する位置に空隙8が形成されているために、共振特性の向上を図れるものの、その一方で、基板1と酸化膜2との熱膨張差による応力によって、下部電極接続パッド4および上部電極接続パッド7の形成領域に対応する酸化膜2が破壊することがあるといった問題があった。

0011

また、共振周波数温度係数を小さくすることが考慮されていることから、下部電極接続パッド4の直下の酸化膜2の厚みは数μmと薄肉となるために、ワイヤーボンディングを施して下部電極接続パッド4の形成領域下部側に押し付けたときに、この下部電極接続パッド4の形成領域が破壊することもあるといった問題があった。

0012

さらに、上記圧電薄膜振動子においては、上部電極接続パッド7が圧電薄膜5上に直接形成されているために、前記ワイヤーボンディングによって、上部電極接続パッド7形成領域下部側の圧電薄膜5にもダメージを与えてしまうという問題もあった。

0013

本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、基板と基板上に形成される絶縁膜との熱膨張差による応力やワイヤーボンディングの応力等によって電極の接続パッド形成領域が破壊することなく、しかも共振特性の優れた圧電薄膜振動子を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

上記目的を達成するために、本発明は次のような構成により課題を解決するための手段としている。すなわち、本発明は、基板上に薄肉の第1の絶縁膜が形成されており、この第1の絶縁膜の両端間の局部部位は前記基板から浮かしたダイアフラム形成領域と成し、この第1の絶縁膜の前記ダイアフラム形成領域の上部側には下部電極が形成され、該下部電極の上部側には前記第1の絶縁膜の上部側のほぼ全体領域を覆う圧電薄膜が形成されており、前記ダイアフラム形成領域の圧電薄膜の上部側には前記下部電極と対向する上部電極が形成され、該上部電極の上部側には前記圧電薄膜の上部側のほぼ全体領域を覆う第2の絶縁膜が形成されており、該第2の絶縁膜の上部側には前記ダイアフラム形成領域を避けた位置に形成される前記基板上の前記第1の絶縁膜と前記圧電薄膜と前記第2の絶縁膜との密着積層体上に、前記下部電極に引き出し電極を介して導通接続される下部電極の接続用パッドと前記上部電極に引き出し電極を介して導通接続される上部電極の接続用パッドとがそれぞれ分離して形成されていることを特徴として構成されている。

0015

また、前記上部電極は互いに間隔を介して配設された2極の電極によって形成されており、これら2極の上部電極にはそれぞれ別個の引き出し電極と接続用パッドとが設けられていること、前記基板は半導体結晶により形成されており、該基板に凹部が形成され、該凹部形成面上に第1の絶縁膜が形成されていることも本発明の特徴的な構成とされている。

0016

上記構成の本発明において、上部電極と下部電極とに電圧を印加するための各電極の接続用パッドは、圧電薄膜の上部側のほぼ全体領域を覆う第2の絶縁膜の、ダイアフラム形成領域を避けた位置にそれぞれ分離して設けられており、この位置は、基板上の前記第1の絶縁膜と前記圧電薄膜と前記第2の絶縁膜との密着積層体上であるために、応力に対する強度が高くなっており、従来のように空隙を介して形成した第1の絶縁膜上に接続用パッドが形成されている場合と異なり、基板と第1の絶縁膜との熱膨張差による応力やワイヤーボンディングによる応力等が接続用パッド形成領域に加えられても接続用パッドの形成領域が破壊することはない。

0017

また、下部電極の接続用パッドおよび上部電極の接続用パッドは、上記のように、基板上の第1の絶縁膜と圧電薄膜と第2の絶縁膜との密着積層体上に形成されており、各接続用パッドと基板との間には2つの絶縁膜が介設されていることにより、接続用パッドと基板の寄生容量がこの2つの絶縁膜によって小さくなってほぼ絶縁され、それにより、共振特性の劣化が防止されて、共振特性の優れた圧電薄膜振動子となり、上記課題が解決される。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。図1には、本発明に係る圧電薄膜振動子の第1の実施形態例が示されており、同図の(a)には、圧電薄膜振動子の平面図が、同図の(b)には(a)のA−A断面図が示されている。同図に示すように、本実施形態例においても、従来例と同様に、半導体結晶の基板1上には薄肉の酸化膜2が形成されているが、本実施形態例においては、この酸化膜2の両端間の中央側の局部部位にのみ空隙8が形成されており、この局部部位がダイアフラム形成領域と成している。

0019

この酸化膜2のダイアフラム形成領域の上側には下部電極3が形成され、この下部電極3の上部側には、酸化膜2の上部側のほぼ全体領域を覆う圧電薄膜5が形成されている。ダイアフラム形成領域の圧電薄膜5の上部側には、下部電極3と対向する上部電極6が形成されており、上部電極6の上部側には圧電薄膜5の上部側のほぼ全体領域を覆う酸化膜12が形成されている。

0020

また、本実施例では、酸化膜12の上部側のダイアフラム形成領域を避けた位置に形成される、基板1上の酸化膜2と圧電薄膜5と酸化膜12との密着積層体上に、引き出し電極13を介して下部電極3に導通接続される下部電極接続パッド4と、引き出し電極16を介して上部電極6に導通接続される上部電極接続パッド7とがそれぞれ分離して形成されている。このように、本実施形態例においては、下部電極接続パッド4と上部電極接続パッド7とを、酸化膜12の上部側のダイアフラム形成領域を避けた位置に形成しており、それにより、下部電極接続パッド4および上部電極接続パッド7を、それぞれ、基板1上の酸化膜2と圧電薄膜5と酸化膜12との密着積層体上に設けたことが本実施形態例の最も特徴的なことである。

0021

なお、本実施形態例では、下部電極接続パッド4および上部電極接続パッド7を共に酸化膜12上に形成し、各引き出し電極13,16によって、それぞれ、下部電極3、上部電極と導通接続するために、引き出し電極16を挿通するコンタクトホール9aが酸化膜12に形成されており、なお、引き出し電極13を挿通するためのコンタクトホール9bが酸化膜12および圧電薄膜5に形成されている。また、本実施形態例においては、下部電極接続パッド4と上部電極接続パッド7は、基板1の各端側(下部電極接続パッド4は図の右側、上部電極接続パッド7は図の左端側)に分離して形成されている。なお、図1においても、同図の(a)には、酸化膜12を省略した状態で示されている。

0022

本実施形態例は以上のように構成されており、従来例と同様の動作が行われる。次に本実施形態例の圧電薄膜振動子の作製工程について説明する。まず、半導体結晶の基板1上の中央部局部部位に、空隙8の形成領域に対応させて犠牲層を形成し、この犠牲層の上部側に、数μmの厚みの酸化膜2を形成して、基板1のほぼ全体領域を酸化膜2によって覆うようにする。次に、前記犠牲層をエッチングして、酸化膜2と基板1との間に空隙8を形成し、酸化膜2の中央側の局部部位に基板1から浮かしたダイアフラム形成領域を形成する。

0023

次に、酸化膜2のダイアフラム形成領域の上部側に下部電極3を形成し、下部電極3の上部側に圧電薄膜5を形成して、酸化膜2の上部側のほぼ全体領域を圧電薄膜5によって覆うようにする。そして、圧電薄膜5に、下部電極3と下部電極接続パッド4を導通接続するためのコンタクトホール9b用の穴を開ける。

0024

次に、ダイアフラム形成領域の圧電薄膜5の上部側に、下部電極3と対向するように上部電極6を形成し、上部電極6の上部側に酸化膜12を形成して、酸化膜12によって圧電薄膜5の上部側のほぼ全体領域を覆うようにする。そして、下部電極3と下部電極接続パッド4とを導通接続するためのコンタクトホール9b用の穴と、上部電極6と上部電極接続パッド7とを導通接続するためのコンタクトホールを9a用の穴を酸化膜12に開ける。そして、最後に、ワイヤーボンディングを施すことにより、下部電極接続パッド4をコンタクトホール9bを介して引き出し電極13によって下部電極接続パッド4と接続し、上部電極6をコンタクトホール9aを介して引き出し電極16によって上部電極接続パッド7を接続する。

0025

本実施形態例は以上のようにして作製されるものであり、従来例と同様に、下部電極接続パッド4および上部電極接続パッド7にワイヤーボンディングが施されて、それぞれ、引き出し電極13,16が接続されるが、本実施形態例においては、下部電極接続パッド4および上部電極接続パッド7の形成領域は、ダイアフラム形成領域を避けた位置であり、基板1上の酸化膜2と圧電薄膜5を酸化膜12との密着積層体上であるために、応力に対する強度は高く、従来のような基板1から浮かした酸化膜2を上側から押し付ける場合と異なり、ワイヤーボンディングによる応力が接続パッド形成領域に加えられても、接続パッド形成領域が破壊することはなく、接続パッド形成領域の破壊を確実に抑制することができる。

0026

また、本実施形態例においては、上記のように、下部電極接続パッド4および上部電極接続パッド7の形成領域が前記密着積層体上に形成されているために、基板1から浮かした酸化膜2の上部側に接続パッド形成領域が設けられている従来例と異なり、たとえ、基板1と酸化膜2との熱膨張差による応力が生じても、その応力によって酸化膜2が破壊することも抑制することもできる。

0027

さらに、本実施形態例においては、上記のように、下部電極接続パッド4および上部電極接続パッド7の形成領域が前記密着積層体上に形成されており、基板1と下部電極接続パッド4、上部電極接続パッド7および引き出し電極13,16の間には、第1、第2の絶縁膜として機能する2つの酸化膜2,12および圧電薄膜5が介設されているために、下部電極3と上部電極6との容量に比べて、基板1と下部電極接続パッド4との寄生容量および基板1と上部電極接続パッド7との寄生容量が共に非常に小さくなり、また、下部電極接続パッド4と上部電極接続パッド7との間の容量も小さくなる。そのため、ダイアフラム形成領域を避けた部分の引き出し電極13,16および下部電極接続パッド4、上部電極接続パッド7と基板1との間の寄生容量によって、インピーダンスレスポンス下等の共振特性の劣化が生じることはなく、共振特性に優れた圧電薄膜振動子とすることができる。

0028

さらに、本実施形態例によれば、下部電極接続パッド4および上部電極接続パッド7は、共に、酸化膜12上に形成されており、各接続パッド4,7と圧電薄膜5との間に酸化膜12が介設されているために、圧電薄膜5上に直接上部電極接続パッド7を形成した従来例と異なり、圧電薄膜5にダメージを与えることを抑制し、圧電薄膜振動子を作製するときの歩留まりを向上することができるし、耐久性を向上させることもできる。

0029

さらに、本実施形態例によれば、基板1は半導体結晶基板により構成し、この半導体結晶基板1を用いて圧電薄膜振動子を形成しているために、従来例の圧電薄膜振動子と同様に、素子の小型化を図ることが可能となり、しかも、周辺回路一体化することも可能となり、加速度センサ等のセンサやその他の様々な装置に容易に組み込んで広く適用することができる。

0030

図2には、本発明に係る圧電薄膜振動子の第2の実施形態例が、平面図(a)および、(a)のA−A断面図(b)により示されている。本実施形態例が上記第1の実施形態例と異なる特徴的なことは、上部電極6が互いに間隔を介して配設された2極の電極6a,6bによって形成されており、これら2極の上部電極6a,6bには、それぞれ別個の引き出し電極16a,16bと上部電極接続パッド7a,7bが設けられていることである。

0031

なお、同図には図示されていないが、本実施形態例においても、上記第1の実施形態例と同様に、下部電極接続パッドが、酸化膜12の上部側のダイアフラム形成領域を避けた位置に形成される、基板1上の酸化膜2と圧電薄膜5と酸化膜12との密着積層体上に、上部電極接続パッド7とは分離して形成されており、この下部電極接続パッドと下部電極3とは引き出し電極(図示せず)介して導通接続されている。また、図2の(a)においても、酸化膜12は省略した状態で示されている。

0032

本実施形態例は以上のように構成されており、本実施形態例の圧電薄膜振動子も上記第1の実施形態例の圧電薄膜振動子とほぼ同様の作製工程により作製されるが、本実施形態例では、上部電極6を2極設けるために、圧電薄膜5の上部側に2極の上部電極6a,6bを形成し、この上部電極6a,6bの上部側に形成される酸化膜12には、各上部電極6a,6bと各上部電極接続パッド7a,7bとを導通接続するためのコンタクトホール9a1 ,9a2 用の穴を開ける。そして、コンタクトホール9a1 ,9a2 を介して、各上部電極6a,6bを、引き出し電極16a,16bによって各上部電極接続パッド7a,7bにそれぞれ接続する。

0033

本実施形態例は以上のように作製され、上記第1の実施形態例と同様の動作を行い、同様の効果を奏することができる。

0034

また、本実施形態例によれば、上部電極6を2極の上部電極6a,6bにより形成し、それぞれ別個の引き出し電極16a,16bと上部電極接続パッド7a,7bとを設けたために、例えば、一方の上部電極6a側をダイアフラム形成領域の振動用駆動電極とし、他方側の上部電極6bを検出用電極として、この検出用の上部電極6b側で検出される検出電圧に基づいてダイアフラム形成領域の振動駆動を上部電極6a側で行えば、振動周波数制御等を行い易くすることができる。

0035

図3には、本発明に係る圧電薄膜振動子の第3の実施例が、その平面図(a)および、(a)のA−A断面図(b)により示されている。本実施形態例が上記第1の実施形態例と異なる特徴的なことは、半導体結晶の基板1に凹部11を形成し、この凹部11の形成面上に酸化膜2を形成して基板1の中央側の局部部位にダイアフラム形成領域を形成したことである。本実施形態例においては、上記第1、第2の実施形態例のように、基板1と酸化膜2との間に空隙8を形成して酸化膜2に基板1から浮かしたダイアフラム形成領域を形成する場合と異なり、基板1の凹部形成面上に酸化膜2を形成することにより酸化膜2を基板1から浮かした状態としており、したがって、酸化膜2や酸化膜2の上部側に形成されている圧電薄膜5の形成面は平坦面と成している。

0036

本実施形態例の上記以外の構成は、上記第1の実施形態例と同様に構成されており、次に、本実施形態例の作製工程について説明する。まず、表面14および裏面10が共に平坦な半導体結晶基板1を用意し、この基板1の表面14側の全体領域に酸化膜2を形成し、基板1の裏面10側には、凹部11の形成領域(基板1の中央部)を除く領域にエッチングマスク用の酸化膜(図示せず)を形成する。そして、このエッチングマスク用の酸化膜をマスクとして、基板1を異方性エッチングすることにより、凹部11を形成し、その後、エッチングマスク用の酸化膜を除去する。そうすると、基板1の凹部形成面上(表面14側)に酸化膜2が形成された状態となり、凹部11に対応する位置にダイアフラム形成領域が形成される。

0037

次に、酸化膜2のダイアフラム形成領域の上部側に下部電極3を形成し、以下、上記第1の実施形態例の作製工程と同様の作製工程により、図3に示すような圧電薄膜振動子を形成する。

0038

本実施形態例は以上のように作製され、上記第1の実施形態例と同様の動作を行い、同様の効果を奏することができる。

0039

また、本実施形態例によれば、上記第1、第2の実施形態例と異なり、基板1上に犠牲層を形成し、この犠牲層上に酸化膜2を形成した後に犠牲層エッチングを行って空隙8を形成するといった手間を省略することが可能であり、半導体結晶基板1の異方性エッチングといった、非常に加工が容易で加工精度の優れた方法により凹部11を形成してダイアフラム形成領域を形成することができるために、非常に簡単に圧電薄膜振動子を作製することができる。

0040

なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記第3の実施形態例では、半導体結晶基板1の異方性エッチングにより凹部11を形成したが、凹部11の形成方法は必ずしも基板1の異方性エッチングによるとは限らず、異方性エッチング以外の、例えば切削等により凹部11を形成してもよい。

0041

また、上記第3の実施形態例では、凹部11は基板1の表面14側から裏面10側にかけて貫通の凹部としたが、凹部11は必ずしも貫通の凹部とするとは限らず、例えば、基板1の断面形状がU型となるように凹部11を形成し、その凹部形成面上に酸化膜2を形成してダイアフラム形成領域と成しても構わない。

0042

さらに、上記実施形態例では、第1、第2の絶縁膜として、酸化膜2,12を形成したが、第1、第2の絶縁膜は必ずしも酸化膜により形成するとは限らず、酸化膜以外の他の絶縁性を有する膜により形成してもよい。

0043

さらに、本発明の圧電薄膜振動子に設けられる下部電極接続パッド4、上部電極接続パッド7は、酸化膜12のような第2の絶縁膜の上部側のダイアフラム形成領域を避けた、基板1上の第1の絶縁膜(上記実施形態例では酸化膜2)と圧電薄膜5と第2の絶縁膜との密着積層体上の適宜の位置に設けられるものであり、例えば、基板1の角部に対応する位置に下部電極接続パッド4や上部電極接続パッド7を形成してもよい。

0044

さらに、上記実施形態例では、ダイアフラム形成領域は酸化膜2の両端間の中央部の局部部位に形成したが、ダイアフラム形成領域は必ずしも酸化膜2の両端間の中央部に形成するとは限らず、中央部から端側にずれた位置に形成してもよい。また、上記実施形態例に形成した空隙8や凹部11よりも基板1の長手方向に長い空隙8や凹部11を形成し、それにより、基板1の長手方向に長いダイアフラム形成領域を形成してもよい。そのように形成した場合にも、本発明においては、下部電極接続パッド4および上部電極接続パッド7がダイアフラム形成領域を避けた、基板1と酸化膜2と圧電薄膜5と酸化膜12の密着積層体上に形成されるために、上記実施形態例と同様の効果を奏することができる。

発明の効果

0045

本発明によれば、上部電極および下部電極にそれぞれ引き出し電極を介して導通接続される下部電極および上部電極の接続用パッドを、ダイアフラム形成領域を避けた位置に形成される基板上の第1の絶縁膜と圧電薄膜と第2の絶縁膜との密着積層体上に形成することにより、接続用パッドの形成領域の応力に対する強度を高くすることができるために、この領域にワイヤーボンディングを施すことによって接続用パッド形成領域に応力が加えられても、接続用パッド形成領域の絶縁膜や圧電薄膜および接続用パッドそのものが破壊することを抑制することができる。また、前記上部電極および下部電極の接続用パッドの形成領域を前記密着積層体上に形成することにより、基板1と空隙を介して形成された第1の絶縁膜の上部側に接続用パッドを形成した従来の圧電薄膜振動子と異なり、基板と第1の絶縁膜との熱膨張差による応力が生じても、それにより第1の絶縁膜等が破壊することを抑制することができる。

0046

さらに、本発明によれば、上部電極および下部電極の接続用パッドは第2の絶縁膜の上部側に形成し、接続用パッドと圧電薄膜との間に第2の絶縁膜を介設した状態とするために、圧電薄膜上に直接接続パッドを形成する従来の圧電薄膜振動子と異なり、圧電薄膜にダメージを与えることがなく、圧電薄膜振動子を作製するときの歩留まりを向上させることができる。

0047

さらに、本発明によれば、上部電極および下部電極の接続用パッドは、上記のように、基板上の第1の絶縁膜と圧電薄膜と第2の絶縁膜との密着積層体上に形成しており、各接続用パッドと基板との間には第1と第2の2つの絶縁膜を介設するために、前記密着積層体上の各接続用パッドおよび各引き出し電極と基板との容量は上部電極と下部電極との容量に比べて遥かに小さいものとすることができるために、第1の絶縁膜と基板との間に空隙を設けて接続用パッドおよび引き出し電極と基板との寄生容量の低減を図った従来の圧電薄膜振動子と同様に、寄生容量の低減を図り、それにより、共振特性の劣化を防ぎ、共振特性に優れた圧電薄膜振動子を形成することができる。

0048

そして、本発明においても、基板を半導体結晶基板により形成し、この基板を用いて圧電薄膜振動子を形成することにより、従来の圧電薄膜振動子と同様に、周辺回路と一体化することが可能となり、加速度センサおよび角速度センサ等のセンサや、それ以外の様々な装置に容易に組み込むことが可能となり、様々な装置に広く適用することができる。

図面の簡単な説明

0049

図1本発明に係る圧電薄膜振動子の第1の実施形態例を示す構成図である。
図2本発明に係る圧電薄膜振動子の第2の実施形態例を示す構成図である。
図3本発明に係る圧電薄膜振動子の第3の実施形態例を示す構成図である。
図4従来の圧電薄膜振動子の一例を示す説明図である。
図5従来の圧電薄膜振動子の別の例を示す説明図である。

--

0050

1基板
2,12酸化膜
3 下部電極
4 下部電極接続パッド
5圧電薄膜
6 上部電極
7 上部電極接続パッド
9a,9b,9a1 ,9a2コンタクトホール
11 凹部

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