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技術 新規チアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体及びその製造方法並びにそれを用いる表面処理剤

出願人 ジャパンエナジー電子材料株式会社
発明者 熊谷正志土田克之森英之
出願日 1995年8月31日 (26年1ヶ月経過) 出願番号 1995-223632
公開日 1997年3月11日 (24年7ヶ月経過) 公開番号 1997-067372
状態 特許登録済
技術分野 アクリル系重合体 金属の化成処理 複数複素環系化合物 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 表面処理溶液 潤滑耐久性 酸化変色 圧延銅板 潤滑性評価 黄銅層 対象金属 テフロン板
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年3月11日)のものです。
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図面 (6)

課題

金属や有機基材に対して撥水、撥脂、潤滑防錆抗菌性を付与する表面処理剤を提供する。

解決手段

化1

〔式中、R1は下記一般式(2)で表わされる基を示し、下記一般式(2)中のR3はフッ素又はトリフルオロメチル基を示し、nは1〜15の整数である。又、式中R2は下記一般式(3)で表わされる基を示す。〕

化2

概要

背景

プリント回路用の銅張積層板は、銅箔紙フェノール樹脂含浸基材ガラスエポキシ樹脂含浸基材等と加熱、加圧して積層して形成され、これをエッチングして回路網を形成し、これに半導体装置等の素子を搭載することにより電子機器用のボードが作られる。これらの過程では基材との接着、加熱、酸やアルカリ液への浸漬、レジストインクの塗布、半田付け等が行われるため、銅箔には接着性耐熱性耐湿性耐薬品性等の性能が要求される。さらに、保管時に銅箔の酸化変色のないことも要求される。これらの要求を満たすために、銅箔に黄銅層形成処理特公昭51−35711号、同54−6701号公報)、クロメート処理亜鉛又は酸化亜鉛クロム酸化物とからなる亜鉛−クロム基混合物被覆処理等(特公昭58−7077号公報)が行われ、またこれらにシランカップリング剤を塗布して銅箔と樹脂基板との接着性を向上させる方法も提案されている(特公平2−19994号公報、特開昭63−183178号公報、特開平2−26097号公報)。

概要

金属や有機基材に対して撥水、撥脂、潤滑防錆抗菌性を付与する表面処理剤を提供する。

下記一般式(1)で表される新規チアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体

〔式中、R1は下記一般式(2)で表わされる基を示し、下記一般式(2)中のR3はフッ素又はトリフルオロメチル基を示し、nは1〜15の整数である。又、式中R2は下記一般式(3)で表わされる基を示す。〕

目的

しかし、最近プリント回路が緻密化しているので、使用されるプリント回路等銅箔に要求される特性はますますきびしくなっている。本発明はかかる現状に鑑み、銅をはじめ各種の金属や高分子材料等の有機材料セラミック等の無機材料等の表面に対して優れた接着性をもって被膜を形成し、該表面に顕著な撥水性撥油性潤滑性防錆性および抗菌性を付与することができる優れた表面処理剤として有効な新規化合物及びその重合体を提供すること、さらにそれを用いた表面処理剤を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

請求項

ID=000004HE=030 WI=063 LX=0285 LY=0500〔式中、R1は下記一般式(2)で表わされる基を示し、下記一般式(2)中のR3はフッ素又はトリフルオロメチル基を示し、nは1〜15の整数である。又、式中R2は下記一般式(3)で表わされる基を示す。〕

請求項

ID=000005HE=035 WI=084 LX=0630 LY=0800

請求項2

下記一般式(4)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体と下記式(5)で表わされるメタクリルイソシアネート化合物とを反応させることを特徴とする請求項1に記載のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体の製造方法。

請求項

ID=000006HE=030 WI=063 LX=0285 LY=1450(式中、R1は下記一般式(2)で表わされる基を示し、下記一般式(2)中のR3はフッ素又はトリフルオロメチル基を示し、nは1〜15の整数である。)

請求項

ID=000007HE=035 WI=084 LX=0630 LY=1750

請求項3

請求項1に記載の一般式(1)で表わされるチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体の少なくとも一種を有効成分とすることを特徴とする表面処理剤

請求項4

下記一般式(6)で表される繰返し単位を有するチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体の重合体

請求項

ID=000008HE=070 WI=063 LX=1185 LY=2100〔式中、R1は一般式(1)におけるR1と同義

請求項5

請求項4に記載の重合体の少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする表面処理剤。

技術分野

0001

本発明は金属や高分子材料無機材料等の表面の防錆潤滑、撥水、撥油および抗菌等を行うための表面処理剤、特にはプリント回路銅張積層板等に用いられる銅箔用処理剤として好適な新規チアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体及びその製造方法、さらにはその重合体並びにその用途に関する。

背景技術

0002

プリント回路用の銅張積層板は、銅箔に紙フェノール樹脂含浸基材ガラスエポキシ樹脂含浸基材等と加熱、加圧して積層して形成され、これをエッチングして回路網を形成し、これに半導体装置等の素子を搭載することにより電子機器用のボードが作られる。これらの過程では基材との接着、加熱、酸やアルカリ液への浸漬、レジストインクの塗布、半田付け等が行われるため、銅箔には接着性耐熱性耐湿性耐薬品性等の性能が要求される。さらに、保管時に銅箔の酸化変色のないことも要求される。これらの要求を満たすために、銅箔に黄銅層形成処理特公昭51−35711号、同54−6701号公報)、クロメート処理亜鉛又は酸化亜鉛クロム酸化物とからなる亜鉛−クロム基混合物被覆処理等(特公昭58−7077号公報)が行われ、またこれらにシランカップリング剤を塗布して銅箔と樹脂基板との接着性を向上させる方法も提案されている(特公平2−19994号公報、特開昭63−183178号公報、特開平2−26097号公報)。

発明が解決しようとする課題

0003

しかし、最近プリント回路が緻密化しているので、使用されるプリント回路等銅箔に要求される特性はますますきびしくなっている。本発明はかかる現状に鑑み、銅をはじめ各種の金属や高分子材料等の有機材料セラミック等の無機材料等の表面に対して優れた接着性をもって被膜を形成し、該表面に顕著な撥水性撥油性潤滑性防錆性および抗菌性を付与することができる優れた表面処理剤として有効な新規化合物及びその重合体を提供すること、さらにそれを用いた表面処理剤を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0004

本発明者は、鋭意検討した結果、フッ素を含む特定の一群のチアベンダゾール誘導体によって上記の課題を解決しうることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、
(i)下記一般式(1)で表される新規チアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体。

0005

0006

〔式中、R1は下記一般式(2)で表わされる基を示し、下記一般式(2)中のR3はフッ素又はトリフルオロメチル基を示し、nは1〜15の整数である。又、式中R2は下記一般式(3)で表わされる基を示す。〕

0007

0008

(ii)下記一般式(4)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体と下記式(5)で表わされるメタクリルイソシアネート化合物とを反応させる前記(i)記載のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体の製造方法。

0009

0010

(式中、R1は下記一般式(2)で表わされる基を示し、下記一般式(2)中のR3はフッ素又はトリフルオロメチル基を示し、nは1〜15の整数である。)

0011

0012

(iii)前記(i)に記載の一般式(1)で表わされたチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体の少なくとも一種を有効成分とすることを特徴とする表面処理剤、
(iv)下記一般式(6)で表される繰返し単位を有するチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体の重合体。

0013

0014

〔式中、R1は一般式(1)におけるR1と同義
(v)前記(iv)に記載の重合体の少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする表面処理剤、をその要旨とするものである。

0015

上記一般式(2)において、nは1〜15の整数であるが、好ましくは5〜12、特に好ましくは7〜9の整数を示す。nが0であると撥水性、撥油性を示さず、nが15を超えると溶剤への溶解性が低下する。本発明の前記一般式(1)で表わされる新規なチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体として特に好ましいものを以下に挙げる。

0016

0017

0018

本発明の一般式(1)で表わされるチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体は、一般式(4)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体と式(5)で表わされるメタクリルイソシアネート化合物とを40〜100℃で反応させることにより容易に製造することができる。

0019

0020

(各記号は前記と同じ)
前記一般式(4)で表わされる化合物としては、例えば

0021

0022

などが好ましい。

0023

一般式(4)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体とメタクリルイソシアネート化合物との反応は、反応溶媒として酢酸エチル等を用い、一般式(4)のチアベンダゾールフッ素誘導体1モルに対して1〜2モルのメタクリルイソシアネート化合物を反応させるのが好ましい。反応時間は30分〜100時間程度である。この反応には触媒を用いることが好ましく、これにより反応を促進することができる。このような触媒としては例えばジブチルスズジラウレート等がある。また、一般式(4)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体は、本発明者らによって本件と同日付で出願した明細書(整理番号:KD070616A6号)に開示されているように、チアベンダゾールと下記一般式(7)で表わされる1,2−エポキシプロパン化合物とを100〜150℃で反応させることにより容易に製造できる。

0024

0025

(式中のR1は前記と同じ)
上記一般式(7)で表わされる1,2−エポキシプロパン化合物としては、3−パーフルオロオクチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロノニル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−8−メチルノニル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−10−メチルウンデシル)−1,2−エポキシプロパン等が好ましい。

0026

上記チアベンダゾールと1,2−エポキシプロパン化合物との反応は、反応溶媒としてジメチルホルムアミドジメチルアセトアミド等を用いてベンズイミダゾールに対して0.1〜1.0モルの1,2−エポキシプロパン化合物を滴下させながら行うとよく、反応時間は10分〜7時間程度、反応温度は100〜150℃程度である。本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体は、金属の表面処理剤として好適である。金属表面上に形成された本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体の被膜は以下に説明するようにテフロン級の顕著な撥水性、及び撥油性を示し、該金属表面の防錆性を著しく向上することができる。

0027

この他、本発明の表面処理剤は、金属表面に限らず、セラミックス、高分子材料などの有機材料や無機材料等の各種の基材に塗布されてもその基材に同様に撥水性、撥油性、潤滑性、抗菌性を付与することができる。又、エポキシ樹脂などの合成樹脂に添加することにより、その樹脂に対しても同様に撥水性、撥油性、潤滑性、抗菌性を付与することができる。さらに本発明は、チアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体のホモ重合体、また他の重合性ビニルモノマーとの共重合体包含している。本発明の重合体は、前記の一般式(6)を繰返し単位として有する実質線状の重合体である。本発明の重合体としてとくに好ましいものとしては、前述のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体として好ましい化合物をモノマーとするものを挙げることができる。また、一般式(6)においてPは5〜100000である。この重合体もまた、本発明のモノマーと同様に金属、セラミックス、高分子材料などの各種基材に塗布されて、その基材に撥水性、撥油性、潤滑性、抗菌性を付与することができる。

0028

本発明の重合体は、上記のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体の重合及び必要に応じて他の重合性ビニルモノマーとの共重合により製造することができる。この重合にはラジカル重合アニオン重合カチオン重合配位重合等の一般的な重合方法を採用することができる。しかし、アゾビスイソブチロニトリルクメンヒドロパーオキサイドジターシャリーブチルパーオキサイド等の開始剤を用いてラジカル重合する方法が簡便で好ましい。また、これらの重合物および共重合物再沈殿等の既知の手段により精製される。他の重合性化合物としてはとくに制限はなく、ビニル基アクリル基メタクリル基等を有する化合物であれば本発明の効果を十分発揮する。また、数種類コモノマーを使用することもできる。特にコモノマーとして水酸基を有する、例えばヒドロキシエチルメタクリレートを用い、さらに硬化剤としてポリイソシアネートを使用した場合、得られる表面処理剤被膜は強固なものとなり得る。

0029

本発明の表面処理剤を金属の表面処理剤として用いる場合についてさらに述べると、その対象金属には特に制限はない。例えば銅、アルミニウム、鉄及びこれらの合金等の表面処理剤として有効である。しかし、銅及び銅合金の表面処理剤として用いることがより好適であり、特にはプリント回路用銅張積層板等に用いられる銅箔の表面処理剤として用いる場合に本発明の効果を十分に発揮することができる。この銅箔には銅箔の表面を粗面化処理したもの、銅箔に黄銅層形成処理したもの、クロメート処理したもの、亜鉛−クロム基混合物被覆処理したもの等も包含される。本発明の表面処理剤において上記チアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体およびその重合体は、少なくともその一種をメタノールエタノール等のアルコール類や酢酸エチル等の溶剤で0.001〜20重量%になるように希釈し、この液に金属を浸漬させる方法で塗布することが簡便で好ましい。0.001重量%未満では所望の撥水・撥油性等を得ることはできず、また20重量%を超えるとその効果はほぼ飽和し、経済的な観点から好ましくない。なお、このチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体およびその重合体は単独で用いてもよいが、他の防錆剤、あるいはカップリング剤等と混合して用いてもよい。

0030

実施例1
チアベンダゾールフッ素誘導体の合成1
(チアベンダゾールと3−パーフルオロデシル−1,2−エポキシプロパンとの反応より下記式(4−1)で表わされる化合物の合成)

0031

0032

チアベンダゾール60.9g(0.3mol)をジメチルホルムアミド600mlに加熱溶解し145℃まで加熱した。滴下ロートより、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキシプロパン34.56g(0.06mol)を160mlの加熱したジメチルホルムアミドに溶解したものを30分かけて加えた。滴下終了後、さらに100時間反応を続けた。反応混合物は黒褐色の溶液となった。その後、混合物を室温まで冷却し、析出物ガラスフィルターで取り、熱ジメチルホルムアミドで数回洗浄し精製された。得られた精製物減圧乾燥器で85℃にて乾燥された。収量は15.08g(収率32.3%)であり、上記式(4−1)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体を白色の粉末として得た〔なお、この化合物の同定資料については本件と同日付の特許出願(整理番号:KD070616A6)の実施例1を参照〕。

0033

チアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体(1−1)の合成
〔上記のようにして得られた下記式(4−1)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体と下記式(5−1)で表わされる2−イソシアネートエチルメタクリレートとの反応より下記式(1−1)で表わされる化合物の合成〕

0034

0035

上記式(4−1)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体5.23g(4.16×10-3mol)と上記式(5−1)で表わされる2−イソシアネートエチルメタクリレート1.28g(8.32×10-3mol)を酢酸エチル200mlに溶解した。この溶液に反応触媒としてジブチルスズジラウレートを数滴加え、反応温度76℃で7時間30分反応を行った。反応の完了は高速液体クロマトグラフィーにより反応原料であるチアベンダゾールフッ素誘導体のピークが検出されなくなることにより確認し、上記式(1−1)のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を得た。図1にそのFT−IRを示す。図1に示すように下記の各シグナルが認められた。
νCH:2820〜3090(cm-1)
νC=O:1680〜1770
νCF:1100〜1350
実施例2
電解銅箔(4.5×4.5cm、厚さ70μm)をアセトンで5分間超音波洗浄し、次いで水洗し、3%硫酸水溶液で1分間浸漬酸洗した。その後、水、アセトンの順で洗浄しドライヤーで乾燥した。この電解銅箔の光沢面およびスライドガラスに実施例1で得られた本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を含む反応混合物からなる表面処理剤溶液を用いて500RPMにてスピンコートした。その後、100℃で30分間乾燥してその表面濡れ性協和界面科学製CA−D型接触角測定装置により評価した。評価結果を表1に示す。

0036

0037

*文献値
N.L.Jarvis and W.A.Zisman;Encyclopedia of Chemical Technology vol.9,707L.S.Pemm and E.R.Bowler;Surface andInterface Analysis,vol.3,No.4,161(1981)
比較例1〜3
実施例1で用いた電解銅箔(脱脂酸洗後のもの比較例1)、スライドガラス(比較例2)およびテフロン板(比較例3)を用いて本発明の表面処理剤を使用しないこと以外は実施例1と同様な方法で表面濡れ性を評価した。結果を表2に示す。

0038

0039

前記実施例2と上記比較例とを対比すれば、本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体は、顕著な撥水性、撥油性を示すことがわかる。

0040

実施例3
チアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体(1−2)の合成
(下記式(4−2)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体と下記式(5−1)で表わされる2−イソシアネートエチルメタクリレートとの反応より下記式(1−2)で表わされる化合物の合成)

0041

0042

上記式(4−2)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体1.41g(2.08×10-3mol)と上記式(5−1)で表わされる2−イソシアネートエチルメタクリレート1.28g(8.32×10-3mol)を用い酢酸エチル100mlに溶解した。この溶液に反応触媒としてジブチルスズジラウレートを数滴加え、反応温度76℃で50時間反応を行った。反応の完了は高速液体クロマトグラフィーにより反応原料であるチアベンダゾールフッ素誘導体のピークが検出されなくなることにより確認し、上記式(1−2)のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を得た。図2にそのFT−IRを示す。図2に示すように下記の各シグナルが認められた。
νCH:2820〜3090(cm-1)
νC=O:1680〜1770
νCF:1100〜1350
実施例4
電解銅箔(4.5×4.5cm、厚さ70μm)をアセトンで5分間超音波洗浄し、次いで水洗し、3%硫酸水溶液で1分間浸漬酸洗した。その後、水、アセトンの順で洗浄しドライヤーで乾燥した。この電解銅箔の光沢面に実施例3で得られた本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を含む反応混合物からなる表面処理剤溶液を用いて500RPMにてスピンコートした。その後、100℃で30分間乾燥してその表面濡れ性を協和界面科学製CA−D型の接触角測定装置により評価した。評価結果を表3に示す。

0043

0044

*文献値
N.L.Jarvis and W.A.Zisman;Encyclopedia of Chemical Technology vol.9,707L.S.Pemm and E.R.Bowler;Surface andInterface Analysis,vol.3,No.4,161(1981)
実施例5,6,7
ステンレス板(実施例5)、鋼板(実施例6)およびアルミニウム(実施例7)をアセトンで5分間超音波洗浄し、次いで水洗した。これらの基板に実施例3で得られた本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を含む反応混合物からなる表面処理剤を用いて500RPMにてスピンコートした。その後、100℃で30分間乾燥してその表面濡れ性を協和界面科学製CA−D型の接触角測定装置により評価した。評価結果を表4に示す。

0045

0046

実施例8
電解銅箔(4.5×4.5cm、厚さ70μm)をアセトンで5分間超音波洗浄し、次いで水洗し、3%硫酸水溶液で1分間浸漬酸洗した。その後、水、アセトンの順で洗浄し、ドライヤーで乾燥した。この電解銅箔の光沢面に実施例1及び実施例3で得られた本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を含む反応混合物からなる表面処理剤溶液を用いて500RPMにてスピンコートした。その後、100℃で30分間乾燥した。このように表面処理した銅箔は相対湿度95%、温度80℃の恒温恒湿装置で24時間放置した。この試験前後の表面の色調の変化を目視により評価した。比較として未処理の銅箔を用いた。評価結果を表5に示す。

0047

0048

実施例9
電解銅箔(4.5×4.5cm、厚さ70μm)をアセトンで5分間超音波洗浄し、次いで水洗し、3%硫酸水溶液で1分間浸漬酸洗した。その後、水、アセトンの順で洗浄しドライヤーで乾燥した。この電解銅箔の光沢面に実施例1及び実施例3で得られた本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を含む反応混合物からなる表面処理剤溶液を用いて500RPMにてスピンコートした。その後、100℃で30分間乾燥してその付着性アサヒケカルベンコットで表面をふき取ることにより評価した。なお、評価の指標としては水の接触角を用いた結果を以下に示す。

0049

0050

実施例10
圧延銅板(5.5×5.5cm、厚さ2mm)をアセトンで脱脂し、過酸化水素水/硫酸水溶液で表面をソフトエッチングした。この圧延銅板に実施例1及び実施例3で得られた本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を含む反応混合物からなる表面処理剤溶液を用いて500RPMにてスピンコートした。その後、100℃で30分間乾燥してそのトライポロジー特性をバウデンレーベン試験機により評価した。実験条件を以下に示す。
試験片:φ3.96転がり軸受用鋼
すべり速度:0.23mm/s
ストローク:4.5mm
垂直荷重:400g
温度:室温
評価結果を図3に示す。図3より本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を含む表面処理剤を用いた場合、往復動1000回でも摩擦係数の上昇がほとんどなく、良好な潤滑耐久性を示すことが判る。

0051

実施例11
実施例1にて得た表面処理剤(反応溶媒を留去したもの)1.13g、ヒドロキシエチルメタクリレート1.13g、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート1.13g、イソブチルメタクリレート1.13g、アゾイソブチロニトリル0.16gをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、アルゴン雰囲気で65℃で12時間重合反応を行った。重合終了後、大過剰のヘキサン重合溶液投入し、白色沈殿物濾過して分取した。減圧乾燥後の収量は3.7g(81.9%)であり、重量平均分子量34000(GPCのポリスチレン換算値)の白色粉末であった。図4には共重合体のFT−IRスペクトルを示す。図4に示すように下記の各シグナルが認められた。
νOH:3100〜3700(cm-1)
νCH=2850〜3050
νC=O:1670〜1800
νCF:1100〜1350
実施例12
実施例11で得た共重合体の抗菌性を以下のように評価した。

0052

(1)供試菌株
Trichoderma harzianum
Cladosporium resinae
Asperigillus terreus
Penicillium funiculosum
(2)試験菌液の調整
試験菌株をPDAスラント培地(DIFCO)、25℃、7日間づつ3継代培養した後、滅菌整理食塩水10mlを加え濾過した。得られた菌液菌数105cfu/mlに調整し試験に使用した。
(3)使用培地
滅菌したPG培地(栄研E−MF08)を9mlづつ滅菌試験管に分注し使用した。

0053

(4)抗菌剤共重合体濃度
100,50,25(μg/ml)
注)0.2wt%メタノール溶液滅菌水を用いて所定濃度に調整した。
(5)抗菌性試験
濃度段階薬剤検液1mlをPG培地の入った試験管に入れ、試験菌10μlを接種し、14日間25℃で培養後、菌の発育の発育により判定した。
(6)結果
表7に結果を示す。イミダゾールフッ素誘導体が示す最小成育阻止濃度(MIC)は、T.harzianum,C.resinaeに対して100μg/mlであった。A.terreus、P.funiculosumに対しては効果なかった。

0054

0055

実施例13
実施例11で得た共重合体0.1g、ポリイソシアネート〔武田薬品工業(株)製タケネートD110N〕0.07gを酢酸エチル20mlで溶解し、表面処理溶液とした。この溶液を用いて電解銅箔(実施例2と同様の前処理を施したもの)、およびステンレス板(実施例5と同様の前処理を施したもの)に500rpmにてスピンコートした。その後100℃×45分→120℃×10分→130℃×10分(銅箔)、120℃×45分→130℃×30分→150℃×30分(ステンレス板)という条件で硬化した後、その表面濡れ性を協和界面科学製CA−D型の接触角測定装置により評価した。評価結果を表8に示す。

0056

0057

実施例14
実施例13と同様な方法で表面処理を施した銅箔およびステンレス板について表面処理剤の付着性をアサヒケミカル製ベンコットで表面をふき取ることにより評価した。なお、評価の指標としては水の接触角を用いた結果を以下に示す。

0058

0059

実施例15
実施例13と同様な方法で表面処理した銅箔およびステンレス板について表面処理剤の付着性をサンプルを1時間沸騰水に浸漬後の水の接触角により評価した。

0060

0061

実施例16
チアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体(1−3)の合成
〔下記式(4−3)で表わされるチアベンダールフッ素誘導体と下記式(5−1)で表わされる2−イソシアネートエチルメタクリレートとの反応より下記式(1−3)で表わされる化合物の合成〕

0062

0063

上記式(4−3)で表わされるチアベンダゾールフッ素誘導体1.72g(2.08×10-3mol)と上記式(5−1)で表わされる2−イソシアネートエチルメタクリレート0.64g(4.16×10-3mol)を酢酸エチル100mlに溶解した。この溶液に反応触媒としてジブチルスズジラウレートを数滴加え、反応温度76℃で8時間反応を行った。反応完了は高速液体クロマトグラフィーにより反応原料であるチアベンダゾールフッ素誘導体のピークが検出されなくなることにより確認し、上記式(1−3)のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を得た。図5にそのFT−IRを示す。図5に示すように下記の各シグナルが認められた。
νCH:2820〜3090(cm-1)
νC=O:1680〜1770
νCF:1070〜1350

発明の効果

0064

以上説明したように、本発明の新規チアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体は、金属等の表面に顕著な撥水、撥油性、および抗菌性を付与し、該表面の防錆性、潤滑性を向上することができる。

図面の簡単な説明

0065

図1本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体〔式(1−1)〕のFT−IRスペクトル、
図2本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体〔式(1−2)〕のFT−IRスペクトル、
図3本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体を含む表面処理剤の潤滑性評価
図4本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体の共重合体(実施例11)のFT−IRスペクトル、
図5本発明のチアベンダゾールフッ素メタクリルイソシアネート誘導体〔式(1−3)〕のFT−IRスペクトル。

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