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技術 ポリ乳酸ブロック共重合体、その製造法及びその成型品

出願人 トヨタ自動車株式会社海岸ベルマネジメント株式会社
発明者 松井雅男小関英一
出願日 1995年7月28日 (25年3ヶ月経過) 出願番号 1995-193900
公開日 1997年2月10日 (23年9ヶ月経過) 公開番号 1997-040761
状態 特許登録済
技術分野 ポリエステル、ポリカーボネート
主要キーワード 押し出し水 熱処理下 冷却チップ 本発明ブロック 本発明共重合体 ポリアルキレンカーボネート 融点低下 ジカルボン酸塩化物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年2月10日)のものです。
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図面 (2)

課題

従来、ポリ乳酸は、分子構造が剛直である上に結晶性が高いため成型品が堅くてもろいという課題があった。

解決手段

本発明は、ポリL−乳酸またはポリD−乳酸の実質的ホモポリマーからなる結晶性セグメント(A)と、L−乳酸およびD−乳酸を主成分とする非晶性セグメント(B)とが結合されてなるポリ乳酸ブロック共重合体を製造し、上記課題を解決する。その共重合体の製造は、少なくとも1つの末端水酸基を有するL−乳酸およびD−乳酸を主成分とする非晶性ポリマーに対し、L−ラクチドまたはD−ラクチドを反応させるか、或いは少なくとも1つの末端に水酸基を有するL−乳酸またはD−乳酸の実質的ホモポリマーに対して、L−ラクチド、D−ラクチドまたは/およびLD−ラクチドを反応させることにより行う。

概要

背景

生分解性または自然環境下で分解するポリマーが、環境保護見地から注目されている。なかでもポリ乳酸は、農産物原料としコストおよび性能に優れており、最も実用性が高い生分解性ポリマーとして期待されている。しかしポリ乳酸は、分子構造が剛直である上に結晶性が高いため成型品が堅くもろいという欠点がある。このため共重合によって結晶性を抑制し、柔軟性や靭性を改良することが試みられている。その一つの方法として、L−乳酸とD−乳酸との共重合が考えられる。

概要

従来、ポリ乳酸は、分子構造が剛直である上に結晶性が高いため成型品が堅くてもろいという課題があった。

本発明は、ポリL−乳酸またはポリD−乳酸の実質的ホモポリマーからなる結晶性セグメント(A)と、L−乳酸およびD−乳酸を主成分とする非晶性セグメント(B)とが結合されてなるポリ乳酸ブロック共重合体を製造し、上記課題を解決する。その共重合体の製造は、少なくとも1つの末端水酸基を有するL−乳酸およびD−乳酸を主成分とする非晶性ポリマーに対し、L−ラクチドまたはD−ラクチドを反応させるか、或いは少なくとも1つの末端に水酸基を有するL−乳酸またはD−乳酸の実質的ホモポリマーに対して、L−ラクチド、D−ラクチドまたは/およびLD−ラクチドを反応させることにより行う。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
9件
牽制数
0件

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請求項1

ポリL−乳酸またはポリD−乳酸の実質的ホモポリマーからなる結晶性セグメント(A)と、L−乳酸およびD−乳酸を主成分とする非晶性セグメント(B)とが結合されてなるポリ乳酸ブロック共重合体

請求項2

十分に結晶化または/および配向した状態で、走査型示差熱量計で測定した結晶の融解吸熱量が、ポリマー1gあたり5ジュール以上である、請求項1記載の共重合体

請求項3

(1)少なくとも1つの末端水酸基を有するL−乳酸およびD−乳酸を主成分とする非晶性ポリマーに対し、L−ラクチドまたはD−ラクチドを反応させる、もしくは(2)少なくとも1つの末端に水酸基を有するL−乳酸またはD−乳酸の実質的ホモポリマーに対して、L−ラクチド、D−ラクチドまたは/およびLD−ラクチドを反応させることを特徴とする、請求項1〜2記載の共重合体の製造方法。

請求項4

請求項1〜2記載の共重合体を少なくともその一部に用いた繊維、編物織物、不織布、紙、フェルトロープシートフィルム、棒、筒、板、皿、食器容器、各種部品その他の成型品

技術分野

0001

本発明は、結晶性耐熱性、柔軟性および靭性にすぐれた新規ポリ乳酸ブロック共重合体、その製造方法およびその成型品に関する。

背景技術

0002

生分解性または自然環境下で分解するポリマーが、環境保護見地から注目されている。なかでもポリ乳酸は、農産物原料としコストおよび性能に優れており、最も実用性が高い生分解性ポリマーとして期待されている。しかしポリ乳酸は、分子構造が剛直である上に結晶性が高いため成型品が堅くもろいという欠点がある。このため共重合によって結晶性を抑制し、柔軟性や靭性を改良することが試みられている。その一つの方法として、L−乳酸とD−乳酸との共重合が考えられる。

発明が解決しようとする課題

0003

しかし、これまで行われたL/D−乳酸共重合は、ランダム共重合であり、柔軟性や靭性は改良されるが、結晶性が失われ耐熱性が著しく劣るものしか得られていない。本発明者らは、ポリ乳酸の好ましい結晶性や耐熱性を維持しつつ、柔軟性や靭性を改良するため鋭意研究し、本発明に到達した。

課題を解決するための手段

0004

上記本発明の目的は、ポリL−乳酸またはポリD−乳酸の実質的ホモポリマーからなる結晶性セグメント(A)と、L−乳酸およびD−乳酸を主成分とする非晶性セグメント(B)とが結合されてなる新規ポリ乳酸ブロック共重合体によって達成される。

0005

ここで、セグメントとはポリマー分子鎖の一部分をいう。セグメント(A)を形成するポリL−乳酸またはポリD−乳酸の実質的ホモポリマーは、ポリL−乳酸ホモポリマー、ポリD−乳酸ホモポリマー、およびそれらに融点や結晶性があまり損なわれない程度の少量の他成分が共重合されたものを包含する。例えば、ポリL−乳酸ホモポリマー(融点170〜180℃)に対し2〜3重量%程度のD−乳酸成分を共重合しても、融点の低下はわずか(10℃以下)であり、実質的にホモポリマーとみなす。少量の他成分として、他のエステル結合形成性成分が共重合された場合も同様である。しかし、ポリL−乳酸に対しD−乳酸成分が例えば5%を越えて共重合されると融点低下は20℃以上となり、実質的にホモポリマーとはいえない。このように少量の第二成分の混入でも、製品の耐熱性を損なう傾向があり、できるだけ避けるべきであ。すなわちセグメント(A)は、高純度のものが好ましい。このため、重合原料純度を高めること、重合反応を出来るだけ低温で短時間とし、反応中のラセミ化を防ぐことなどが好ましい。

0006

セグメント(B)を形成するL−乳酸およびD−乳酸を主成分とする非晶性ポリマーは、(1)L/D−乳酸共重合体、および(2)L/D−乳酸共重合体にエステル結合形成性の第三成分(単数または複数)を50重量%以下共重合したもので結晶性でないものをいう。ポリマーが結晶性かどうかは、それを繊維またはフィルムとし、十分延伸および熱処理したのち、走査型示差熱量計(以下DSCと記す)で試験して、結晶融解吸熱ピークが存在するかどうか、あるいは延伸配向した繊維またはフィルムをX線回折試験することにより、容易に判定できる。L/D−乳酸のランダム共重合体の場合、L/D比率が94/6〜6/94、とくに90/10〜10/90程度の範囲が非結晶性であることが多い。

0007

セグメント(A)と(B)との結合形式は、特に限定されない。例えば、1個の(A)と1個の(B)とが結合したAB型、1個の(A)に2個の(B)が結合したBAB型、その逆のABA型、複数の(A)と複数の(B)とが結合した例えばABABA型など任意である。しかし製造の容易性、物性(結晶性や耐熱性)に優れる点から、AB型、ABA型、BAB型が好ましい。

0008

セグメント(A)と(B)との結合は、エステル結合が最も広く用いられるが、その他の「継ぎ手」で結合されていてもよい。例えば、共に末端水酸基を有するセグメント(A)用のポリマーとセグメント(B)用のポリマーとに、ジカルボン酸無水物ジカルボン酸塩化物を反応させて、両者を結合することができる。同様に、ジイソシアネート化合物を反応させて、両者を結合することができる。すなわち、「継ぎ手」としてエステル結合、ウレタン結合ウレア結合アミド結合カーボネート結合その他の周知の化学結合を応用することが出来る。

0009

セグメント(A)および(B)の分子量は、特に限定されない。セグメント(A)と(B)との重量比率や目的とする物性によってそれぞれの分子量を選べば良い。しかし一般に余り分子量の小さいものは、ブロック(セグメント)共重合体の特長が不十分で、好ましくない。セグメントの分子量は、2000以上、特に5000以上が好ましく、多くの場合10000〜300000、特に30000〜200000が広く用いられる。

0010

セグメント(A)と(B)との重量比率は、それぞれあまりに小さいと効果が乏しく、例えば重量比A/Bが20/80〜85/15程度の範囲、とくに30/70〜80/20の範囲が好ましく、40/60〜75/25の範囲が最も広く用いられる。セグメント(A)は、いわばハードセグメントであり、それが多いほど融点や軟化点が高く耐熱性にすぐれ、逆にソフトセグメントであるセグメント(B)が多いほど柔軟性、耐衝撃性弾性回復性などに優れる。従来のランダム共重合では、共重合の比率の広い範囲で、共重合物は非結晶性となり耐熱性が著しく劣るが、本発明によって結晶性で耐熱性の改善されたものが得られる。本発明の共重合体の分子量は、特に限定されないが、多くの場合、50000以上が好ましく、80000以上が特に好ましく、100000〜300000の範囲が最も広く用いられる。好ましい分子構造の若干の例をあげると、セグメント(A)として分子量150000のポリL−乳酸(ホモポリマー)、セグメント(B)として分子量50000のL−乳酸/D−乳酸の90/10ランダム共重合体を成分とするAB型ブロック共重合体(分子量200000)、同じくBAB型(分子量250000)、同じく分子量10万のAと5万のBとのABA型(分子量25万)などがある。本発明の共重合体は、すべての分子の分子構造(ブロック共重合の構造)が同一である必要はなく、色々な分子構造のものの集合体でもよい。実際の重合工程では、統計的バラツキにより色々な分子の集合体(例えばガウス分布したもの)が得られる。しかし、各ブロック(セグメント)の成分や分子量は平均値で代表させることが出来、実際上それで十分である。

0011

図1は、ポリL−乳酸とポリD−乳酸の共重合比率と融点の関係を示す説明図である。図において、曲線1は本発明によるブロック共重合体の例を示し、曲線2はランダム共重合体の例を示す。ランダム共重合においては、ホモポリマーに5〜6%の光学異性体が共重合することにより結晶性が失われ、融点は不明確となる。曲線2の実線はDSC法で結晶の融点が観測される領域を示し、点線はDSC法では融点が観測されず、ポリマーが軟化流動開始する温度を示す。勿論この流動開始点は、ポリマーの分子量によっても変わるので、一義的に示すことは不可能で、図は一例を示すにすぎない。同じく、ブロック共重合体の融点も、セグメントの分子構造や分子量、セグメントとセグメントとの結合方式、分子全体の分子量などによって変わるので、曲線1は一例を示すに過ぎない。しかし、本発明によるブロック共重合体においては、L/D比率のすべての領域にわたり結晶性や融点を保つことが可能であり、その結果ランダム共重合体よりも高い融点や耐熱性が得られる点で、ランダム共重合とは本質的且つ明瞭に異なることが理解されよう。

0012

前述のように、本発明ブロック共重合体を構成する非晶性セグメント(B)は、その50重量%以下の範囲内で、乳酸以外のポリエステル用その他の重合原料(構成成分)を共重合することが出来る。共重合の目的は、親水性撥水性染色性酸化防止性、柔軟性、弾性回復性、耐衝撃性、耐熱性、ガスバリア性ガラス転移温度分解性平滑性離型性成型性などの改良、コストダウンなどである。共重合可能な成分または原料の例としては、(1)グリコール酸ヒドロキシブチルカルボン酸ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシ酸、(2)グリコリドブチロラクトンカプロラクトンなどの脂肪族ラクトン、(3)エチレングリコールプロピレングリコールブタンジオールヘキサンジオールなど炭素数2〜20のジオール、(3)コハク酸アジピン酸セバシン酸デカンジカルボン酸フタル酸イソフタル酸スルホイソフタル酸アルカリ金属塩)、テレフタル酸ナフタレンジカルボン酸など脂肪族および芳香族ジカルボン酸、更に分子末端に水酸基をもつポリマー又はオリゴマーとして、(4)ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレンエーテルなどのポリアルキレンエーテルおよびそれらの共重合体やオリゴマー、(5)ポリヘキサンカーボネートオクタンカーボネートなどのポリアルキレンカーボネート、(6)ジメチルシロキサンジエチルシロキサンジフェニルシロキサンなどのポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。

0013

例えば、親水性や分解性改良にはスルホン基エーテル結合を持つもの、撥水性改良にはシリコン化合物、柔軟性や靭性などの改良にはガラス転移点常温以下の化合物ポリアルキレンラクタム、ポリアルキレンアルキレート、ポリアルキレンエーテル、ポリアルキレンカーボネートなど)、耐熱性の改良にはガラス転移点が高いもの(芳香族化合物など)の共重合が効果的である。

0014

本発明のブロック共重合体は、結晶性であり非晶性のものよりも耐熱性に優れることが特徴である。結晶性の程度は、前述のようにDSC分析によって評価出来る。DSC分析で結晶の融解(溶融吸熱量が大きいほど、結晶性が高い。本発明の目的に沿うためには、ブロック共重合物の結晶の溶融吸熱量は、5ジュール(J)/g以上が好ましく、10J/g以上が特に好ましく、15J/g以上が最も好ましい。なおポリL−乳酸ホモポリマーの結晶の溶融吸熱量は40〜50J/g程度、融点(ピーク値)は170〜180℃程度である。本発明ブロック共重合体の融点は、130℃以上が好ましく、140℃以上が特に好ましく、150℃以上が最も広く用いられる。

0015

一般にポリ乳酸は、乳酸の直接重合(脱水縮合)、乳酸エステルメチルエステルエチルエステルなど)の縮合脱アルコール)、および乳酸の環状2量体であるラクチド開環重合によって重合される。本発明の共重合体は、ラクチドの開環重合によって容易に得られる。乳酸の直接重合(脱水縮合)や乳酸エステルの縮合法では、ランダム共重合が起こりやすく、ブロック共重合は極めて困難であることが多い。ラクチドにはL−乳酸の2量体であるLL−ラクチド(L−ラクチドと記す)、D乳酸の2量体であるDD−ラクチド(D−ラクチドと記す)、L−乳酸とD−乳酸とを成分とするL/D−ラクチド(メソラクチドともいう)の3種類がある。結晶性セグメント(A)の重合には、L−ラクチドまたはD−ラクチドを用いることが好ましく、非晶性セグメント(B)の重合には上記3種のラクチドを混合して目的のL/D比率のものを重合することができる。

0016

本発明のブロック共重合体は、はじめに(1)結晶性のポリL−乳酸の実質的ホモポリマーまたはポリD−乳酸の実質的ホモポリマーすなわちセグメント(A)を形成するポリマーを製造し、それに対して(2)L−ラクチド、D−ラクチドL/Dラクチドおよび必要に応じてその他のエステル結合形成性原料を混合、反応させて非晶性セグメント(B)を形成させる2工程法で得ることが出来る。このためには、第一工程で製造するセグメント(A)形成ポリマーの一方または両方の分子末端は水酸基であることが必要である。そのようなポリ乳酸ホモポリマーは、重合開始剤としてモノアルコールまたは多価アルコール(例えばジオールやトリオール)を用いて得ることが出来る。

0017

同様に本発明のブロック共重合体は、はじめに(1)L−ラクチド(またはL−乳酸)、D−ラクチド(またはD−乳酸)、L/Dラクチドおよび必要に応じてその他のエステル結合形成性原料を混合し反応(重合)させてセグメント(B)を形成する非晶性ポリマーを製造し、それに対して(2)L−ラクチドまたはD−ラクチドを反応(重合)させて結晶性セグメント(A)を形成することにより、製造することも出来る。この場合も、第一工程で製造するポリマーの分子末端(一方または両方)に水酸基を導入するため、モノアルコールまたは多価アルコールを用いることが出来る。この二つの方法では、かなり正確にAB型、ABA型またはBAB型のブロック共重合体を製造することが出来る。上記二つの工程は、それぞれ連続的または/およびバッチ的に行うことが出来る。

0018

本発明のブロック共重合体の別の製造法としては、はじめに(1)一方または両方の分子末端に水酸基(または他の官能基)を持つ結晶性セグメント(A)用のポリマーと、非晶性セグメント(B)用のポリマーの双方を作り、(2)それらにジイソシアネート、ジカルボン酸無水物またはジカルボン酸ハロゲン化物ジカルボン酸などの多官能性化合物を反応させて、セグメント(A)と(B)とを、多官能性化合物を継ぎ手として、結合する方法がある。この方法ではAB型、ABA型、BAB型の他、ABAB、ABABA、BABABその他様々な型や、様々の型が混合されたものも製造することが出来る。この方法も、連続的または/およびバッチ的に行うことが出来る。

0019

本発明のブロック共重合体には、使用目的に応じて副次添加剤として、安定剤、酸化防止剤紫外線吸収剤顔料着色剤、各種無機粒子、各種フィラー撥水剤親水剤離型剤可塑剤生理活性剤抗菌剤防腐剤などを添加することができる。本発明のブロック共重合体は、繊維、シート、フィルム、板、棒、筒、容器その他各種の成型品などの用途に好適に応用出来る。

0020

以下の実施例において、%、部は特に断らない限り重量比である。脂肪族ポリエステルの分子量は、試料の0.1%クロロホルム溶液のGPC分析において、分子量1000以下の成分を除く高分子成分の分散の重量平均値である。DSC分析は、試料10mg、窒素雰囲気中、昇温速度10℃/minで行った。また、衝撃強度は、試料ポリマー射出成型法により切り欠付き試験片を作成し、JIS K7110アイゾット衝撃試験法により測定した。

0021

(実施例1)光学純度99.5%以上のL−ラクチド100部、それに対して重合触媒としてオクチル酸錫100ppm、重合開始剤としてオクチルアルコール0.07部、酸化防止剤としてチバガイギーイルガノックス1010を0.1部を加えて、攪拌装置付きの反応容器中で、窒素雰囲気下、185℃で12分間反応させて、プレポリマーPP1を得た。プレポリマーPP1は、分子量156000で、片末端の殆どが水酸基のポリ乳酸ホモポリマー(結晶性)である。

0022

プレポリマーPP1とほぼ同様にして、但し重合開始剤としてトリエチレングリコール0.07%を用いて、プレポリマーPP2を得た。プレポリマーPP2は、殆どの両末端が水酸基、分子量162000のポリ乳酸ホモポリマー(結晶性)である。

0023

直径30mmの2軸混練押出機に、溶融したプレポリマーPP1と、L−ラクチドとD−ラクチドの8/2混合物とを、重量比70/30で連続供給し、同時にラクチドに対して重合触媒オクチル酸錫100ppmを添加し、190℃で平均7分間重合した。重合後、ノズルより押し出し水で冷却したのち切断してチップとし、乾燥後140℃の窒素中で6時間処理(固相重合)してブロック共重合体BP1を得た。BP1は、分子量223000、分子量156000のポリL−乳酸(結晶性)セグメント(A)と、分子量67000のポリL/D−共重合乳酸(非晶性)セグメント(B)とのAB型ブロック共重合体である。

0024

ブロック共重合体BP1とほぼ同様にして、但しプレポリマーPP2を用いて、ブロック共重合体BP2を得た。BP2は、分子量216000、分子量156000のポリL−(結晶性)乳酸セグメント(A)と、分子量30000のポリL/D共重合乳酸(非晶性)セグメント(B)とのBAB型ブロック共重合体である。

0025

比較のため、プレポリマーPP1とほぼ同様にして但し重合開始剤を用いないで重合した後、チップ状で固相重合して得た分子量235000のポリL−乳酸ホモポリマーをHP1とする。またそれぞれ光学純度99.5%以上のL−ラクチドとDラクチドの8/2の混合物を用い、重合開始剤を用いないで、以下プレポリマーPP1と同様に重合した後、チップ状で固相重合して得た分子量228000のポリL/D−乳酸共重合体をポリマーAP1とする。

0026

各ポリマーの融点、融解吸熱量、衝撃強度を表1に示す。なお、ポリマーAP1は、非晶性で融点はDSC法では不明瞭であるため、軟化温度を示す。表1に見るように、本発明のポリマーBP1およびBP2は、融点および融解吸熱量が高く結晶性に優れ、しかも耐衝撃性に優れている。他方、ポリL−乳酸ホモポリマーHP1は結晶性に優れるが、耐衝撃性に劣り、ポリL/D−乳酸共重合体AP1は耐衝撃性に優れるが耐熱性に劣ることが明らかである。

0027

ID=000003HE=040 WI=106 LX=0520 LY=1200
(実施例2)実施例1のプレポリマーPP2とほぼ同様にして、但し重合開始剤を0.12%添加して得た分子量107000の結晶性ポリマーをプレポリマーPP3とする。実施例1のプレポリマーPP2と同様にして、但し光学純度99.5%以上のL−ラクチド80部、光学純度99.5%以上のD−ラクチド20部、トリエチレングリコール0.17%とを用いて、分子量72000の非晶性プレポリマーPP4を得た。プレポリマーPP3を107部、PP4を72部、テレフタル酸ジクロライド0.36部を混合し、実施例1と同じ2軸混練押出機を用い190℃で6分間反応させた後ノズルより押し出し冷却チップ化し、140℃の窒素中で4時間熱処理下後、水を3%含むアセトン洗浄後乾燥して、ブロック共重合体BP3を得た。BP3の分子量は252000で、AB型、ABA型、BAB型、ABAB型などの混合物と推測される。

0028

両末端が水酸基で分子量20000のポリヘキサンアジペートと、同じく両末端が水酸基で分子量20000のポリブチレンアジペートの1/1混合物30部、光学純度99.5%以上のL−ラクチド50部および光学純度99.5%以上のD−ラクチド20部に対してオクチル酸錫100ppmを混合し、以下実施例1のプレポリマーPP1と同様に重合してプレポリマーPP5を得た。プレポリマーPP5は分子量63000で両末端が水酸基である。

0029

溶融したプレポリマーPP5とL−ラクチドとを、重量比1/2で2軸混練押出機に連続供給し、同時にラクチドに対してオクチル酸錫を100ppm添加し、以下実施例1のブロック共重体BP1と同様にしてブロック共重体BP4を得た。BP4は、分子量は187000で、ポリブチレン/ヘキサンアジペート成分を含む非晶性セグメント(B)とポリL−乳酸からなる結晶性セグメント(A)とのABA型ブロック共重合体である。BP3およびBP4の物性を表2に示す。表2に見るように、BP3およびBP4はすぐれた結晶性および耐衝撃性を持っている。とくにBP4は耐衝撃性に優れるが、これはガラス転移点の低いポリブチレンアジペートとポリヘキサンアジペート成分を含むためである。

0030

発明の効果

0031

本発明によって、耐熱性や結晶性の低下を抑制しつつ、硬く脆いというポリ乳酸ホモポリマーの欠点が効果的に改善され、強靭性と耐熱性を兼ね備えるため色々な用途に好適な新規自然分解性ポリマーが提供可能となった。本発明のブロック共重合体は、ランダム共重合体に比べ結晶性や耐熱性が高く、更にハードセグメントとソフトセグメントの2つの相を持つことにより、ゴム弾性的な性質発現し、柔軟性、強靭性、弾性回復率の優れたものを得ることが出来る。また本発明共重合体は、ホモポリマーよりも分解速度が早い傾向があり、ホモポリマーでは分解速度が遅すぎる用途にも、好適である。同様に、本発明共重合体は、ホモポリマーよりも溶剤に溶解し易く、溶剤法によるフィルムの製造や布などへのコーティングが容易である。更に、本発明の共重合ポリマーは、結晶性および非晶性の各セグメントの分子量や重量比率を変更することにより、非常に広範囲に性質を変化させることが可能であり、用途範囲が極めて広いという特色がある。

0032

本発明のポリマーは、繊維、編物織物、不織布、紙、網、ロープ、シート、フィルム、板、棒、チューブ、容器、袋、皿、食器、各種部品、その他各種成型品に用いることが出来る。

図面の簡単な説明

0033

図1ポリL/D−乳酸共重合物のL/D比率と融点の関係の一例を示す説明図である。

--

0034

1:本発明のブロック共重合体のL/D比率と融点の関係の一例
2:従来のランダム共重合体のL/D比率と融点の関係の一例

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