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技術 窒化ガリウム結晶の製造方法

出願人 日立電線株式会社
発明者 中園隆一坂口春典海野恒弘隈彰二
出願日 1995年7月27日 (26年5ヶ月経過) 出願番号 1995-191492
公開日 1997年2月10日 (24年10ヶ月経過) 公開番号 1997-040490
状態 特許登録済
技術分野 気相からの単結晶成長 結晶、結晶のための後処理 発光ダイオード LED素子(パッケージ以外)
主要キーワード 成長プログラム 前処理過程 水素キャリア 両ウェハ 冷却熱処理 インジケータランプ ppm濃度 結晶冷却
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この項目の情報は公開日時点(1997年2月10日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

成長プロセス終了後アニールしなくてもp型不純物活性化を可能とする。

解決手段

水素ガス雰囲気化でNH3 とTMAまたはTMGによりサファイア基板上にAlNまたはGaNのバッファ層を設け、その上にNH3 とTMGによりpn接合をもつGaNのエピタキシャル成長を行なう。pn接合を形成するためのドープ不純物には、n型としてはSiH4 を、p型にはCp2 Mgを用いる。GaN結晶成膜を水素ガス雰囲気で行なった後の冷却過程で、1000℃以下の温度域における雰囲気窒素ガスのみか、あるいは窒素ガスの割合が70%〜100%未満の窒素ガスと水素ガス混合ガスを使用する。

概要

背景

低消費電力で長寿命発光素子である発光ダイオードは、インジケータランプ警告表示公告表示などに広く用いられている。現在、実用化されている発光ダイオードの発光色は、赤色、橙色、黄色、緑色である。赤・緑・青の光の三原色のうち、青色だけが実用化されていない。青色発光ダイオードが実用化できればフルカラー表示が可能となり、情報表示多彩に行なうことができる。

青色を発光させるためには、広い禁制帯幅をもつ半導体結晶が必要であり、そのため、窒化ガリウム(GaN)、SiC、ZnSe等の広い禁制帯幅の半導体結晶について開発が進められている。なかでも、GaNは直接遷移型であるため、高い発光効率が期待されている。

発光ダイオード用GaNエピタキシャルウェハの構造は、基板サファイアを、その上に窒化アルミニウム(AlN)やGaNのバッファ層を設け、さらにその上に、n型GaN、p型GaNのエピタキシャル層成長させた構造となっている。

これらのエピタキシャル層の成長には、水素ガスキャリアガスとして、有機金属ガスであるトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、及びアンモニア(NH3 )ガスを用いて行なう。ドープ不純物には、n型としてはシラン(SiH4 )をp型にはビスシクロペンタディエニルマグネシウム(Cp2 Mg)を用いる。成長過程冷却過程とも水素雰囲気で行なわれる。

概要

成長プロセス終了後アニールしなくてもp型不純物活性化を可能とする。

水素ガス雰囲気化でNH3 とTMAまたはTMGによりサファイア基板上にAlNまたはGaNのバッファ層を設け、その上にNH3 とTMGによりpn接合をもつGaNのエピタキシャル成長を行なう。pn接合を形成するためのドープ不純物には、n型としてはSiH4 を、p型にはCp2 Mgを用いる。GaN結晶成膜を水素ガス雰囲気で行なった後の冷却過程で、1000℃以下の温度域における雰囲気窒素ガスのみか、あるいは窒素ガスの割合が70%〜100%未満の窒素ガスと水素ガスの混合ガスを使用する。

目的

本発明の目的は、前記した従来技術の欠点を解消し、成長プロセスだけでp型不純物の活性化を大幅に高めることができる新規なGaN結晶の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
6件

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請求項1

窒化ガリウム結晶原料となる有機金属及びアンモニアを用いた気相成長法によってpn接合をもつ窒化ガリウム結晶を製造する方法おいて、窒化ガリウム成膜水素ガス雰囲気において行なった後の冷却過程の内、1000℃以下の温度域における雰囲気として窒素ガスのみを使用することを特徴とする窒化ガリウム結晶の製造方法。

請求項2

請求項1に記載の窒化ガリウム結晶の製造方法において、上記窒素ガスのみを使用することに代えて、窒素ガスの割合が70%〜100%未満である窒素ガスと水素ガスからなる混合ガスを使用することを特徴とする窒化ガリウム結晶の製造方法。

技術分野

0001

本発明は窒化ガリウム結晶の製造方法に係り、特にp型不純物活性化するための熱処理方法を改善したものに関する。

背景技術

0002

低消費電力で長寿命発光素子である発光ダイオードは、インジケータランプ警告表示公告表示などに広く用いられている。現在、実用化されている発光ダイオードの発光色は、赤色、橙色、黄色、緑色である。赤・緑・青の光の三原色のうち、青色だけが実用化されていない。青色発光ダイオードが実用化できればフルカラー表示が可能となり、情報表示多彩に行なうことができる。

0003

青色を発光させるためには、広い禁制帯幅をもつ半導体結晶が必要であり、そのため、窒化ガリウム(GaN)、SiC、ZnSe等の広い禁制帯幅の半導体結晶について開発が進められている。なかでも、GaNは直接遷移型であるため、高い発光効率が期待されている。

0004

発光ダイオード用GaNエピタキシャルウェハの構造は、基板サファイアを、その上に窒化アルミニウム(AlN)やGaNのバッファ層を設け、さらにその上に、n型GaN、p型GaNのエピタキシャル層成長させた構造となっている。

0005

これらのエピタキシャル層の成長には、水素ガスキャリアガスとして、有機金属ガスであるトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、及びアンモニア(NH3 )ガスを用いて行なう。ドープ不純物には、n型としてはシラン(SiH4 )をp型にはビスシクロペンタディエニルマグネシウム(Cp2 Mg)を用いる。成長過程冷却過程とも水素雰囲気で行なわれる。

発明が解決しようとする課題

0006

上述したGaNの成長方法において、p型不純物を十分にドープしてGaN結晶の成長を行なっても、成長後の結晶には、p型キャリアは非常に少なく、結晶は高抵抗を示す。これはp型不純物の活性化が低いためである。

0007

発光ダイオードが高輝度で発光するためには電子正孔が必要であり、正孔はp型不純物が活性化してできる。p型不純物の活性化が低いと輝度が低くなってしまう。

0008

p型不純物を活性化させるために、従来は、成長過程、冷却過程を経て結晶を成長した後、成長装置から結晶を取り出し、電子線照射窒素雰囲気でのアニール処理工程が行なわれている。すなわち、成長プロセス以外にp型不純物を活性化させるためだけの別工程を必要としていた。なお、ここで、成長プロセスとは、成膜過程後の冷却過程までも含めた工程をいう。

0009

本発明の目的は、前記した従来技術の欠点を解消し、成長プロセスだけでp型不純物の活性化を大幅に高めることができる新規なGaN結晶の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明のGaN結晶の製造方法は、GaN結晶の原料となる有機金属及びアンモニアを用いた気相成長法によってpn接合をもつGaN結晶を製造する方法おいて、GaN結晶の成膜水素ガス雰囲気において行なった後の冷却過程の内、1000℃以下の温度域における雰囲気として窒素ガスのみを使用するようにしたものである。

0011

この場合、窒素ガスのみとせずに、窒素ガスと水素ガスからなる混合ガスとしてもよく、そのとき窒素ガスの割合は70%〜100%未満である。

0012

GaN結晶の成長プロセスは、前処理過程、成膜過程、冷却過程の3つの過程を備える。前処理過程は表面処理などを行ない、成膜過程はバッファ層やGaN層エピタキシャル成長させる。冷却過程は、GaN層の成膜に必要な高温成長温度から降温するためにエピタキシャルウェハを冷却する。

0013

GaN結晶の成長を行なうためにサファイア基板を用いる。また、本発明に用いる有機金属は、TMG、TMAなどの有機金属ガスである。水素ガス雰囲気下でNH3 とTMAまたはTMGによりサファイア基板上にAlNまたはGaNのバッファ層を設け、その上にNH3 とTMGによりGaNの成長を行なう。

0014

pn接合を形成するためのドープ不純物には、n型としてはSiH4 を、p型にはCp2 Mgを用いる。成膜過程は水素雰囲気で行なわれるが、冷却過程は窒素ガスのみか、または窒素水素との混合ガス雰囲気とする。これにより、p型不純物の活性化が大幅に高められる。

0015

エピタキシャル成長は、有機金属気相成長法(MOVPE法)で行なうことができる。その場合、縦型炉を使用することもできるが、横型炉を使用することが好ましい。

0016

GaN結晶の成長を水素キャリアにおいて行なった後の冷却過程において、雰囲気として窒素ガスを使用するのは、結晶の温度が1000℃以下の温度になってからとする。1000℃以上の状態では、水素ガスとアンモニアガスを用いる。これは、1000℃以上の状態では、雰囲気が窒素ガスだけでは、GaN結晶からの窒素解離が起きるからである。

0017

成膜後の結晶冷却過程において、雰囲気ガスとして水素ガスではなく、窒素ガスまたは水素との混合ガス(窒素雰囲気等)を使用すると、従来、p型不純物の活性化のために、成長プロセスとは別工程で行なっていた窒素雰囲気下でのアニールと同じ条件が形成される。すなわち、GaN結晶を窒素雰囲気等で冷却熱処理すると、解離されないまま結晶中に取り込まれてp型不純物と結びつき、p型不純物の活性化を抑え込んでいた結晶原料原子の結びつきが解かれて、、結晶中にドープしたp型不純物原子の活性化あるいはp型不純物原子への分解が促進される。その結果、p型不純物の活性化が向上する。

0018

このように本発明によれば、GaN結晶の成長プロセス中にp型活性化のためのアニール処理を組み込んでしまうので、結晶製造工程の簡素化が図れる。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明のGaN結晶の製造方法の実施例を説明するが、ここでは次の3つの特性比較に基づいて説明していく。

0020

(1) p型不純物をドープしたGaNのエピタキシャル成長を行ない、従来技術で処理した従来例の結晶と、本発明方法で処理した実施例の結晶との特性比較をウェハレベルで行なった。また、水素ガスに代えて窒素ガスをキャリアガスとして成長させた比較例の結晶についての特性も併せて評価した。

0021

(2)pn接合を有するGaN結晶のエピタキシャル成長を行ない、従来技術で処理した従来例の結晶と、本発明方法で処理した実施例の結晶とのそれぞれから発光ダイオードを作製し、ダイオードベルの特性比較を行なった。

0022

(3)冷却過程の雰囲気ガスを、窒素のみとせずに、窒素と水素の混合ガスとし、その割合を変えて処理した結晶の特性比較をウェハレベルで行なった。

0023

(ウェハレベルの特性比較)エピタキシャル成長は、有機金属気相成長法(MOVPE法)で行なった。横型炉を使用し、成長圧力は1.3×104 Paで行なった。基板には表面を鏡面仕上げしたサファイア基板を用いた。

0024

図1に示すように、冷却過程の前までは従来例、本実施例とも条件は同じである。成長は、まず、流量10l/minの水素雰囲気下で1125℃でサファイア基板を20分間保持し、表面処理を行なった(前処理過程)。

0025

次に、550℃に降温させた後、25μmol/minのTMA、5l/minのNH3 、および5l/minの水素を3分間流し、AlNのバッファ層を成長させた(バッファ層成膜過程)。

0026

そして、次に、1000℃に昇温し、80μmol/minのTMG、5l/minのNH3 、2nmmol/minのCp2 Mg、および5l/minの水素を20分間流し、p型GaN層を成長させた。GaN層は約1μm成長した(GaN層成膜過程)。

0027

ここで、成膜後の冷却過程では、水素雰囲気のままで冷却する従来技術による従来例の方法と、窒素雰囲気で冷却する本発明による実施例の方法とで、それぞれ別個に処理し、両者の特性比較を行なった。両者の成長プログラム図1に示す。

0028

まず、従来例の方法で冷却した。この冷却過程では、1000℃での成長終了後、直ちに雰囲気ガスを10l/minの水素だけにしてから冷却を開始し、100℃まで冷却した。冷却速度は1000℃から600℃までは0.25℃/秒で、600℃から100℃までは0.75℃/秒で行なった。

0029

次に、本実施例の方法で冷却した。この冷却過程では、1000℃での成長終了後、直ちに雰囲気ガスを10l/minの窒素だけにしてから冷却を開始し、100℃まで冷却した。冷却速度は、従来例と同じく、1000℃から600℃までは0.25℃/秒で、600℃から100℃までは0.75℃/秒で行なった。

0030

この2つの結晶の比抵抗をvan der Pauw法により測定した。その結果を図2に示す。従来例による結晶では106 Ω・cm以上の高比抵抗を示し、成長プロセスのみではp型不純物の活性化が非常に低いことがわかった。一方、本実施例による結晶では成長プロセスのみでも30Ω・cmの低比抵抗を示し、p型不純物の活性化が高いことがわかった。

0031

次に、成膜および冷却をすべて、窒素ガスをキャリアガスとして成長させた比較例により成長させたところ、結晶表面はくもり、結晶は異常成長していた。したがって、窒素ガスのみでの成長は適さないことがわかった。

0032

(発光ダイオードレベルの特性比較)次に、図3に示した青色発光ダイオードチップ製作し、発光出力を比較した。結晶成長は上記したMOVPE法を用いて同様に行なった。すなわち、サファイア基板1上に、AlNバッファ層2を成長した後、n型不純物をドープして層厚2.5μm、キャリア濃度1×1018cm-3のn型GaN層3を成長させ、その上に前述したのと同条件のCp2 Mgをドープしたp型GaN層4を1μm成膜させた。

0033

n型GaN層3はドープ不純物としてSiH4 を用いた。1ppm濃度で10cc/min流した。このときのTMG、NH3 、水素の条件は、Cp2 Mgをドープしたp型GaN層4の場合と同じである。

0034

ここで、成膜後の冷却では、水素雰囲気のままで冷却する従来例の方法と、窒素雰囲気で冷却する本発明による実施例の方法とで、それぞれ別個に処理してGaNエピタキシャルウェハを得た。

0035

両ウェハに所定のプロセス(エッチング等)を施し、電極5を取り付けて図3発光ダイオードチップを製作した。

0036

製作した各チップ電流を20mA流し、発光出力を測定した。従来例の方法で冷却したウェハから製作した発光ダイオードチップの発光出力は25μWであったが、本実施例の方法で冷却したウェハから製作した発光ダイオードチップの発光出力は200μWと8倍高い値であった。本実施例で作製した結晶の方が高い発光出力が得られることが確かめられた。

0037

(窒素と水素の割合を変えたときのウェハレベルの特性比較)上記の実施例においては、冷却過程の雰囲気ガスが窒素のみの場合で、p型不純物の活性化が高くなることが確かめられた。次に冷却過程の雰囲気ガスが窒素と水素の混合ガスの場合について調べてみよう。

0038

p型不純物をドープしたGaN層のエピタキシャル成長を行ない、冷却過程を窒素と水素の混合ガスで行なった。そして、結晶の特性評価をした。成長方法は、ウェハレベルでの実施例と同様である。冷却過程の冷却速度も同様とした。冷却過程の窒素と水素の混合ガスの流量は全体で10l/minとした。そして、窒素と水素の割合を変えて冷却し、結晶の比抵抗を調べた。図4にその結果を示す。

0039

窒素の割合が70%から100%の場合、比抵抗が30Ω・cmから60Ω・cmとなったが、窒素の割合が70%より低い場合には106 Ω・cm以上の高抵抗を示した。これよりp型不純物を活性化させる上で、成長後の冷却過程で、雰囲気ガスとして窒素の割合が70%から100%の窒素と水素の混合ガスで効果があることがわかった。

0040

(1) 請求項1に記載の発明によれば、冷却過程を窒素ガス雰囲気で行なうようにしたので、1回の成長プロセスでGaN結晶にドープしたp型不純物の活性化を高めることができ、成長プロセスとは別に活性化の工程を設ける必要がない。その結果、工程の簡素化が図れてGaN結晶を安価に製造することができる。

0041

(2) 請求項2に記載の発明によれば、特定割合の窒素ガスと水素ガスの混合ガスによっても(1) と同様の効果を発揮できる。

図面の簡単な説明

0042

図1本発明の実施例と従来例の冷却過程を含む成長プロセスの温度、ガス流量プログラム図。
図2本実施例と従来例の方法から得た結晶の比抵抗を示す比較図。
図3本実施例と従来例の発光ダイオードの発光出力特性を比較するために製作した発光ダイオードチップの断面図。
図4本発明の他の実施例での冷却過程における混合ガスの窒素の割合と結晶の比抵抗の関係を示す図。

--

0043

1サファイア基板
2AlNバッファ層
3 n型GaN層
4 p型GaN層
5 電極

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