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技術 接着性が優れたアルミニウム陽極処理材の製造方法

出願人 神鋼アルコア輸送機材株式会社
発明者 豊瀬喜久郎俵真前園俊一郎
出願日 1995年7月20日 (25年4ヶ月経過) 出願番号 1995-183880
公開日 1997年2月4日 (23年9ヶ月経過) 公開番号 1997-031689
状態 未査定
技術分野 表面反応による電解被覆
主要キーワード 陽極皮膜 自動車フード アルミニウムハニカム アルミニウム材同士 重量ppm含有 封孔処理液 所定成分 陽極処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年2月4日)のものです。
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目的

陽極処理皮膜微細孔が自然封孔により経時変化することを抑制でき、長期間保管しておいても接着性が低下することを防止できる接着性が優れたアルミニウム陽極処理材の製造方法を提供する。

構成

先ず、アルミニウム材に陽極処理を施し、厚さが3乃至10μmの皮膜を形成する。その後、炭酸イオン及び硫酸イオンがいずれも15〜35重量ppm含有され、電気伝導度が50〜200μS/cm、温度が80℃以上である処理浴により、1〜20分間処理する。

概要

背景

アルミニウム材アルミニウム又はアルミニウム合金)は、工業材料として最も使用量が多い鋼に比べて、軽量であることは勿論のこと、耐食性熱伝導性及び成形性について優れた特質を有する。このため、アルミニウム材は、電気建設建材)及び自動車(車両)分野等において広く使用されており、その使用量は拡大傾向にある。

アルミニウム材の使用の一例として、アルミニウム材同士、アルミニウム材及び鋼材、アルミニウム材及び銅材接着させた接着材が各産業分野において使用されている。具体的には、アルミニウム材同士を接着して、航空機用アルミニウムハニカムを作製したり、自動車フードヘム部に利用している。また、アルミニウム板及び銅板を接着して、金属ベースの積層基盤等を作製している。

更に、高度な信頼性が要求される航空機の製造分野において、接着して使用されるアルミニウム材には、その接着下地表面処理として、リン酸陽極処理が施されている。このリン酸陽極処理では、通常、リン酸濃度100〜200(g/l)、温度25℃の処理浴中において、アルミニウム材を陽極として15Vの電圧を20〜25分間印加して行われている。そして、この陽極処理後、水洗及び加熱乾燥する。その後、アルミニウム材に3日以内にプライマを塗布して保管しておくことにより、接着材は十分使用に耐え得る接着強度を有する。

概要

陽極処理皮膜微細孔が自然封孔により経時変化することを抑制でき、長期間保管しておいても接着性が低下することを防止できる接着性が優れたアルミニウム陽極処理材の製造方法を提供する。

先ず、アルミニウム材に陽極処理を施し、厚さが3乃至10μmの皮膜を形成する。その後、炭酸イオン及び硫酸イオンがいずれも15〜35重量ppm含有され、電気伝導度が50〜200μS/cm、温度が80℃以上である処理浴により、1〜20分間処理する。

目的

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、陽極処理皮膜の微細孔が自然封孔により経時変化することを抑制でき、長期間保管しておいても接着性が低下することを防止できる接着性が優れたアルミニウム陽極処理材の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

厚さ3乃至10μmの陽極処理皮膜を有するアルミニウム陽極処理材を、炭酸イオン及び硫酸イオンがいずれも15乃至35重量ppm含有され、電気伝導度が50乃至200μS/cm、温度が80℃以上である処理浴により、1乃至20分間処理することを特徴とする接着性が優れたアルミニウム陽極処理材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、電気建設建材)及び自動車(車両)分野等において、接着用途に好適の接着性が優れたアルミニウム陽極処理材の製造方法に関する。

背景技術

0002

アルミニウム材(アルミニウム又はアルミニウム合金)は、工業材料として最も使用量が多い鋼に比べて、軽量であることは勿論のこと、耐食性熱伝導性及び成形性について優れた特質を有する。このため、アルミニウム材は、電気、建設(建材)及び自動車(車両)分野等において広く使用されており、その使用量は拡大傾向にある。

0003

アルミニウム材の使用の一例として、アルミニウム材同士、アルミニウム材及び鋼材、アルミニウム材及び銅材接着させた接着材が各産業分野において使用されている。具体的には、アルミニウム材同士を接着して、航空機用アルミニウムハニカムを作製したり、自動車フードヘム部に利用している。また、アルミニウム板及び銅板を接着して、金属ベースの積層基盤等を作製している。

0004

更に、高度な信頼性が要求される航空機の製造分野において、接着して使用されるアルミニウム材には、その接着下地表面処理として、リン酸陽極処理が施されている。このリン酸陽極処理では、通常、リン酸濃度100〜200(g/l)、温度25℃の処理浴中において、アルミニウム材を陽極として15Vの電圧を20〜25分間印加して行われている。そして、この陽極処理後、水洗及び加熱乾燥する。その後、アルミニウム材に3日以内にプライマを塗布して保管しておくことにより、接着材は十分使用に耐え得る接着強度を有する。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、アルミニウム材にリン酸陽極処理を施して、その接着性を保持しておくためには、前記処理後、速やかに接着剤を塗布する必要があり、極めて生産性阻害する場合がある。

0006

また、陽極処理として、硫酸陽極処理が使用される場合もあり、この場合も処理後、速やかに接着工程へ移行する必要があるが、硫酸陽極処理後直ちに接着工程へ移行できない場合には、接着の直前希硫酸等の薬剤でアルミニウム材を洗浄して、陽極処理材の表面における接着機能回復させる必要がある。

0007

このように、アルミニウム材に陽極処理を施すことにより接着機能が向上するのは、陽極処理によって形成される皮膜微細孔を有する多孔質だからである。つまり、アルミニウム材に塗布する接着剤は、皮膜の表面のみならず微細孔にも浸入するため、接着剤が硬化すると、強力な接着強度を得ることができる。

0008

ところが、アルミニウム材を陽極処理後、しばらく保管しておくと、前記微細孔が塞がり(所謂自然封孔)、アルミニウム材の接着性が低下してしまう。このため、従来、アルミニウム材に陽極処理後速やかに接着処理を施しているが、そうでない場合は前述のように、接着の直前に接着機能の回復処理を施す必要があり、アルミニウム接着材の生産性が極めて低下してしまう。また、リン酸陽極処理では、使用するリン酸の価格が硫酸に比べて極めて高価であるため、処理コストが高くなってしまうという難点がある。

0009

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、陽極処理皮膜の微細孔が自然封孔により経時変化することを抑制でき、長期間保管しておいても接着性が低下することを防止できる接着性が優れたアルミニウム陽極処理材の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る接着性が優れたアルミニウム陽極処理材の製造方法は、厚さ3乃至10μmの陽極処理皮膜を有するアルミニウム陽極処理材を、炭酸イオン及び硫酸イオンがいずれも15乃至35重量ppm含有され、電気伝導度が50乃至200μS/cm、温度が80℃以上である処理浴により、1乃至20分間処理することを特徴とする。

0011

本願発明者等は、陽極処理皮膜の微細孔が自然封孔により経時変化することを抑制でき、長期間保管しておいても接着性が低下することを防止できる接着性が優れたアルミニウム陽極処理材を開発すべく種々の実験研究を行った。その結果、所定厚さの皮膜を有するアルミニウム陽極処理材を、所定成分からなる封孔処理浴に浸漬させる等して封孔処理浴により処理することにより、陽極皮膜の微細孔が自然封孔により経時変化することを抑制できることを見い出した。

0012

即ち、陽極酸化処理材の封孔処理の方法として、イオン交換水等の純水中で煮沸する方法が一般的である。この方法においては、5分程度の短時間の処理で封孔処理がなされるが、封孔処理をしない場合と同様に、保管の期間中に経時変化し、自然封孔が進行する。このため、接着性が劣化する。

0013

一方、本発明で規定した封孔処理液を使用して陽極処理材を封孔処理した場合は、その後の封孔度の低下(封孔の進行)を抑制することができる。これにより、接着性の低下を防止できる。

0014

以下、本発明に係るアルミニウム陽極処理材の製造方法において、その陽極処理材の皮膜の厚さ及び封孔処理条件について説明する。

0015

陽極皮膜の厚さ:3乃至10μm
先ず、アルミニウム陽極処理材の表面に形成される陽極皮膜の厚さについて説明する。陽極皮膜の厚さは、アルミニウム陽極処理材の接着機能に大きな影響を与える。即ち、その厚さが3μm未満であると、皮膜に微細孔が形成されていても接着強度を向上させることができず、また表面硬度が不十分であるため、皮膜が傷防止機能を発揮することができない。一方、厚さが10μmを超えると、陽極処理材を切断する際に、皮膜にクラック(亀裂)が発生しやすくなってしまう。従って、陽極皮膜の厚さは3乃至10μmとする。

0016

なお、本発明におけるアルミニウム材の陽極処理としては、硫酸陽極処理及びリン酸陽極処理等があるが、リン酸は極めて高価であるため、工業的には硫酸陽極処理を適用することが好ましい。

0017

次に、封孔処理に使用する処理浴の濃度、電気伝導度及び温度の限定理由について説明する。

0018

処理浴の濃度;炭酸イオン及び硫酸イオン:15乃至35重量ppm
処理浴は、水に炭酸イオン及び硫酸イオンを添加して作成する。このとき、炭酸イオン又は硫酸イオンの添加量が15重量ppm未満であると、皮膜の封孔の経時変化を十分に抑制することができず、一方、35重量ppmを超えると、却って経時的に封孔が進行してしまうので好ましくない。従って、処理浴における炭酸イオン及び硫酸イオンの含有量は、いずれも15乃至35重量ppmとする。

0019

処理浴の電気伝導度:50乃至200μS/cm
処理浴の電気伝導度が50μS/cm未満であると、皮膜の封孔の経時変化を十分に抑制することができず、一方200μS/cmを超えると、経時的に封孔が進行してしまう。従って、処理浴の電気伝導度は50乃至200μS/cmとする。

0020

処理浴の温度:80℃以上
処理浴の温度が80℃未満であると、陽極処理材に封孔処理を施しても、封孔の進行を抑制することができない。従って、処理浴の温度は80℃以上とする。

0021

処理時間:1乃至20分
次に、封孔処理の処理時間の限定理由について説明する。処理時間とは、陽極処理材を上述した処理浴に浸漬等の処理を施す時間である。この時間が1分未満であると、皮膜の封孔の経時変化を十分に抑制することができず、一方20分を超えると、処理浴による封孔が完了して、却って接着強度は低下してしまう。従って、封孔処理の処理時間は1乃至20分とする。なお、この処理時間は2乃至8分であることが好ましい。

0022

以下、本発明の実施例について、本発明の特許請求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。

0023

先ず、1100合金板厚:0.3mm、O材)からなるアルミニウム合金板に硫酸陽極処理を施して、その厚さが下記表1に示す値となるように硫酸陽極皮膜を形成した。その後、このアルミニウム合金板に封孔処理を施した。この封孔処理における処理液、電気伝導度及び沸騰(95℃以上)時間の条件については、下記表1に示すとおりである。

0024

なお、下記表1に示す比較例No2については、硫酸陽極処理のみを施して封孔処理を施さず、また比較例No3については、硫酸陽極処理及び封孔処理のいずれの処理も施さず、アルミニウム合金板の脱脂のみを行ったものである。

0025

0026

上記表1に示す条件で表面処理を施したアルミニウム合金板を、1か月及び2か月間室内で保管した。そして、このときのアルミニウム合金板(以下、「試験材」という)について、以下に示す封孔度試験を行った。

0027

封孔度試験
封孔度試験は、JIS H8683の陽極酸化皮膜の封孔度試験方法に従って行った。先ず、試験材の質量m1(mg)を測定し、次いで、リン酸35(ml/l)及びクロム酸20(g/l)を混合した38℃の溶液に試験材を浸漬した後、試験材の質量m2(mg)を測定した。このときの試験材の面積をA(dm2)とすると、封孔度M(mg/dm2)は下記数式1で表される。

0028

M=(m1−m2)/A

0029

つまり、硫酸陽極皮膜の微細孔において封孔が進行すると、試験材は上記リン酸及びクロム酸の混合液に対して耐性を有し、重量減少(m1−m2)が少なくなるため、封孔度Mの値は小さくなる。従って、所定期間後に封孔度が低下することは、前記微細孔の封孔が進行したことを意味する。

0030

次に、アルミニウム合金板の接着強度について説明する。前述の1か月及び2か月間室内で保管した1対のアルミニウム合金板に、エポキシ系接着剤を0.1mmの厚さとなるように塗布して張り合わせた。そして、180℃の温度で20分間加熱して、接着剤を硬化させた。このようにして接着させたアルミニウム合金板(以下、「接着試験材」という)について、以下に示す接着強度試験を行った。

0031

接着強度試験
接着強度試験では、幅:25mm、長さ:150mmである帯状の2つのアルミニウム合金板を、長手方向に一端部から100mmの位置で直角に折り曲げ、各アルミニウム合金板の長辺同士を背中合わせで接着した。そして、各短辺をその延長線の方向に引っ張るT型剥離試験を行った。なお、このときの引張速度は200mm/分とした。

0032

以上のように行った封孔度試験及び接着強度試験の結果を下記表2に示す。

0033

0034

上記表2に示すように、実施例No1〜4については、2か月間保管した試験材の封孔度が、1か月間保管した試験材の封孔度と同一となり、封孔度は低下することがなかった。即ち、実施例No1〜4の試験材における硫酸陽極皮膜の微細孔は封孔することがなかった。このため、接着試験材の接着強度に示すようにアルミニウム合金板を長期間保管しておいても、接着機能が低下することなく、強力な接着強度を有するアルミニウム接着材を得ることができた。

0035

一方、比較例No1及び4については、1か月間保管した試験材の封孔が進行し、実施例No1に比較して封孔度がいずれも低下したものとなった。また、比較例No1における2か月間保管した試験材の封孔度は1か月間保管したものより低下した。これは、本発明の特許請求の範囲から外れる封孔処理が施されたアルミニウム合金板では、長期間保管するほど封孔が進行することを示している。一方、比較例No4における2か月間保管した試験材の封孔度は1か月間保管したものと同一であった。これは、試験材の硫酸陽極皮膜の厚さが1μmと薄いため、1か月間の保管で前記皮膜における微細孔の封孔がほぼ完了したためと考えられる
このように、比較例No1及び4における表面処理を施したアルミニウム合金板を、長期間保管すると、硫酸陽極皮膜の封孔が進行して、いずれの接着強度も実施例No1に比べて劣ったものとなった。

0036

比較例No2については、封孔処理の表面処理が施されていないが、1か月間保管した試験材における封孔は、比較例No1ほど進行することはなかったものの、2か月間保管した試験材の封孔度は比較例No1と同様の値となった。このことから、保管した1か月から2か月の間で比較例No1に比べて封孔が進行したことがわかる。また、接着試験材については、封孔度の低下と同様に比較例No1に比べてその接着強度の低下が大きいことがわかる。

0037

また、比較例No3については、試験材に硫酸陽極処理が施されておらず、試験材の表面に皮膜が形成されていないため、封孔度を調査することができなかった。このように、皮膜が形成されていない試験材において、その接着強度は比較例No1〜4の内で最も低いものとなった。

0038

以上の実施例及び比較例における表面処理を、3003合金(板厚:0.3mm、O材)及び5052合金(板厚:0.3mm、O材)からなるアルミニウム合金板に同一の条件で施した。即ち、実施例No1〜4の条件で表面処理を施した実施例は、実施例No5〜8及び実施例No9〜12であり、一方比較例No1〜4の条件で表面処理を施した比較例は、比較例No5〜8及び比較例No9〜12である。

0039

3003合金及び5052合金からなるアルミニウム板に前述した表面処理を施した結果を下記表3に示す。

0040

0041

上記表3に示すように、実施例No5〜12については、上述した1100合金からなるアルミニウム合金板に硫酸陽極処理及び封孔処理を施した場合と同様に、いずれの試験材を長期間保管しても封孔が進行することがなく、接着試験材についても強力な接着強度を得ることができた。

0042

一方、比較例No5〜12については、上述した比較例No1〜4と同様に、封孔の進行等によって、接着試験材の接着強度が低下した。

発明の効果

0043

以上説明したように、本発明によれば、陽極処理を施したアルミニウム合金材に、所定の封孔処理を施すことにより、このアルミニウム合金材を長期間保管しておいても、陽極皮膜の自然封孔による封孔度の経時変化を抑制することができるため、接着機能の低下を防止することができる。

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