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技術 連続鋳造方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 瀧山秀一下笠知治稲岡数磨土田宗弘繁永泰男
出願日 1995年7月5日 (24年11ヶ月経過) 出願番号 1995-194187
公開日 1997年1月21日 (23年5ヶ月経過) 公開番号 1997-019746
状態 特許登録済
技術分野 連続鋳造
主要キーワード 端ロール 仮想垂直線 水量信号 引き抜きロール 円弧型 落下水 直接ノズル 種ノズル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年1月21日)のものです。
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図面 (10)

目的

鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度極端に低下させずに効率良く鋳片を引き抜くことができると共に、鋳片トップ部まで均質な鋳片を製造することができる作業性や生産性、量産性、安全性に優れた連続鋳造方法を提供する。

構成

湾曲型連続鋳造機10の鋳型11内に溶鋼を浸漬ノズルを介して注入し、鋳型11の下部から鋳片14を支持案内して徐々に引き出しつつ、冷却して鋳片14を製造する連続鋳造方法において、溶鋼の鋳造終了過程に生じる鋳片トップ部14aの上流側の少なくとも一部の冷却ゾーンを鋳片トップ部14aに直接冷却水をかけない非水冷ゾーンとし、非水冷ゾーンを支持案内通路13内で、鋳片トップ部14aに対応して移動させる。

概要

背景

一般に、連続鋳造方法では、タンディッシュ貯留された溶鋼を浸漬ノズルを介して鋳型(又はモールドという)内に注入した後、少なくとも鋳型と溶鋼の接触面及びその近傍を凝固させて所謂凝固殻を形成し、この凝固殻が形成された鋳片を、鋳型の下方に少なくとも二列で複数並設された支持案内ロール引き抜きロール(又はピンチロールという)等内、すなわち支持案内通路内を介して連続的に引き抜きながら凝固させている。この連続鋳造方法を適用した連続鋳造機として、略円弧状の支持案内通路を有する湾曲型連続鋳造機が広く採用されている。

また、前述した連続鋳造方法では、鋳造終了時において形成される鋳片の最終端部(以下鋳片トップ部という)の凝固殻内に溶鋼が凝固せずに貯留されている、すなわち鋳片トップ部に溶鋼が露出しているので、鋳片トップ部が略円弧状に曲げられた支持案内通路内を介して引き抜かれるに連れて次第に傾斜され、溶鋼がこぼれ易くなり(以下溶鋼がこぼれることをブリードという)、この結果、こぼれた溶鋼が支持案内ロール等に張り付いて次の鋳造作業ができず、この地金を除去する作業が必要となる等、極めて生産性や量産性に劣るという問題点を有していた。

そこで、この問題点を解決するために、鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度極端下げて鋳片トップ部を凝固させる方法や、鋳造終了時に鋳片トップ部に露出した溶鋼内に鉄製等のブロック等を冷却材(以下冷材という)として装入し鋳片トップ部を凝固させる方法、更に、鋳造終了時に鋳片トップ部に冷却水をかけて鋳片トップ部を凝固させる方法等の改善策が提案されている。

また、特開昭57−75276号公報には、連続鋳造末期において鋳型内への溶鋼の供給を停止した後、鋳片をその後端部が鋳型の下方へ抜け出ない範囲でかつ鋳型下方の2次冷却帯に配置したロール群ロールピッチの1/2以上の距離を繰り返し往復運動させる連続鋳造におけるトップクロップ短縮方法が提案されている。

更に、特公昭63−15061号公報には、鋳造終了時にあたり鋳片トップ部について該鋳片トップ部が鋳型を出てから2次冷却ゾーン爆発限界位置に達するまで強制冷却を停止し、該爆発限界位置を過ぎてから未凝固部流出限界位置に達するまでに強制冷却して頭固めを行う鋼の湾曲型連続鋳造方法が提案されている。

概要

鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度を極端に低下させずに効率良く鋳片を引き抜くことができると共に、鋳片トップ部まで均質な鋳片を製造することができる作業性や生産性、量産性、安全性に優れた連続鋳造方法を提供する。

湾曲型連続鋳造機10の鋳型11内に溶鋼を浸漬ノズルを介して注入し、鋳型11の下部から鋳片14を支持案内して徐々に引き出しつつ、冷却して鋳片14を製造する連続鋳造方法において、溶鋼の鋳造終了過程に生じる鋳片トップ部14aの上流側の少なくとも一部の冷却ゾーンを鋳片トップ部14aに直接冷却水をかけない非水冷ゾーンとし、非水冷ゾーンを支持案内通路13内で、鋳片トップ部14aに対応して移動させる。

目的

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度を極端に低下させず、かつバルジングの発生等を防止して効率良く鋳片を引き抜くことができると共に鋳片トップ部まで均質な鋳片を製造することができ、また鋳片直送圧延等の各種鋳片加工設備に適した温度の鋳片を製造でき、更に過冷却を防止して曲げ矯正ロールに不要な過大矯正力を与えたり、またこの過大な矯正力によって鋳片に割れ等の発生を防止することができる作業性や生産性、省エネルギー化、安全性に優れた連続鋳造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

湾曲型連続鋳造機鋳型内に溶鋼を浸漬ノズルを介して注入し、該鋳型の下部から鋳片を支持案内して徐々に引き出しつつ、冷却して鋳片を製造する連続鋳造方法において、前記溶鋼の鋳造終了過程に生じる鋳片トップ部の上流側の少なくとも一部の冷却ゾーンを該鋳片トップ部に直接冷却水をかけない非水冷ゾーンとし、該非水冷ゾーンを支持案内通路内で、前記鋳片トップ部に対応して移動させることを特徴とする連続鋳造方法。

請求項2

前記支持案内通路には複数に分割されそれぞれには水又は気水噴射する複数のノズル開閉弁からなる前記冷却ゾーンが設けられ、前記鋳片トップ部の移動と共に、該冷却ゾーンの開閉弁を開いた状態から閉じて、次に開く動作を行って、前記非水冷ゾーンを形成する請求項1記載の連続鋳造方法。

請求項3

前記非水冷ゾーンは、鋳片トップ部が水又は気水を噴射する複数のノズルと開閉弁からなる冷却ゾーンに到達する以前に該開閉弁が閉じられ、鋳片トップ部の上流側では冷却ゾーンの支持案内最下端ロールの中心部からの垂直線より鋳片トップ部が外れた領域であって、該非水冷ゾーン以外は前記冷却ゾーンの開閉弁が開いた状態である請求項1又は2記載の連続鋳造方法。

技術分野

0001

本発明は、溶鋼から直接鋳片を製造する連続鋳造方法係り、更に詳しくは、鋳片トップ部の冷却を改良した連続鋳造方法に関する。

背景技術

0002

一般に、連続鋳造方法では、タンディッシュ貯留された溶鋼を浸漬ノズルを介して鋳型(又はモールドという)内に注入した後、少なくとも鋳型と溶鋼の接触面及びその近傍を凝固させて所謂凝固殻を形成し、この凝固殻が形成された鋳片を、鋳型の下方に少なくとも二列で複数並設された支持案内ロール引き抜きロール(又はピンチロールという)等内、すなわち支持案内通路内を介して連続的に引き抜きながら凝固させている。この連続鋳造方法を適用した連続鋳造機として、略円弧状の支持案内通路を有する湾曲型連続鋳造機が広く採用されている。

0003

また、前述した連続鋳造方法では、鋳造終了時において形成される鋳片の最終端部(以下鋳片トップ部という)の凝固殻内に溶鋼が凝固せずに貯留されている、すなわち鋳片トップ部に溶鋼が露出しているので、鋳片トップ部が略円弧状に曲げられた支持案内通路内を介して引き抜かれるに連れて次第に傾斜され、溶鋼がこぼれ易くなり(以下溶鋼がこぼれることをブリードという)、この結果、こぼれた溶鋼が支持案内ロール等に張り付いて次の鋳造作業ができず、この地金を除去する作業が必要となる等、極めて生産性や量産性に劣るという問題点を有していた。

0004

そこで、この問題点を解決するために、鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度極端下げて鋳片トップ部を凝固させる方法や、鋳造終了時に鋳片トップ部に露出した溶鋼内に鉄製等のブロック等を冷却材(以下冷材という)として装入し鋳片トップ部を凝固させる方法、更に、鋳造終了時に鋳片トップ部に冷却水をかけて鋳片トップ部を凝固させる方法等の改善策が提案されている。

0005

また、特開昭57−75276号公報には、連続鋳造末期において鋳型内への溶鋼の供給を停止した後、鋳片をその後端部が鋳型の下方へ抜け出ない範囲でかつ鋳型下方の2次冷却帯に配置したロール群ロールピッチの1/2以上の距離を繰り返し往復運動させる連続鋳造におけるトップクロップ短縮方法が提案されている。

0006

更に、特公昭63−15061号公報には、鋳造終了時にあたり鋳片トップ部について該鋳片トップ部が鋳型を出てから2次冷却ゾーン爆発限界位置に達するまで強制冷却を停止し、該爆発限界位置を過ぎてから未凝固部流出限界位置に達するまでに強制冷却して頭固めを行う鋼の湾曲型連続鋳造方法が提案されている。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、の鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度を下げて凝固させる方法では、鋳片の引き抜き速度を下げることで、先の鋳造終了時から次の鋳造開始時までに多大な時間を要してしまい、生産性や量産性に劣るという問題点を有していた。また、鋳片の引き抜き速度を下げることで鋳片芯部まで凝固されていくものの、鋳片の温度が支持案内ロール等に比べて依然高温であるために、鋳片が隣り合う支持案内ロール間の隙間から外方に膨れ易いので(以下バルジングという)、この結果、鋳片が引き抜き難くなると共に鋳片内部に内在的欠陥が生じ易く、生産性や量産性、製品品質信頼性等に劣るという問題点を有していた。

0008

また、の鋳造終了時に鋳片トップ部の溶鋼内に冷材を装入して凝固させる方法では、冷材である鉄製ブロック等がかなりの重量を有し、この重量物を鋳型近辺まで搬送する作業が必要となるので、作業性に劣ると共に省力化することができないという問題点を有していた。また、冷材は鋳造終了時に速やかに溶鋼内に装入しなければならず、このため安全性等から一旦鋳片の引き抜き作業を停止しなければならないので、生産性や量産性に劣ると共に前述したバルジングが生じる虞れがあるという問題点を有していた。

0009

また、凝固殻内(又は収縮孔内という)に貯留された溶鋼内に装入した冷材は、溶鋼や凝固殻と固溶できずに鋳片トップ部やその近傍部で、前記凝固殻と、炭素濃度の差等による明らかな境界を形成してしまい、この結果、鋳片トップ部の近傍部を除去しなければならず、歩留りが低下する等、量産性に劣るという問題点を有していた。

0010

更に、の鋳造終了時に鋳片トップ部に冷却水をかけて凝固させる方法では、鋳片トップ部に露出した高温の溶鋼に直接水流状等で冷却水がかかると、冷却水が急激に蒸発及び膨張することで所謂水蒸気爆発(又は突沸という)を起こし、溶鋼をばら撒いてしまう等、極めて安全性に劣るという問題点を有していた。

0011

また、特開昭57−75276号公報に示される連続鋳造におけるトップクロップ短縮方法では、鋳片を鋳型内で往復運動させて冷却させているので冷却速度が速いものの冷却し過ぎると共に冷却速度を制御し難いという問題点を有していた。また、最近、連続鋳造された鋳片を直ちに圧延工程へ送給し圧延する鋳片直送圧延が積極的に採用されているが、この場合の鋳片の温度は900℃〜1200℃であるものの、前記トップクロップ短縮方法では、前記温度以下に鋳片の温度が下がり過ぎてしまい、昇温作業が必要となるので、生産性や省エネルギー化に劣るという問題点を有していた。また、鋳片の温度が下がり過ぎると、支持案内通路の所定部に設けた曲げ矯正ロールにより鋳片を矯正する際に大きな矯正力を要すると共にこの大きな矯正力によって鋳片に割れ等が生じ、作業性や生産性、製品品質等の信頼性に劣るという問題点を有していた。

0012

また、特公昭63−15061号公報に示される鋼の湾曲型連続鋳造方法では、予め2次冷却ゾーンの爆発限界位置を調査しなければならないので、作業性に劣ること及び実用化し難いという問題点を有していた。

0013

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度を極端に低下させず、かつバルジングの発生等を防止して効率良く鋳片を引き抜くことができると共に鋳片トップ部まで均質な鋳片を製造することができ、また鋳片直送圧延等の各種鋳片加工設備に適した温度の鋳片を製造でき、更に過冷却を防止して曲げ矯正ロールに不要な過大矯正力を与えたり、またこの過大な矯正力によって鋳片に割れ等の発生を防止することができる作業性や生産性、省エネルギー化、安全性に優れた連続鋳造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

前記目的に沿う請求項1記載の連続鋳造方法は、湾曲型連続鋳造機の鋳型内に溶鋼を浸漬ノズルを介して注入し、該鋳型の下部から鋳片を支持案内して徐々に引き出しつつ、冷却して鋳片を製造する連続鋳造方法において、前記溶鋼の鋳造終了過程に生じる鋳片トップ部の上流側の少なくとも一部の冷却ゾーンを該鋳片トップ部に直接冷却水をかけない非水冷ゾーンとし、該非水冷ゾーンを支持案内通路内で、前記鋳片トップ部に対応して移動させる。

0015

また、請求項2記載の連続鋳造方法は、請求項1記載の連続鋳造方法において、前記支持案内通路には複数に分割されそれぞれには水又は気水噴射する複数のノズル開閉弁からなる前記冷却ゾーンが設けられ、前記鋳片トップ部の移動と共に、該冷却ゾーンの開閉弁を開いた状態から閉じて、次に開く動作を行って、前記非水冷ゾーンを形成する。

0016

さらに、請求項3記載の連続鋳造方法は、請求項1又は2記載の連続鋳造方法において、前記非水冷ゾーンは、鋳片トップ部が水又は気水を噴射する複数のノズルと開閉弁からなる冷却ゾーンに到達する以前に該開閉弁が閉じられ、鋳片トップ部の上流側では冷却ゾーンの支持案内最下端ロールの中心部からの垂直線より鋳片トップ部が外れた領域であって、該非水冷ゾーン以外は前記冷却ゾーンの開閉弁が開いた状態である。

0017

なお、ここで、湾曲型連続鋳造機とは、鋳型から後続する引き抜きロール(又はピンチロールという)までの間の支持案内通路が湾曲部を有するものをいう。したがって、鋳型が支持案内通路の湾曲部の曲率に合わせて所定角度で傾斜又は湾曲されていてもよい。

0018

請求項1〜3記載の連続鋳造方法においては、支持案内通路内で少なくとも鋳片トップ部の直後、すなわち支持案内通路内の鋳片トップ部より上流側でかつ鋳片トップ部の近傍部(以下鋳片トップ部の上流側近傍部又は上方近傍部という)に対応する冷却ゾーンを非水冷ゾーンとし、該非水冷ゾーンを鋳片トップ部の移動に連れて移動させることにより、鋳片、特に鋳片トップ部の冷却速度(又は凝固速度)を上げることができる。

0019

詳述すると、支持案内通路の側部に、少なくとも1乃至複数の支持案内ロール及びノズルで構成された複数の冷却ゾーンの内、鋳片トップ部の上流側近傍部にあたる冷却ゾーンを、鋳片トップ部に直接冷却水をかけない非水冷ゾーンとすることで、支持案内通路内の鋳片トップ部より下流側、すなわち鋳片略全体は、冷却ゾーンのノズルから噴射(又は供給)された冷却水によって直接冷却し、また、支持案内通路内の鋳片トップ部の上流側近傍部より上流側では、鋳片に接触して高温化された空気を、支持案内通路内に供給された冷却水で冷却し、この低温化された空気(又は冷空気という)によって、鋳片トップ部を間接的に冷却(又は凝固)し、さらに、支持案内通路を挟んで対向配置された冷却ゾーンのノズルから噴射された冷却水が、水滴化又はミスト状化(又は霧状化)され、この一方あるいは両方で鋳片トップ部を直接冷却することができる。勿論、鋳片トップ部に水滴化又はミスト状化された冷却水がかかっても、溶鋼に一度に水流状等の冷却水がかかった場合に比べ、水蒸気生成自由エネルギーは極めて小さいので、水蒸気爆発等を防止することができる。

0020

さらに、冷却ゾーンのノズルを制御して、鋳片トップ部の移動、すなわち鋳片の引き抜き速度に合わせて、非水冷ゾーンを移動させることで、鋳片トップ部の冷却速度を向上させることができる。なお、非水冷ゾーンは、鋳片トップ部の上流側近傍部に限らず、鋳片トップ部より下流側の鋳片、すなわち鋳片トップ部近傍の鋳片を含んでもよい。通常、湾曲型連続鋳造機等のノズルは、冷却ゾーン毎に制御されているので、この冷却ゾーンの幅にもよって非水冷ゾーンが鋳片トップ部の上流側近傍部のみならず鋳片トップ部近傍の鋳片まで及んでもよい。

0021

特に、請求項2記載の連続鋳造方法においては、冷却ゾーンの開閉弁を、鋳片トップ部の移動に伴って、順次“開”、“閉”、“開”させることにより、容易に非水冷ゾーンを移行させることができる。すなわち、支持案内通路を移動する鋳片の移動(又は引き抜き速度)に対応して冷却ゾーンの開閉弁を順次“開”、“閉”、“開”させることで、常に、支持案内通路内の鋳片トップ部より下流側である鋳片略全体は、直接ノズルから噴射された冷却水で冷却され、また、鋳片トップ部は、支持案内通路を隔てて対向配置されたノズルから噴射された冷却水が衝突してミスト状化(水滴を含む)された冷却水、すなわち水粒子で直接冷却(又は凝固)されると共に、前記支持案内通路内に噴射された冷却水で冷却された冷空気によっても間接的に冷却(又は凝固)される。また、冷却水として水と空気を混合した気水を使用することにより、さらに容易にミスト状化することができると共に、水粒子を細粒化できるので、より水蒸気爆発等の防止を図ることができる。なお、ノズルから供給される冷却水の供給量を変更させることで、鋳片トップ部の冷却速度又は凝固速度を容易に変えることができ、例えば鋳片直送圧延等各種鋳片加工設備等に応じた適温の鋳片を製造することができる。

0022

特に、請求項3記載の連続鋳造方法においては、鋳片トップ部が冷却ゾーンの支持案内最下端ロールの少なくとも中心部からの垂直線より外れた領域迄移動したとき、すなわち、鋳片トップ部が、支持案内通路において、冷却ゾーンにおける支持案内通路の内径側に配置された支持案内ロールの内、支持案内通路の下流端である鋳片取り出し口に近い側のロール、換言すると最下端のロール(以下これを支持案内最下端ロールという)の回転中心から床面に向かって垂直に下ろした仮想垂直線より、下流側に移動したとき、前記支持案内最下端ロールを有する冷却ゾーンの開閉弁が開かれるので、たとえ支持案内最下端ロールの表面をつたって冷却水が落下しても鋳片トップ部の溶鋼中に直接冷却水がかかることがないので、水蒸気爆発等を起こす虞れを確実に防止することができる。また、鋳片トップ部を含む鋳片の引き抜き速度は、鋳片直送圧延用に、より高温の鋳片を得るために、定常鋳造速度から1.2m/分までの範囲で制御するのが好ましい。

0023

続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施例に係る連続鋳造方法を適用した湾曲型連続鋳造機の概略構成図、図2は同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第1冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の説明図、図3は同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第2冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の説明図、図4は同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第3冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の説明図、図5は同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第1落下水回避域迄引き抜いた状態の説明図、図6は同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第4冷却ゾーンに近接する迄、及び第2落下水回避域迄引き抜いた状態の説明図、図7は同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第3落下水回避域迄引き抜いた状態の説明図、図8は本発明の一実施例に係る連続鋳造方法と従来法の鋳造終了時の鋳片の鋳造速度を示すグラフ図9は同他の例の鋳造終了時の鋳片の鋳造速度を示すグラフである。

0024

以下、本発明の一実施例に係る連続鋳造方法を適用した湾曲型連続鋳造機について説明する。図1図7に示すように、本発明の一実施例に係る連続鋳造方法を適用した湾曲型連続鋳造機10は、溶鋼(図示せず)が注入される鋳型11と、鋳型11の下方に所定間隔を持って取り付けられた複数の支持案内ロール12a〜12i、12a′〜12i′と、支持案内ロール12a〜12i、12a′〜12i′によって所定の曲率を持って構成された支持案内通路13と、鋳型11から支持案内通路13を介して引き抜かれる鋳片14を冷却するために水又は気水を支持案内通路13内に供給するノズル15a〜15d、15a′〜15d′と、ノズル15a〜15d、15a′〜15d′等を制御する制御部17とを有する。以下、これらについて詳しく説明する。

0025

前記鋳型11は、銅又は銅合金等で内部に冷却水を導入する冷却水流路(図示せず)を有して略円筒状又は略角筒状等に形成されている。また、図示しないが、該鋳型11には、通常、タンディッシュから浸漬ノズルを介して溶鋼が注入されているが、鋳片の形状や大きさによって、一般的に用いられている各種ノズル、各種注入法及び各種溶鋼の注入量の可変手段等周知のものが用いられる。

0026

前記支持案内ロール12a〜12i、12a′〜12i′は、鋳型11の下方に所定の曲率半径を持って二列回転自在に配置されている。なお、前記支持案内通路13を隔てて対向配置された支持案内ロール12a〜12i、12a′〜12i′は、同軸垂線上に配置されている。また、支持案内ロール12iの下方には、鋳片14の引き抜き方向を矯正するために、該支持案内ロール12iに当接して支持案内ロール12iより大径状の曲げ矯正ロール12jが配置されている。

0027

また、図示しないが、支持案内通路13の下流側、すなわち図1図7中支持案内ロール12i、12i′の右方には、ピンチロールがやはり二列で複数並設されている。このピンチロールは、鋳型11から鋳片14を徐々に又は所定の引き抜き速度で引き抜く(又は引き出す)ために、鋳片14に所定の回転駆動力を付与するものであり、図示しない駆動モータ等から直接又は間接的に所定回転方向の回転駆動力が伝達されている。勿論、該ピンチロールは、前記支持案内ロール12a〜12i、12a′〜12i′間に配置されてもよい。

0028

前記支持案内通路13は、所定間隔を隔てて対向された支持案内ロール12a〜12i、12a′〜12i′やピンチロールにより所定曲率を持って略円弧状に形成されている。すなわち、図1中破線Bで示される支持案内ロール12a〜12iの外接線、及び、図1中破線Cで示される支持案内ロール12a′〜12i′の外接線内に、鋳片14を支持案内する支持案内通路13が形成されている。

0029

前記ノズル15a〜15d、15a′〜15d′は、支持案内通路13の両側部であって、隣り合う支持案内ロール12a〜12i、12a′〜12i′間に、先端部を支持案内通路13内に向けて取り付けられている。また、前記支持案内通路13を隔てて対向配置されたノズル15a〜15d、15a′〜15d′は、支持案内通路13内に冷却水を噴射したとき、この噴射された冷却水が支持案内通路13内で衝突するように、それぞれ対向して配置されている。なお、図示しないが、スラブブルームのように鋳片14の断面の横幅又は縦幅の大きな鋳片14を製造する場合には、図1図7中各ノズル15a〜15d、15a′〜15d′の奥行き側に並設して、また支持案内通路13の手前側及び奥行き側に並設して、複数のノズルを配置してもよい。これにより、幅広な、すなわち断面積の大きな鋳片14も高い冷却速度(又は凝固速度)で冷却(又は凝固)させることができる。また、該ノズル15a〜15d、15a′〜15d′は、その後端部に開度調整自在の開閉弁16a〜16d、16a′〜16d′を有する。これにより、前記制御部17からの“開”信号又は“閉”信号、更に給水量信号等に応じて、該ノズル15a〜15d、15a′〜15d′から供給される水又は気水が制御される。

0030

なお、ノズル15a〜15d、15a′〜15d′から支持案内通路13内の鋳片トップ部14aの上流側に冷却水である水又は気水が供給されると、これらは各ノズル15a〜15d、15a′〜15d′から噴射される際に先端部に形成された複数の噴射孔スリットでミスト状化及びミストと水滴の混合状にされたり、対向するノズル15a〜15d、15a′〜15d′から噴射されて支持案内通路13の略中央部で衝突することによってミスト状化される。そして、支持案内通路13内に供給された水又は気水で支持案内通路13内の空気を冷却し、この冷却された空気(以下冷空気という)により鋳片トップ部14aの近傍部が冷却されると共に、前記ミスト状化された水又は気水で鋳片トップ部14aの近傍部を直接冷却することができる。

0031

また、ノズル15a〜15d、15a′〜15d′から支持案内通路13内の鋳片トップ部14aの上流側へ水又は気水を供給する場合の供給量(以下、上流側供給量という)は、鋳片トップ部14aの下流側へ供給する場合の供給量(以下、下流側供給量という)に比べ、0.3倍以上2.5倍未満とされるのが好ましい。水又は気水の上流側供給量が下流側供給量の0.3倍未満では水又は気水がミスト状化され難くなる傾向が現れだし、また、水又は気水の上流側供給量が下流側供給量の2.5倍以上になると飽和する、すなわち、水又は気水の供給量に対して鋳片トップ部14aの冷却能が低下する傾向が現れだすと共に、水量や水供給のための動力コストが高騰するので、いずれも好ましくない。勿論、上流側供給量が鋳片14の形状や大きさ等によって適宜選択されるので、下流側供給量もこれに応じて前記範囲内で適宜選択されて供給されるのはいうまでもない。

0032

また、支持案内ロール12a〜12i、12a′〜12i′及びノズル15a〜15d、15a′〜15d′により、支持案内通路13の両側部に複数の冷却ゾーンが形成されている。すなわち、支持案内ロール12a、12b、12a′、12b′及びノズル15a、15a′で第1冷却ゾーンが構成され、支持案内ロール12c、12d、12c′、12d′及びノズル15b、15b′で第2冷却ゾーンが構成され、支持案内ロール12e、12f、12e′、12f′及びノズル15c、15c′で第3冷却ゾーンが構成され、支持案内ロール12g、12h、12g′、12h′及びノズル15d、15d′で第4冷却ゾーンが構成されている。

0033

前記制御部17は、パルスカウンタ(図示せず)で得られた経過時刻等に従って所定の開閉弁16a〜16d、16a′〜16d′を、“開”、“閉”、そして“開”の動作を制御したり、ノズル15a〜15d、15a′〜15d′からの冷却水の供給量を制御する。

0034

続いて、この湾曲型連続鋳造機10を用いた本発明の一実施例に係る連続鋳造方法について説明する。まず、湾曲型連続鋳造機10において、従来と同様にして鋳片14の連続鋳造が開始され、鋳型11の下方から凝固殻(図示せず)が形成された鋳片14が支持案内通路13内を介して図2図7中A矢視する引き抜き方向に引き抜かれる。ここで、各開閉弁16a〜16d、16a′〜16d′はそれぞれ開かれて、ノズル15a〜15d、15a′〜15d′から鋳片14に向かって冷却水(図示せず)が供給される。これにより、支持案内通路13内全域に渡って水冷ゾーンが形成され、支持案内通路13内の鋳片14全体が冷却されている。

0035

次に、鋳造終了時に、鋳型11内の溶鋼の上面(又は湯面という)が所定部より下がると、又はタンディッシュ内の溶鋼の重量が所定重量より減少すると、これを鋳造終了時として制御部17のパルスカウンタがこの鋳造終了時からの経過時間を検出し始める。なお、制御部17は、予め鋳片14の引き抜き速度等により、後述する第1〜4冷却ゾーン近接時間、第1〜3落下水回避時間を算出し、これら各時間と経過時間とを比較している。

0036

次に、図2に示すように、鋳片トップ部14aが第1冷却ゾーンの上流側(又は上方)の支持案内ロール12a、12a′に近接する迄、鋳片14が引き抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第1冷却ゾーン近接時間、すなわち鋳片トップ部14aが鋳型11内の所定部から第1冷却ゾーンに近接する迄の引き抜き時間とパルスカウタからの経過時間とから、鋳片トップ部14aが支持案内ロール12a、12a′に近接したことを検知する。この検知により、制御部17は、開閉弁16a、16a′に“閉”信号を出力して、開閉弁16a、16a′を閉じる。これにより、鋳片14の第1冷却ゾーンと当接する部位に非水冷ゾーンが形成され、鋳片14の前記第1冷却ゾーンと当接する部位を除く部位、すなわち図2斜線で示す鋳片14の部位に水冷ゾーンが形成される。

0037

次に、図3に示すように、鋳片トップ部14aが第2冷却ゾーンの上流側(又は上方)の支持案内ロール12c、12c′に近接する迄、鋳片14が引き抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第2冷却ゾーン近接時間、すなわち鋳片トップ部14aが鋳型11内の所定部から第2冷却ゾーンに近接する迄の引き抜き時間とパルスカウタからの経過時間とから、鋳片トップ部14aが支持案内ロール12c、12c′に近接したことを検知する。この検知により、制御部17は、開閉弁16b、16b′に“閉”信号を出力して、開閉弁16b、16b′を閉じる。これにより、鋳片14の第2冷却ゾーンと当接する部位及び支持案内通路13内で鋳片トップ部14aより上流側に非水冷ゾーンが形成され、鋳片14の第2冷却ゾーンと当接する部位を除く部位、すなわち図3中斜線で示す鋳片14の部位に水冷ゾーンが形成される。

0038

次に、図4に示すように、鋳片トップ部14aが第3冷却ゾーンの上流側(又は上方)の支持案内ロール12e、12e′に近接する迄、鋳片14が引き抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第3冷却ゾーン近接時間、すなわち鋳片トップ部14aが鋳型11内の所定部から第3冷却ゾーンに近接する迄の引き抜き時間とパルスカウタからの経過時間から、鋳片トップ部14aが支持案内ロール12e、12e′に近接したことを検知する。この検知により、制御部17は、開閉弁16c、16c′に“閉”信号を出力して、開閉弁16c、16c′を閉じる。これにより、鋳片14の第3冷却ゾーンと当接する部位及び支持案内通路13内で鋳片トップ部14aより上流側に非水冷ゾーンが形成され、鋳片14の第3冷却ゾーンと当接する部位を除く部位、すなわち図4中斜線で示す鋳片14の部位に水冷ゾーンが形成される。

0039

次に、図5に示すように、鋳片トップ部14aが、第1冷却ゾーンの支持案内最下端ロール12b′の回転中心から垂直方向に下ろした垂直線を外れる領域、すなわち図5中一点鎖線より右側の領域に突入するまで、鋳片14が引き抜かれる。詳述すると、第1冷却ゾーンのノズル15a、15a′からの冷却水が、第1冷却ゾーンの内径側でかつ下流側(又は下方)に取り付けられた支持案内ロール12b′のアライメントを伝って落下しても鋳片トップ部14aの溶鋼内に落下することがなく、これを回避できる領域迄、鋳片14が引き抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第1落下水回避時間、すなわち、鋳片トップ部14aが鋳型11内の所定部から第1落下水回避域に突入する迄の引き抜き時間とパルスカウンタからの経過時間とから、鋳片トップ部14aが第1落下水回避域迄引き抜かれたことを検知する。この検知によって、制御部17は、開閉弁16a、16a′に“開”信号を出力し、開閉弁16a、16a′を開いて、ノズル15a、15a′から支持案内通路13内に冷却水を供給する。これにより、支持案内通路13内で第1冷却ゾーンと当接する部位及び鋳片14の前記第3冷却ゾーンと当接する部位を除く部位、すなわち図5中斜線で示す部位に水冷ゾーンが形成され、これ以外の、第2及び第3冷却ゾーンと当接する部位に非水冷ゾーンが形成される。ここで、鋳片トップ部14aは該鋳片トップ部14aの上流側(又は上方)に供給された水又は気水等の冷却水で低温化された冷空気で間接的に冷却されると共に、支持案内通路13内でこれら冷却水が衝突してミスト状化された冷却水で直接冷却される。なお、鋳片トップ部14aが第1落下水回避域に突入したときにノズル15a、15a′から冷却水を供給するので、水蒸気爆発の発生の虞れを防止することができる。

0040

次に、図6に示すように、鋳片トップ部14aが、第2冷却ゾーンの支持案内最下端ロール12d′の回転中心から垂直方向に下ろした垂直線を外れる領域、すなわち、図6中一点鎖線より右側の領域に突入するまで、鋳片14が引き抜かれる。詳述すると、第2冷却ゾーンのノズル15b、15b′からの冷却水が、第2冷却ゾーンの内径側でかつ下流側(又は下方)に取り付けられた支持案内ロール12d′のアライメントを伝って落下しても鋳片トップ部14aの溶鋼内に落下することがなく、これを回避できる領域迄、鋳片14が引き抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第2落下水回避時間、すなわち、鋳片トップ部14aが鋳型11内の所定部から第2落下水回避域に突入する迄の引き抜き時間とパルスカウンタからの経過時間とから、鋳片トップ部14aが第2落下水回避域迄引き抜かれたことを検知する。この検知によって、制御部17は、開閉弁16b、16b′に“開”信号を出力し、開閉弁16b、16b′を開いて、ノズル15b、15b′から支持案内通路13内に噴霧状の冷却水を供給する。

0041

次に、図6に示すように、鋳片トップ部14aが、第4冷却ゾーンの上流側(又は上方)の支持案内ロール12g、12g′に近接する迄引き抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第4冷却ゾーン近接時間、すなわち鋳片トップ部14aが鋳型11内の所定部から第4冷却ゾーンに近接する迄の引き抜き時間とパルスカウタからの経過時間とから、鋳片トップ部14aが支持案内ロール12g、12g′に近接したことを検知する。この検知により、制御部17は、開閉弁16d、16d′に“閉”信号を出力して、開閉弁16d、16d′を閉じる。これにより、支持案内通路13内で第1及び第2冷却ゾーンと当接する部位、及び鋳片14の前記第4冷却ゾーンと当接する部位を除く部位、すなわち図6中斜線で示す部位に水冷ゾーンが形成され、これ以外の、第3及び第4冷却ゾーンと当接する部位に非水冷ゾーンが形成される。

0042

次に、図7に示すように、鋳片トップ部14aが、第3冷却ゾーンの支持案内最下端ロール12f′の回転中心から垂直方向に下ろした垂直線を外れる領域、すなわち、図7中一点鎖線より右側の領域に突入するまで、鋳片14が引き抜かれる。詳述すると、第3冷却ゾーンのノズル15c、15c′からの冷却水が、第3冷却ゾーンの内径側でかつ下流側(又は下方)に取り付けられた支持案内ロール12f′のアライメントを伝って落下しても鋳片トップ部14aの溶鋼内に落下することがなく、これを回避できる領域迄、鋳片14が引き抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第3落下水回避時間、すなわち鋳片トップ部14aが鋳型11内の所定部から第3落下水回避域に突入する迄の引き抜き時間とパルスカウンタからの経過時間から、鋳片トップ部14aが第3落下水回避域迄引き抜かれたことを検知する。この検知により、制御部17は、開閉弁16c、16c′に“開”信号を出力し、開閉弁16c、16c′を開いて、ノズル15c、15c′から支持案内通路13内に噴霧状の冷却水を供給する。これにより、支持案内通路13内で第1〜第3冷却ゾーンと当接する部位、及び鋳片14の前記第4冷却ゾーンと当接する部位を除く部位、すなわち図6中斜線で示す部位に水冷ゾーンが形成され、これ以外の第4冷却ゾーンと当接する部位に非水冷ゾーンが形成される。

0043

このように、支持案内通路13内で鋳片トップ部14aと当接する部位及び鋳片トップ部14aに冷却水が落下する部位に非水冷ゾーンを設け、かつこの非水冷ゾーンを鋳片トップ部14aの動きに応じて開閉弁を調整し、同時に、鋳片トップ部14aの上流側(又は上方)にも噴霧状の冷却水を供給することによって、鋳片14に接して高温化された空気を低温化し、この低温化され冷空気で鋳片トップ部14aを間接的に冷却し、さらに支持案内通路13内に供給されかつ衝突することでミスト状化された水又は気水で鋳片トップ部14aを直接冷却するので、効率的に鋳片トップ部14aを冷却することが可能となる。

0044

図8は従来法と本法を適用したときの湾曲型連続鋳造機の鋳造終了時の鋳造速度を比較したものである。実線ラインaは鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度を低下させる従来法による湾曲型連続鋳造機の鋳造終了時の鋳造速度、実線ラインbは本法による湾曲型連続鋳造機の鋳造終了時の鋳造速度である。なお、本比較例は鋳片を切断して鋳塊を製造する場合のものである。また、図8横軸左方はタンディッシュ重量減少量を示している。ここで、タンディッシュ重量が2tonとなったときタンディッシュ内の溶鋼量が0tonとなり、鋳造が終了する。また、図8中横軸右方は鋳造終了時からの経過時間を算出するパルスカウンタで得られた鋳片トップ部の移動量を示している。ここで、鋳造終了時における鋳片トップ部の移動量は0mである。

0045

図8から判るように、従来法では、タンディッシュ内の溶鋼重量が減少するに従って鋳造速度を定常鋳造速度1.7m/分から約0.3m/分まで低下させていたが、本法では鋳片トップ部の直後に噴霧状の冷却水を供給したので、鋳片トップ部の冷却速度(又は凝固速度)を上げることができ、この結果、タンディッシュ内の溶鋼重量が減少するに従って鋳造速度を定常鋳造速度、例えば1.8m/分から1.2m/分までの範囲で低下させればよく、極めて効率的に鋳片トップ部を引き抜くことができた。また、鋳片トップ部の直後に噴霧状の冷却水を供給して鋳片トップ部の冷却速度(又は凝固速度)を上げることができたので、従来法に比べて定常鋳造速度を0.1m/分上げることができ、鋳造終了時のみならず定常鋳造時でも効率良く鋳片を引き抜くことができるようになった。

0046

図9は従来法と本法を適用したときの湾曲型連続鋳造機の鋳造終了時の鋳造速度を比較したものである。実線ラインaは鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度を低下させる従来法による湾曲型連続鋳造機の鋳造終了時の鋳造速度、実線ラインbは本法による湾曲型連続鋳造機の鋳造終了時の鋳造速度である。なお、本比較例は鋳片直送圧延用に鋳造した場合のものである。また、図9中横軸左方はタンディッシュ内の溶鋼の減少量を示している。ここで、溶鋼量が0tonとなったとき鋳造が終了する。また、図9中横軸右方は鋳造終了時からの経過時間を算出するパルスカウンタで得られた鋳片トップ部の移動量を示している。ここで、鋳造終了時における鋳片トップ部の移動量は0mである。

0047

図9から判るように、従来法ではタンディッシュ内の溶鋼重量が減少するに従って鋳造速度を定常鋳造速度1.64m/分から0.6m/分まで低下させ、更に約60秒以内であるが、鋳片トップ部に露出された溶鋼内に冷材を挿入するための引き抜き停止時間が必要であったが、本法ではタンディッシュ内の溶鋼重量が減少するに従って鋳造速度を定常鋳造速度1.64m/分から1.2m/分までしか低下させる必要がなく、更に冷材を挿入する必要がないので引き抜き停止時間がなく、極めて効率的に鋳片トップ部を引き抜くことができた。

0048

以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。例えば、本実施例では、ノズルの開閉制御を冷却ゾーン単位で行ったが、通常、冷却ゾーンでは支持案内通路の引き抜き方向に沿って複数列にノズルが取り付けられているので、各列毎にノズルを開閉制御してもよい。これにより非水冷ゾーンを更に狭めることができるので、さらに効率良く冷却することができる。また、鋳片トップ部より上流側(又は上方)に噴霧状の冷却水を供給するために第1冷却ゾーンのノズルから順次使用したが、これに限らず、第2冷却ゾーンのノズルから順次使用するようにしてもよい。また、本実施例では、本発明の連続鋳造方法を円弧型連続鋳造機に適用したものとして説明したが、同様に垂直曲げ型連続鋳造機に適用したものであってもよい。

発明の効果

0049

請求項1〜3記載の連続鋳造方法においては、鋳片トップ部の直後に冷却水を供給しない非水冷ゾーンを設け、更にこの非水冷ゾーンを支持案内通路内を引き抜かれる鋳片トップ部の移動に合わせて移行させていくことにより、水蒸気爆発等を防止して、鋳片トップ部を効率良く短時間で冷却することができる。また、冷却水の供給量に応じて鋳片の冷却速度(又は凝固速度)を可変することができるので、急激な冷却によって鋳片内部に内在的欠陥等を生じさせずに、均質で良好な品質下等のない鋳片を製造することができる。更に冷却速度を容易に変更できるので、鋳片直送圧延等各種圧延設備等に応じた適温の鋳片を製造することができる。この結果、連続鋳造の準備時間の短縮化鋳造歩留りの向上、省力化作業を可能にすることができる。更に、湾曲型連続鋳造機の矯正点の支持案内ロールの負荷を軽減することができる。

0050

特に、請求項2記載の連続鋳造方法においては、冷却ゾーンの開閉弁を、鋳片トップ部の移動に伴って、順次“開”、“閉”、“開”させるので容易に非水冷ゾーンを移行させ、勿論水蒸気爆発等を防止して、鋳片トップ部を効率良く冷却することができる。

0051

特に、請求項3記載の連続鋳造方法においては、鋳片トップ部が冷却ゾーンの支持案内最下端ロールの少なくとも中心部からの垂直線より外れた領域迄移動したとき前記支持案内最下端ロールを有する冷却ゾーンの開閉弁が開かれるので、たとえ支持案内最下端ロールの表面をつたって冷却水が落下しても鋳片トップ部の溶鋼中に直接冷却水がかかることがなく、水蒸気爆発等を起こす虞れを防止することができる。

図面の簡単な説明

0052

図1本発明の一実施例に係る連続鋳造方法を適用した湾曲型連続鋳造機の概略構成図である。
図2同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第1冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の説明図である。
図3同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第2冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の説明図である。
図4同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第3冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の説明図である。
図5同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第1落下水回避域迄引き抜いた状態の説明図である。
図6同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第4冷却ゾーンに近接する迄、及び第2落下水回避域迄引き抜いた状態の説明図である。
図7同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第3落下水回避域迄引き抜いた状態の説明図である。
図8本発明の一実施例に係る連続鋳造方法と従来法の鋳造終了時の鋳片の鋳造速度を示すグラフである。
図9同他の例の鋳造終了時の鋳片の鋳造速度を示すグラフである。

--

0053

10湾曲型連続鋳造機11鋳型
12a支持案内ロール12b 支持案内ロール
12c 支持案内ロール 12d 支持案内ロール
12e 支持案内ロール 12f 支持案内ロール
12g 支持案内ロール 12h 支持案内ロール
12i 支持案内ロール 12a′ 支持案内ロール
12b′ 支持案内ロール 12c′ 支持案内ロール
12d′ 支持案内ロール 12e′ 支持案内ロール
12f′ 支持案内ロール 12g′ 支持案内ロール
12h′ 支持案内ロール 12i′ 支持案内ロール
12j曲げ矯正ロール13支持案内通路
14 鋳片 14a 鋳片トップ部
15aノズル15b ノズル
15c ノズル 15d ノズル
15a′ ノズル 15b′ ノズル
15c′ ノズル 15d′ ノズル
16a開閉弁16b 開閉弁
16c 開閉弁 16d 開閉弁
16a′ 開閉弁 16b′ 開閉弁
16c′ 開閉弁 16d′ 開閉弁
17 制御部

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