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図面 (2)

課題

比重の異なる添加材等を分離させることなく、均等に安定させ且つ流動性の良い坑井用セメントスラリー組成物を提供する。

解決手段

水硬性セメント材料と、β−1,3−グルカンと、分散剤と、消泡剤とを含有し、比重が1〜2.3であり、水セメント比が40〜130%である坑井用セメントスラリー組成物。

概要

背景

従来、坑井セメンチングに使用する坑井用セメントスラリー組成物に各種添加剤を添加したものを使用して、セメンチングを行っている。これらの添加剤としては、セメント速硬剤、セメント遅硬剤、分散剤、セメント脱水減少剤低比重添加材高比重添加材、セメント膨張材、セメント強度安定材珪石粉等が挙げられ、坑井条件と目的に応じてこれら添加剤を組み合わせて最も適した坑井用セメントスラリー組成物をセメンチングに供している。しかし、これらセメントスラリー組成物は、セメンチングにおいて多量に調製し坑井に送入することから、ジェットミキサーベンチュリ効果を利用して、溶解水ジェットから噴射させてバキュームをかけ、ホッパーからセメントを吸い込みによって混合・溶解させてセメントスラリーをつくる装置)による方法が多く行われている。この方法は、セメントと溶解水の供給バランス崩れることもあり、そのような場合セメントスラリー組成物中の添加材の分離を起こすことがある。均質なセメントスラリーを得るため、常時、比重チェックを行うことが必要であり、また、オペレーターによるバラツキも大きいのが現状である。

概要

比重の異なる添加材等を分離させることなく、均等に安定させ且つ流動性の良い坑井用セメントスラリー組成物を提供する。

水硬性セメント材料と、β−1,3−グルカンと、分散剤と、消泡剤とを含有し、比重が1〜2.3であり、水セメント比が40〜130%である坑井用セメントスラリー組成物。

目的

特に、油井天然ガス井、地熱井等においては、その底部における温度や圧力条件によって、坑井用セメントスラリーの性状が大きく影響されてはならないし、スラリー組成物の分離も起こしてはならない。即ち、数千メートルの地下において温度や圧力等の影響を受けても、坑井用セメントスラリーの流動性を良好に維持し、遊離水の発生と脱水量の増加を防止し、均質な硬化体を形成すること及び充分な圧縮強度発現し、維持することが重要な課題である。

本発明は、このような問題を改善するためになされたもので、坑井用セメンチング工法において、比重の異なる添加材などを分離させることなく均等に安定させ且つ流動性の良い坑井用セメントスラリー組成物を提供するものである。また、均質な硬化体を作ることができる坑井用セメントスラリー用分離低減剤を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

水硬性セメント材料と、β−1,3−グルカンと、分散剤と、消泡剤と、水とを含有し、比重が1〜2.3であり水セメント比が40〜130%である坑井用セメントスラリー組成物

請求項2

上記β−1,3−グルカンが、微生物産生の多糖類であり、上記水硬性セメント材料100重量部に対して、0.01〜1.0重量部添加されることを特徴とする請求項1記載の坑井用セメントスラリー組成物。

請求項3

上記分散剤が、スルホン基を有するフェノールまたはナフタレンホルマリン縮合物からなる化合物であり、上記水硬性セメント材料100重量部に対して固形分換算で0.1〜5.0重量部添加されることを特徴とする請求項1記載の坑井用セメントスラリー組成物。

請求項4

消泡剤が、高級アルコール系、シリコン系、グリコール系および脂肪酸金属石けんから選ばれた1種又は2種以上からなり、上記水硬性セメント材料100重量部に対して、固形分換算で0.01〜1.0重量部添加されることを特徴とする請求項1記載の坑井用セメントスラリー組成物。

請求項5

セメント速硬剤、セメント遅硬剤、低比重添加材高比重添加材、セメント脱水減少剤セメント膨張材、セメント強度安定材および珪石粉から選ばれた1種又は2種以上を坑井条件に応じて、上記水硬性セメント材料100重量部に対して0〜100重量部の範囲内でさらに添加したことを特徴とする請求項1記載の坑井用セメントスラリー組成物。

請求項6

坑井の掘削において、地層ケーシングパイプとの環状空隙部をセメント材料で固めるためのセメントスラリー組成物として、請求項1記載の坑井用セメントスラリー組成物を用いることを特徴とする坑井用セメンチング工法

請求項7

β−1,3−グルカンを含有することを特徴とする坑井用セメントスラリー分離低減剤

技術分野

0001

本発明は、油井天然ガス井及び地熱井掘削で用いる坑井用セメントスラリー組成物およびセメンチング工法に関するものである。さらに詳しくは、地上からケーシングパイプ内を通して、ケーシングパイプ地層との環状空隙部分にセメントスラリーポンプ送入し、この環状空隙部分を底から順にセメントスラリーで充填し、硬化したセメントスラリーによりケーシングパイプを坑井内に固定することにより、坑井内の内壁を保護するための坑井用セメントスラリー組成物及び該組成物を用いる坑井用セメンチング工法に関するものである。

背景技術

0002

従来、坑井のセメンチングに使用する坑井用セメントスラリー組成物に各種添加剤を添加したものを使用して、セメンチングを行っている。これらの添加剤としては、セメント速硬剤、セメント遅硬剤、分散剤、セメント脱水減少剤低比重添加材高比重添加材、セメント膨張材、セメント強度安定材珪石粉等が挙げられ、坑井条件と目的に応じてこれら添加剤を組み合わせて最も適した坑井用セメントスラリー組成物をセメンチングに供している。しかし、これらセメントスラリー組成物は、セメンチングにおいて多量に調製し坑井に送入することから、ジェットミキサーベンチュリ効果を利用して、溶解水ジェットから噴射させてバキュームをかけ、ホッパーからセメントを吸い込みによって混合・溶解させてセメントスラリーをつくる装置)による方法が多く行われている。この方法は、セメントと溶解水の供給バランス崩れることもあり、そのような場合セメントスラリー組成物中の添加材の分離を起こすことがある。均質なセメントスラリーを得るため、常時、比重チェックを行うことが必要であり、また、オペレーターによるバラツキも大きいのが現状である。

発明が解決しようとする課題

0003

坑井用セメントスラリーと、一般のセメントコンクリート及びセメントモルタルとの相違点としては、坑井用セメントスラリーの方が低比重であること、水セメント比が高いこと、さらに硬化時間シックニングタイム)を制御できること等を挙げることができる。

0004

これらの坑井用セメントスラリーを用いて行うセメンチング工法は、簡潔にいうと、数千メートルの地下にセメントスラリーを注入し、その注入圧により、下からセメントスラリーを押し上げ坑壁ケーシングとの間隙を均一に充填しながら構造物を作り上げる工法である。

0005

したがって、セメンチング工法に用いる坑井用セメントスラリーは、一般のセメントコンクリートまたはセメントモルタル等とはその概念が大きく異なる。即ち、坑井用セメントスラリーは、セメントコンクリートまたはセメントモルタルと比べて、大幅な軽量化、高い水セメント比、流動性富む性質等が要求される。また、硬化時間も制御できる配合が要求される。

0006

例えば、セメントコンクリートの比重が約2.65であるのに対して、坑井用セメントスラリーの比重は1〜2.3程度となり、極端に小さくなくてはならない。そのために、セメントコンクリートの水セメント比が30〜60%であるのに対して、坑井用セメントスラリーの水セメント比は40〜130%程度という水の多い配合となる。

0007

また、比重を下げるために、ベントナイト中空ガラスマイクロバルーン等の低比重化材を使用する必要がある。さらに、硬化時間としては、坑井のセメンチング深度、坑井温度等の坑井条件によって異なってくるが、ほぼ1〜5時間程度に制御することがが要求される。このように坑井用セメントスラリーは、分離しやすい材料が含有され、スラリー特性が組成物の分離を起こすような条件である等の好ましくない条件が揃っている。坑井用セメントスラリーは、このような悪条件を克服して、均質な組成を維持しなければならない。

0008

特に、油井、天然ガス井、地熱井等においては、その坑底部における温度や圧力条件によって、坑井用セメントスラリーの性状が大きく影響されてはならないし、スラリー組成物の分離も起こしてはならない。即ち、数千メートルの地下において温度や圧力等の影響を受けても、坑井用セメントスラリーの流動性を良好に維持し、遊離水の発生と脱水量の増加を防止し、均質な硬化体を形成すること及び充分な圧縮強度発現し、維持することが重要な課題である。

0009

本発明は、このような問題を改善するためになされたもので、坑井用セメンチング工法において、比重の異なる添加材などを分離させることなく均等に安定させ且つ流動性の良い坑井用セメントスラリー組成物を提供するものである。また、均質な硬化体を作ることができる坑井用セメントスラリー用分離低減剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、上記の状況下で完成されたものである。すなわち、本発明は水硬性セメントと、β−1,3−グルカンと、分散剤と、消泡剤とを含有するセメントスラリー組成物にかかるものであり、該組成物には坑井条件に応じてセメント速硬剤、セメント遅硬剤、低比重添加材、高比重添加材、セメント脱水減少剤、セメント膨張材、セメント強度安定材、珪石粉などの中から選ばれた1種又は2種以上を添加し得る。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明において用いるセメント材料は、ポルトランド系セメント混合セメント高温度用セメント、或はシリカ及び石こう等を混合した水硬性セメントであり、従来坑井等に用いられているセメントであれば、どんなセメントでも用いることができる。水硬性セメントとは、一般にカルシウムアルミニウム、鉄、マグネシウム、及び/又は硫黄等の化合物からなり、水と反応して固形化するセメントである。水硬性セメントに属するセメントとしては、普通ポルトランドセメント、高温度用セメント、速硬性又は超速硬性セメントアルミナセメント高炉セメントさらにはフライアッシュ又はポゾラン灰を含有するポルトランドセメント等が挙げられるが、これに限定されるものではない。

0012

β−1,3−グルカンは、グルコースが主にβ−1,3−結合によって結合されている多糖類であって、具体的には、カードランパラミロン、パキマンスクレログルカンラミナラン酵母グルカン等を挙げることができる。本発明においては、特に、カードランが好ましく用いられる。カードランは、例えば、ニューフードインダストリー(New Food Industry) 、第20巻第10号第49〜57頁(1978年)に記載されているように、β−1,3−グルコシド結合主体とし、通常、加熱凝固性を有する多糖類、即ち、水分の存在下で加熱することによって、凝固する(ゲルを形成する)性質を有する多糖類である。かかる多糖類として、例えば、アルカリゲネス属又はアグロバクテリウム属微生物によって生産される多糖類が挙げられる。具体的には、アルカリゲネス、フエカリスバール・ミクソゲネス菌体10C3Kによって生産される多糖類(アグリカルチュラル・バイオロジカル・ケミストリー(Agricultural Biological Chemistry)、第30巻第196頁(1966年)や、或いはアルカリゲネス・フエカリス・バール・ミクソゲネス菌体10C3K変異株NTK−u(IFO13140)によって生産される多糖類(特公昭48−32673号)、アグロバクテリウムラジオバクター(IFO13127)及びその変異株U−19(IFO12126)によって生産される多糖類(特公昭48−32674号)等を用いることができる。カードランは、上述したように、微生物によって生産される多糖類であるが、本発明においては、これを末精製のままにて用いてもよく、或いは必要に応じて、高度に精製して用いてもよい。パラミロンも、β−1,3−グルカンの1種であって、微生物であるユーグレナ(Euglena)が細胞内に蓄積する貯蔵多糖の1種である。このようなパラミロンは、例えば、カーボハイドレートリサーチ(Carbohydrate Research).25.231−242(1979).特開昭64−37297号あるいは特開平1−37297号公報によって既に知られている。しかし、カードランと異なって、パラミロンの粉末は、加熱凝固性をもたないので、加熱凝固性をもたせるために、必要に応じて、アルカリ処理してもよい。パラミロンも、本発明においては、これを未精製のままにて用いてもよく、或いは必要に応じて、高度に精製して用いてもよい。微生物起源のβ−1,3−グルカン、特に、カードランやパラミロンを後述のアルカリで処理すれば、二価又はそれ以上の多価金属イオン、例えば、カルシウムイオンマグネシウムイオン銅イオン鉄イオンコバルトイオン等の存在下に金属イオン架橋ゲルを形成する性質を有するβ−1,3−グルカンを得ることができる。このような金属イオン架橋ゲル形成能を有するグルカンは、微生物起源のβ−1,3−グルカンをアルカリ水溶液に溶解させ、そのアルカリ水溶液を水溶性有機溶剤に接触させて、β−1,3−グルカンを析出させ、好ましくはpHを6〜7に中和することによって得ることができる。金属イオン架橋ゲル形成性β−1,3−グルカンを得る別の方法として、上記、β−1,3−グルカンのアルカリ水溶液を凍結させ、その凍結物を水溶性有機溶剤に接触させて、β−1,3−グルカンを析出させ、中和することによって得る方法がある。このようにして得られたグルカンは、必要に応じて、脱水し、粉末状に乾燥してもよい。上記方法において、グルカンを析出させるための水溶性有機溶剤としては、メタノールのようなアルコールが好ましく用いられ、また、グルカンを溶解させるためのアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化アンモニウム等の水溶液が好ましく用いられる。このようにして得られるβ−1,3−グルカンは、前述したように、金属イオン架橋ゲル形成能を有するので、例えば、本発明において、通常、カルシウムイオンの存在する組成物に成形助剤として特に好ましく用いられる。本発明において、β−1,3−グルカンは分離低減剤として作用する。すなわち、β−1,3−グルカンは、坑井用セメントスラリーの粘性を増大させ、その結果、内部に含まれている水及び添加材の流動性を維持し、打設時における分離を防止することができる。β−1,3−グルカンは、水硬性セメント材料100重量部に対して0.01〜1.0重量部添加される。

0013

分散剤としては、坑井用セメントスラリー及び多糖類ポリマーの流動性の安定改善剤として、スルホン基を有するフェノール又はナフタレンホルマリン縮合物から成る化合物を用いることができる。すなわち、本発明に効果的に使用できる分散剤は、スルホン化されたナフタレン樹脂、フェノール及びホルムアルデヒド縮合物スルホン化物、若しくはこれらの縮合体変性されたメラミンホルムアルデヒド樹脂のスルホン化物等ポリカルボン酸アミノスルホン酸のような、陰イオン高分子電解質である。分散剤は、水硬性セメント材料100重量部に対して固形分換算で0.1〜5.0重量部添加される。

0014

消泡剤としては、坑井用セメントスラリー組成物の消泡効果剤として、高級アルコール系としてオフルアルコールシクロヘキサノール等、シリコン系としてメチルシロキサン等、そしてその他のものとしてエチレングリコール等、さらに高級脂肪酸金属石けん等がある。本発明においては、これらの消泡剤から選択された1種又は2種以上からなる単品又は混合品を用いることができる。消泡剤は、水硬性セメント材料100重量部に対して固形分換算で0.01〜1.0重量部添加される。

0015

その他の添加剤は、坑井の状況に応じて坑井用セメントスラリーの特性を得るために添加するものである。すなわち、その他の添加剤としてセメント速硬剤、セメント遅硬剤、低比重添加材、高比重添加材、セメント脱水減少剤、セメント膨張材、セメント強度安定材、珪石粉などの群から選ばれた1種又は2種以上を、坑井内の条件に応じて添加することにより、最良の性状を持った坑井用セメントスラリー組成物に調整する。これらその他の添加剤の具体例と添加量セメント組成物100重量部に対する重量基準)を表−1に示す。

0016

0017

セメントのみからなる坑井用セメントスラリーを用いた場合には、坑井用セメントスラリーを調整する過程において、設計した割合よりも溶解水が多くなったときに、坑井用セメントスラリー中のセメント添加材の分離を引き起こす。

0018

これに対して、本発明の坑井用セメントスラリーによると、坑井用セメントスラリー中において、ポリマーの長い直線性分子セメント粒子間に架橋作用を果し、均質なセメントスラリーができるため、セメント添加材の分離が防止される。すなわち、本発明においては多糖類ポリマーを用いているため、ポリマーは高い保水性を示し、また、セメント等の結合材濾液にはほとんど溶解せず、カルシウム架橋の独立膨潤粒子として存在するため、分散剤のセメント粒子への吸着を妨害せず、添加材の分離を防止するとともに坑井用セメントスラリーの流動化を妨げない。

0019

次に、実施例により本発明を具体的に説明する。

0020

実施例1
ジュースミキサーに、β−1,3−グルカン(商品名「ビオポリー」、武田薬品工業株式会社製)、水、分散剤(ナフタレンスルホン酸塩類)(商品名「TD−55」、テルイト社製)、消泡剤(シリコン系)(商品名「Defoamer 30C」、テルナイト社製)及び、坑井用クラスAセメント(宇部興産社製)、中空ガラスマイクロバルーン(商品名「スフェアライト」、テルナイト社製)を表−2に示す組成で攪拌混合して、セメントスラリーを作り各特性試験に供した。
比較例1
β−1,3−グルカンを使用せず、ベントナイトを使用したときのセメントスラリーを比較例1として表−2に示す。
比較例2
β−1,3−グルカンおよびベントナイトを含まない場合のセメントスラリーを比較例2として特性測定を行った。それぞれの組成を表−2、測定値を表−3に示す。

0021

0022

ID=000004HE=060 WI=098 LX=0560 LY=1500
上記表−3中、コンシステンシーとは、セメントスラリーを大気圧コンシストメーター(米国チャンドラー社の製品)にて、27℃にて20分攪拌を行い、攪拌直後と20分後のコンシステンシーを付随するポテンショメーターで測定したものである。AVは見掛け粘性を、PVプラスチック粘性を、YVはイールドバリュウを表す。ここで見掛け粘性(AV)、プラスチック粘性(PV)、イールドバリュウ(YV)は、「VG meter model 35 」(米国Fann社)を用いて、セメントスラリーの入った容器一定回転数(600rpm,300rpm)で回転させて得られたものである。見掛け粘性(AV)は、流動性の度合を表す数値である。プラスチック粘性(PV)は、セメントスラリー中に含まれているソリッド分機械的摩擦によって生じる流動抵抗値である。イールドバリュウ(YV)は、液体流動状態にある時、流動を続けるのに必要なせん断力の測定値であって、セメントスラリー中に含まれているソリッド粒子間のけん引力によって生じる流動抵抗である。

0023

見掛け粘性、プラスチック粘性、イールドバリュウは、次式により算出して得られる。
見掛け粘性(cp)=(600rpmの読み)/2
プラスチック粘性(cp)=(600rpmの読み)−(300rpmの読み)
イールドバリュウ(1b/100ft2)=(300rpmの読み)−(プラスチック粘性)
n′及びk′は流動特性を表す値である。n′は流動挙動値(flow behavior index)、k′は、粘性値(consistency index) として表わされる値である。n′及びk′を求めるには、縦軸せん断力横軸せん断測度を両面対数方眼紙上にとり、各測定値をプロットする。このプロットは直線となり、この直線延長線と縦軸(せん断速度1sec -1)との交わる点が、求めるk′値である。このk′値が小さい方が流動性は良好である。n′は、この直線の勾配である。n′の値が大きいほど、粘性が低く好ましい。

0024

遊離水の測定
実施例1および比較例1〜2のセメントスラリー組成を用いて、溶解水が変動した場合を想定し、水セメント比を変えて遊離水の比較測定を行った。

0025

0026

上記表−4中、遊離水の測定は、供試セメントスラリーをコンシストメーターで27℃にて20分間攪拌し、その後ミキサーで充分均一に攪拌し、これを250mlメスシリンダーに入れ27℃にて2時間放置した後、上部に生ずる遊離水の量を測定することにより行う。

0027

圧縮強度の測定
坑底温度を35℃,60℃と想定して、実施例1および比較例1〜2のセメントスラリー組成を用いて、オートクレーブ内で2インチ×2インチ×2インチの大きさの成型枠内で、硬化、養生(8時間、24時間)して圧縮強度の比較測定を行った。

0028

脱水量の測定
実施例1において得たセメントスラリー組成について、坑井のセメンチングに重要な特性としての脱水特性について比較測定を行った。

0029

上記表−6中、脱水とは、浸透性の地層において、差圧によってセメントスラリーから水分が、地層へ侵入し、セメントスラリー中の水分がなくなることである。この脱水量が多いと、流動性に悪影響を及ぼすことはもちろん、セメントの脆化、圧縮強度の低下を起こし、セメンチングの不成功の原因ともなる。測定は、脱水量試験機により、所定の温度、差圧70ksc下の条件で30分間に脱水される量を測定することにより行った。

0030

実施例2〜7
実施例1のセメントスラリーに遅硬剤(リグニンスルホン酸ソーダ塩)を表−7の如く添加し、これらについて、坑井のセメンチングに重要な特性としてのシックニングタイムを測定した。セメントスラリー組成を表−7に、シックニングタイムの測定値を表−8に示す。

0031

0032

0033

上記表−8中、シックニングタイムとは、セメントスラリーが掘削井の坑底温度及び圧力下において、循環可能な流体として維持することができる時間を表す。このシックニングタイムは、シックニングタイムテスター(米国チャンドラー社製)により、坑底条件をシュミレートし、その時間を測定することによって求めた。なお、遅硬剤は、セメンチング作業時間に応じて添加量を調整し、適正なセメンチング作業時間に設定した。

0034

セメントボンド検層
千葉県の2坑井(深度1168mと深度1180m)において、開発したセメントスラリー組成物を用いてセメンチングを行った。セメンチング終了後に行ったセメントボンド検層(坑内に挿入したケーシングと裸坑壁の環状部にセメントスラリーを充填した場合、ケーシングパイプあるいは地層と接着している程度を深度に対して連続的に測定、記録する検層)において、セメントスラリーを充填した全区間図2のBに示すような良い結果が得られた。セメンチングに使用したセメントスラリー組成物を表−9に、その時にラボで実施したシックニングタイムと圧縮強度の結果を表−10と表−11に、また、セメントボンド検層の概要図1に、種々のセメンチング状況下での検層記録の例を図2に示す。

0035

ID=000010HE=030 WI=082 LX=0640 LY=0300
上記表−9中、ベントナイト、中空ガラスマイクロバルーン(スフェアライト)は、予めセメントに混合して用いた。

0036

0037

0038

セメントボンド検層では、発信器から一定の回数発信された音波の第1波が図1のようにケーシングパイプの一定区間L(3フィート)を走行して受信器に到達した時の音波エネルギー減衰する度合をその波の振幅の大きさとして計測するものである。

0039

音波がケーシングパイプ内を走行すると、その音波エネルギーによってケーシングが振動し、ケーシング周囲のセメントがケーシングによく接着していると、セメントとケーシングは一体となって振動するため、受信器に到達する音波エネルギーは減衰して小さくなるので振幅は小さくなる。ケーシングの周囲にセメントが無かったり、あるいはセメントとの接着が不良の場合には、ケーシングパイプの振動がセメントに伝わらないため、音波エネルギーは殆ど減衰することなく受信器に到達するため、受信する振幅は大きくなる。したがって、受信する音波エネルギーの振幅の変化を測定することによってケーシングパイプとセメントとの接着状態を知ることができる。

0040

上記図2中、Aは、パイプの周囲にセメントが無い場合である。Bは、パイプとセメント、セメントと地層との接着が良好な場合である。Cは、パイプとセメントとの接着が良好であるが、セメントと地層との接着が不良である場合である。Dは、パイプが偏心しており、片方の接着が不良である場合である。

発明の効果

0041

本発明の坑井用セメントスラリー組成物は、セメント添加材の均質性に優れたセメントスラリーである。また、本発明の坑井用セメンチング工法によれば、セメント添加材の分離を引き起こすことなくセメンチングを行うことができる。

図面の簡単な説明

0042

図1図1は、セメントボンド検層の概要を表す図である。
図2図2は、種々のセメンチング状況下での検層記録を表す図である。

--

0043

アーマードケーブル
2セメント
3ケーシングパイプ
泥水
5 上部電子回路
6 上部セントラライザー
7受信器
8発信器
9音波走行経路
10 下部セントラライザー
11 下部電子回路部
12地層
13 坑内

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