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技術 即席油調タイプの揚げ物用の冷凍食品およびその製造方法

出願人 フジフーズ株式会社
発明者 矢辺啓司
出願日 1995年6月29日 (24年0ヶ月経過) 出願番号 1995-196912
公開日 1997年1月14日 (22年6ヶ月経過) 公開番号 1997-009885
状態 特許登録済
技術分野 食品の凍結・冷却及び乾燥 穀類誘導体・合成クリーム 食品の調整及び処理一般 肉類、卵、魚製品 ゼリ-、ジャム、シロップ
主要キーワード 剥離空間 低速加熱 リテナー 消費段階 給食サービス ミートスライサ 処理加熱 加熱処理済み
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年1月14日)のものです。
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図面 (4)

目的

衣と具の剥離がなく、短時間に調理できる冷凍即席油調タイプの揚げ物用冷凍食品およびその製造方法を提供する。

構成

低温低速で加熱した素材を用いて衣付けして製造した冷凍のトンカツチキンカツ、ビーフカツ、メンチカツ等の即席油調タイプの揚げ物用の冷凍食品およびその製造方法。

概要

背景

冷凍されたトンカツチキンカツ、ビーフカツ、唐揚げフライ天ぷら等の衣付き揚げ物食品は、長期保存が可能であって、解凍し、温めるあるいは油調することによって手軽に食べることができるものであって、職業婦人の増加、深夜、早朝等にも活動する人々の増加等ライフスタイルの変化、またコンビニエンスストア軽食レストランファミリーレストランの影響もあって、需要が増加してきている。

しかしながら、従来の冷凍食品は、生肉に火が入るまでの時間(肉厚の違い、冷凍状態揚げるか、半解凍状態で揚げるかの違い等による)が微妙に違えば、揚げる時間の決定は変化し、その結果が肉の生煮え、または揚げすぎによる味の劣化等につながる面があった。生肉に衣を付けて冷凍した物は、7〜8分の油調(揚げ処理の意味)時間を要し、その断面を図3に示すが、肉の収縮が起こり、衣との間に剥離が生じた。即ち図3に示す従来例では生肉1にバッター粉2、パン粉3にて衣を形成したものを冷凍しているが、これを油調すると、肉の芯まで充分に加熱する必要があることから、油調に7〜8分程度要し、肉は図3(ロ)に示すように、収縮が起こり、衣層を形成するバッター、パン粉との間に空隙が生じる。図3(イ)は、冷凍状態を示す従来例である。生肉1にバッター粉2、パン粉3を付着させて衣を形成して、冷凍したものである。図3(ロ)は、冷凍したものを油調したものであって、油調前の肉の大きさ6(点線で示す)は油調による収縮4を生じて、縮んでしまい、衣であるバッター粉2、パン粉3との間に剥離空間5が発生している図を示している。このような例においては、表面が固くなり、肉と衣に隙間ができ、旨味が損なわれてしまっている。このように、従来の冷凍トンカツ等の冷凍の衣付き揚げ物食品では、食べる段階において、非冷凍食品に匹敵する作りたて風味揚げたてのさくさくした食感消費者に提供できていないのが現状であった。また、製造する側においても、肉類原料にすることに起因する次のような問題点があった。

肉は、等の個体差、原料の部位、更に同じ部位であっても筋肉繊維の方向性脂肪混じり具合等のバラツキが存在していて、均一化できない素材であるので、結果として、油調後に味のバラツキ、肉の収縮によって生ずる大きさ、重量のバラツキ、衣と具の剥離等制御できない問題が存在し、均等な大きさの製品の製造の困難性、歩留り悪さがあった。この問題の解決には、種々のアイデアが提案されている。例えば、水蒸気不透過性フイルム乾燥剤一緒被覆して冷凍する発明(特開平5−64574号公報)、衣付き素材を半揚げした状態でさらに衣液を付けててんぷらの外観を形成して再油調過程を経由して冷凍てんぷらを製造する発明(特開平5−49412号公報)、フライ素材をルー入りバッター粉を材料の一つとしたバッター液漬けた後、油で揚げたドライパン粉を付着させた物を電子レンジ加熱処理する。あるいは生パン粉を付着させた後、一旦揚げてから冷凍し、使用時にオーブン加熱調理するフライ用食品を製造する発明(特開平4−144659号公報)、コーンフラワー混入したパン粉により冷凍フライ食品製造することにより電子レンジ調理による食感を改善する発明(特開平4−53459号公報)、乳蛋白と油脂を混合したバッター組成物を素材に被覆し、さらに衣粉を被覆して冷凍し、オーブン、オーブントースター、電子レンジ等で加熱処理する冷凍揚げ物食品を製造する発明(特開平4−27355号公報)、微粒子状油脂を単あるいは衣粉と混合して素材に付着させ、未加熱の状態で冷凍し、使用時には油で揚げることなく、フライパン、オーブン等で加熱処理する冷凍食品を製造する発明(特公昭62−50096号公報)、油中水型エマルジョンの衣で被覆しさらにパン粉等で衣粉を付着させて冷凍し、使用時にフライパンで加熱調理する油で揚げる必要のない衣付き冷凍食品を製造する発明(特開昭58−78549号公報)、バッターおよびパン粉を付着させた素材を、蒸気乾熱を併用して中心温度が80℃以上になるまで加熱した後食用油で被覆し、冷凍し、使用時にフライパンやオーブンで加熱する冷凍食品を製造する発明(特公昭63−29986号公報)、可溶性ゼラチンでてんぷら素材を被覆して食感を改善した、電子レンジ対応の冷凍てんぷらの発明(特開平4−8255号公報)、多孔質粉体と吸質粉体を混合した衣粉を用いることによって、食感を改善した電子レンズ対応の冷凍揚げ物食品の発(特開平3−251146号公報)が挙げられる。

概要

衣と具の剥離がなく、短時間に調理できる冷凍即席油調タイプの揚げ物用の冷凍食品およびその製造方法を提供する。

低温低速で加熱した素材を用いて衣付けして製造した冷凍のトンカツ、チキンカツ、ビーフカツ、メンチカツ等の即席油調タイプの揚げ物用の冷凍食品およびその製造方法。

目的

また本発明は、冷凍の即席油調タイプの揚げ物、特に肉系の揚げ物に発生しがちな素材である具材縮み、衣と具材の離れの防止および油調時間を大に短縮して、素材の風味、品質を維持させる技術を開発し、簡便で美味しい揚げ物を提供することを目的とするものである。そしてトンカツ、チキンカツ、ビーフカツ、メンチカツ、唐揚げおよびてんぷらが主な対象製品である。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

素材の中心温が素材のタンパク質凝固する温度域であって、分水作用開始温度以下で加熱処理した加熱処理素材を用いて衣付けしたことを特徴とする即席油調タイプの揚げ物用冷凍食品

請求項2

蒸煮湯煎あるいは輻射熱を利用した加熱手段を用いて、包装した素材の中心温が素材のタンパク質が凝固する温度域であって、分水作用を生じない温度で加熱処理した加熱処理素材を用いて衣付けしたことを特徴とする即席油調タイプの揚げ物用の冷凍食品の製造方法。

請求項3

素材の中心温が素材のタンパク質が凝固する温度域であって、分水作用を生じない温度で加熱処理した素材を衣付けし、凍結したことを特徴とする即席油調タイプの用の冷凍食品の揚げ物の製造方法。

請求項4

豚肉牛肉鶏肉から選ばれた素材を対象として、請求項2あるいは3記載のいずれかの方法を用いて製造された即席油調タイプの揚げ物用の冷凍食品。

技術分野

6.短時間の油調ですむため、廃油発生量が少ないこと、があげられる。

背景技術

0001

本発明は、トンカツチキンカツ、ビーフカツ、メンチカツ等の即席油調タイプの揚げ物用冷凍食品およびその製造方法に関するものである。

0002

冷凍されたトンカツ、チキンカツ、ビーフカツ、唐揚げフライ天ぷら等の衣付き揚げ物食品は、長期保存が可能であって、解凍し、温めるあるいは油調することによって手軽に食べることができるものであって、職業婦人の増加、深夜、早朝等にも活動する人々の増加等ライフスタイルの変化、またコンビニエンスストア軽食レストランファミリーレストランの影響もあって、需要が増加してきている。

0003

しかしながら、従来の冷凍食品は、生肉に火が入るまでの時間(肉厚の違い、冷凍状態揚げるか、半解凍状態で揚げるかの違い等による)が微妙に違えば、揚げる時間の決定は変化し、その結果が肉の生煮え、または揚げすぎによる味の劣化等につながる面があった。生肉に衣を付けて冷凍した物は、7〜8分の油調(揚げ処理の意味)時間を要し、その断面を図3に示すが、肉の収縮が起こり、衣との間に剥離が生じた。即ち図3に示す従来例では生肉1にバッター粉2、パン粉3にて衣を形成したものを冷凍しているが、これを油調すると、肉の芯まで充分に加熱する必要があることから、油調に7〜8分程度要し、肉は図3(ロ)に示すように、収縮が起こり、衣層を形成するバッター、パン粉との間に空隙が生じる。図3(イ)は、冷凍状態を示す従来例である。生肉1にバッター粉2、パン粉3を付着させて衣を形成して、冷凍したものである。図3(ロ)は、冷凍したものを油調したものであって、油調前の肉の大きさ6(点線で示す)は油調による収縮4を生じて、縮んでしまい、衣であるバッター粉2、パン粉3との間に剥離空間5が発生している図を示している。このような例においては、表面が固くなり、肉と衣に隙間ができ、旨味が損なわれてしまっている。このように、従来の冷凍トンカツ等の冷凍の衣付き揚げ物食品では、食べる段階において、非冷凍食品に匹敵する作りたて風味揚げたてのさくさくした食感消費者に提供できていないのが現状であった。また、製造する側においても、肉類原料にすることに起因する次のような問題点があった。

発明が解決しようとする課題

0004

肉は、等の個体差、原料の部位、更に同じ部位であっても筋肉繊維の方向性脂肪混じり具合等のバラツキが存在していて、均一化できない素材であるので、結果として、油調後に味のバラツキ、肉の収縮によって生ずる大きさ、重量のバラツキ、衣と具の剥離等制御できない問題が存在し、均等な大きさの製品の製造の困難性、歩留り悪さがあった。この問題の解決には、種々のアイデアが提案されている。例えば、水蒸気不透過性フイルム乾燥剤一緒被覆して冷凍する発明(特開平5−64574号公報)、衣付き素材を半揚げした状態でさらに衣液を付けててんぷらの外観を形成して再油調過程を経由して冷凍てんぷらを製造する発明(特開平5−49412号公報)、フライ素材をルー入りバッター粉を材料の一つとしたバッター液漬けた後、油で揚げたドライパン粉を付着させた物を電子レンジ加熱処理する。あるいは生パン粉を付着させた後、一旦揚げてから冷凍し、使用時にオーブン加熱調理するフライ用食品を製造する発明(特開平4−144659号公報)、コーンフラワー混入したパン粉により冷凍フライ食品製造することにより電子レンジ調理による食感を改善する発明(特開平4−53459号公報)、乳蛋白と油脂を混合したバッター組成物を素材に被覆し、さらに衣粉を被覆して冷凍し、オーブン、オーブントースター、電子レンジ等で加熱処理する冷凍揚げ物食品を製造する発明(特開平4−27355号公報)、微粒子状油脂を単あるいは衣粉と混合して素材に付着させ、未加熱の状態で冷凍し、使用時には油で揚げることなく、フライパン、オーブン等で加熱処理する冷凍食品を製造する発明(特公昭62−50096号公報)、油中水型エマルジョンの衣で被覆しさらにパン粉等で衣粉を付着させて冷凍し、使用時にフライパンで加熱調理する油で揚げる必要のない衣付き冷凍食品を製造する発明(特開昭58−78549号公報)、バッターおよびパン粉を付着させた素材を、蒸気乾熱を併用して中心温度が80℃以上になるまで加熱した後食用油で被覆し、冷凍し、使用時にフライパンやオーブンで加熱する冷凍食品を製造する発明(特公昭63−29986号公報)、可溶性ゼラチンでてんぷら素材を被覆して食感を改善した、電子レンジ対応の冷凍てんぷらの発明(特開平4−8255号公報)、多孔質粉体と吸質粉体を混合した衣粉を用いることによって、食感を改善した電子レンズ対応の冷凍揚げ物食品の発(特開平3−251146号公報)が挙げられる。

0005

これら各種の工夫された先行発明が存在するが、これらを冷凍トンカツ等に適用した場合、消費者が食べるときに作りたての風味と食感を得ること、ユーザーが短時間に調理を済ませることができることを十分に解決できるものではなかった。本発明は、この従来の問題点を解決しようとするもので、具体的には、食べるときの風味、食感が非冷凍品に比べて劣る点、具と衣が剥離する点、肉のジューシー感が維持しにくい点、肉の不均質収縮による大きさ・重さ・外形の不揃いが発生する点を解決すること、揚げ処理に要する油の量を減らすことにある。

0006

本発明は、歩留りがよく、ばらつきの少ない製品、そして食感・風味を改善する即席油調タイプの揚げ物用の冷凍食品およびその製造方法を提供しようとするものである。そして研究開発を進めたが、特に肉類は、肉類が加熱収縮して揚げ工程で衣と具の剥離が生ずること、肉汁等のエキス流失すること、同一条件で加熱処理すると肉質にばらつきがあるため製品間にむらがでることなどの特有の課題があることを発見し、この特有の課題を解決することで衣付き冷凍食品全体に適用できる技術を開発せんとするものである。

0007

また本発明は、冷凍の即席油調タイプの揚げ物、特に肉系の揚げ物に発生しがちな素材である具材縮み、衣と具材の離れの防止および油調時間を大に短縮して、素材の風味、品質を維持させる技術を開発し、簡便で美味しい揚げ物を提供することを目的とするものである。そしてトンカツ、チキンカツ、ビーフカツ、メンチカツ、唐揚げおよびてんぷらが主な対象製品である。

0008

また本発明の要点は、衣粉を付着させる前に素材を加熱処理すると揚げ処理を短時間で済ませることができて、衣と具の剥離を回避できることを発見し、さらに単なる揚げ処理前加熱では、肉類特有の加熱収縮、旨味成分が肉汁とともに流出する等の問題点が残るため、さらに鋭意研究、開発を続けた結果、次の3点によって問題点を解決できる発明を完成するに至ったものである。

0009

1.揚げ物の素材を必要に応じて真空パック等の包装を行い、蒸煮ボイル輻射熱等の加熱手段を用いて、素材の中心温が素材の蛋白質凝固する温度域であって、分水作用開始温度以下の低温領域で芯まで十分に火を入れること。
2.加熱処理した肉等の身や具にアルファ化あるいはアルファ化を促進したバッター粉をつけ、色の付き易いタイプのパン粉をまぶすこと。
3.上記1,2の工程の一部または全てを組み合わせて処理した後、冷凍し、必要に応じて、箱詰めし、保存・流通させること。
そしてこのようにして製造したカツ類は油調後の肉の歩留り率が90%以上という結果が得られ、衣と身の剥離が発生しない範囲に抑えることができた。(肉の歩留り率は、「油調後の肉の重量÷油調前の肉の重量×100%」の算出で求められる数値を採用したものである。)。特にこの発明は、豚肉牛肉鶏肉魚肉の一枚肉(ある程度の大きさを有する塊の集合を含む)を対象とした場合に有効である。また、海老、牝蠣、いか等の魚貝類のフライ、てんぷらにも応用可能である。この工程の概略は図1に示す。

0010

以下に各要素技術について詳述する。
1.揚げ物の素材を蒸煮、ボイル、輻射熱等の加熱手段を用いて、素材の中心温が素材の蛋白質が凝固する温度域であって、分水作用が生じない温度の低温領域で芯まで十分に火をいれることについて。油調の加熱処理によって肉が変形し、縮みが生じ、衣と身の剥離等の問題が発生することが実験によって確認されたので、このような問題の発生しない限度の油調時間にする必要があると考えて、加熱処理済みのものを冷凍することに着眼したが、単純に油調後のトンカツを冷凍したものを、解凍し再油調しても上述の欠点は完全には解消されず、また風味、食感も劣るものであった。そこで、油調は消費段階で行う必要があること、冷凍前に中身の肉の部分のみにか熱処理が終了している必要があることの条件を満足する技術開発が求められることとなり、各種加熱処理を試みることとなった。

0011

ブロックの肉類を焼く、煮る等の加熱では前述したように収縮、変形、旨みの流出等の問題が解決できず、次に、レトルトパウチ食品の名で実用化されている真空包装加熱処理に着目したが、この技術はレトルトパウチと呼ばれるレトルト殺菌が可能な耐熱性の袋状の包装容器に食品を充填し、密封し、100℃以上で加圧加熱殺菌を施すものであって、殺菌性保存性には優れているものの、やはりブロックの肉類の問題を解決することはできないものであった。レトルトパウチ食品の代表的なものは、カレーシチューどんの素、おでん、しゅうまいなどの調理済み食品ミートソース、マーボー豆腐の素などの調味用材料、ハンバーグなどの食肉加工品白米チャーハンなどの米飯類コンソメなどのスープ類があることはこの技術の限界を示しているものであることを知った。さらに調査、研究開発を続けた結果、最近実用化されつつある真空調理技術の応用を試みた。この技術は、肉類の場合は、素材をフイルムで包み60数度前後の低温で長時間加熱することで素材本来の旨さを損なうことなく調理できて低温で長時間保存ができるものである。この60数度の温度は、肉の主な成分である蛋白の被加熱変性凝固開始と分水作用が異なる温度で進むことを知り、この凝固開始温度と分水作用開始温度の間で加温することで、肉汁が流出せずかつ肉の収縮が発生しないことに着目したものである。この加温する温度は、肉質、料理の対象で異なるが概ね58〜62〜68℃であることを確認した。

0012

また、この凝固開始温度と分水作用開始温度の間で加温することで、肉汁が流出せずかつ肉の収縮が発生しない加温法として、輻射熱利用した低温低速加熱、蒸煮や湯煎による低温低速加熱が利用できることに着目し、トンカツ等の前処理加熱として応用した。しかしながら、低温で加熱することは、食品加工では衛生面からの実用性を考慮する必要があるが、サルモネラ菌やブドー状球菌は53℃以上で死滅し、ボツヌリス菌は100℃でも死なないが、10℃以下では繁殖しないという細菌の条件を考慮して、加熱後に速やかに冷却し、次工程の処理を行うこととした。

0013

2.加熱処理した肉等の身や具に最初からアルファ化されたあるいはアルファ化を促進したバッター粉をつけ、色の付き易いタイプのパン粉等の衣粉をまぶすことについて。食前の調理時間を短くする手法として、衣を形成した後、8〜9割程度の油調を施して冷凍したものを、食する直前に残りの1〜2割相当分を揚げることも考えられる。この場合、パン粉、唐揚粉等が2度揚げになってしまい、パン粉や唐揚粉のサクサク感質感を損なうことが多く、油ぽっさが残り易くなる欠点がある。本発明では、肉には火が入った状態とし、表皮のパン粉、唐揚粉等には火をいれずに冷凍し、食する直前に油調等を行う1度揚げとなるように工夫した点に特徴の一つがあるものである。そして、油調等の食前の加熱処理を短時間に済ませることができることにより、油切れの良さ、サクサク感、質感を保つことを実現できたものである。また、衣の中身である肉については、予め加熱処理を施すことによって、消費段階での油調時間を短縮できたが、実用化に当たっては、バッター粉とパン粉も、油調の時間に適した配合、調整を行う配慮が必要である。そして、この組合せが悪いと、油調時間が長くなり、即席性を損なわせるのみならず、使用する油の寿命に関係し、大量の廃油を発生させてしまうこととなる。このため、冷凍の品物を短時間で油調できるようにバッター粉とパン粉も調整して使用することとした。また、衣は食感に大きく影響するから、色付きの他、仕上がりの硬さ、油切れ等の観点も満足することが実用上は重要である。本発明品の実施に当たっては、これらの条件を考慮して、パン粉とバッター粉を調整して使用するものである。特に、バッター粉は、アルファ化したものあるいはアルファ化を促進したものを、バッター液として使用する。

0014

3.上記1,2の工程の一部または全てを組み合わせて処理した後、冷凍し、必要に応じて箱詰めし、保存・流通させることについて。パン粉をまぶした肉を急冷(例えば品温下18℃以下)し、凍結する。その後、必要に応じて箱詰めし、冷凍保存し、出荷する。

0015

この発明は、豚肉、牛肉、鶏肉、魚肉を対象とした場合に有効な即席油調タイプの揚げ物用の冷凍食品の製造するおよび製造された即席油調タイプの揚げ物用の冷凍食品である。この即席油調タイプの揚げ物用の冷凍食品は、主にコンビニエンスストア、スーパーマーケット惣菜コーナー外食産業給食サービス等の短時間に大量の数を必要とするユーザーに適するものである。無論一般家庭での利用も可能である。例えば、コンビニエンスストアでは、委託メーカーが180℃で約60〜120秒間油調し、放冷し、パック詰めしたものを納入し、店に陳列し、要望に応じてレンジアップして販売することができる。またスーパーマーケットの惣菜コーナーでは、仕入れ凍結品を品温零下2℃程度に半解凍して180℃で約60〜120秒間油調し、トッピングしたものをホットケース陳列して販売することができる。さらにまた、外食産業、給食サービスは、仕入れた凍結品を品温零下2℃程度に半解凍して180℃で約60〜120秒間油調し、トッピングしたものをお客に提供することができるなど、状態に応じた利用が可能である。

0016

図2は本発明の実施例で作成された冷凍トンカツの断面図である。

0017

実施例1ローストンカツ
最終仕上がり約120グラムの冷凍ローストンカツを次の要領で製造した。
原料肉:冷凍ロース肉、5m/mアンダー
解凍:自然状態下において、解凍にて中心温度2〜3℃に解凍
1次整形:軟骨、血合、脂肪の一部等の不適当部を除去した。
下処理:ピックルパウダー水溶液ロータリーマッサージ機使用して処理した。
充填および成型定形性維持のため、リテナーの中に均一に肉を詰め成型した。
加熱:輻射熱を利用した低温低速調理オーブンを使用して、中心温度60℃に保ち4時間30分加熱した。
成型枠除去:成型用のリテナーを外し、加熱工程で発生したドリップを除去した。
放冷:常温放置して表面の粗熱を除去して、品温を60℃とした。
パーシャル凍結:中心温度を約零下3℃に凍結した。
▲10▼ケーシング除去:ケーシングを除去して、品温を零下2℃〜零下1℃に調整した。
▲11▼スライスミートスライサーを使用して80g/枚にスライスした。
▲12▼打ち粉、バッター付:アルファ化したバッターをバッターマシンを使用して付着させた。
▲13▼パン粉付:パン粉をブレッダーマシンを利用して付着させた。
▲14▼急速凍結:品温を零下18℃以下に凍結する。
▲15▼検査:金属の有無、重量を検知、測定する。120g±2gを標準とする。
▲16▼ 箱詰め:70枚/箱とした。
▲17▼冷凍保管:零下25℃の保管庫保管した。
この実施例で作成された冷凍トンカツを図2に示す。7は低温で加熱処理された肉、8はアルファ化したバッター粉の層、9はパン粉を示す。これを油調した結果は、後記の比較例に示す通りである。

0018

実施例2チキンカツ
最終仕上がり約160グラムの冷凍チキンカツを次の要領で製造した。
原料肉:100g±3gの冷凍の鶏もも開きを準備。
解凍:自然状態下において、解凍棚にて中心温度2〜3℃に解凍
下処理:ピックルパウダー水溶液を液温5℃以下に保ちロータリーマッサージ機使用して、運転10分−休止5分を3回の45分処理した。
充填・ケーシング:原料肉を10〜20枚、一定の厚みになるよう袋に詰め、真空包装した。
加熱:輻射熱を利用した低温低速調理オーブンを使用して、中心温度58℃に保ち2時間30分加熱した。
開袋:開袋し、加熱工程で発生したドリップを除去した。
放冷:常温に放置して放冷した。
急速凍結:中心温度を約零下18℃にバラの状態で凍結した。(なお、この工程は省略して次工程に回すこともできる。)
打ち粉、バッター付:アルファ化したバッターをバッターマシンを使用して付着させた。
▲10▼パン粉付:パン粉をブレッダーマシンを利用して付着させた。
▲11▼ 急速凍結:品温を零下18℃以下に凍結する。
▲12▼検査:金属の有無、重量を検知、測定する。120g±2gを標準とする。
▲13▼ 箱詰め:70枚/箱とした。
▲14▼冷凍保管:零下25℃の保管庫に保管した。

0019

油調比較
本発明品と従来のものとを比較した結果、次のようなものであった。
ID=000003HE=110 WI=096 LX=0570 LY=1600
ID=000004 HE=020 WI=084 LX=0630 LY=0300

図面の簡単な説明

0020

本発明の主な効果は、
1.素材の中心温が素材の蛋白質が凝固する温度域であって、分水作用開始温度以下の低温領域で芯まで十分に火をいれることで、肉汁や素材のエキスが外部へ流出することなく、素材内部に保たれ、柔らかさ、旨みが残ること、ソフトな美味しさの素となること、
2.低温で長時間加熱することで、肉の収縮を抑えたまま中心部まで火をいれることができること、歩留りの良さにつながること、
3.加熱処理素材を用いるために短時間の揚げ処理ですむこと、生肉を揚げる場合に比して約1/5〜1/8に短縮できること、
4.短時間の揚げ処理により、肉の歩留り率90%以上とすることができ、揚げ工程での衣と具との剥離が防止できること、
5.パン粉、バッター粉の部分は一回の加熱でえむので衣の美味しさが損なわれないこと、

--

0021

図1本発明の概略工程図である。
図2本発明の実施例で作成された冷凍トンカツの断面図である。
図3(イ)は従来の冷凍トンカツの冷凍状態を示す断面図、(ロ)は油調後の状態を示す断面図である。

0022

7 肉
8バッター粉
9 パン粉

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