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技術 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品

出願人 日油株式会社
発明者 川島辰雄山本登司男石戸谷昌洋
出願日 1995年6月15日 (25年2ヶ月経過) 出願番号 1995-171600
公開日 1997年1月7日 (23年7ヶ月経過) 公開番号 1997-003341
状態 拒絶査定
技術分野 高分子組成物 塗料、除去剤
主要キーワード エポキシ変性シリコーン化合物 防錆材料 密封貯蔵 着色フイルム 防錆用塗料 集積板 はっ水剤 化粧原料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年1月7日)のものです。
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構成

(A)1分子中に、特定の化合物ブロックされたカルボキシル基から成る官能基2個以上を有する化合物、(B)1分子中に、前記官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する変性シリコーンオイル化合物、及び(C)(B)成分以外の1分子中に、前記官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する化合物を必須成分とし、又は(E)1分子中に(A)のブロック化されたカルボキシル基1個以上と(B)又は(C)の官能基1個以上とを有する自己架橋型化合物と、上記(B)成分を必須成分として含有して成る熱硬化性組成物及び該熱硬化性組成物を使用した塗装方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品

効果

比較的低い温度において、化学性能、物理性能耐汚染性絶縁性耐候性耐湿性防錆性及び加工性などに優れる硬化物及び成形品を与えることができ、かつ良好な貯蔵安定性を有する。

概要

背景

従来、カルボキシル基を有する化合物と、該カルボキシル基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基、例えばエポキシ基オキサゾリン基シラノール基アルコキシシラン基ヒドロキシル基アミノ基、イミノ基イソシアネート基ブロック化イソシアネート基シクロカーボネート基ビニルエーテル基ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基アルキル化アミノメチロール基、アセタール基ケタール基などを有する化合物との組み合わせから成る熱硬化性組成物は公知である。そのような公知技術として、例えばカルボキシル基とエポキシ基との組み合わせから成る組成物としては、日本特許公開公報の特開昭51−114429号、欧州特許公開公報29,595号、米国特許4,371,667号公報、同4,650,718号公報、同4,681,811号公報、同4,703,101号公報、同4,764,430号公報に記載されている。

これらの熱硬化性組成物は、得られる硬化物化学性能、物理性能、さらには耐候性などが優れていることから、例えば塗料インク接着剤、あるいはプラスチック成形品などの分野において広く利用されている。しかしながら、カルボキシル基と前記反応性官能基とは反応性が高いため、カルボキシル基含有化合物と該反応性官能基を含有する化合物とが共存する組成物においては、貯蔵中にゲル化を起こしたり、可使時間が短くなるなどの問題が生じる。また、従来の上記熱硬化性組成物に使用されるカルボキシル基含有化合物は、カルボキシル基の強い水素結合性の故に、汎用有機溶媒への溶解性が低い、あるいはカルボキシル基と反応する官能基を有する化合物との相溶性が悪いといった欠点がある。そして、この熱硬化性組成物を上塗り塗料として用いた場合には、有機溶剤の排出量の少ないいわゆるハイソリッド化が困難である、あるいは仕上がり外観性が劣るといった問題を有している。さらに成形品として用いた場合には、多量の揮発性有機化合物の影響を受け、気泡、空洞などの欠陥を生じ易いと言った問題を有している。

このような問題を解決する方法として、例えばカルボキシル基をt−ブチルエステルとしてブロック化し、加熱により該エステルが分解し、イソブテンの脱離により遊離のカルボキシル基が再生するといった方法が提案されている(特開平1−104646号公報)。しかしながら、この方法は、t−ブチル基の熱分解に170〜200℃程度の高温を必要とし、昨今の省資源省エネルギー化の観点から、必ずしも十分に満足し得る方法とは言えない。さらに、分解反応生成物であるイソブテンガス発泡により、脱泡跡が硬化物表面に残るといった問題がある。本発明者らは、既に上記の問題点を解決するために、カルボキシル基をビニルエーテル等でブロック化した官能基を有する化合物と、その官能基と反応する反応性官能基を有する化合物から成る熱硬化性組成物を提案している(欧州特許公開公報643,112号)が、用途によってはさらに耐衝撃性耐加工性等の優れた塗膜性能を与える熱硬化性組成物が要求されている。

一方、変性シリコーンオイル化合物としてはポリシロキサン化合物中のメチル基をエポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、メタクリル基メルカプト基フェノール基などの反応性官能基に変性した化合物が市販されており、耐候性、はっ水性帯電防止性及び潤滑性などに優れる特性から、例えば化粧原料樹脂改質剤建材はっ水剤及び離型剤などへの利用が見込まれる。しかしながら、これら上記変性シリコーンオイル化合物は上記カルボキシル基を有する化合物あるいは一般的な樹脂化合物との相溶性が悪い、又、多価カルボキシル基を有する化合物を該カルボキシル基と加熱により化学結合を形成し得る上記反応性官能基を有する変性シリコーンオイル化合物との組合せから成る熱硬化性組成物を製造する際には、その反応性が高いために一液化が困難と言った問題を生じる。

概要

(A)1分子中に、特定の化合物でブロックされたカルボキシル基から成る官能基2個以上を有する化合物、(B)1分子中に、前記官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する変性シリコーンオイル化合物、及び(C)(B)成分以外の1分子中に、前記官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する化合物を必須成分とし、又は(E)1分子中に(A)のブロック化されたカルボキシル基1個以上と(B)又は(C)の官能基1個以上とを有する自己架橋型化合物と、上記(B)成分を必須成分として含有して成る熱硬化性組成物及び該熱硬化性組成物を使用した塗装方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品。

比較的低い温度において、化学性能、物理性能、耐汚染性絶縁性、耐候性、耐湿性防錆性及び加工性などに優れる硬化物及び成形品を与えることができ、かつ良好な貯蔵安定性を有する。

目的

本発明は、上記従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、比較的低い温度において、化学性能、物理性能、さらには耐候性などに優れる硬化物を与え、かつ良好な貯蔵安定性を有し、一液型として利用可能な熱硬化性組成物を提供することを目的としてなされたものである。また、本発明の他の目的は、上記熱硬化性組成物を上塗り塗料として用いた、上記塗膜性能及び仕上り外観性に優れる塗装仕上げ方法及び塗装物品を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、機械物性絶縁特性、耐湿性、防錆性及び加工性に優れた成形品を与える成形方法及び成形品を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
6件

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請求項1

(A)1分子中に、一般式(1)

請求項

ID=000002HE=035 WI=076 LX=0220 LY=0450(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基であって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基2個以上を有する化合物、(B)1分子中に、前記官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する変性シリコーンオイル化合物、及び(C)(B)成分以外の1分子中に、前記官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する化合物を必須成分とし、場合により(D)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有することを特徴とする熱硬化性組成物

請求項2

請求項3

(C)成分の反応性官能基がエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基アルキル化アミノメチロール基、アセタール基及びケタール基の中から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の熱硬化性組成物。

請求項4

(A)成分及び/又は(C)成分がα,β−不飽和化合物重合体である請求項1、2又は3記載の熱硬化性組成物。

請求項5

(A)成分及び/又は(C)成分がポリエステル樹脂である請求項1、2又は3記載の硬化性組成物

請求項6

(D)成分の熱潜在性酸触媒が、プロトン酸あるいはルイス酸ルイス塩基中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物スルホン酸エステル類リン酸エステル類オニウム化合物、及び(i)エポキシ基を有する化合物、(ii)含イオウ化合物及び(iii)ルイス酸を必須成分とし、場合により(iv)カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る化合物の群から選ばれた少なくとも1種である請求項1、2、3、4又は5記載の熱硬化性組成物。

請求項7

(E)1分子中に、(イ)一般式(2)

請求項

ID=000003HE=035 WI=080 LX=1100 LY=0550(式中のR5、R6及びR7はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の有機基、R8は炭素数1〜18の有機基であって、R7とR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y2は酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基1個以上と、(ロ)該官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基1個以上とを有する自己架橋型化合物、及び(B)1分子中に、前記一般式(2)で表される官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する変性シリコーンオイル化合物を必須成分とし、場合により(A)1分子中に、一般式(1)

請求項

ID=000004HE=035 WI=076 LX=1120 LY=1500(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基であって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基2個以上を有する化合物、(C)1分子中に、前記一般式(2)で表される官能基又は前記一般式(1)で表される官能基あるいはその両方と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する化合物、及び/又は(D)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有して成ることを特徴とする熱硬化性組成物。

請求項8

(B)成分の反応性官能基がエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アセタール基及びケタール基の中から選ばれた少なくとも1種である請求項7記載の熱硬化性組成物。

請求項9

(E)成分、場合により用いられる(C)成分の反応性官能基がエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメチロール基、アセタール基及びケタール基の中から選ばれた少なくとも1種である請求項7記載の熱硬化性組成物。

請求項10

(E)成分、場合により用いられる(A)成分及び/又は(C)成分の中から選ばれた少なくとも1種がα、β−不飽和化合物の重合体である請求項7、8又は9記載の熱硬化性組成物。

請求項11

(E)成分、場合により用いられる(A)成分及び/又は(C)成分の中から選ばれた少なくとも1種がポリエステル樹脂である請求項7、8又は9記載の熱硬化性組成物。

請求項12

(D)成分の熱潜在性酸触媒が、プロトン酸あるいはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物、及び(i)エポキシ基を含有する化合物、(ii)含イオウ化合物及び(iii)ルイス酸を必須成分とし、場合により(iv)カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る化合物の群から選ばれた少なくとも1種である請求項7、8、9、10又は11記載の熱硬化性組成物。

請求項13

請求項1〜12記載の熱硬化性組成物のいずれか100重量部当たり顔料を0〜300重量部含有する上塗り塗料被塗装体塗装することを特徴とする塗装仕上げ方法

請求項14

基材上に着色フイルム形成性組成物を塗布してベースコートを形成し、次いで該ベースコートにクリアーフイルム形成性組成物を塗布して透明トップコートを形成することから成る被塗装体に複合被膜を塗装する方法において、該トップコートクリアーフイルム形成性組成物のみが、あるいは該トップコートクリアーフイルム形成性組成物及び着色フイルム形成性組成物のいずれもが請求項1〜12記載の熱硬化性組成物のいずれかを含有する上塗り塗料であることを特徴とする塗装仕上げ方法。

請求項15

請求項13又は14記載の塗装仕上げ方法により塗装されたことを特徴とする塗装物品

請求項16

請求項1〜12記載の熱硬化性組成物のいずれか100重量部当たり、充填剤を0〜800重量部配合し、場合により室温又は加熱条件配合物熟成を行った後、金型注入し、減圧、常圧又は加圧条件下硬化成形することを特徴とする成形品成形方法

請求項17

請求項16記載の成形方法により成形されたことを特徴とする成形品。

技術分野

0001

本発明は、新規熱硬化性組成物塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、良好な化学性能、物理性能耐汚染性絶縁性及び耐候性を有すると共に、特に貯蔵安定性に優れ、例えば塗料インク接着剤、成形品、あるいは電気分野における封止材及び集積板などに好適な熱硬化性組成物、及びこの熱硬化性組成物を上塗り塗料として用いた上記塗膜性能及び仕上り外観性に優れる塗装仕上げ方法及び塗装物品、さらにこの熱硬化性組成物を液状樹脂として用いた機械物性、絶縁性、耐湿性防錆性及び加工性に優れた成形品を与える成形方法及び成形品に関するものである。

背景技術

0002

従来、カルボキシル基を有する化合物と、該カルボキシル基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基、例えばエポキシ基オキサゾリン基シラノール基アルコキシシラン基ヒドロキシル基アミノ基、イミノ基イソシアネート基ブロック化イソシアネート基シクロカーボネート基ビニルエーテル基ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基アルキル化アミノメチロール基、アセタール基ケタール基などを有する化合物との組み合わせから成る熱硬化性組成物は公知である。そのような公知技術として、例えばカルボキシル基とエポキシ基との組み合わせから成る組成物としては、日本特許公開公報の特開昭51−114429号、欧州特許公開公報29,595号、米国特許4,371,667号公報、同4,650,718号公報、同4,681,811号公報、同4,703,101号公報、同4,764,430号公報に記載されている。

0003

これらの熱硬化性組成物は、得られる硬化物の化学性能、物理性能、さらには耐候性などが優れていることから、例えば塗料、インク、接着剤、あるいはプラスチック成形品などの分野において広く利用されている。しかしながら、カルボキシル基と前記反応性官能基とは反応性が高いため、カルボキシル基含有化合物と該反応性官能基を含有する化合物とが共存する組成物においては、貯蔵中にゲル化を起こしたり、可使時間が短くなるなどの問題が生じる。また、従来の上記熱硬化性組成物に使用されるカルボキシル基含有化合物は、カルボキシル基の強い水素結合性の故に、汎用有機溶媒への溶解性が低い、あるいはカルボキシル基と反応する官能基を有する化合物との相溶性が悪いといった欠点がある。そして、この熱硬化性組成物を上塗り塗料として用いた場合には、有機溶剤の排出量の少ないいわゆるハイソリッド化が困難である、あるいは仕上がり外観性が劣るといった問題を有している。さらに成形品として用いた場合には、多量の揮発性有機化合物の影響を受け、気泡、空洞などの欠陥を生じ易いと言った問題を有している。

0004

このような問題を解決する方法として、例えばカルボキシル基をt−ブチルエステルとしてブロック化し、加熱により該エステルが分解し、イソブテンの脱離により遊離のカルボキシル基が再生するといった方法が提案されている(特開平1−104646号公報)。しかしながら、この方法は、t−ブチル基の熱分解に170〜200℃程度の高温を必要とし、昨今の省資源省エネルギー化の観点から、必ずしも十分に満足し得る方法とは言えない。さらに、分解反応生成物であるイソブテンガス発泡により、脱泡跡が硬化物表面に残るといった問題がある。本発明者らは、既に上記の問題点を解決するために、カルボキシル基をビニルエーテル等でブロック化した官能基を有する化合物と、その官能基と反応する反応性官能基を有する化合物から成る熱硬化性組成物を提案している(欧州特許公開公報643,112号)が、用途によってはさらに耐衝撃性耐加工性等の優れた塗膜性能を与える熱硬化性組成物が要求されている。

0005

一方、変性シリコーンオイル化合物としてはポリシロキサン化合物中のメチル基をエポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、メタクリル基メルカプト基フェノール基などの反応性官能基に変性した化合物が市販されており、耐候性、はっ水性帯電防止性及び潤滑性などに優れる特性から、例えば化粧原料樹脂改質剤建材はっ水剤及び離型剤などへの利用が見込まれる。しかしながら、これら上記変性シリコーンオイル化合物は上記カルボキシル基を有する化合物あるいは一般的な樹脂化合物との相溶性が悪い、又、多価カルボキシル基を有する化合物を該カルボキシル基と加熱により化学結合を形成し得る上記反応性官能基を有する変性シリコーンオイル化合物との組合せから成る熱硬化性組成物を製造する際には、その反応性が高いために一液化が困難と言った問題を生じる。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、比較的低い温度において、化学性能、物理性能、さらには耐候性などに優れる硬化物を与え、かつ良好な貯蔵安定性を有し、一液型として利用可能な熱硬化性組成物を提供することを目的としてなされたものである。また、本発明の他の目的は、上記熱硬化性組成物を上塗り塗料として用いた、上記塗膜性能及び仕上り外観性に優れる塗装仕上げ方法及び塗装物品を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、機械物性、絶縁特性、耐湿性、防錆性及び加工性に優れた成形品を与える成形方法及び成形品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、前記の好ましい性質を有する熱硬化性組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)特殊なビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、あるいは酸素原子又はイオウ原子ヘテロ原子とするビニル二重結合をもつ複素環式基でブロック化されたカルボキシル基2個以上を1分子中に有する化合物、(B)該ブロック化されたカルボキシル基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する変性シリコーン化合物、及び(C)(B)成分以外の該ブロック化されたカルボキシル基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する化合物を必須成分とし、場合により(D)成分として熱潜在性酸触媒を含有する熱硬化性組成物によりその目的を達成し得ることを見い出し、さらに、(E)1分子中に前記ブロック化されたカルボキシル基1個以上と、このブロック化されたカルボキシル基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基1個以上とを有する自己架橋型化合物、及び前記(B)成分を必須成分とし、場合により前記(A)成分、(C)成分及び/又は(D)成分を含有してなる熱硬化性組成物によりその目的を達成し得ることを見い出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。

0008

また、本発明者らは、本発明の熱硬化性組成物を上塗り塗料として用いた塗装仕上げ方法が、前記の好ましい性質を有する優れた仕上り外観性及び塗装物品を提供できることを見い出すと共に、前記の好ましい性質を有する成形品を与える成形方法及び成形品を提供できることを見い出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(A)1分子中に、一般式(1)

0009

0010

(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基であって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基2個以上を有する化合物、(B)1分子中に、前記官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する変性シリコーンオイル化合物、及び(C)(B)成分以外の1分子中に、前記官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する化合物を必須成分とし、場合により(D)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有することを特徴とする熱硬化性組成物を提供するものである。また、本発明は、(E)1分子中に、(イ)一般式(2)

0011

0012

(式中のR5、R6及びR7はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の有機基、R8は炭素数1〜18の有機基であって、R7とR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y2は酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基1個以上と、(ロ)該官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基1個以上とを有する自己架橋型化合物、及び(B)1分子中に、前記官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する変性シリコーンオイル化合物を必須成分とし、場合により前記(A)成分、(C)1分子中に、前記一般式(2)で表される官能基又は前記一般式(1)で表される官能基あるいはその両方と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上を有する化合物、及び/又は(D)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有して成ることを特徴とする熱硬化性組成物を提供するものである。

0013

また、本発明は、上記熱硬化性組成物を上塗り塗料として用いた塗装仕上げ方法及びこの塗装仕上げ方法により塗布された物品を提供するものである。さらに、本発明は、上記熱硬化性組成物100重量部当たり充填剤を0〜800重量部配合し、場合により室温又は加熱条件配合物熟成を行った後、金型注入し、減圧、常圧又は加圧条件下硬化成形することを特徴とする成形品の成形方法及び成形品を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明する。本発明の熱硬化性組成物において、(A)成分として用いられる化合物は、一般式(1)

0014

0015

(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基であって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子とする複素環を形成してもよく、Y1は酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基2個以上、好ましくは2〜50個を1分子中に有する化合物であって、前記一般式(1)で表される官能基は、カルボキシル基と一般式(3)

0016

0017

(式中のR1、R2、R3、R4及びY1は、前記と同じ意味を持つ。)で表されるビニルエーテル化合物ビニルチオエーテル化合物あるいは酸素原子又はイオウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合を持つ複素環式化合物との反応により、容易に形成させることができる。

0018

前記一般式(1)及び(3)におけるR1、R2及びR3は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基アリール基アルカリール基などの有機基、R4は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、アルカリール基などの有機基であって、これらの有機基は適当な置換基を有していてもよく、またR3とR4は、互いに結合してY1をヘテロ原子とする置換基を有しない又は有する複素環を形成していてもよい。R1、R2及びR3の好ましいものとしては、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルカリール基であり、R4の好ましいものとしては、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルカリール基である。

0019

上記アルキル基の適当な具体例としては、例えばメチルエチル、n−プロピルイソプロピルn−ブチルイソブチル、tert−ブチル、、n−ペンチル、イソペンチルネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチルブチルn−ヘキシルイソヘキシル、3−メチルペンチルエチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘプチル、n−ノニルメチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル基などが挙げられ、またこのアルキル基にはシクロブチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基も含まれる。好ましいアルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基であり、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル及びシクロヘキシル基が挙げられる。また、このアルキル基には、アラルキル基も含まれる。その適当な具体例としては、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、1−(4−メチルフェニル)エチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、2−メチルベンジル、などが挙げられる。

0020

上記アリール基及びアルカリール基の適当な具体例としては、例えばフェニル、トリルキシリルナフチルなどのアリール基;4−メチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2−エチルフェニル、n−ブチルフェニル、tert−ブチルフェニルアミルフェニル、ヘキシルフェニル、ノニルフェニル、2−tert−ブチル−5−メチルフェニル、シクロヘキシルフェニルクレジルオキシエチルクレジル、2−メチル−4−tert−ブチルフェニル、ドデシルフェニルなどのアルカリール基などが挙げられ、好ましくは炭素数6〜10のフェニル、トリル、キシリル、4−メチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2−エチルフェニル、n−ブチルフェニル、tert−ブチルフェニルなどのアリール基、アルカリール基が好ましい。

0021

前記一般式(3)で表される化合物の具体例としては、例えばメチルビニルエーテルエチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルイソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル化合物及びこれらに対応する脂肪族ビニルチオエーテル化合物、さらには2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなどの環状ビニルエーテル化合物及びこれらに対応する環状ビニルチオエーテル化合物などが挙げられる。

0022

該(A)成分の化合物は、1分子中に2個以上、好ましくは2〜50個のカルボキシル基を有する化合物と、前記一般式(3)で表される化合物との反応により得ることができる。1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物としては、例えばコハク酸アジピン酸アゼライン酸セバシン酸デカメチレンジカルボン酸などの炭素数2〜22の脂肪族ポリカルボン酸フタル酸イソフタル酸テレフタル酸トリメリット酸ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸テトラヒドロフタル酸ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などの脂環式ポリカルボン酸、及び1分子中にカルボキシル基2個以上を有するポリエステル樹脂アクリル樹脂マレイン化ポリブタジエン樹脂などが挙げられる。

0023

また、前記1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物は、例えば(1)1分子当たりヒドロキシル基2個以上、好ましくは2〜50個を有するポリオール酸無水物とをハーフエステル化させる、(2)1分子当たりイソシアネート基2個以上、好ましくは2〜50個を有するポリイソシアネート化合物ヒドロキシカルボン酸又はアミノ酸とを付加させる、(3)カルボキシル基含有α,β−不飽和単量体単独重合又は他のα,β−不飽和単量体と共重合させる、(4)カルボキシル基末端のポリエステル樹脂を合成するなどの方法により得られる。

0024

前記1分子当たりヒドロキシル基2個以上を有するポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールジエチレングリコールペンタンジオールジメチルブタンジオール水添ビスフェノールA、グリセリンソルビトールネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオールトリメチロールエタントリメチロールプロパンペンタエリスリトールキニトールマニトールトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートジペンタエリスリトールなどの多価アルコール類;これらの多価アルコール類とγ−ブチロラクトンやε−カプロラクトンなどのラクトン化合物との開環付加体;該多価アルコール類とトリレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物とのアルコール過剰下での付加体;該多価アルコール類とエチレングリコールジビニルエーテルポリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ペンタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物とのアルコール過剰下での付加体などを挙げることができる。

0025

一方、これらのポリオールと反応させる酸無水物としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などの多価カルボン酸の酸無水物体を挙げることができる。また、1分子当たりイソシアネート基2個以上を有するポリイソシアネート化合物としては、例えばp−フェニレンジイソシアネートビフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート)、リジンメチルエステルジイソシアネート、ビス(イソシアネートエチル)フマレート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート及びこれらのビュレット体イソシアヌレート体などを挙げることができる。

0026

また、ヒドロキシカルボン酸としては、例えば乳酸クエン酸ヒドロキシピバリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸リンゴ酸などを挙げることができ、アミノ酸としては、例えばDL−アラニン、L−グルタミン酸グリシン、L−テアニングリシルグリシン、γ−アミノカプロン酸、L−アスパラギン酸、L−チトルリン、L−アルギニン、L−ロイシン、L−セリンなどを挙げることができる。

0027

さらに、カルボキシル基含有α,β−不飽和単量体としては、例えばアクリル酸メタクリル酸イタコン酸メサコン酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げることができ、他のα,β−不飽和単量体としては、例えばメチルアクリレートエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレートn−ブチルアクリレートイソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレートシクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレートメチルメタクリレートエチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレートイソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレートシクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレートスチレンα−メチルスチレン、p−ビニルトルエンアクリロニトリルなどを挙げることができる。

0028

また、カルボキシル基末端のポリエステル樹脂は、多価アルコールに対して多塩基酸過剰下での通常のポリエステル樹脂の合成法に従い、容易に形成させることができる。このようにして得られた1分子中にカルボキシル基2個以上を有する化合物と前記一般式(3)で表される化合物との反応は、通常酸触媒の存在下、室温〜100℃の範囲の温度において行われる。また、該(A)成分の化合物は、カルボキシル基含有α,β−不飽和単量体と前記一般式(3)で表される化合物との反応生成物を単独重合又は他のα,β−不飽和単量体と共重合させることによっても得ることができる。カルボキシル基含有α,β−不飽和単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げることができ、他のα,β−不飽和単量体としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、アクリロニトリルなどを挙げることができる。本発明の熱硬化性組成物においては、この(A)成分の化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0029

本発明の熱硬化性組成物において、(B)成分として用いられる変性シリコーンオイル化合物としては、前記(A)成分の化合物における一般式(1)で表されるブロック化官能基が加熱により遊離カルボキシル基を再生した際、これと反応して化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上、好ましくは2〜50個を1分子中に有するものが使用される。該反応性官能基については前記性質を有するものであればよく、特に制限はないが、例えばエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アセタール基、ケタール基などが好ましく挙げられる。これらの反応性官能基は1種含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。すなわち、本発明の熱硬化性組成物の(B)成分は、前記反応性官能基をポリシロキサン1分子中に2個以上を導入した変性シリコーンオイル化合物である。エポキシ基を有する変性シリコーンオイル化合物の具体例としては、例えばKF−101、KF−103、X−22−169AS(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)などが挙げられる。さらに、例えばカルボキシル基を有する変性シリコーンオイル化合物:X−22−162Aあるいはヒドロキシル基を有する変性シリコーンオイル化合物:X−22−160AS(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)などとエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ基を有する化合物が挙げられる。シラノール基やアルコキシシラン基を有する変性シリコーンオイル化合物の具体例としては、一般式(4)

0030

(R9)m1Si(OR10)4-m1 ・・・(4)

0031

(式中のR9及びR10は、それぞれ炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基、m1は0、1又は2である。)で表される化合物の縮合体、及びこれらの化合物の加水分解生成物を挙げることができる。ヒドロキシル基を有する化合物としては、前記ヒドロキシル基を有する変性シリコーンオイル化合物やそのε−カプロラクトン付加物などが挙げられる。アミノ基を有する変性シリコーンオイル化合物としては、例えばX−22−161AS(商品名、信越化学工業(株)製)などや前記ヒドロキシル基を有する化合物のシアノエチル化反応生成物を還元して得られる化合物、又イミノ基を有する変性シリコーンオイル化合物としては前記アミノ基を有する化合物を還元して得られる化合物が挙げられる。イソシアネート基を有する変性シリコーンオイル化合物としては、例えばp−フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、リジンメチルエステルジイソシアネート、ビス(イソシアネートエチル)フマレート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート及びこれらのビュレット体やイソシアヌレート体と前記ヒドロキシル基を有する化合物とのアダクト化合物などが挙げられる。また、ブロック化イソシアネート基を有する変性シリコーンオイル化合物としては、前記イソシアネート基を有する化合物のフェノール類ラクタム類活性メチレン類、アルコール類、酸アミド類イミド類アミン類イミダゾール類尿素類イミン類オキシム類によるブロック体などが挙げられる。オキサゾリン基を有する変性シリコーンオイル化合物としては、前記イソシアネート基を有する化合物とヒドロキシアルキル−2−オキサゾリンとの反応により得られる化合物を挙げることができる。シクロカーボネート基を有する変性シリコーンオイル化合物としては、前記エポキシ基を有する化合物と二酸化炭素との反応により得られる化合物が挙げられる。ビニルエーテル基やビニルチオエーテル基を有する変性シリコーンオイル化合物としては、前記ヒドロキシル基を有する化合物とハロゲン化アルキルビニルエーテル類との反応や、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類と前記カルボキシル基を有する化合物あるいは前記イソシアネート基を有する化合物との反応、及び前記カルボキシル基を有する化合物や前記ヒドロキシル基を有する化合物とジアルキルビニルエーテル類あるいはジアルキルビニルチオエーテル類との反応により得られる化合物が挙げられる。アセタール基やケタール基を有する変性シリコーンオイル化合物としては、前記ビニルエーテル基を有する化合物とアルコール類やオルソエステル類との反応、及びこれとポリオールとの縮合体などを挙げることができる。

0032

本発明の熱硬化性組成物においては、(B)成分の化合物として、反応性官能基2種以上を有する化合物を用いてもよいし、又該(B)成分は2種以上を組合せてもよい。ただし、この際、それぞれの官能基が互いに活性である組合せは、貯蔵安定性が損なわれ、好ましくない。このような好ましくない組合せとしては、例えばエポキシ基、イソシアネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、シクロカーボネート基及びシラノール基の中から選ばれる官能基とアミノ基又はイミノ基との組合せ、イソシアネート基又はビニルエーテル基とヒドロキシル基との組合せなどが挙げられる。

0033

本発明の熱硬化性組成物において、(C)成分として用いられる化合物としては、(B)成分以外の前記(A)成分の化合物における一般式(1)で表されるブロック化官能基が加熱により遊離カルボキシル基を再生した際、これと反応して化学結合を形成し得る反応性官能基2個以上、好ましくは2〜50個を1分子中に有するものが使用される。該反応性官能基については前記性質を有するものであればよく、特に制限はないが、例えばエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメチロール基、アセタール基、ケタール基などが好ましく挙げられる。これらの反応性官能基は1種含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。

0034

このような(C)成分の化合物の具体例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂脂環式エポキシ樹脂グリシジルアクリレートグリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどの単独重合体又は共重合体ポリカルボン酸あるいはポリオールとエピクロルヒドリンとの反応により得られるポリグリシジル化合物などのエポキシ基含有化合物;1,2−ビス(2−オキサゾリニル−2)エタン、1,4−ビス(2−オキサゾリニル−2)ブタン、1,6−ビス(2−オキサゾリニル−2)ヘキサン、1,8−ビス(2−オキサゾリニル−2)オクタン、1,4−ビス(2−オキサゾリニル−2)シクロヘキサンなどのアルキル鎖オキサゾリン環が結合したオキサゾリン化合物、1,2−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,3−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,4−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベンゼン、5,5’−ジメチル−2,2’−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベンゼン、4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,2−ビス(5−メチル−2−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,3−ビス(5−メチル−2−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,4−ビス(5−メチル−2−オキサゾリニル−2)ベンゼンなどの芳香核に2個のオキサゾリン環が結合したオキサゾリン化合物、及び2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン)などのビス(2−オキサゾリン)化合物、ヒドロキシアルキル−2−オキサゾリンと前記ポリイソシアネート化合物との反応により得られる多価オキサゾリン化合物、さらには2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどの単独重合体、又は共重合体などのオキサゾリン基含有化合物、さらには市販されているオキサゾリン基含有化合物、例えば商品名CX−RS−1200、CX−RS−3200(いずれも(株)日本触媒製)、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランあるいはメタクリロイルオキシプロピルトリ−n−ブトキシシランなどのα,β−不飽和シラン化合物の単独重合体又は共重合体及びこれらの化合物の加水分解物などのシラノール基やアルコキシシラン基含有化合物脂肪族ポリオール類、フェノール類、ポリアルキレンオキシグリコール類、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのα,β−不飽和化合物の単独重合体又は共重合体、及びこれらのポリオール類のε−カプロラクトン付加物などのヒドロキシル基含有化合物;脂肪族、芳香族ジアミノ化合物ポリアミノ化合物及び前記ポリオールのシアノエチル化反応生成物を還元して得られるポリアミノ化合物などのアミノ基含有化合物;脂肪族、芳香族ポリイミノ化合物などのイミノ基含有化合物;p−フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、リジンメチルエステルジイソシアネート、ビス(イソシアネートエチル)フマレート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート及びこれらのビュレット体やイソシアヌレート体、さらにはこれらのイソシアネート類と前記ポリオールとのアダクト化合物などのイソシアネート基を有する化合物;前記イソシアネート基を有する化合物のフェノール類、ラクタム類、活性メチレン類、アルコール類、酸アミド類、イミド類、アミン類、イミダゾール類、尿素類、イミン類、オキシム類によるブロック体などのブロック化イソシアネート基を有する化合物;3−アクリロイルオキシプロピレンカーボネート、又は3−メタクリロイルオキシプロピレンカーボネートの単独重合体又は共重合体、前記エポキシ基含有化合物と二酸化炭素との反応により得られる多価シクロカーボネート基含有化合物などのシクロカーボネート基を有する化合物;前記多価ヒドロキシル基を有する化合物とハロゲン化アルキルビニルエーテル類との反応によって得られる多価ビニルエーテル化合物、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類と多価カルボキシル基含有化合物や前記ポリイソシアネート化合物との反応により得られるポリビニルエーテル化合物ビニルオキシアルキルアクリレート類あるいはビニルオキシアルキルメタクリレート類とα,β−不飽和化合物との共重合体などのビニルエーテル化合物、及びこれらに対応するビニルチオエーテル化合物などのビニルエーテル基やビニルチオエーテル基含有化合物;メラミンホルムアルデヒド樹脂グリコリルホルムアルデヒド樹脂尿素ホルムアルデヒド樹脂、アミノメチロール基やアルキル化アミノメチロール基含有α,β−不飽和化合物の単独重合体又は共重合体などのアミノメチロール基やアルキル化アミノメチロール基含有化合物;多価ケトン多価アルデヒド化合物、前記多価ビニルエーテル化合物などとアルコール類やオルソ酸エステル類との反応によって得られる多価アセタール化合物、及びこれらとポリオール化合物との縮合体、さらには前記ビニルオキシアルキルアクリレート類あるいはビニルオキシアルキルメタクリレートとアルコール類やオルソ酸エステルとの付加物の単独重合体又は共重合体などのアセタール基やケタール基を有する化合物などが挙げられる。なお、一般式(4)中のR9及びR10の適当な具体例としては、例えば一般式(1)のR1において記載した具体例と同様のものが挙げられる。

0035

本発明の熱硬化性組成物においては、(C)成分の化合物として、1種の反応性官能基を有する前記化合物の他に、反応性官能基2種以上を有する化合物を用いてもよいし、又該(C)成分は2種以上を組合せてもよいが、前記(B)成分の化合物と同様に、それぞれの官能基が互いに活性である組合せは、貯蔵安定性が損なわれ、好ましくない。本発明の熱硬化性組成物においては、(C)成分と前記(B)成分とが1種の反応性官能基を有する組合せで用いる他に、反応性官能基2種以上を有する組合せで用いてもよいが、前記(B)成分の化合物と同様に、それぞれの官能基が互いに活性である組合せは、貯蔵安定性が損なわれ、好ましくない。また、該(C)成分の混合量は目的とする諸性能に応じて適宜選定することができる。

0036

本発明の熱硬化性組成物は、前記(A)成分の化合物、(B)成分の化合物及び(C)成分化合物とを含有するものであってもよいし、また(E)1分子中に、(イ)一般式(2)

0037

0038

(式中のR5、R6及びR7はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜18の有機基、R8は炭素数1〜18の有機基であって、R7とR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y2は酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基1個以上、好ましくは1〜50個と、(ロ)該官能基と加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基1個以上、好ましくは1〜50個とを有する自己架橋型化合物及び(B)成分の化合物を含有するものであってもよい。この場合、前記(B)成分及び場合により用いられる(C)成分の反応性官能基は、前記一般式(2)で表される官能基、及び場合により一般式(1)で表される官能基の両方と加熱により化学結合を形成する。さらに、この(E)成分の化合物と前記(C)前記(B)成分化合物、及び(A)成分の化合物及び/又は(C)成分の化合物とを含有するものであってもよい。この場合、該(B)成分の反応性官能基は、前記一般式(2)で表される官能基及び/又は一般式(1)で表される官能基と化学結合を形成する。該(E)成分の化合物における(イ)一般式(2)で表される官能基としては、前記(A)成分における官能基、すなわち一般式(1)で表される官能基の説明において例示したものと同じものを挙げることができる。また、(ロ)反応性官能基としては、前記(C)成分の化合物における反応性官能基として例示したものと同じものを挙げることができる。

0039

この(E)成分の化合物は、1分子中にカルボキシル基1個以上、好ましくは1〜50個と該反応性官能基1個以上、好ましくは1〜50個とを有する化合物を出発原料とし、前記(A)成分の化合物の製法で説明したのと同様な方法で製造することができるし、あるいは前記一般式(2)で表される官能基を有する不飽和化合物と前記の反応性官能基を有する不飽和化合物とを共重合させることによっても製造することができる。該(E)成分の化合物は、前記一般式(2)で表される官能基と共に、該反応性官能基を2種以上含有するものであってもよいが、この場合、前記(C)成分の化合物と同様に、それぞれの官能基が互いに活性である組み合わせは貯蔵安定性が損なわれ、好ましくない。

0040

本発明の熱硬化性組成物においては、前記(A)成分及び(C)成分、あるいは(E)成分の中から選ばれた少なくとも1つがα,β−不飽和化合物の重合体又はポリエステル樹脂であることが好ましく、また該組成物中の前記一般式(1)あるいは(2)で表される官能基と、これと加熱により化学結合を形成し得る反応性官能基とが当量比0.2:1.0乃至1.0:0.2の割合になるように各成分を含有させることが望ましい。本発明における(A)成分及び/又は(E)成分の一般式(1)及び/又は(2)で表される官能基は、加熱下において、遊離カルボキシル基を再生し、(B)成分、(C)成分及び(E)成分の反応性官能基と化学結合を形成するものであるが、この反応の他に分子内分極構造に基づく、いわゆる活性エステルとして(B)成分、(C)成分あるいは(E)成分の反応性官能基に付加反応を起こし得る。この際には、架橋反応時に脱離反応を伴わないため、揮発性有機物質の排出低減にも貢献することができる。

0041

本発明の熱硬化性組成物においては、熱硬化性組成物に、場合により該組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に保ち、かつ低温にて短時間で硬化する際、硬化反応を促進し、硬化物に良好な化学性能及び物理性能を付与する目的で、場合により(D)成分として加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有させることができる。この熱潜在性酸触媒は、60℃以上の温度において、酸触媒活性を示す化合物が好ましい。この熱潜在生産触媒が60℃未満の温度で酸触媒活性を示す場合、得られる組成物は貯蔵中に増粘したり、ゲル化するなど、好ましくない事態を招来するおそれがある。(D)成分の熱潜在性酸触媒としては、プロトン酸あるいはルイス酸ルイス塩基中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物スルホン酸エステル類リン酸エステル類オニウム化合物、及び(i)エポキシ基を含有する化合物、(ii)含イオウ化合物及び(iii)ルイス酸を必須成分とし、場合により(iv)カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る化合物が好ましく挙げられる。

0042

該プロトン酸をルイス酸で中和した化合物としては、例えばハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類などを、アンモニアモノエチルアミントリエチルアミンピリジンピペリジンアニリンモルホリンシクロヘキシルアミンn−ブチルアミンモノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンなどの各種アミン若しくはトリアルキルホスフィントリアリールホスフィントリアルキルホスファイトトリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、X−47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)などが挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えばBF3、FeCl3、SnCl4、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。あるいは上記ルイス酸とトリアルキルホスフェートとの混合物も挙げられる。該スルホン酸エステル類としては、例えば一般式(5)

0043

0044

(式中のR11はフェニル基置換フェニル基ナフチル基置換ナフチル基又はアルキル基、R12は一級炭素又は二級炭素を介してスルホニルオキシ基と結合している炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基飽和若しくは不飽和のシクロアルキル又はヒドロキシシクロアルキル基である)で表される化合物、具体的にはメタンスルホン酸エタンスルホン酸ベンゼンスルホン酸ドデシルベンゼンスルホン酸ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類と、n−プロパノールn−ブタノールn−ヘキサノール、n−オクタノールなどの第一級アルコール類又はイソプロパノール2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、シクロヘキサノールなどの第二級アルコール類とのエステル化物、さらには前記スルホン酸類とオキシラン基含有化合物との反応により得られるβ−ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類などが挙げられる。該リン酸エステル類としては、例えば一般式(6)

0045

0046

(式中のR13は炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基、m2は1又は2である)で表される化合物が挙げられ、より具体的には、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノールといった第一級アルコール類、及びイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、シクロヘキサノールといった第二級アルコール類のリン酸モノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられる。また該オニウム化合物としては、例えば一般式(6)〜(9)

0047

(R14 3NR15)+X- (7)
(R14 3PR15)+X- (8)
(R14 2OR15)+X- (9)
(R14 2SR15)+X- (10)

0048

(式中のR14は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基又はシクロアルキル基であって、2個のR14はたがいに結合してN、P、O又はSをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、R15は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、X-はSbF -6、AsF -6、PF -6又はBF -4である)で表される化合物などが挙げられる。。

0049

さらに、(i)エポキシ基を含有する化合物、(ii)含イオウ化合物及び(iii)ルイス酸を必須成分とし、場合によりカルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜在性酸触媒の(i)エポキシ基を含有する化合物の具体例としては、例えば、プロピレンオキシドブチレンオキシドなどのアルケンから誘導される脂肪族モノエポキシド化合物シクロヘキセンオキシドセロサイド2000(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、セロキサイド3000(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、リカレジンE−8(商品名、新日本理化(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどのシクロアルケンから誘導される脂環式モノエポキシド化合物、スチレンオキシドスチルベンオキシドなど芳香族環を有する芳香族モノエポキシド化合物、メチルグリシジルエーテルエチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテルブチルグリシジルエーテルオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルアリルグリシジルエーテルポリアルキレンオキシドモノグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類グリシジルイソブチレート、カージュラE−10(商品名、シェル社製)、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジルエステル類、サンサイザーE−4030(商品名、新日本理化(株)製)、サンソサイザーE−6000(商品名、新日本理化(株)製)、などのエポキシ系可塑剤、さらにグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどの単量体の単独重合体、又は他の単量体との共重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸とエピクロルヒドリンあるいはポリオールとエピクロルヒドリンの反応によって得られるポリグリシジル化合物などのエポキシ基を有する高分子化合物などが挙げられる。この中で特に好ましいものとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、サンソサイザーE−4030(商品名、新日本理化(株)製)、サンソサイザーE−6000(商品名、新日本理化(株)製)、リカレジンE−8(商品名、新日本理化(株)製)、シクロヘキセンオキシド、セロキサイド3000(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、カージュラE−10(商品名、シェル社製)などが挙げられる。グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレーの単独重合体又は他の単量体との共重合体も特に好ましいものとして挙げられる。

0050

ここで、エポキシ基を含有する化合物が高分子化合物である場合、そのエポキシ含有量は0.1〜7モル/kgの範囲が好ましく、特に0.35〜5モル/kgの範囲が好ましい。該(i)エポキシ基を含有する化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0051

該熱潜在性酸触媒に使用される(ii)含イオウ化合物の適当な具体例としては、例えばジメチルスルフィドジエチルスルフィド、ジ−n−プロピルスルフィド、ジ−n−ブチルスルフィド、ジ−n−ヘキシルスルフィド、ジイソプロピルスルフィド、ジ−sec−ブチルスルフィド、ジ−tert−ブチルスルフィド、ジ−n−オクチルスルフィド、ジ−2−エチルヘキシルスルフィドなどのアルキルスルフィド類、2−(エチルチオエタノール、2,2’−チオジエタノール、ビス(2−メトキシエチル)スルフィドなどのヒドロキシアルキルスルフィド及びその誘導体ジフェニルスルフィドチオアニソールなどの芳香族環を有する含イオウ化合物、メチルチオ酢酸メチル、メチルチオプロピオン酸エチルチオジプロピオン酸ジメチルなどカルボン酸エステル部分を含む含イオウ化合物、チオジプロピオニトリルなどのニトリル基を含む含イオウ化合物、テトラヒドロチオフェンテトラヒドロチアピラン、1,2−オキサチオラン、1,3−オキサチオラン、1,3−オキサチアン、1,4−オキサチアンなどの環状の含イオウ化合物などが挙げられ、好ましくはn−プロピルスルフィド、n−ブチルスルフィド、n−ヘキシルスルフィド、イソプロピルスルフィド、sec−ブチルスルフィド、tert−ブチルスルフィド、n−オクチルスルフィド、2−エチルヘキシルスルフィドなどのアルキルスルフィド類及び2−(エチルチオ)エタノール、ビス(2−メトキシエチル)スルフィド、メチルチオ酢酸メチル、メチルチオプロピオン酸エチル、テトラヒドロチオフェン、1,4−オキサチアンが挙げられる。該(ii)含イオウ化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0052

熱潜在性触媒に使用される(iii)ルイス酸の適当な具体例としては、例えば三フッ化ホウ素三塩化アルミニウム塩化第一チタン塩化第二チタン塩化第一鉄塩化第二鉄塩化亜鉛臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズなどの金属ハロゲン化物トリアルキルホウ素トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウムモノアルキルハロゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズなどの有機金属化合物ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノアセチルアセトナト・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−ブチルアセトアセテート)アルミニウム、モノエチルアセトアセテート・ビス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、アセチルアセトナト・ビス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジクロロ・ビス(アセチルアセトナト)スズ、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)クロム、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルトなどの金属キレート化合物、ジブチルスズジラウレートジオクチルスズエステルマレートナフテン酸マグネシウムナフテン酸カルシウムナフテン酸マンガンナフテン酸鉄ナフテン酸コバルトナフテン酸銅ナフテン酸亜鉛ナフテン酸ジルコニウムナフテン酸鉛オクチル酸カルシウムオクチル酸マンガンオクチル酸鉄オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛オクチル酸ジルコニウムオクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛ステアリン酸マグネシウムステアリン酸アルミニウムステアリン酸カルシウムステアリン酸コバルトステアリン酸亜鉛ステアリン酸鉛などの金属石鹸が挙げられる。これらのうち好ましいものは、ホウ素、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛及びジルコニウムのキレート化合物、金属石鹸、ハロゲン化物が挙げられる。さらに、カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物を用いない場合は、有機溶媒に対する溶解性に関する観点から、ホウ素、アルミニウム、スズ、チタン、亜鉛及びジルコニウムのキレート化合物並びに金属石鹸が特に好ましいものとして挙げられる。該(iii)ルイス酸は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0053

該熱潜在性酸触媒に用いられる(iv)カルボン酸化合物の適当な具体例としては、酢酸プロピオン酸酪酸、2−エチルヘキシル酸、ラウリン酸ステアリン酸オレイン酸リノール酸リノレン酸、アクリル酸、メタクリル酸,モノクロロ酢酸ジクロロ酢酸トリクロロ酢酸などの一価のカルボン酸化合物、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、フタル酸、マレイン酸、トリメット酸、ピロメット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸などの多価カルボン酸化合物、及びカルボキシル基含有アクリル樹脂カルボキシル基含有ポリエステル樹脂などが挙げられる。この中でも比較的低分子量の一価又は多価のカルボン酸化合物が好ましく、特に分子量が3000以下の一価又は多価のカルボン酸化合物が好ましい。

0054

該熱潜在性酸触媒に用いられる(iv)無水カルボン酸化合物の適当な具体例としては、無水酢酸無水プロピオン酸無水酪酸無水イソ酪酸無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水リノール酸、無水ステアリン酸、無水リノレン酸、無水コハク酸無水フタル酸無水マレイン酸無水トリメリット酸無水ピロメリット酸、無水イソ吉草酸、無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸無水クロレンド酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水テトラプロペニルコハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水へキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、無水テトラクロロフタル酸、無水3−ニトロフタル酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酪酸などの低分子無水カルボン酸化合物、及び無水カルボキシル基含有アクリル樹脂、無水カルボキシル基含有ポリエステル樹脂などの高分子無水カルボン酸化合物などが挙げられる。

0055

この中で、特に好ましいものとしては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水ステアリン酸、無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酪酸などが挙げられる。なお、該(iv)カルボン酸化合物及び無水カルボン酸化合物の効果である有機溶剤に対する溶解性向上は、ルイス酸が金属ハロゲン化物である場合に著しい。該(iv)カルボン酸化合物及び無水カルボン酸化合物は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0056

該熱潜在性酸触媒を製造する際の各成分の混合比は、特に限定されるものではないが、(iii)成分であるルイス酸の金属原子に対する(i)成分であるエポキシ基を含有する化合物のエポキシ基及び(ii)成分である含イオウ化合物のイオウ原子の当量比が、それぞれ0.2〜10の範囲にあることが好ましく、特に各々0.5〜5の範囲にあることが好ましい。この当量比が0.2未満であると、貯蔵時にルイス酸の活性を十分抑制できないことがある。また、この当量比が10を超えると、加熱時に酸触媒活性を示しにくくなることがある。また、該熱潜在性酸触媒において、(iii)成分であるルイス酸の金属原子に対する(iv)成分であるカルボン酸化合物のカルボキシル基及び/又は無水カルボン酸化合物の酸無水物基の当量比は、特に限定されるものではないが、0.05〜10の範囲にあることが好ましく、特に0.1〜5の範囲にあることが好ましい。この当量比が0.05未満となる場合には、熱潜在成酸触媒の有機溶剤に対する溶解性が不充分になることがある。また、この当量比が10を超えると貯蔵時にルイス酸の活性を十分抑制できなくなることがある。

0057

該熱潜在性酸触媒は、溶媒の存在下或は不存在下で、(i)エポキシ基を含有する化合物、(ii)含イオウ化合物及び(iii)ルイス酸の各成分を任意の順序で混合することにより容易に製造することができる。この中でも、(i)エポキシ基を含有する化合物及び(ii)含イオウ化合物を予め混合した後、(iii)ルイス酸を混合するか、あるいは(ii)含イオウ化合物及び(iii)ルイス酸とを予め混合した後、(i)エポキシ基を含有する化合物を混合する製造方法が好ましい。また、(iv)カルボン酸化合物及び/無水カルボン酸化合物の混合順序は任意にとることができる。この中でも、(i)エポキシ基を含有する化合物、(ii)含イオウ化合物、(iii)ルイス酸の各成分を予め混合した後に、(iv)カルボン酸化合物及び/無水カルボン酸化合物を混合することが好ましい。さらに、該熱潜在性酸触媒の製造において、2成分、3成分、場合により4成分あるいは5成分を混合したのちに、室温〜100℃の範囲で10分〜10時間加熱を行うとルイス酸の熱潜在化反応がより促進されて好ましいことがある。ここで用いる溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素系溶剤芳香族炭化水素系溶剤エーテル系溶剤アルコール系溶剤エステル系溶剤ケトン系溶剤、及びこれらの混合溶剤などが挙げられる。また、溶媒の使用量は、適宜選定すれば良いが、通常熱潜在性酸触媒が1〜90重量%となるようにすることが好ましい。

0058

本発明の熱硬化性組成物においては、該(D)成分の熱潜在性酸触媒は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、またその配合量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分、あるいは(E)成分と(B)成分、及び場合により用いられる(A)成分及び/又は(C)成分との総固形分量100重量部当たり、通常0.01〜20重量部の範囲、好ましくは0.02〜10重量部の範囲で配合されるように選ばれる。熱潜在性酸触媒の量が0.01重量%未満では触媒量が少な過ぎて反応を促進させる効果が十分に発揮されない。また、熱潜在性酸触媒の量が20重量%を超えると、量のわりには反応を促進させる効果の向上が見られず、むしろ熱硬化性組成物中に触媒が多量に残存することにより塗膜の物性が低下する場合があり好ましくない。

0059

本発明の熱硬化性組成物の硬化に要する温度及び時間については、前記一般式(1)又は(2)で表されるブロック化官能基から、遊離カルボキシル基を再生する温度、反応性官能基の種類、熱潜在性酸触媒の種類などにより異なるが、通常60℃〜300℃の範囲の温度で、5秒〜24時間加熱することにより硬化が完了する。本発明の熱硬化性組成物は、そのままで、あるいは必要に応じ、着色顔料フィラー溶剤紫外線吸収剤酸化防止剤流動調整剤などの各種添加剤を配合して、塗料、インク、接着剤、成形品、あるいは電気分野における封止材及び集積板など硬化性を利用する種々の用途に使用することができる。本発明の熱硬化性組成物は、上記した成分を混合し、場合により各種添加剤を配合することにより製造することができる。各成分の配合方法及び各種添加剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、種々の方法により行うことができ、混合順序及び添加順序も種々の順序で行うことができる。

0060

本発明の硬化性組成物は、単層上塗り塗料又は着色ベースコートクリアートップコートとから成る複数層の塗膜を有する物品を調製する方法に使用する塗料などとして用いることができ、自動車塗料鉄道車両用塗料、プレコートポストコート金属製品用塗料電気機器用塗料、鉄鋼構造物用塗料、機械用塗料、建築材料用塗料、さらに電気電子部品絶縁防湿防錆用塗料、その他の工業塗装分野において極めて有用である。

0061

これらの塗料の場合、熱硬化性組成物100重量部当たり、顔料を0〜300重量部配合させることが好ましく、特に0〜100重量部配合させることが好ましい。顔料は、有機顔料無機顔料などの種々の顔料が用いられるが、例えばそれぞれに表面処理を施したアルミニウム、銅、真鍮青銅ステンレススチール、あるいは雲母状酸化鉄鱗片メタリック粉体酸化チタン酸化鉄被覆された雲母片などの金属顔料が用いられる。また、その他、二酸化チタン、酸化鉄、黄色酸化鉄カーボンブラックなどの無機顔料、フタロシアニンブルーフタロシアニングリーンキナクリドン系赤色顔料などの有機顔料、沈降性硫酸バリウムクレーシリカタルクなどの体質顔料などが挙げられる。

0062

また、本発明の熱硬化性組成物を、着色ベースコートとクリアートップコートから成る複数層の塗膜を有する物品を調製する方法に適用すると、極めて優れた塗装仕上がり外観を得ることができる。ベースコートフイルム形成性組成物は、樹脂バインダーと顔料とを含有する。樹脂バインダーとしては、本発明の熱硬化性組成物の他、公知のアクリルポリマーポリエステルアルキッド樹脂を含む)及びポリウレタンメラミン樹脂などの種々のバインダーを挙げることができる。なお、ベースコートのフイルム形成性組成物には、通常用いられる各種添加剤、例えば界面活性剤レベリング剤チクソトロピー剤、充填剤、抗発泡剤、有機溶剤、触媒などを添加することができる。クリアートップコートのフイルム形成性組成物は、本発明の熱硬化性組成物であり、場合により、透明性を損なわない程度に上記顔料、各種添加剤や耐候性の良好な染料を添加することができる。

0063

塗料を塗布する基材としては、特に限定されるものではなく、種々の基材を用いることができ、例えば、木、ガラス、金属、布、プラスチック発泡体弾性体、紙、セラミックコンクリート石膏ボードなどの有機素材及び無機素材などが挙げられる。

0064

本発明の熱硬化性組成物を含む塗料組成物を使用する適当な塗装方法には、塗料組成物を、場合により加温したり、有機溶媒又は反応性希釈剤を添加することにより所望の粘度に調整した後、エアースプレー静電エアスプレーロールコーターフローコーター、デイッピング形式による塗装機などの通常使用される塗装機、又は刷毛バーコーターアプリケーターなどを用いて乾燥後の塗膜が0.5〜300μmになるように塗布し、通常60〜300℃の温度で5秒〜24時間加熱硬化させる方法、また2コート1ベーク方式の塗装を行う場合には、ベースコート塗料組成物を例えば有機溶剤などの適当な希釈剤にて所望の粘度に希釈した後、上記方法を用いて乾燥後の膜厚が通常5〜40μm、好ましくは10〜30μmになるように塗布し、室温〜100℃の温度で1〜20分間放置し、次いで本発明の熱硬化性組成物によるクリアートップコート塗料組成物を、上記方法を用いて乾燥後の膜厚が20〜100μm、好ましくは20〜50μmになるように塗布し、60〜300℃の温度で5秒〜24時間加熱硬化させる方法などが挙げられる。なお、塗装方法は、上記の方法のうち、スプレー塗装が好ましい。

0065

本発明の塗料組成物を塗布して得られる塗装物品としては、例えば構造物木製品、金属製品、プラスチック製品ゴム製品加工紙セラミック製品ガラス製品などが挙げられる。より具体的には、自動車鋼板などの金属板二輪車船舶鉄道車両航空機家具楽器家電製品、建築材料、容器事務用品スポーツ用品玩具などが挙げられる。また、本発明の熱硬化性組成物は、所定形状に成形して工業機材などの広範な分野に使用可能な成形品を得るための組成物としても有用である。

0066

これらの成形品に応用の場合、熱硬化性組成物100重量部当たり、粉粒状平板状、鱗片状、針状、球状、中空状又は繊維状の充填剤を0〜800重量部配合させることが好ましく、特に0〜400重量部配合させることが好ましい。上記充填剤として、例えば、硫酸カルシウム珪酸カルシウム、クレー、珪藻土、タルク、アルミナ珪砂ガラス粉、酸化鉄、金属粉グラファイト炭化珪素窒化珪素、シリカ、窒化ホウ素窒化アルミニウム、カーボンブラックなどの粉粒状充填剤雲母ガラスフレークセリサイトパイロフィライトアルミフレークなどの金属箔黒鉛などの平板状、鱗片状の充填剤、シラスバルーン金属バルーンガラスバルーンなどの中空状充填剤ガラス繊維炭素繊維グラファイト繊維チタン酸カリウムなどのウィスカー金属繊維シリコーンカーバイト繊維、アスベストウオスナイトなどの鉱物繊維などを挙げることができる。以上の充填剤の表面は、場合によりステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸又はそれらの金属塩パラフィンワックスポリエチレンワックス又はそれらの変性物シランカップリング剤有機ボラン有機チタネートなどを使用して表面処理を施してもよい。さらに、場合により、水酸化マグネシウム水酸化アルミニウムなどの無機系難燃剤ハロゲン系、リン系などの有機系難燃剤木粉などの有機系充填剤、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、流動調整剤、低収縮剤滑剤発泡剤熱可塑性樹脂などの添加剤を用いることができる。

0067

本発明の熱硬化性組成物を含む成形用組成物を配合する際は、比較的流動性に優れるため、多くの場合ディスパーなどの通常のクリアー塗料などに用いられる撹拌装置によっても混合可能である。充填剤の量が多く、成形用組成物の粘度が高くなる場合においては、例えばバンバリーミキサーニーダー混練押出機単軸又は多軸押出機などにより混合する方法を挙げることができる。混合温度は、組成物の粘度及び混合装置混練力に応じて室温〜120℃に加温することが可能である。

0068

本発明の熱硬化性組成物を含む成形用組成物の成形方法としては、所定形状の金型に注型して加熱硬化させる方法、あるいは不飽和ポリエステルによるSMCなどで行われている圧縮成形方法、さらに液状樹脂の射出成形法として知られる加圧ゲル化法で代表される熱硬化性組成物の一般的成形方法などを採用することができる。その場合、成形用組成物を配合した後、場合により室温又は加熱条件で熟成を行った後、前記の成形方法を採用して60〜300℃で5秒〜24時間の硬化条件で成形可能である。このようにして得られた成形品は、例えば封止材料注型材料プリント配線基板として用いられる積層板などに代表される電気電子部品、また、浴槽浄化槽水タンクパネルなどの住宅関連製品自動車部品音響機器絶縁材料防湿材料防錆材料、及び工業用機材などに好適に用いられる。以上本発明の熱硬化性組成物は、例えば、塗料、インク、接着剤、成形品、あるいは電気分野における封止材及び集積板に好適に用いることができる。

0069

次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。なお、塗膜性能及び成形品の物理性能は次のようにして求めた。

0070

(1)耐酸性−1
40重量%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、20℃で48時間放置後、塗膜の異常を目視にて判定した。
(2)耐酸性−2
40重量%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、60℃で30分間加熱後、塗膜の異常を目視にて判定した。
(3)耐酸性−3
試験片を0.1規定硫酸中に浸漬し、60℃で24時間保った後、塗膜の異常を目視にて判定した。

0071

(4)耐衝撃性
衝撃変形試験器(JIS K−5400(1990)8.3.2デュポン式)を用い、半径6.35mmの撃ち型に試験片を挟み、500gのおもりを40cmの高さから落下させた際の塗膜の損傷を目視にて判定した。
(5)耐候性
サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(JIS K−5400(1990)9.8.1)を用いて3000時間曝露後、塗膜状態を目視にて判定した。
(6)ヌープ硬度
(株)島津製作所製のM型微小硬度計にて20℃で測定した。数値の大きい程硬いことを示す(ASTMD−1474)。

0072

(7)アイゾット衝撃試験:JIS K 7100に準じた。
(8)曲げ試験:JIS K 6758に準じて試験を行い、曲げ強さ並びに曲げ弾性率を測定した。
(9)線膨張係数:5×5×5mmの試験片を切削し、(株)リガク製熱物試験機により測定した。
(10)体積抵抗率:JIS C 2105に準じて25℃での体積抵抗率を測定した。
(11)エナメル線導体腐食性:φ0.5mm、2UEW(ポリウレタン銅線)のエナメル線を用いて作成された電源トランスコア寸法:66×54×30mm)を試料の熱硬化性組成物中に2分間浸漬した後引き上げ、空気中に10分間放置し、120℃で1時間硬化させた。このワニス処理した電源トランスを60℃、95%RHの恒温恒湿槽に放置し、エナメル線導体が腐食する日数を求めた。エナメル線導体の腐食は、エナメル線の変色(黒色、赤褐色などに変色する。)によって判定した。
(12)コアの防錆能:(11)の試験において、恒温恒湿槽に5日間放置した後、電源トランスのコアの錆の発生状態を観察し、下記基準により評価した。
○:錆の発生なし。
△:コアの表面積に対して10〜20%程度錆が発生した。
×:コアの表面積に対して40〜60%程度錆が発生した。

0073

製造例1
(A)成分化合物A−1溶液の製造
(1)α,β−不飽和化合物(A−1(a))の製造
温度計還流冷却器撹拌機を備えた4つ口フラスコに、下記成分を仕込み、加熱し、50℃を保ちながら撹拌した。
メタクリル酸86.0重量部
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン100.9重量部
ヒドロキシモノメチルエーテル0.2重量部
35wt%塩酸0.1重量部
混合物の酸価が30以下となったところで反応を終了し、放冷分液ロート生成物を移した。得られた生成物は、分液ロート中で10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液100重量部でアルカリ洗浄後洗浄液のpHが7以下になるまで200重量部の脱イオン水水洗を繰り返した。その後、有機層中にモレキュラーシーブ4A1/16(和光純薬(株)製、商品名)を加え、室温で3日間乾燥することによって、有効分含有量95.1wt%1)を有するα,β−不飽和化合物A−1(a)を得た。
注 1)有効分含有量は、ガスクロマトグラフィーにより求めた。

0074

(2)化合物A−1溶液の製造
前記と同様のフラスコ中に、初期仕込み溶剤(キシレン)200.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱し、80℃を保った。次に80℃の温度で、前記の方法で得られたα,β−不飽和化合物及び下記の組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。
前記(1)のα,β−不飽和化合物A−1(a) 178.8重量部
n−ブチルメタクリレート100.0重量部
メチルメタクリレート178.6重量部
2−エチルへキシルアクリレート135.4重量部
酢酸n−ブチル123.8重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル23.4重量部
滴下終了後、80℃の温度を1時間保ち、酢酸n−ブチル57.0重量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.0重量部から成る重合開始剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに80℃の温度を4時間保ったところで反応を終了し、不揮発分2)58.5wt%、粘度3)Uの特性を有する化合物A−1溶液を得た。

2)不揮発分測定条件:50℃、0.1mmHgで3時間
3)粘度:ガードナー粘度(25℃)(JIS K−5400(1990)4.5.1ガードナー型泡粘度計による)

0075

製造例2
(A)成分化合物A−2溶液の製造
(1)ポリカルボン酸化合物A−2(a)溶液の製造
温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し120℃に昇温した。
ペンタエリスリトール136.0重量部
メチルイソブチルケトン538.7重量部
次いで、120℃を保ちながらメチルヘキサヒドロフタル酸無水物672.0重量部を2時間かけて滴下し、混合物の酸価(ピリジン/水(重量比)=9/1混合液で約50重量倍に希釈し、90℃で30分間加熱処理した溶液を水酸化カリウム標準溶液滴定)が、170以下になるまで加熱撹拌を継続することによって、4官能ポリカルボン酸化合物A−2(a)溶液を得た。

0076

(2)化合物A−2溶液の製造
前記の方法で得られたポリカルボン酸化合物A−2(a)溶液を用いて、前記と同様のフラスコ中に下記組成の混合物を仕込み、50℃を保ちながら撹拌した。
前記(1)のポリカルボン酸化合物A−2(a)溶液 336.7重量部
イソブチルビニルエーテル120.2重量部
35wt%塩酸0.2重量部
メチルイソブチルケトン46.3重量部
混合物の酸価が12以下となったところで反応を終了し、放冷後分液ロートに生成物を移した。得られた生成物は、分液ロート中で10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液100重量部でアルカリ洗浄後、洗浄液のpHが7以下になるまで300重量部の脱イオン水で水洗を繰り返した。その後、有機層中にモレキュラーシーブ4A1/16を加え、室温で3日間乾燥することによって、不揮発分2)60.0重量%、粘度3)E−F(25℃)の化合物A−4溶液を得た。

2)不揮発分測定条件、3)粘度測定は、製造例1脚注と同様である。

0077

製造例3
(C)成分化合物C−1溶液の製造
温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、初期仕込み溶剤(キシレン)40.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱し、100℃を保った。次に100℃の温度で、下記の組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。
グリシジルメタクリレート28.4重量部
n−ブチルメタクリレート20.0重量部
メチルメタクリレート27.7重量部
2−エチルへキシルアクリレート23.9重量部
酢酸n−ブチル54.0重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.0重量部
滴下終了後、100℃の温度を1時間保ち、酢酸n−ブチル3.8重量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部から成る重合開始剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに100℃の温度を2時間保ったところで反応を終了し、不揮発分2)50.8wt%、粘度3)Sの特性を有する化合物B−1溶液を得た。

2)不揮発分測定条件、3)粘度測定は、製造例1脚注と同様である。

0078

製造例4、5
(D)成分熱潜在性酸触媒の製造
温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、それぞれ表1に示す(i)成分であるエポキシ基を有する化合物と(iii)成分であるルイス酸溶液を入れ室温で撹拌した。次に表4に示す(ii)成分である含イオウ化合物を滴下し、その後70℃で2時間撹拌した。更に、放置冷却し、室温となったところで(iv)成分であるカルボン酸化合物を入れ、室温で約1時間撹拌することによって、表1に記載の熱潜在性酸触媒D−1及びD−2溶液を得た。

0079

0080

製造例6
(E)成分化合物E−1溶液の製造
温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、初期仕込み溶剤(キシレン)40.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱し、80℃を保った。次に80℃の温度で、下記の組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。
製造例1記載のα,β−不飽和化合物A−1(a) 36.0重量部
グリシジルメタクリレート14.2重量部
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン16.6重量部
n−ブチルメタクリレート20.0重量部
メチルメタクリレート18.5重量部
2−エチルへキシルアクリレート13.5重量部
酢酸n−ブチル28.7重量部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.5重量部
滴下終了後、80℃の温度を1時間保ち、酢酸n−ブチル7.6重量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部から成る重合開始剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに80℃の温度を4時間保ったところで反応を終了し、不揮発分2)58.5wt%、粘度3)V−Wの特性を有する化合物E−1溶液を得た。

2)不揮発分測定条件、3)粘度測定は、製造例1脚注と同様である。

0081

1コートソリッドカラーへの応用
実施例1
(1)塗料の製造
表2の組成において、実施例1ではKF−101を除いた混合物を、サンドミルに仕込み、粒度が10μm以下になるまで分散した。その後、顔料分散時に除いた原料添加混合し、一液型塗料とした。

0082

(2)試験片の作製及び塗膜性能の検討
リン酸亜鉛処理軟鋼板カチオン電着塗料アクアNo.4200(登録商標日本油脂(株)製)を乾燥膜厚20μmとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付け、さらに中塗り塗料エピコNo.1500CPシーラー(登録商標、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚40μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けることにより試験板を作製した。次いで、前記(1)の生塗料を、キシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)のシンナーを用いて塗装粘度(フォードカップNo.4、20℃で25秒)に希釈後、前記の方法で作成した試験板に、乾燥膜厚40μmとなるようにエアースプレーにて塗装し、表3の硬化条件で焼き付けて試験片を作製した。塗膜性能を表3に示すが、均一でツヤのある塗膜が得られ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性及び硬度を示した。

0083

(3)貯蔵安定性の検討
前記(1)で得られた生塗料は、キシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)のシンナーを用いて、1ポイズ(JIS K−5400(1990)4.5.3回転粘度計法による20℃での測定値)に希釈した後、40℃で30日間密封貯蔵した。その後、再び粘度を測定したところ、表3に示す様に、ほとんど粘度増加は認められなかった。また、前記(2)の希釈塗料を40℃で30日間密封貯蔵し、その後前記(2)と同様の方法で試験片を作成し、そのヌープ硬度を測定した。その結果、表3に示す様に、貯蔵後も優れた硬度を示した。すなわち、本発明の熱硬化性組成物による熱硬化型1コートソリッドカラーは優れた貯蔵安定性を有する。

0084

0085


1)KF−101:商品名、信越化学工業(株)製、エポキシ変性シリコーン化合物
2)二酸化チタンJR−602:商品名、帝国化工(株)製、ルチル型二酸化チタン
3)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング剤

0086

0087

比較例1
表4の組成において、比較例1は製造例2のポリカルボン酸化合物A−2(a)溶液を除いて実施例1と同様に顔料分散後、塗料化した。得られた塗料を実施例1と同様にして貯蔵安定性試験を行ったところ、比較例1では表5に示すようにカルボキシル基が何らブロックされていないため、カルボキシル基とエポキシ基との架橋反応により経時的に著しく粘度増加し、最終的には5日でゲル化した。

0088

0089

0090

2コート1ベークメタリックカラーへの応用
実施例2
(1)クリヤー塗料の製造
表6の組成の原料を混合し、一液型クリアー塗料とした。
(2)試験片の作製
得られた生塗料を、実施例1と同様にして希釈した。次いで、実施例1と同様の方法で作製した試験板に、ベルコートNo.6000シルバーメタリックベースコート塗料(登録商標、日本油脂(株)製)をエアースプレーにてインターバル1分30秒、2ステージ乾燥塗膜厚15μmとなるように塗装し、20℃で3分間セット後、前記の希釈クリアー塗料を乾燥膜厚40μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き付けて試験片を作製した。塗膜性能を表7に示すが、均一でツヤのある塗膜が得られ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性及び硬度を示した。

0091

(3)貯蔵安定性の検討
前記(1)で得られた生塗料は、キシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)のシンナーを用いて実施例1と同様にして貯蔵安定性試験を行ったところ、表7に示すようにほとんど粘度の増加は認められず、また、貯蔵後も優れた硬度を示した。すなわち、本発明の熱硬化性組成物による熱硬化型2コート1ベーク用クリアー塗料は、優れた貯蔵安定性を有する。

0092

0093

ID=000018HE=085 WI=067 LX=0265 LY=1150
比較例2
表8の組成の原料を混合してクリアー塗料とした。得られた塗料を、実施例2と同様にして貯蔵安定性試験を行ったところ、比較例2は表9に示すようにカルボキシル基が何らブロック化されていないため、カルボキシル基とエポキシ基との架橋反応により経時的に著しく粘度増加し、最終的には5日でゲル化した。

0094

0095

0096

成形品への応用
実施例3、4
(1)成形品用組成物の合成
表10に示す組成物を混合し、さらに50℃、0.1mmHgの条件で組成物中の溶剤を留去することにより、成形品用組成物とした。

0097

(2)物性試験用試験片の作製及び物性試験
前記(1)の成形品用組成物を50℃に加温した後、10×300×300mmの金型に注入し、50℃、真空下(1Torr)で20分間脱気した。続いて金型を120℃に1時間加熱し、さらに150℃で1時間の条件で加熱して組成物を硬化させ、最後に離型することにより成形品を得た。成形品は、気泡や収縮に伴うヒケなどを生じることなく正常に得られた。こうして得られた成形品は切削加工することにより、試験片とし、機械物性及び絶縁特性についての試験を行った。さらに、防錆性についても試験を行った。これらの物性試験の結果を表10に示すが、本発明の熱硬化性組成物による成形品は、優れた機械物性、絶縁特性及び防錆性を示した。

0098

ID=000021HE=095 WI=082 LX=0640 LY=0450
表10において、添字は次の意味を示す。
1)YD−128:商品名、東都化成(株)製、エポキシ化合物
2)CRT−D:商品名、龍森(株)製、シリカ
3)MF3A:商品名、旭ファイバーグラス(株)製、ガラス繊維

発明の効果

0099

本発明の熱硬化性組成物は、化学性能、物理性能及び耐候性に優れる硬化物を与えると共に、貯蔵安定性に優れており、例えば、塗料、インク、接着剤、成形品、あるいは電気分野における封止材及び集積板などに好適に用いられる。さらに、本発明の熱硬化性組成物は、成形材料として用いた場合には、機械物性、絶縁性、耐湿性、防錆性に優れ、例えば封止材料、注型材料、プリント配線基板として使用される積層板などに代表される電気電子部品、浴槽、浄化槽、水タンクパネルなどの住宅関連製品、自動車用部品、音響機器、及び工業材料などに好適に用いられる。

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