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技術 液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法ならびに前記液体噴射記録ヘッドを搭載する液体噴射記録装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 森利浩
出願日 1995年6月20日 (25年6ヶ月経過) 出願番号 1995-176719
公開日 1997年1月7日 (23年11ヶ月経過) 公開番号 1997-001807
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他) インクジェット(粒子形成、飛翔制御)
主要キーワード パルス形 傾斜パターン 段階的変化 くし形 リードスクリュ 成形層 距離測定用 オリフィス面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1997年1月7日)のものです。
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図面 (8)

目的

吐出口から電気熱変換素子までの距離を正確に測定する。

構成

基板10に電気熱変換素子11を形成する工程でくし型の傾斜パターン13をパターニングする。基板10の表面を保護層によって覆ったうえで液流路を形成するノズル層を積層し、AーA線で示す切断面に沿って切断して液流路の吐出口を形成する。傾斜パターン13の帯状部分13a〜13fのそれぞれの先端と電気熱変換素子11の距離は段階的に変化しており、前記切断面に露出する帯状部分の数を数えることで電気熱変換素子11から吐出口までの距離を検知できる。

概要

背景

液体噴射記録装置、いわゆるインクジェットプリンタは記録(印刷)時における騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さく、かつ、高速化が容易であり、しかも普通紙にも記録できる等の長所を有するため、近年特に関心を集めている。

そのなかで、例えば、特開昭54−51875号公報およびドイツ公開DOLS)第2843064号公報に記載されているものは、熱エネルギー記録液インク)に作用させて液滴吐出原動力を得るという点において、他の液体噴射記録方法とは異なる特徴を有している。

すなわち、上記の公報に開示された記録方法は、熱エネルギーの作用を受けた記録液が急激な体積の増大を伴う状態変化を起こし、この状態変化に基づく作用力によって記録ヘッド先端のオリフィスから液滴が吐出されて飛翔的液滴が形成され、これが被記録媒体(記録紙)に付着し、記録が行なわれる。

特に、ドイツ公開(DOLS)第2843064号公報に開示されている液体噴射記録方法は、オンデマンド記録法に極めて有効に適用されるばかりでなく、フルラインで高密度マルチオリフィス化された記録ヘッドを容易に実現できるうえに、高解像度、高品質の画像を高速で得られるという際立った長所を有する。

この方式の液体噴射記録装置の記録ヘッドは、記録液を吐出するために設けられたオリフィスと、オリフィスに連通し液滴を吐出するための熱エネルギーが記録液に作用する部分を構成の一部とする液流路と、熱エネルギーを発生する電気熱変換体とを具備している。このような記録ヘッドの従来構造の一例を図7に示す。

これは、記録のドット数と等しい数の電気熱変換体1001aとこれらをそれぞれ図示しない駆動回路へ接続するリード電極を有する基板ヒーターボード)1001を備えており、その表面は、電気熱変換体1001aとリード電極とを記録液から保護するため保護層によって覆われている。

基板1001上には、各電気熱変換素子1001aに沿って記録液を流動させるための液流路1002aと吐出口1002bを形成する樹脂製あるいは金属製のノズル層1002が積層され、各液流路1002aの後方にはこれらに記録液を供給するための図示しない共通液室等が設けられている。

液体噴射記録ヘッドの製造工程において、製品ごとの吐出性能バラつくのを防ぐためには、各電気熱変換素子1001aから吐出口1002bまでの距離(以下、「OH距離」という。)を厳密に管理する必要がある。そこで、矢印Aで示すように、ノズル層1002の上方からノズル層1002を通して目視検査で直接OH距離を測定したり、基板1001に目視用のパターンを設けておき、これをノズル層1002を通して目視することで、OH距離が所定の公差内にあるか否かの判別を行なっている。

概要

吐出口から電気熱変換素子までの距離を正確に測定する。

基板10に電気熱変換素子11を形成する工程でくし型の傾斜パターン13をパターニングする。基板10の表面を保護層によって覆ったうえで液流路を形成するノズル層を積層し、AーA線で示す切断面に沿って切断して液流路の吐出口を形成する。傾斜パターン13の帯状部分13a〜13fのそれぞれの先端と電気熱変換素子11の距離は段階的に変化しており、前記切断面に露出する帯状部分の数を数えることで電気熱変換素子11から吐出口までの距離を検知できる。

目的

本発明は、上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、電気熱変換素子等の吐出エネルギー発生手段から吐出口までの距離を正確に検出し、製品ごとに吐出性能がバラつくのを回避できる液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法ならびに前記液体噴射記録ヘッドを搭載する液体噴射記録装置を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

吐出エネルギー発生手段を有する基板上に液流路を形成する液流路形成層を積層しこれを前記基板とともに切断した積層体と、前記吐出エネルギー発生手段から前記積層体の切断面までの距離を表す表示手段を有し、該表示手段が、これを前記積層体の前記切断面から観察できるように構成されていることを特徴とする液体噴射記録ヘッド

請求項2

表示手段が、積層体の切断面に露出する端面を有する表示パターンであることを特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッド。

請求項3

表示パターンの厚さが2000Å以上であることを特徴とする請求項2記載の液体噴射記録ヘッド。

請求項4

吐出エネルギー発生手段と該吐出エネルギー発生手段から遠ざかるにつれて変化する表示パターンを備えた基板を製作し、該基板上に液流路を形成する液流路形成層を積層したうえでこれを前記基板とともに切断する工程を有し、前記基板の切断面から前記表示パターンを観察することで、前記吐出エネルギー発生手段から前記基板の前記切断面までの距離を検知することを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。

請求項5

表示パターンが、吐出エネルギー発生手段から遠ざかる方向にのびる複数の帯状部分を有し、各帯状部分の先端と前記吐出エネルギー発生手段の間の距離が段階的に変化していることを特徴とする請求項4載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。

請求項6

表示パターンを、基板に吐出エネルギー発生手段を製作する工程で製作することを特徴とする請求項4または5記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。

請求項7

表示パターンを画像認識装置によって観察することを特徴とする請求項4ないし6いずれか1項記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。

請求項8

請求項1ないし3いずれか1項記載の液体噴射記録ヘッドを支持する支持体と、該液体噴射記録ヘッドの吐出エネルギー発生手段に電気信号を供給する手段と、前記液体噴射記録ヘッドに対向するように被記録媒体を搬送するための搬送装置を備えた液体噴射記録装置

技術分野

0001

本発明は、記録液インク)を微細吐出口(オリフィス)から液滴として吐出して被記録媒体(記録紙)に記録(印刷)を行なうインクジェットプリンタ等に用いる液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法ならびに前記液体噴射記録ヘッドを搭載する液体噴射記録装置に関するものである。

背景技術

0002

液体噴射記録装置、いわゆるインクジェットプリンタは記録(印刷)時における騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さく、かつ、高速化が容易であり、しかも普通紙にも記録できる等の長所を有するため、近年特に関心を集めている。

0003

そのなかで、例えば、特開昭54−51875号公報およびドイツ公開DOLS)第2843064号公報に記載されているものは、熱エネルギーを記録液(インク)に作用させて液滴吐出原動力を得るという点において、他の液体噴射記録方法とは異なる特徴を有している。

0004

すなわち、上記の公報に開示された記録方法は、熱エネルギーの作用を受けた記録液が急激な体積の増大を伴う状態変化を起こし、この状態変化に基づく作用力によって記録ヘッド先端のオリフィスから液滴が吐出されて飛翔的液滴が形成され、これが被記録媒体(記録紙)に付着し、記録が行なわれる。

0005

特に、ドイツ公開(DOLS)第2843064号公報に開示されている液体噴射記録方法は、オンデマンド記録法に極めて有効に適用されるばかりでなく、フルラインで高密度マルチオリフィス化された記録ヘッドを容易に実現できるうえに、高解像度、高品質の画像を高速で得られるという際立った長所を有する。

0006

この方式の液体噴射記録装置の記録ヘッドは、記録液を吐出するために設けられたオリフィスと、オリフィスに連通し液滴を吐出するための熱エネルギーが記録液に作用する部分を構成の一部とする液流路と、熱エネルギーを発生する電気熱変換体とを具備している。このような記録ヘッドの従来構造の一例を図7に示す。

0007

これは、記録のドット数と等しい数の電気熱変換体1001aとこれらをそれぞれ図示しない駆動回路へ接続するリード電極を有する基板ヒーターボード)1001を備えており、その表面は、電気熱変換体1001aとリード電極とを記録液から保護するため保護層によって覆われている。

0008

基板1001上には、各電気熱変換素子1001aに沿って記録液を流動させるための液流路1002aと吐出口1002bを形成する樹脂製あるいは金属製のノズル層1002が積層され、各液流路1002aの後方にはこれらに記録液を供給するための図示しない共通液室等が設けられている。

0009

液体噴射記録ヘッドの製造工程において、製品ごとの吐出性能バラつくのを防ぐためには、各電気熱変換素子1001aから吐出口1002bまでの距離(以下、「OH距離」という。)を厳密に管理する必要がある。そこで、矢印Aで示すように、ノズル層1002の上方からノズル層1002を通して目視検査で直接OH距離を測定したり、基板1001に目視用のパターンを設けておき、これをノズル層1002を通して目視することで、OH距離が所定の公差内にあるか否かの判別を行なっている。

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら上記従来の技術によれば、前述のように、ノズル層の上方からノズル層を通して各電気熱変換素子から吐出口までのOH距離を測定するものであるため、ノズル層が不透明であったり、色付きの材料で作られている場合にはOH距離を正確に測定するのが極めて難しい。

0011

また、ノズル層が透明であってもこれに形成された液流路の天井等の表面粗さがRmax0.1s以下でほとんど鏡面状態でなければ正確な目視を行なうことができない。特にノズル層が樹脂製の場合には、液流路の天井等をこのような鏡面状態にするのは困難であり、著しくコスト高になるおそれがある。

0012

加えて、目視による測定自体が、測定者によって個人差があり、従って、不正確作業効率も悪いために、液体噴射記録ヘッドの生産性を向上させるうえでの障害となる。

0013

本発明は、上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、電気熱変換素子等の吐出エネルギー発生手段から吐出口までの距離を正確に検出し、製品ごとに吐出性能がバラつくのを回避できる液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法ならびに前記液体噴射記録ヘッドを搭載する液体噴射記録装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0014

上記目的を達成するため、本発明の液体噴射記録ヘッドは、吐出エネルギー発生手段を有する基板上に液流路を形成する液流路形成層を積層しこれを前記基板とともに切断した積層体と、前記吐出エネルギー発生手段から前記積層体の切断面までの距離を表す表示手段を有し、該表示手段が、これを前記積層体の前記切断面から観察できるように構成されていることを特徴とする。

0015

表示手段が、積層体の切断面に露出する端面を有する表示パターンであるとよい。

0016

表示パターンの厚さが2000Å以上であるとよい。

0017

本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、吐出エネルギー発生手段と該吐出エネルギー発生手段から遠ざかるにつれて変化する表示パターンを備えた基板を製作し、該基板上に液流路を形成する液流路形成層を積層したうえでこれを前記基板とともに切断する工程を有し、前記基板の切断面から前記表示パターンを観察することで、前記吐出エネルギー発生手段から前記基板の前記切断面までの距離を検知することを特徴とする。

0018

表示パターンが、吐出エネルギー発生手段から遠ざかる方向にのびる複数の帯状部分を有し、各帯状部分の先端と前記吐出エネルギー発生手段の間の距離が段階的に変化しているとよい。

0019

表示パターンを、基板に吐出エネルギー発生手段を製作する工程で製作するとよい。

0020

表示パターンを画像認識装置によって観察するとよい。

0021

積層体の切断面には液流路が開口して吐出口を形成する。そこで、吐出エネルギー発生手段から積層体の切断面までの距離を表す表示手段を前記切断面から観察することで、吐出エネルギー発生手段から吐出口までの距離を検知し、所定の値を越えていれば積層体の端部を切除し、所定の値以下であればNGとして処分する。

0022

積層体の切断面から表示手段を観察するものであるため、液流路成形層を通して表示手段を観察する場合等に比べて表示手段を検知するのが容易であり、作業が簡単で間違いも少ない。従って、吐出エネルギー発生手段から吐出口までの距離を正確に検知できる。

0023

このようにして吐出エネルギー発生手段から吐出口までの距離を厳密に管理することで、液体噴射記録ヘッドの吐出性能が製品ごとにバラつくのを防ぐことができる。

0024

表示パターンが、吐出エネルギー発生手段から遠ざかる方向にのびる複数の帯状部分を有し、各帯状部分の先端と前記吐出エネルギー発生手段の間の距離が段階的に変化していれば、切断面に露出する表示パターンの帯状部分の数を数えるだけで、吐出エネルギー発生手段から吐出口までの距離を極めて簡単に検知できる。

0025

本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

0026

図1は一実施例による液体噴射記録ヘッドの基板10のみをその製造工程において示すもので、基板10は、記録ドット数と同じ数だけの吐出エネルギー発生手段である電気熱変換素子11と各電気熱変換素子11に通電するためのリード電極12を有し、各電気熱変換素子11は、図示しない駆動回路からリード電極12を経て供給される電気エネルギーによって発熱するように構成されている。

0027

基板10の両端にはそれぞれ、各電気熱変換素子11から後述する吐出口22(図3に示す)までの距離すなわちOH距離測定用の表示手段(表示パターン)である傾斜パターン13が設けられており、各傾斜パターン13は、後述するように基板10に液流路形成層であるノズル層20を積層し、得られた積層体をA−A線に沿って切断したときの切断面から各電気熱変換素子11までの距離とOH距離の設計値との間のずれ量を前記切断面から認識できるように、基板10の端面10aに向かって電気熱変換素子11から遠ざかるにつれて段階的に変化する突出量を有する複数の帯状部分13a〜13i(帯状部分13g〜13iは図2のみに示す)を備えている。帯状部分13a〜13iは基板10の幅方向に所定のピッチで配設され、それぞれの突出量は以下のように設定される。

0028

図2に示すように、例えば9個の帯状部分13a〜13iの中央の帯状部分13eの先端を、目標とする切断線Cに一致させ、これを挟んで図示左右の帯状部分13a〜13dと帯状部分13f〜13iの突出量を順次増減する。各帯状部分13a〜13iのピッチは必ずしも一定である必要はないし、また、各帯状部分13a〜13iの突出量も一定の値で増減する必要もないが、各帯状部分13a〜13iのピッチが一定で突出量も一定の値で増減させる方がOH距離の測定作業上好ましいことはいうまでもない。

0029

なお、前述の切断線Cは、これに沿って基板10を切断したときに、基板10の切断面(オリフィス面)から電気熱変換素子11までの距離が目標とするOH距離に一致するように設定されたものである。

0030

基板10は以下のように製作される。図3に示すように、まず、基板10の母材であるSiウエハ1の表面を熱酸化することにより蓄熱層が形成されその上に所定の形状の発熱抵抗層2がスパッタリングおよびパターニングされて形成される。そして発熱抵抗層2の上部に、各電気熱変換素子11となる部分を除いてAl等のリード電極3がスパッタリングおよびパターニングにより形成される。

0031

また、上記の製造工程において傾斜パターン13をリード電極3と同じAl等で同じ工程において形成すれば、基板1の製造上で有利となるが、必要であれば別工程でもかまわない。

0032

さらに保護層4としてSiO2 やSiN等をスパッタリング法またはCVD法により堆積させ、その上に耐キャビテーション層として例えばTa膜をスパッタリングおよびパターニングにより所定の形状に形成する。

0033

次に、感光性樹脂等を用いたフォトリソグラフィ工程により、少なくとも液流路21と吐出口22を構成するノズル層20を基板10上に設け、さらにノズル層20を覆う天板30を積層する。

0034

なお、少なくとも液流路と吐出口とを形成するための溝部を有する部材を別体として製作し、液流路が基板の電気熱変換素子と適切な位置関係をもって配置されるように位置合わせを行って接着する方法を採用してもよい。

0035

続いて、ダイシングによって基板10とノズル層20からなる積層体の端部を切断すると吐出口22が形成され、この切断面に露出する傾斜パターン13の帯状部分の数を目視または画像認識装置により確認することにより、液体噴射記録ヘッドのOH距離を知ることができる。

0036

すなわち、OH距離の設計値通りに切断された場合に切断面に露出する傾斜パターン13の帯状部分の数をX、実際に切断したときに切断面に露出した傾斜パターン13の帯状部分の数をN、各帯状部分13a〜13iの突出量の段階的変化量をnとすれば、切断面のずれ量Qは以下の式によって算出される。

0037

Q=(N−X)n・・・・・・・(1)
式(1)によって得られたずれ量Qの値が+(プラス)であれば切断オーバー(OH距離が設計値より短い)であり、また−(マイナス)であればアンダー(OH距離が設計値より長い)となる。

0038

得られた切断面のずれ量Qに応じて各チップランク分けされ、OH距離アンダーのもののみNGとし、OH距離オーバーのものは切断面のずれ量ごとにランク分けし、各ランクごとに、所定数づつまとめて同時に研摩することにより設計値通りのOH距離になるように加工される。

0039

図4は、式(1)において、例えばX=4である場合に切断面に露出する傾斜パターン13とOH距離との関係を示すもので、図4の(a)に示すように切断面に露出する傾斜パターン13の帯状部分の数が2個であるときは、(b)に示すようにOH距離が設計値よりオーバーの状態であり、前述のように切断面を研摩してOH距離を設計値に一致させる。また、(c)に示すように切断面に露出する傾斜パターン13の帯状部分の数が4個であれば、(d)に示すようにOH距離が設計値通りであるからそのままで製品とする。(e)に示すように切断面に露出する傾斜パターン13の帯状部分の数が6個であれば、(f)に示すようにOH距離が設計値より短いためにNGとして処分する。

0040

傾斜パターン13の切断面における露出部分を目視する場合あるいは画像認識する場合の正確さはそれぞれ傾斜パターン13の厚さによって左右される。そこで、傾斜パターン13の厚さを変化させて画像認識の場合の正確さを調べた結果を表1に示す。

0041

ID=000003HE=055 WI=067 LX=1165 LY=2050
この表から、傾斜パターンの厚さは少くとも2000Å必要であり、3000Å以上であれば良好な結果が得られることが判明した。

0042

本実施例によれば、ダイシング等による切断面に露出する傾斜パターンを直接観察することでOH距離が設計値通りであるか否かを判別するものであるため、ノズル層が透明である必要がない。また、ノズル層の液流路の天井等の平滑度によってOH距離の測定に影響を及ぼすおそれもない。

0043

従って、ノズル層の材料や加工精度等に対する制約が大幅に低減される。

0044

また、OH距離を直接測定する替わりに傾斜パターンの帯状部分の数をカウントするだけであるから測定時間を大幅に短縮できる。加えて、測定者の個人差に基づく測定誤差は皆無であり、測定結果が極めて正確で、研摩等の後処理のためのランク分けも容易であるという特すべき長所を有する。

0045

その結果、液体噴射記録ヘッドの材料コストの低減や製造工程の簡略化に大きく貢献できる。このような液体噴射記録ヘッドを搭載することで、液体噴射記録装置の低コスト化を大幅に促進できる。

0046

なお、傾斜パターンの形状は、図1図4に示すように各帯状部分がこれと直交する一本の板状体から突出するくし形に限らず、例えば図5の(a)に示すように帯状部分23a〜23iのみの傾斜パターン23であってもよいし、(b)に示すように、帯状部分33a〜33iが複数ずつのグループとしてくし形に配設さた傾斜パターン33であってもよい。

0047

図6は、本実施例による液体噴射記録ヘッドを搭載する液体噴射記録装置を示すもので、液体噴射記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」という)103とインク容器とを接合した記録ヘッドユニットを搭載した支持体であるキャリッジ101はガイド軸104および螺旋溝105aをもつリードスクリュ105に案内され、キャリッジ101上には、インク容器が内装されたインク容器カセット102を装着することが可能である。ちなみに、記録ヘッド103側には、図示しない棒体が設けられており、インク容器カセット102を一体化した際に、前記棒体の先端部が容器本体1の排出口内に挿入されてボール押圧し、排出口を解放するように構成されている。

0048

リードスクリュ105は、正逆回転する駆動モータ106によって歯車列106a,106b,106c,106dを介して正逆回転され、その螺旋溝105aに先端部が係合したキャリッジ101に設けられているピン(図示せず)を介してキャリッジ101を矢印方向および反矢印方向へ往復移動させる。駆動モータ106の正逆回転の切換は、キャリッジ101がホームポジションにあることをキャリッジ101に設けられたレバー115とフォトカプラ116とで検出することにより行なう。

0049

他方、被記録媒体である記録紙109は、プラテン107に押え板108によって押圧され、紙送りモータ110によって駆動される紙送りローラ(図示せず)によって記録ヘッド103に対向するように搬送される。

0050

回復ユニット111は、記録ヘッド103の吐出口に付着した異物や粘度の高くなったインクを除去して、吐出特性正規の状態に維持するために設けられたものである。

0051

回復ユニット111は、吸引手段(図示せず)に連通されたキャップ部材113を有し、記録ヘッド103の前記吐出口をキャッピングして吸引することにより、吐出口に付着した異物や粘度の高くなったインクを除去する。また、回復ユニット111とプラテン107の間には、案内部材112に案内されて記録ヘッド103の吐出口面走行経路上に向けて前進後退するクリーニングブレード114が配設されており、該クリーニングブレード114の先端で前記吐出口面に付着した異物やインク滴クリーニングできるように構成されている。

0052

本発明は、特に液体噴射記録方式の中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を行なう、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装置において、優れた効果をもたらすものである。

0053

その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方式は所謂オンデマンド型コンティニュアス型のいずれにも適用可能である。

0054

この記録方式を簡単に説明すると、記録液(インク)が保持されているシートや液流路に対応して配置されている電気熱変換素子である電気熱変換体に電気信号を供給する手段である駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動信号印加することによって、熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有効である。この気泡の成長収縮により吐出口を介して記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行なうことができる。

0055

記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に開示されているように、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも本発明は有効である。

0056

加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成を有するものにおいても本発明は有効である。

0057

さらに、本発明が有効に利用される記録ヘッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示されているような記録ヘッドを複数組み合わせることによってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。

0058

加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。

0059

また、記録ヘッドに対する回復手段や予備的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定にすることができるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モード手段を付加することも安定した記録を行なうために有効である。

0060

さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせで構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。

0061

本発明において、上述した各インクにたいして最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。

0062

さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るものであってもよい。

0063

以上説明した本発明の実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液体となるもの、或いは、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温度調整温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質のインク使用も本発明には適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。

発明の効果

0064

本発明は上述のとおり構成されているので、次に記載するような効果を奏する。

0065

電気熱変換素子等の吐出エネルギー発生手段から吐出口までの距離を検知する作業が簡単で間違いも少ない。従って、前記距離を厳密に管理して液体噴射記録ヘッドの吐出性能が製品ごとにバラつくのを防ぐことができる。

0066

その結果、高性能でしかも安価な液体噴射記録ヘッドを実現できる。このような液体噴射記録ヘッドを搭載することで、液体噴射記録装置の高性能化と低価格化に大きく貢献できる。

図面の簡単な説明

0067

図1一実施例による液体噴射記録ヘッドの基板のみを示す模式平面図である。
図2図1の傾斜パターンのみを示す模式平面図である。
図3液体噴射記録ヘッドの基板とノズル層を示す模式部分断面図である。
図4基板の切断面に露出する傾斜パターンとOH距離の関係を示す説明図である。
図5傾斜パターンの2つの変形例を示す説明図である。
図6液体噴射記録装置全体を示す模式斜視図である。
図7従来例を示す模式斜視図である。

--

0068

10基板
11電気熱変換素子
12リード電極
13、23、33傾斜パターン
13a〜13i,23a〜23i,33a〜33i 帯状部分

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